JP6216133B2 - 2液混合型の主剤及び硬化剤、並びにプリント配線板の製造方法 - Google Patents

2液混合型の主剤及び硬化剤、並びにプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板のソルダーレジスト層の形成に好適に用いられるソルダーレジスト用樹脂組成物を得るための2液混合型の主剤及び硬化剤、及びこのソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板の製造方法に関する。
従来、スクリーン印刷法により、民生用及び産業用の各種プリント回路基板のレジストパターン形成させることが行われている。近年では、印刷配線板の高配線密度化に対応するため、解像性及び寸法精度等に優れたドライフィルムや液状の現像可能なソルダーレジスト用樹脂組成物によりソルダーレジスト層を形成する方法を採用することが多い。
ソルダーレジスト層が被覆形成されたプリント配線板には、携帯端末等の液晶ディスプレイのバックライトや、照明器具の光源に用いられる発光ダイオード等の光学素子が直接実装されることがある。そして、このようなソルダーレジスト層中には、酸化チタンを含有させて白色化させることで、発光ダイオード等の光をソルダーレジスト層で効率よく反射させるようにすることが行われている。例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂、不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂、希釈剤、光重合開始剤及び硬化密着性付与剤を含有するソルダーレジスト用樹脂組成物において、さらに酸化チタン等の白色顔料を含有するようにしたことが開示されている。
特開2007−322546号公報
しかしながら、従来のソルダーレジスト用樹脂組成物をレジスト材料として基板上に塗工した場合、例えば、塗工面にスジが発生してしまうなど、レジスト材料を均一に塗工することができないおそれがあるものであった。レジスト材料中に含まれる酸化チタン等の白色顔料の分散性が悪い場合は、特に均一塗工が難しくなり、結果として、ソルダーレジスト層の反射率が低下するなど、得られるプリント配線板の品質の低下を引き起こす問題があった。
また、レジスト材料としてのソルダーレジスト用樹脂組成物は、ソルダーレジスト層の基材となる樹脂を含む主剤となる液と、主剤の樹脂成分を硬化させるための硬化剤となる液の2液を混合することで調製されることが多い。しかし、この2液の混合性が悪い場合、上記同様、塗工面にスジが発生してしまうことがあった。従って、このような場合にもレジスト材料の均一塗工ができなくなるおそれがあるものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、基板上に均一に塗工することができ、ソルダーレジスト層の性能を低下させにくいソルダーレジスト用樹脂組成物を得るための2液混合型の主剤及び硬化剤、並びにこのソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えるプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るソルダーレジスト用樹脂組成物は、主剤と硬化剤との混合物からなり、前記混合物はカルボキシル基を有する樹脂と、エポキシ樹脂と、光重合開始剤と、酸化チタンと、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを含む有機溶剤とを含有し、前記主剤は少なくとも前記カルボキシル基を有する樹脂を含み、前記硬化剤は少なくとも前記エポキシ樹脂と前記ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとを含むことを特徴とする。
また、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物において、前記主剤は光重合開始剤と酸化チタンを含むことが好ましい。
本発明に係るプリント配線板は、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されたソルダーレジスト層を備えることを特徴とする。
本発明のソルダーレジスト用樹脂組成物はレジスト材料として使用されるものであり、特定の溶剤を含むことで、白色顔料である酸化チタンが、レジスト材料中で均一に分散されるようになる。そのため、上記ソルダーレジスト用樹脂組成物で構成されるレジスト材料では、基板上に均一に塗工することができ、ソルダーレジスト層の性能、例えば、タック性、現像性、PCT特性などの性能を低下させにくくすることが可能となる。
また、本発明によれば、優れた性能を有するソルダーレジスト層を備えるプリント配線板が得られる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のソルダーレジスト用樹脂組成物は、主剤及び硬化剤の二種類の液を混合することで調製されるものであり、主剤及び硬化剤の混合物で構成されるものである。そして、ソルダーレジスト用樹脂組成物には、必須の原料として、カルボキシル基を有する樹脂、エポキシ樹脂、光重合開始剤、酸化チタン及び有機溶剤を含有し、この有機溶剤には少なくともジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートが含まれる。以下、各種原料、並びに主剤及び硬化剤の構成について詳述する。
