JP6841546B2 - 床版舗装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼製の道路橋床版を補強する床版舗装構造に関する。
鋼製の道路橋床版には、雨水の浸透による橋の劣化を防止するためアスファルト塗膜防水工法により防水層が施工されている。施工された防水層の上には、アスファルト混合物層からなるアスファルト舗装が施工され車両の通行に供される。
アスファルト塗膜防水工法には、加熱したアスファルトを防水層用材料として用いて、これを床版表面に1〜2mm程度の厚みで塗布して、アスファルト膜を形成する方法、又は、工場で予め成型された不織布又は織布等にアスファルトを含浸させた1〜3mm程度の厚みのアスファルトシートを用いて、該アスファルトシートと床版との間に、加熱溶融したアスファルトを流し込みながら床版にアスファルトシートを貼り付けるアスファルトシート流貼工法等がある(例えば、特許文献1参照)。
アスファルト混合物層を形成するアスファルト混合物には、ストレートアスファルトに熱可塑性エラストマー等を添加して強度を改良したアスファルトが用いられている。
従来の熱可塑性エラストマー等を添加したアスファルトは、熱可塑性の粘弾性物質であり、温度が高くなると接着強度が極端に低下するものである。また、アスファルト混合物は、骨材をアスファルトで結合したものであり、結合材として用いているアスファルトも熱可塑性の粘弾性物質であることから、温度が高くなると強度が著しく低下し、床版を補強する効果は期待することができない。
また、従来のアスファルト及びアスファルト混合物は、ガソリン、軽油、灯油及び重油等の石油系の油に溶けるため、道路に車両からの燃料及び積荷の石油系油が漏れた場合、アスファルト及びアスファルト混合物が共に溶解し、破損する場合がある。
防水層には、アスファルト系の防水材の他に、樹脂系の防水材が用いられることがある。樹脂系の防水材には、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びメタクリル樹脂等の反応性樹脂が用いられる。これらの反応性樹脂は、硬化すると石油系溶剤に不溶なため、油に対する抵抗性はあるが、層厚が薄く、アスファルト防水と同様に床版を補強する効果は期待できない。
そこで、鋼製の道路橋床版を舗装で補強する技術として、スチールファイバー補強コンクリート(SFRC)による床板補強工法が行われている。
しかしながら、SFRCは、特殊な材料及び施工機械を用いるため、通常のアスファルト舗装と比較して施工が困難である。更に、SFRCは、補修が難しく、補修に時間が掛かるといった問題がある。
特開2001−32203号公報
本発明の課題は、上記問題を解決し、通常のアスファルト塗膜防水工法とアスファルト舗装の施工法と何ら変わりなく、鋼製の床版とアスファルト混合物層からなるアスファルト舗装とを接着防水層を介して強固に接着し、床版とアスファルト舗装が一体となることで床版の補強を実現する床版舗装構造を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のポリアミド樹脂、又は特定のポリアミド樹脂とアスファルトとの混合物からなる防水層用材料を介して、鋼製の床版と特定のポリアミド樹脂を含むアスファルトからなるアスファルト混合物層とを接着することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のことを要旨とする。
[1]鋼製の道路橋床版を補強する床版舗装構造であって、該床版舗装構造が、前記道路橋床版上に、接着防水層を有し、該接着防水層が、ポリアミド樹脂Aを含む防水層用材料からなり、該接着防水層上に、ポリアミド樹脂Bを含むアスファルト混合物からなるアスファルト混合物層を少なくとも1層以上備える床版舗装構造。
[2]前記防水層用材料は、前記ポリアミド樹脂Aと前記アスファルトとの混合物であり、前記ポリアミド樹脂Aと前記アスファルトとの合計質量基準において、前記ポリアミド樹脂Aの配合割合が5質量%以上である[1]に記載の床版舗装構造。
[3]前記接着防水層の塗布量は、0.5kg/m以上5.0kg/m以下である[1]又は[2]に記載の床版舗装構造。
[4]前記アスファルト混合物層は、前記ポリアミド樹脂Bとアスファルトとの合計質量基準において、前記ポリアミド樹脂Bの配合割合が30質量%以上70質量%以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の床版舗装構造。
[5]前記ポリアミド樹脂Aは、軟化点が70℃以上130℃以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の床版舗装構造。
[6]前記ポリアミド樹脂Aは、180℃の溶融粘度が9000mPa・s以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の床版舗装構造。
[7]前記ポリアミド樹脂Bは、軟化点が90℃以上130℃以下である[1]〜[6]のいずれかに記載の床版舗装構造。
[8]前記ポリアミド樹脂Bは、180℃の溶融粘度が100mPa・s以上2000mPa・s以下である[1]〜[7]のいずれかに記載の床版舗装構造。
本発明によれば、通常のアスファルト塗膜防水工法とアスファルト舗装の施工法と何ら変わりなく、鋼製の床版とアスファルト混合物層からなるアスファルト舗装とを接着防水層を介して強固に接着し、床版とアスファルト舗装が一体となることで床版の補強を実現する床版舗装構造を提供することができる。
実施形態に係る床版舗装構造の模式図である。 単純曲げ試験の測定チャート(荷重−変位曲線)の模式図である。 静的載荷試験に用いる供試体の模式図である。
本発明に係る床版舗装構造について、以下、詳細に説明する。
床版舗装構造は、図1に示すように、道路橋床版1上に、接着防水層2を有する構造であり、該接着防水層2上に、アスファルト混合物層3(3a,3b)を積層する構造である。本実施形態における床版舗装構造は、鋼鈑で形成された床版1上にアスファルト混合物層3(3a,3b)からなるアスファルト舗装が施工されており、床版1とアスファルト舗装3(3a,3b)との間に接着防水層2が形成されている。
接着防水層2は、鋼製の床版1への水分の侵入を防ぐためだけではなく、床版1とアスファルト混合物層3(3a,3b)とを接着する機能を有する。接着防水層2は、防水層用材料により形成される。
アスファルト混合物層3(3a,3b)は、アスファルト舗装を構成する層であり、アスファルト混合物層が単層であってもよく、アスファルト混合物層が複数層であってもよい。
[防水層用材料]
