JP6215699B2 - 舗装用バインダ - Google Patents
舗装用バインダ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6215699B2 JP6215699B2 JP2013272080A JP2013272080A JP6215699B2 JP 6215699 B2 JP6215699 B2 JP 6215699B2 JP 2013272080 A JP2013272080 A JP 2013272080A JP 2013272080 A JP2013272080 A JP 2013272080A JP 6215699 B2 JP6215699 B2 JP 6215699B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide resin
- paving
- pavement
- binder
- molecular weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G69/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
- C08G69/02—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
- C08G69/26—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids
- C08G69/34—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids using polymerised unsaturated fatty acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B26/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing only organic binders, e.g. polymer or resin concrete
- C04B26/02—Macromolecular compounds
- C04B26/10—Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- C04B26/20—Polyamides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G69/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
- C08G69/02—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
- C08G69/26—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids
- C08G69/265—Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids from at least two different diamines or at least two different dicarboxylic acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
- C08K3/01—Use of inorganic substances as compounding ingredients characterized by their specific function
- C08K3/013—Fillers, pigments or reinforcing additives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L77/00—Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L77/06—Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids
- C08L77/08—Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids from polyamines and polymerised unsaturated fatty acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L95/00—Compositions of bituminous materials, e.g. asphalt, tar, pitch
-
- E—FIXED CONSTRUCTIONS
- E01—CONSTRUCTION OF ROADS, RAILWAYS, OR BRIDGES
- E01C—CONSTRUCTION OF, OR SURFACES FOR, ROADS, SPORTS GROUNDS, OR THE LIKE; MACHINES OR AUXILIARY TOOLS FOR CONSTRUCTION OR REPAIR
- E01C21/00—Apparatus or processes for surface soil stabilisation for road building or like purposes, e.g. mixing local aggregate with binder
-
- E—FIXED CONSTRUCTIONS
- E01—CONSTRUCTION OF ROADS, RAILWAYS, OR BRIDGES
- E01C—CONSTRUCTION OF, OR SURFACES FOR, ROADS, SPORTS GROUNDS, OR THE LIKE; MACHINES OR AUXILIARY TOOLS FOR CONSTRUCTION OR REPAIR
- E01C7/00—Coherent pavings made in situ
- E01C7/08—Coherent pavings made in situ made of road-metal and binders
- E01C7/30—Coherent pavings made in situ made of road-metal and binders of road-metal and other binders, e.g. synthetic material, i.e. resin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/00474—Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
- C04B2111/0075—Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for road construction
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L2205/00—Polymer mixtures characterised by other features
- C08L2205/02—Polymer mixtures characterised by other features containing two or more polymers of the same C08L -group
