JPS61204380A - 表面被覆金属層の作成方法 - Google Patents

表面被覆金属層の作成方法

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JPS61204380A
JPS61204380A JP4415785A JP4415785A JPS61204380A JP S61204380 A JPS61204380 A JP S61204380A JP 4415785 A JP4415785 A JP 4415785A JP 4415785 A JP4415785 A JP 4415785A JP S61204380 A JPS61204380 A JP S61204380A
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Asahi Kawashima
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は1通常の金属材料上に任意の組成の表面被覆金
属層を作成する方法の改良に関するものである。
[従来の技術] 元来、金属材料が具備することを要求される特性の中に
は、金属材料の表面層のみが保有していれば十分であっ
て必ずしも金属材料全体が備えている必要のない性質が
たくさんある。このような特性を金属材料の表面に付与
する表面被覆層の作製方法としては、溶融メッキ、化学
メッキ、電気メッキ、拡散浸透メッキ、気相メッキ、真
空メッキ等の各種メッキ法あるいは溶射法などが公知で
ある。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、これら従来の方法で被覆できる金属の多
くは単体もしくは含有元素数の少ない合金であり、かつ
被覆できる金属の種類に限界がある。また、多くの場合
、これらの方法によって形成された被覆は欠陥の密度が
高く、均一被覆とはなり難い、さらに下地金属材料との
密着性が不十分なことも多い。
したがって、従来の方法で作製された表面被覆層には、
高耐食性、高強度、高靭性を期待することは困難である
C問題点を解決するための手段」 ところで、レーザービーム、電子ビーム等の高エネルギ
ー密度ビームは、連続ビーム、パルスビームのいずれで
も、エネルギー密度と照射時間を適当に制御することに
よって、どのような表面金属層であろうと局所的に溶融
することができる。したがって、あらかじめ必要な成分
の金属をたとえ多相で不均一であってもまた数層であっ
ても、下地金属表面に密着させたのち、高エネルギー密
度ビームを照射して、必要な場合は下地金属の一部も含
めて、所定の深さ溶融すると、必要な組成の溶融合金が
生成する。この溶融合金の体積は、きわめて小さいので
その部分に高エネルギー密度ビームが照射されなくなる
とまわりの固体金属に溶融合金の熱が奪われて急冷され
るので、溶融状態の組成のまま急冷されて固体となる。
本発明者らはこのような高エネルギー密度ビームの特性
を活用して、下地金属にあらかじめ必要な成分を含む金
属を密着させ、これに高エネルギー密度ビームを照射さ
せることにより、下地金属に密着して所定の組成と厚さ
を有する金属層を作りうることを見出し、先に出願した
(特願昭56−37898号及び特願昭59−9390
1号)。
特願昭56・−37898号の発明は、要すれば被覆金
属を下地金属材料の表面に密着させ、高エネルギー密度
ビームを照射して溶融−合金化させ、下地金属材料の表
面を被覆するものである。
また、特願昭59−93901号の発明は、この特願昭
56−37898号の方法において、被覆金属を下地金
属材料表面に密着させた段階でまず加熱し、これによっ
て被覆金属を下地金属に接合しておき、しかる後、高エ
ネルギー密度ビームの照射を行うようにしたものである
。(さらに、必要に応じ、両者の接合性を高める金属を
介在させる。) このような先願をベースとしつつ本発明者らが更に研究
を行った結果、高エネルギー密度ビームを照射し被覆金
属を溶融した後冷却し合金化させた部分に、更に、高エ
ネルギー密度ビームを照射し、再度溶融、凝固せしめる
