JP4583905B2 - アライメント装置及びそれを用いたアライメント方法 - Google Patents

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Description

この発明は、一組のアライメント対象物としての上基板ワークW1及び下基板ワークW2を保持又は支持してアライメント操作を行うことができるアライメント装置及びそれを用いたアライメント方法に関する。
従来から、例えば、図7に示すような不図示のチャンバー内に配設されたアライメント装置本体100が知られている。このアライメント装置本体100は、上方よりマスクなどの上基板ワークW1を静電気吸引力により保持する保持手段としての静電チャック200と、この上基板ワークW1とともにアライメントされる基板などの下基板ワークW2を略水平に支持する支持面310を備えたステージ300、上基板ワークW1及び下基板ワークW2を静電チャック200及びステージ300へ供給し、アライメントが完了したワークを取り出すためのロボットを含む搬送装置(不図示)とから大略構成されている。
この静電チャック200は、不図示のモータなどのアクチュエータに接続されてx軸方向、y軸方向、z軸方向(鉛直方向)、θ方向(xy平面内での回転方向)に移動可能な平板状のベース部材210を有している。このベース部材210の下面には、絶縁材料220により被覆された二群の電極要素群231と電極要素群232とから構成された電極が固定され、この絶縁材料220の下面(保持面233)は支持面310と平行な略水平に維持されている。
また、これらの電極要素群231、232にはそれぞれ制御部240が接続固定されている。この制御部240から電極要素群231,232のそれぞれに正負の電圧(Va=+V1;Vb=−Va)を印加させることにより、上基板ワークW1が保持面233としての絶縁材料220の下面に静電吸着されるようになっている。
一方、この静電チャック200及び/又はステージ300には、複数の穴(不図示)が設けられており、その穴を通してアライメントマークを監視するカメラが配置されている。ここで、本明細書中に用いられている用語「及び/又は」は、並列する二つの語句を併合したもの及びいずれか一方の3通りを一括して示す用語である。
以上のアライメント装置本体100によれば、チェンバーが密閉された真空に維持された状態で、搬送装置により上基板ワークW1が保持面233付近まで供給され、制御部240から電極要素群231,232への印加電圧をオンすることにより、電極要素群231には+V1ボルト、電極要素群232には−V1ボルトを印加させることにより、上基板ワークW1を静電チャック200により静電気的に吸着して保持する。ついで、搬送装置により下基板ワークW2がステージ300に供給され、ステージ300上に載置されて支持固定される。
ついで、吸着面に静電吸着されている上基板ワークW1を移動させて上基板ワークW1及び下基板ワークW2の相対位置合わせ作業(アライメント作業)が行われる。
このアライメント作業は、例えば、不図示のアクチュエータを駆動させて静電チャック200をz軸方向に下降させ、上基板ワークW1及び下基板ワークW2を接触させ、カメラからのアライメントマークなどの情報を基にして位置ずれ量を測定する。
その後、アクチュエータを駆動させてz軸方向に上昇させ、上基板ワークW1と下基板ワークW2とを離間させた状態でx軸方向、y軸方向、θ方向に位置ずれ量が無くなるように静電チャック200を移動させる。位置ずれ量が無くなった状態でアクチュエータを駆動させてz軸方向に静電チャック200を下降させて上基板ワークW1を下基板ワークW2に押し当て、制御部240から電極要素群231,232への電圧をオフ(接地)させて、上基板ワークW1を静電チャック200からリリースしてアライメントを行っている。
アライメント終了後の組立体は、搬送装置により取り出され、チェンバー内のストック部に積載され、次の上基板ワークW1の供給に移行されて、アライメント作業が繰り返される。
近年の液晶基板製造ラインでは、ガラス基板の面積を大きく取ることにより生産ラインの効率化を図っている。例えば、第7世代の液晶基板製造搬送ラインでは、液晶基板の大面積化に伴って、2m×2m程度という面寸法の静電チャック200やステージ300を用いる必要が生じる。
このようにガラス基板の面寸法を大きくすれば、システム全体が大型で、システム全体を大型チャンバーに入れ、システム全体を真空環境に配設することは、大型の真空チャンバーが必要になること、真空仕様の大型の搬送装置が必要となること、等によりシステム全体が高価となるという課題がある。
ここで、ロボットを含む搬送装置をチャンバーの外の常圧下に配設すれば、真空チャンバー内に配設すべきシステムの小型化が図れ、廉価なアライメント装置を提供することが可能となる。
しかしながら、本発明者の研究によれば、上記従来のシステムから、搬送装置を外に排出した場合には、印加電圧をオフ(接地)させても、上基板ワークW1のリリースが速やかに完了せずに、アライメントの精度が確保できない場合があるという課題が見出された。
そこで、本発明は、上基板ワーク、下基板ワークを搬送する搬送装置をチャンバーの外に配設した場合にも、安定なアライメント精度の確保できるアライメント装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、搬送装置をチャンバー外に配設した場合にアライメント精度が確保できない理由について鋭意研究した結果、静電チャックに基板ワークを静電吸着した状態でチャンバー内を常圧状態から真空引きする工程で静電チャックに空気摩擦に起因する電荷が発生して静電チャックの吸着面が帯電され、この帯電が原因で上基板ワークW1のリリースが速やかに完了しないことに起因していることを認めた。