Description
アスファルト混合物を用いた舗装の施工性は、良好である。しかし、アスファルト混合物を用いた舗装は、温度条件又は荷重条件が過酷になると軟化する場合がある。一方、セメントコンクリートを用いた舗装は、舗装用石油アスファルトを用いた舗装に比べて、冬季の低温から夏季の高温まで幅広い温度域において高い強度を有する。しかし、セメントコンクリートを用いた舗装では、温度変化によるひび割れが生じないように、所定間隔でひび割れ防止のための目地を施工する必要がある。また、セメントコンクリートは、硬化までに1週間程度の養生期間を必要とする。このように、セメントコンクリートを用いた舗装は、施工作業性及び施工期間の点では、アスファルト混合物を用いた舗装に劣る。
再生可能な高性能樹脂成分をアスファルトに添加或いはアスファルトと完全代替した舗装は、セメントコンクリートを用いた舗装と比較して、ひび割れの発生頻度は大幅に低減できる。しかし、再生可能な高性能樹脂成分をアスファルトに添加或いはアスファルトと完全代替した舗装は、舗装用石油アスファルトをバインダ成分として使用した舗装と比較して施工時から施工後の温度収縮により、舗装用混合物にひび割れが発生し易くなることが明らかになり、さらなる改良が必要になった。
そこで、本発明は、従来のアスファルト混合物用の機械編成や施工体制によって施工できるという施工上の利便性を有し、さらに、従来使用されてきたアスファルトの一部あるいは全部と代替可能であって、過酷な温度条件や荷重条件に対する耐性を損なわない舗装用バインダ、及び該舗装用バインダを用いて形成される舗装用混合物の提供を目的とする。
<1>舗装を形成する舗装用混合物に用いられる舗装用バインダであって、ゲルパーミションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)により測定した重量平均分子量が0.2万以上1万以下であり、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定される分子量分布のクロマトグラムにおいて、分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積が、全体面積の0.5%以上12%以下であるポリアミド樹脂を含む舗装用バインダ、
<2>前記ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が500mPa・s以下である上記<1>に記載の舗装用バインダ、
<3>前記ポリアミド樹脂がゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定される分子量分布において、分子量2万以上50万以下の面積が全体面積の0.5%以下のポリアミド樹脂と、分子量2万以上50万以下の面積が1.0%以上のポリアミド樹脂とを混合したものである上記<1>又は<2>に記載の舗装用バインダ、
<4>前記ポリアミド樹脂が植物油脂由来のダイマー酸の脱水縮合反応により得られる重合脂肪酸を用いてなる上記<1>〜<3>のいずれかに記載の舗装用バインダ、
<5>前記ポリアミド樹脂がカルボン酸成分とアミン成分とをモル当量比(カルボン基/アミノ基)1.0/1.2〜1.2/1.0で縮合反応させて得られる上記<1>〜<4>のいずれかに記載の舗装用バインダ、
<6>前記ポリアミド樹脂の軟化点が70℃以上100℃以下である上記<1>〜<5>のいずれかに記載の舗装用バインダ、
<7>カルボン酸成分とアミン成分とをモル当量比(カルボン基/アミノ基)1.0/1.2〜1.2/1.0で縮合反応させる工程を有する上記<1>〜<6>のいずれかに記載の舗装用バインダ用ポリアミド樹脂の製造方法、
<8><1>〜<6>のいずれかに記載の舗装用バインダと、骨材と、を含む舗装用混合物、
<9>前記舗装用バインダの含有量が4.0質量%以上8.0質量%以下である上記<8>に記載の舗装用混合物、
<10>上記<8>又は<9>に記載の舗装用混合物を締め固める工程を有する舗装方法、
<11>上記<1>〜<6>のいずれかに記載の舗装用バインダの舗装用混合物への使用。
本発明の実施形態において、舗装用混合物とは、舗装用バインダと、骨材とを含み、舗装施工に供することのできる状態のものである。舗装用混合物は、これ以外に、例えば、剥離防止剤と、中温化剤のようなアスファルト添加剤と、その他の成分とを含んでいてもよい。また、舗装用バインダとは、骨材同士を結合するためのものを示し、例えば、アスファルト、タール、セメント、各種樹脂成分、また本発明で例示されるポリアミド等の単独あるいは任意の混合物、またこれらの水性分散体等が含まれる。
[舗装用バインダ]
本発明の実施形態に係る舗装用バインダは、舗装を形成する舗装用混合物に用いられ、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定される分子量分布のクロマトグラムにおいて、分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積が、全体面積の0.5%以上12%以下であるポリアミド樹脂を含む舗装用バインダであることを特徴とする。
ポリアミド樹脂は、わだち掘れに対する耐性や耐油性に優れる。しかし、舗装用混合物の施工性を確保するためには、ポリアミド樹脂の溶融粘度を一定値以下とする必要がある。このため、ポリアミド樹脂の重量平均分子量を低く設定する必要があった。
しかし、ポリアミド樹脂の重量平均分子量を低く設定すると、ポリアミド樹脂の曲げ強度が低くなるため、クラックが発生し易くなる。
これに対して、本発明では、ポリアミド樹脂の分子量分布として分子量2万以上50万以下の成分が、全体面積の0.5%以上12%以下に相当する量存在する。これにより、本発明に適用されるポリアミド樹脂は、重量平均分子量を高く設定しても、溶融粘度が増加しにくい。これには、ポリアミド樹脂の結晶性等の変化が寄与していることが考えられる。
このため、本発明では、ポリアミド樹脂の重量平均分子量を高く設定することができ、ポリアミド樹脂の曲げ強度を高くすることができる。これにより、舗装用混合物の施工後の耐クラック性を向上させることができる。また、ポリアミド樹脂の分子量分布として分子量2万以上50万以下の成分が全体面積の0.5%以上12%以下に相当する量存在するポリアミド樹脂は、舗装用バインダとして用いても溶融粘度が増加しにくいため、舗装用混合物の施工性を損なうことがない。
なお、本発明において効果を奏するメカニズムは、上記説明に限定されない。他のメカニズムが寄与することもある。
<ポリアミド樹脂の性状>
本発明の実施形態として示す舗装用バインダに使用可能なポリアミド樹脂を説明する。ポリアミド樹脂のゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定される分子量分布のクロマトグラムにおける該ポリアミド樹脂の分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積が、全体面積の0.5%以上12%以下である。好ましい下限値は1.0%であり、より好ましい下限値は2.0%であり、さらに好ましくは3.0%、よりさらに好ましくは5.0%、よりさらに好ましくは6.0%である。また、該面積比率の好ましい上限値は10%であり、より好ましくは9.5%、さらに好ましくは7.0%である。
この面積が全体面積の0.5%未満であれば、−10℃における曲げ強度及び−10℃における曲げ歪みの値が低く、低温においてひび割れなどが発生するおそれがある。また、13%を超えると、施工温度における溶融粘度が高すぎて作業性が悪化する。
