JP6214884B2 - 能動消音装置および能動消音方法 - Google Patents

能動消音装置および能動消音方法 Download PDF

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本発明の実施形態は,能動消音装置および能動消音方法に関する。
吸音材などのパッシブな騒音対策が効果的でない環境下において,低周波騒音を低減する仕組みとして,能動消音技術(ANC:active noise control)が知られている。能動消音技術では,制御フィルタを用いて,騒音と同振幅,逆位相の信号を作成し,制御スピーカから出力することで,当該騒音を打ち消す。能動消音技術は,自動車などのロードノイズを低減する機器や,医療機器が発生する騒音を低減する機器,ノイズキャンセルイヤホンなどに適用されている。
ここで,騒音状態等の変化に対応するために,例えば,Filtered-x法,あるいは直接法により,制御フィルタを更新するのが一般的である。
ところで,制御フィルタの更新に際して,収束速度と発散性の両立(発散せずに収束を速めること)は必ずしも容易でない。例えば,Filtered-x法において,制御フィルタの更新の制御パラメータ(ステップサイズ)を大きくすると,収束が速くなるが(制御効果が速く得られる),発散する可能性が増大する。一方,制御パラメータを小さくすると,発散の可能性は低下するが,収束が遅くなる(制御効果が得られるまでの時間がかかる)。
定常音の場合,おおよその音圧が予め判っている。このため,事前検討により,制御フィルタの更新時の収束速度と発散性を両立することは,比較的容易である。しかし,騒音が打撃音などの非定常音の場合,毎回音圧が異なり,かつ時間と共に音圧が急激に変化することから,制御フィルタの更新時の収束速度と発散性の両立は,より困難となる。
特開2012−247738号公報
本発明は,制御フィルタの更新時の収束速度と発散性の両立を図った能動消音装置および能動消音方法を提供することを目的とする。
実施形態の能動消音装置は、制御対象音に対応する参照信号を生成する参照マイクと,前記参照信号から制御信号を生成するフィルタと,前記制御信号から制御音を生成する制御スピーカと,前記制御対象音と前記制御音の合成音に対応する誤差信号を生成する誤差マイクと,前記誤差信号を最小にするように,前記フィルタを更新するフィルタ更新部と,区分された周波数範囲毎での,前記誤差信号の強度と基準強度の差,の総和に基づいて,前記更新の制御パラメータを変化させる調整機構と,を具備する。
第1の実施形態に係る能動消音装置10を表すブロック図である。 ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。 ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。 ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。 ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。 第2の実施形態に係る能動消音装置20を表すブロック図である。 ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。 ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。 ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。 二次経路の伝達特性を表す図である。 二次経路の周波数特性を表す図である。 騒音(制御対象音)信号の一例を表す図である。 消音処理後の騒音信号の時間変化の一例を表す図である。 消音処理前後の騒音信号の周波数特性の一例を表す図である。 更新による騒音信号の変化の一例を表す図である(消音処理時)。 更新による騒音信号の変化の一例を表す図である(非消音処理時)。 消音処理後の騒音信号の時間変化の一例を表す図である。 消音処理前後の騒音信号の周波数特性の一例を表す図である。 更新による騒音信号の変化の一例を表す図である。 消音処理後の騒音信号の時間変化の一例を表す図である。 消音処理前後の騒音信号の周波数特性の一例を表す図である。 更新による騒音信号の変化の一例を表す図である。 1回目の更新前後での騒音信号の周波数特性の一例を表す図である。 ステップサイズμの時間的変化の一例を表す図である。 消音処理前後の騒音信号の周波数特性の一例を表す図である。 1回目の更新に係る消音処理前後の騒音信号の周波数特性の一例を表す図である。 更新による騒音信号の変化の一例を表す図である。
以下,図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示す第1の実施形態の能動消音装置10は,Filtered−x法に対応するものであり,参照マイク11,制御フィルタ12,制御スピーカ13,誤差マイク14,フィルタ更新部15,経路同定フィルタ16,ステップ調節機構17を有する。
