JP6503962B2 - 電流センサ異常診断装置 - Google Patents

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本発明は、電流センサの異常を診断する電流センサ異常診断装置に関する。
従来、三相以上の多相交流モータの駆動システムにおいて、複数の相に通電される電流を検出する複数の電流センサの異常を診断する装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示された構成では、三相の各相に一つずつ設けられた電流センサの出力値の総和がゼロでないとき、いずれかの電流センサの異常と判定される。
また、特許文献2に開示された構成では、三相のうち二相の相電流を検出する電流センサが一相につき二つずつ設けられている。そして、二つの電流センサの出力偏差が所定の異常判定値を超えたとき、電流センサの異常と判定される。
特開平6−253585号公報 特開2005−160136号公報
例えば三相交流モータの駆動システムにおいて、電流センサの故障を考慮しない場合、キルヒホッフの法則を前提として、二つの電流センサを二相に一つずつ設ければ足りる。それに対し、電流センサの異常検出のために、特許文献1の構成では三つ、特許文献2の構成では四つの電流センサを設けている。異常検出専用の電流センサを余分に設けると、部品点数が増加し、搭載スペースが増大する。また、電流センサに接続される信号線や電源線等の配線が増え、装置構成が複雑となるという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、多相交流モータの複数相の相電流を検出する電流センサに対し、異常検出専用の電流センサを用いずに、異常診断を適正に実施する電流センサ異常診断装置を提供することにある。
本発明は、三相以上の多相交流モータの複数の相に交流電流を通電し多相交流モータを駆動するモータ駆動システムにおいて、異なる二相以上の相電流を検出する複数の電流センサの異常を診断する電流センサ異常診断装置に係る発明である。この電流センサ異常診断装置は、比較値サンプル部及び異常判定部を備える。
比較値サンプル部は、複数の電流センサが出力した検出電流から、相互比較に使用可能な比較値を相毎にサンプルする。
異常判定部は、比較値サンプル部がサンプルした複数相の比較値の偏差に基づいて、複数の電流センサの異常診断を実施する。
異常判定部は、多相交流モータの出力トルクが所定値以上のとき、又は、多相交流モータのトルク変動が所定値以下のとき、異常診断を実施する。
n相(nは3以上の整数)交流モータにおいて各相巻線の電気的仕様が同等であることや、インバータの各相出力は同等に設定されることを自明の前提とすると、各相電流の振幅は理想的に同一であり、電気角位相は、互いに(360/n)[deg]ずれている。位相がずれているため、複数の電流センサの検出電流について、同一タイミングでの電流値を単純に比較しても、異常診断を適正に実施することは困難である。
そこで、本発明では、複数の電流センサが出力した検出電流から、相毎に「比較値」をサンプルし、二相の比較値を相互比較することにより、異常診断を実施する。
本発明の第1の態様では、多相交流電流の各相の振幅、すなわちピーク値が互いに等しいことに着目する。つまり、複数の電流センサの検出電流のピーク値を比較し、ピーク値偏差が判定閾値を超えている場合、いずれかの電流センサが異常であると判定する。
そこで、第1の態様の電流センサ異常診断装置は、複数の電流センサについて、電気一周期の間に検出電流が最大又は最小となるタイミングであるピークタイミングを相毎に算出するピークタイミング算出部をさらに備える。比較値サンプル部は、ピークタイミング算出部が算出したピークタイミングにおける各相の検出電流のピーク値を比較値としてサンプルする。
本発明の第2の態様では、多相交流電流のうち一相の電流を所定の位相ずらせば、他の一相の電流に一致することに着目する。つまり、一相の検出電流を所定の位相ずらしたシフト電流と、他の一相の検出電流とについて、同一タイミングでの電流値を比較し、その偏差が判定閾値を超えている場合、いずれかの電流センサが異常であると判定する。
そこで、第2の態様の電流センサ異常診断装置は、位相シフト部をさらに備える。位相シフト部は、複数相のうち選定されたいずれか一相の「選定相」について、他のいずれか一相である「対照相」の検出電流と電気角位相が一致するように、検出電流を所定の位相シフトさせた「シフト電流」を算出する。比較値サンプル部は、同一タイミングにおける選定相のシフト電流及び対照相の検出電流の電流値を比較値としてサンプルする。
このように、本発明では、複数の電流センサの検出電流からサンプルした「比較値」を用いて異常診断を行う。これにより、複数の電流センサは、それぞれの相の制御用電流を検出しつつ、他の相の電流センサを互いに監視する機能を兼ねる。よって、多相交流モータの駆動システムにおいて、異常検出専用の電流センサを用いずに、異常診断を適正に実施することができる。また、従来技術に対し、電流センサの数を低減することができる。