また、ポリアミド樹脂の軟化点は、70℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは75℃以上92℃以下、さらに好ましくは、80℃以上90℃以下である。
夏季の舗装面温度は60℃程度になることから、ポリアミド樹脂の軟化点が70℃未満であると、ポリアミド樹脂、骨材などを含む舗装用混合物によって舗装を形成した場合には、わだち掘れができるおそれがある。また、ポリアミド樹脂の軟化点が100℃を超えると、舗装用混合物の粘度が上昇するため、ロードローラによる締め固めが十分にできず、施工後に所定の密度が得られない。このため、舗装の耐久性が不足することがある。
ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が500mPa・s以下であると、骨材等との混合性を確保しつつ、良好な施工性を得ることが可能となる。溶融粘度が500mPa・sを超えると、骨材などとともに均一な舗装用混合物を形成することが難しくなる。また、溶融粘度が500mPa・sを超えると施工性が低下するため好ましくない。未硬化の舗装混合物の形状保持性を向上させる観点から、好ましい下限値は、100mPa・sである。なお、ポリアミド樹脂の熱劣化を考慮すると180℃を超えて加熱することは望ましくない。
分子量2万以上50万以下の面積が全体面積の0.5%以下のポリアミド樹脂と、分子量2万以上50万以下の面積が1.0%以上のポリアミド樹脂とを混合して用いることにより、施工時温度における粘度を、作業性を妨げることのない程度に保持できるとともに、低温(−10℃)環境下における強度を高められる。
上述した性状を有しておりアミド結合(−CONH−)を有する高分子化合物であれば、いかなる化学構造を有するポリアミド樹脂を使用することもできる。ポリアミド樹脂は、例えば、主として脂肪族骨格からなるナイロンであってもよいし、主として芳香族骨格をもつアラミドであってもよい。さらにはこの両者以外の骨格構造を有するものでもよい。一方で好適に用いられる構造体としては、ジアミンと、モノカルボン酸及びジカルボン酸乃至重合脂肪酸とからなるポリアミドが挙げられる。
縮重合反応の一方の原料であるカルボン酸においては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、重合脂肪酸を好適に用いることができる。
モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。また、不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、エルシン酸、天然油脂より得られる混合脂肪酸(トール油脂肪酸、米ヌカ脂肪酸、大豆油脂肪酸、牛脂脂肪酸等)などが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、及びアルケニルコハク酸が挙げられる。アルケニルコハク酸としては、好ましくは、アルケニル基が炭素数4〜20のものが好ましい。
当該不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸としては、通常1〜3の不飽和結合を有する総炭素数が8〜24の不飽和脂肪酸が用いられる。これらの不飽和脂肪酸として、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、天然の乾性油脂肪酸、天然の半乾性油脂肪酸などが挙げられる。また、不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸のエステルとしては、上記不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸と脂肪族アルコール、好ましくは、炭素数1〜3の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。前記不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸を重合して得られる重合物、または不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸のエステル化物を重合して得られる重合物である重合脂肪酸は、二量体を主成分とするものが好ましい。例えば、炭素数18の不飽和脂肪酸の重合物として、その組成が、炭素数18の一塩基酸(単量体)0〜10質量%、炭素数36の二塩基酸(二量体)60〜99質量%、炭素数54の三塩基酸以上の酸(三量体以上)30質量%以下のものが市販品として入手できる。
さらに、カルボン酸成分としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及び重合脂肪酸のほか、舗装用混合物の物性を阻害しない範囲で、その他のカルボン酸を加えてもよい。
これらカルボン酸においては、モノカルボン酸と重合脂肪酸の組み合わせが特に好適に用いられる。
これら原料として使用される各化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
アミン化合物として2種以上の脂肪族ポリアミンを含むアミン成分、最も好ましくは2種以上の脂肪族ジアミンから選ばれるアミン成分を用いて得られたポリアミド樹脂は、上述の性能に特に優れる。例えば、カルボン酸成分としてモノカルボン酸と重合脂肪酸とを用いることによって、得られるポリアミド樹脂の重量平均分子量及び溶融粘度を調整することが容易となる。
このポリアミド樹脂、骨材などを含む舗装用混合物によれば、舗装のわだち掘れやねじれ破壊の防止、及び耐油性の向上を一層図ることができる
舗装用バインダには、アスファルトを含有してもよい。使用可能なアスファルトとしては、舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトのほか、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・ブロック共重合体(SIS)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などの熱可塑性エラストマーなどの高分子材料で改質したポリマー改質アスファルトなどが挙げられる。アスファルトは、JIS K2207(1996)や、日本改質アスファルト協会規格に準拠するものであれば使用できる。また、既設のアスファルト舗装に含まれる舗装用バインダ、及び骨材から再生されたアスファルトも用いることができる。
本発明の舗装用バインダには、アスファルトを併用してもなんら問題なく、このような場合でも上述したポリアミドの効果により高温(60℃)において要求される弾性係数や曲げ強度を満足することができる。また、上述したポリアミド樹脂は、舗装用バインダとして単独で用いることも可能である。この場合、高い強度を有する舗装用混合物が得られる一方で、ひび割れの発生を抑制できるため、従来にない特性を有する舗装用混合物の提供が可能となる。
本発明の実施形態では、上述した舗装用バインダを舗装用混合物へ使用する。本発明の実施形態に係る舗装用混合物は、骨材と、舗装用バインダとを有する。舗装用バインダは、上述したポリアミド樹脂単独、若しくは上述したポリアミド樹脂とアスファルトとの舗装用バインダからなる。
<骨材>
本発明の実施形態に係る舗装用混合物に用いることのできる骨材としては、舗装設計施工指針(日本道路協会)に記載された砕石、砂、スクリーニングス、石粉及び再生骨材が挙げられる。これ以外の骨材を用いることも可能である。骨材には、繊維補強材や、舗装用充填材などを適宜添加することもできる。