参照マイク11は,騒音源sからの音(制御対象音)を受けて,参照信号rを生成する。ここで,騒音源sから参照マイク11の出力側に至る経路の伝達特性は,伝達特性G2で表される。
制御フィルタ12,経路同定フィルタ16は,デジタルフィルタであり,例えば,FIR(finite impulse response)フィルタで定義できる。
制御フィルタ12は,参照信号rから制御信号uを生成する。制御信号uは,騒音源sの音を相殺するための信号である。制御フィルタ12は,フィルタ更新部15により更新される。
制御スピーカ13は,制御信号uから制御音を生成する。
誤差マイク14は,騒音源sからの制御対象音及び制御スピーカ13からの制御音の合成音に対応する誤差信号eを生成する。ここで,騒音源sから誤差マイク14の出力側に至る経路の伝達特性は,伝達特性G1で表される。また,制御フィルタ12の出力側から誤差マイク14の出力側に至る経路の伝達特性は,伝達特性G4で表される。
経路同定フィルタ16は,参照信号rを補助信号xに変換する。経路同定フィルタ16は,制御フィルタ12の出力側から,制御スピーカ13を経て,誤差マイク14の出力側に至る経路の伝達特性G4に対応する伝達特性を有するフィルタ(二次経路同定フィルタ)である。Filtered-x法では,経路特定フィルタ16は,二次経路の同定により特定される固定値が用いられる。
フィルタ更新部15は,補助信号xを用いて,誤差信号eを最小にするように,制御フィルタ12を更新する。この更新に,経路同定フィルタ16からの信号が用いられる。
フィルタ更新部15は,具体的には,次の式(1)を用いて制御フィルタ12を更新する。
Figure 0006214884
この式(1)は,LMS(Least Mean Square)方式の基本更新式である。
e(t):誤差信号
φ(t):補助信号xの時系列ベクトル
(=[x(t),x(t−1),…,x(t−p+1)]
θ(t):制御フィルタ12のFIR表記
(=[θ1,θ2,…,θp]
p: 制御フィルタ12のフィルタ長
μ:ステップサイズ(更新の制御パラメータ)
式(1)において,定常音の場合に,平均二乗誤差が収束するステップサイズμの範囲は,理論上,次の式(2)で表される。
0<μ<1/(3pσ ) ……式(2)
σ : 補助信号xの分散
NLMS(Normalized Least Mean Square)型の更新式は,次の式(3)で表される。NLMS法は,補助信号xの分散に応じ,ステップサイズμを調整する手法である。
Figure 0006214884
この場合,式(2)の関係からステップサイズαの範囲は,理論上,次の式(4)で表される。
α<1/3 ……式(4)
ステップ調節機構17は,ステップサイズμを調節して,制御フィルタ12の更新時の収束速度と発散性の両立を図る。
ステップサイズμを大きくすると,制御効果が得られるまでの時間が短くなる(収束が速い)が,発散の可能性が増大する傾向がある。一方,ステップサイズμを小さくすると,発散の可能性は減少するが,制御効果が得られるまでの時間が多くかかる(収束が遅い)。
ステップサイズμを可変にすることで,収束速度と発散性の両立が図られる。特に,音圧が急激に変化する打撃音のような非定常音では,ステップサイズμを可変にする意義が大きい。
(1)打撃音の開始時には,ステップサイズμは小さいことが望ましい。
打撃音の開始時は,参照マイク11からの参照信号r(ひいては,経路同定フィルタ16からの補助信号x)の強度が大きい。このため,更新式(式(1))の構成上,発散を引き起こす可能性が高くなる。(定常音の場合は,入力信号の分散を推定可能なため安定性は保障される。)このため,打撃音開始時ステップサイズは小さく設定することが望ましい。
(2)打撃音の減衰に合わせて,ステップサイズμを大きくすることが望ましい。
ステップサイズが小さいと制御効果が生じるまでに時間が長くかかるため,徐々に打撃音の減衰にあわせステップサイズを上げていく。
但し,ステップサイズμを上げすぎると,平均二乗誤差の収束条件が満たされなくなるため,収束条件を満たす値まで最終的には下げる必要がある。
以上のように,制御フィルタ12に対するステップサイズμは,はじめは小さい値を設定し,徐々に大きくし,収束が確認され始めた時点から小さくすることが好ましい。このときの上限や上げ方,下げ方は,制御対象音の性質を考慮して調節することが好ましい。
図2は,ステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。ここでは,動的にステップサイズμを変更している。なお,このフローを人的に行うことで,制御フィルタを更新しても良い。
(1)ステップサイズμの初期設定(ステップS11)
