JP6215871B2 - ガス導入開口を備えた基板支持体 - Google Patents

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Description

ここに開示する実施の形態は、概して処理チャンバ内の基板支持体に対して実質的に平坦となるように基板を設置するための装置および方法に関する。
より大型の平面パネル表示装置(FPD)およびより大型の太陽電池パネルに対する需要が高まり続けるにつれて、FPDや太陽電池パネルを形成するために用いられる基板の寸法も大型化している。基板寸法の拡大に伴って、基板の処理に用いられるチャンバも拡大している。チャンバのサイズが2平方メートルより大きい表面積を持つ基板を処理するサイズとされることも希ではない。
プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)および化学気相堆積(CVD)などの堆積工程を、大面積の基板上に希望の層を堆積するために行うことができる。プラズマまたは液体のいずれかによるエッチングといった除去処理も大面積の基板上で同様に行うことができる。
半導体ウエーハ処理については、ウエーハは約200mmまたは約300mmの直径を持つことがある。次世代の半導体ウエーハは直径が約400mmになると信じられている。このように、半導体ウエーハの表面積は大面積基板の表面積よりかなり小さい。
半導体ウエーハ処理チャンバを大面積基板の処理に用いられるサイズにスケールアップすることは単純ではない。多くの複雑な問題が生ずるが、二、三挙げるとすれば、チャンバ内で均一なプラズマを維持すること、チャンバ内でプラズマを発生させるため十分な電力を整備すること、チャンバを洗浄することなどである。加えて、半導体ウエーハは、一般に円形基板であるが、多くの大面積基板は、多角形または長方形である。円形の処理チャンバを大面積の長方形または多角形の基板の処理用にスケールアップすることはうまくいかない可能性がある。
従って、大面積基板を処理する処理チャンバの必要性がある。
本文に開示されている実施の形態は、概して、処理チャンバ内で基板支持体に対して実質的に平坦となるように基板を設置するための装置および方法に関する。大面積基板が基板支持体上に設置される時、基板と基板支持体の間に存在する可能性のあるガスポケットのために、基板は基板支持体に対して完全に平坦にはならないであろう。ガスポケットのため、基板上の堆積が一様で無くなる可能性がある。従って、基板と基板支持体の間からガスを吸引することにより、基板を基板支持体に対して実質的に平坦に引き寄せることができる。堆積の間、静電気が蓄積され、それによって基板が基板支持体に張り付く可能性がある。基板と基板支持体の間にガスを導入することによって、静電気力は克服され、余分な時間やガスを必要とするプラズマの支持が僅かな又は無い状態で、基板はサセプタから分離できる。
一実施の形態において装置が開示されている。この装置は、第1の直径を持つ1つまたはそれ以上の貫通した第1の穴を有する基板支持体と、前記1つまたはそれ以上の第1穴に相当する位置で基板支持体と結合された真空ポンプと、前記1つまたはそれ以上の第1穴に相当する位置で基板支持体と結合されたガス供給部とを含んでいてもよい。
別の実施の形態において方法が開示されている。この方法は、基板を処理チャンバ内に挿入し、基板を1本またはそれ以上のリフトピン上に置き、基板支持体を基板から離間した位置から基板と接触する位置に持ち上げ、基板を基板支持体に対して実質的に平坦な位置に引き寄せるように、基板と基板支持体の間のスペースからガスを吸引することを含む。上記吸引は、基板支持体を貫通して行う。
別の実施の形態において、方法は、基板をその上に載置した基板支持体を含む処理チャンバ内でプラズマを点火し、基板支持体と基板の間に第1ガスを注入し、基板を基板支持体から離間させるために、基板支持体を下げるか、または1本またはそれ以上のリフトピンを上昇させることを含む。
本発明の上記特徴が詳細に理解されるような方式で、簡単に上記に要約した本発明は、一部が添付した図面に示される実施の形態を参照してより具体的に説明されるかもしれない。ただし、特筆すべきは、添付の図面は本発明の典型的な実施の形態を示すのみであるので、本願の範囲を限定するものでは無い。というのも、本発明は、その他の等しく有効な実施の形態を容認しているからである。