<骨材と舗装用バインダの混合比>
舗装用混合物に用いることのできる骨材には、骨材粒度に適した量の舗装用バインダが混合される。舗装用バインダの量は、骨材粒度や骨材材質にもよるが、舗装用混合物全質量比で4.0〜8.0質量%とすることが好ましい。
舗装用バインダの量は、舗装施工便覧(日本道路協会)に記載されている各種アスファルト混合物の配合設計に基づいて求められる最適アスファルト量を、最適バインダ量に決定することが望まれる。
本発明の実施形態に係る舗装方法は、上述した舗装用混合物を締め固める工程を有する。本発明の実施形態に係る舗装用バインダを構成するポリアミド樹脂の軟化点が70℃以上100℃以下であり、180℃における溶融粘度が500mPa・s以下であるため、締め固める工程により、密度を高めることができ、施工後における舗装の耐久性を高めることができる。
本実施形態に係る舗装用混合物は、従来の舗装用石油アスファルトを用いた舗装や、ポリマー改質アスファルトを用いた舗装と比べて、高温(60℃)の弾性係数や曲げ強度が高い。また、舗装に求められる性能をすべて高いレベルで満足することができる。
本実施形態に係る舗装用混合物によれば、高強度及び優れた施工性という観点から、道路に架かる橋の床版上に施工される舗装にも好適に用いられる。橋の構造に強度を付与することができる。また、施工も短期間で完了できるため、道路のように迂回路を容易にできない橋の修繕工事に有利である。
[評価方法]
実施例と比較例の舗装用混合物の物性及び作業性を下記の方法に従って評価した。
(1)GPC測定条件
以下の合成例及び比較合成例により得られた重合体の数平均分子量、重量平均分子量、及び分子量分布は、下記条件のゲルパーミションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算で算出された値である。
GPC測定条件
・カラム:カラム1+カラム2+カラム3をこの順番に連結して使用した。
カラム1:Shodex社製 有機溶媒系SEC用ガードカラム 製品名「K−G」
カラム2、3:Shodex社製 有機溶媒系SEC用カラム 製品名「K−804L」
・溶離液:1mmol/L 有機アミン(花王株式会社製 商品名「ファーミンDM2098」)/クロロホルム
・流速:1.0mL/min
・測定温度:40℃
・検出器:RI
・標準物質:ポリスチレン(下記の第1表のものを使用した)
社団法人日本道路協会出版の「舗装調査・試験法便覧」に記載される「曲げ試験」に準拠して行なった。試験温度を−10℃、60℃とした。試験結果の合否判断は、ひび割れ抑制に影響する低温時における曲げ強度及び曲げ破断ひずみの向上を改善する観点から、試験温度が−10℃におけるストレートアスファルト及びポリマー改質アスファルトII型の密粒度混合物の曲げ破断ひずみ4.2×10-3以上を合格とした。試験温度が60℃では、ストレートアスファルト及びポリマー改質アスファルトII型を用いた混合物は軟化するため測定不能となる。ここで、ひび割れと関係のある評価指標として、低温時曲げ破断ひずみとの関係が既往の研究で報告されているため、60℃における曲げ破断ひずみについては、特に明記しない。
社団法人日本道路協会出版の「舗装調査・試験法便覧」に記載される「アスファルト混合物の曲げ疲労試験方法」に準拠して行った。ここで試験温度は、60℃とした。試験から得られる応力(σ)と最大ひずみ(ε)から以下の式により、複素弾性係数(E*)が算出される。
応力(σ)=3PL1/bh2
ひずみ(ε)=12hd/3L2−4L1 2
複素弾性率(E*)=σ/ε
上式において、
P:載荷荷重(N)
d:供試体中央部の変位量(片振幅cm)
b:供試体の幅(cm)
h:供試体の厚さ(cm)
L:スパン(cm)
L1:支点から載荷点までの距離(cm)
E*:複素弾性率(MPa)
σ:応力(N/cm2)
ε:最大ひずみ
である。
150℃に加熱した状態の供試体について、スコップを用いて舗装を施工した場合の作業性を以下の基準により判定した。
A:一般の密粒度アスファルト混合物と比較して、作業性が良好である
B:一般の密粒度アスファルト混合物と比較して、施工可能であるが、作業が困難と感じる
C:一般の密粒度アスファルト混合物と比較して、施工可能であるが、作業がかなり困難と感じる
D:施工不可能
<ポリアミド樹脂1>
ポリアミド樹脂1は、トール油脂肪酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させて得られたものである。ポリアミド樹脂1は、特許文献2の[0032]に記載された製造方法に準拠して合成した。
すなわち、原料となる、トール油脂肪酸、及び重合脂肪酸を含むカルボン酸成分と、アミン成分との混合物を温度計、撹拌系、脱水管及び窒素吹き込み管を備えた四つ口丸底フラスコに入れ、該混合物を撹拌し、着色防止のために僅かの窒素を流した後、210℃で3時間反応させた。さらに減圧下(13.3kPa)で2時間反応させた後、冷却し、粉砕してポリアミド樹脂1を得た。
それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりトール油脂肪酸が0.30モル当量(全体原料に占める割合15モル当量%、括弧内、以下同じ)、重合脂肪酸が0.70モル当量(35モル当量%)であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.50モル当量(25モル当量%)、ヘキサメチレンジアミンが0.50モル当量(25モル当量%)である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂1の物性は、軟化点82℃、180℃溶融粘度70mPa・sであった。
また、ポリアミド樹脂1の数平均分子量は1992であり、重量平均分子量は3852であった。ポリアミド樹脂1の、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより得られた分子量分において全体面積に対する分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積の割合は0.2%であった。なおトール油脂肪酸や重合脂肪酸のモル当量については、以下同様にJIS常法の酸価の測定結果から算出した。
ポリアミド樹脂2は、トール油脂肪酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びm−キシリレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させて得られたものである。ポリアミド樹脂1は、特許文献2の[0032]に記載された製造方法に準拠して合成した。
すなわち、原料となるトール油脂肪酸、及び重合脂肪酸を含むカルボン酸成分と、アミン成分との混合物を温度計、撹拌系、脱水管及び窒素吹き込み管を備えた四つ口丸底フラスコに入れ、該混合物を撹拌し、着色防止のために僅かの窒素を流した後、210℃で3時間反応させた。さらに減圧下(13.3kPa)で2時間反応させた後、冷却し、粉砕してポリアミド樹脂2を得た。
それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりトール油脂肪酸が0.016モル当量(0.788モル当量%)、重合脂肪酸が0.984モル当量(49.212モル当量%)であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.926モル当量(46.28モル当量%)、m−キシリレンジアミンが0.074モル当量(3.72モル当量%)である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂2の物性は、軟化点107℃、180℃溶融粘度8000mPa・sであった。