(カルボキシル基を有する樹脂)
カルボキシル基を有する樹脂は、分子中にカルボキシル基を有する重合体のことをいうが、特に、光硬化性を示す重合体(すなわち、感光性を示す重合体)であることが好ましい。具体的に光硬化性を示す重合体とは、例えば、分子中にエチレン性不飽和結合を有する重合体のことであり、光重合開始剤の存在下又は非存在下、紫外線等の電子線を照射することでラジカル反応(付加反応)を起こす重合体をいう。カルボキシル基を有する樹脂が光硬化性を示す重合体であれば、後述するようにソルダーレジスト層を形成するレジスト膜の成膜性に優れるものとなる。
上記カルボキシル基を有する樹脂としては、従来から用いられている樹脂を使用することが可能である。具体例を挙げるとすれば、分子中にカルボキシル基が結合した重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」という)のカルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を反応させることで得た樹脂を使用することができる。カルボキシル基含有重合体は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と、これ以外のエチレン性不飽和化合物との混合物を重合させることで得られる。あるいは、カルボキシル基含有重合体は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物のみを重合させることで得ることもできる。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物は、適宜のモノマー、ポリマー又はプレポリマーが挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノ(メタ)アクリレート、クロトン酸、桂皮酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−プロペノイックアシッド,3−(2−カルボキシエトキシ)−3−オキシプロピルエステル、2−アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の、エチレン性不飽和基を1個のみ有する化合物が挙げられる。このエチレン性不飽和化合物として、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートに二塩基酸無水物を反応させて得られる化合物などといった、エチレン性不飽和基を複数有する化合物も挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用されてもよいし、複数種が併用されてもよい。尚、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物以外のエチレン性不飽和化合物としては、公知の(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等;N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類;2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン等の芳香環を有するエチレン性不飽和化合物等が挙げられる。また、これらの化合物と共に、必要に応じてポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、1分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を併用してもよい。これらの化合物は、一種単独で使用されてもよいし、複数種が併用されてもよい。
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物とこれ以外のエチレン性不飽和化合物との混合物の重合反応は、従来から行なわれている方法(例えば、ラジカル重合を利用した溶液重合)で行うことができる。尚、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物とこれ以外のエチレン性不飽和化合物との混合物には、上記例示した以外の公知のエチレン性不飽和単量体が含まれていてもよい。
カルボキシル基含有重合体のカルボキシル基に反応させる「エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物」としては、適宜のモノマー、ポリマー又はプレポリマーが挙げられる。この具体例として、アクリル酸又はメタクリル酸のエポキシシクロヘキシル誘導体類;アクリレート又はメタクリレートの脂環エポキシ誘導体;β−メチルグリシジルアクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で使用されてもよいし、複数種が併用されてもよい。特に、汎用品であって、入手が容易なグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシル基を有する樹脂は、上記カルボキシル基含有重合体と、上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物との反応により得られるが、この反応は公知の方法で行えばよい。例えば、上記カルボキシル基含有重合体、上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、ハイドロキノン、ジメチルベンジルアミンなどの存在下、所定の温度で混合攪拌させることで反応させることができる。