ことによって組成と厚さがより均一で耐食性等の諸物件
により優れた被覆金属層を形成し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基いて完成されたものであり、
第1の発明は 被覆金属を下地金属材料の表面に密着させ、これに高エ
ネルギー密度ビームを照射して溶融・合金化させ、下地
金属材料の表面を被覆する方法において、該合金化され
た部分の少なくとも一部に、更に、高エネルギー密度ビ
ームを照射して再度溶融させ溶融−合金化層の組成及び
/又は厚さを調整する再溶融操作を1回又は2回以上施
すことを特徴とする表面被覆金属層の作成方法、を要旨
とするものである。
また、第2の発明は、第1の発明において、被覆金属を
下地金属材料に予め加熱接合させた後。
高エネルギー密度ビームの照射を行うようにしたもので
ある。
さらに、第3の発明は、第2の発明において、被覆金属
と下地金属との接合性を高める暦を介在させて、両者の
加熱接合を行うよう構成したものである。
[作用] レーザービーム、電子ビームなどの高エネルギー密度ビ
ームは、対象となる金属全体を溶融することなく1表面
の限られた体積をきわめて短時間に溶融できるため、溶
融部の熱は加熱されていないまわりの固相によって速や
かに吸収される。
このように、高エネルギー密度ビーム処理は、液体を急
冷するため組織の均一な固溶体を作製するのにはきわめ
て適した方法である。しかし、不均一な固相の溶融均一
化を目的として1筒所を長時間溶融すると、溶融部の深
さが深くなることによって下地金属が多量に溶融部に溶
は込むと共にクロムなど蒸発しやすい元素が多量に失わ
れる。
従って、平均組成の変動を避けて所定の組成と厚さの表
面被覆金属層を得るには、高エネルギー密度ビームの特
徴を活用した短時間の溶融が望ましい。
一方、本発明者らが先に出願した特願昭56−3789
8.59−93901の方法に従って、炭素鋼のような
実用金属にステンレス鋼、ニッケル基合金あるいはコバ
ルト基合金の被覆層を形成する場合、クロム、モリブデ
ン、ニオブ、ニッケル、コバルトなどステンレス鋼、ニ
ッケル基合金やコバルト基合金を構成する成分を、メッ
キ法を初めとする種々の方法により炭素鋼上に予め被覆
し、これに高エネルギー密度ビームを照射する。
この場合、高エネルギー密度ビームを照射すると、予め
準備した被覆金属薄層と下地金属の一部を溶融すること
はできるが、溶融部の完全な均一化を図るための長時間
のビーム照射は、溶融部の平均組成を変えてしまうため
行えない、このため短時間のビーム照射によって形成さ
れる表面被覆金属層は、平均組成に対応した通常の金属
材料の耐食性を示すほどの均一性は備えていない、 。
本発明方法においては、下地金属に予め金属層を形成さ
せた後、被照射体の表面に複数回ビーム照射処理を施し
て溶融→凝固を繰り返し行うことによって、組成と厚さ
が理想に近い均一な表面被覆金属層を得ることができる
[発明の構成の詳細な説明] 以下本発明の構成をさらに詳細に説明する。
特定の性質を備えた表面は、しばしば複雑な表面組成で
実現する。従って、単純な実用金属材料を下地金属とし
て、このような複雑な組成の均質な表面被覆を実現する
には、下地金属に予め必要な組成の被覆金属層を密着さ
せておく。
この被覆金属を密着させる方法としては、下地金属上に
、 ■ 金属粉を塗付する。
■ 適度な粘着性を有する又は発現し得るバインダーを
金属粉末と併用して金属粉末を振り掛ける。
■ メッキ法や溶射法などにより金属層を形成する。(
メッキ法としては、溶融メッキ、化学メッキ、電気メッ
キ、拡散浸透メッキ、気相メッキ、真空メー、キ等の各
種メッキ法が用いられる。) ■ 金属薄板を下地金属に重ねて真空中、不活性気体中
をはじめとする各種雰囲気中で加熱して、金属薄板を下
地金属に接合させる。
などの方法が採用できる。
なお、この被覆金属の付着工程の後に行う高エネルギー
密度ビームの照射を大気中で行う場合には、照射される
金属の酸化を防止するために、通常、窒素ガス等の不活
性ガスを金属に吹き付けながら行う、また、後述するよ