図1Aは、基板が基板支持体から持ち上げられた一実施の形態による装置の模式的断面図である。 図1Bは、基板が基板支持体上に置かれた図1Aの装置の模式的断面図である。 図1Cは、基板が基板支持体上に実質的に平坦に載置された図1Aの装置の模式的断面図である。 図2は、一実施の形態による基板支持体の模式的上面図である。 理解を助けるために、各図に共通の同じ要素の呼称として、可能な限り同じ参照番号を用いた。ある実施の形態に開示されている要素は、他の実施の形態においても特に説明なしに有利に用いることができると考えられている。
本文において開示される実施の形態は、PECVDチャンバを参照して記載される。適切なPECVDチャンバは、California州、Santa ClaraのApplied Materials社の子会社であるAKT America社から購入できる。本文に開示される実施の形態は、その他の製造者によって販売されているものを含むその他の処理チャンバにおいても実施できることは理解されたい。
図1Aは、基板146が基板支持体104の上方に持ち上げられている一実施の形態による装置100の模式的断面図である。基板146は、まず、チャンバの少なくとも1つの壁部102にあるスリットバルブの開口148を通してチャンバ内に入れられる。その基板146は基板支持体104上方のリフトピン124、126上に置かれる。
基板支持体104の反対側にガス分配シャワーヘッド106があってもよい。シャワーヘッド106は、それを貫通して延びる複数のガス通路108を持っていてもよい。プロセスガスおよび/または洗浄ガスがガス源110からチャンバ内に送られてもよい。送られるプロセスガスおよび/または洗浄ガスの量は、選択的に開閉されるバルブ112によって制御されてもよい。プロセスガスは、バッキングプレート118と結合した管114を通じて処理チャンバ移動し、この結果、ガスは、シャワーヘッド106上方のバッキングプレート118を通過して流れ、バッキングプレート118とシャワーヘッド106の間がガス圧の高い場所であるプレナム120内へ膨張する。このプレナム120によって、ガスがガス通路108を通過する前にシャワーヘッド106の背後でほぼ均一に分布し、その結果、中心部付近のガス通路108を通過するプロセスガスの量は、シャワーヘッド106の端部付近のガス通路108を通過するガスの量とほぼ等しい。
電源116が処理チャンバに連結されていてもよい。一実施の形態において、電源116は、約10MHzから約100MHzの間の周波数を持つ電流を供給する能力のあるRF電源を含んでいてもよい。この電源116は管114と連結されていてもよい。RF電流は導電性材料中には、予め定められる所定の距離にしか浸透しない。予め定められた浸透は、「スキン効果」と呼ばれることがある。RF電流の「スキン効果」によって、管114は、管114の内側を通ってガスを流しつつ、外表面に沿ってRF電流を流すよう導電性であってもよい。管114の内側のガスは「スキン効果」のためにRF電流と「出会う」ことは無く、従って、管114内ではプラズマへと点火されることはない。
RF電流は電源116から管114に進む。RF電流はその後管114の外表面に沿ってバッキングプレート118まで進む。バッキングプレート118を貫通するのではなく、RF電流は、バッキングプレート118が導電性であるので、バッキングプレート118の裏側に沿って進む。シャワーヘッド106をバッキングプレート118に電気的に結合するブラケット152も導電性であるので、RF電流はブラケット152の表面に沿ってシャワーヘッド106の前表面に進む。次いで、RF電流は処理領域154内でプロセスガスに点火しプラズマとする。
RF電流はそれを駆動する電源に帰還する。従って、RF電流は、電源116へ帰還しようとするだろう。RF電流は、基板支持体104に沿って進み、支持台136にまで下がり、さらにチャンバの底部132に沿って進んだ後、チャンバ壁部102に沿って上昇し、さらに、蓋122の底面に沿って進んで電源116に帰る。RFの帰還経路は、基板支持体104と底部132および/または壁部102の間をストラップで結ぶことによって短縮化できる。
処理の間、プロセスガスは、ガス源110から管114を通して、バッキングプレート118とシャワーヘッド106の間のプレナム120に供給される。ガスは、その後、プレナム120内に均一に分布し、次いで、ガス通路108を通過して処理領域154内へ入る。RF電流は、管114、バッキングプレート118の裏面、ブラケット152、およびシャワーヘッド106の前面に沿って進み、処理領域154内で、ガスをプラズマに点火する。次いで、材料が基板146上に堆積される。