ステップサイズμの初期値を設定する。このとき,ステップサイズμの初期値を式(2)で平均二乗誤差の収束が理論的に保証されているステップサイズμの上限(1/(3pσ ))以下に設定することが好ましい。この設定は,定常音の場合に特に有効である。既述のように,NLMS更新の場合,ステップサイズαの上限は,1/3である。
(2)制御フィルタ12の更新計算(ステップS12)
式(1)または(3)によって,制御フィルタ12の更新計算を行う(θc(t)→θc(t+1))。
(3)区間分割(ステップS13)
誤差信号eを時間的に区分する。この分割には,種々の手法i),ii)を利用できる。分割が行われるごとに,「k=k+1」とする。
i)誤差信号eを適宜に設定した時間ts毎に区分する。これは定常音の場合に特に有効である。
ii)誤差信号eの変動を考慮して,時間的に区分する。これは,音圧の時間的変動の大きい非定常音の場合に有効である。暗騒音と同程度の音圧,暗騒音より大きく上回る音圧が繰り返される場合を考える。この場合,例えば,音圧が暗騒音より3dB以上,増大した時刻tlから所定の時間Δt前の時刻tl1(=tl−Δt),その後,音圧が低下し,暗騒音と同程度の音圧レベルが1s以上続いた時刻thを基準に,誤差信号eを切り出すことが考えられる。このようにすることで,非定常音の成分を有効に切り出すことができる。
(4)周波数分析(ステップS14)
区間分割された誤差信号eを周波数解析し,周波数成分に区分する。誤差信号eの周波数範囲を複数の周波数バンド(例えば,1/3オクターブ)に区分し,周波数バンドi毎に音圧レベルfe(i)を求める。
即ち,周波数分析された誤差信号eは,次のように表される。
fe(i): 周波数バンドiにおける誤差信号eの音圧レベル
以降,表記の簡単化のため,「周波数バンドi」を「バンドi」と記す。
(5)誤差信号eが許容範囲を越えたか(ステップS15)
誤差信号eが許容範囲を越えたかが判断される。これは,増音、発散の有無の判定の一種である。例えば,誤差信号eの周波数範囲の少なくとも一部(バンドiのいずれか)において,誤差信号の強度(fe(i))が基準強度fs1(i)より大きい場合(fe(i)>fs1(i))に,誤差信号eが許容範囲を超えたと判断される。
基準強度fs1(i)は,種々の手法i),ii)で設定できる。
i)基準強度fs1(i)をバンドi毎の固定値とすることができる。これは,定常音の場合,または特性が近似する非定常音が繰り返される場合に有効である。
例えば,非制御状態のときに誤差マイク14で騒音信号を取得し,周波数特性を解析し(1/3,1/1オクターブ解析など),推定騒音信号fd(i)を求める。そして,次の式(5)により,基準強度fs1(i)を設定する。
fs1(i)=fd(i)+a …… 式(5)
a: 許容増音範囲(3dB以下)
ii)基準強度fs1(i)を参照信号rによって変動する変動値としても良い。これは,一般的な非定常音に対して有効である。この場合,基準強度fs1(i)は,時間(区間分割の回数k)に依存することから,基準強度fs1(k,i)と標記することができる。
例えば,参照信号r,誤差信号e(ANC(能動消音制御)OFF時)のマップ(参照信号r,誤差信号eの対応関係を表す表等)を予め作成しておく。そして,このマップを用いて,参照信号rを周波数分析することで,推定騒音信号の周波数特性fd(k,i)を求める。そして,既述の式(5)により,基準強度fs1(k,i)を求める。なお,この詳細は後述する。
(6)ステップサイズμの減少(ステップS16)
誤差信号eが許容範囲を越えた場合,ステップサイズμを減少させ,増音や発散を防止する。なお,ステップサイズμに下限値μminを設け,ステップサイズμが下限値μminより小さくならないようにしても良い。
(7)誤差信号eが収束傾向か(ステップS17)
ここでは,区間分割における前の区間(k−1)と現在の区間(k)の制御効果を比較することで,誤差信号eが収束傾向かが判断される。例えば,誤差信号eの強度(fe(k,i))と基準強度fs2(k,i)の差の総和P(k)が,増加傾向の場合に,誤差信号eが収束傾向と判断できる。
即ち,次のように,誤差信号eの強度と基準強度の差の総和P(k)を求める。
P(k)
=ΣΔf(k,i)
=Σ(fs2(k,i)−fe(k,i))
そして,総和P(k)が,増加傾向か否かは,次の式を用いて判断できる。
P(k)>P(k−1)
なお,基準強度fs2(k,i)に前述の推定騒音信号fd(i)及びfd(k,i)を利用できる。
(8)ステップサイズμの増大(ステップS18)
誤差信号eが収束傾向の場合,ステップサイズμを増加させ,収束を促進する。なお,ステップサイズμに上限値μmaxを設け,ステップサイズμが上限値μmaxより大きくならないようにしても良い。
図3は,基準強度fs1(i),fs2(i)を固定とした場合のステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。
図3では,図2と比べ,ステップS21〜S24が追加されている。また,フラグF1,F2を用いて,手順が制御される。このため,ステップS11において,フラグF1,F2の初期値(F1,F2=0)が設定される。
フラグF1は,前回のステップサイズ変更時にステップサイズμが増加したか,減少したかを区別するためのものである(ステップS18,S16)。フラグF2は,最初のステップサイズ変更時にステップサイズμが減少したか否かを区別するためのものである(ステップS16)。
1回目のステップサイズ変更時には(k=1),誤差信号eが許容範囲を越えたか否かに基づいて,ステップサイズμが増加または減少される(ステップS15,S16,S23,S18)。即ち,1回目のステップサイズ変更のとき,誤差信号eが許容範囲を越えたときに,ステップサイズμが低減され,そうでなければ,ステップサイズμが増加される。
i)1回目のステップサイズ変更のときに,ステップサイズμが増加された場合
1回目のステップサイズ変更のときに,ステップサイズμが増加された場合,フラグF1,F2の初期値F1,F2=0が維持される(ステップS18)。この場合,次のステップサイズ変更の際に,誤差信号eが許容範囲を越えたときに,ステップサイズμが低減され(ステップS15,S16),誤差信号eが収束傾向のときに,ステップサイズμが増加される(ステップS17,S18)。
その後,前回のステップサイズ変更時に,ステップサイズμが減少された場合(ステップS16,F1=1),制御フィルタ12に変化が無いか否かが判断される(ステップS21,S22)。制御フィルタ12に変化が無い場合,ステップサイズμが減少され,そうでなければ,ステップサイズμがそのまま維持される(ステップS21,S22,S16)。また,前回のステップサイズ変更時に,ステップサイズμが減少されなかった場合誤差信号eが許容範囲を越えたときに,ステップサイズμが低減され(ステップS15,S16),誤差信号eが収束傾向のときに,ステップサイズμが増加される(ステップS17,S18)。
以上のように,1回目のステップサイズ変更のときに,ステップサイズμが増加された場合,一般的な傾向として,ステップサイズμが増加し,その後,減少し,さらに一定となる可能性が高い。
なお,制御フィルタ12の変化の有無は,次のようにして,判断できる。即ち,更新前後の制御フィルタ12をそれぞれ,周波数解析し(例えば,1/3オクターブ),周波数バンドi毎に値fc(k,i),fc(k−1,i)を求める。そして,これらの値fc(k,i),fc(k−1,i)の差Δfc(k,i)の絶対値(=|fc(k,i)−fc(k−1,i)|)が,全てのバンドiで,閾値b(例えば,1dB程度)以下であった場合に,更新の前後で制御フィルタ12に変化が無いとする。
ii)1回目のステップサイズ変更のときに,ステップサイズμが低減された場合
1回目のステップサイズ変更のときに,ステップサイズμが低減された場合,フラグF1=F2=1が設定される(ステップS16)。その後,誤差信号eが許容範囲を越えたときに,ステップサイズμが低減され(ステップS15,S16),そうでなければ,ステップサイズμは一定値に保たれる(ステップS24)。
以上のように,1回目のステップサイズ変更のときに,ステップサイズμが低減された場合,一般的な傾向として,ステップサイズμが減少し,その後,一定となる可能性が高い。
以上の点を除き,図3は図2と共通するので,詳細な説明を省略する。
図4は,基準強度fs1(i),基準強度fs2(i)を可変とした場合のステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。
この場合,ステップS11において,参照信号,誤差信号のマップ形成,およびハウリング経路の同定がなされる。また,擬似参照信号,擬似騒音信号を生成するステップS25,S26が追加されている。
(1)参照信号r,誤差信号eのマップ形成
1)ANC非制御時に参照信号r,誤差信号eから特徴的な複数の信号r(j),e(j)を切り出し(j=1,…,w)(wは特徴的な騒音の個数),それぞれ周波数特性を分析し(1/3,1/1オクターブ解析など),バンドiでの信号強度fr(j,i),fe(j,i)を求める(j個目の騒音信号に対する周波数バンドiでの音圧レベル)。
2)騒音信号jに対する参照信号の信号強度fr(j,i)に対して,全てのバンド(i=1,…,m)(m:バンドiの個数)の中で最大となる音圧レベルxjを全てのjに対して求める。
3)全てのバンドiに対して,fr(j,i),fe(j,i)を2)で求めた参照信号の最大音圧レベルxj分だけ低減させる。
4)以上のようにして求められたfr(j,i),fe(j,i)(j=1,…,w)(i=1,…,m)をマップと定義する。
なお,2),3)の処理は,以降に示す音圧レベルの変化傾向の比較を容易とするためのものである。
(2)ハウリング経路の同定