また、ポリアミド樹脂2の数平均分子量は3348であり、重量平均分子量は9890であった。ポリアミド樹脂2の、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより得られた分子量分において全体面積に対する分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積の割合は8.0%であった。
ポリアミド樹脂3は、トール油脂肪酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させて得られたものである。ポリアミド樹脂3は、特許文献2の[0032]に記載された製造方法に準拠して合成した。
すなわち、原料となるトール油脂肪酸、及び重合脂肪酸を含むカルボン酸成分と、アミン成分との混合物を温度計、撹拌系、脱水管及び窒素吹き込み管を備えた四つ口丸底フラスコに入れ、該混合物を撹拌し、着色防止のために僅かの窒素を流した後、210℃で3時間反応させた。さらに減圧下(13.3kPa)で2時間反応させた後、冷却し、粉砕してポリアミド樹脂3を得た。
それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりトール油脂肪酸が0.128モル当量(6.4モル当量%)、重合脂肪酸が0.872モル当量(43.6モル当量%)であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.55モル当量(27.5モル当量%)、ヘキサメチレンジアミンが0.45モル当量(22.5モル当量%)である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂3の物性は、軟化点87℃、180℃溶融粘度3800mPa・sであった。
また、ポリアミド樹脂3の数平均分子量は3562であり、重量平均分子量は12811であった。ポリアミド樹脂3の、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより得られた分子量分において全体面積に対する分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積の割合は25.0%であった。
ポリアミド樹脂4は、トール油脂肪酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させて得られたものである。ポリアミド樹脂3は、特許文献2の[0032]に記載された製造方法に準拠して合成した。
すなわち、原料となるトール油脂肪酸、及び重合脂肪酸を含むカルボン酸成分と、アミン成分との混合物を温度計、撹拌系、脱水管及び窒素吹き込み管を備えた四つ口丸底フラスコに入れ、該混合物を撹拌し、着色防止のために僅かの窒素を流した後、210℃で3時間反応させた。さらに減圧下(13.3kPa)で2時間反応させた後、冷却し、粉砕してポリアミド樹脂4を得た。
それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりトール油脂肪酸が0.128モル当量(6.4モル当量%)、重合脂肪酸が0.872モル当量(43.6モル当量%)であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.65モル当量(32.5モル当量%)、ヘキサメチレンジアミンが0.35モル当量(17.5モル当量%)である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂4の物性は、軟化点94℃、180℃溶融粘度3390mPa・sであった。
また、ポリアミド樹脂4の数平均分子量は3561であり、重量平均分子量は11771であった。ポリアミド樹脂4の、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより得られた分子量分において全体面積に対する分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積の割合は22.6%であった。
ポリアミド樹脂5は、トール油脂肪酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させて得られたものである。ポリアミド樹脂1は、特許文献2の[0032]に記載された製造方法に準拠して合成した。
すなわち、原料となる、トール油脂肪酸、及び重合脂肪酸を含むカルボン酸成分と、アミン成分との混合物を温度計、撹拌系、脱水管及び窒素吹き込み管を備えた四つ口丸底フラスコに入れ、該混合物を撹拌し、着色防止のために僅かの窒素を流した後、210℃で3時間反応させた。さらに減圧下(13.3kPa)で2時間反応させた後、冷却し、粉砕してポリアミド樹脂5を得た。
それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりトール油脂肪酸が0.14モル当量(全体原料に占める割合7モル当量%、括弧内、以下同じ)、重合脂肪酸が0.86モル当量(43モル当量%)であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.50モル当量(25モル当量%)、ヘキサメチレンジアミンが0.50モル当量(25モル当量%)である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂5の物性は、軟化点82℃、180℃溶融粘度380mPa・sであった。
また、ポリアミド樹脂5の数平均分子量は3348であり、重量平均分子量は9890であった。ポリアミド樹脂5の、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより得られた分子量分布において全体面積に対する分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積の割合は8.0%であった。
ポリアミド樹脂6は、特許4580457号に記載のポリアミド樹脂Aの製造方法に基づいて得られたものである。ポリアミド樹脂6は、プロピオン酸、トール油脂肪酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びm−キシリレンジアミンを含むアミン成分とを縮合させて得られたものである。それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりプロピオン酸が0.188モル当量、トール油脂肪酸が0.062モル当量、重合脂肪酸が0.75モル当量であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.86モル当量、m−キシリレンジアミンが0.14モル当量である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂Aの物性は、軟化点123℃、180℃溶融粘度210mPa・sであった。
また、ポリアミド樹脂6の数平均分子量は2038であり、重量平均分子量は4760であった。ポリアミド樹脂5の、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより得られた分子量分布において全体面積に対する分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積の割合は0.6%であった。