すなわち、上記従来技術において、チャンバー外に搬送装置を配設したアライメント装置では、アライメント対象物としての上基板ワークW1及び下基板ワークW2をチャンバー内に搬入する工程では、チェンバーは開放された状態で搬入する必要があり、搬入された上基板ワークW1を静電チャックで吸着した状態ではチャンバー内は常圧(例えば、100,000Pa程度の大気圧)であること、また、アライメント時には、例えば、1Pa程度の所定の真空度である必要があること、それ故、アライメント操作の過程では、上基板ワークW1を静電チャックに吸着した状態で、常圧から1Pa程度まで急激に真空引きを行う必要が生じることになる。
しかしながら、上基板ワークW1を静電チャックに吸着した状態で急激に真空引きが行われると、静電チャック表面の絶縁層と上基板ワークとの界面に形成される細い隙間を空気が高速に流れ、この細い隙間を空気が高速に流れるため、界面に空気摩擦耐電が生起する。また、このとき、電極面に電圧が印加されているため、界面近辺では強い静電界が形成され、摩擦帯電した電荷が強い静電界に拘束され、界面で形成された摩擦電荷が界面間に蓄積することとなる。
ここで、このような界面の隙間(絶縁層の表面と上基板ワークとの間の隙間)は、絶縁層と上基板ワークの面粗度および反りに起因するもので、一般的に小さく、数μm程度である。そして、この隙間が小さいために、界面に蓄積した微小な摩擦電荷でも、絶縁層と上基板ワークW1との間の吸着面間に大きな静電気力をもたらす。そして、この静電気力によって、アライメント終了時に静電チャックへの印加電圧を遮断しても、上基板ワークW1を静電チャックからスムーズにリリースできなくなり、結果として、リリース前とリリース後のアライメント精度に差をもたらしてしまうことになる。
また、その一方で、真空度を高めすぎてから静電チャックに電圧を印加した場合、電極面に電圧を印加してから基板ワークを静電吸着する吸着力が発生するまでの所要時間が長くなることも認めた。
この静電気吸着力は、電極面に電圧を印加することにより基板ワークの吸着面に表面分極を生起させ、発生した表面分極と電極界面に形成される静電界に基づいて発生するが、この表面分極の進行速度は、環境湿度(水分の量)に大きく影響し、湿度が高いほど表面分極の進行速度は速く、その一方で、環境湿度が低下すると分極速度は遅くなる。言い換えると、環境にある水分は、表面分極を助けるが、真空度があがることにより水分の助けが得られなくなり、例えば、1Pa程度のアライメント環境では、期待した静電気吸着力が誘起されるまでの時間は常圧時に比べると著しく増大することが確認された。
さらに、この空気摩擦帯電は、電極面に電圧を印加した状態で常圧(例えば、100,000Pa程度の大気圧)から1,000Pa程度の減圧度(以下、この1,000Pa程度を所定の減圧度という。)まで急激に減圧することにより主に発生し、所定の減圧度を超えて急激に減圧にしても、摩擦帯電は実質的に無視できた。そして、この空気摩擦帯電に基づく電荷の蓄積(帯電)は、電圧を印加していなければ実質的に発生しないこと、また、所定の減圧度は、アライメント環境に必要な真空度(1Pa程度であり、この真空度を以下、所定の真空度という。)よりも格段に緩やかな減圧度であることを認めた。
そこで、本発明者等は、所定の減圧度まではハンドリング対象物としての上基板ワークW1を他の手段で保持し、所定の減圧度に達した後に電圧を印加して静電チャックにより保持することにすれば静電保持への移行も速やかに行え、かつ、その後に所定の真空度まで真空度を高めても、空気摩擦に基づく電荷の蓄積(帯電)が発生せずに、必要に応じて速やかなリリースが行えると考えた。
すなわち、請求項1記載の発明は、互いに異なる電圧を印加することが可能な電極要素を上基板ワークに向けて配設させて該電極要素に異なる電圧を印加させることにより上基板ワークを該電極要素の表面に静電吸引力により吸引して保持する静電ステージと、
該静電ステージの下方に配置され、下基板ワークを上基板ワークに対して平行に支持可能な支持ステージと、を有し、
前記静電ステージの吸着面と前記支持ステージの支持面とを互いの平面方向であるxy平面方向内で相対的に移動可能に構成することにより、上基板ワークを前記吸着面に、下基板ワークを前記支持面にそれぞれ平行になるように吸着又は支持した状態で前記吸着面又は支持面のどちらか一方又は双方の面をx軸方向又はy軸方向のどちらか一方向又は双方向の相対的移動を行い、上基板ワーク及び下基板ワークの相対位置合わせを密閉されたアライメント室内で行う位置合わせ装置を備え、
前記アライメント室は、上基板ワーク及び下基板ワークを搬入・搬出するための開閉装置及び、
該開閉装置が開放された状態で、前記上基板ワーク及び下基板ワークを前記アライメント室内へ搬入するとともに、アライメントが完了した上基板ワーク及び下基板ワークを前記アライメント室から搬出する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送された上基板ワークを前記静電ステージとは異なる手段で保持する保持装置と、
該開閉装置が閉鎖された状態で、該アライメント室内を所定の減圧度及び所定の真空度に形成するための真空形成装置と、
該アライメント室内が所定の減圧度に到達した後に前記静電ステージへの電圧印加を印加する電圧印加手段とを備え、
前記静電ステージは、平面上に配列された電極と、該電極に印加される電圧を制御する制御部を備え、該制御部は、上基板ワークを静電気吸引力により接触的に保持する接触保持モード及び上基板ワークを静電気吸引力により非接触的に吸引浮上して保持する浮上保持モードの少なくとも二種類の保持モードを備えることを特徴とするアライメント装置である。
このように構成すれば、アライメント時の上基板ワークの保持を静電チャックで行うので、面寸法が大きく、かつ、厚みが薄いガラス基板であっても、面吸着により反りを発生させずに保持することができ、アライメント精度を向上させることができる。
また、所定の減圧度までは他の手段で上基板ワークを保持し、アライメント環境よりも真空度が低い、所定の減圧度で静電ステージに電圧を印加して保持手段を静電チャックに移行しているので、静電吸着への移行も速やかに行え、かつ、静電チャックによる面吸着の際に発生する電荷蓄積を回避することができる。