本発明の一実施形態による電流センサ異常診断装置が適用されるハイブリッド自動車のモータジェネレータ駆動システムの概略構成図。 本発明の第1実施形態による電流センサ異常診断装置の制御ブロック図。 本発明の第1実施形態による電流センサ異常診断のタイムチャート。 PWMキャリアの山のタイミングに電流をサンプルする構成を示すタイムチャート。 本発明の第1実施形態による電流センサ異常診断のフローチャート。 本発明の第2実施形態による電流センサ異常診断装置の制御ブロック図。 本発明の第2実施形態による電流センサ異常診断のタイムチャート。 本発明の第2実施形態による電流センサ異常診断のフローチャート。
以下、本発明の電流センサ異常診断装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態の電流センサ異常診断装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源であるモータジェネレータを駆動するシステムにおいて、インバータからモータジェネレータへの電流経路に流れる相電流を検出する電流センサの異常を検出する装置である。
以下の明細書中、モータジェネレータを「多相交流モータ」の具体例である「三相交流モータ」、又は、単に「モータ」という。
また、「本実施形態」とは、第1実施形態及び第2実施形態を包括していう。
[システム構成]
まず、モータ駆動システム全体の構成について、図1を参照して説明する。ハイブリッド自動車100に搭載されたモータ駆動システム90は、バッテリ20の直流電力をインバータ30で三相交流電力に変換して三相交流モータ80(図中「MG」)に供給し、三相交流モータ80を駆動するシステムである。
バッテリ20は、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池である。なお、電池に代えて、電気二重層キャパシタ等を直流電源として用いてもよい。
平滑コンデンサ25は、インバータ入力電圧を平滑化する。
インバータ30は、上下アームの6つのスイッチング素子31〜36がブリッジ接続されている。詳しくは、スイッチング素子31、32、33は、それぞれU相、V相、W相の上アームのスイッチング素子であり、スイッチング素子34、35、36は、それぞれU相、V相、W相の下アームのスイッチング素子である。スイッチング素子31〜36は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成され、低電位側から高電位側へ向かう電流を許容する還流ダイオードが並列に接続されている。
インバータ30は、PWM制御等により、駆動回路40からの駆動信号UU、VU、WU、UL、VL、WLに従ってスイッチング素子31〜36がスイッチング動作することで直流電力を三相交流電力に変換する。
なお、他の実施形態のモータ駆動システムでは、バッテリ20の直流電圧を昇圧する昇圧コンバータを備え、昇圧後電圧がインバータ30に入力されてもよい。
モータ80は、例えば永久磁石式同期型の三相交流電動機である。本実施形態では、モータ80は、エンジン91を備えたハイブリッド自動車100に搭載される。モータ80は、ハイブリッド自動車100の駆動輪95を駆動するトルクを発生する電動機としての機能、及び、エンジン91や駆動輪95から伝達されるトルクを発電によってエネルギー回収する発電機としての機能を兼ね備える「モータジェネレータ」として機能する。
モータ80は、例えば変速機等のギア93を介して車軸94に接続されている。モータ80が発生したトルクは、ギア93を介して車軸94を回転させることにより駆動輪95を駆動する。図1には、一つのモータ80を備えたシステム構成を例示しているが、本実施形態は、二つ以上のモータジェネレータを備えたシステムにも同様に適用可能である。
モータ80のステータには、U相巻線81、V相巻線82、W相巻線83が巻回されている。各相巻線81、82、83の抵抗等の電気的特性は同等に設定されている。
三相のうち二相の巻線には電流センサが設けられる。図1の例では、V相巻線82及びW相巻線83に、それぞれ、相電流Iv、Iwを検出し、MG−ECU50のフィードバック(図中、「F/B」)制御部55に出力する電流センサ72、73が設けられている。ここで、相電流Iv、Iwの電気一周期は、モータ80の回転数に反比例する。
回転角センサ85は、例えばレゾルバであり、ロータの電気角θを検出する。本明細書では、電気角θを「位相θ」と表す。また、基準タイミングにおける基準位相をθ0と表す。例えばレゾルバでは、R/Dコンバータのノースマーカ信号により基準位相θ0が規定される。そこで、位相θ及び基準位相θ0を含めて、「位相情報θ、θ0」と記す。
HV−ECU10は、アクセル信号、ブレーキ信号、シフト信号、車速信号等の信号や他のECUからの情報が入力され、取得した情報に基づいて車両の運転状態を総合的に判断し、車両の駆動を制御する。他のECUには、モータ80を制御するMG−ECU50の他、バッテリ20を制御するバッテリECUや、エンジン91を制御するエンジンECU等が含まれる。図1では、バッテリECU、エンジンECU等の図示を省略する。
各ECUは、マイコン等により構成され、図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を内部に備えている。各ECUは、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。
本実施形態のMG−ECU50は、フィードバック制御部55及び電流センサ異常診断装置60を含む。