ポリアミド樹脂1〜6を用いて、実施例及び比較例の舗装用混合物を作製した。なお、ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、各実施例において混合して使用したものについては、混合後に、ゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定した。
<実施例1>
ポリアミド樹脂1を85質量%、ポリアミド樹脂2を15質量%からなるポリアミド樹脂を舗装用バインダとして用いて、この舗装用バインダと骨材、砂及びフィラーとをミキサーにて175℃で混合した。
第2表において、舗装用バインダ基準とするポリアミド樹脂の含有量を表した。すなわち、実施例1の舗装用バインダの欄において、「上記ポリアミド樹脂(質量%)100」とあるのは、ポリアミド樹脂1を85質量%と、ポリアミド樹脂2を15質量%とからなるポリアミド樹脂のみを舗装用バインダとして用いたことを意味する。
混合により得られた舗装用混合物を160℃で締固めて、実施例1の供試体を得た。
また、ポリアミド樹脂1を85質量%、ポリアミド樹脂2を15質量%からなるポリアミド樹脂の舗装用混合物に対する配合比率は、5.1質量%とした。
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂1を80質量%、ポリアミド樹脂2を20質量%含む舗装用バインダを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の供試体を得た。
<実施例3>
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂1を90質量%、ポリアミド樹脂3を10質量%含む舗装用バインダを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の供試体を得た。
<実施例4>
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂1を80質量%、ポリアミド樹脂3を20質量%含む舗装用バインダを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の供試体を得た。
<実施例5>
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂1を70質量%、ポリアミド樹脂3を30質量%含む舗装用バインダを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の供試体を得た。
<実施例6>
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂1を60質量%、ポリアミド樹脂3を40質量%含む舗装用バインダを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の供試体を得た。
<実施例7>
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂1を80質量%、ポリアミド樹脂4を20質量%含む舗装用バインダを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の供試体を得た。
<実施例8>
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂5を100質量%用いた舗装用バインダを使用したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の供試体を得た。
骨材、砂、フィラー及び最適アスファルト量のストレートアスファルト(ストアスと称する)を含む密粒度混合物を調製した。すなわち、比較例1では、ストアスのみを舗装用バインダとして用いた。ストアスと、骨材、砂及びフィラーとをミキサーにて155℃で混合した。混合により得られた舗装用混合物を140℃で締固めして、比較例1の供試体を得た。
<比較例2>
骨材、砂、フィラー及び最適アスファルト量のポリマー改質アスファルトII型(改質II型と称する)を含む密粒度混合物を調製した。改質II型と、骨材、砂、及びフィラーとをミキサーにて175℃で混合した。混合により得られた舗装用混合物を160℃で締固めして、比較例2の供試体を得た。
<比較例3>
ポリアミド樹脂1が100質量%のものを舗装用バインダとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の供試体を得た。
<比較例4>
ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂1を50質量%、ポリアミド樹脂3を50質量%含む舗装用バインダを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の供試体を得た。
<参考例1>
ポリアミド樹脂としてポリアミド樹脂6を20質量%と、アスファルトとして改質II型アスファルト80質量%を含む混合物を舗装用バインダとして用いて、特許4580457号に記載の実施例6の方法に基づいて参考例1の供試体を得た。
実施例、比較例及び参考例の舗装用混合物を、上述した評価方法により評価した。結果を第2表に示す。
比較例3のように、ポリアミド樹脂のみで構成された舗装用バインダであっても、ポリアミド樹脂の重量平均分子量が4000未満のものを使用した場合では、−10℃における曲げ強度及び曲げ歪みの値が実用に耐えないことがわかった。
また、参考例1のように、ポリアミド樹脂の重量平均分子量が4000を超えていても、改質II型アスファルトと混合されて舗装用バインダを形成している場合には、曲げ強度及び曲げ歪みが要求性能を満たさないことがわかった。
Claims (11)
- 舗装を形成する舗装用混合物に用いられる舗装用バインダであって、
ゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が0.2万以上1万以下であり、
ゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定される分子量分布のクロマトグラムにおいて、分子量2万以上50万以下の成分に該当する面積が、全体面積の0.5%以上12%以下であるポリアミド樹脂を含む舗装用バインダ。 - 前記ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が500mPa・s以下である請求項1に記載の舗装用バインダ。
- 前記ポリアミド樹脂がゲルパーミションクロマトグラフィーにより測定される分子量分布において、分子量2万以上50万以下の面積が全体面積の0.5%以下のポリアミド樹脂と、分子量2万以上50万以下の面積が1.0%以上のポリアミド樹脂とを混合したものである請求項1又は2に記載の舗装用バインダ。
- 前記ポリアミド樹脂が植物油脂由来のダイマー酸の脱水縮合反応により得られる重合脂肪酸を用いてなる請求項1〜3のいずれかに記載の舗装用バインダ。
- 前記ポリアミド樹脂がカルボン酸成分とアミン成分とをモル当量比(カルボン基/アミノ基)1.0/1.2〜1.2/1.0で縮合反応させて得られる請求項1〜4のいずれかに記載の舗装用バインダ。
- 前記ポリアミド樹脂の軟化点が70℃以上100℃以下である請求項1〜5のいずれかに記載の舗装用バインダ。