本発明の実施形態に係る防水層用材料は、ポリアミド樹脂A、又はポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物を含む材料である。防水層用材料は、通常のアスファルト混合物に含められるような樹脂、ゴム成分、添加剤等を含んでいてもよい。
防水層用材料として、このように特定の物性のポリアミド樹脂Aを用いることにより、低温から高温まで優れたせん断強度が得られるのは、ポリアミド樹脂Aが有するアミド結合が、鋼版で形成された床版、アスファルト舗装に含まれる骨材等に吸着し易く、これらを低温から高温まで強固に接着させることができるためと推定される。
<ポリアミド樹脂A>
ポリアミド樹脂Aの軟化点は、高温で良好なせん断強度が得られる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは75℃以上、さらに好ましくは77℃以上であり、良好な施工性が得られ、且つ低温で良好なせん断強度が得られる観点から、好ましくは170℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは110℃以下、さらに好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下である。
ポリアミド樹脂Aの軟化点は、「JIS K2207:2006石油アスファルト」に示されている環球法によって測定する。
通常、接着防水層の上に施工されるアスファルト混合物は、150℃程度の温度で施工されることから、アスファルト混合物の熱でポリアミド樹脂Aが溶融し、接着力が発揮することができ、低温でのせん断強度に優れると推定される。
なお、本明細書中、高温のせん断強度とは、道路橋床版防水便覧(日本道路協会、平成19年3月発刊、p.132〜134)に記載された方法に準拠して測定される60℃におけるせん断試験結果に基づくせん断応力のことである。また、低温のせん断強度とは、道路橋床版防水便覧に記載された方法に準拠して測定される−10℃におけるせん断試験結果に基づくせん断応力のことである。
ポリアミド樹脂Aは、180℃における溶融粘度が、高温で良好なせん断強度が得られる観点から、好ましくは100mPa・s以上、より好ましくは200mPa・s以上、さらに好ましくは300mPa・s以上、さらに好ましくは500mPa・s以上、さらに好ましくは800mPa・s以上、さらに好ましくは1000mPa・s以上であり、低温で良好なせん断強度、施工性及び防水性が得られる観点から、好ましくは9000mPa・s以下、より好ましくは5000mPa・s以下、さらに好ましくは4000mPa・s以下、さらに好ましくは2000mPa・s以下である。
ポリアミド樹脂Aの軟化点と180℃における溶融粘度は、後述するように、ポリアミド樹脂Aの原料であるカルボン酸組成及びアミン組成により、調整することができる。
溶融粘度は、ポリアミド樹脂単体および防水層用材料について「(公社)石油学会規格JPI−5s−54−99:アスファルト−回転粘度計による粘度試験方法」に準拠し、試験温度180℃で測定する。
防水層用材料は、低温及び高温のせん断強度に優れる観点から、ポリアミド樹脂Aの単独であることが望ましいが、ポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物を用いることもできる。
防水層用材料がポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物である場合、低温及び高温のせん断強度に優れる観点から、ポリアミド樹脂Aとアスファルトとの合計質量基準において、ポリアミド樹脂Aの配合割合は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、好ましくは100質量%以下である。
[アスファルト混合物]
本発明の本実施形態に係るアスファルト混合物は、ポリアミド樹脂Bを含むアスファルト混合物である。
本実施形態のアスファルト混合物に使用可能なアスファルトとしては、舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトを主成分とするもの、或いは、該ストレートアスファルトに、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・ブロック共重合体(SIS)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などの熱可塑性エラストマーを添加して改質した、改質アスファルトであってもよい。
アスファルトは、JIS K2207(1996)、及び日本改質アスファルト協会規格に準拠するものであれば使用できる。また、既設のアスファルト舗装に含まれる舗装用バインダ、及び骨材から再生された再生アスファルトであってもよい。
本実施形態に係るアスファルト混合物には、通常のアスファルト混合物に含められるような樹脂及びゴム成分、その他添加剤等が含まれていてもよい。
<ポリアミド樹脂B>
ポリアミド樹脂Bの軟化点は、高い弾性率を得る観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上、さらに好ましくは97℃以上であり、施工時の転圧をし易くする観点から、好ましくは130℃以下、より好ましくは125℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは115℃以下である。
ポリアミド樹脂Bの軟化点は、「JIS K2207:2006石油アスファルト」に示されている環球法によって測定する。
ポリアミド樹脂Bは、180℃における溶融粘度が、高い強度を得る観点から、好ましくは100mPa・s以上、より好ましくは200mPa・s以上、さらに好ましくは300mPa・s以上、さらに好ましくは500mPa・s以上、さらに好ましくは800mPa・s以上、さらに好ましくは1000mPa・s以上であり、混合時の混合物の均一性及び転圧時の締固めの観点から、好ましくは2000mPa・s以下、より好ましくは1900mPa・s以下、さらに好ましくは1800mPa・s以下、さらに好ましくは1700mPa・s以下である。
ポリアミド樹脂Bの軟化点と180℃における溶融粘度は、後述するように、ポリアミド樹脂Bの原料であるカルボン酸組成及びアミン組成により、調整することができる。
ポリアミド樹脂Bを含むアスファルト混合物は、高い弾性率と転圧のし易さ等の施工性を両立する観点から、ポリアミド樹脂Bとアスファルトとの合計質量基準において、ポリアミド樹脂Bの配合割合は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、施工性の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
