JP6287566B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電流センサ信号又は電圧センサ信号に基づいて交流電動機の通電を制御する交流電動機の制御装置に関する。
従来、インバータにより交流電動機の通電を制御する制御装置において、電流センサが検出した相電流と回転角センサが検出した交流電動機の電気角とを取得し、取得した情報に基づいてフィードバック制御等を行う技術が知られている。
例えば特許文献1に開示された構成では、回転角センサによる電気角信号、電流センサによる相電流信号、電圧センサによるインバータ入力電圧信号が、いずれもMG−ECU(主演算部)に入力される。主演算部は、これらのセンサ信号に基づいてインバータへの指令電圧を制御演算することで、交流電動機の通電を制御する。
特開2013−1185号公報
例えばフィードバック制御で相電流のセンサ値をdq変換するとき、電流センサ信号と回転角センサ信号とをタイミングを合わせて取得する必要がある。電流センサ信号及び回転角センサ信号がいずれもアナログ信号として制御演算部に入力される場合には、任意のタイミングで電流センサ信号及び回転角センサ信号を同時に取得することが可能である。
これに対し、「インバータ(駆動回路)が設けられるパワー部と、交流電動機の通電を制御する制御演算部とが別の基板に離間して設けられ、パワー部に設置された強電センサ(電流センサ又は電圧センサ)のセンサ信号はパワー部から制御演算部に送信され、一方、回転角センサ信号は制御演算部に入力される」構成の制御装置について検討する。
この構成では、強電センサ信号をアナログ信号で送信すると、ノイズによるセンサ情報のずれにより交流電動機の制御が正常にできなくなるおそれがある。そこで、パワー部で強電センサ信号をデジタル信号に変換して制御演算部に送信することが考えられる。
ところで、一般にデジタル通信では、アナログ通信に比べ、通信異常が頻繁に発生する可能性がある。この通常異常は、主に、過剰なデータや送信側と受信側との設定不一致により発生する一時的な通信障害であり、通常、直ぐに正常復帰可能な種類のものである。
仮にこのような通信異常の発生及び正常復帰を検出し、その都度、通電遮断と再通電とを繰り返す制御を行うと、交流電動機の駆動が不安定になるおそれがある。
また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータに適用される交流電動機の場合、通信異常の発生の度に車両を停止させることが安全上好ましいとは限らず、重度の異常でない限りできるだけ交流電動機の駆動を継続したいという要求がある。
そのためには、通信が正常な場合に実行する通常制御と、通信異常が発生した場合に実行する制御とを切替可能とすることが求められる。また、通信異常時に限らず、交流電動機の動作状況等によっては、通常制御とは別の制御により駆動回路の制御信号を生成する方が好ましい場合がある。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、パワー部に入力された強電センサ信号をパワー部から主演算部に通信する構成の交流電動機の制御装置において、主演算部が駆動回路の制御信号を生成する制御について、強電情報の現在値を用いる制御と用いない制御とを状況に応じて切替可能な交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明の交流電動機の制御装置は、駆動回路、第1制御装置及び第1伝達装置を含むパワー部と、第2制御装置を含む主演算部とを備える。
ここで、「交流電動機」は、交流駆動のモータ、発電機、及びモータジェネレータを含むものであり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機として用いられ駆動輪を駆動するためのトルクを発生するモータジェネレータが該当する。また、モータジェネレータを駆動するMG制御装置が「交流電動機の制御装置」に該当する。
パワー部の駆動回路は、直流電源からの直流電力を変換し三相以上の多相の交流電動機を駆動する。第1制御装置は、直流電源から交流電動機までの電力経路における電流又は電圧を検出する強電センサから強電センサ信号が入力される。第1伝達装置は、第1制御装置に入力された強電センサ信号をデジタル信号として送信する。
主演算部は、パワー部と離間して設けられ、第1伝達装置と通信線によって接続されている。主演算部の第2制御装置は、パワー部から送信された強電センサ信号の情報、及び、交流電動機の回転角を検出する回転角センサから取得した電気角信号の情報に基づいて駆動回路の制御信号を生成する。
そして、主演算部の第2制御装置は、「強電センサ信号の現在値を用いて駆動回路の制御信号を生成する通常制御手段」と、「強電センサ信号の現在値以外の情報を用いて、言い換えれば、強電センサ信号の現在値を用いないで駆動回路の制御信号を生成する例外制御手段」と、「通常制御手段による通常制御と例外制御手段による例外制御とを切り替える切替手段」と、を有していることを特徴とする。
ここで「現在値」とは、厳密に現在の瞬間値に限らず、通常のフィードバック制御において最新の値として用いられる常識的な時間範囲の値を意味する。
本発明の交流電動機の制御装置は、主演算部の第2制御装置が、強電センサ信号の現在値を用いる通常制御手段、及び、強電センサ信号の現在値を用いない例外制御手段の2つの制御手段、並びに、2つの制御手段による制御を切り替える切替手段を有していることにより、強電情報の現在値を用いる制御と用いない制御とを状況に応じて切り替えることができる。
発明の一態様の交流電動機の制御装置は、パワー部から主演算部への強電センサ信号の通信に異常が発生したことを判定する異常判定手段を備え、切替手段は、強電センサ信号が正常に通信されているとき、通常制御手段による制御を選択し、強電センサ信号の通信に異常が発生したとき、例外制御手段による制御を選択する。
これにより、通信異常の発生時に駆動回路の駆動を停止することなく、交流電動機への通電を継続することができる。したがって、通信異常の発生及び復帰が繰り返される場合に、都度、通電を遮断したり再通電したりしないため、交流電動機の駆動を安定させることができる。また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータに適用される交流電動機の場合、通信異常の発生のみによって車両を停止させる事態を回避することができる。