処理前に、基板146は、端部エフェクター上のスリットバルブの開口148を通して、処理チャンバ内にまず設置される。端部エフェクターは、基板146を下降させ、基板146をリフトピン124、126上に置く。リフトピン124、126はチャンバの底面132上に置かれる。端部エフェクターはその後後退する。処理チャンバは、真空ポンプ128によって真空に引かれる。真空の度合いは、開閉されるバルブ130によって制御できる。
基板146がリフトピン124、126上に置かれ、端部エフェクターがチャンバの外に戻された後、基板146が基板支持体104上に置かれるように基板支持体104が作動装置134によって持ち上げられてもよい。図1Bは基板146が基板支持体104上に載置されている図1Aの装置の模式的な断面図である。基板支持体104が処理を行う位置まで引き上げられた時、リフトピン124、126はチャンバの底部132から離れる。
チャンバの底部132上にあるリフトピン124、126、および、リフトピン124、126と相対的に動く基板支持体104に関して記述しているが、ここに含まれている説明は、リフトピン124、126が、基板支持体104と独立に移動することもある場合にも等しく適用可能であることを理解されたい。例えば、基板支持体104が静止している一方で、リフトピン125、126は、上下し基板支持体104から離れた位置から基板支持体104と接触する位置に基板146を動かすことがある。加えて、リフトピン124、126が下降する一方基板支持体104が上昇する、あるいは両者がその反対の動きをするように、基板支持体104とリフトピン124、126は共に独立に動いてもよい。本文に論議される、基板の中心から端部への進行および端部から中心への進行もそれぞれの状況に適用できるだろう。
基板146は極めて大きく、ある場合には表面積が少なくとも2平方メートルもあるので、基板146は基板支持体104に対して完全に平坦な状態で載置できないかもしれない。それ故、基板146と基板支持体104の間には隙間156が存在する可能性がある。隙間156は、幾つかの要因によって生ずることがある。一つの要因は、基板146の加熱が基板146に曲げを生ずる。基板146はチヤンバ内に入れるときにもともと加熱されているかもしれない。前の工程でチャンバが加熱されていたことによって、チャンバの温度は基板の温度より高いかもしれない。前の工程でのプラズマが、ある場合には、チャンバを摂氏200度の温度に加熱することがある。しかし、基板146は、ロードロックチャンバから回復された後に処理チャンバ内に設置されることがある。基板146は、チャンバ内に導入される直前には、チャンバより低い温度にあり、従って、チャンバに入れる時に曲がりが生ずる。
加えて、基板支持体104が基板146と接するまで上昇した時、ガスが不幸にも基板146と基板支持体104の間に捕捉されるため隙間156が生ずることがある。リフトピン126はリフトピン124より短い。従って、基板支持体104が上げられる時、基板146は基板支持体104とその中心で接触し、一般に、基板146の端部に接触が広がる。そのように接触が拡がる状態で、基板146と基板支持体104の間のガスは、基板146と基板支持体104の間から概ね押し出される。しかし、ある部分のガスは基板146と基板支持体104の間で依然として捕捉されたままであり、その間に隙間156を作り出す。
基板146と基板支持体104との間の隙間156は、基板146上に不均一な堆積表面158をもたらす。不均一な堆積表面158により、堆積が十分に行なわれない堆積厚の薄い部分を含む不均一な堆積をもたらす。明瞭に証明されない限り理論に束縛されることは望まないが、隙間156が堆積物の厚さの薄いスポットを作ると考えられる。堆積材料が基板146の低い部分に堆積し、蓄積する傾向にあるので、基板146上に薄いスポットが形成されることがある。材料は、所望の厚さに達するまで続いて堆積される。一旦、所望の厚さに達すると、フィルムの上面は実質的に平坦であると予想される。しかし、一旦基板146がチャンバから取り出され、ほぼ水平に置かれると、基板146上に堆積された材料はもはや平面ではなく、薄いスポットが残留することになる。