フィードバック制御部55は、HV−ECU10からのトルク指令trq*、電流センサ72、73からの相電流Iv、Iw、回転角センサ85からの電気角θ等の情報が入力される。相電流について、フィードバック制御部55は、他の一相(この例ではU相)の電流をキルヒホッフの法則により算出し、例えばベクトル制御により、電気角θを用いて三相電流をdq軸電流に変換する。そして、dq軸電流を電流指令に対して電流フィードバックしたり、或いは、dq軸電流から算出した推定トルクをトルク指令に対してトルクフィードバックしたりする。
こうしてフィードバック制御部55は、モータ80に通電する電圧指令を、基本的に各相について均等に演算し、駆動回路40に出力する。駆動回路40は、電圧指令に基づいて駆動信号UU、VU、WU、UL、VL、WLを生成し、インバータ30を駆動する。インバータ30から電力が供給されることにより、モータ80は、トルク指令trq*に応じたトルクを出力する。
このように、MG−ECU50がモータ80の駆動を適切に制御するためには、相電流等の制御情報を正確に取得することが重要である。そこで、電流センサ72、73が故障した場合、異常を確実に検知する必要がある。
三相交流モータの駆動システムにおいて、複数の相に通電される電流を検出する複数の電流センサの異常を診断する技術として、特許文献1(特開平6−253585号公報)や特許文献2(特開2005−160136号公報)等の従来技術が知られている。
しかし、これらの従来技術では、三つ又は四つの電流センサを設ける必要があるため、部品点数の増加や搭載スペースの増大等の問題が発生する。
そこで、本発明は、多相交流モータの複数相の相電流を検出する複数の電流センサに対し、異常検出専用の電流センサを設けることなく、異常診断を適正に実施する電流センサ異常診断装置を提供することを目的とする。具体的に、本実施形態の電流センサ異常診断装置60は、三相交流モータ80の駆動システム90において、二相の電流Iv、Iwを検出する二つの電流センサ72、73のみを用いて、電流センサ72、73の異常診断を適正に実施することを目的とする。
以下、V相電流センサ72のセンサ出力をV相検出電流Ivs、W相電流センサ73のセンサ出力をW相検出電流Iwsという。電流センサ72、73が正常ならば、検出電流Ivs、Iwsは、実際の相電流Iv、Iwに一致する。しかし、電流センサ72、73のいずれかが異常ならば、異常な相の検出電流は、実際の相電流と相違することとなる。例えば電流センサがゲイン異常の場合、検出電流の振幅は、実際の電流振幅に対し、過大又は過小となる。
電流センサ異常診断装置60は、一相につき一つ、計二つの電流センサ72、73からV相検出電流Ivs及びW相検出電流Iwsを取得する。且つ、電流センサ72、73の他に、異常検出専用の電流センサからのセンサ出力を取得しない。そして、取得する二相の検出電流Ivs、Iwsは互いに位相がずれているため、同一タイミングでの電流値を単純に比較しても、異常診断を適正に実施することは困難である。
そこで、本実施形態の電流センサ異常診断装置60は、二相の検出電流Ivs、Iwsから、「ある工夫」をして、相毎に「比較値」をサンプルする。そして、二相の比較値を相互比較することにより、異常診断を適正に実施することを特徴とする。
詳しくは、比較値偏差が所定の偏差閾値を超えたとき異常であると仮判定し、さらに、比較値偏差が所定の偏差閾値を超えた時間の累積値が規定時間に達したとき、いずれかの電流センサが異常であると確定する。
また、本実施形態では、電流センサ異常診断装置60は、モータ80の通電状態を判断するため、トルク指令trq*を取得する。
以下、電流センサ異常診断装置60が、「ある工夫」をして「比較値」をサンプルするための構成について実施形態毎に説明する。第1実施形態及び第2実施形態の電流センサ異常診断装置60の符号を、それぞれ、601、602と記す。
また、第1実施形態では、「比較値」は、「ピーク値」として具体的に示される。
(第1実施形態)
第1実施形態の電流センサ異常診断装置について、図2〜図5を参照して説明する。
第1実施形態の技術的思想では、モータ80の各相巻線81、82、83の電気的特性が同等であることや、駆動回路40はインバータ30の各相に対し同等の駆動信号を出力することを自明の前提とし、三相交流電流の各相の振幅は互いに等しいことに着目する。
つまり、電流振幅が安定している動作状態で二相の電流センサが正常ならば、検出電流の最大値及び最小値は等しいはずである。仮にそれらが一致しなければ、いずれかの電流センサが異常であると判定することができる。
図2に示すように、電流センサ異常診断装置601は、診断実施判定部63、ピークタイミング算出部641、「比較値サンプル部」としてのピーク値サンプル部651、及び異常判定部66を含む。
診断実施判定部63は、モータ通電中の信号、及び、HV−ECU10からのトルク指令trq*が入力される。そして、モータが駆動中であり、トルク指令trq*が所定値以上、且つトルク指令trq*の変動が所定値以下のとき、異常診断の実施を許可する。
図2では診断実施判定部63からの信号(矢印)がピークタイミング算出部641に入力されており、ピークタイミングの算出からの工程を含めて許可する例を示しているが、許可信号を異常判定部66に入力し、ダイアグ信号の出力可否のみを規制してもよい。