以下、本実施形態に係るポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bについて詳細に説明する。
<ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bの構造>
ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bは、アミド結合(−CONH−)を有する高分子化合物であれば、いかなる化学構造を有するポリアミド樹脂を使用することもできる。ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bは、例えば、主として脂肪族骨格からなるポリアミドであってもよいし、主として芳香族骨格を持つポリアミドであってもよい。さらにはこの両者以外の骨格構造を有するものでもよい。ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bとして、好適に用いられる構造体としては、ジアミンと、モノカルボン酸及びジカルボン酸乃至重合脂肪酸とからなるポリアミドが挙げられる。
ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bは、通常、環状ラクタムの開環重合反応、アミノ酸又はその誘導体の自己縮合反応、カルボン酸とアミン化合物との縮重合反応等により得られる。カルボン酸とアミン化合物との縮重合反応によるポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bは、例えば、カルボン酸とアミン化合物とを縮合(縮重合)反応させて得ることができる。
縮重合反応の一方の原料であるカルボン酸においては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、重合脂肪酸を好適に用いることができる。
モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。また、不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、エルシン酸、天然油脂より得られる混合脂肪酸(トール油脂肪酸、米ヌカ脂肪酸、大豆油脂肪酸、牛脂脂肪酸等)などが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、及びアルケニルコハク酸が挙げられる。アルケニルコハク酸としては、好ましくは、アルケニル基が炭素数4〜20のものが好ましい。
重合脂肪酸は、不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸を重合して得られる重合物、または不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸のエステル化物を重合して得られる重合物である。重合脂肪酸としては、例えば、植物油脂由来のダイマー酸が挙げられる。
当該不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸としては、通常1〜3の不飽和結合を有する総炭素数が8〜24の不飽和脂肪酸が用いられる。これらの不飽和脂肪酸として、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、天然の乾性油脂肪酸、天然の半乾性油脂肪酸などが挙げられる。また、不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸のエステルとしては、上記不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸と脂肪族アルコール、好ましくは、炭素数1〜3の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。前記不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸を重合して得られる重合物、または不飽和結合を有する一塩基性脂肪酸のエステル化物を重合して得られる重合物である重合脂肪酸は、二量体を主成分とするものが好ましい。例えば、炭素数18の不飽和脂肪酸の重合物として、その組成が、炭素数18の一塩基酸(単量体)0〜10質量%、炭素数36の二塩基酸(二量体)60〜99質量%、炭素数54の三塩基酸以上の酸(三量体以上)30質量%以下のものが市販品として入手できる。
さらに、カルボン酸成分としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸及び重合脂肪酸の他、舗装用のために用いる混合物の物性を阻害しない範囲で、その他のカルボン酸を加えてもよい。舗装用のために用いる混合物に加えるカルボン酸においては、モノカルボン酸と重合脂肪酸の組み合わせが特に好適に用いられる。なお、カルボン酸は、炭素数1〜3のアルコールとのエステルであってもよい。
ポリアミド樹脂Aに関して、カルボン酸成分を構成するモノカルボン酸と、重合脂肪酸とを組み合わせて使用する場合には、その配合割合は、ポリアミド樹脂Aの軟化点と180℃の溶融粘度を調整し、低温及び高温のせん断強度を高める観点から、カルボン酸成分全量基準で、モノカルボン酸が0モル当量%以上50モル当量%以下、重合脂肪酸が50モル当量%以上100モル当量%以下であることが好ましく、モノカルボン酸が0モル当量%以上35モル当量%以下、重合脂肪酸が65モル当量%以上100モル当量%以下であることがより好ましく、モノカルボン酸が0モル当量%以上20モル当量%以下、重合脂肪酸が80モル当量%以上100モル当量%以下であることがさらに好ましく、モノカルボン酸が5モル当量%以上18モル当量%以下、重合脂肪酸が82モル当量%以上95モル当量%以下であることがさらに好ましく、モノカルボン酸が6モル当量%以上15モル当量%以下、重合脂肪酸が85モル当量%以上94モル当量%以下であることがさらに好ましい。