制御フィルタ12の出力側から,制御スピーカ13を経由し,参照マイク11の出力側に至る経路(ハウリング経路)での伝達特性Hを同定する。但し,ハウリングの影響がほとんど存在しない環境ではH=0として同定する必要はない。
(3)擬似参照信号ar(t)の生成
1)擬似参照信号ar(t)(時刻tl1(k)からth(k)に対応)を生成する。即ち,取得した参照信号r及び,同定したハウリング経路の伝達特性Hから,擬似参照信号を「r(t)−ζ・H」として求め,これを周波数分析し,バンドiでの信号強度afr(k,i)を求める。
H: 特性HのFIR表現(=[θH1,θH2,…,θHp]
ζ: 時刻tから(t−p+1)までの制御信号uのベクトル列(=[u(t),u(t−1),…,u(t−p+1)])
afr(k,i): 区間kにおける参照信号に対する周波数バンドiでの音圧レベル
p:Hのフィルタ長
(4)擬似騒音信号の生成
1)擬似参照信号の周波数分析結果,afr(k,i)に対し,全てのバントiの中で最大となる音圧レベルをyとする。
2)全てのバンドiにおいて,afr(k,i)を最大音圧レベルy分だけ低減させる。
3)全てのバンドiに対して,マップfr(j,i)と比較し,擬似参照信号afr(k,i)と特性が近い騒音jを求める。なお,近さは,例えば,各バンドの差の二乗和が小さいものとして定義できる。
4)3)で求めた騒音jに対応する誤差信号の周波数特性fe(j,i)をマップから抽出する。fe(j,i)の全てのバンドiに対して,2)において求めた参照信号の最大音圧レベルyを足したものを推定騒音信号の周波数特性fd(k,i)とする。
既述のように,推定騒音信号fd(k,i)を用いて,基準強度fs1(k,i),fs2(k,i)を規定することが可能である。
図5は,図4と同様,基準強度fs1(k,i),基準強度fs2(k,i)を可変とした場合のステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。
ここでは,図4と異なり,ステップS11において,参照信号,誤差信号のマップ形成,およびハウリング経路の同定が省略されている。また,擬似参照信号を生成するステップS25が省略されている。
Filtered_x法では,二次経路を予め同定しているため,制御信号uが誤差マイク14に及ぼす影響を予測できる。このため,擬似参照信号を用いずに,推定騒音信号を生成できる。
ステップS26において,次のように,推定騒音信号が生成される。即ち,「e(t)−ζ・K」として,推定騒音信号を求め,これを周波数分析し,推定騒音信号の周波数特性fd(k,i)を求める。
K: 二次経路特性のFIR表現(=[θ1,θ2,…,θp]
ζ: 時刻tから(t−p+1)までの制御入力uのベクトル列(=[u(t),u(t−1),…,u(t−p+1)])
p:Kのフィルタ長
(第2の実施形態)
第2の実施形態の能動消音装置20は,直接法に対応するものであり,図6に示すように,参照マイク11,制御フィルタ12,21,制御スピーカ13,誤差マイク14,経路同定フィルタ22〜24,加算器25,26,フィルタ更新部27〜29,ステップ調節機構30を有する。
制御フィルタ21は,制御フィルタ12と同様の特性を有する。制御フィルタ21は,補助信号xを入力することで補助信号wを生成する。補助信号wは,誤差信号eにおいて制御スピーカ13から伝達する信号を模擬した信号である。
経路同定フィルタ22は,制御フィルタ12の出力側から,制御スピーカ13を経て,誤差マイク14の出力側に至る経路の伝達特性G4に対応する伝達特性(−G4)を同定するフィルタ(二次経路同定フィルタ)である。経路同定フィルタ22は,制御信号uから補助信号zを生成する。
経路同定フィルタ23は,経路同定フィルタ22と対応する特性を有し,参照信号rを入力することで補助信号xを生成する。
経路同定フィルタ24は,伝達特性(G1/G2)(参照マイク11の出力側から誤差マイク14の出力側に至る経路に対応する伝達特性)を同定するためのフィルタである。経路同定フィルタ24は,参照信号rを入力することで補助信号yを生成する。
加算器25は,誤差信号e,補助信号z,補助信号yの差分をとり,仮想誤差信号e1を生成する。加算器26は,補助信号y,補助信号wの差分をとり,仮想誤差信号e2を生成する。加算器25,26は,誤差信号,前記第1,第2,および第4補助信号に基づいて,仮想誤差信号を生成する仮想誤差信号生成部として機能する。
フィルタ更新部27は,LMSアルゴリズムを適用して,仮想誤差信号e1をゼロにするように経路同定フィルタ22を更新する。具体的には,フィルタ更新部27は,制御信号uおよび仮想誤差信号e1に基づいて,経路同定フィルタ22を更新する。
フィルタ更新部28は,LMSアルゴリズムを適用して,仮想誤差信号e1、e2をゼロにするように経路同定フィルタ24を更新する。具体的には,フィルタ更新部28は,参照信号rおよび仮想誤差信号e1,e2に基づいて,経路同定フィルタ24を更新する。
