JP6212851B2 - 複合磁気材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合磁気材料の製造方法に関するものである。
複合磁気材料の製造方法として、レーザを用いて合金化する方法がある。例えば、特開平5−237678号公報(特許文献1)には、強磁性体である鋼製部材にニッケル箔を巻き付け、その部分にレーザを照射して合金化させる技術が記載されている。この方法により、レーザ照射部分をオーステナイト(非磁性体または弱磁性体)に改質することができる。
なお、合金化元素を供給することとは異なる方法による改質を行う方法が、特開2011−171613号公報(特許文献2)に記載されている。すなわち、特許文献2には、強磁性素材を600〜900℃の温度に予熱し、次いで、強磁性素材の外周から高周波コイルにより高周波を印加して、自己発熱させてオーステナイトを主体とする金属組織を有する弱磁性部を形成することが記載されている。
特開平5−237678号公報 特開2011−171613号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、母材および合金化元素の種類によっては、改質される前に合金化元素の温度が沸点より高温になることで、合金化元素が蒸発してしまい、適切な改質ができないおそれがある。なお、特許文献2に記載の方法では、合金化元素を用いる方法とは異なり、合金化元素が蒸発するという問題は生じないが、特許文献2では、比透磁率を大幅に低下させることは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、合金化元素を供給することにより複合磁気材料を製造する方法であって、合金化元素の蒸発を抑制することにより所望の複合磁気材料を製造できる方法を提供することを目的とする。
(請求項1)本手段に係る複合磁気材料の製造方法は、磁性体または非磁性体からなる母材の表面に形成された凹所に粉末状の合金化元素を供給し、前記合金化元素をパンチにより押し付ける供給工程と、前記合金化元素の供給の後に、低密度熱エネルギーを前記凹所に照射し、前記低密度熱エネルギーの照射位置を前記凹所に沿って移動させ、加熱することにより前記合金化元素を溶融する合金化元素溶融工程と、前記合金化元素の溶融の後に、前記低密度熱エネルギーよりも熱エネルギー密度の高い高密度熱エネルギー前記凹所に照射し、前記高密度熱エネルギーを前記凹所に沿って移動させることにより、前記母材を溶融させて、前記母材の溶融池に前記合金化元素を拡散させる合金化元素拡散工程と、を備え、母材のうち加熱で溶融させた部位を、母材が磁性体であれば磁性を弱めまたは非磁性化し、母材が非磁性体であれば磁性化する。
(請求項)また、合金化元素溶融工程は、合金化元素を直接的に加熱し、合金化元素拡散工程は、母材のうち合金化元素が配置された位置を直接的に加熱し、合金化元素溶融工程における加熱源の出力は、合金化元素拡散工程における加熱源の出力より低く設定されるようにしてもよい。
(請求項1)本手段によれば、合金化元素を母材に拡散する前に、合金化元素を溶融している。合金化元素が溶融されることで、供給される合金化元素は、金属結合される。従って、合金化元素が金属結合されていない場合に比べて、合金化元素の熱伝導率を高くすることができる。つまり、後工程において合金化元素を母材に拡散するために加熱する際に、合金化元素にて発生した熱は母材へ熱伝導しながら、合金化元素が母材に拡散される。従って、合金化元素の過度な温度上昇を抑制することができるため、合金化元素が拡散する前に多量の合金化元素が蒸発することを抑制できる。その結果、所望の複合磁気材料
を製造することができる。
また、母材の表面に粉末状の合金化元素を供給した状態において、粉末状の個々の合金化元素の間には、空気が介在している。空気を介在するために、粉末状の個々の合金化元素の間の熱伝導は、低くなる。そのため、粉末状の合金化元素を高温に加熱すると、過度に温度上昇し、結果として、沸点以上となる合金化元素の部分が多くなり、所望の複合磁気材料を製造することができないおそれがある。しかしながら、最初に粉末状の合金化元素を供給したとしても、まず合金化元素を溶融することで金属結合させることができる。従って、後工程における合金化元素の拡散に際して、過度な温度上昇を抑制することができるため、所望の複合磁気材料を製造することができる。
(請求項)合金化元素溶融工程と合金化元素拡散工程とにおいて、加熱源の出力を変化させている。これにより、確実に、合金化元素の拡散前に、合金化元素を溶融することができる。また、同一の加熱源を用いることもできる。