ポリアミドBに関して、カルボン酸成分を構成するモノカルボン酸と、重合脂肪酸とを組み合わせて使用する場合には、その配合割合は、軟化点と180℃の溶融粘度を調整し、剛性を高める観点から、カルボン酸成分全量基準で、モノカルボン酸が0モル当量%以上50モル当量%以下、重合脂肪酸が50モル当量%以上100モル当量%以下であることが好ましく、モノカルボン酸が0モル当量%以上35モル当量%以下、重合脂肪酸が65モル当量%以上100モル当量%以下であることがより好ましく、モノカルボン酸が0モル当量%以上20モル当量%以下、重合脂肪酸が80モル当量%以上100モル当量%以下であることがさらに好ましく、モノカルボン酸が4モル当量%以上18モル当量%以下、重合脂肪酸が82モル当量%以上96モル当量%以下であることがさらに好ましく、モノカルボン酸が5モル当量%以上15モル当量%以下、重合脂肪酸が85モル当量%以上95モル当量%以下であることがさらに好ましい。
また、縮重合反応の他方の原料であるアミン化合物としては、ポリアミン、アミノカルボン酸、アミノアルコールなどが挙げられる。ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミンなどの脂肪族トリアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンなどの芳香族ジアミン、ピペラジン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミンが挙げられる。アミノカルボン酸としては、メチルグリシン、トリメチルグリシン、6−アミノカプロン酸δ−アミノカプリル酸、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。アミノアルコールとしては、エタノールアミン、プロパノールアミンなどが挙げられる。
これら原料として使用される各化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
これらのカルボン酸成分とアミン成分とを縮合して得られるポリアミド樹脂A又はポリアミド樹脂Bであれば、本発明に用いるポリアミド樹脂A又はポリアミド樹脂Bに要求される軟化点及び溶融粘度などの特性を満たすものを容易に見出すことができる。
ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bの軟化点及び溶融粘度は、主にモノカルボン酸と重合脂肪酸を含むカルボン酸成分等それ以外のカルボン酸との仕込み比率により調整できる。前述に記載のとおり、モノカルボン酸の仕込み比率を減少させ、重合脂肪酸の仕込み比率を増加させることで軟化点が高くなり、溶融粘度も合わせて向上する傾向にある。
また、ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bの軟化点、溶融粘度は、構造の異なるアミン成分を併用することでも調整できる。構造の異なるアミン成分を2種類以上併用して得られたポリアミドは、単一のアミンを使用して得られたポリアミドと比較して、溶融粘度及び軟化点を調整することが可能となる。
アミン化合物として2種以上の脂肪族ポリアミンを含むアミン成分、最も好ましくは2種以上の脂肪族ジアミンから選ばれるアミン成分を用いて得られたポリアミド樹脂Aが、上述の性能に特に優れる。
脂肪族ジアミンとしては、炭素数2〜6の脂肪族ジアミンが好ましく、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが例示できる。また、芳香族ジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、メチレンビスクロロアニリン等を用いることができる。本発明においては特に2種以上の上述アミンを併用することが好ましく、これによってポリアミド分子同士のアミド基の配向性を調整することができ、これによって結晶性及び分子間相互作用が低減できることから、軟化点及び180℃溶融粘度の調製を容易に達成できる。中でもエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びメタキシリレンジアミンから選ばれる2種以上を含むことが好ましい。
次に、カルボン酸成分と共に用いるアミン成分に含まれるポリアミンとしては、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミンを用いることができる。とくにその他のアミン成分としては、好ましい180℃粘度と軟化点範囲に入る範囲で市販のモノアミン、トリアミン及びテトラミン等のポリアミンをジアミンに併用することができる。
防水層用材料に用いるポリアミド樹脂Aとして、好ましい180℃の溶融粘度と軟化点を得る観点から、アミン成分は脂肪族ジアミンとすることが好ましく、用いる脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミンとヘキサメチレンジアミンが好ましく、最適な軟化点を得る観点からアミン成分全量基準で、エチレンジアミンが30モル当量%以上70モル当量%以下、ヘキサメチレンジアミンが30モル当量%以上70モル当量%以下であることが好ましく、エチレンジアミンが40モル当量%以上60モル当量%以下、ヘキサメチレンジアミンが40モル当量%以上60モル当量%以下であることがより好ましい。
ポリアミド樹脂Bとして、好ましい180℃の溶融粘度と軟化点を得る観点から、アミン成分は脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンと併用することが好ましく、用いる脂肪族ジアミンとしてはエチレンジアミンが好ましく、芳香族ジアミンとしてはメタキシリレンジアミンが好ましく、最適な軟化点を得る観点からアミン成分全量基準で、エチレンジアミンが60モル当量%以上100モル当量%以下、メタキシリレンジアミンが40モル当量%以上0モル当量%以下であることが好ましく、エチレンジアミンが70モル当量%以上95モル当量%以下、メタキシリレンジアミンが30モル当量%以上5モル当量%以下であることがより好ましく、エチレンジアミンが80モル当量%以上90モル当量%以下、メタキシリレンジアミンが20モル当量%以上10モル当量%以下であることが更に好ましい。
ポリアミド樹脂A及びポリアミド樹脂Bは、上述の各原料化合物を公知の反応条件下で縮合反応させることにより製造することができる。例えば、カルボン酸成分とポリアミン化合物などのアミン成分とをモル当量比(カルボン基/アミノ基)1.0/1.2〜1.2/1.0で混合、加熱し、例えば、180〜250℃で縮合反応させればよい。
[防水層用材料を用いて接着防水層を形成する方法]
次に、本実施形態に係る防水層用材料を用いて接着防水層を形成する方法について説明する。
防水層用材料が上述したポリアミド樹脂Aの単体からなる場合には、上述のポリアミド樹脂Aは、工場等において予めブロック状、シート状、フレーク状又はペレット状に加工したものを用いることができる。
本実施形態に係る防水層用材料を道路橋の床版に使用する場合には、フレーク状又はペレット状のポリアミド樹脂単体からなる防水層用材料を、施工現場において、溶解釜に投入し、約200℃前後の温度に加熱して溶融させて、道路橋の床版表面に、レーキ及び刷毛等を用いて塗布する。
防水層用材料がポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物である場合には、防水層用材料は、工場等において予め、ポリアミド樹脂A及びアスファルトを加熱混合した後、数kg〜10kg程度のブロック状又はシート状に成型した後、冷却したものを用いることができる。
本実施形態に係る防水層用材料を道路橋の床版に使用する場合には、数kg〜10kg程度のブロック状又はシート状に成型された防水層用材料を、施工現場において、溶解釜に投入し、約200℃前後の温度に加熱して溶融させて、道路橋の床版表面に、レーキ及び刷毛等を用いて塗布する。
防水層用材料の塗布に際して、ポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物の180℃における溶融粘度は、施工性を確保する観点から、好ましくは2000mPa・s以下、より好ましくは1900mPa・s以下、さらに好ましくは1800mPa・s以下、さらに好ましくは1700mPa・s以下である。
ポリアミド樹脂Aは、石油系の溶剤に不溶である。すなわち、ポリアミド樹脂Aは、アスファルトにも不溶である。このため、ポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物中でポリアミド樹脂Aは、ポリアミド樹脂Aの割合が50質量%未満の場合には、アスファルト中にポリアミド樹脂Aが細かく分散した状態で存在する。一方、ポリアミド樹脂Aの割合が50質量%以上の場合には、ポリアミド樹脂A中にアスファルトが細かく分散した状態で存在する。
本実施形態に係る防水層用材料を道路橋の床版に使用する場合には、防水層用材料を床版に塗布する前に、道路橋の床版の表面に、床版の材質に応じたプライマー層を形成してもよい。プライマー層として適用可能な材料としては、アスファルト溶剤系、石油樹脂溶剤系、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂系、メタクリル樹脂系等が挙げられる。プライマー層の材料は、床版の種類、床版表面の状態、要求される防水条件等に応じて使い分けることができる。
防水層用材料がポリアミド樹脂Aの単体からなる場合、及びポリアミド樹脂とアスファルトとの混合物である場合のいずれも、床版への塗布量は、0.5kg/m以上5.0kg/m以下であることが好ましい。塗布量が0.5kg/m以上であれば、床版に十分な防水性を付与することができる。塗布量が5.0kg/m以下、より好ましくは3.0kg/m以下であれば、防水層用材料が床版との接着面とは反対側のアスファルト混合物層の表面ににじみ出すこともなく、かつ防水層の耐変形性及び床版とアスファルト混合物層との界面における接着性を低下させることがない。
防水層用材料であるポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物の軟化点は、150℃程度であるアスファルト混合物からの伝熱により溶解させる必要がある観点から、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。また、防水層用材料であるポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物の軟化点は、夏季の舗装体の温度が60℃程度になることを鑑み、強度発現の観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上である。
塗布した防水層用材料に含まれるポリアミド樹脂Aは、その軟化点付近で速やかに固化する。したがって、60℃以下程度である供用温度における高温領域では、ポリアミド樹脂Aは、樹脂の性質を発揮し、優れた接着強度を実現する。
塗布した防水層用材料の上には、ポリアミド樹脂Bを混合したアスファルト混合物を施工する。施工するアスファルト混合物は、ポリアミド樹脂Bを30質量%以上70質量%以下の割合で添加したアスファルトを用いた高強度のアスファルト混合物である。
アスファルト混合物は、様々な骨材粒度のものを適用することが可能である。粒度には、舗装設計施工指針(日本道路協会発刊)及び舗装施工便覧(日本道路協会発刊)に記載されるもの等がある。
アスファルト混合物には、ストレートアスファルト及びポリマー改質アスファルトを用いることができる。通常、アスファルト量は、骨材粒度に応じて4.0質量%以上8.0質量%以下の間で配合設計により最適アスファルト量が定められる。本発明において、アスファルト混合物は、最適アスファルト量のうち30質量%以上70質量%以下をポリアミド樹脂Bで置き換えたものであることが好ましい。
アスファルト混合物は、アスファルト混合物製造工場にて、180℃前後の温度で加熱され製造される。製造されたアスファルト混合物は施工現場に運搬され、150℃以上の高温で敷均される。事前に鋼製床版上に塗布した防水層用材料にアスファルト混合物が接触すると、熱交換により塗布した防水層用材料は速やかに溶融する。施工時にローラで転圧した際に、床版とアスファルト混合物との界面において、溶融した防水層用材料は、床版とアスファルト混合物とを結着して一体化し、床版を補強する効果を発揮すると共に、防水性能を有した接着防水層を形成する。
アスファルト混合物に混合されたポリアミド樹脂Bは、石油系の溶剤に不溶である。すなわち、アスファルト混合物は、石油系油に不溶であり、耐油性を有するため、道路に車両からの燃料及び積荷の石油系油が漏れた場合においても走行に支障をきたす破損を生ずることはない。
以上のように、接着防水層を形成した床版舗装構造によれば、通常の塗膜型アスファルト防水層とアスファルト舗装の組み合わせとなんら変わりなく施工でき、使用材料のみを変えることで床版の補強を可能にすることができる。
また、以上のように、接着防水層を形成した床版舗装構造によれば、既設床版の老朽化に対しては、耐久性を向上させて延命措置とすることが可能となり、新設の床版においても長寿命化を可能とすることができる
また、以上のように、接着防水層を形成した床版舗装構造によれば、SFRCと比較すると床版補強効果は劣るものの、SFRCより施工性に優れ、安価である。また、当該床版舗装構造は、アスファルト舗装であるため補修も容易であり、SFRCに比べ補修時間を大幅に削減できる。
次に、本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。本発明は、これらの例によって限定されない。
[ポリアミド樹脂の製造]
<ポリアミド樹脂A1>
ポリアミド樹脂A1(ポリアミド樹脂A)は、オレイン酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させて得られたものである。ポリアミド樹脂A1は、特許第4580457号公報の段落[0032]に記載された製造方法に準拠して合成した。
すなわち、原料となる、オレイン酸及び重合脂肪酸を含むカルボン酸成分と、アミン成分との混合物を温度計、撹拌系、脱水管及び窒素吹き込み管を備えた四つ口丸底フラスコに入れ、該混合物を撹拌し、着色防止のために僅かの窒素を流した後、210℃で3時間反応させた。さらに減圧下(13.3kPa)で2時間反応させた後、冷却し、粉砕してポリアミド樹脂A1を得た。
それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりオレイン酸が0.07モル当量(全体原料に占める割合4モル当量%、括弧内、以下同じ)、重合脂肪酸が0.93モル当量(46モル当量%)であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.50モル当量(25モル当量%)、ヘキサメチレンジアミンが0.50モル当量(25モル当量%)である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で、1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂A1の軟化点は82℃であり、180℃溶融粘度は1800mPa・sであった。
<ポリアミド樹脂B1>
ポリアミド樹脂B1(ポリアミド樹脂B)は、オレイン酸、プロピオン酸及び重合脂肪酸(ハリマ化成社製、「ハリダイマー250」)を含むカルボン酸成分と、エチレンジアミン及びメタキシリレンジアミンからなるアミン成分とを縮合させた以外は、ポリアミド樹脂A1と同様の方法により得た。
それぞれの含有割合は、カルボン酸成分については、カルボン酸成分1モル当量あたりオレイン酸が0.05モル当量(2モル当量%)、プロピオン酸が0.02モル当量(1モル当量%)、重合脂肪酸が0.94モル当量(47モル当量%)であり、アミン成分については、アミン成分1モル当量あたりエチレンジアミンが0.90モル当量(45モル当量%)、メタキシリレンジアミンが0.10モル当量(5モル当量%)である。また、カルボン酸成分とアミン成分の割合は、モル当量比(カルボン酸成分/アミン成分)で1.0/1.0である。
ポリアミド樹脂B1の軟化点は108℃であり、180℃溶融粘度は2000mPa・sであった。
<アスファルト混合物の種類と配合>
《アスファルト混合物a》
・最大粒径13mmの骨材を使用した砕石マスチックアスファルト混合物
・最適アスファルト量=5.5質量%
・バインダとして、ポリマー改質アスファルトH型を使用
《アスファルト混合物b》
・最大粒径5mmの骨材を使用した砕石マスチックアスファルト混合物
・最適アスファルト量=7.0質量%
・バインダとして、ポリマー改質アスファルトII型を使用
《アスファルト混合物c》
・最大粒径13mmの骨材を使用した砕石マスチックアスファルト混合物
・最適アスファルト量=6.5質量%
・バインダとして、ポリマー改質アスファルトII型を60質量%使用し、ポリアミド樹脂B1を40質量%使用
《アスファルト混合物d》
・最大粒径5mmの骨材を使用した砕石マスチックアスファルト混合物
・最適アスファルト量=6.5質量%
・バインダとして、ポリマー改質アスファルトII型を60質量%使用し、ポリアミド樹脂B1を40質量%使用
《SFRC》
・SFRC:SFRC(超速硬型)の配合を表1に示す。
・セメントの種類は、SFRCに一般的に用いられている超速硬セメントとした。
<タックコートに使用した材料>
・PK−M:タイヤ付着抑制乳剤(東亜道路工業株式会社製、製品名「タックファインE」)
<その他の材料>
・プライマー:エポキシ樹脂系又はアスファルト溶剤系
・防水層用材料:アスファルト塗膜系又はポリアミド樹脂A
・珪砂:5号珪砂
[評価方法]
実施例と比較例の床版舗装構造を下記の方法に従って評価した。
<複合供試体の単純曲げ試験>
《供試体の作製》
(1)鋼板の設置
縦400mm×幅300mmの型枠に、プライマーと防水層を施した縦399mm×幅95mm×厚さ12mmの鋼版3枚を約5mmの隙間を開けて型枠内に並べる。
(2)基層の設置
型枠内に並べた鋼版の上に、加熱混合した基層(アスファルト混合物層)の作製に用いるアスファルト混合物を所定量敷き均し、ローラコンパクタで所定の密度まで転圧する。
なお、比較例3については、鋼板に接着材を塗布したのち1時間以内にSFRCの打設を行った。
(3)タックコート
基層(アスファルト混合物層)の表面温度が50℃以下になったらタックコートを散布する。
なお、実施例1〜3、6の場合は、1層施工となるのでタックコートは施さない。
(4)表層の設置
タックコートの乾燥が終了したら、加熱混合した表層(アスファルト混合物層)の作製に用いるアスファルト混合物を所定量敷き均し、ローラコンパクタで所定の密度まで転圧する。
ここで、表層とは、基層上に設けられるアスファルト混合物層のうち、最表面を構成するアスファルト混合物層のことをいう。
(5)供試体の切り出し
表層(アスファルト混合物層)の温度が室温まで下がったら、鋼版の隙間に沿ってダイヤモンドカッターで混合物を切り離し、3個の供試体に分割する。
《単純曲げ試験方法》
万能試験機を用い、作製した供試体の鋼版を下面にし、スパン長30cmで下部から2点支持し、中央部を上部から点載荷する。載荷速度は、50mm/minの一定とした。試験温度は、23℃と60℃とし、試験前に供試体が試験温度となるように10時間以上の養生を行う。
単純曲げ試験から、代表的に図2に示すような形状の測定チャートが得られる。測定チャートより、最大荷重発生時の応力を最大応力として供試体寸法から算出した。試験結果は3個の供試体の測定値の平均値とした。
《最大応力の評価》
実施例と比較例の床版舗装構造の評価のための複合供試体による単純曲げ試験で得られた最大応力について、次の基準で分類した。
A:20MPa以上
B:10MPa以上20MPa未満
C:4.5MPa以上10MPa未満
D:4.5MPa未満
<大型供試体を用いた静荷重試験>
《供試体の作製》
(1)鋼板の準備
表2に示す寸法の鋼製床版上に、ショットブラストを150kg/mの投射密度で行った後、プライマーと接着防水層を構築した。
(2)基層混合物の施工
加熱混合した基層(アスファルト混合物層)の作製に用いるアスファルト混合物を所定量敷き均し、ローラで所定の密度まで転圧する。
なお、比較例3については、プライマー上に接着材を塗布したのち1時間以内にSFRCの打設を行った。
(3)タックコート
基層(アスファルト混合物層)の表面温度が50℃以下になったらタックコートを散布する。
なお、実施例6の場合は、1層施工となるのでタックコートは施さない。
(4)表層の設置
タックコートの乾燥が終了したら、加熱混合した表層(アスファルト混合物層)の作製に用いるアスファルト混合物を所定量敷き均し、ローラで所定の密度まで転圧した。
《静的載荷試験》
実施例と比較例の床版舗装構造となるように、デッキプレート上に各舗装材料を敷設した。デッキプレート上に敷設した舗装材料の試験時温度は、23℃及び50℃に保ち、それぞれの温度で1ケースの試験を実施した。
静的載荷試験は、200mm×200mmの鋼板である載荷板で行う。載荷板10は、図3に示すように、載荷面11が2面となるように、100mmの間隔で配置する。載荷板10の下には、試験体表面の不陸を吸収し、載荷荷重が等分布となるように、厚さ30mm程度の硬質のゴム板12を置く。
荷重は、載荷面が2面で最大200kNとし、0kN、50kN、100kN、150kN、200kNの階段状漸増載荷とした。荷重は、供試体中央付近のUリブウェブを跨ぐ2面載荷となるように載荷梁13を乗せた。
舗装舗設前の静的載荷試験結果を基本として、載荷した時にUリブに生じるひずみから応力を算出し、舗設後と舗設前の応力比を算出した。応力比が低ければ補強効果が高い。
《最大応力の評価》
実施例と比較例の床版舗装構造の評価のための大型供試体を用いた静的載荷試験で得られた舗設前との応力比について、次の基準で分類した。
A:0.5未満
B:0.5以上0.6未満
C:0.6以上0.7未満
D:0.7以上
<接着防水層のせん断試験>
せん断試験は、道路橋床版防水便覧(日本道路協会、平成19年3月発刊、p.132〜134)に記載された方法に準拠して実施した。試験温度は、60℃で実施した。試験温度60℃のせん断強度は当該便覧に規定されていないが、温度が高くなるほど従来のアスファルト系防水材は接着力が低下するため、60℃における接着強度が23℃に要求される接着強度以上であれば高温での接着強度に優れていることとなる。接着防水材のせん断強度は、試験温度60℃において、0.15MPa以上であることが好ましく、変位量が1.0mm以上であることが好ましい。
《せん断強度の評価》
実施例と比較例の床版舗装構造における接着防水層のせん断強度(試験温度60℃)について、次の基準で分類した。
A:0.6MPa以上
B:0.3以上0.6MPa未満
C:0.15MPa以上0.3MPa未満
D:0.15MPa未満
<表基層混合物の施工時間の評価>
実施例と比較例の床版舗装構造の基層及び表層の施工時間の合計について、次の基準で分類した。
なお、床版舗装構造は、幅員6m×延長100mの単路部を想定した。
A:4時間未満
B:4時間以上8時間未満
C:8時間以上12時間未満
D:12時間以上
<混合物のリサイクル性>
実施例と比較例の床版舗装構造に用いた材料のリサイクル性について、次の基準で分類した。
○:アスファルト混合物及びセメントコンクリートに再利用可能
×:アスファルト混合物及びセメントコンクリートに再利用不可
[実施例1]
上述のようにして得られたポリアミド樹脂A1及びポリアミド樹脂B1を用いて実施例1の供試体を作製した。
すなわち、所定の鉄板にエポキシ系のプライマー(セメダイン株式会社製、型番「EP−29」)を0.3kg/m塗布し、硬化する前に珪砂を2kg/m散布して硬化させた。
その後、防水層用材料として、ポリアミド樹脂A1を180℃に加熱したものを金属製のヘラで均しながら塗布(0.1kg/m)して接着防水層を形成し、硬化する前に珪砂を2kg/m散布して常温になるまで放置した。
次に、接着防水層の上に、アスファルト混合物dを150℃の温度で敷均して4cmの厚みの基層(アスファルト混合物層)を形成した。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表3に示す。
[実施例2]
実施例1で、防水層用材料の塗布量が2.0kg/mとした以外は実施例1と同様にして、実施例2の供試体を得た。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表3に示す。
[実施例3]
実施例1で、防水層用材料の塗布量が5.0kg/mとした以外は実施例1と同様にして、実施例3の供試体を得た。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表3に示す。
[実施例4]
上述のようにして得られたポリアミド樹脂A1及びポリアミド樹脂B1を用いて実施例4の供試体を作製した。
すなわち、所定の鉄板にエポキシ系のプライマー(セメダイン株式会社製、型番「EP−29」)を0.2kg/m塗布し、硬化する前に珪砂を2kg/m散布して硬化させた。
その後、防水層用材料として、ポリアミド樹脂A1を180℃に加熱したものを金属製のヘラで均しながら塗布(2.0kg/m)して接着防水層を形成し、常温になるまで放置した。
次に、接着防水層の上に、アスファルト混合物dを150℃の温度で敷均して4cmの厚みの基層(アスファルト混合物層)を形成した。
次に、基層の上に、PK−Mを0.4kg/m塗布し、タックコートを施した。
次に、タックコート上に、アスファルト混合物aを150℃の温度で敷均して4cmの厚みの表層(アスファルト混合物層)を形成した。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表4、表6、表7に示す。
[実施例5]
実施例4で、表層(アスファルト混合物層)がアスファルト混合物cを敷均して形成したこと以外は実施例4と同様にして、実施例5の供試体を得た。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表4、表6、表7に示す。
[実施例6]
上述のようにして得られたポリアミド樹脂A1及びポリアミド樹脂B1を用いて実施例6の供試体を作製した。
すなわち、縦30cm×横30cm×厚さ12mmの鉄板にエポキシ系のプライマー(セメンダイン株式会社製、型番「EP−29」)を0.2kg/m塗布し、硬化する前に珪砂を2kg/m散布して硬化させた。
その後、防水層用材料として、ポリアミド樹脂A1を180℃に加熱したものを金属製のヘラで均しながら塗布(2.0kg/m)して接着防水層を形成し、常温になるまで放置した。