ピークタイミング算出部641は、回転角センサ85から入力される位相情報θ、θ0に基づいて、V相、W相の検出電流Ivs、Iwsが電気一周期の間に最大又は最小となる時間軸のピークタイミング、又は、位相軸のピーク位相を相毎に算出する。
ピーク値サンプル部651は、ピークタイミング算出部641が算出した各ピークタイミング(又はピーク位相)におけるV相検出電流Ivsのピーク値Iv_p、及び、W相検出電流Iwsのピーク値Iw_pをサンプルする。
異常判定部66は、ピーク値サンプル部651がサンプルしホールドしたピーク値Iv_p、Iw_pを取得し、ピーク値Iv_p、Iw_pの偏差であるピーク値偏差ΔIpを算出する。そして、ピーク値偏差ΔIpに基づき、二つの電流センサ72、73のいずれかが異常であることを判定し、ダイアグ信号を出力する。
第1実施形態による電流センサ異常診断について、図3のタイムチャートを参照する。
図3には、V相巻線82及びW相巻線83に通電される交流電流Iv、Iwを検出する二つの電流センサ72、73の出力波形を示す。ここでは、交流電流は1次成分のみからなる理想的な正弦波電流であるとして説明する。ただし、実際の出力波形は、過変調電流波形のように、高調波成分が1次成分に重畳した波形であってもよい。
トルク指令trq*は、時刻t0から増加し始め、時刻t10に閾値trq_th以上となった後、ほぼ一定値で安定する。診断実施判定部63は、時刻t10以後、異常診断の実施を許可する。時刻t10以後、V相電流Iv及びW相電流Iwは、振幅及び周期が一定であり、且つ、振幅が互いに等しく、位相差が電気角120[deg]の正弦波電流であるとする。
図3に、V相電流センサ72のセンサ出力である検出電流Ivs、及び、W相電流センサ73のセンサ出力である検出電流Iwsを実線で示す。ここで、V相電流センサ72はゲイン特性が異常に大きく、W相電流センサ73はゲイン特性が正常であると仮定する。したがって、V相検出電流Ivsの振幅Avは、W相検出電流Iwsの振幅Awよりも大きい(Av>Aw)。なお、V相電流センサ72のゲイン特性が異常に小さい場合でも同様の考え方が適用できる。
ここで、電気角位相の基準について、U相電流Iuが負から正にゼロクロスする位相を0[deg]と定義する。すなわち、そのように基準位相θoを調整する。すると、V相検出電流Ivs及びW相検出電流Iwsは、式(1.1)、(1.3)で表される。以下の式中の角度単位は[deg]である。なお、ここでは式(1.2)を欠番とする。
Ivs =Av×sin(θ−120) ・・・(1.1)
Iws =Aw×sin(θ−240) ・・・(1.3)
各相の検出電流Ivs、Iwsのピーク値をサンプルホールドする周期として、例えば時刻t10から時刻t20までの電気一周期を第1周期とし、以下、時刻t20から時刻t30までを第2周期、時刻t30から時刻t40までを第3周期とする。この例では、各サンプル周期の更新時は、位相120[deg]に対応する。なお、更新時に対応する位相は、実施形態に応じて適宜設定してよい。
V相検出電流Ivsは、位相120[deg]及び300[deg]のときゼロクロスする。また、位相210[deg]のとき最大となり、位相30[deg]のとき最小となる。例えば第1周期では、時刻t12で最大となり、時刻t15で最小となる。
W相検出電流Iwsは、位相240[deg]及び60[deg]のときゼロクロスする。また、位相150[deg]のとき最小となり、位相330[deg]のとき最大となる。例えば第1周期では、時刻t11で最小となり、時刻t14で最大となる。
続いて、第1実施形態による異常診断の動作を説明する。
ピークタイミング算出部641は、各検出電流Ivs、Iwsの最大ピークタイミングとして、各周期の位相210[deg]及び位相330[deg]に対応するタイミングを算出する。また、各検出電流Ivs、Iwsの最小ピークタイミングとして、各周期の位相150[deg]及び位相30[deg]に対応するタイミングを算出する。なお、最大ピークタイミング又は最小ピークタイミングのいずれか一方のみを算出してもよい。
ピーク値抽出部651は、各サンプル周期において相毎に、ピークタイミングにおける検出電流Ivs、Iwsをピーク値Iv_p、Iw_pとしてサンプルする。ピーク値Iv_p、Iw_pは、次の更新時までホールドされる。
異常判定部66は、各サンプル周期のピーク値Iv_p、Iw_p同士の差分の絶対値であるピーク値偏差ΔIpを算出し、偏差閾値ΔIthと比較する。ピーク値Iv_p、Iw_p、及びピーク値偏差ΔIpは、式(2.1)〜(2.3)で表される。
Iv_p=Max(Ivs)、Min(Ivs) ・・・(2.1)
Iw_p=Max(Iws)、Min(Iws) ・・・(2.2)
ΔIp=|Iv_p−Iw_p| ・・・(2.3)
ピーク値偏差ΔIpは、理想的には検出電流Ivs、Iwsの振幅差(Av−Aw)に等しく、偏差閾値ΔIthより大きい。そのため、更新時毎にピーク値偏差ΔIpは偏差閾値ΔIthを超え、異常と仮判定される。そして、第1周期が終了する時刻t20に偏差過大時間Texのカウントが開始される。第1周期終了時の異常の仮判定は、第2周期終了時までホールドされ、その間、偏差過大時間Texが累積される。
その後、時刻Dxに、偏差過大時間Texの累積値ΣTexが規定時間Tlimに達すると、異常判定部66は、二つの電流センサのいずれかが異常であると確定し、電流センサが異常であることを示すダイアグ信号を出力する。