- カルボン酸成分とアミン成分とをモル当量比(カルボン基/アミノ基)1.0/1.2〜1.2/1.0で縮合反応させる工程を有する請求項1〜6のいずれかに記載の舗装用バインダ用ポリアミド樹脂の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の舗装用バインダと、骨材と、を含む舗装用混合物。
- 前記舗装用バインダの含有量が4.0質量%以上8.0質量%以下である請求項8に記載の舗装用混合物。
- 請求項8又は9に記載の舗装用混合物を締め固める工程を有する舗装方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の舗装用バインダの舗装用混合物への使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013272080A JP6215699B2 (ja) | 2012-12-28 | 2013-12-27 | 舗装用バインダ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012288789 | 2012-12-28 | ||
JP2012288789 | 2012-12-28 | ||
JP2013272080A JP6215699B2 (ja) | 2012-12-28 | 2013-12-27 | 舗装用バインダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014141874A JP2014141874A (ja) | 2014-08-07 |
JP6215699B2 true JP6215699B2 (ja) | 2017-10-18 |
Family
ID=51021386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013272080A Active JP6215699B2 (ja) | 2012-12-28 | 2013-12-27 | 舗装用バインダ |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9771455B2 (ja) |
EP (1) | EP2955270A4 (ja) |
JP (1) | JP6215699B2 (ja) |
CN (1) | CN104903517B (ja) |
BR (1) | BR112015015344A2 (ja) |
MX (1) | MX2015008287A (ja) |
WO (1) | WO2014104317A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6110614B2 (ja) * | 2012-08-03 | 2017-04-05 | 東亜道路工業株式会社 | 舗装用バインダ及び舗装用混合物 |
JP6642867B2 (ja) * | 2015-05-22 | 2020-02-12 | 東亜道路工業株式会社 | 防水層用材料 |
Family Cites Families (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2534845A1 (de) * | 1975-08-05 | 1977-02-10 | Schering Ag | Druckverfahren und dafuer geeignete schmelzdruckfarben |
JPS52137424A (en) | 1976-05-13 | 1977-11-16 | Kuraray Co | Fiber mixed bituminous composition |
US4058641A (en) | 1976-07-02 | 1977-11-15 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Improved pavement marking method |
JPS5469136A (en) | 1977-11-15 | 1979-06-02 | Honshu Shikoku Renrakukiyou Ko | Mixture for pavement |
JPS54122333A (en) | 1978-03-15 | 1979-09-21 | Dainippon Toryo Co Ltd | Coating composition |
US4237036A (en) | 1979-06-06 | 1980-12-02 | Chevron Research Company | Polymerizable premix composition for preparation of polyurethane surfaces |
JPS5723949A (en) * | 1980-07-18 | 1982-02-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Electrophotographic developer |
DE3125569A1 (de) | 1981-06-30 | 1983-01-20 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Verfahren zur herstellung von ueberzuegen |
JPH01222268A (ja) | 1988-03-01 | 1989-09-05 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナー用バインダー |
JPH06158607A (ja) | 1992-11-25 | 1994-06-07 | Asahi Chem Ind Co Ltd | アスファルト舗装補強用高弾性率複合成形体 |
JPH10219100A (ja) | 1997-02-07 | 1998-08-18 | Toagosei Co Ltd | 舗装材用組成物及び舗装体 |
IL126565A0 (en) * | 1998-10-14 | 1999-08-17 | Epox Ltd | Highly branched oligomers process for their preparation and applications thereof |
EP1013694A1 (en) * | 1998-12-21 | 2000-06-28 | Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien | Hotmelt adhesives based on polyamides |
NL1012234C2 (nl) * | 1999-06-04 | 2000-12-06 | Dsm Nv | Hoog-moleculaire polyamide samenstelling met verbeterd vloeigedrag. |
JP2001131388A (ja) | 1999-11-02 | 2001-05-15 | Daicel Chem Ind Ltd | アスファルト乳剤用樹脂ビヒクル、アスファルト乳剤組成物及びアスファルト合材 |
JP2002129083A (ja) * | 2000-10-27 | 2002-05-09 | Harima Chem Inc | 印刷インキ用ポリアミド樹脂組成物 |
JP3636439B2 (ja) | 2001-04-27 | 2005-04-06 | 花王株式会社 | 着色舗装用結合材 |
JP2002339304A (ja) | 2001-05-14 | 2002-11-27 | Kao Corp | 水系排水性舗装用補強剤 |