薄いスポットが形成される別の理由はプラズマの密度によるものである。電源116から管114、バッキングプレート118、ブラケット152、およびシャワーヘッド106と流れるRF電流は、プロセスガスを点火してプラズマとする。RF電流がシャワーヘッド106に直接印加されるので、シャワーヘッド106はRF電流の「ホット」な部分と考えられる。一方、基板支持体104はRF電流の帰還路の一部である。基板支持体104は、陰極であるシャワーヘッド106に対して、陽極と呼ばれることもある。いずれにしても、プラズマからのRF電流は、基板支持体104に沿って進行し、最終的に電源116に帰還する。RF電流は基板106を通して基板支持体104と結合する。基板146は隙間156のために基板支持体104に対して実質的に平坦ではないので、RF電流は隙間156に相当する場所では基板支持体104と結合していない。RF電流が隙間156で基板支持体104と結合していない状態で、プラズマはチャンバ内で不均一に分布している可能性がある。この不均一なプラズマの分布が基板146上への均一でない堆積をもたらす。
不均一なプラズマ分布を抑制するために、基板146が、基板支持体104に対して実質的に平坦であることは有利である。基板146が基板支持体104に対して実質的に平坦である時、ほぼ隙間156が無く、基板146を通じて基板146のほぼ全底面で、RF電流が基板支持体104と結合することができる。図1Cは、図1Aの装置の模式的な断面図であるが、ここでは、基板146が基板支持体104に対して実質的に平坦に載置されている。基板146を基板支持体104に対して実質的に平坦に引き寄せるために、隙間156が取り除かれるように、基板146と基板支持体104の間に捕捉されたガスが取り除かれる。
上記議論のように、基板146は最初端部エフェクターによってリフトピン124、126の上に置かれる。端部エフェクターは、その後チャンバの外に後退される。その後、基板支持体104が基板146と接するように持ち上げられる。基板146がリフトピン124、126ではなく基板支持体104に支持されるまで、基板146は中心から端部に向けた進行で基板支持体104に接触するようになる。基板146と同じように、リフトピン124、126も基板支持体104に支持されている。基板146と基板支持体104の間に捕捉されて残存するガスは、隙間156からガスを抜くことによって除去され、それによって、基板支持体104に対して実質的に平坦になるように基板146が引き付けられる。基板支持体104に結合された真空ポンプ140によって、隙間156のガスを抜く。基板支持体104を貫通している1つ以上の開口150によってガスが基板支持体104を貫通して抜かれ、真空ポンプ140を通してチャンバ外に排出される。弁142が必要に応じて開閉し、真空ポンプ140からの真空引きを制御する。
隙間156に捕捉されているガスを吸引することに加えて、基板146にはプラズマが添加されるか、または予備プラズマが添加される。プラズマ添加は、基板146を周囲の温度より高い温度に加熱するための熱伝達の工程である。基板146が周囲の温度より高い温度に加熱されるので、負に帯電された粒子やその他の汚染物質は、最も低い温度の表面に引き寄せられる傾向がある。基板146が処理チャンバ内に導入されると、基板146は、最も温度の低い表面であり、従って汚染される危険がある。基板146を周囲よりも高い温度に加熱することによって、負に帯電した粒子は基板146以外の表面に引き寄せられる。予備プラズマ添加とは異なるプラズマ添加は、基板146の温度を急速に上げることを伴う。
プラズマ添加の順序は、基板146を処理チャンバへ挿入し、基板146を基板支持体104上に設置することを伴う。基板146を基板支持体104上に設置する前にプラズマは点火しない。その後、チャンバの圧力を通常の処理圧力より高める。希ガスなどの不活性ガスまたは基板146と化学反応しないガスがチャンバ内に導入され、点火されてプラズマとなる。プラズマは、基板を他の電極(PECVDシステムでのシャワーヘッド106)よりも高い温度に加熱する。その後、プラズマは消され、ガスは引かれ、圧力は通常値に下げられる。次いで、基板146は処理される。あるいは、プラズマ添加は、基板支持体104が基板146と接触するように上昇している間に、プラズマを点火することを含んでもよい。プラズマ添加に加えて、隙間156の真空引きを行ってもよい。