これにより、アライメント操作後では上基板ワークのリリースが速やかに行えるので、位置ズレを回避させることができアライメント精度を向上させることができる。
さらに、保持装置及び支持装置のそれぞれの保持面及び支持面の面精度が粗かったり、また、保持面と支持面との相対平行度が低いことにより、アライメント操作中に、それぞれの保持装置又は支持装置に保持又は支持された上基板ワーク及び下基板ワーク間で互いに干渉が発生しても、浮上して保持又は支持されている上基板ワーク又は下基板ワークには、この干渉により発生する力が作用する方向に逃げを有するので、互いに強く圧接されることがない。これにより、アライメント操作をスムースに行うことができる。
請求項2記載の発明は、前記静電ステージの吸着面は、絶縁層で被覆されていないことを特徴とする請求項1記載のアライメント装置である。
このように構成すれば、絶縁層を設けないので、電極面と基板ワーク面との距離を短く設定でき、これにより、同一印加電圧では高い電界、すなわち、強い静電吸着力を得ることができる。また、所望とする静電吸着力を得るためには低い印加電圧でよいことになる。また、絶縁層で被覆しないことにより、空気摩擦帯電を増大させることはない。
請求項3記載の発明は、前記保持装置は、真空吸着装置であることを特徴とする請求項1又は2記載のアライメント装置である。
保持装置としては、機械的な支持装置でもよいが、吸着方式による保持装置であれば、大面積に対しても保持が容易となるので好ましい。
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載のアライメント装置を用い、上基板ワークを前記保持装置により保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を常圧から減圧にし、アライメント室内が所定の減圧度に達した後に、前記静電ステージで前記上記基板ワークを接触保持モードで接触保持する工程、上基板ワークを前記静電ステージにより接触保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を更に減圧にし、アライメント室内が所定の真空度に達した後に、前記静電ステージを浮上保持モードへ移行して上基板ワークを静電吸引力により浮上保持する工程、上基板ワークを静電吸引力により浮上保持した状態で前記吸着面又は支持面のいずれか一方又は双方の面をx軸方向又はy軸方向のいずれか一方向又は双方向の相対的移動を行い、上基板ワーク及び下基板ワークの相対位置合わせを行うアライメント工程、を順次行うことを特徴とするアライメント方法である。
請求項5記載の発明は、請求項3記載のアライメント装置を用い、前記開閉装置が開放された状態で、前記アライメント室内に上基板ワーク及び下基板ワークを搬入する搬入工程、前記真空吸着装置を作動させて前記搬入工程により搬入された上基板ワークを保持する工程、上基板ワークを前記真空吸着装置により保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を常圧から減圧にし、アライメント室内が所定の減圧度に達した後に、前記静電ステージで前記上基板ワークを接触保持モードで接触保持すると共に前記真空吸着装置の吸着を解除する静電保持工程、上基板ワークを前記静電ステージにより接触保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を更に減圧にし、アライメント室内が所定の真空度に達した後に、前記静電ステージを浮上保持モードへ移行して上基板ワークを静電吸引力により浮上保持する工程、上基板ワークを静電吸引力により浮上保持した状態で前記吸着面又は支持面のどちらか一方又は双方の面をx軸方向又はy軸方向のどちらか一方向又は双方向の相対的移動を行い、上基板ワーク及び下基板ワークの相対位置合わせを行うアライメント工程、前記開閉装置が開放された状態で、前記アライメント室外へアライメントが完了した上基板ワーク及び下基板ワークを搬出する工程、を順次行うことを特徴とするアライメント方法である。
静電ステージの電圧を印加させてから、実際に静電吸着力により上基板ワークを吸着できるまでに時間を要する場合がある。この時間は、減圧にした場合の減圧度及び印加電圧の振幅等にも依存するが、減圧度が1,000Pa程度で印加電圧が2KV程度の場合には無視できる程度であるが、減圧度が1,000Pa程度で印加電圧が1KV程度の場合には約1分間必要である。
ここで、保持装置が真空吸着装置である場合には、この1分間の間に真空形成装置を稼動させていると、アライメント室が高真空となり、上基板ワークの真空吸着装置の保持が解除されてしまう場合がある。そこで、これを避けるために静電気吸着力が誘起するまで、待つ工程が付加されている。
本発明によれば、上基板ワーク、下基板ワークを搬送する搬送装置をチャンバーの外に配設した場合にも、安定なアライメント精度の確保できるアライメント装置及びハンドリング方法を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態に係るアライメント装置及びアライメント方法の一例につき図面に基づき説明する。なお、従来技術と同一乃至均等な部位部材は同一番号を付して詳細な説明は省略することがある。
図5及び図6は、本発明に係るアライメント装置本体の概念を電極面に対して直交する断面により切断した場合の断面図により説明する図である。いずれのアライメント装置本体も、制御部を除いてアライメント室としてのチャンバー400内に配設され、チャンバー400外に配設された搬送装置(不図示)と共に本発明のアライメント装置を構成している。
この搬送装置は、上基板ワークW1及び下基板ワークW2を静電チャック201及びステージ300へ供給するワーク供給装置、及び、アライメントが完了したワークを取り出すためのワーク搬出装置であり、チャンバー400が開放されて常圧下で、チャンバー400との間でワークの送給を行うものである。