ソルダーレジスト用樹脂組成物中におけるカルボキシル基を有する樹脂の含有量は特に制限されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分全量に対して、3質量%以上であることが好ましく、また、99質量%以下であることが好ましい。この範囲内であれば、ソルダーレジスト用樹脂組成物の硬化性が損なわれにくく、また、塗工が均一に行われやすくなる。ソルダーレジスト用樹脂組成物全量に対するカルボキシル基を有する樹脂の含有量の下限値は5質量%、上限値は80質量%であることが特に好ましい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂及びε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されて用いられてもよい。もちろん、エポキシ樹脂は上記列挙した以外のエポキシ樹脂を使用すること又は併用することもでき、一般にソルダーレジスト用として使用される適宜のエポキシ樹脂を採用できる。また、エポキシ樹脂は溶剤難溶性であってもよく、溶剤可溶性であってもよい。
上記のようなエポキシ樹脂がソルダーレジスト用樹脂組成物中に含まれることで、熱硬化性が付与され得る。すなわち、カルボキシル基を有する樹脂のカルボキシル基とエポキシ樹脂とが熱等で反応するようになる。
上記エポキシ樹脂の含有量は特に制限されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分全量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であれば更に好ましい。この場合、ソルダーレジスト層の耐はんだ性、耐メッキ性等が更に向上し得る。更に、感光性のソルダーレジスト用樹脂組成物においてはエポキシ樹脂の含有量は50重量%以下であることが好ましく、この場合、現像性が特に高くなるレジスト剤を提供することができる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン類;2,4−ジイソプロピルキサントン等のキサントン類;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等の窒素原子を含む化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(DAROCUR TPO)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エチル−フェニル−フォスフィネート(SPEEDCURE TPO−L)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI 403)等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤等が挙げられる。
光重合開始剤と共に、p−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合促進剤や増感剤等が使用されてもよい。可視光露光用や近赤外線露光用等の光重合開始剤も必要に応じて使用される。これらの光重合開始剤は一種単独で使用されてもよいし、複数種が併用されてもよい。また、光重合開始剤と共に、レーザ露光法用増感剤として7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン誘導体、その他カルボシアニン色素系、キサンテン色素系等が併用されてもよい。
光重合開始剤には、ソルダーレジスト層の難燃性が向上するという点で、公知のリン含有光重合開始剤が含まれていることが好ましい。リン含有光重合開始剤としては、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤が用いられ得る。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤と併用してα−ヒドロキシアセトフェノンを含むことも好ましく、この場合、酸素障害を受けにくく、且つ熱により変色しにくくなる。
光重合開始剤の含有量は特に制限されないが、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組成物の固形分全量に対して、0.1〜30質量%の範囲とすることができる。
(酸化チタン)
酸化チタンの種類は特に限定されないが、例えば、ルチル型、アナターゼ型、ラムスデライト型のいずれの構造の酸化チタンであってもよい。特にラムスデライト型酸化チタンは短波長光の吸収性が低いため、ソルダーレジスト用樹脂組成物がラムスデライト型酸化チタンを含有すると、紫外光や青色光等の短波長光の反射率が高いソルダーレジスト層が得られる。ラムスデライト型酸化チタンは、ラムスデライト型Li0.5TiOに化学酸化によるリチウム脱離処理を施すことで得られる。特に、ラムスデライト型酸化チタンが用いられる場合には、短波長光の反射性が高いソルダーレジスト層が形成される。また、酸化チタンは、ケイ素酸化物又はシリコーン化合物により、表面処理がされていてもよく、この場合、レジスト膜の耐熱黄変性が向上する。酸化チタンは、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化チタンがソルダーレジスト用樹脂組成物中に含まれることで、酸化チタン以外の他の無機フィラーを用いた場合と比較して、反射率が高いレジスト膜(ソルダーレジスト層)を形成できるようになる。