JP4118670B2 (ja) | 2002-08-05 | 2008-07-16 | 花王株式会社 | 道路用結合剤組成物 |
EP1431346A1 (en) * | 2002-12-16 | 2004-06-23 | DSM IP Assets B.V. | Process for preparing a flame retardant polyamide composition |
US20100098893A1 (en) | 2006-12-11 | 2010-04-22 | Ube Industries, Ltd. | Polyamide resin |
JP5584968B2 (ja) | 2008-09-24 | 2014-09-10 | 宇部興産株式会社 | 可塑剤含有ポリアミド樹脂組成物及び成形物 |
US8927647B2 (en) | 2008-09-18 | 2015-01-06 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Polyamide resin |
JP4580457B2 (ja) * | 2009-03-11 | 2010-11-10 | 東亜道路工業株式会社 | アスファルト混合物 |
JP6110614B2 (ja) | 2012-08-03 | 2017-04-05 | 東亜道路工業株式会社 | 舗装用バインダ及び舗装用混合物 |
-
2013
- 2013-12-27 WO PCT/JP2013/085162 patent/WO2014104317A1/ja active Application Filing
- 2013-12-27 BR BR112015015344A patent/BR112015015344A2/pt not_active IP Right Cessation
- 2013-12-27 MX MX2015008287A patent/MX2015008287A/es unknown
- 2013-12-27 CN CN201380066058.XA patent/CN104903517B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2013-12-27 JP JP2013272080A patent/JP6215699B2/ja active Active
- 2013-12-27 US US14/758,122 patent/US9771455B2/en active Active
- 2013-12-27 EP EP13868801.5A patent/EP2955270A4/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20160002404A1 (en) | 2016-01-07 |
MX2015008287A (es) | 2015-12-03 |
CN104903517A (zh) | 2015-09-09 |
US9771455B2 (en) | 2017-09-26 |
BR112015015344A2 (pt) | 2017-07-11 |
EP2955270A1 (en) | 2015-12-16 |
WO2014104317A1 (ja) | 2014-07-03 |
EP2955270A4 (en) | 2016-11-23 |
CN104903517B (zh) | 2017-08-11 |
JP2014141874A (ja) | 2014-08-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6110614B2 (ja) | 舗装用バインダ及び舗装用混合物 | |
JP4580457B2 (ja) | アスファルト混合物 | |
Zhang et al. | A laboratory study of epoxy/polyurethane modified asphalt binders and mixtures suitable for flexible bridge deck pavement | |
CN101130622B (zh) | 沥青铺装用环氧树脂组成物以及环氧沥青铺装混和物 | |
KR101239399B1 (ko) | 개질 아스팔트 조성물 및 그의 제조방법 | |
CN102061098B (zh) | 一种沥青混合料温拌改性剂及其制备方法 | |
RU2468049C2 (ru) | Модификаторы асфальта для применения в "теплых смесях", включающие промотор адгезии | |
CN102585528A (zh) | 一种易施工和养护的高性能环氧沥青混合料及其制法 | |
JP2016508539A (ja) | 優れた高粘弾性の温間混合改質剤の成分とその製造方法、並びにバージン及びリサイクルされた改質温間混合アスファルトコンクリート混合物の成分とその製造方法 | |
CN101337794A (zh) | 高模量沥青混凝土及其制备方法 | |
CN101974237B (zh) | 高速公路及道桥用环氧沥青材料及其制备方法 | |
JP6215699B2 (ja) | 舗装用バインダ | |
KR20160047006A (ko) | 고강도 가열형 에폭시 아스팔트 혼합물 및 시공방법 | |
JP6841546B2 (ja) | 床版舗装構造 | |
KR101375577B1 (ko) | 친환경 중온 아스팔트 조성물의 제조방법 | |
JP6401905B2 (ja) | 舗装用バインダ及び舗装用混合物 | |
JP6989217B2 (ja) | 舗装用バインダ | |
WO2001018122A1 (en) | Polymer-modified asphalt emulsion | |
JP2015010379A (ja) | 舗装用混合物の製造方法及び舗装用混合物 | |
CN110818914A (zh) | 一种双阳离子改性沥青乳化剂及其制备方法 | |
JP6642867B2 (ja) | 防水層用材料 | |
JP2023165336A (ja) | アスファルト混合物 | |
KR102620247B1 (ko) | 아스팔트용 에폭시 수지 조성물, 이를 이용한 에폭시 아스팔트 혼합물 및 택코팅용 에폭시 수지 조성물 | |
JP2023165335A (ja) | アスファルト混合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150618 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20150618 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161025 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170825 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170829 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170921 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6215699 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |