JP2023165335A - アスファルト混合物 - Google Patents

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利明 平戸
Toshiaki Hirato
直柔 設楽
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良一 橋本
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Abstract

【課題】耐ひび割れ性に優れるポリアミド樹脂を含有し、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性、並びに、押し抜きせん断によるひび割れ抑制を兼ねたわだち掘れ抵抗性にも優れるアスファルト混合物を提供する。【解決手段】ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを含むアスファルト混合物であって、前記ポリアミド樹脂が、カルボン酸成分と、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを含むアミン成分との縮合物であり、前記ポリアミド樹脂の軟化点が、60℃以上150℃以下であり、前記ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が、500mPa・s以上1,800mPa・s以下であり、前記アミン成分中、前記脂肪族ジアミン及び前記芳香族ジアミンの含有量の割合が所定の範囲内であり、前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が前記ポリアミド樹脂と前記アスファルトとの合計量基準で所定の範囲内である、アスファルト混合物である。【選択図】なし

Description

本発明は、アスファルト混合物に関する。
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道などの舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむため、アスファルト混合物を用いるアスファルト舗装が多く行われている。例えば、現在のわが国の自動車道では、全舗装路面の95%がアスファルト舗装となっている。
このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されており、良好な硬度や耐久性を有している。
アスファルト舗装は、絶えず交通荷重や環境負荷にさらされるため、長期間供用されることにより、ひび割れ、わだち掘れなどの損傷が生じてしまう。そこで、アスファルト舗装の耐久性の向上が求められている。
アスファルト舗装の物性強化策としては、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、繊維径が50μ以下の繊維を熱可塑性樹脂で一体化したアスファルト混合物用補強材料を用いることにより、アスファルト混合物のわだち、ひび割れを共に防止する技術が開示されている。
特開平3-17304号公報
しかしながら、通常このような繊維形状のものは、ポリアミドの含有量を増やすことは困難であり、作業性を考慮すると、アスファルトに対して多くとも数%程度が限界である。また、このような繊維状ポリアミドを含有したアスファルトは、加熱混合及び締固を行って舗装しても、ポリアミド繊維が均一に混合されることは困難である。
また、近年、アスファルトのひび割れの防止についてだけでなく、ポリアミド樹脂の種類によっては、ポリアミド樹脂が、特に高温時における高せん断下(以下、「押し抜きせん断」と言う。)での破壊に伴うひび割れを生じるおそれがあることが明らかになってきた。しかしながら、耐ひび割れ性に優れるポリアミド樹脂について、まだ十分な検討がなされていない。
更に、アスファルト混合物の均一性や強度、骨材の飛散抑制の観点から、粗骨材にアスファルトモルタル(アスファルト混合物中のフィラー及びバインダ)が十分付着する必要がある。しかしながら、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性については、まだ十分な検討がなされていない。
ここで、アスファルト混合物に生じるひび割れは、タイヤからの押し抜きせん断に伴い発生しやすい。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、耐ひび割れ性に優れるポリアミド樹脂を含有し、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性、並びに、押し抜きせん断によるひび割れ抑制を兼ねたわだち掘れ抵抗性にも優れるアスファルト混合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定のポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを含むアスファルト混合物が、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、下記[1]を提供する。
[1] ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを含むアスファルト混合物であって、
前記ポリアミド樹脂が、カルボン酸成分と、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを含むアミン成分との縮合物であり、
前記ポリアミド樹脂の軟化点が、60℃以上150℃以下であり、
前記ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が、500mPa・s以上1,800mPa・s以下であり、
前記アミン成分中、前記脂肪族ジアミンの含有量の割合が65モル%~85モル%、及び前記芳香族ジアミンの含有量の割合が15モル%~35モル%であり、
前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が、前記ポリアミド樹脂と前記アスファルトとの合計量基準で、5質量%以上70質量%以下である、アスファルト混合物。