ところで、第1実施形態においてピークタイミング算出部641がピークタイミングを算出するにあたり、厳密な最大値又は最小値に対応するタイミングを異常診断専用に算出するとは限らない。
例えばモータ駆動システム90に代表的に採用されるPWM制御において、PWMキャリアの山又は谷のタイミングを電流サンプルタイミングとする場合がある。このように、本来、電流センサ72、73が制御用に電流をサンプルするタイミングをピークタイミングとして援用してもよい。
図4に、キャリア周期を電流位相に同期させる構成において、キャリア(三角波)の山のタイミングを電流サンプルタイミングとする例を示す。図4(a)、(b)には、それぞれ、電気一周期のキャリア周波数nが9及び8の場合の電流サンプルタイミングを示す。図4に示す位相は、図3の位相と関係なく、検出電流Ivs、Iwsに共通に適用する。また、キャリアは、位相0[deg]で中心値から正側に増加するものとする。
図4(a)の例では、電流最大となる位相90[deg]はサンプルタイミングに一致しており、このタイミングをピークタイミングとし、真の最大値PHがピーク値としてサンプルされる。
一方、電流最小となる位相270[deg]は前後のサンプルタイミングのちょうど真ん中に位置している。この場合、前後の位相270±20[deg]のいずれかのサンプルタイミングをピークタイミングとし、真の最小値に最も近い値PLがピーク値としてサンプルされる。なお、キャリアの谷のタイミングをサンプルタイミングとする構成では、位相270[deg]がサンプルタイミングに一致するため、真の最小値PLがピーク値としてサンプルされる。
図4(b)の例では、電流最大となる位相90[deg]、及び、電流最小となる位相270[deg]は、いずれもサンプルタイミングに一致していない。この場合、最大値については、位相90+11.25[deg]のサンプルタイミングをピークタイミングとし、真の最大値に最も近い値PHがピーク値としてサンプルされる。また、最小値については、位相270+11.25[deg]のサンプルタイミングをピークタイミングとし、真の最小値に最も近い値PLがピーク値としてサンプルされる。
正弦波ではピーク値付近の変化率は小さいため、サンプルタイミングが多少ずれても、異常診断において大きな影響は生じない。この構成により、制御用電流のサンプルタイミングをそのまま異常診断用のピークタイミングとすることができ、演算負荷を低減することができる。
なお、キャリア周期が電流位相に同期せず、時間に同期する構成でも同様である。
次に図5のフローチャートを参照し、第1実施形態による電流センサ異常診断処理について説明する。フローチャートの説明で、記号「S」はステップを意味する。
診断実施判定部63は、モータ80が駆動中か否か判断する(S1)。また、トルク指令trq*が所定値以上であるか、トルク指令trq*の変動が所定値以下であって安定しているか否か判断する(S2、S3)。
モータ80が停止中には電流が0となり、異常診断不能となる。モータ80が駆動中であっても、トルク指令trq*が小さいほど、電流出力とノイズとのS/N比が小さく、ノイズの影響を受けやすくなる。また、トルク指令trq*が安定していない場合には、異なる相の電流センサ72、73の検出電流同士を適切に比較することができない。
そこで、モータ80が停止中(S1:NO)、又は、トルク指令trq*が所定値未満(S2:NO)の場合、又は、トルク指令trq*の変動が所定値を超える場合(S3:NO)には、S1の前に戻り、ステップを繰り返す。
ここで、トルク指令trq*は実トルクを反映するものである。なお、モータ80にトルクセンサが設けられたシステムや、電流値等から推定トルクを演算するシステムでは、S2、S3にて、トルク指令trq*に代えて検出トルクや推定トルクに基づいて判断してもよい。
モータ80が駆動中(S1:YES)、且つ、トルク指令trq*が所定値以上(S2:YES)、且つ、トルク指令trq*の変動が所定値以下(S3:YES)のとき、診断実施判定部63は異常診断の実施を許可し、S4Aに移行する。
ハイブリッド自動車100では、例えばエンジン91の始動時やモータ(MG)80の回生動作時、比較的大きなトルク指令trq*が安定して出力される。したがって、診断実施判定部63は、HV−ECU10から、エンジン始動中又は回生動作中の信号を受信したとき、異常診断の実施を許可し、S4Aに移行するようにしてもよい。
S4Aでは、ピークタイミング算出部641は、位相情報θ、θ0に基づいて、相毎にピークタイミング(又はピーク位相)を算出する。
S5Aでは、ピーク値サンプル部651は、ピークタイミング(又はピーク位相)における各相の検出電流Ivs、Iwsをピーク値Iv_p、Iw_pとしてサンプルする。
異常判定部66は、二つの電流センサ72、73のピーク値偏差ΔIpが偏差閾値ΔIthを超えたとき(S6:YES)、異常であると仮判定し、ピーク値偏差ΔIpが偏差閾値ΔIthを超えた時間を偏差過大時間Texとしてカウントする(S7)。
そして、偏差過大時間Texの累積値ΣTexが規定時間Tlimに達したとき、すなわち、「ΣTex≧Tlim」となったとき(S8:YES)、異常判定部66は、二つの電流センサ72、73のいずれかが異常であると確定する(S9)。