ここで、常圧とは、例えば、大気圧(100,000Pa程度)を包含し、搬送装置を含めたシステム全体が大気圧よりも僅かに陽圧に保持されたクリーンルームに配設されている場合のクリーンルーム内の圧力を包含している。
このチャンバー400は、例えば、開閉可能な扉を備えたり、上下に分割可能なチャンバーである。扉を開閉する、又は、上下のチャンバーを合体・分離させるなどの適宜の開閉装置により、チャンバー400が開放及び密閉可能に構成されている。
チャンバー400には、単数又は複数の適宜の真空形成装置及び圧力センサなどが接続され、各真空形成装置及び圧力センサは、適宜の制御系に接続されて、チャンバー400が密閉された状態で、チャンバー400内を所定の減圧度又は真空度に調整可能に構成されている。
これにより、チャンバー400が開放された状態で、チャンバー400外に配設された搬送装置により、上基板ワークW1及び下基板ワークW2を静電チャック201及びステージ300へ供給し、アライメントが完了したワーク(組立品)を排出でき、また、チャンバー400が密閉された状態で、アライメント作業が行われるように構成されている。
[アライメント装置本体101]
ここで、図5に係るアライメント装置本体101は接触方式でのみ吸着保持できる静電チャックを用いたアライメント装置の一例である。
このアライメント装置本体101は、上基板ワークW1を保持するベース部材210を有する静電チャック201とその下方に配設されて下基板ワークW2を載置して固定するステージ300とから大略構成され、これらのベース部材210又はステージ300の一方又は双方は、不図示のモータなどのアクチュエータに接続されてx軸方向、y軸方向、θ方向(xy平面内での回転方向)の移動及び昇降装置などによりz軸方向(鉛直方向)の昇降が可能に構成され、ベース部材210とステージ300とはアライメント(位置合わせ)のために相対移動が可能に構成されている。
ここで、この静電チャック201及び/又はステージ300の面上には、複数の穴(不図示)が設けられており、その穴を通してアライメントマークを監視するカメラが配置されている。
ベース部材210の一面には絶縁材料220により埋設された二群の電極要素群231,232から構成された電極が固定されている。これらの二群の電極要素群231,232は、互いに交互に隣接してその表面が平面を形成するように配設されている。これらの電極要素群231、232が埋設されている絶縁材料の下表面はアライメント対象物としての上基板ワークW1を保持する面となるので、保持面233と呼称し、この保持面233は略水平に維持されている。
各電極要素群231、232にはそれぞれ制御部241が接続固定されている。この制御部241は、各電極要素群231,232へ印加される電圧を制御するとともに、不図示の真空形成装置及び圧力センサと接続され、チャンバー400内の圧力に応じて各電極要素群231,232への電圧の印加を制御したり、その他の駆動制御系に接続されている。
制御部241の詳細な制御については、以下に説明する場合を除いて後述するアライメント操作において詳述する。
例えば、上基板ワークW1の受入時には、進退機構110が伸張して吸着ハンド112が作動して、上基板ワークW1を真空吸着させる。チャンバー400が閉鎖された後には、真空形成装置が作動され、常圧からの真空荒引き時には、各電極要素群231,232へは電圧は印加されない(印加電圧は零)。減圧度が所定の減圧度に達した場合、制御部241内の電圧印加手段が作動して、各電極要素群231,232へ、それぞれ正負の電圧が印加する。これにより、吸着ハンド112で吸着保持されていた上基板ワークW1を絶縁材料220の下面を保持面233として静電吸着させる。
ここで、所定の減圧度とは、空気摩擦帯電が実質的に生起する減圧度を上限とする範囲である。上限を超えて圧力が高い状態で上基板ワークW1を静電吸着した状態でチャンバー400内を急激に吸引すると、各電極要素群231,232への電圧を接地しても速やかにリリースが行えない。また、この所定の減圧度は、吸着ハンド112により上基板ワークW1を真空吸着により保持できる減圧度を下限とするのが好ましい。
この所定の減圧度としては、用いる上基板ワークW1の大きさ、静電チャック201の保持面233の状態などに左右されるが、概ね100Paよりも高く、10,000Pa以下であり、例えば、1,000Pa程度である。1,000Pa程度の減圧度まで減圧した状態で静電チャック201により上基板ワークW1を静電吸着した状態でチャンバー400内を更に急激に真空引きしても、各電極要素群231,232への電圧を接地すると速やかにリリースが行えることから、空気摩擦帯電が実質的に生起することがない。また、1,000pa程度の減圧度であれば、上基板ワークW1を吸着ハンド112により真空吸着して保持が可能である。
また、所定の真空度とは、アライメントに好適な環境であり、所定の減圧度よりも低い。一般に100Pa以下であり、通常は10Pa以下、例えば、1Pa程度である。
ベース部材210の平面方向の適宜箇所には、上基板ワークW1に向けて貫通孔111が形成されている。この貫通孔111には進退機構110により進退可能に真空チャックなどからなる吸着ハンド112が設けられている。
この吸着ハンド112は不図示の搬送装置により搬送された上基板ワークW1を進退機構110が伸張した状態で真空吸着し、静電ステージが上基板ワークW1を静電吸着可能な位置まで引き寄せる保持装置及び引き寄せ装置として機能している。
[アライメント装置本体102]
次に、図6に係るアライメント装置本体102は、接触方式に加えて浮上方式での静電保持が可能な静電チャックを用いたアライメント装置の一例である。