本発明によれば、耐ひび割れ性に優れるポリアミド樹脂を含有し、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性、並びに、押し抜きせん断によるひび割れ抑制を兼ねたわだち掘れ抵抗性にも優れるアスファルト混合物を提供することが可能となる。
本明細書中、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは40以上」という下限値の記載と、「好ましくは90以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは70以下である」という上限値の記載とから、好適範囲として、例えば、「10以上70以下」、「30以上70以下」、「40以上80以下」といったそれぞれ独立に選択した下限値と上限値とを組み合わせた範囲を選択することもできる。また、同様の記載から、例えば、単に、「40以上」又は「70以下」といった下限値又は上限値の一方を規定した範囲を選択することもできる。
なお、本明細書中、数値範囲の記載において、例えば、「10~90」という記載は「10以上90以下」と同義である。なお、数値範囲の記載に関する「以上」、「以下」、「未満」、「超」の数値もまた、任意に組み合わせることができる。
[アスファルト混合物]
本実施形態のアスファルト混合物は、ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを含むアスファルト混合物であって、
前記ポリアミド樹脂が、カルボン酸成分と、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを含むアミン成分との縮合物であり、
前記ポリアミド樹脂の軟化点が、60℃以上150℃以下であり、
前記ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が、500mPa・s以上1,800mPa・s以下であり、
前記アミン成分中、前記脂肪族ジアミンの含有量の割合が65モル%~85モル%、及び前記芳香族ジアミンの含有量の割合が15モル%~35モル%であり、
前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が、前記ポリアミド樹脂と前記アスファルトとの合計量基準で、5質量%以上70質量%以下である、アスファルト混合物である。
本実施形態のアスファルト混合物は、ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを含む。
本実施形態のアスファルト混合物において、ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトの合計含有量は、特に制限はないが、当該アスファルト混合物の全量(100質量%)基準で、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上である。また、通常100質量%以下、好ましくは100質量%未満、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは98質量%以下である。
なお、本実施形態のアスファルト混合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルト以外の他の成分を含んでいてもよい。
従来の骨材とアスファルトを含むアスファルト混合物におけるアスファルトの含有割合については、通常、社団法人日本道路協会発行の「舗装設計施工指針」に記載されている「アスファルト混合物の配合設計」から求められる最適アスファルト量に準じて決定している。
本実施形態においては、上記の最適アスファルト量が、「ポリアミド樹脂の含有量及びアスファルトの含有量の合計」に相当する。したがって、通常、前記最適アスファルト量を、「ポリアミド樹脂の含有量及びアスファルトの含有量の合計」とすることが好ましい。
本実施形態のアスファルト混合物において、ポリアミド樹脂の含有量及びアスファルトの含有量の合計は、特に制限はないが、アスファルト混合物の全量(100質量%)基準で、好ましくは2質量%~15質量%、より好ましくは5質量%~8質量%である。
但し、「舗装設計施工指針」に記載の方法に限定する必要はなく、他の方法によって決定しても良い。
本明細書において、カルボン酸の「モル当量」とは、複数のカルボン酸を含む「カルボン酸成分」を1モル当量としたときのモル数である。
同様に、本明細書において、アミンの「モル当量」とは、複数のアミンを含む「アミン成分」を1モル当量としたときのモル数である。
本実施形態のアスファルト混合物は、耐ひび割れ性に優れるポリアミド樹脂を含有し、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性、並びに、わだち掘れ抵抗性にも優れる。したがって、舗装用アスファルト混合物として有効に利用することができる。
本実施形態のアスファルト混合物において、前記ポリアミド樹脂を含有すると、上記効果が得られる機構は、例えば、以下のように推察される。
まず、ポリアミド樹脂は、常温(20℃~30℃)において、アスファルトよりも硬質である。そして、本実施形態のアスファルト混合物は、骨材及びアスファルトだけでなく、特定のポリアミド樹脂を含む。したがって、本実施形態のアスファルト混合物は、わだち掘れ抵抗性に優れることを見出した。
また、ポリアミド樹脂は、アミド結合による骨格だけでなく、多数の水素結合を有する立体構造をとる。そして、一般的に、アミド結合を構成するアミン成分のうち、脂肪族ジアミンは、芳香族ジアミンよりも立体障害が小さいため、水素結合により結晶化しやすい性質を有する。
ただし、ポリアミド樹脂の結晶性が高すぎる場合、高温に上昇させた後に低温に急冷させると、ポリアミド樹脂の結晶が収縮し、ひび割れが発生するという問題があった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度を500mPa・s以上1,800mPa・s以下に調節し、更にポリアミド樹脂を構成するアミン成分中、脂肪族ジアミンの含有量の割合を65モル%~85モル%、及び芳香族ジアミンの含有量の割合を15モル%~35モル%に調節することにより、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性が向上すること、また、ポリアミド樹脂の結晶性を低くできるため、ポリアミド樹脂のひび割れを抑制することができることを見出した。