この場合、フェールセーフを優先する思想によれば、モータ80の駆動を全面的に中止(シャットダウン)してもよい。また、退避走行を優先する思想によれば、故障した電流センサを特定し、正常な一相の電流センサの検出値のみを用いてフィードバック制御する一相制御(特開2013−172591号公報等)に切り替えてもよい。
一方、診断期間のタイムアップ前に、ピーク値偏差ΔIpが偏差閾値ΔIthを超えないとき(S6:NO)、又は、偏差過大時間の累積値ΣTexが規定時間Tlimに達しないとき(S8:NO)、異常判定部66は、電流センサ72、73がいずれも「異常でない」と診断する(S10)。そして、フィードバック制御部55において、二相の電流センサ72、73の検出値を用いたフィードバック制御が実施される。
(効果)
第1実施形態の効果について説明する。
(1)第1実施形態の電流センサ異常診断装置601は、V相検出電流Ivsのピーク値Iv_pとW相検出電流Iwsのピーク値Iw_pとを比較し、ピーク値偏差ΔIpに基づいて異常診断を実施する。これにより、二相の電流センサ72、73は、それぞれの相の制御用電流を検出しつつ、他の相の電流センサを互いに監視する機能を兼ねる。
よって、三相交流モータの駆動システム90において、二つの電流センサ72、73のみを用いて、制御用電流を検出すると共に、電流センサ72、73の異常診断を適正に実施することができる。また、従来技術に対し、電流センサの数を低減することができる。
(2)本実施形態での異常診断の対象である電流センサ72、73は、モータ駆動システム90において、フィードバック制御に用いられる電流を検出するものである。このような形態では、電流センサの検出値がシステムの制御性に直接的に影響するため、電流センサの信頼性に対する要求が高く、異常診断を実施する意義が大きい。
中でも、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源であるモータジェネレータを駆動するシステムでは、車両の運転状況によってモータ80の回転数及び要求トルクが大きく変化する中で良好なドライバビリティを実現するために、特に高精度の制御が要求される。しかも、電流センサの搭載スペースの制約やコスト低減の要請も厳しい。よって、本実施形態により、適切な異常検出機能を確保しつつ電流センサの数を低減することが特に有効である。
(3)診断実施判定部63は、トルク指令trq*が所定値以上であって最低限のS/N比を確保することができ、また、トルク指令trq*の変動が所定値以下であってセンサ出力が安定している場合に異常診断の実施を許可する。したがって、好ましい条件下で電流センサ72、73の異常診断を適正に実施することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電流センサ異常診断装置について、図6〜図8を参照して説明する。第2実施形態の説明において、第1実施形態と実質的に同一の構成、及び、フローチャートにおける実質的に同一のステップには、同一の符号及びステップ番号を付して説明を省略する。
第2実施形態の技術的思想では、三相交流電流のうち一相の電流の位相を電気角120[deg]ずらせば、他の一相の電流に一致することに着目する。つまり、二相の電流センサが正常ならば、一相の検出電流の位相を電気角120[deg]ずらした仮想の電流は、他の一相の検出電流に一致するはずである。仮にそれらが一致しなければ、いずれかの電流センサが異常であると判定することができる。
具体的には、まず、複数相のうち検出電流の位相を電気角120[deg]ずらす相を一相選定する。本明細書では、この一相を「選定相」という。また、選定相の検出電流を所定位相(この例では電気角120[deg])シフトさせて得られる仮想の電流を「シフト電流」という。シフト電流は、他の一相の検出電流と比較される。この、他の一相を「対照相」という。つまり、選定相と対照相との電流位相差が、選定相の検出電流をシフトさせる所定位相として設定される。一般に、n相(nは3以上の整数)交流電流では、(360/n)[deg]を一単位とする位相が選定相のシフトに用いられる。
以下、V相を選定相としW相を対照相とする例について説明する。他の実施形態では、三相のうちどの二相を選定相及び対照相としてもよい。
図6に示すように、電流センサ異常診断装置602の位相シフト部642は、電流センサ72から選定相であるV相の検出電流Ivsが入力されると共に、回転角センサ85から位相情報θ、θ0が入力される。位相シフト部642は、例えば各タイミングでのサンプル値を位相軸で電気角120[deg]の期間ホールドし、仮想のシフト電流Ivs+を算出する。或いは、位相シフト部642は、位相θの時間微分により算出した回転数に基づいて、電気角120[deg]に相当する時間を算出し、時間軸でサンプル値をホールドしてもよい。
比較値サンプル部652は、位相シフト部642からV相のシフト電流Ivs+が入力され、電流センサ73から対照相であるW相の検出電流Iwsが入力される。比較値サンプル部652は、同一タイミングにおけるV相シフト電流Ivs+及びW相検出電流Iwsの値を比較値Iv_c、Iw_cとしてサンプルする。
異常判定部66は、比較値Iv_c、Iw_cを取得し、それらの偏差ΔIcに基づいて、異常診断を実施する。電流センサ72、73のいずれかが異常であるとの判定が確定すると、異常判定部66は、ダイアグ信号を出力する。
次に、第2実施形態による電流異常診断について、図7のタイムチャートを参照する。