例外制御手段が強電センサ信号の現在値を用いずに実行する制御として、具体的には次のような制御が挙げられる。
[1]通常制御から例外制御に切り替わったとき、当該切替以前の同じタイミングの強電センサ信号と電気角信号とを用いてフィードバック演算を行う過去値保持制御。
この場合、例外制御手段は、通常制御時にパワー部から送信された強電センサ信号の過去値、及び、回転角センサから取得した電気角信号の過去値を保持しておく。例えば、通信異常が発生したとき、当該通信異常が発生する以前の同じタイミングの強電センサ信号と電気角信号とを用いる。通信異常が一時的であり短期間で正常復帰することを前提とすると、強電センサ信号の現在値を一時的に過去値で代用することで、通常時と同じロジックのフィードバック制御を継続することができる。
[2]周知の電圧方程式においてdq軸電流としてdq軸電流指令値を用いて電圧指令値を演算するフィードフォワード制御。
フィードフォワード制御ではそもそも相電流の情報を用いないため、例えば通信の正常又は異常による強電情報の有無に拘わらず演算結果に違いがない。また、過去値保持のための記憶領域を必要としない。さらに、最新のdq軸電流指令値を用いることができる点で好適である。
さらに、本発明の交流電動機の制御装置において、主演算部は、第2制御装置が演算した相電圧指令値を駆動回路の制御信号としてパワー部の第1制御装置に送信し、第1制御装置は、当該相電圧指令値に基づいて駆動回路を駆動する駆動信号を生成し駆動回路に出力することが好ましい。
駆動回路の駆動に直接関わる駆動信号(例えばPWM信号)の生成をパワー部の内部で行うことにより、各種情報に基づいて制御演算を行う主演算部の機能と、駆動回路を駆動して交流電動機へ電力を供給するパワー部の機能とを明確に区別することができる。
本発明の実施形態による交流電動機の制御装置が適用されるハイブリッド車制御システムの全体構成図である。 本発明の第1実施形態による交流電動機の制御装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態による交流電動機の制御装置のブロック図である。 図3の制御装置における通信異常判定処理のブロック図である。 通信異常判定処理のフローチャートである。 通常制御手段によるフィードバック制御のブロック図である。 例外制御手段による過去値保持制御のブロック図である。 例外制御手段による過去値保持制御のタイムチャートである。 例外制御手段によるフィードフォワード制御のブロック図である。 本発明の第2実施形態による交流電動機の制御装置のブロック図である。 第1比較例の交流電動機の制御装置のブロック図である。 第2比較例の交流電動機の制御装置のブロック図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の交流電動機の制御装置について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態の交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車に適用される。
図1に示すハイブリッド自動車は、いわゆるシリーズパラレルハイブリッド自動車であり、車両の駆動力源として、エンジン92、及び2つのモータジェネレータ81、82を備える。
モータジェネレータ(以下「MG」と記す。)は、トルクを受けて回生電力を発生する発電機としての機能、及び、力行動作により電力を消費してトルクを発生する電動機としての機能を兼ね備える。本実施形態では、第1MG(図中「MG1」と記す。)81は主に発電機として機能し、第2MG82(図中「MG2」と記す。)は主に電動機として機能する。MG81、82は、例えば永久磁石式同期型の三相交流電動機である。
MG81、82のロータ近傍には、それぞれ、第1MG81の電気角θg及び第2MG82の電気角θを検出する回転角センサ83、84が設けられる。回転角センサ83、84は、例えばレゾルバであり、検出した電気角信号θg、θをアナログ信号(例えば0〜5Vの信号、以下同様。)として、MG−ECU6に出力する。
ここで、第1MG81及び第2MG82に対応する電気角、及び後述の相電流の記号に関して、後の説明の都合により、第1MG81に対応する記号には添え字「g」を付し、第2MG82に対応する記号には添え字を付さないで記す。
車両制御回路90は、アクセル信号、ブレーキ信号、シフト信号、車速信号等が入力され、取得した情報に基づいて車両の運転状態を検出する。そして、運転状態に応じたトルク指令値trq*をMG−ECU6に出力し、また、エンジンECU91に対して、エンジン92の運転を指令する。
エンジンECU91は、図示しないクランク角センサから入力されるクランク角信号等に基づいてクランク軸93のクランク角やエンジン回転速度等の情報を取得し、エンジン92の運転を制御する。
エンジン92、第1MG81及び第2MG82は、動力分割機構94により接続されている。エンジン92の動力は、クランク軸93に連結された動力分割機構94で二系統に分割され、その一方の動力でデファレンシャルギア機構96、車軸97を介して車輪98を駆動し、もう一方の動力で第1MG81に発電させる。
「直流電源」としてのバッテリ15は、ニッケル水素、リチウムイオン電池等の充放電可能な蓄電装置である。なお、直流電源として電気二重層キャパシタ等を用いてもよい。バッテリECU14は、バッテリ電圧VB等を監視しMG−ECU6に通信する。また、バッテリ15の充放電を制御する。
昇圧コンバータ20、第1インバータ(図中「MG1インバータ」と記す。」)30、及び第2インバータ(図中「MG2インバータ」と記す。」)40は、まとまって配置され、MG81、82へ駆動電力を供給するパワー部5のユニットを構成している。
「直流電圧変換器」としての昇圧コンバータ20は、バッテリ15の直流電圧を昇圧し、第1インバータ30及び第2インバータ40に出力する。
「駆動回路」としての第1インバータ30及び第2インバータ40は、直流電力と三相交流電力とを相互に変換する。第1MG81が発電した三相交流電力は、第1インバータ30で直流電力に変換され、昇圧コンバータ20を経由してバッテリ15に回生される。第2MG82は、第2インバータ40が変換した三相交流電力を用いて力行動作によりトルクを出力する。第2MG82による駆動力は、プロペラ軸95、デファレンシャルギア機構96、車軸97を介して車輪98に伝達される。
パワー部5には、昇圧コンバータ20、第1インバータ30及び第2インバータ40の回路における所定箇所の電流又は電圧を検出する複数の電流センサ及び電圧センサが設けられている。以下、バッテリ15からMG81、82までの電力経路における電流又は電圧を包括し、「強電」という用語を用いる。電流センサ又は電圧センサを「強電センサ」といい、強電センサから得られる電流又は電圧に関する情報を「強電情報」という。
本実施形態では、第1MG81の三相電流Iug、Ivg、Iwg、及び、第2MG82の三相電流Iu、Iv、Iwが主な強電情報に相当する。パワー部5で取得された強電センサ信号は、パワー部5の第1制御装置51から、第1伝達装置55、及び「通信線」としての第1通信線56を経由してMG−ECU6に送信される。
「主演算部」としてのMG−ECU6は、車両制御回路90から指令されたトルク指令値trq*、パワー部5からの強電センサ信号、及び回転角センサ83、84からの電気角信号等を取得し、これらの情報に基づいて、第1MG81及び第2MG82の通電に係る各制御量を演算する。また、本実施形態では、MG−ECU6は、パワー部5と別の基板に離間して設けられており、強電情報に関して、パワー部5から第1通信線56を経由して通信されるセンサ信号により情報を取得することを特徴とする。
そして、パワー部5とMG−ECU6とを含むMG制御装置101が、本発明の「交流電動機の制御装置」に相当する。
次に、MG制御装置101の詳細な構成について、図2、図3を参照して説明する。
以下では、第2MG82の通電制御に係る構成のみを説明し、第1MG81の通電制御に係る構成は第2MG82と同様であるため省略する。それに伴い、第2MG82を単に「MG82」といい、第2インバータ40を単に「インバータ40」という。
図2に示すように、昇圧コンバータ20は、入力側コンデンサ21、リアクトル22、上下アームのスイッチング素子23、24、出力側コンデンサ25等により構成される。
昇圧コンバータ20の回路には、入力側コンデンサ21と並列に設けられバッテリ15から入力される入力電圧VLを検出する電圧センサ27、出力側コンデンサ25と並列に設けられ昇圧コンバータ20の出力電圧VHを検出する電圧センサ28、及び、リアクトル22を流れるリアクトル電流ILを検出する電流センサ29が設けられている。
昇圧コンバータ20は、例えば昇圧デューティに基づくPWM制御によりスイッチング素子23、24が交互にオン/オフされることで、リアクトル22が電気エネルギを蓄積及び放出する。リアクトル22が放出した電気エネルギが入力電圧VLに重畳し、入力電圧VLが昇圧される。昇圧された出力電圧VHは、インバータ40に入力される。
インバータ40は、ブリッジ接続された三相の上下アームのスイッチング素子41〜46により構成される。スイッチング素子としては、例えばIGBT等が用いられる。
インバータ40の回路には、MG82の三相巻線に流れる各相電流Iu、Iv、Iwを検出する電流センサ47、48、49が設けられている。
本実施形態では、インバータ40は、PWM制御によって各相のスイッチング素子がオン/オフされることにより、昇圧コンバータ20で昇圧された出力電圧VHの直流電力を三相交流電力に変換し、MG82に供給する。
また、図2、図3に示すように、パワー部5は、昇圧コンバータ20とインバータ40との他に、第1制御装置51及び第1伝達装置55を含む。
第1制御装置51は、昇圧コンバータ20の回路に設けられた電圧センサ27、28が検出した入力電圧VL、出力電圧VH、及び、電流センサ29が検出したリアクトル電流IL、並びに、インバータ40の回路に設けられた各電流センサ47、48、49が検出した相電流の各強電センサ信号が入力される。
ここで、図3中、MG82から第1制御装置51に向かう相電流Iu、Iv、Iwの矢印は、電流センサ47、48、49が検出した相電流のセンサ信号が第1制御装置51に入力されることを意味している。また、相電流Iu、Iv、Iwに代えて、相電圧Vu、Vv、Vwを強電センサ信号として第1制御装置51に入力してもよい。
本実施形態では、電圧センサ27、28、電流センサ29、47、48、49は強電センサ信号をアナログ信号で出力する。第1制御装置51は、図示しないアナログデジタル変換器((以下、「A/D変換器」と記す。)を内部に有しており、入力されたアナログ信号をデジタル信号にA/D変換する。
また、本実施形態の第1制御装置51は、MG−ECU6の第2伝達装置68から送信された電圧指令信号Vu*、Vv*、Vw*に基づきPWM信号を生成し、インバータ40に出力する。なお、昇圧コンバータ20の昇圧制御に関して、例えば昇圧PWM信号を第1制御装置51から昇圧コンバータ20に出力することも考えられるが、本明細書では、詳しい言及を省略する。
第1伝達装置55は、第1制御装置51でデジタル信号に変換された強電センサ信号を、第1通信線56を経由してMG−ECU6の第2制御装置61に送信する。
MG−ECU6は、第2制御装置61及び第2伝達装置68を含む。
第2制御装置61は、車両制御回路90からのトルク指令値trq*、第1制御装置51からの相電流Iu、Iv、Iw等の情報、及び回転角センサ84からの電気角θの情報等を取得し、これらの情報に基づいて、MG82の通電に係る制御量を演算する。本実施形態の第2制御装置61は、「駆動回路の制御信号」として相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を生成し、第2伝達装置68に出力する。
第2伝達装置68は、第2制御装置61が生成した相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を、第2通信線57を経由して第1制御装置51に送信する。