<ポリアミド樹脂>
本実施形態に係るアスファルト混合物に含まれるポリアミド樹脂は、軟化点が60℃以上150℃以下である。ポリアミド樹脂の軟化点が当該範囲内であると、ポリアミド樹脂及びアスファルトの混合を均一化でき、骨材に対するアスファルト及びポリアミド樹脂の付着性を向上できる。ポリアミド樹脂の軟化点が60℃未満であると、夏季において、舗装路面が上昇した場合にわだち掘れの発生を抑制できないことがある。また、ポリアミド樹脂の軟化点が150℃を超えると、転圧時にアスファルトよりも先にポリアミドが硬化してしまうため、ポリアミド樹脂にひび割れが発生する可能性がある。
ポリアミド樹脂の軟化点は、70℃以上140℃以下が好ましく、90℃以上130℃以下がより好ましい。
なお、ポリアミド樹脂の軟化点は、JIS K 2207-1996に基づく環球法で測定することができる。
本実施形態に係るアスファルト混合物に含まれるポリアミド樹脂は、180℃における溶融粘度が500mPa・s以上1,800mPa・s以下である。ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が当該範囲内であると、ポリアミド樹脂及びアスファルトの混合を均一化でき、骨材に対するアスファルト及びポリアミド樹脂の付着性を向上できる。ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が500mPa・s未満であると、ポリアミド樹脂による硬さが不足するため、わだち掘れ抵抗性が不十分となる。また、ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が1,800mPa・sを超えると、ポリアミド樹脂とアスファルトとの混合が不十分となるため、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性も不十分となる。
ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度は、650mPa・s以上1,500mPa・s以下が好ましく、800mPa・s以上1,300mPa・s以下がより好ましく、800mPa・s以上1,000mPa・s以下が更に好ましい。
なお、ポリアミド樹脂の溶融粘度は、ブルックス-フィールド粘度計を用いて測定することができる。
本実施形態に係るアスファルト混合物に含まれる前記ポリアミド樹脂は、カルボン酸成分と、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを含むアミン成分との縮合物である。
-カルボン酸成分-
前記カルボン酸成分としては、例えば、ポリカルボン酸単体でもよいし、脂肪族モノカルボン酸と重合脂肪酸を含むものであってもよい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アルケニルコハク酸(好ましくはアルケニル基が炭素数4~20のアルケニルコハク酸)、ダイマー酸(例えば、植物油脂から得られるダイマー酸など)、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの二価カルボン酸、さらには、2,4-ベンゼントリカルボン酸などの三価カルボン酸などが挙げられる。
これらの原料として使用される各化合物は、それぞれ単独で又は2種以上混合して用いてもよい。
前記カルボン酸成分としては、重合脂肪酸及び脂肪族モノカルボン酸を含むことが好ましい。
前記重合脂肪酸は、不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸又はそのエステル化物を重合して得られる重合物である。
当該不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸としては、通常1~3の不飽和結合を有する総炭素数が8~24の不飽和脂肪酸が用いられる。例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及び天然の乾性もしくは半乾性油脂肪酸などの脂肪酸が挙げられる。また、不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸のエステルとしては、上記不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸と脂肪族アルコール、好ましくは、炭素数1~3の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。
前記不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸又はそのエステル化物の重合体である重合脂肪酸は、二量体を主成分とするものが好ましい。例えば、炭素数18の不飽和脂肪酸の重合物として、その組成が、炭素数18の一塩基酸(単量体)0~10質量%、炭素数36の二塩基酸(二量体)60~99質量%、炭素数54の三塩基酸以上の酸(三量体以上)30質量%以下のものが市販品として入手できる。
前記脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1~22の脂肪族モノカルボン酸が好ましく、炭素数3~20の脂肪族モノカルボン酸がより好ましい。
当該脂肪族モノカルボン酸は、炭素数1~4の脂肪族モノカルボン酸と炭素数12~22の脂肪族モノカルボン酸との混合物であることがより好ましく、炭素数2~4の脂肪族モノカルボン酸と炭素数14~20の脂肪族モノカルボン酸との混合物であることが更に好ましい。
脂肪族モノカルボン酸としてこのような脂肪族モノカルボン酸の混合物を用いることにより、ポリアミド樹脂の結晶性が低下し、ポリアミド樹脂の軟化点を150℃以下にするなど軟化点の調整が容易になる。
炭素数1~4の脂肪族モノカルボン酸と炭素数12~22の脂肪族モノカルボン酸との混合割合は、脂肪族モノカルボン酸全量を基準として、前者が10~90モル%、後者が90~10モル%であることが好ましく、前者が40~80モル%、後者が20~60モル%であることがより好ましく、前者が45~75モル%、後者が55~25モル%であることが更に好ましい。
前記炭素数1~4の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸などが挙げられる。これらは1種でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記炭素数12~22の脂肪族モノカルボン酸としては、飽和又は不飽和のものが使用できる。飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。また、不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、エルシン酸、天然油脂より得られる混合脂肪酸(トール油脂肪酸、米ヌカ脂肪酸、大豆油脂肪酸、牛脂脂肪酸等)などが挙げられる。これらは1種でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボン酸成分を構成する重合脂肪酸及び脂肪族モノカルボン酸の含有割合は、カルボン酸成分全量基準で、重合脂肪酸50~95モル%及び脂肪族モノカルボン酸5~50モル%であることが好ましく、重合脂肪酸70~95モル%及び脂肪族モノカルボン酸5~30モル%であることがより好ましく、重合脂肪酸80~95モル%及び脂肪族モノカルボン酸5~20モル%であることが更に好ましい。
また、前記カルボン酸成分には、重合脂肪酸及び脂肪族モノカルボン酸以外に、その他のカルボン酸を加えてもよい。その他のカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸や芳香族カルボン酸が挙げられる。当該その他のカルボン酸の含有量は、カルボン酸成分全量基準で0~40モル%が好ましく、0~20モル%がより好ましい。
-アミン成分-
前記アミン成分としては、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを含む。脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを併用することにより、ポリアミド樹脂の軟化点と溶融粘度を適切な範囲に調整することができる。
脂肪族ジアミンとしては、特に制限はないが、直鎖や分岐鎖を有してもよい鎖状構造の脂肪族ジアミンが好ましい。脂肪族ジアミンの炭素数としては、2~6が好ましく、2~4がより好ましい。鎖状構造の脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが好ましく、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンがより好ましく、エチレンジアミンが更に好ましい。
芳香族ジアミンの炭素数としては、6~8が好ましく、7~8がより好ましい。芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、例えば、メタキシレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、メタキシレンジアミン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミンが好ましく、メタキシレンジアミンがより好ましい。
これらは1種でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン成分中、前記脂肪族ジアミンの含有量の割合が65モル%~85モル%、及び前記芳香族ジアミンの含有量の割合が15モル%~35モル%である。脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンの含有量の割合が前記範囲内であると、ポリアミド樹脂の結晶性を低くできるため、ポリアミド樹脂のひび割れを抑制することができる。
脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンの含有量の割合は、アミン成分全量基準で、脂肪族ジアミンが70~85モル%及び芳香族ジアミンが15~30モル%であることが好ましく、脂肪族ジアミンが70~80モル%及び芳香族ジアミンが20~30モル%であることがより好ましく、脂肪族ジアミンが72~77モル%及び芳香族ジアミンが23~28モル%であることが更に好ましい。
前記アミン成分としては、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミン以外のアミン化合物を含んでもよい。
脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミン以外のアミン化合物としては、特に制限はなく、例えば、炭素数1~4の脂肪族モノアミン、脂肪族トリアミン、3価以上の芳香族ポリアミン、アミノカルボン酸、アミノアルコールなどが挙げられる。
炭素数1~4の脂肪族モノアミンとしては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンなどが挙げられる。
脂肪族トリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミンなどが挙げられる。
3価以上の芳香族ポリアミンとしては、例えば、トリアミノベンゼン、トリアミノフェノール、テトラアミノベンゼンなどの炭素数6~10の芳香族アミン化合物が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、例えば、N-メチルグリシン、トリメチルグリシン、6-アミノカプロン酸、ω-アミノカプリル酸、ε-カプロラクタムなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミンなどが挙げられる。
これらは1種でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン成分中、前記脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミン以外のアミン化合物の含有量の割合は、アミン成分全量基準で、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
ポリアミド樹脂は、前記各原料化合物を公知の反応条件下で縮合反応させることにより製造することができる。例えば、カルボン酸成分とアミン成分とをモル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)1.0/1.2~1.2/1.0で混合、加熱し、例えば、180~250℃で縮合反応させればよい。その場合各原料を適宣選択し、反応時間や反応温度等の条件を調整することにより所望の性状や物性値のポリアミド樹脂を得ることができる。
本実施形態のアスファルト混合物は、前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が、前記ポリアミド樹脂と前記アスファルトとの合計量基準で、5質量%以上70質量%以下である。
前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が5質量%以上であると、わだち掘れ抵抗性を向上できる。前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が70質量%以下であると、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性を向上できる。
前記ポリアミド樹脂の含有量の割合は、前記ポリアミド樹脂と前記アスファルトとの合計量基準で、10質量%以上60質量%以下が好ましく、15質量%以上50質量%以下がより好ましく、18質量%以上40質量%以下が更に好ましい。
<骨材>
本実施形態に係る骨材としては、特に制限はなく、砕石、玉石、砂利、再生骨材、セラミックスなどを任意に選択して用いることができる。また、必要に応じて、その他の配合剤を配合することができる。
本実施形態のアスファルト混合物において、骨材の含有量は、特に制限はないが、アスファルト混合物の全量(100質量%)基準で、好ましくは85質量%~98質量%、より好ましくは90質量%~97質量%である。
<アスファルト>
本実施形態に係るアスファルトとしては、特に制限はなく、種々のアスファルトが使用でき、例えば、舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトのほか、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・ブロック共重合体(SIS)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)など熱可塑性エラストマーなど高分子材料で改質した改質アスファルトなども含まれる。
本実施形態のアスファルト混合物において、ポリアミド樹脂及びアスファルトの合計含有量は、特に制限はないが、アスファルト混合物の全量(100質量%)基準で、好ましくは2質量%~15質量%、より好ましくは3質量%~10質量%である。
<その他の成分>
本実施形態のアスファルト混合物は、その他の成分を更に含むことができる。
前記アスファルト混合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記成分以外のその他の成分を含有してもよい。
前記その他の成分としては、例えば、フィラー、鉱物繊維などが挙げられる。
これらは1種でもよいし、2種以上を併用してもよい。
[アスファルト混合物の製造方法]
本実施形態のアスファルト混合物を加熱アスファルト混合物として使用する場合のアスファルト混合物の製造方法については、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよいが、通常、アスファルトと骨材とを含むアスファルト混合物の製造方法に準じて行えばよい。
この場合、ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを混合する温度は、ポリアミド樹脂の軟化点よりも高い温度が好ましい。具体的には、100℃~200℃が好ましく、120℃~200℃がより好ましく、140℃~190℃が更に好ましい。
具体的な製造方法としては、従来のプラントミックス(プレミックス)方式といわれるアスファルト混合物の製造方法で、骨材とアスファルトを混合する工程に於いて、アスファルトとともに、ポリアミド樹脂(通常ペレット状)をそれぞれ投入すればよい。但し、この場合、ポリアミド樹脂を溶融するために、骨材を通常より高温にしておくことが好ましい。
また、アスファルトとポリアミド樹脂を高温、例えば、150℃以上で事前に撹拌しながら混合して、その混合物を投入してもよい(プレミックス法)。
上記のように、ポリアミド樹脂を配合するアスファルト混合物の製造方法においては、ポリアミド樹脂は高温に曝されることになる。その高温の程度は、ポリアミド樹脂の配合割合が高いほど高くすることが必要である。したがって、ポリアミド樹脂の配合割合が高い場合は、アスファルト混合物はより高温になり、ポリアミド樹脂が熱劣化する場合がある。この現象は、用いるポリアミド樹脂の軟化点が高いほど、発生しやすい。
なお、ポリアミド樹脂を配合したアスファルト混合物は、通常のアスファルト混合物と同様の施工機械編成で、同様の方法によって締固め施工すればよい。加熱アスファルト混合物として使用する場合のアスファルト混合物の締固め温度は、ポリアミド樹脂の軟化点よりも高い温度が好ましく、具体的には100℃~200℃が好ましく、120℃~180℃がより好ましく、130℃~170℃が更に好ましい。
[ポリアミド樹脂の耐ひび割れ性]
本実施形態のアスファルト混合物に含まれるポリアミド樹脂は、後述する実施例に記載する方法により、耐ひび割れ性を評価することができる。実施例に記載の方法により評価した場合、急冷後から5分間経過後もひび割れが生じていないことが好ましい。
[粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性]
本実施形態のアスファルト混合物は、後述する実施例に記載する方法により、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性を評価することができる。実施例に記載の方法により評価した場合、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着量が、全体の50%以上であることが好ましい。
[わだち掘れ抵抗性]
本実施形態のアスファルト混合物は、後述する実施例に記載する方法により、押し抜きせん断によるひび割れ抑制を兼ねたわだち掘れ抵抗性を評価することができる。実施例に記載の方法により評価した場合、最終変形量は10mm未満が好ましい。