このアライメント装置本体102は、上基板ワークW1を保持するベース部材210を有する静電チャック202とその下方に配設されて下基板ワークW2を載置して固定するステージ300とから大略構成され、これらのベース部材210又はステージ300の一方又は双方は、不図示のモータなどのアクチュエータに接続されてx軸方向、y軸方向、θ方向(xy平面内での回転方向)の移動及び昇降装置などによりz軸方向(鉛直方向)の昇降が可能に構成され、ベース部材210とステージ300とはアライメント(位置合わせ)のために相対移動が可能に構成されている。
この静電チャック202及び/又はステージ300の面上には、複数の穴(不図示)が設けられており、その穴を通してアライメントマークを監視するカメラが配置されている。
ベース部材210の一面には絶縁材料220により埋設された二群の電極要素群231,232から構成された電極が固定されている。これらの二群の電極要素群231,232は、互いに交互に隣接してその表面が平面を形成するように配設されている。これらの電極要素群231、232が埋設されている絶縁材料の下表面はアライメント対象物としての上基板ワークW1を保持する面となるので、保持面233と呼称し、この保持面233は略水平に維持されている。各電極要素群231、232にはそれぞれ制御部242が接続固定されている。
また、ベース部材210の平面方向の適宜箇所には、少なくとも上基板ワークW1に向けて開口されているセンサ穴251が形成されている。このセンサ穴251には上基板ワークW1の上面W1bと電極面(保持面233)との間の変位量(gap)を検出する変位センサ250などの距離検出手段が固定されている。この変位センサ250は、制御部242に接続されている。
この制御部242は、各電極要素群231,232へ印加される電圧を制御するとともに、不図示の真空形成装置及び圧力センサと接続され、チャンバー400内の圧力に応じて所定のモードにより各電極要素群231,232への電圧の印加を制御したり、その他の駆動制御系に接続されている。
この制御部242は、上基板ワークW1を静電気吸引力により接触的に保持する接触保持モード及び上基板ワークW1を静電気吸引力により非接触的に吸引浮上して保持する浮上保持モードの少なくとも二種類の保持モードを備えている。
接触保持モードでは、制御部242は、電極要素群231,232のそれぞれ正負の電圧を印加させることにより、絶縁材料220の下面を保持面233として、平板状の上基板ワークW1が保持面233に静電吸着されるようになっている。
浮上保持モードでは、制御部242は、変位センサ250からの情報に基づいて変位量(gap)が一定となるように各電極要素群231,232に印加する印加電圧を実時間で制御する。浮上モードでスイッチSWがオンされると、電極要素群231には+Vボルトが印加され、電極要素群232には−Vボルトが印加される。そして、変位量(gap)が所定値よりも小さい場合には、この印加電圧を弱く又は切断(接地)して静電吸引力を弱め又は遮断し、上基板ワークW1の自重による落下により変位量(gap)を大きくする。
一方、変位量(gap)が所定値よりも大きい場合には、この印加電圧を高めて上基板ワークW1への静電吸引力を強めて変位量(gap)を小さくする。このような実時間の制御により、例えば、変位量(gap)は100μm〜500μmの範囲内で、例えば、250±10μmで一定となるように制御することが可能となる。
ここで、変位センサ250の数は、図6の構成に限定されない。例えば、平面方向中心部付近に一つ設けてもよく、また、図6に示されるように二つ以上設けていてもよい。平面を三分割又は四分割以上に分割して、各分割域にそれぞれ一つの変位センサ250を設け、上基板ワークW1の全面を複数箇所に分画して各分画域の変位量(gap)をそれぞれ制御することにより、薄くて大面積な上基板ワークW1でも、撓み(垂下部)などがなく、均一に略水平に保持することができる。
その他の制御部242の詳細な制御については、後述するアライメント操作において詳述される。
[アライメント方法1]
次に、図5のアライメント装置本体101を用い、上基板ワークW1としては高抵抗体であるワークが用いられた場合のアライメント操作の一例について図1に基づいて説明する。
S1において、チャンバー400が開放された状態で、不図示の搬送装置から上基板ワークW1及び下基板ワークW2が順次搬入される。進退機構110を伸張させて吸着ハンド112により上基板ワークW1を真空吸着により保持する(S2)。ついで、下基板ワークW2がステージ300上に供給されてステージ300上に載置して固定される。
ついで、チャンバー400が閉鎖され(S3)、真空形成装置による吸引(荒引き)が開始される(S4)。S5において、圧力センサが1,000Paを指すと、S6において制御部241の指令により、電極要素群231には+V1ボルト、電極要素群232には−V1ボルトが印加され、上基板ワークW1は静電気的に接触的に保持される。
この状態で低速真空引き(真空吸引)が開始される(S7)。S8において、圧力センサの真空度が1Pa程度の所定の真空度に達してアライメント環境に達したと判断され、S9のアライメント操作が進行する。
このアライメント操作は、従来一般的に行われている操作と同一乃至は均等である。
不図示のアクチュエータを駆動させて静電チャック201をz軸方向に下降させ、上基板ワークW1及び下基板ワークW2を近接させ、カメラからのアライメントマークなどの情報を基にして位置ずれ量を測定する。上基板ワークW1は静電保持により面吸着されているので、上基板ワークの下面W1aと下基板ワークW2の上面W2aとの距離で定義される近接距離dを、例えば、50〜200μmの範囲内に接近させて位置合わせを行える。
位置ずれ量の情報を入手後には、アクチュエータを駆動させて、x軸方向、y軸方向、θ方向に位置ずれ量が無くなるように静電チャック201又はステージ300を相対移動させる。このようなアライメント操作は、必要に応じて繰り返されてもよい。
位置ずれ量が無くなった状態でアクチュエータを駆動させてz軸方向に静電チャック201又はステージ300を下降又は上昇させて下基板ワークW2を上基板ワークW1に当て、アライメント操作を完了する。