次に、接着防水層の上に、アスファルト混合物cを150℃の温度で敷均して8cmの厚みの基層及び表層に該当するアスファルト混合物層を形成した。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表4、表6、表7に示す。
[比較例1]
まず、所定の鉄板にアスファルト溶剤系のプライマー(東亜道路工業株式会社製、型番「シビルスターS」)を0.3kg/m塗布して硬化させた。
その後、防水層用材料として、アスファルト塗膜系を180℃に加熱したものを金属製のヘラで均しながら塗布(1.2kg/m)して防水層を形成し、硬化する前に珪砂を2kg/m散布して常温になるまで放置した。
次に、接着防水層の上に、アスファルト混合物bを150℃の温度で敷均して4cmの厚みの基層(アスファルト混合物層)を形成した。
次に、基層の上に、PK−Mを0.4kg/m塗布し、タックコートを施した。
次に、タックコート上に、アスファルト混合物aを150℃の温度で敷均して4cmの厚みの表層(アスファルト混合物層)を形成した。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表5〜7に示す。
[比較例2]
比較例1で、基層(アスファルト混合物層)がアスファルト混合物dを敷均して形成したこと及び表層(アスファルト混合物層)がアスファルト混合物cを敷均したこと以外は比較例1と同様にして、比較例2の供試体を得た。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表5〜7に示す。
[比較例3]
まず、所定の鉄板にエポキシ系のプライマー(セメダイン株式会社製、型番EP−29)を1.4kg/m塗布して硬化させた。
次に、プライマー上に接着材(鹿島道路株式会社製、製品名「KSボンド」)を塗布したのち1時間以内にSFRCの打設を行った
次に、SFRC上に、PK−Mを0.4kg/m塗布し、タックコートを施した。
次に、タックコート上に、アスファルト混合物aを150℃の温度で敷均して4cmの厚みの表層(アスファルト混合物層)を形成した。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表5〜7に示す。
[比較例4]
実施例4で、基層(アスファルト混合物層)がアスファルト混合物bを敷均して形成したこと以外は実施例4と同様にして、比較例4の供試体を得た。
得られた供試体を上述した評価方法により評価した。結果を表5、表6に示す。
防水層用材料にポリアミド樹脂A1(ポリアミド樹脂A)を含有し、基層(アスファルト混合物層)を形成するアスファルト混合物にポリアミド樹脂B1(ポリアミド樹脂B)を含有している実施例1〜6では、高温のせん断強度が優れていることがわかる。また、実施例4〜6は、施工時間、リサイクル性、単純曲げ試験で得られた最大応力、及び大型供試体を用いた静的載荷試験で得られた舗設前との応力比の全てにおいて優れていることがわかる。なお、実施例1〜3では、室内試験用の供試体(小型)のみを作成したので施工時間及びリサイクル性の評価を行わなかった。
防水層用材料にポリアミド樹脂A1(ポリアミド樹脂A)を含有していない比較例1及び2では、高温のせん断強度が低下することがわかる。
基層(アスファルト混合物層)を形成するアスファルト混合物にポリアミド樹脂B1(ポリアミド樹脂B)を含有していない比較例1及び4では、単純曲げ試験で得られた最大応力が低い値であった。また、比較例1では、大型供試体を用いた静的載荷試験で得られた舗設前との応力比が低かった。
SFRCの打設を行った比較例3では、施工が困難であるため施工に長時間を要し、SFRCで使用した材料がアスファルト混合物等に再利用できないので、施工時間及びリサイクル性の評価が悪かった。

Claims (4)

  1. 鋼製の道路橋床版を補強する床版舗装構造であって、
    該床版舗装構造が、前記道路橋床版上に、防水層用材料を用いて形成される接着防水層を有し、
    該床版舗装構造が、前記接着防水層上に、アスファルト混合物を用いて形成されるアスファルト混合物層を有し、
    前記防水層用材料は、前記ポリアミド樹脂A、又は前記ポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物を含み、
    前記防水層用材料が、前記ポリアミド樹脂Aとアスファルトとの混合物を含む場合、前記防水層用材料に含まれる、前記ポリアミド樹脂Aと前記アスファルトとの合計質量基準で、前記防水層用材料に含まれる前記ポリアミド樹脂Aの配合割合が5質量%以上であり、
    前記アスファルト混合物が、ポリアミド樹脂Bを含み、
    前記アスファルト混合物層は、前記アスファルト混合物に含まれるアスファルトの30質量%以上70質量%以下が前記ポリアミド樹脂Bで置換されている、床版舗装構造。
  2. 鋼製の道路橋床版を補強する床版舗装構造であって、
    該床版舗装構造が、前記道路橋床版上に、防水層用材料を用いて形成される接着防水層を有し、
    該床版舗装構造が、前記接着防水層上に、アスファルト混合物を用いて形成されるアスファルト混合物層を有し、
    前記防水層用材料が、ポリアミド樹脂を含み、
    前記防水層用材料に含まれる前記ポリアミド樹脂Aは、軟化点が70℃以上130℃以下であり、
    前記アスファルト混合物が、ポリアミド樹脂Bを含み、
    前記アスファルト混合物に含まれる前記ポリアミド樹脂Bは、軟化点が90℃以上130℃以下である、床版舗装構造。
  3. 鋼製の道路橋床版を補強する床版舗装構造であって、
    該床版舗装構造が、前記道路橋床版上に、防水層用材料を用いて形成される接着防水層を有し、
    該床版舗装構造が、前記接着防水層上に、アスファルト混合物を用いて形成されるアスファルト混合物層を有し、
    前記防水層用材料が、ポリアミド樹脂を含み、
    前記防水層用材料に含まれる前記ポリアミド樹脂Aは、180℃における溶融粘度が9,000mPa・s以下であり、
    前記アスファルト混合物が、ポリアミド樹脂Bを含み、
    前記アスファルト混合物に含まれる前記ポリアミド樹脂Bは、180℃における溶融粘度が100mPa・s以上2,000mPa・s以下である、床版舗装構造。
  4. 前記接着防水層の塗布量は、0.5kg/m以上5.0kg/m以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の床版舗装構造。
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