酸化チタンのソルダーレジスト用樹脂組成物中の含有量は、特に制限されないが、ソルダーレジスト用樹脂組成物中の固形分全量に対して5〜80質量%の範囲であることが好ましく、15〜50質量%の範囲であればより好ましい。この含有量が5質量%以上であればソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される硬化膜が高い隠蔽性、白色性を発揮することができるようになり、また、この含有量が80質量%以下であればソルダーレジスト層の耐熱性、鉛筆硬度等のレジストに必要な物性が高い水準で維持されるようになる。
(有機溶剤)
ソルダーレジスト用樹脂組成物には、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、「DPMA」ということがある)が必須の有機溶剤として含まれる。このような溶剤がソルダーレジスト用樹脂組成物に含まれることで、酸化チタンの凝集を起こりにくくすることができ、酸化チタンが均一に分散されたソルダーレジスト用樹脂組成物を得ることができる。また、後述するように硬化剤にDPMAが含まれている場合、主剤と混合したときの混合性に優れるようになる。
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、必要に応じてDPMA以外の有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤は、例えばソルダーレジスト用樹脂組成物の液状化又はワニス化、粘度調整、塗布性の調整、造膜性の調整などの目的で使用される。このような有機溶剤の具体例としては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級或いは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、カルビトールアセテート、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類;ジアルキルグリコールエーテル類などが挙げられる。これらの有機溶剤は一種単独で使用されてもよいし、複数種が併用されてもよい。
ソルダーレジスト用樹脂組成物中の有機溶剤の含有量は適宜設定される。この含有量は、ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成される塗膜の仮乾燥時に有機溶剤が速やかに揮散するように、すなわち有機溶剤が乾燥膜に残存しないように、調整されることが好ましい。この有機溶剤の含有量は、特にソルダーレジスト用樹脂組成物全量に対して5〜99.5重量%の範囲であることが好ましく、この場合、ソルダーレジスト用樹脂組成物の良好な塗布性が維持される。尚、有機溶剤の好適な含有量は塗布方法などにより異なるので、塗布方法に応じて含有量が適宜調節されることが好ましい。
(その他成分)
ソルダーレジスト用樹脂組成物は、その硬化性をより一層高めるために、重合性単量体等の光重合性化合物が含まれていてもよい。この場合、ソルダーレジスト膜の架橋密度を高めることができるようになり、耐久性や耐熱性を向上させることができる。
重合性単量体の具体例としては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールもしくはプロピレングリコールなどのグリコールのジ(メタ)アクリレート変性物や、多価アルコール、多価アルコールのエチレンオキサイド付加物もしくは多価アルコールのプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート変性物や、フェノール、フェノールのエチレンオキサイド付加物もしくはフェノールのプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート変性物や、グルセリンジグリシジルエーテルもしくはトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート変性物や、メラミン(メタ)アクリレートが挙げられる。上記多価アルコールとしては、例えば、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートが挙げられる。上記フェノールの(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノキシ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート変性物が挙げられる。光重合性化合物の具体的な化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が例示される。上記重合性単量体は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
そのほか、ソルダーレジスト用樹脂組成物は、必要に応じて、メラミン等のエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤;硬化促進剤;白色以外の着色剤;シリコーン、アクリレート等の共重合体;レベリング剤;シランカップリング剤等の密着性付与剤;微粉シリカ等のチクソトロピー剤;重合禁止剤;ハレーション防止剤;難燃剤;消泡剤;酸化防止剤;界面活性剤;高分子分散剤などを含有してもよい。
(ソルダーレジスト用樹脂組成物の調製)