フィルタ更新部29は,LMSアルゴリズムを適用して,仮想誤差信号e2をゼロにするように制御フィルタ21を更新する。具体的には,フィルタ更新部29は,補助信号xおよび仮想誤差信号e2に基づいて,制御フィルタ21を更新する。
フィルタ更新部27〜29は,次の式(11)を用いて,経路同定フィルタ22,24,制御フィルタ21を更新する。
Figure 0006214884
この式(11)は,直接法におけるLMS(Least Mean Square)方式の基本更新式である。
e(t):誤差信号
(t):仮想誤差信号(=e(t)+z(t)−y(t))
(t):仮想誤差信号(=y(t)−w(t))
ζ(t):制御信号uの時系列ベクトル
(=[u(t),u(t−1),…,u(t−p+1)]
ξ(t):参照信号rの時系列ベクトル
(=[r(t),r(t−1),…,r(t−p+1)]
φ(t):補助信号xの時系列ベクトル
(=[x(t),x(t−1),…,x(t−p+1)]
θ(t):経路同定フィルタ24のFIR表記
(=[θ1,θ2,…,θp]
θ(t):経路同定フィルタ22のFIR表記
(=[θ1,θ2,…,θp]
θ(t):制御フィルタ12のFIR表記
(=[θ1,θ2,…,θp]
p: 制御フィルタ12,経路同定フィルタ23,24のフィルタ長
μ:ステップサイズ(経路同定フィルタ24の更新の制御パラメータ)
μ:ステップサイズ(経路同定フィルタ22の更新の制御パラメータ)
μ:ステップサイズ(制御フィルタ12の更新の制御パラメータ)
直接法において,NLMS(Normalized Least Mean Square)型の更新式は,次の式(12)で表される。
Figure 0006214884
ステップ調節機構30は,ステップサイズμ,μ,μを調節して,経路同定フィルタ22,24,制御フィルタ21の更新時の収束速度と発散性の両立を図る。
図7は,ステップサイズμ,μ,μの変更手順の一例を表すフロー図である。ここでは,動的にステップサイズμ,μ,μを変更している。
(1)ステップサイズμ,μ,μの初期設定(ステップS11)
ステップサイズμ,μ,μの初期値を設定する。このとき,ステップサイズμの初期値をLMS更新で平均二乗誤差の収束が理論的に保証されているステップサイズμの上限(1/(3pσ ))以下に設定することが好ましい。この設定は,定常音の場合に特に有効である。既述のように,NLMS更新の場合,ステップサイズαの上限は,1/3である。
打撃音の過渡期において,経路同定フィルタ22に入力される信号は大きくなる。そのため,経路同定フィルタ22の更新が過渡期に誤った方向に行われると,補助信号xの値が必要以上に大きくなり制御フィルタ12,21の更新に悪影響を及ぼす。この結果,発散を引き起こす可能性が高まる。
このため,経路同定フィルタ22の更新は慎重に行う必要があり,経路同定フィルタ22のステップサイズμは小さく設定する必要がある。このことは,経路同定フィルタ22の同定経路が二次経路であることからも推察できる。二次経路の同定結果が誤ったまま制御しても,効果が得られず,経路同定の観点からもステップサイズμを小さく設定することは合理的といえる。
経路同定フィルタ22と同様に,経路同定フィルタ24も,経路がある程度正確に同定されなければ制御効果が得られないため,ステップサイズμは小さくする必要がある。
制御フィルタ12,21は,制御フィルタであり,その制御効果を速く得るにはある程度ステップサイズμを大きくすることが好ましい。また,既述のように,可変にすることも効果的である。
以上から,経路同定フィルタ22,24,制御フィルタ21のステップサイズμ,μ,μを次のように設定するのが好ましいことが判る。
μ<μ<<μ
具体的には,例えば,次のように設定する。なお,「0.1」以外の値,例えば,0.2を用いても良い。
μ<μ*0.1,μ<μ …… 式(13)
ステップサイズμは,可変とする。
図7の例では,ステップサイズμ,μを固定しているが,可変として良い。例えば,ステップS16,S18でのステップサイズμの変更と併せて,ステップサイズμ,μを変更しても良い。
ステップサイズμは,Filtered-xと同様に,定常音において平均二乗誤差の収束性が理論的に保証されているステップサイズの上限(1/(3pσ ))以下(LMS更新の場合(NLMSの場合1/3))に設定する。ただし,収束を速めたい場合は,発散しない程度まで制御フィルタのステップサイズを上げることを許容する。
図8は,図3に対応し,基準強度fs1(i),基準強度fs2(i)を固定とした場合のステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。
図9は,図4に対応し,基準強度fs1(i),基準強度fs2(i)を可変とした場合のステップサイズμの変更手順の一例を表すフロー図である。