一方、予備プラズマ添加は、基板146を基板支持体104に接触させることを補助する工程である。予備プラズマ添加のために、基板146はそれが処理チャンバ内に運ばれる際に端部エフェクターによって支持される。その後、端部エフェクターは下げられ、基板146が、チャンバの底部132から基板支持体104を貫通して伸びるリフトピン124、126上に置かれる。基板146がリフトピン124、126上に置かれたら、端部エフェクターはチャンバの外に戻される。
基板146がリフトピン124、126上に置かれていて、基板146が基板支持体104上に載置される前、ガスをチャンバ内に導入してもよい。上記ガスは、基板146と化学反応しない、あるいは、基板146上への堆積を生じないガスからなっていてもよい。用いることのできるガスの例は、水素、窒素、アンモニア、アルゴンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。ガスはその後点火されてプラズマとなる。
プラズマ堆積中に起こる状況と同じように、基板146上および/または基板支持体104上に静電気が蓄積する。プラズマを点火するために印加される電力は中断され、その後チャンバは処理のための基礎圧力まで引かれる。その後、基板支持体104は持ち上げられ、基板146が、遅い速度で中心から端部に向かうように基板支持体104に接触する。基板支持体104は、基板146が基板支持体104に支持されるまでガスまたはプラズマなしに持ち上げられる。基板支持体104が持ち上げられるのは、プラズマが消されてから後である。
基板146および/または基板支持体104上に蓄積される静電気は、基板146と基板支持体104の間に存在する隙間156の量が予備プラズマ添加プロセスの無い場合より少ない量まで減少されるように、基板支持体104とより大きく接触するように基板146を基板支持体104側に引きつけてもよい。
次いで、隙間156に捕捉され残存しているガスは、基板146を基板支持体104に対して実質的に平坦に引き寄せるために、開口150を通して真空ポンプ140によって真空に引かれてもよい。一旦、基板146が基板支持体104によって支持されたら、プロセスガスがチャンバ内に導入されRF電力によってプラズマに点火されてもよい。こうして、基板146は処理されてもよい。
一旦処理が完了した時点で、基板146は基板支持体104から力で持ち上げられてもよい。基板146を基板支持体104から持ち上げるため、ガスがチャンバ内に導入されてもよい。このガスは、処理された基板146と化学反応しないガスである。もし、基板146と化学反応するガスが用いられると、基板146が望ましくない処理を受ける可能性がある。従って、ガスは、処理された基板146に対して化学的に不活性でなければならない。ある実施の形態において、ガスは、水素、窒素、アルゴン、およびアンモニアから選択することができる。
導入されたガスは点火されてプラズマとなる。ある実施の形態において、プラズマに点火するために用いられるRF電力は、基板146上への物質の堆積に用いられるプラズマを発生させるため印加されるRF電力より低い。処理された基板146は、所定時間プラズマに暴露される。ある実施の形態によれば、上記時間は約5秒から約15秒である。理論に縛られることを望まないが、非反応性ガスのプラズマは、基板146および基板支持体104上に蓄積された静電気を除去し、減少させ、あるいは、再分配するので、基板146に損傷を与えること無く、基板146が基板支持体104との接触から剥がれると考えられている。静電気の除去、減少または再配分は、基板146と基板支持体104の間の張り付きを減少させ、その結果、基板146を基板支持体104からより容易に剥離させることができる。材料の堆積に用いられるより低い電力を用いることによって、基板146を力によって持ち上げる時の基板146と基板支持体104に印加される静電気は限定される。
力による基板の持ち上げの後に、基板146を基板支持体104から分離するために、基板支持体104は降下され、基板146はリフトピン124、126により支持されるようになる。基板146の基板支持体104との分離は、端部から中心に向かって次第に進行する。しかし、基板146は、基板146の端部から離れた領域で基板支持体104に未だ貼り付いている。もし、基板146が基板支持体104に貼り付いていると、基板146は破損するか損傷を受ける。このような貼り付きをさらに克服するために、ガスが基板146と基板支持体104の間に導入されてもよい。