本発明の第一実施形態における複合磁気材料の製造方法を示すフローチャートである。 図1のS1のうち、粉末状の合金化元素を母材の凹所に供給した状態を示す図である。 図1のS1のうち、粉末状の合金化元素に対してパンチにより押し付ける状態を示す図である。 図1のS1のうち、粉末状の合金化元素を母材の凹所に詰めた状態を示す図である。 図1のS2の状態を示す斜視図である。 図1のS3の状態を示す斜視図である。 図1のS3の状態を示す断面図である。 本発明の第二実施形態における複合磁気材料の製造方法を示すフローチャートである。 図5のS11の状態を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態における複合磁気材料の製造方法を示すフローチャートである。 図7のS21の状態を示す斜視図である。 本発明の第四実施形態における複合磁気材料の製造方法を示すフローチャートである。 図9のS32の状態を示す斜視図である。
<第一実施形態>
第一実施形態の複合磁気材料の製造方法について、図1〜図4Bを参照して説明する。本実施形態においては、磁性体からなる母材1の一部分を改質して、弱磁性化または非磁性化する。つまり、本実施形態は、透磁率の異なる部分を有する複合磁性材料を製造する方法である。
ここで、母材1には、例えば、鉄を主成分とする材料を用いる場合には、合金化することにより改質するための材料には、例えば、マンガンまたはニッケルクロムなどを用いる。合金化のための材料元素(以下、「合金化元素」と称する)2には、母材1の材料の融点よりも低い融点を有する元素が用いられる。その理由は、後述するように、母材1の中に、合金化元素2が拡散できるようにするためである。
図2Aに示すように、母材1を準備する。母材1の表面には、粉末状の合金化元素2を配置することができるように、僅かな凹所1aが形成されている。母材1は、例えば、炭素鋼を用いる。鉄の融点は、1,535℃であり、鉄の沸点は、2,750℃である。
そして、図1のS1に示すように、母材1の凹所1aに、粉末状の合金化元素2を供給する。詳細には、図2A〜図2Cを参照して説明する。まず、図2Aに示すように、粉末状の合金化元素2は、母材1の凹所1aの開口端よりもはみ出す程度に配置される。ここで、合金化元素2としては、粉末状のマンガンを用いる。他の合金化元素でも適用可能であるが、マンガンは、安価であるため、低コスト化を図るために好適である。ここで、マンガンの融点は、1,245℃であり、マンガンの沸点は、2,150℃である。
続いて、図2Bに示すように、パンチ10により押し付ける。そうすると、図2Cに示すように、母材1の凹所1aからはみ出していた粉末状の合金化元素2は、凹所1a内に詰めた状態となる。従って、粉末状の合金化元素2は、僅かに変形して、凹所1a内での密度が高くなる。ただし、粉末状の合金化元素2同士は、金属結合しておらず、且つ、それぞれの粉末状の合金化元素2の間には、僅かな隙間(空気)が介在している。
続いて、図1のS2に示すように、低出力のレーザ11による低密度熱エネルギーを投入することで、粉末状の合金化元素2を直接加熱して、粉末状の合金化元素2を溶融させる。この状態について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、母材1の凹所1aに配置された粉末状の合金化元素2に対して、レーザ11を照射する。図3においては、凹所1aが直線状に形成されているため、レーザ11の照射位置を凹所1aに沿って直線状に移動させる。このときのレーザ11のパワー密度(熱エネルギー密度に相当)は、例えば、1×10〜1×10W/cmである。レーザ11のパワー密度は、粉末状の合金化元素2を溶融することができる程度でよい。
このようにして、粉末状の合金化元素2は、加熱されることにより、金属結合された合金化元素3になる。ここで、金属結合された合金化元素3は、溶融した状態のままでもよいし、溶融した後に凝固するようにしてもよい。また、全ての粉末状の合金化元素2を完全に溶融させる必要はなく、僅かに溶融していない部分が存在していることは差し支えない。
また、粉末状の合金化元素2をレーザ11により加熱する際に、母材1のうち凹所1aの周囲にも熱が伝達される。従って、母材1自身が、溶融することもあるが、問題ない。ただし、図1のS2においては、レーザ11により合金化元素2が受ける熱エネルギー密度は低いため、後に説明するように、母材1のうち所望の領域に、粉末状の合金化元素2が拡散するまでには至らない。