第1実施形態の図3と同様に、異常診断の実施が許可される時刻t10以後、V相電流Iv及びW相電流Iwは、振幅及び周期が一定であり、且つ、振幅が互いに等しく、位相差が電気角120[deg]の正弦波電流であるとする。
図7に、V相電流センサ72のセンサ出力である検出電流Ivs、及び、W相電流センサ73のセンサ出力である検出電流Iwsを実線で示す。また、位相シフト部642によりV相検出電流Ivsを電気角120[deg]ずらして得られたシフト電流Ivs+を破線で示す。ここで、V相電流センサ72はゲイン特性が異常に大きく、W相電流センサ73はゲイン特性が正常であると仮定する。したがって、V相検出電流Ivsの振幅Avは、W相検出電流Iwsの振幅Awよりも大きい(Av>Aw)。
上述の図3と同様に電気角位相の基準を定義すると、V相検出電流Ivs、V相シフト電流Ivs+、及び、W相検出電流Iwsは、式(1.1)〜(1.3)で表される。
Ivs =Av×sin(θ−120) ・・・(1.1)
Ivs+=Av×sin(θ−240) ・・・(1.2)
Iws =Aw×sin(θ−240) ・・・(1.3)
V相シフト電流Ivs+及びW相検出電流Iwsは、各電気角周期の位相240[deg]及び60[deg]に対応する時刻t13、t16、t23、t26・・・でゼロクロスする。また、位相330[deg]のとき最大となり、位相150[deg]のとき最小となる。
比較値サンプル部652は、同一タイミングtcにおけるV相シフト電流Ivs+及びW相検出電流Iwsの電流値を比較値Iv_c、Iw_cとしてサンプルする。電気一周期にわたって比較値Iv_c、Iw_cを連続してサンプルする例では、V相比較値Iv_cとW相比較値Iw_cとの差分の絶対値である比較値偏差ΔIcは、式(2.4)で表される。
ΔIc=|Ivs+−Iws|=|(Av−Aw)×sin(θ−240)|
・・・(2.4)
この比較値偏差ΔIcは、正弦波の絶対値の波形となり、位相330[deg]及び位相150[deg]を跨ぐ期間で偏差閾値ΔIth(<Av−Aw)を越える。すると、異常判定部66は、電流センサの異常であると仮判定し、比較値偏差ΔIcが偏差閾値ΔIthを越えた時間を偏差過大期間Texとしてカウントする。
その後、時刻Dxに、偏差過大時間Texの累積値ΣTexが規定時間Tlimに達すると、異常判定部は、二つの電流センサ72、73のいずれかが異常であると確定し、電流センサが異常であることを示すダイアグ信号を出力する。
また、第2実施形態に第1実施形態の思想を組み合わせ、V相シフト電流Ivs+のピーク値Iv+_pと、W相検出電流Iwsのピーク値Iw_pとを同一のピークタイミングでサンプルし、ピーク値Iv+_p、Iw_pに基づいて比較値偏差ΔIcを算出してもよい。その場合、上述の式(2.1)、(2.3)を式(2.1+)、(2.3+)に置き換えればよい。
Iv+_p=Max(Ivs+)、Min(Ivs+) ・・・(2.1+)
ΔIc=|Iv+_p−Iw_p| ・・・(2.3+)
これにより、特性差が小さいゼロクロス点付近の電流値を用いず、特性差が顕著に現れるピーク値のみを比較値として抽出することができる。したがって、異常検出性能を向上させることができる。
第2実施形態の思想を共有する他の実施例では、V相検出電流Ivsをシフトさせる位相を(120+360×k)[deg](kは自然数)としてもよい。また、V相に代えてW相検出電流Iwsを(240+360×k)[deg]シフトさせてもよい。さらに、V相検出電流Ivs及びW相検出電流Iwsの両方を、位相が互いに一致するようにシフトさせてもよい。
図8のフローチャートは、図4に対し、S4B、S5Bのみが異なる。
S4Bでは、位相シフト部642は、選定相(V相)の検出電流Ivsの位相を電気角120[deg]ずらし、シフト電流Ivs+を算出する。
S5Bでは、同一タイミングtcにおける選定相(V相)のシフト電流Ivs+、及び対照相(W相)の検出電流Iwsを比較値Iv_c、Iw_cとしてサンプルする。
第2実施形態では第1実施形態と同様に、三相交流モータ駆動システム90において、二つの電流センサ72、73のみを用いて、制御用電流を検出すると共に、電流センサ72、73の異常診断を適正に実施することができる。また、従来技術に対し、電流センサの数を低減することができる。その他、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(その他の実施形態)
(ア)複数の電流センサが検出する交流電流は、直流電源からの直流電流がインバータで交流に変換された電流に限らず、交流電源から直接に供給される電流でもよい。また、電流センサが検出する電流は、フィードバック制御に用いられなくてもよい。
(イ)交流電流の相の数は、三相に限らず四相以上でもよい。その場合、複数相のうち少なくとも三相について本発明の構成が適用されていればよい。例えば、四相のうち三相について本発明の構成を適用し、残る一相については監視用電流センサを設けてもよい。
(ウ)本発明の思想は、複数相の制御用電流センサが互いに監視機能を有することにより、異常検出専用の電流センサを不要とすることにある。したがって、電流センサが故障したときにのみ使用される予備の電流センサや、異常検出以外の目的で設けられる別の電流センサをモータ駆動システムが備える構成を排除するものではない。