基板146と基板支持体104の間に隙間156を形成するためにガスを導入してもよい。隙間156は、基板146の基板支持体104からの除去を助けるために、基板146と基板支持体104の間の貼り付きを減少させてもよい。ガスは、弁144を開放して、ガス源138から開口150を通して基板146と基板支持体104の間にガスを導入させることにより導入することができる。ガス源138からのガスは、基板146と化学反応しない、あるいは、基板146上に堆積物を生じさせないガスからなってもよい。用いることのできるガスの例は、水素、窒素、アンモニア、アルゴンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。基板146と基板支持体104の間へのガスの導入は、力による持ち上げに加えて行われてもよい。力による持ち上げの前、力による持ち上げと同時、あるいは力による持ち上げの後で、隙間156形成のためにガスを導入してもよい。
図2は、ある実施の形態による基板支持体200の模式的な平面図である。基板支持体は、外側のリフトピン用の開口202と内側のリフトピン用の開口204を持つ。開口202と204は、ほぼ同じ直径を持つ。開口206は、基板支持体200を貫通してガスを導入したり排気したりするためにも存在する。開口206は4個示されているが、より多くのまたは少ない開口206が存在していてもよいことは理解されたい。加えて、開口206は、開口204の近傍に位置するように図示されているが、開口206は、図2に示される位置に加えて、または、それに代わるその他の位置にあってもよい。開口206の直径は開口202、204の直径より大きく図示されているが、開口206の直径は開口202、204の直径と同じ直径か、あるいはより小さい直径でもよいことは理解されたい。
ここに論議する実施の形態には数多くの利点がある。基板と基板支持体の間からガスを排気することによって、基板が基板支持体に対して実質的に平坦になるように、基板を基板支持体と密着させることができる。基板が基板支持体に対して実質的に平坦であることによって、材料は基板上に均一に堆積することができる。基板と基板支持体間にガスを導入することによって、基板を基板支持体に密着させておく貼り付き力は克服され、その結果、基板は基板支持体との接触からより容易に分離できる。それ故、大面積基板の均一性問題および破損問題が克服される。
前記に本発明の実施の形態について説明したが、本発明の基本的な範囲から離れること無く、本発明のその他のあるいは更なる実施の形態を工夫することができる。そして、本発明の範囲は以下に示す請求項によって定められる。

Claims (3)

  1. PECVDチャンバ用の装置であって、
    前記PECVDチャンバ内に配置される基板は、長方形又は多角形である非ウェハ型の基板であって、基板の面積が少なくとも2平方メートルであり、
    第1の直径をもつ複数の第1の貫通穴ならびに前記第1の直径とは異なる第2の直径をもつ複数の第2の貫通穴を有する基板支持体であって、PECVD処理における陽極を規定する基板支持体と、
    前記基板支持体の前記複数の第1の貫通穴のそれぞれと連結しているガス供給部であって、堆積中に静電電荷が基板上に蓄積して基板と前記基板支持体との間に静電力が形成され、前記第1の貫通穴を通してガスを導入して基板と前記基板支持体との間に隙間を形成することにより、前記静電力に抗して基板が前記基板支持体から離れることを助長するためのガス供給部と、
    前記複数の第2の貫通穴のそれぞれに可動に配置されたリフトピンであって、前記複数の第2の貫通穴は、前記複数の第1の貫通穴より基板支持体の中心から離れた位置にあるリフトピンと
    を含み、
    前記複数の第1の貫通穴は、前記基板支持体の中心から離隔した位置に配置され、
    前記第1の直径は前記第2の直径よりも大きい、装置。
  2. 基板支持体は支持シャフトと結合され、前記装置は、
    支持シャフトを貫通して伸び、前記複数の第1の貫通穴に相当する位置で基板支持体と連結している1本またはそれ以上の管をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記基板支持体は長方形であり、前記複数の第1の貫通穴は4つの貫通穴からなり、長方形の前記基板支持体の中心を通って互いに直交するX軸とY軸に対して、前記4つの貫通穴は、軸対称に配置されている、請求項1に記載の装置。
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