アライメント操作が完了したら、S10に移行されてチャンバー400内の減圧が解除され、ついで、S11に移行されてチャンバー400が開放されて、組立体が搬送装置により排出される。
S1〜S11の動作が繰り返されることにより、連続的にアライメント操作が行える。
以上のアライメント操作によれば、所定の減圧度(1,000Pa程度)までは真空吸着により上基板ワークW1を保持しているので、静電チャックによる面吸着の際に発生する電荷蓄積を回避することができる。
所定の減圧度までチャンバー400内を排気した後で、静電チャックに電圧を印加して、上基板ワークW1を面吸着により保持しても、その後に排気される空気流量が極端に低下するので、界面間での空気の流れが少なく、摩擦帯電を起こすことがない。
また、アライメント操作では、上基板ワークW1の保持を静電チャックで行うので、面寸法が2m×2m程度であり、厚みが0.7mm程度のガラス基板であっても、面吸着により反りを発生させずに保持することができ、また、上基板ワークW1のリリースも速やかに行えるので、アライメント精度を高く保つことができる。
[アライメント方法2]
次に、図5のアライメント装置本体101を用いた場合のアライメント操作の別の例について、図2に基づいて説明する。なお、図1と同一乃至は均等な操作は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この例では、図1におけるS6の印加電圧オン時に変えて、S61では減圧を中断して印加電圧をオンしている。その後、S62において、上基板ワークW1表面分極が発生するまで、例えば、数十秒から数分間(例えば、1分程度)待機され、表面分極が発生した後、S7において、真空吸引が開始されている。
これは、電極要素群231,232への電圧を印加してから、実際に静電吸着力により上基板ワークW1を吸着できるまでには、例えば、約1分間必要であり、保持装置が真空吸着装置である場合には、この間に真空引きしていたのでは、真空度が上昇して真空吸着での上基板ワークW1の保持が解除されてしまうので、これを避けるために静電気吸着力が誘起するまで、待つ工程が付加されている。
本発明者の研究によれば、一般に真空度が高くなるに連れて、電極面に電圧を印加してから、基板ワークに十分な静電吸着保持力が発生するまでの所要時間が長くなることが確認された。これは、電極面に電圧を印加して、基板ワークの吸着面に表面分極を起こし、発生した表面分極と電極面間に形成する静電界で静電吸着力が発生するが、この表面分極の進行速度は、基板ワークが配設された環境湿度に大きく影響される。これにより、減圧度が高められた状態では、環境湿度が低下し表面分極の進行速度が低下する。これにより、十分な静電吸着力が得られるまでの時間が増大する。
そこで、この例のS61に示すように、所定の減圧度で表面分極が発生するまで減圧を停止させ、S62において表面分極の発生まで待機し、静電保持が開始された後にS7で真空吸引を開始する。
このように、所定の減圧度で表面分極が発生するまで減圧を停止させて表面分極の発生まで待機する工程を付加することにより、静電吸着への移行後の保持力低下が解消される。
[アライメント方法3]
次に、図6のアライメント装置本体102を用いた場合のアライメント操作の一例について図3に基づいて説明する。図1乃至図2と同一乃至は均等な操作は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この例では、図1の静電チャック201に変えて、接触保持モード及び浮上保持モードで保持可能な静電チャック202が用いられている。
S1〜S5の各ステップを移行することにより上基板ワークW1が吸着ハンド112により保持された状態で所定の減圧度(1,000Pa)に達すると、S63では、接触保持モードでの保持が可能なように制御部242からの指令で電圧が印加される。
この状態で低速真空引き(真空吸引)が開始される(S7)。S8において、圧力センサの真空度が1Pa程度の所定の真空度に達してアライメント環境に達したと判断され、S64の浮上保持モードへ移行した後にS9のアライメント操作が進行する。
ここで、S64における浮上保持モードへの移行は、電極要素群231,232の接地操作(表面電位を零とする操作)であり、これによりこの電極要素群231,232に静電吸引力により接触保持されている上基板ワークW1の表面分極は瞬時に除去されることとなり、静電吸引力が直ちに消滅するので、上基板ワークW1は保持面233から速やかに落下し、接触保持モードから浮上保持モードへの移行が速やかに行える。
ここで、電極接地は、浮上保持モードの開始時点で実質的な接地が行われていれば、特に別工程とする必要はない。
この浮上モード移行の状態では、各電極要素群231、232に印加された印加電圧が一時的に遮断され、自重により上基板ワークW1が保持面233から離脱して落下する。このとき、上基板ワークW1が所定の変位量(gap)を超えて離間しようとすると実時間で直ちに浮上保持モードによる制御部242の制御が作動して、各電極要素群231,232に印加電圧が印加されて落下が防止され、これにより、接触保持状体から非接触的に所定の変位量(gap)を維持させた浮上状態への保持動作の移行が完了する。
ついで、S9へ移行されて浮上保持モードの状態でアライメントが行われる。
静電チャック202をz軸方向に下降させ(又はステージ300を上昇させ)、上基板ワークW1及び下基板ワークW2を近接させ、カメラからのアライメントマークなどの情報を基にして位置ずれ量を測定する。浮上状態で位置ズレ情報を把握できるので、上基板ワークW1、下基板ワークW2のそれぞれの表面(下面W1a、上面W2a)を破損することが少ない。
これにより、保持面233と支持面310の面精度が悪くても、また、相対平行度が低い場合でも、アライメント対象物を損傷させることなく、アライメントを行うことができる。