第2制御装置61は、通常制御手段62及び例外制御手段63の2つの制御手段、並びに、通常制御手段62による制御と例外制御手段63による制御とを切り替える切替手段67を有している。切替手段67は、強電センサ信号の通信異常を判定する異常判定手段54、65、66からの信号に基づいて、2つの制御手段62、63による制御を切り替える。
異常判定手段54、65、66による通信異常判定、並びに、通常制御手段62及び例外制御手段63の具体的な制御構成等について詳しくは後述する。
上記構成のMG制御装置101における強電センサ信号の通信に関する課題について、比較例の通信構成と比較しつつ、図11、図12を参照して説明する。
図11に示す第1比較例のMG制御装置108は、パワー部508とMG−ECU608とが別の基板に離間して設けられている点で、本実施形態と同様である。ただし、MG制御装置108では、パワー部508に設けられた各強電センサから出力されたアナログ信号は、アナログ信号線59を経由して、そのままMG−ECU608に入力される。
なお、インバータ回路内に電流センサが取り付けられる構成は、例えば特開2013−258843号の図1に開示されている。
MG−ECU608は、入力されたアナログ信号をA/D変換するA/D変換器640、及び、通常制御手段64のみを含みインバータ40の制御信号を生成する第2制御装置618を有している。また、MG制御装置108は、後述する本発明の第2実施形態と同様に、通常制御手段64が演算した電圧指令値に基づいてMG−ECU608のPWM信号生成部69でPWM信号が生成され、パワー部5のインバータ40に直接出力される。
通常制御手段64は、アナログ信号線59を経由して入力される信号の異常を監視し、異常の場合、インバータ40への制御信号の出力を遮断することでMG82への電力供給を遮断する。
アナログ通信ではデジタル通信のような通信障害は発生しないため、異常の可能性は、ほぼ強電センサ自体の故障の場合に限られる。しかも、実際にはセンサの故障が発生することも稀であり、異常検出によってMG82への電力供給が遮断される可能性は低い。しかしながら、強電センサ信号をアナログ信号で送信する構成では、ノイズによるセンサ情報のずれによりMG82の制御が正常にできなくなるおそれがある。
そこで、図12に示す第2比較例のMG制御装置109は、パワー部5に入力された強電センサ信号をデジタル信号に変換し、MG−ECU6に送信する構成を採用している。
MG制御装置109のパワー部5の構成は、本実施形態のMG制御装置101と同等である。一方、MG制御装置109のMG−ECU609は、第1比較例のMG制御装置108と同等の第2制御装置618、及び、本実施形態のMG制御装置101と同等の第2伝達装置68を有している。
第2制御装置618には、通常制御手段64のみが設けられており、第1通信線56を経由して送信される強電センサ信号の異常を監視し、異常の場合、第1制御装置51への電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*の出力を遮断することで、MG82への電力供給を遮断する。
ところで、一般にデジタル通信では、アナログ通信に比べ、通信異常が頻繁に発生する可能性がある。この通常異常は、主に、過剰なデータや送信側と受信側との設定不一致により発生する一時的な通信障害であり、通常、直ぐに正常復帰可能な種類のものである。
仮にこのような通信異常の発生及び正常復帰を検出し、その都度、通電遮断と再通電とを繰り返す制御を行うと、MG82の駆動が不安定になるおそれがある。
また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータに適用されるMGの場合、通信異常の発生の度に車両を停止させることが安全上好ましいとは限らず、重度の異常でない限りできるだけMGの駆動を継続したいという要求がある。
そこで、本実施形態のMG制御装置101は、上記の課題を解決すべく、「第1伝達装置55から第2制御装置61へのデジタル信号による強電センサ信号の通信異常を判定する」こと、並びに、「第2制御装置61は、通常制御手段62と例外制御手段63との2つの制御手段、及び切替手段67を有し、通信異常が発生したとき、通常制御手段62による通常制御から例外制御手段63による例外制御に切り替える」ことを特徴とする。
ここで、例外制御手段の「例外」とは「通常とは異なる状態」を意味する。本実施形態では、通信異常時が「例外」に相当するため、例外制御手段を「異常時制御手段」と言い換えてもよい。ただし、本明細書の最後に記載するように、本発明の他の実施形態では、通信異常時以外に、例えばMG82の動作状態が特定の範囲になったときを「例外」の状態として、例外制御手段により制御する場合がある。このような形態をも包括するため、あえて「異常時制御手段」といわず、「例外制御手段」という名称を用いる。
本実施形態のMG制御装置101による「通信異常判定処理」について、図4、図5を参照して説明する。
図4は、図3中の通信異常判定に関する構成のみを抽出して示したブロック図である。本実施形態では、パワー部5側に送信診断手段54、MG−ECU6側に受信診断手段65及び更新確認手段66の3つの異常判定手段を設けている。ただし他の実施形態では、少なくとも1つの異常判定手段を有していればよい。
送信診断手段54は、第1伝達装置55に入力される信号Siと第1伝達装置55から出力された信号Soとを比較することで第1伝達装置55の送信エラーを検出する。或いは、第1伝達装置55と同一機能の冗長伝達装置を設け、それらが送信した信号同士を比較してもよい。
第1伝達装置55の送信エラーが検出されたとき、送信診断手段54は、第1伝達装置55からの通信に通常用いられる第1通信線56、又は、エラー信号専用の通信線58を経由してエラー信号Errを切替手段67に送信する。
受信診断手段65は、周知のパリティ、チェックサム、CRC等の診断方法により、第1伝達装置55が送信した内容と第2制御装置61が受信した内容の整合性を診断する。受信エラーが検出された場合、エラー信号Errを切替手段67に送信する。
更新確認手段66は、第1伝達装置55の送信内容又は第2制御装置61の受信内容を前回の送信又は受信内容と比較し、更新の有無を確認する。MG82の動作状態が経時変化しており通信内容が変わるはずであるのに変わらないとき、又は、MG82がロック状態であり通信内容が変わるはずがないのに変わったとき、更新エラーであると判定する。更新エラーが検出された場合、エラー信号Errを切替手段67に送信する。