図8,図9に示すフロー図は,図3,図4のフロー図と比べて,更新の制御パラメータの個数が増加しているが(ステップサイズμ→ステップサイズμ,μ,μ),図3,図4のフロー図と本質的に異なる訳では無いので,詳細な説明を省略する。
(1)以上のように,第1,第2の実施形態において,制御フィルタ12(および経路同定フィルタ22,24)の更新中にステップサイズμを動的に変更している。この結果,収束速度と発散性の両立が図られる。
(2)第1,第2の実施形態では,ステップサイズμを自動的に変化されているが,人的に変化させることも可能である。この場合,図2〜図5,図7〜図9での処理の流れを考慮し,実験結果からステップサイズの適切な変化を決定することができる。
(3)また,制御フィルタ12(および経路同定フィルタ22,24)の更新中に,ステップサイズμを固定する場合においても,図2〜図5,図7〜図9での処理の流れを考慮して,この固定値を決定できる。即ち,更新のための試験を何回か繰り返し,誤差信号の発散(許容範囲を越える),収束(誤差信号が減少傾向)を考慮して,ステップサイズを増加,または減少するかをシステマティックに決定できる。
(4)以上の(1)〜(3)は,Filtered_x法,直接法の双方で共通する。
(実施例)
以下,シミュレーションの結果を表す。
図10A,図10Bは,二次経路の伝達特性および周波数特性を表す図である。この特性は,任意の自由空間において,二次経路を取得したものである。
図10Aは,二次経路の伝達特性をFIRフィルタとして表したものであり,横軸,縦軸はそれぞれ,タップ数,フィルタ係数値である。図10Bは,二次経路の周波数特性を表したものであり,横軸,縦軸はそれぞれ,周波数,ゲインである。
参照信号r,誤差信号e間の伝達特性は単純な遅れ特性とする。設定としては,FIR表記において(0,…0,0.4,0…,0)とした。ここで,0.4となる箇所は20タップ目とした(サンプリング周波数は10KHz)。これは平面波などで生じる現象のため特別な状況ではない。騒音信号は,図11に示す一般的な打撃音とした。
この打撃音が連続して生じる場合の直接法のシミュレーション結果を以下に示す。
(1)ステップサイズμ,μ,μが等しい場合(μ,μ,μ=0.1)
図12〜図14A,図14Bはそれぞれ,信号の時間的変化,周波数特性,および更新による波形の変化を表す。ここでは,ステップサイズを0.1と全て等しくした。図14A,図14Bはそれぞれ,ANCのON/OFFに対応する。信号の時間的変化の縦軸は、信号レベルである。但し,この信号レベルは,音圧ではなく誤差マイク14の電圧出力値である。
図14Aに示されるように,更新による波形の変化が小さく,低減効果があまり生じていないことが判る。
図13は,最後の波形(10回目の打撃)の周波数分析結果(1/3オクターブ,分析周波数は250Hzから4kHz)である。最も低減している800Hzバンドにおいても10dB程度しか低減していないことが判る。分析周波数における低減量のオーバーオール値は3.6dBである。
(2)ステップサイズμ,μ,μが異なる場合(μ=0.01,μ=0.03,μ=0.1)
ステップサイズを提案した関係に設定した場合の結果を図15〜図17に示す(経路同定フィルタ22のステップサイズμが0.01,経路同定フィルタ24のステップサイズμが0.03,制御フィルタ21のステップサイズμが0.1とした。なお,ステップサイズμは,比較のため,図12〜図14A,図14Bの場合と同一とした。
図17が波形の変化であり,図14Aに比べ低減効果が大きいことが判る。図16が,最後の波形(10回目の打撃)の周波数分析結果(1/3オクターブ,分析周波数は250Hzから4kHz)である。400Hz〜1.25KHzにおいて10〜20dB程度低減し大幅に制御性能が向上していることが確認できる。分析周波数における低減量のオーバーオール値は6dBである。以上から,式(6)に示すステップサイズの関係式の妥当性が示される。
(3)ステップサイズμの影響(μ=0.3)
ステップサイズμを増加した際に生じる現象について示す。
図18〜図20にステップサイズμを0.3とした場合の結果(ステップサイズμ,μは図15〜図17の場合と同様)を示す(ステップサイズの上限1/3以下)。
図20の波形変化から,図17に比べ,制御効果が大きいことが判る。また,図19(10回目の打撃)の周波数解析の結果(1/3オクターブ,分析周波数は250Hzから4kHz)から制御効果も高域に及んでいることが判る。分析周波数における低減量のオーバーオール値は7.6dBである。
ただし,1回目の打撃音での周波数特性(図21)で増音が生じていることが判る。式(2),(4)に示す上限は定常音の理論値から求めたもののため,式(2),(4)を満たした場合でも,増音が生じることがある。
多少の増音を許容すれば,速い制御効果が得られる。即ち,図2〜図4,図6〜図8のフロー図に示したように,ステップサイズμを適宜調整することで,更新時の収束速度と発散性(増音防止)の両立を図ることができる。
(4)ステップサイズμを時間的に変化させた場合