位置ずれ量の情報を入手後には、アクチュエータを駆動させてステージ300をx軸方向、y軸方向、θ方向に位置ずれ量が無くなるように移動させる。このようなアライメント操作は、必要に応じて繰り返されてもよい。
位置ずれ量が無くなった状態でアクチュエータを駆動させてステージ300をz軸方向に上昇させて下基板ワークW2を上基板ワークW1に当て、アライメント操作を完了する。
アライメントの完了後にはS10で減圧が解除され、チャンバー400内を常圧に戻し、開閉装置を開放させる。S11により組立体(ワーク)がチャンバー400から排出され、次のアライメントサイクルへと移行される。
このような静電浮上方式によるアライメントを採用する場合には、上基板ワークW1は静電気吸引力と自重とのバランスにより空中に保持されているので、位置ずれ量の補正の際にはベース部材210を移動させるよりは、上述の実施例に従うようなステージ300をxy平面方向に移動する構成の方が、ステージ300と下基板ワークW2との相対位置関係が変動する恐れがないので好適である。
[アライメント方法4]
次に、図6のアライメント装置本体102を用いた場合のアライメント操作の別の例について、図4に基づいて説明する。なお、図3と同一乃至は均等な操作は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この例では、図3におけるS63の印加電圧オン時に変えて、S61では減圧を中断して印加電圧をオンしている。その後、S62において、上基板ワークW1の表面分極が発生するまで、例えば、数十秒から数分間(例えば、1分程度)待機され、表面分極が発生した後、S7において、真空吸引が開始されている。
これは、電極要素群231,232への電圧を印加してから、実際に静電吸着力により上基板ワークW1を吸着できるまでには、例えば、約1分間必要であり、保持装置が真空吸着装置である場合には、この間に真空引きしていたのでは、真空度が上昇して真空吸着での上基板ワークW1の保持が解除されてしまうので、これを避けるために静電気吸着力が誘起するまで、待つ工程が付加されている。
そして、この例のように、S62において、表面分極が発生するまで減圧を停止させて表面分極の発生まで待機することにより、速やかに静電吸着に移行することができる。
[アライメント装置の変形例2]
浮上保持モードを用いたアライメント装置での水平方向に位置ズレを防止するために、上基板ワークW1が浮上保持される際の、水平方向の位置を制限する制限部材を上基板ワークW1の周囲の側面に当接するように設けてもよい。
[アライメント装置の変形例2及びそれを用いたアライメント方法]
また、以上説明した静電チャック201、202に代えて、ベース部材210に固定された電極要素群231,232が絶縁材料220により被覆されていない、すなわち、露出されたままの電極面を有する静電チャックを用いてもよい。
このような絶縁材料220により被覆されていない電極要素群231,232を用いれば、常圧下での破壊電界強度に制限されて印加電圧を高く設定できないが、真空度が高くなるに連れて印加電圧を高くできる。
また、このような絶縁材料220が付与されていない静電チャックでは、保持面とハンドリング対象物(上基板ワークW1)との距離を短く設定できるので、上基板ワークW1を静電気吸引力により接触的に保持する接触保持モード及び上基板ワークW1を静電気吸引力により非接触的に吸引浮上して保持する浮上保持モードのいずれの保持モードにおいても、強い静電保持力により高抵抗体である上基板ワークW1を保持することが可能となる。
また、一般的な静電チャックでは、電極は絶縁材料により被覆されているが、このような絶縁材料により被覆されている電極を用いる場合にはアライメント対象物が高抵抗性材料である場合には、電源オフ時に離反動作が円滑に行えなくなる場合がある。これは、絶縁材料及び又は高抵抗性材料の表面に残存する静電荷に起因している。
これに対して、このように、電極がアライメント対象物に向けて露出している場合には、電源オフ時に電極を接地させることにより、保持面としての電極面に帯電した静電荷は速やかに除去され、結果としてスムースな離反を行える。
これにより、このような静電チャックを備えたアライメント装置本体によれば、接触保持モードから浮上保持モードへの移行時には、接触モードで印加した電圧の切断(電源オフ)を行い、アライメント対象物の自重による落下がスムーズに行え、接触保持モードから浮上保持モードへの移行が速やかに完了する。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
本発明において、保持装置としては、ベース部材210に複数の貫通孔を設け、この貫通孔を利用して吸着ハンドを上基板ワークW1に対して進退自由に構成していたが、この例に限らずに、ベース部材210の側方から保持する機械的な保持装置であってもよい。このような保持装置は、例えば、上基板ワークW1に向けて進退可能に固定される機械的な引き寄せ装置が例示される。
産業上の利用の可能性
本発明に係るアライメント装置及びアライメント方法は、以上の実施例で説明したLCD用のガラス基板などの各種の薄板材料のアライメントに用いることができる他、例えば、フラットパネルディスプレイ用の各種基板や半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等のアライメントを含め、その他の薄膜材料や各種デバイスのアライメント装置としての応用も期待される。
それらは、例えば、液晶表示装置の組立工程、半導体チップなどの各種電子部品の組立工程、パッキング工程等としての応用も期待される。
図5の実施例に係るアライメント装置を用いた作業手順の一例を説明するフロー図である。 図5の実施例に係るアライメント装置を用いた作業手順の一例を説明するフロー図である。 図6の実施例に係るアライメント装置を用いた作業手順の一例を説明するフロー図である。 図6の実施例に係るアライメント装置を用いた作業手順の一例を説明するフロー図である。 本発明の実施例に係るアライメント装置の一例を断面により説明する図である。 本発明の実施例に係るアライメント装置の一例を断面により説明する図である。 従来のアライメント装置の一例を断面により説明する図である。