通信異常判定処理のフローチャートを図5に示す。フローチャート中の記号「S」はステップを意味する。この通信異常判定処理は、第2制御装置61によるデータ取得周期と同期して毎周期実行してもよく、或いは、例えばMG82の電気角変化量に応じて、データ取得周期の数周期毎に一度実行してもよい。
S1では、送信診断手段54による送信診断がOK(異常なし)であるか判断する。
S2では、受信診断手段65による受信診断がOK(異常なし)であるか判断する。
S3では、更新確認手段66による更新確認がOK(異常なし)であるか判断する。
S1〜S3はどの順に実施されてもよい。S1〜S3の全てでYESのとき、S4にて通信正常と判定し、S5にて通常制御手段62によるフィードバック(FB)制御を実行する。S1〜S3のいずれかでNOのとき、S6にて通信異常と判定し、S7にて例外制御手段63による過去値保持制御又はフィードフォワード(FF)制御を実行する。
次に、通常制御手段62及び例外制御手段63による具体的な制御構成について、図6〜図9を参照して説明する。なお、図6等において、電気角θを微分器85で時間微分して得られる電気角速度ω[rad/s]は、比例定数を乗ずることで回転数[rpm]に換算されることから、適宜、「回転数ω」とも記載する。
まず、通常制御手段62による電流フィードバック制御の構成を図6に示す。通常制御手段62は、電流指令値演算部71、電流減算器72、PI演算部73、2相3相変換部75及び3相2相変換部77を有している。
電流指令値演算部71は、トルク指令値trq*、及び、MG82の現在の回転数ωに基づき、マップ又は数式を用いてdq軸電流指令値Id*、Iq*を演算する。
電流減算器72は、dq軸電流指令値Id*、Iq*と、3相2相変換部77からフィードバックされるdq軸電流Id、Iqとの電流偏差ΔId、ΔIqを算出する。
PI演算部73は、dq軸電流偏差ΔId、ΔIqが0に収束するように、PI演算によりdq軸電圧指令値Vd*、Vq*を算出する。
2相3相変換部75は、回転角センサ84から取得される電気角θを用いて、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*を三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に逆dq変換する。
本実施形態では、第2伝達装置68から第1制御装置51に送信された三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づいて、第1制御装置51がPWM信号を生成し、インバータ40に指令する。
そして、PWM信号に基づいてインバータ40のスイッチング素子41〜46のオン/オフが制御されることにより、三相交流電圧Vu、Vv、Vwが生成される。この三相交流電圧Vu、Vv、VwがMG82に印加されることにより、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように、MG82の駆動が制御される。
インバータ40からMG82への電流経路に設けられた電流センサ47、48、49で検出された三相電流Iu、Iv、Iwは、第1制御装置51に入力され、A/D変換されて通常制御手段62に送信される。
通常制御手段62の3相2相変換部77は、回転角センサ84から取得される電気角θを用いて、三相電流Iu、Iv、Iwをdq軸電流Id、Iqにdq変換する。
ここで、第1伝達装置55からの強電センサ信号が正常に通信されていれば、3相2相変換部77に、三相電流Iu、Iv、Iwの最新の値である現在値Iu_now、Iv_now、Iw_nowが入力される。また、通常制御手段62は、回転角センサ84からの電気角信号の現在値θnowを常に取得可能であるため、2相3相変換部75及び3相2相変換部77へは、制御演算周期毎に電気角の現在値θnowが入力される。
こうして、通常制御手段62の3相2相変換部77は、三相電流の現在値Iu_now、Iv_now、Iw_now、及び、電気角の現在値θnowを用いてdq変換演算を行う。よって、MG82の動作状態を適確に反映したフィードバック制御が実行される。ここで、「現在値」とは、厳密に現在の瞬間値に限らず、通常のフィードバック制御において最新の値として用いられる常識的な時間範囲の値を意味する。
次に、第1伝達装置55からの強電センサ信号の通信に異常が発生したとき、例外制御手段63が実行可能な2通りの制御例について説明する。例外制御手段63の符号について、第1の制御を実行する構成(図7)には「631」、第2の制御を実行する構成(図9)には「632」を付す。
(過去値保持制御)
第1の制御である「過去値保持制御」について、図7、図8を参照して説明する。
図7に示す例外制御手段631は、通常制御手段62の構成に加え、過去値保持部76及び角度調整部78を有している。
過去値保持部76は、第1制御装置51から送信された三相電流Iu、Iv、Iwの過去値を保持する。詳しくは、通信異常が発生する直前又はそれ以前に受信した三相電流の過去値Iu_old、Iv_old、Iw_oldを保持し、且つ、3相2相変換部77に出力する。
角度調整部78は、回転角センサ84から取得した電気角θの過去値を保持する。そして、過去値保持部76が保持し出力する三相電流の過去値Iu_old、Iv_old、Iw_oldと同じタイミングの値である電気角の過去値θoldを3相2相変換部77に出力する。また、角度調整部78は、2相3相変換部75に対し通常制御と同様に電気角の現在値θnowを出力する。
3相2相変換部77は、入力された三相電流の過去値Iu_old、Iv_old、Iw_old、及び、電気角の過去値θoldを用いてdq変換演算を行う。それ以外は、通常制御手段62と同様にフィードバック制御が実行される。
なお、図6、図7では電流フィードバック制御の構成を示しているが、トルクフィードバック制御の場合は、3相2相変換部77の後、dq軸電流から式(1)を用いて推定トルクtrqを算出し、トルク指令値trq*に対してフィードバックする。トルクフィードバック制御の場合も、例外制御手段631の構成上の特徴は上記と同様である。