制御フィルタのステップサイズμを可変にした場合の結果を示す。ステップサイズを図22に示すように変化させた結果を図23〜図25に示す。
このステップサイズμの変化は図7〜9のフローに沿うものではなく,あらかじめ時間的に変化を決めたものである。即ち,初期のステップサイズは増音を生じさせないため十分小さく設定し,制御効果を早めるため段階的にステップサイズを上げ,最後に収束条件を満たすように下げている。
この結果から,図7〜9のフローに従った場合においても,効果が生じることが判る。図24の打撃一回目における周波数解析の結果から,図21に比べ,増音が生じていないことが判る。
また,図23(10回目の打撃),図25から,このステップサイズμを0.1に固定した場合(図15〜図17)に比べ,制御効果が速く生じ,図19と同様に最終的な制御効果も高域にまで生じていることが判る。分析周波数における低減量のオーバーオール値は7.65dBである。
以上のように,式(2),(4),(6)によるステップサイズの設定,およびその変動により,フィルタの更新時での収束速度と発散性(増音防止)の両立を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 能動消音装置
11 参照マイク
12 制御フィルタ
13 制御スピーカ
14 誤差マイク
15 フィルタ更新部
16 経路同定フィルタ
17 ステップ調節機構
20 能動消音装置
21 制御フィルタ
22〜24 経路同定フィルタ
25,26 加算器
27〜29 フィルタ更新部
30 ステップ調節機構,

Claims (5)

  1. 制御対象音に対応する参照信号を生成する参照マイクと,
    前記参照信号から制御信号を生成するフィルタと,
    前記制御信号から制御音を生成する制御スピーカと,
    前記制御対象音と前記制御音の合成音に対応する誤差信号を生成する誤差マイクと,
    前記誤差信号を最小にするように,前記フィルタを更新するフィルタ更新部と,
    区分された周波数範囲毎での,前記誤差信号の強度と基準強度の差,の総和に基づいて,前記更新の制御パラメータを変化させる調整機構と,
    を具備する能動消音装置。
  2. 前記調整機構は,前記制御パラメータの初期値を平均二乗誤差の収束性が満たされる上限値以下に設定する
    請求項1記載の能動消音装置。
  3. 前記調整機構は,
    前記誤差信号の区分された周波数範囲の少なくとも一部において,前記誤差信号の強度が第2基準強度より大きい場合に,前記更新の制御パラメータを低減させる
    請求項1または2に記載の能動消音装置。
  4. 制御対象音に対応する参照信号を生成する参照マイクと,
    前記参照信号から制御信号を生成する第1フィルタと,
    前記制御信号から制御音を生成する制御スピーカと,
    前記制御対象音と前記制御音の合成音に対応する誤差信号を生成する誤差マイクと,
    前記第1フィルタの出力側から前記誤差マイクの出力側に至る経路に対応する伝達特性を有し,前記制御信号から第1補助信号を生成する第2フィルタと,
    前記参照マイクの出力側から前記誤差マイクの出力側に至る経路に対応する伝達特性を有し,前記参照信号から第2補助信号を生成する第3フィルタと,
    前記第2フィルタに対応する伝達特性を有し,前記参照信号から第3補助信号を生成する第4フィルタと,
    前記第1フィルタに対応する伝達特性を有し,前記第3補助信号から第4補助信号を生成する第5フィルタと,
    前記誤差信号,前記第1,第2,および第4補助信号に基づいて,仮想誤差信号を生成する仮想誤差信号生成部と,
    前記誤差信号を最小にするように,前記第1,第2,および第3フィルタを更新するフィルタ更新部と,
    前記第1フィルタの更新の第1制御パラメータの初期値を平均二乗誤差の収束性が満たされる上限値以下に設定し,前記第2フィルタの更新の第2制御パラメータの初期値を前記第1制御パラメータの0.1倍以下に設定し,前記第3フィルタの更新の第3制御パラメータの初期値を前記第2制御パラメータ以上,かつ前記第1制御パラメータ以下に設定する,調整機構と,
    を具備する能動消音装置。
  5. 制御対象音に対応する参照信号を生成するステップと,
    フィルタを用いて,前記参照信号から制御信号を生成するステップと,
    前記制御信号から制御音を生成するステップと,
    前記制御対象音と前記制御音の合成音に対応する誤差信号を生成するステップと,
    前記誤差信号を最小にするように,前記フィルタを更新するステップと,
    区分された周波数範囲毎での,前記誤差信号の強度と基準強度の差,の総和に基づいて,前記更新の制御パラメータを変化させるステップと,
    を具備する能動消音方法。
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