本発明の一態様によれば、下記[1]~[5]が提供される。
[1] ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを含むアスファルト混合物であって、
前記ポリアミド樹脂が、カルボン酸成分と、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを含むアミン成分との縮合物であり、
前記ポリアミド樹脂の軟化点が、60℃以上150℃以下であり、
前記ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が、500mPa・s以上1,800mPa・s以下であり、
前記アミン成分中、前記脂肪族ジアミンの含有量の割合が65モル%~85モル%、及び前記芳香族ジアミンの含有量の割合が15モル%~35モル%であり、
前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が、前記ポリアミド樹脂と前記アスファルトとの合計量基準で、5質量%以上70質量%以下である、アスファルト混合物。
[2] 前記カルボン酸成分が、重合脂肪酸及び脂肪族モノカルボン酸を含む、前記[1]に記載のアスファルト混合物。
[3] 前記脂肪族ジアミンが、炭素数2~4の脂肪族ジアミンである、前記[1]又は[2]に記載のアスファルト混合物。
[4] 前記芳香族ジアミンが、炭素数7~8の芳香族ジアミンである、前記[1]~[3]のいずれか1つに記載のアスファルト混合物。
[5] 前記脂肪族モノカルボン酸が、炭素数1~22の脂肪族モノカルボン酸である、前記[2]~[4]のいずれか1つに記載のアスファルト混合物。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、後述するポリアミド樹脂A~Jを合成した。
なお、カルボン酸のモル当量については、JIS定法(K2501)に基づいた酸価測定から算出した。
また、アミンのモル当量については、JIS定法(K8223)に基づいたアミン価測定から算出した。
<ポリアミド樹脂A>
ポリアミド樹脂Aは、重合脂肪酸であるダイマー酸(ハリマ化成グループ株式会社製、商品名:ハリダイマー250)、オレイン酸(花王株式会社製、商品名:ルナックO-V)、及びプロピオン酸からなるカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びメタキシレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させて得られたものである。ポリアミド樹脂Aは、特許第4580457号公報の〔0032〕に記載された製造方法に準拠して合成した。
即ち、原料となる、ダイマー酸、オレイン酸、及びプロピオン酸からなるカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びメタキシレンジアミンからなるアミン成分との混合物を、温度計、撹拌子、脱水管、及び窒素吹き込み管を備えた四つ口丸底フラスコに入れ、該混合物を撹拌し、着色防止のために僅かの窒素を流した後、210℃で3時間反応させた。さらに減圧下(13.3kPa)で2時間反応させた後、冷却し、粉砕してポリアミド樹脂Aを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Aにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.92モル当量(46.0mol%)
・オレイン酸:0.05モル当量(2.5mol%)
・プロピオン酸:0.03モル当量(1.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.75モル当量(37.5mol%)
・メタキシレンジアミン:0.25モル当量(12.5mol%)
ポリアミド樹脂Aは、軟化点:99.5℃、180℃溶融粘度:930mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂B>
カルボン酸成分及びアミン成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Bを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Bにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.93モル当量(46.5mol%)
・オレイン酸:0.04モル当量(2.0mol%)
・プロピオン酸:0.03モル当量(1.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.80モル当量(40.0mol%)
・メタキシレンジアミン:0.20モル当量(10.0mol%)
ポリアミド樹脂Bは、軟化点:103.5℃、180℃溶融粘度:1,100mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂C>
カルボン酸成分及びアミン成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Cを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Cにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.91モル当量(45.5mol%)
・オレイン酸:0.04モル当量(2.0mol%)
・プロピオン酸:0.05モル当量(2.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.70モル当量(35.0mol%)
・メタキシレンジアミン:0.30モル当量(15.0mol%)
ポリアミド樹脂Cは、軟化点:100℃、180℃溶融粘度:920mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂D>
カルボン酸成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Dを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Dにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.89モル当量(44.5mol%)