trq=pm×{Iq×φ+(Ld−Lq)×Id×Iq} ・・・(1)
ただし、
pm:電動機の極対数
φ:永久磁石の電機子鎖交磁束
Ld、Lq:d軸インダクタンス、q軸インダクタンス
図8のタイムチャートに、制御周期毎に3相2相変換部77に入力されdq変換の演算に用いられる三相電流の代表としてのU相電流Iu、及び電気角θを模式的に示す。V相電流Iv及びW相電流IwについてはU相電流Iuと同様に扱う。また、図8の時間軸の時刻t1〜t6は、制御演算が実行されるタイミングである。
時刻t1、t2では、第1制御装置51からMG−ECU6への強電センサ信号の通信は正常である。したがって、通常制御手段62により、各時刻におけるU相電流の現在値及び電気角の現在値の組(Iu1とθ1、Iu2とθ2)が3相2相変換部77に入力され、通常のフィードバック制御が実行される。
時刻t3で強電センサ信号の通信に異常が発生し、通常制御手段62がU相電流Iuを取得不能な状態になったとする。通信異常判定手段54、65、66からエラー信号を受信した切替手段67は、通常制御手段62による通常のフィードバック制御から、例外制御手段631による過去値保持制御を併用したフィードバック制御に切り替える。
例外制御手段631の過去値保持部76は、通信異常が発生する直前、すなわち時刻t2のU相電流過去値Iu2を3相2相変換部77に出力する。また、角度調整部78は、過去値保持部76が出力するU相電流過去値Iu2と同じ時刻t2の電気角過去値θ2を3相2相変換部77に出力する。
次の時刻t4においても通信異常が継続しているため、時刻t3と同様に、過去値保持部76はU相電流過去値Iu2を3相2相変換部77に出力し、角度調整部78は電気角過去値θ2を3相2相変換部77に出力する。
なお、角度調整部78は、時刻t3、t4において通常制御の通り取得した電気角の現在値θ3、θ4を2相3相変換部75に出力する。
時刻t5で通信が正常復帰すると、切替手段67は、通常制御手段62による制御に戻す。したがって、再び、U相電流の現在値Iu5及び電気角の現在値θ5が3相2相変換部77に入力され、通常のフィードバック制御が実行される。
このように、通信異常が一時的である場合には、同じタイミングの相電流及び電気角の情報を一組の過去値とし、通信異常期間中に現在値を過去値で代用することで、通常時と同じロジックのフィードバック制御を継続することができる。
(フィードフォワード制御)
通信異常が発生した場合に実行可能な第2の制御である「フィードフォワード制御」について、図9を参照して説明する。
図9に示す例外制御手段632は、電流指令演算部71、フィードフォワード演算部74及び2相3相変換部75を有している。
フィードフォワード演算部74は、周知の電圧方程式においてdq軸電流Id、Iqとしてdq軸電流指令値Id*、Iq*を用いた式(2.1)、(2.2)により、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。
Vd*=(R+sLd)×Id*−ω×Lq×Iq* ・・・(2.1)
Vq*=(R+sLq)×Iq*+ω×Ld×Id*+ω×φ ・・・(2.2)
ただし、
R:電機子抵抗
s:微分演算子
Ld、Lq:d軸インダクタンス、q軸インダクタンス
ω:電気角速度
φ:永久磁石の電機子鎖交磁束
フィードフォワード制御ではそもそも三相電流Iu、Iv、Iwの情報を用いないため、通信の正常又は異常による強電情報の有無に拘わらず演算結果に違いがない。また、過去値保持のための記憶領域を必要としない。さらに、最新のdq軸電流指令値Id*、Iq*を用いることができる点で好適である。
例外制御手段63は、通信異常の発生時に過去値保持制御又はフィードフォワード制御のいずれか一方を実行してもよく、或いは、状況に応じて過去値保持制御及びフィードフォワード制御を選択する構成としてもよい。例えば、通信異常が発生した直後は過去値保持制御を選択し、通信異常が長期化して現在値と過去値との乖離が大きくなった場合にフィードフォワード制御を選択するというような切り替えが考えられる。
本実施形態のMG制御装置101の効果について説明する。
(1)パワー部5とMG−ECU6とが離間して設けられ、パワー部5に入力された強電センサ信号をパワー部5からMG−ECU6に通信する構成のMG制御装置において、本実施形態では、強電センサ信号が第1制御装置51でデジタル変換されて送信される。これにより、強電センサ信号をアナログ信号のまま送信する第1比較例に対し、ノイズによるセンサ情報のずれによりMG82の制御が正常にできなくなることを防止することができる。
(2)本実施形態のMG−ECU6において、インバータ40の制御信号を生成する第2制御装置61は、強電センサ信号の現在値を取得する通常制御手段62、及び、強電センサ信号の現在値を取得しない例外制御手段63の2つの制御手段、並びに、2つの制御手段62、63による制御を切り替える切替手段67を有している。これにより、MG−ECU6は、MG82の通電制御について強電情報の現在値を用いる制御と用いない制御とを状況に応じて切り替えることができる。
(3)本実施形態では、第1伝達装置55からMG−ECU6への強電センサ信号の通信異常を判定する異常判定手段54、65、66を備え、切替手段67は、強電センサ信号が正常に通信されているとき、通常制御手段62による通常制御を選択し、強電センサ信号の通信に異常が発生したとき、例外制御手段63による例外制御を選択する。
これにより、通信異常の発生時にインバータ40の駆動を停止することなく、MG82への通電を継続することができる。したがって、通信異常の発生及び正常復帰が頻繁に繰り返される場合に、都度、通電を遮断したり再通電したりしないため、MG82の駆動を安定させることができる。また、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機モータとして適用されるMG82の場合、通信異常の発生のみによって車両を停止させる事態を回避することができる。
(4)本実施形態の例外制御手段63は、強電情報の現在値を用いない制御例として、過去値保持制御又はフィードフォワード制御を実行可能である。