続いて、S2の際の熱エネルギー密度より高密度熱エネルギーのレーザ12を投入する。具体的には、図1のS3に示すように、高出力のレーザ12による高密度熱エネルギーを投入することで、溶融されて金属結合された合金化元素3を直接加熱して、金属結合された合金化元素3を母材1の中に拡散させる。この状態について、図4Aおよび図4Bを参照して説明する。
図4Aおよび図4Bに示すように、母材1の凹所1aに配置された金属結合された合金化元素3に対して、レーザ12を照射する。図4Aおよび図4Bにおいては、凹所1aが直線状に形成されているため、レーザ12の照射位置を凹所1aに沿って直線状に移動させる。このときのレーザ12のパワー密度(熱エネルギー密度に相当)は、例えば、1×10W/cm以上である。
レーザ12のパワー密度は、母材1の所望の領域を溶融することができ、且つ、合金化元素3を拡散できる必要がある。つまり、図1のS2における粉末状の合金化元素2を溶融する場合の熱エネルギー密度に比べて、図1のS3における合金化元素3を母材1に拡散させる場合の熱エネルギー密度は高くなる。その結果、図1のS2における粉末状の合金化元素2を溶融する場合の加熱温度に比べて、図1のS3における合金化元素3を母材1に拡散させる場合の加熱温度は高くなる。
ところで、レーザ12のパワー密度は、例えば、母材1の厚みが1mm以上の場合には、母材1にキーホールが形成される程度であると好ましい。母材1の厚みが薄い場合には、キーホールが形成される程度に高いパワー密度である必要はなく、母材1の所望の領域を溶融することができ、且つ、合金化元素3を拡散できればよい。
図4Bには、レーザ12を照射することにより、母材1のうち照射された位置にはキーホール21が形成される。キーホール21とは、レーザ12の照射によって、レーザ12が照射される母材1の照射面から裏面に向かって形成される円形穴を意味する。なお、キーホール21は、母材1を貫通している場合のみならず、母材1を貫通していない場合も含む。
そして、図4Bに示すように、キーホール21の形成時には、蒸発金属が発生し、キーホール21の周囲には溶融池22が形成される。溶融池22は、母材1が溶融している状態の部位を意味する。例えば、キーホール21が照射面から裏面に貫通している場合には、溶融池22は、レーザ12の照射面から裏面に至るまで形成される。
ここで、母材1の融点は、合金化元素3の融点より高い。従って、母材1の溶融池22近傍に位置する合金化元素3も溶融することになる。そうすると、母材1の溶融池22に溶融された合金化元素3が進入する。また、溶融池22では、対流が発生しやすい(図4Bの円弧状の矢印参照)。特にレーザ12の照射位置の進行方向の後方にて対流が発生しやすい。そして、溶融池22に供給された合金化元素3は、溶融池22の対流によって、母材1のレーザ照射面側から裏面側へ拡散され、母材1の所望の深さまで供給される。例えば、キーホール21が貫通する場合には、合金化元素3は、母材1の裏面側まで供給される。
このようにして、母材1の溶融池22の部分は、合金化元素3の存在によって、母材1と合金化元素3とによる合金となる。合金化された部分23は、当初磁性体であった母材1が改質されて、弱磁性化または非磁性化される。
以上より、粉末状の合金化元素2を母材1に拡散する前に、粉末状の合金化元素2を溶融している。粉末状の合金化元素2が溶融されることで、溶融された後の合金化元素3は金属結合される。ここで、金属結合されている合金化元素3は、それぞれが金属結合されていない粉末状の合金化元素2に比べて、熱伝導率を高くすることができる。
そして、後工程(図1のS3)において合金化元素3を母材1に拡散する際には、粉末状の合金化元素2を溶融する際(図1のS2)の加熱温度より高くなる。しかし、合金化元素3を母材1に拡散するために加熱する際に、合金化元素3にて発生した熱は母材1へ熱伝導しながら、合金化元素3が母材1に拡散される。従って、合金化元素3の過度な温度上昇を抑制することができるため、合金化元素3が拡散する前に多量の合金化元素3が蒸発することを抑制できる。その結果、所望の複合磁気材料を製造することができる。
特に、母材1の表面に粉末状の合金化元素2を供給した状態において、粉末状の個々の合金化元素2の間には、空気が介在している。空気を介在するために、粉末状の個々の合金化元素2の間の熱伝導は、低くなる。そのため、粉末状の合金化元素2を高温に加熱すると、個々の粉末状の合金化元素2が過度に温度上昇し、結果として、沸点以上となる合金化元素2の部分が多くなり、所望の複合磁気材料を製造することができないおそれがある。