・オレイン酸:0.09モル当量(4.5mol%)
・プロピオン酸:0.02モル当量(1.0mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.75モル当量(37.5mol%)
・メタキシレンジアミン:0.25モル当量(12.5mol%)
ポリアミド樹脂Dは、軟化点:98℃、180℃溶融粘度:500mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂E>
カルボン酸成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Eを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Eにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.94モル当量(47.0mol%)
・オレイン酸:0.03モル当量(1.5mol%)
・プロピオン酸:0.03モル当量(1.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.75モル当量(37.5mol%)
・メタキシレンジアミン:0.25モル当量(12.5mol%)
ポリアミド樹脂Eは、軟化点:93℃、180℃溶融粘度:1,800mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂F>
カルボン酸成分及びアミン成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Fを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Fにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.94モル当量(47.0mol%)
・オレイン酸:0.01モル当量(0.5mol%)
・プロピオン酸:0.05モル当量(2.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.60モル当量(30.0mol%)
・メタキシレンジアミン:0.40モル当量(20.0mol%)
ポリアミド樹脂Fは、軟化点:87℃、180℃溶融粘度:1,500mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂G>
カルボン酸成分及びアミン成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Gを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Gにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.96モル当量(48.0mol%)
・オレイン酸:0.01モル当量(0.5mol%)
・プロピオン酸:0.03モル当量(1.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.70モル当量(35.0mol%)
・メタキシレンジアミン:0.30モル当量(15.0mol%)
ポリアミド樹脂Gは、軟化点:93℃、180℃溶融粘度:2,000mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂H>
カルボン酸成分及びアミン成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Hを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Hにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.85モル当量(42.5mol%)
・オレイン酸:0.12モル当量(6.0mol%)
・プロピオン酸:0.03モル当量(1.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.80モル当量(40.0mol%)
・メタキシレンジアミン:0.20モル当量(10.0mol%)
ポリアミド樹脂Hは、軟化点:104℃、180℃溶融粘度:350mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂I>
カルボン酸成分及びアミン成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Iを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Iにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりの各カルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.94モル当量(47.0mol%)
・オレイン酸:0.01モル当量(0.5mol%)
・プロピオン酸:0.05モル当量(2.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.90モル当量(45.0mol%)
・メタキシレンジアミン:0.10モル当量(5.0mol%)
ポリアミド樹脂Iは、軟化点:108℃、180℃溶融粘度:2,000mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂J>
カルボン酸成分及びアミン成分の組成比が異なる以外は、ポリアミド樹脂Aと同様の方法により、ポリアミド樹脂Jを得た。
カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0であった。
また、ポリアミド樹脂Jにおけるカルボン酸成分及びアミン成分の各含有量(単位:モル当量)、並びに、「カルボン酸成分及びアミン成分の合計含有量」を基準(100mol%)としたときの各含有量の割合(単位:mol%)は、以下のとおりであった。
-カルボン酸成分1モル当量あたりのカルボン酸の含有量-
・ダイマー酸:0.80モル当量(40.0mol%)
・オレイン酸:0.15モル当量(7.5mol%)