過去値保持制御では、通信異常が一時的であり短期間で正常復帰することを前提とすると、強電センサ信号の現在値を一時的に過去値で代用することで、通常時と同じロジックのフィードバック制御を継続することができる。
フィードフォワード制御は、例えば、通信異常が長期化して現在値と過去値との乖離が大きくなり、過去値を代用することが困難な場合に有効である。また、電流指令値として最新の値を用いることができる点で好適である。
(5)本実施形態では、インバータ40の駆動について、第2制御装置61が生成した相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*をMG−ECU6の第2伝達装置68からパワー部5の第1制御装置51に送信し、第1制御装置51が相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づいてPWM信号を生成してインバータ40に出力する。インバータ40の駆動に直接関わるPWM信号の生成をパワー部5の内部で行うことにより、各種情報に基づいて制御演算を行うMG−ECU6の機能と、インバータ40を駆動してMG82へ電力を供給するパワー部5の機能とを明確に区別することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図10を参照して説明する。
図10に示すように、第2実施形態のMG制御装置102は、MG−ECU602の第2制御装置61からパワー部5へのインバータ40の制御信号の出力に関する構成が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、第2制御装置61が演算した電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づいて、MG−ECU602内部のPWM信号生成部69でPWM信号を生成し、直接インバータ40に出力する。すなわち、第1実施形態のようにパワー部5の第1制御装置51を経由することなくインバータ40を駆動するため、構成が単純になる。
その他、第2実施形態は、第1伝達装置55から第2制御装置61への強電センサ信号の通信異常判定、及び、通信異常時の制御手段62、63の切替等の構成については第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果が得られる。
(その他の実施形態)
(ア)本発明の「交流電動機の制御装置」として、上記実施形態では、シリーズパラレルハイブリッド自動車において2つのMG81、82の駆動を制御するMG制御装置を例示した。他の実施形態では、本発明の「交流電動機の制御装置」は、1つ、又は3つ以上のMGを備えるハイブリッド自動車や電気自動車に適用されてもよい。また、車両の主機モータ以外に、車両の補機用や、車両以外の電車、昇降機、一般機械等に用いられる交流電動機の制御装置として適用されてもよい。
(イ)上記実施形態の交流電動機は、永久磁石式同期型の三相交流電動機であったが、他の実施形態では、誘導電動機やその他の同期電動機であってもよい。また、上記実施形態の交流電動機は、電動機としての機能、及び発電機としての機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであったが、他の実施形態では、発電機としての機能を持たなくてもよい。
さらに本発明は、三相交流電動機に限らず、三相以上の多相の交流電動機に広く適用可能である。
(ウ)パワー部は、直流電源からの入力電圧を昇圧してインバータに出力する昇圧コンバータを設けず、直流電源の電圧を直接インバータに出力する構成としてもよい。昇圧コンバータを設けない構成では、図3等において、バッテリ15からの入力電圧VLのみが第1制御装置51に入力される。
さらに、MG−ECU6は、昇圧制御においてパワー部5から入力電圧VLを取得する代わりに、バッテリECU14からバッテリ電圧VBを取得してもよい(図1参照)。
(エ)インバータの制御は、PWM制御に限らず、位相制御や瞬時電流制御等を用いてもよい。
(オ)上記実施形態では、アナログ信号を出力する強電センサを用い、強電センサが出力したアナログ信号を第1制御装置51でA/D変換して第2制御装置61に送信する。他の実施形態では、デジタル信号を出力する電流センサ又は電圧センサを用い、第1制御装置51は、デジタル信号のまま第2制御装置61に送信してもよい。
(カ)上記実施形態では、回転角センサからの電気角信号をアナログデジタル変換器でサンプリングしているが、回転角センサがレゾルバの場合、レゾルバデジタル(R/D)変換器を用いて角度変換を実施してもよい。
(キ)上記実施形態では、MG82の相電流を検出する電流センサは三相に設けられているが、電流センサを二相に設け、二相の電流センサ信号を第1伝達装置55から第2制御装置61に送信してもよい。その場合、通常制御手段62及び例外制御手段631は、キルヒホッフの法則を用いて他の一相の電流を算出し、フィードバック制御を行う。
また、電流センサを一相のみに設け、通常制御手段62及び例外制御手段631は、一相のセンサ値から他の二相の電流を推定してフィードバック制御を行うようにしてもよい(特開2013−172591号公報等参照)。
(ク)上記実施形態では、第1伝達装置55から第2制御装置61への通信異常を判定したとき、切替手段67は、通常制御手段62による通常制御から例外制御手段63による例外制御に切り替える。他の実施形態では、通信異常とは別の理由により制御手段を切り替えてもよい。例えば、以下のような切替判定が可能である。
i)MGの回転数が所定値以上の領域では通常制御手段62によるフィードバック制御を実行し、所定値未満の低回転領域では例外制御手段632によるフィードフォワード制御を行う。低回転領域では電圧方程式において「R>>ωL」となり、フィードフォワード演算の有効性が高くなるからである。
一方、特に高回転領域では、制御周期1周期での電流変化が少なくなるため、例外制御手段63により、過去値保持制御又はフィードフォワード制御を採用してもよい。
ii)トルク指令値trq*の変動が小さいときは、MGの動作状態が安定しており、電流指令値Id*、Iq*の変化も小さくなるため、例外制御手段63により、過去値保持制御又はフィードフォワード制御を採用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