(エ)モータ駆動システムによって駆動される多相交流モータは、ハイブリッド自動車や電気自動車に用いられるモータジェネレータに限らず、どのようなモータでもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
60、601、602・・・電流センサ異常診断装置、
651・・・ピーク値サンプル部(比較値サンプル部)、
652・・・比較値サンプル部、
66・・・異常判定部、
72・・・(V相)電流センサ、 73・・・(W相)電流センサ、
80・・・モータ(モータジェネレータ、三相交流モータ、多相交流モータ)、
90・・・モータ駆動システム。

Claims (9)

  1. 三相以上の多相交流モータ(80)の複数の相に交流電流を通電し前記多相交流モータを駆動するモータ駆動システム(90)において、異なる二相以上の相電流を検出する複数の電流センサ(72、73)の異常を診断する電流センサ異常診断装置であって、
    前記複数の電流センサが出力した検出電流から、相互比較に使用可能な比較値を相毎にサンプルする比較値サンプル部(651、652)と、
    前記比較値サンプル部がサンプルした複数相の前記比較値の偏差に基づいて、前記複数の電流センサの異常診断を実施する異常判定部(66)と、
    を備え
    前記異常判定部は、前記多相交流モータの出力トルクが所定値以上のとき、前記異常診断を実施することを特徴とする電流センサ異常診断装置。
  2. 三相以上の多相交流モータ(80)の複数の相に交流電流を通電し前記多相交流モータを駆動するモータ駆動システム(90)において、異なる二相以上の相電流を検出する複数の電流センサ(72、73)の異常を診断する電流センサ異常診断装置であって、
    前記複数の電流センサが出力した検出電流から、相互比較に使用可能な比較値を相毎にサンプルする比較値サンプル部(651、652)と、
    前記比較値サンプル部がサンプルした複数相の前記比較値の偏差に基づいて、前記複数の電流センサの異常診断を実施する異常判定部(66)と、
    を備え
    前記異常判定部は、前記多相交流モータのトルク変動が所定値以下のとき、前記異常診断を実施することを特徴とする電流センサ異常診断装置。
  3. 三相以上の多相交流モータ(80)の複数の相に交流電流を通電し前記多相交流モータを駆動するモータ駆動システム(90)において、異なる二相以上の相電流を検出する複数の電流センサ(72、73)の異常を診断する電流センサ異常診断装置であって、
    前記複数の電流センサが出力した検出電流から、相互比較に使用可能な比較値を相毎にサンプルする比較値サンプル部(651、652)と、
    前記比較値サンプル部がサンプルした複数相の前記比較値の偏差に基づいて、前記複数の電流センサの異常診断を実施する異常判定部(66)と、
    を備え
    前記異常判定部は、前記多相交流モータの出力トルクが所定値以上、且つ、前記多相交流モータのトルク変動が所定値以下のとき、前記異常診断を実施することを特徴とする電流センサ異常診断装置。
  4. 前記複数の電流センサについて、電気一周期の間に検出電流が最大又は最小となるタイミングであるピークタイミングを相毎に算出するピークタイミング算出部(641)をさらに備え、
    前記比較値サンプル部(651)は、前記ピークタイミング算出部が算出した前記ピークタイミングにおける各相の検出電流のピーク値を前記比較値としてサンプルすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電流センサ異常診断装置。
  5. 複数相のうち選定されたいずれか一相の選定相について、他のいずれか一相である対照相の検出電流と電気角位相が一致するように、検出電流を所定の位相シフトさせたシフト電流を算出する位相シフト部(642)をさらに備え、
    前記比較値サンプル部(652)は、同一タイミングにおける前記選定相の前記シフト電流及び前記対照相の検出電流の電流値を前記比較値としてサンプルすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電流センサ異常診断装置。
  6. 前記多相交流モータは三相交流モータであり、
    前記シフト電流生成部は、前記選定相の検出電流を電気角120[deg]シフトさせることを特徴とする請求項に記載の電流センサ異常診断装置。
  7. 前記多相交流モータは、ハイブリッド自動車又は電気自動車の動力源として用いられるモータジェネレータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電流センサ異常診断装置。
  8. 前記多相交流モータは、ハイブリッド自動車の動力源として用いられるモータジェネレータであり、
    前記異常判定部は、前記ハイブリッド自動車のエンジン始動時、又は、前記モータジェネレータの回生時に前記異常診断を実施することを特徴とする請求項7に記載の電流センサ異常診断装置。
  9. 前記複数の電流センサのうち少なくとも一つの電流センサは、フィードバック制御に用いられる電流を検出するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電流センサ異常診断装置。
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