しかしながら、図1のS1にて粉末状の合金化元素2を母材1の凹所1aに供給したとしても、まず粉末状の合金化元素2を溶融することで金属結合させる。従って、後工程(図1のS3)における合金化元素3の拡散に際して、合金化元素3の過度な温度上昇を抑制することができるため、所望の複合磁気材料を製造することができる。
ここで、合金化元素2,3として、マンガンを用いた場合には、鉄の沸点に対してマンガンの沸点は非常に低い。従って、マンガンを合金化元素2,3に用いる場合には、安価であるが、蒸発量が多くなってしまい、所望の複合磁気材料を形成することができなくなるおそれがある。しかし、上記製造方法を適用することで、マンガンを合金化元素2,3に用いたとしても、合金化元素2,3の蒸発量を抑制でき、所望の複合磁気材料を形成できる。
また、図1のS2における粉末状の合金化元素2の溶融工程と図1のS3における合金化元素3の拡散工程とにおいて、加熱源であるレーザ11,12の出力を変化させることで、レーザ11,12の焦点に位置する合金化元素2,3付近のパワー密度を変化させている。これにより、確実に、合金化元素3の拡散前に、粉末状の合金化元素2を溶融することができる。また、同一の加熱源を用いることもできる。
<第二実施形態>
第二実施形態の複合磁気材料の製造方法について、図5および図6を参照して説明する。上記実施形態においては、粉末状の合金化元素2の供給と、粉末状の合金化元素2の溶融とは、完全な別工程にて行った。本実施形態では、粉末状の合金化元素2を供給すると同時に、粉末状の合金化元素2の溶融を行う。なお、上記実施形態と同一または対応する構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5のS11および図6に示すように、粉末供給装置13によって、粉末状の合金化元素2を母材1の凹所1aに供給する。つまり、粉末供給装置13は、凹所1aに沿って移動させる。同時に、凹所1aに供給された粉末状の合金化元素2に対して、低出力のレーザ11を直接照射する。つまり、低出力のレーザ11による低密度熱エネルギーを投入することで、粉末状の合金化元素2を直接加熱して、粉末状の合金化元素2を溶融して金属結合させる。レーザ11の照射位置も、粉末供給装置13の直後を凹所1aに沿って移動する。このときのレーザ11の照射に関しては、上記実施形態の図1のS2と同様である。
続いて、高出力のレーザ12による高密度熱エネルギーを投入することで、合金化元素3を直接加熱して、合金化元素3を母材1に拡散させる(図5のS12)。このときのレーザ12の照射に関しては、上記実施形態の図1のS3と同様である。本実施形態においても、上記同様の効果を奏する。
<第三実施形態>
第三実施形態の複合磁気材料の製造方法について、図7および図8を参照して説明する。上記実施形態においては、粉末状の合金化元素2を母材1の凹所1aに供給した。本実施形態では、棒状の合金化元素14を用いて、母材1の凹所1aに金属結合された合金化元素3を配置する。なお、上記実施形態と同一または対応する構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図8に示すように、棒状の合金化元素14を準備する。そして、図7のS1および図8に示すように、母材1の凹所1a内または凹所1aの上方にて、棒状の合金化元素14に対して低出力のレーザ11を照射する。そして、加熱されて溶融された合金化元素3が、母材1の凹所1aに充填される。このとき、棒状の合金化元素14とレーザ11の照射位置は、凹所1aに沿って移動させる。このようにして、図1のS2の状態と同状態にすることができる。
続いて、高出力のレーザ12による高密度熱エネルギーを投入することで、合金化元素3を直接加熱して、合金化元素3を母材1に拡散させる(図7のS22)。このときのレーザ12の照射に関しては、上記実施形態の図1のS3と同様である。本実施形態においても、上記同様の効果を奏する。
また、上述したように、棒状の合金化元素2(合金化元素により形成された塊)を用いて母材1の表面に合金化元素を供給する場合には、当該塊を溶融することにより行われる。そして、塊を溶融することで、母材1の表面に合金化元素3が供給された後の状態において、合金化元素3を金属結合させることができる。従って、合金化元素3を母材1に供給したときには、同時に、合金化元素3を金属結合させることができる。つまり、工程の削減を図ることができる。
<第四実施形態>