符号の説明
100、101、102:アライメント装置
110:進退機構
111:貫通孔
112:吸着ハンド
200、201、202:静電チャック
210:ベース部材
220:絶縁材料
231:電極要素群(電極)
232:電極要素群(電極)
233:保持面
240:制御部
241:制御部
242:制御部
250:変位センサ
251:センサ穴
300:ステージ(支持装置)
310:支持面
400:チャンバー(アライメント室)
gap:変位量
W1:上基板ワーク
W2:下基板ワーク

Claims (6)

  1. 互いに異なる電圧を印加することが可能な電極要素を上基板ワークに向けて配設させて該電極要素に異なる電圧を印加させることにより上基板ワークを該電極要素の表面に静電吸引力により吸引して保持する静電ステージと、
    該静電ステージの下方に配置され、下基板ワークを上基板ワークに対して平行に支持可能な支持ステージと、を有し、
    前記静電ステージの吸着面と前記支持ステージの支持面とを互いの平面方向であるxy平面方向内で相対的に移動可能に構成することにより、上基板ワークを前記吸着面に、下基板ワークを前記支持面にそれぞれ平行になるように吸着又は支持した状態で前記吸着面又は支持面のどちらか一方又は双方の面をx軸方向又はy軸方向のどちらか一方向又は双方向の相対的移動を行い、上基板ワーク及び下基板ワークの相対位置合わせを密閉されたアライメント室内で行う位置合わせ装置を備え、
    前記アライメント室は、上基板ワーク及び下基板ワークを搬入・搬出するための開閉装置及び、
    該開閉装置が開放された状態で、前記上基板ワーク及び下基板ワークを前記アライメント室内へ搬入するとともに、アライメントが完了した上基板ワーク及び下基板ワークを前記アライメント室から搬出する搬送装置と、
    前記搬送装置により搬送された上基板ワークを前記静電ステージとは異なる手段で保持する保持装置と、
    該開閉装置が閉鎖された状態で、該アライメント室内を所定の減圧度及び所定の真空度に形成するための真空形成装置と、
    該アライメント室内が所定の減圧度に到達した後に前記静電ステージへの電圧印加を印加する電圧印加手段とを備え、
    前記静電ステージは、平面上に配列された電極と、該電極に印加される電圧を制御する制御部を備え、該制御部は、上基板ワークを静電気吸引力により接触的に保持する接触保持モード及び上基板ワークを静電気吸引力により非接触的に吸引浮上して保持する浮上保持モードの少なくとも二種類の保持モードを備えることを特徴とするアライメント装置。
  2. 前記静電ステージの吸着面は、絶縁層で被覆されていないことを特徴とする請求項1に記載のアライメント装置。
  3. 前記保持装置は、真空吸着装置であることを特徴とする請求項1または2に記載のアライメント装置。
  4. 請求項1または2に記載のアライメント装置を用い、
    上基板ワークを前記保持装置により保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を常圧から減圧にし、アライメント室内が所定の減圧度に達した後に、前記静電ステージで前記上基板ワークを接触保持モードで接触保持する工程、
    上基板ワークを前記静電ステージにより接触保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を更に減圧にし、アライメント室内が所定の真空度に達した後に、前記静電ステージを浮上保持モードへ移行して上基板ワークを静電吸引力により浮上保持する工程、
    上基板ワークを静電吸引力により浮上保持した状態で前記吸着面又は支持面のどちらか一方または双方の面をx軸方向又はy軸方向のどちらか一方向又は双方向の相対的移動を行い、上基板ワーク及び下基板ワークの相対位置合わせを行うアライメント工程、
    を順次行うことを特徴とするアライメント方法。
  5. 請求項3に記載のアライメント装置を用い、
    前記開閉装置が開放された状態で、前記アライメント室内に上基板ワーク及び下基板ワークを搬入する搬入工程、
    前記真空吸着装置を作動させて前記搬入工程により搬入された上基板ワークを保持する工程、
    上基板ワークを前記真空吸着装置により保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を常圧から減圧にし、アライメント室内が所定の減圧度に達した後に、前記静電ステージで前記上基板ワークを接触保持モードで接触保持すると共に前記真空吸着装置の吸着を解除する静電保持工程、
    上基板ワークを前記静電ステージにより接触保持した状態で前記真空形成装置によりアライメント室内を更に減圧にし、アライメント室内が所定の真空度に達した後に、前記静電ステージを浮上保持モードへ移行して上基板ワークを静電吸引力により浮上保持する工程、
    上基板ワークを静電吸引力により浮上保持した状態で前記吸着面又は支持面のどちらか一方又は双方の面をx軸方向又はy軸方向のどちらか一方向又は双方向の相対的移動を行い、上基板ワーク及び下基板ワークの相対位置合わせを行うアライメント工程、
    前記開閉装置が開放された状態で、前記アライメント室外へアライメントが完了した上基板ワーク及び下基板ワークを搬出する工程、
    を順次行うことを特徴とするアライメント方法。
  6. 前記所定の減圧度とは、100Paよりも高く10,000Pa以下の範囲内であり、前記所定の真空度とは、100Pa以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載のアライメント方法。
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