101、102・・・MG制御装置(交流電動機の制御装置)、
15・・・バッテリ、
29、37、38、39、47、48、49・・・電流センサ(強電センサ)、
27、28・・・電圧センサ(強電センサ)、
30、40・・・インバータ(駆動回路)、
5 ・・・パワー部、 51・・・第1制御装置、
55・・・第1伝達装置、 56・・・第1通信線(通信線)、
6 ・・・MG−ECU(主演算部)、 61・・・第2制御装置、
62・・・通常制御手段、 63・・・例外制御手段、 67・・・切替手段、
81、82・・・MG(モータジェネレータ、交流電動機)。

Claims (5)

  1. 直流電源(15)からの直流電力を変換し三相以上の多相の交流電動機(81、82)を駆動する駆動回路(30、40)、前記直流電源から前記交流電動機までの電力経路における電流又は電圧を検出する強電センサ(37、38、39、47、48、49)から強電センサ信号が入力される第1制御装置(51)、及び、前記第1制御装置に入力された前記強電センサ信号をデジタル信号として送信する第1伝達装置(55)を含むパワー部(5)と、
    前記パワー部と離間して設けられ、前記第1伝達装置と通信線(56)によって接続されており、前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の情報、及び、前記交流電動機の回転角を検出する回転角センサ(83、84)から取得した電気角信号の情報に基づいて前記駆動回路の制御信号を生成する第2制御装置(61)を含む主演算部(6、602)と、
    を備え、
    前記パワー部または前記主演算部は、
    前記パワー部から前記主演算部への前記強電センサ信号の通信に異常が発生したことを判定する異常判定手段(54、65、66)を有しており、
    前記主演算部の前記第2制御装置は、
    前記強電センサ信号の現在値を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する通常制御手段(62)と、
    前記強電センサ信号の現在値以外の情報を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する例外制御手段(63)と、
    前記通常制御手段による通常制御と前記例外制御手段による例外制御とを切り替える切替手段(67)と、
    を有しており、
    前記切替手段は、
    前記強電センサ信号が正常に通信されているとき、前記通常制御手段による通常制御を選択し、
    前記強電センサ信号の通信に異常が発生したとき、前記例外制御手段による例外制御を選択することを特徴とする交流電動機の制御装置(101、102)。
  2. 前記例外制御手段(631)は、
    前記通常制御時に前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の過去値、及び、前記回転角センサから取得した電気角信号の過去値を保持し、
    前記通常制御から前記例外制御に切り替わったとき、当該切替以前の同じタイミングの前記強電センサ信号と前記電気角信号とを用いてフィードバック演算を行う過去値保持制御を実行することを特徴とする請求項に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記例外制御手段(632)は、
    電流指令値、及び、前記交流電動機の回転数に基づくフィードフォワード制御を実行することを特徴とする請求項に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 直流電源(15)からの直流電力を変換し三相以上の多相の交流電動機(81、82)を駆動する駆動回路(30、40)、前記直流電源から前記交流電動機までの電力経路における電流又は電圧を検出する強電センサ(37、38、39、47、48、49)から強電センサ信号が入力される第1制御装置(51)、及び、前記第1制御装置に入力された前記強電センサ信号をデジタル信号として送信する第1伝達装置(55)を含むパワー部(5)と、
    前記パワー部と離間して設けられ、前記第1伝達装置と通信線(56)によって接続されており、前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の情報、及び、前記交流電動機の回転角を検出する回転角センサ(83、84)から取得した電気角信号の情報に基づいて前記駆動回路の制御信号を生成する第2制御装置(61)を含む主演算部(6、602)と、
    を備え、
    前記主演算部の前記第2制御装置は、
    前記強電センサ信号の現在値を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する通常制御手段(62)と、
    前記強電センサ信号の現在値以外の情報を用いて前記駆動回路の制御信号を生成する例外制御手段(63)と、
    前記通常制御手段による通常制御と前記例外制御手段による例外制御とを切り替える切替手段(67)と、
    を有しており、
    前記例外制御手段(631)は、
    前記通常制御時に前記パワー部から送信された前記強電センサ信号の過去値、及び、前記回転角センサから取得した電気角信号の過去値を保持し、
    前記通常制御から前記例外制御に切り替わったとき、当該切替以前の同じタイミングの前記強電センサ信号と前記電気角信号とを用いてフィードバック演算を行う過去値保持制御を実行することを特徴とする交流電動機の制御装置(101、102)。
  5. 前記主演算部は、前記第2制御装置が演算した相電圧指令値を前記駆動回路の制御信号として前記パワー部の前記第1制御装置に送信し、
    前記第1制御装置は、当該相電圧指令値に基づいて前記駆動回路を駆動する駆動信号を生成し前記駆動回路に出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置(101)。
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