第四実施形態の複合磁気材料の製造方法について、図9および図10を参照して説明する。上記実施形態においては、図1のS2における粉末状の合金化元素2の溶融工程と図1のS3における合金化元素3の拡散工程とにおいて、加熱源であるレーザ11,12の出力を変化させた。本実施形態では、両工程の加熱源であるレーザ11,12の出力は、同一とする。ただし、粉末状の合金化元素2の溶融工程においては、レーザ11を粉末状の合金化元素2に直接照射するのではなく、凹所1aの近傍をレーザ11により照射する。なお、上記実施形態と同一または対応する構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図9のS31に示すように、粉末状の合金化元素2を母材1の凹所1aに供給する。これは、図1のS1と同様である。
続いて、図9のS32および図10に示すように、高出力のレーザ11の照射位置を凹所1aの近傍(図10の二点鎖線)として、凹所1aに沿って移動させる。このときのレーザ11のパワー密度は、後工程と同様に高くする(高密度熱エネルギーとする)。例えば、このときのレーザ11のパワー密度(熱エネルギー密度に相当)は、例えば、1×10W/cm以上である。
つまり、凹所1aに供給された粉末状の合金化元素2は、高出力のレーザ11によって母材1を介して間接的に加熱される。レーザ11が高出力であるとしても、粉末状の合金化元素2は、直接照射されないため、低出力のレーザ11によって照射されていると同様となる。つまり、粉末状の合金化元素2が受ける熱エネルギー密度は低くなる。そして、図1のS1と同様に、粉末状の合金化元素2が母材1に拡散されずに溶融されるに止まる。
続いて、高出力のレーザ12による高密度熱エネルギーを投入することで、合金化元素3を直接加熱して、合金化元素3を母材1に拡散させる(図9のS33)。このときのレーザ12の照射に関しては、上記実施形態の図1のS3と同様である。
本実施形態においては、粉末状の合金化元素2の溶融工程と合金化元素3の拡散工程とにおいて、加熱源であるレーザ11,12の出力を同一としている。ただし、粉末状の合金化元素2の溶融工程においては、母材1を直接的に加熱し、粉末状の合金化元素2を間接的に加熱している。従って、粉末状の合金化元素2が受ける熱エネルギー密度は、粉末状の合金化元素2の溶融工程の方が、合金化元素3の拡散工程よりも低くなる。その結果、確実に、合金化元素2が母材1に拡散する前に、粉末状の合金化元素2を溶融することができる。また、加熱源であるレーザ11,12の出力を変化させる必要がないため、対象物に対して安定した加熱を行うことができる。
<その他>
上記実施形態においては、磁性体である母材1の一部分を弱磁性化または非磁性化するために、合金化元素2,3によって母材1を合金化した。この他に、合金化元素によって母材1を合金化することで、非磁性体である母材1の一部分を磁性化することもできる。この場合も上記同様の方法を適用できる。
1:母材、 2:粉末状の合金化元素、 3:溶融された合金化元素、 11:合金化元素を溶融するレーザ、 12:合金化元素を拡散するレーザ、 14:合金化元素、 22:溶融池、 23:合金化された部分

Claims (2)

  1. 磁性体または非磁性体からなる母材の表面に形成された凹所に粉末状の合金化元素を供給し、前記合金化元素をパンチにより押し付ける供給工程と、
    前記合金化元素の供給の後に、低密度熱エネルギーを前記凹所に照射し、前記低密度熱エネルギーの照射位置を前記凹所に沿って移動させ、加熱することにより前記合金化元素を溶融する合金化元素溶融工程と、
    前記合金化元素の溶融の後に、前記低密度熱エネルギーよりも熱エネルギー密度の高い高密度熱エネルギー前記凹所に照射し、前記高密度熱エネルギーを前記凹所に沿って移動させることにより、前記母材を溶融させて、前記母材の溶融池に前記合金化元素を拡散させる合金化元素拡散工程と、
    を備え、
    前記母材のうち加熱で溶融させた部位を、前記母材が磁性体であれば磁性を弱めまたは非磁性化し、前記母材が非磁性体であれば磁性化する、複合磁気材料の製造方法。
  2. 前記合金化元素溶融工程は、前記合金化元素を直接的に加熱し、
    前記合金化元素拡散工程は、前記母材のうち前記合金化元素が配置された位置を直接的に加熱し、
    前記合金化元素溶融工程における加熱源の出力は、前記合金化元素拡散工程における加熱源の出力より低く設定される、請求項1に記載の複合磁気材料の製造方法。
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