ソルダーレジスト用樹脂組成物を調製するにあたっては、上述した各種原料を用いて、主剤と硬化剤との二種類の液を調製し、両者を混合することで行う。ここで、主剤及び硬化剤の構成について説明する。
主剤は、必須の構成成分として、カルボキシル基を有する樹脂を含有し、硬化剤は、必須の構成成分として、エポキシ樹脂と、有機溶剤としてのジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)を含有する。
また、酸化チタンは、主剤及び硬化剤のいずれの液に含まれてもよいが、主剤に含まれることが好ましい。この場合、硬化剤に含まれるジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートにより、主剤と硬化剤と混合させたときに両者が均一に混ざりやすくなって酸化チタンの分散性を向上させることができ、また、硬化剤の安定性を向上させることができるからである。また、光重合開始剤も、主剤及び硬化剤のいずれの液に含まれてもよいが、主剤に含まれることが好ましく、この場合、主剤と硬化剤と混合させたときに、両者が均一に混ざりやすくなる。
主剤には有機溶剤が含まれていてもよく、このような有機溶剤としてはDPMAや上記において列挙した有機溶剤等が例示される。
硬化剤に含まれる有機溶剤は、DPMA以外の有機溶剤を含んでもよいが、主剤と硬化剤と混合させたときの酸化チタンの分散性を向上させる観点から、DPMA以外の有機溶剤を含まないことが好ましい。そして、この場合、硬化剤の状態が長時間にわたって安定となり、硬化剤の保存性も向上する。一方、主剤に含まれる有機溶剤は、DPMAであってもよいし、DPMA以外の有機溶剤であってもよく、カルボキシル基を有する樹脂を均一に溶解又は分散させることが可能な適宜の溶媒が選択され得る。
主剤及び硬化剤が上記のように構成されていれば、両者を混合したときの混合性に優れ、より短時間で両者が均一に混ざり合うようになる。また、硬化剤に含まれるジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートにより、混合後において酸化チタンの凝集が起こりにくく、均一に分散した混合液、すなわちソルダーレジスト用樹脂組成物を得ることができる。そのため、ソルダーレジスト用樹脂組成物をレジスト材料として使用して、ソルダーレジスト層を形成した場合、基板上に均一に塗工することができ、ソルダーレジスト層の性能を低下させにくくすることが可能となる。
尚、主剤に含まれる有機溶剤が酸化チタンの分散性に優れる溶剤であれば、主剤に光重合開始剤と酸化チタンの両方が含まれていても問題ない。
主剤中に含まれるカルボキシル基を有する樹脂の含有量は特に限定されるものではないが、主剤の全量に対して1〜60質量%とすることができる。また、主剤中に含まれる酸化チタンの含有量は特に限定されるものではないが、主剤の全量に対して1〜60質量%とすることができる。また、硬化剤中に含まれるエポキシ樹脂の含有量は特に限定されるものではないが、硬化剤の全量に対してエポキシ樹脂を1〜60質量%とすることができる。
主剤及び硬化剤の調製方法は特に限定されるものではなく、例えば、三本ロール、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の混練方法によって混練することにより調製することができる。主剤及び硬化剤の混合方法も特に制限されない。
主剤と硬化剤とを混合するにあたっての両者の質量比は、1:99〜99:1であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましく、20:80〜80:20であることが特に好ましい。
上記のようにして調製されソルダーレジスト用樹脂組成物は、主剤と硬化剤との混合性に優れ、また、白色顔料である酸化チタンの分散性に優れることで、レジスト材料としてソルダーレジスト層を形成した場合に、塗工性が良好となる。すなわち、基板上に塗工した際、酸化チタンの凝集等に起因するスジやダマの発生を抑制することができ、ソルダーレジスト層の反射率の低下や平滑性の低下を起こりにくくすることができる。また、主剤と硬化剤との混合性にも優れているので、ソルダーレジスト用樹脂組成物の調製も容易であり、当該工程にかかる時間を短縮することもできる。従って、ソルダーレジスト用樹脂組成物で構成されるレジスト材料では、高品質のプリント配線板を形成でき、経済性に優れるものである。さらに、ソルダーレジスト用樹脂組成物は酸化チタンの分散性に優れること、並びに混合状態が良好であることから、保存性も良く、従来よりも長期間にわたって貯蔵が可能になる。
また、ソルダーレジスト用樹脂組成物には有機溶剤として、DPMAを必須の有機溶剤として含むので、ソルダーレジスト用樹脂組成物から形成されるソルダーレジスト層は、タック性、現像性やPCT特性等の性能が優れるものとなる。これは、DPMAが従来使用されている有機溶剤に比べて沸点が低いことや、水酸基を有していないことに起因するためであると考えられる。
尚、上記では、主剤と硬化剤との二種類の液の混合によるソルダーレジスト用樹脂組成物の調製について説明したが、本発明の効果が阻害されない程度であれば、主剤と硬化剤以外の液をさらに混合して、ソルダーレジスト用樹脂組成物を調製してもよい。
(プリント配線板に対するソルダーレジスト層の形成)
プリント配線板上にソルダーレジスト層が形成されることで、ソルダーレジスト層を有するプリント配線板が得られる。ソルダーレジスト層の形成方法は特に限定されない。