・プロピオン酸:0.05モル当量(2.5mol%)
-アミン成分1モル当量あたりの各ジアミンの含有量-
・エチレンジアミン:0.90モル当量(45.0mol%)
・メタキシレンジアミン:0.10モル当量(5.0mol%)
ポリアミド樹脂Jは、軟化点:120℃、180℃溶融粘度:250mPa・sであった。
得られたポリアミド樹脂A~Jについて、以下の評価を行った。結果を表1~表3に示す。
[ポリアミド樹脂の耐ひび割れ性の評価]
180℃に溶融したポリアミド樹脂A~Jをそれぞれ金属型枠に流し込み、自然冷却させた。次に、自然冷却させた金属型枠を80℃まで昇温し、その後、5℃の冷水で急冷した。そして、急冷後から5分間ポリアミド樹脂A~Jを目視し、ひび割れが発生するまでの時間を計測し、以下のように評価した。結果を表1~表3に示す。なお、下記評価基準のB以上を合格とした。
-評価基準-
A:10分間経過後も、ひび割れが生じなかった
B:5分間経過後10分間経過前の時点で、ひび割れが生じなかった
C:5分間経過前に、ひび割れが生じた
<実施例1>
密粒型粒度の骨材(6号砕石、最大粒径:13mm)と6.0質量%の改質II型アスファルトとの混合物(密粒度アスファルト混合物、骨材の最大粒径:13mm)において、改質II型アスファルトの20質量%をポリアミド樹脂Aに置き換えた混合物を得た。次に、この混合物をミキサーにて150~160℃で混合し、次いで135~145℃で締固めして、実施例1のアスファルト混合物を得た。
<比較例1>
実施例1において、ポリアミド樹脂Aを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のアスファルト混合物を得た。
<比較例2~3>
実施例1において、アスファルトから置き換えるポリアミド樹脂Aの比率を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2~3のアスファルト混合物を得た。
<実施例2~5、比較例4~8>
実施例1において、ポリアミド樹脂Aの代わりにポリアミド樹脂B~Jを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~5、比較例4~8のアスファルト混合物を得た。
得られた各アスファルト混合物について、以下の評価を行った。結果を表1~表3に示す。
[粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性の評価]
実施例1~5、比較例1~8の各アスファルト混合物について、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性を評価した。具体的には、実施例1~5、比較例6~8の各アスファルト混合物をミキサーにより混合し、室温まで冷却した後に、粗骨材に対するアスファルトモルタル(フィラー及びバインダ)の付着量を目視にて観察し、以下のように評価した。なお、下記評価基準のB以上を合格とした。
-評価基準-
A:粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着量が、全体の80%以上
B:粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着量が、全体の50%以上80%未満
C:粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着量が、全体の50%未満
[わだち掘れ抵抗性の評価]
実施例1~5、比較例1~8の各アスファルト混合物について、ひび割れ抑制を兼ねたわだち掘れ抵抗性を評価した。ここで生じるひび割れは、高荷重による押し抜きせん断によるひび割れを想定した。そこで、舗装調査試験法便覧「B003 ホイールトラッキング試験方法」で使用する試験機により、下記測定条件にて、各アスファルト混合物の60℃における最終変形量を測定した。(タイヤからアスファルト混合物への加圧試験を行う場合、例えば、下記試験法において、ゴムタイヤを用いて、荷重(接地圧):0.90MPa等の試験条件で試験を行うことができる。これに対し、本実施例では、押し抜きせん断を加味したわだち掘れ抵抗性を評価するため、ゴムタイヤから鉄輪タイヤに変更し、以下に示す試験条件で試験を行った。)なお、最終変形量は、数値が小さい程優れ、10mm未満を合格とした。
-試験条件-
・試験温度:60℃
・荷重(静線圧):175kg(35kN/m)
・試験時間:60分間
・走行速度:42回/分間
・試験に用いたタイヤ:鉄輪タイヤ
実施例1~5で使用されたポリアミド樹脂A~Eは、耐ひび割れ性に優れる結果となった。また、実施例1~5のアスファルト混合物は、粗骨材に対するアスファルトモルタルの付着性、及びわだち掘れ抵抗性にも優れる結果となった。

Claims (5)

  1. ポリアミド樹脂、骨材、及びアスファルトを含むアスファルト混合物であって、
    前記ポリアミド樹脂が、カルボン酸成分と、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを含むアミン成分との縮合物であり、
    前記ポリアミド樹脂の軟化点が、60℃以上150℃以下であり、
    前記ポリアミド樹脂の180℃における溶融粘度が、500mPa・s以上1,800mPa・s以下であり、
    前記アミン成分中、前記脂肪族ジアミンの含有量の割合が65モル%~85モル%、及び前記芳香族ジアミンの含有量の割合が15モル%~35モル%であり、
    前記ポリアミド樹脂の含有量の割合が、前記ポリアミド樹脂と前記アスファルトとの合計量基準で、5質量%以上70質量%以下である、アスファルト混合物。
  2. 前記カルボン酸成分が、重合脂肪酸及び脂肪族モノカルボン酸を含む、請求項1に記載のアスファルト混合物。
  3. 前記脂肪族ジアミンが、炭素数2~4の脂肪族ジアミンである、請求項1又は2に記載のアスファルト混合物。
  4. 前記芳香族ジアミンが、炭素数7~8の芳香族ジアミンである、請求項1~3のいずれか1項に記載のアスファルト混合物。
  5. 前記脂肪族モノカルボン酸が、炭素数1~22の脂肪族モノカルボン酸である、請求項2~4のいずれか1項に記載のアスファルト混合物。
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