ソルダーレジスト用樹脂組成物が熱硬化性を有する場合、例えばプリント配線板上にソルダーレジスト用樹脂組成物をスクリーン印刷法等によりパターン状に塗布した後、必要に応じて60〜120℃で加熱して予備乾燥する。続いて、プリント配線板上のソルダーレジスト用樹脂組成物を例えば120〜180℃で30〜90分程度の条件で加熱する。この加熱により、ソルダーレジスト用樹脂組成物中のカルボキシル基を有する樹脂とエポキシ樹脂が反応して熱硬化し、これによりソルダーレジスト層が形成される。
ソルダーレジスト用樹脂組成物が光硬化性を有する場合、すなわち、カルボキシル基を有する樹脂が光硬化性を有する場合のソルダーレジスト層の形成方法の一例は下記のとおりである。
プリント配線板に対して、ソルダーレジスト用樹脂組成物を浸漬法、スプレー、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スクリーン印刷等の適宜の手法により塗布した後、ソルダーレジスト用樹脂組成物中の有機溶剤を揮発させるために例えば60〜120℃で予備乾燥を行ない、乾燥膜を形成する。
この乾燥膜に対し、パターンが描かれたネガマスクを乾燥膜の表面に直接又は間接的に当てがい、活性エネルギー線を照射することにより、ネガマスクを介して乾燥膜を露光する。ネガマスクとしては、ソルダーレジスト層のパターン形状が活性エネルギー線を透過させる露光部として描画されると共に他の部分が活性エネルギー線を遮蔽する非露光部として形成された、マスクフィルムや乾板等のフォトツールなどが用いられる。また、活性エネルギー線としては、ソルダーレジスト用樹脂組成物の組成に応じ、紫外線、可視光、近赤外線等などの適宜の活性エネルギー線が挙げられる。例えば、ケミカルランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプ等の光源から紫外線等を照射する。
尚、露光の手法は、上記のようなネガマスクを用いる方法に限られるものではなく、適宜の手法を採用することができ、例えばレーザ露光等による直接描画法等を採用することもできる。
露光後のプリント配線板からネガマスクを取り外し、現像処理することにより、乾燥膜の非露光部分を除去し、残存する乾燥膜の露光部分にてソルダーレジスト層を形成する。
現像処理では、感光性樹脂層を形成するソルダーレジスト用樹脂組成物の種類に応じた適宜の現像液を使用することができる。現像液の具体例としては例えば炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化アンモニウム水溶液、水酸化リチウム水溶液などのアルカリ溶液を例示することができる。また、前記アルカリ溶液以外でもモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミンを使用することができ、これらは、単独でも組み合わせても用いることができる。このアルカリ溶液の溶媒としては、水単独のみならず、例えば水と低級アルコール類等の親水性のある有機溶媒の混合物を用いることも可能である。
さらに、ソルダーレジスト用樹脂組成物がエポキシ樹脂を含有する場合には、必要に応じてソルダーレジスト層を例えば120〜180℃で30〜90分程度の条件で加熱処理を施すことでエポキシ樹脂を熱硬化させてもよく、この場合、ソルダーレジスト層の膜強度、硬度、耐薬品性等が向上する。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、以下に記載される%は、特に示さない限り全て質量基準である。
(合成例1)
還流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた四ツ口フラスコに、メタクリル酸42質量部、メチルメタクリレート43質量部、スチレン15質量部、カルビトールアセテート100質量部、ラウリルメルカプタン0.5質量部、アゾビスイソブチロニトリル4質量部を加えた。この四ツ口フラスコ内の液を窒素気流下で75℃で5時間加熱して重合反応を進行させ、50%共重合体溶液を得た。
この50%共重合体溶液に、ハイドロキノン0.05質量部、グリシジルメタクリレート35質量部、ジメチルベンジルアミン2.0質量部を加え、80℃で24時間付加反応を行なった後、カルビトールアセテート35質量部を加えることで、カルボキシル基を有する樹脂の50%溶液(感光性樹脂溶液)を合成した。
(合成例2)
重合反応に用いるカルビトールアセテート100質量部の代わりにジプロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部としたこと以外は合成例1と同様の方法でカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液(感光性樹脂溶液)を合成した。
(実施例1)
合成例1で得られたカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液(感光性樹脂溶液)80質量部と、光重合性化合物であるDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)8質量部と、光重合開始剤であるTPO(BASFジャパン社製)10質量部と、酸化チタン(テイカ株式会社製「CR−58」)50質量部、シリコーンKS−66(信越化学工業株式会社製)2質量部、微粉シリカ(株式会社トクヤマ製「MT−10」)2質量部、有機溶剤(感光性樹脂溶液に含まれる有機溶剤は含まない)としてDPMAを15質量部とを配合し、混合機にて10分間混合した後、さらに3本ロールにて混合して主剤を得た。
一方、エポキシ樹脂1(三菱化学株式会社製「JER828」)7質量部と、有機溶剤としてDPMAを5質量部と、メラミン(日産化学工業株式会社製)を2質量部を配合し、混合機にて10分間混合した後、さらに3本ロールにて混合して硬化剤を得た。
(実施例2)
主剤に添加する有機溶剤をDPMAの代わりにカルビトールアセテート(CA)とし、硬化剤のエポキシ樹脂1(三菱化学株式会社製「JER828」)をエポキシ樹脂2(日産化学工業株式会社製「TEPIC」)としたこと以外は、実施例1と同様の方法で主剤と硬化剤を得た。
(実施例3)
主剤に添加する有機溶剤をDPMAの代わりにジプロピレングリコールモノメチルエーテルとしたこと以外は実施例1と同様の方法で主剤と硬化剤を得た。
(実施例4)
主剤の、合成例1で得られたカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液の代わりに合成例2で得られたカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液としたこと以外は実施例1と同様の方法で主剤と硬化剤を得た。
(実施例5)
主剤の、合成例1で得られたカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液の代わりに合成例2で得られたカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液とし、主剤に添加する有機溶剤をDPMAの代わりにカルビトールアセテート(CA)とし、硬化剤のエポキシ樹脂1(三菱化学株式会社製「JER828」)の代わりにエポキシ樹脂3(ダイセル化学、「EHPE−3150」)としたこと以外は実施例1と同様の方法で主剤と硬化剤を得た。
(比較例1)
主剤に添加する有機溶剤をDPMAの代わりにカルビトールアセテート(CA)とし、硬化剤の有機溶剤をDPMAの代わりにカルビトールアセテート(CA)としたこと以外は実施例1と同様の方法で主剤と硬化剤を得た。
(比較例2)
主剤に添加する有機溶剤をDPMAの代わりにカルビトールアセテート(CA)とし、硬化剤のエポキシ樹脂1(三菱化学株式会社製「JER828」)の代わりにエポキシ樹脂2(日産化学工業株式会社製「TEPIC」)とし、硬化剤の有機溶剤をDPMA5質量部の代わりにスワゾール1500を2質量部及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルを3質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で主剤と硬化剤を得た。
(比較例3)
主剤の、合成例1で得られたカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液の代わりに合成例2で得られたカルボキシル基を有する樹脂の50%溶液とし、主剤に添加する有機溶剤をDPMAの代わりにカルビトールアセテート(CA)とし、硬化剤のエポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「JER828」)の代わりにエポキシ樹脂3(ダイセル化学、「EHPE−3150」)とし、硬化剤の有機溶剤をDPMA5質量部の代わりにカルビトールアセテート(CA)を2質量部及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルを3質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で主剤と硬化剤を得た。
(ソルダーレジスト用樹脂組成物の調製及びテストピースの作製)
上記のように調製した各実施例及び比較例の主剤と硬化剤とをそれぞれ混合することでソルダーレジスト用樹脂組成物した。尚、混合条件は振動攪拌機にて20分とした。
上記ソルダーレジスト用樹脂組成物については、まず、厚み35μmの銅箔を備えるガラスエポキシ銅張積層板にエッチングを施すことでパターニングすることで、プリント配線基板を得た。このプリント配線板の全面にソルダーレジスト用樹脂組成物をスクリーン印刷により塗布することで、基板表面上に湿潤塗膜を形成した。この湿潤塗膜を80℃で20分加熱して予備乾燥することで、膜厚20μmの乾燥塗膜を形成した。この乾燥塗膜の表面上にネガマスクを直接当てがうとともに各ソルダーレジスト用樹脂組成物における最適露光量の紫外線を照射することで、乾燥塗膜を選択的に露光した。露光後の乾燥塗膜に炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像処理を施すことで、乾燥塗膜のうち露光により硬化した部分(硬化膜)を基板上に残存させた。この硬化膜を更に150℃で60分間加熱して熱硬化させることでソルダーレジスト層を形成した。これによりソルダーレジスト層を備えるテストピースを得た。
<評価試験>
各実施例及び比較例の主剤及び硬化剤から得られたソルダーレジスト用樹脂組成物の安定性、混合性、塗布性、タック性、現像性及びPCT特性を以下の評価方法によって評価した。
(硬化剤の安定性)
各実施例及び比較例において調製した硬化剤を50℃の環境下に7日間保管し、保管後の粘度変化を測定し、下記判定基準により硬化剤の安定性を評価した。尚、保管前後の硬化剤の粘度はコーンプレート型粘度計(測定温度25℃、コーン回転数5rpm/min)により測定した。
◎:粘度変化が10%未満であり、安定性が非常に優れている。
○:粘度変化が10%以上、100%未満であり安定性が優れている。
×:粘度変化が100%以上であり安定性が悪い。
(混合性)
上記実施例及び比較例において、主剤と硬化剤との混合性の評価を以下の評価基準に従って行った。
◎:10秒間撹拌したレジスト材料、20秒間撹拌したレジスト材料、1分間撹拌したレジスト材料及び5分間撹拌したレジスト材料のいずれを用いた場合でも、レジスト材料層は均一であった。
○:10秒間撹拌したレジスト材料を用いた場合には、レジスト材料層にわずかにスジ状のむらがみられたものの、20秒間撹拌したレジスト材料、1分間撹拌したレジスト材料及び5分間撹拌したレジスト材料を用いた場合には、レジスト材料層は均一であった。
△:10秒間撹拌したレジスト材料及び20秒間撹拌したレジスト材料を用いた場合には、レジスト材料層にわずかにスジ状のむらがみられたものの、1分間撹拌したレジスト材料及び5分間撹拌したレジスト材料を用いた場合には、レジスト材料層は均一であった。
×:10秒間撹拌したレジスト材料、20秒間撹拌したレジスト材料、1分間撹拌したレジスト材料及び5分間撹拌したレジスト材料のいずれを用いた場合でも、レジスト材料層にスジ状のむらがみられた。
(塗布性)
各実施例及び比較例の主剤及び硬化剤から得られたソルダーレジスト用樹脂組成物をスクリーン印刷して湿潤塗膜を形成させ、この塗膜の外観を目視で観察して、下記判定基準にて評価した。
◎:塗布欠陥無し。
○:わずかに欠陥が見られるが、問題ないレベル。
△: 非常に悪い(均一塗布できていない)
(タック性)
テストピース作製の際、露光時にネガマスクを取り外すときの乾燥塗膜の粘着の状態を、次に示すように評価した。
◎:ネガマスクを取り外した際に全く剥離抵抗を感じず、貼付痕もなかった。
○:ネガマスクを取り外した際には剥離抵抗を感じなかったが、乾燥膜上にマスクのかすかな貼付痕が認められた。
△:ネガマスクを取り外す際にわずかに剥離抵抗を感じると共に、乾燥膜上にマスクの貼付痕が認められた。
×:ネガマスクを取り外すことが困難で、無理に剥すとマスクパターンが毀損した。
(現像性)
露光工程において線幅及び線間が共に40μmの同心円状のソルダーレジスト層が形成されるようなネガマスクを用い、厚み20μmに形成されたソルダーレジスト層のパターン形状を観察し、次のように評価した。
◎:シャープな同心円状のパターンが形成される。
○:同心円状のパターンは形成されるが、線間、線幅の一定性にわずかにむらがある。
△:同心円状のパターンは形成されるが、その一部にわずかに樹脂残り又は欠落がある。
(PCT特性)
テストピースを温度121℃の飽和水蒸気中に8時間放置した後、このテストピースのソルダーレジスト層の外観を観察した。その結果を次に示すように評価した。
◎:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が全く見られない。
○:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が極僅かに見られる。
△:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が若干認められる。
×:ふくれ、剥がれ、変色等の変化が認められる。
表1に、各実施例及び比較例のソルダーレジスト用樹脂組成物の調製条件と併せて、上記評価結果を示す。
Figure 0006216133
実施例1〜5の硬化剤はいずれも安定性に優れ、また、主剤と硬化剤との混合性も良好であった。そのため、塗布性、タック性、現像性及びPCT特性が優れるものであった。一方、比較例1では、タック性、現像性及びPCT特性の悪化が見られた。比較例1の結果からカルビトールアセテートよりも沸点が低いDPMAを有機溶剤とすることで、タック性、現像性及びPCT特性を向上させることができることがわかる。また、比較例2、3ではDPMAを使用していないため、硬化剤の安定性や混合性が悪化していると共に、塗布性、タック性、現像性及びPCT特性の悪化が見られた。特に、比較例2、3で使用しているジプロピレングリコールモノメチルエーテルは、水酸基を有していることで吸湿が起こりやすく、そのため、PCT特性が低下しやすいものであるのに対し、本発明のようにDPMAを使用すれば、吸湿を抑制できるのでPCT特性を向上させやすいものであることがいえる。

Claims (2)

  1. 混合物であるソルダーレジスト用樹脂組成物を得るための2液混合型の主剤及び硬化剤であり、
    前記混合物はカルボキシル基を有する樹脂と、エポキシ樹脂と、光重合開始剤と、酸化チタンと、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを含む有機溶剤とを含有し、
    前記主剤は少なくとも前記カルボキシル基を有する樹脂と、前記光重合開始剤と、前記酸化チタンとを含み、
    前記硬化剤は少なくとも前記エポキシ樹脂と前記ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとを含むことを特徴とする2液混合型の主剤及び硬化剤。
  2. 請求項に記載の主剤及び硬化剤を混合してソルダーレジスト用樹脂組成物を調製し、このソルダーレジスト用樹脂組成物からソルダーレジスト層を形成することを含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法
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