うに、高エネルギー密度ビームを照射する場合、被照射
体たる金属を移動させることがある。この不活性ガスを
吹き付けることあるいは金属を移動することによる表面
塗付金属粉の飛散は、流動パラフィンなど適当な液体バ
インダーで適度の湿り気を持たせ金属粉を下地金属表面
に塗付するか、又は上記液体で濡らした下地金属表面に
振り掛けることによって防止できる。更に必要な場合に
はこれらを乾燥あるいは熱処理することによって、下地
金属表面に金属粉を密着させて飛散を防止する。また金
属粉を数層塗付すること、各種メッキ法、溶射法その他
の方法のうち一つの方法あるいは二つ以上の方法によっ
て多層被覆すること、金属被覆と金属粉塗付を共に行う
ことなどは高エネルギー密度ビーム処理には好適であっ
て何ら支障はない。
本発明において、被覆金属の種類は特に限定されるもの
ではなく、下地金属の表面に所望の物性(耐食性、耐熱
性、硬度等)を与え得るように選定すれば良い、また、
本発明方法によれば、下地金属を非晶質合金で被覆する
ことも可能である。
なお、表面被覆非晶質合金層の作成のための溶融急冷に
よる非晶質化には、合金が一種あるいは二種以上の半金
属を含むことがしばしば必要である。したがって1本発
明にいう被覆金属には、金属に限らず半金属が含まれる
ことがあり、時には非金属が含まれることがある。更に
、これら半金属及びクロムなど一般に蒸気圧が高くまた
容易に酸化されやすい元素は、溶融時に蒸発及び酸化に
よってその一部が失われるので、このような元素の添加
が必要な場合には、あらかじめ塗付あるいは被覆する金
属層には蒸発および酸化によって失われる量を推定して
過剰にこのような元素を添加しておくことが必要な場合
もある。また、商工、ネルギー密度ビームの照射条件に
よっては照射中に下地金属の一部が溶融して、溶融部に
下地成分が混入してくることもあるのでこれを勘案する
のが好ましい。
本発明においては、上述のようにして下地金属上に被覆
金属を密着するように付着せしめた後、適当なエネルギ
ー密度に制御したレーザービーム、電子ビーム等の高エ
ネルギー密度ビームを照射する。
この照射を行うに際しては、パルスビームを照射するか
、あるいは連続ビームを照射する場合には高エネルギー
密度ビームか又は被、照射体である金属材料を所定の速
度で移動する。このようにすれば金属表面を同ビームで
加熱して溶融する体積を制御することができ、あらかじ
め塗付あるいは被覆しである金属層をまた必要な場合に
は下地金属の一部所定の厚さの部分をも含めて、溶融、
合金化ならびに均質化することが極めて容易になされる
溶融体積の制御は、塗付層あるいは被覆層が下地金属材
料の一部と合金化する程度を制御することに相当し、し
たがって生成する表面被覆層の厚さならびに組成を制御
し、併せて表面被覆層の下地金属層との密着性を保証す
る。このことによって、所定の組成と性質を保有し、か
つ下地金属材料と密着した均一な表面被覆金属層を所定
の厚さに作成し得る。
特許請求の範囲第1項に記載した第1の発明においては
、あらかじめ被覆した金属と下地金属の一部を同時に溶
融し、合金化するように高エネルギー密度ビームの照射
を行うのが好ましい、これは次の理由による。即ち、あ
らかじめ塗付あるいは被覆した金属と下地金属の一部を
同時に溶融して合金化することを行わず、あらかじめ被
覆した金属のみを溶融する場合には、生成する表面被覆
層が下地金属層から剥離し易く、下地金属層に密着した
表面被覆金属層の作製が困難になるだけでなく、特に表
面被覆非晶質金属層を作製する場合には、これに必要な
溶融金属を急冷するための。
溶融金属から下地金属への熱伝導が不十分になるからで
ある。急冷を行うには、溶融体積と溶融時間を制御して
、周辺金属の昇温を避けると共に、溶融部への入熱を制
御すれば良い、これによって、溶融後溶融部に比べて大
きな体積をもつ周辺の金属への熱伝導による溶融部の急
冷が実現される。
なお、被覆する金属と下地金属表面の所定の厚さの部分
とを、高エネルギー密度ビームで同時に溶融して生じる
溶融合金の組成が、急冷することによって非晶質合金に
なるように、あらかじめ調整しておくことによって、所
定の組成と性質を保有し、かつ下地金属と密着した均一
な表面被覆非晶質合金を所定の厚さに作成し得る。
また、高エネルギー密度ビーム照射によって溶融生成し
た融液が、溶融状態から急冷することによって非晶質合
金となり得る組成であっても、非晶質合金を得ることが
目的でなく、結晶質合金被覆の生成を目的とする場合に
は、溶融部周辺の固体金属の昇温を避けるという溶融部
の急冷非晶質化の前提条件が不必要となる。この場合に
は、非晶質合金層作製に比べて、大きな溶融体積および
長い溶融時間となるように制御すれば良い。
本発明においては、高エネルギー密度ビームの照射に先
立って、真空中あるいは不活性気体中をはじめとする各
種雰囲気の中で加熱することによって被覆金属と下地金
属を接合させても良い。
このような、特許請求の範囲第2項に記載した第2の発
明方法は、薄板状の被覆金属を用いる場合に適用するに
好適である。このようにすれば、ひきつづき行う高エネ
ルギー密度ビーム照射の際、上記被覆金属薄板が下地金
属から剥離せず、かつ高エネルギー密度ビーム照射によ
って生ずる溶融部の熱が下地金属にも十分に吸収される
ようになる。そして、さらに、高エネルギー密度ビーム
を照射する際、被照射体あるいはビームを移動させて、
被照射体表面の局部へのビーム照射時間を制御すること
によって、溶融層の厚さ、組成、溶融時間を制御して溶
融急冷をすることにより所定の組成と厚さの均質゛な表
面被覆金属層を容易、に作製することが可能とされる。
これを次に補足的に説明する。
あらかじめ貼り付けておく金属薄板の平均組成は、高エ
ネルギー密度ビームを照射したとき金属薄板を溶融−急
冷することによって均一化するか、あるいは下地金属の
一部も含めて溶融・合金化し、急冷することによって均
一化すれば、所定の組成の表面層になるように決めてお
く必要がある。また、これに表面から高エネルギー密度
ビームを照射する場合、金属薄板の下地金属に対する密
着性が不十分であると高エネルギー密度ビーム照射によ
る熱はほとんどすべて金属薄板にのみ吸収され下地金属
には伝わらないため、表面金属薄板のみが溶融し表面張
力で丸くなるため・表面被覆層が得られない。
したがって本発明の第2の発明においては高エネルギー
密度ビーム照射処理前に金属薄板を下地金属に重ねて、
真空中あるいは不活性気体中で金属薄板の融点近傍ある
いは融点以上にまで加熱して、金属薄板と下地金属の境
界には両者の合金層が生ずる程度に接合させておく。
この第2の発明において、連続ビームを用いる場合には
、金属薄板を接合した被照射体に被照射体かビームのい
ずれかを移動させつつ高エネルギー密度ビームを照射し
て被照射体表面を走査し、走査速度を制御することによ
って溶は込み深さ、したがって合金化の程度を制御する
と共に。
急冷を保証し溶融合金が均質のまま固相となることを実
現する必要がある。
本発明においては、下地金属と被覆金属との間に、両者
と高温で接合し易く両者の接合性を高める金属を介在さ
せ、下地金属、介在金属及び被覆金属を加熱接合させた
後、高エネルギー密度ビームの照射を行っても良い。
この、特許請求の範囲第3項に記載した第3の発明につ
いて次に説明する。
上記第2の発明において、金属薄板と下地金属を真空中
あるいは不活性気体中で加熱して接合する場合、必要な
接合が実現するかどうかは両者の濡れ性、両者の間に固
溶体ができやすいかどうかなど複雑な要因に左右される
。このため例え金属薄板を十分に溶融させるほど加熱し
ても下地金属との間に必要な接合が実現しない場合もあ
り、また両者の間に合金が生ずることがかえって両者の
境界を不連続なものとしてしまい、結果として上記金属
薄板の厚さが不均一になってしまう場合もある。
したがって本発明の第3の発明においては、金属薄板と
下地金属の両者と高温において接合しやすい金属を介在
させておく、具体的には、例えば、この介在金属をあら
かじめ下地金属に薄く被覆しておく、そして、この介在
金属を挟むようにして金属薄板と下地金属との加熱接合
を行い、しかる後高エネルギー密度ビーム照射処理を行
う。
なお第2および第3の発明において下地金属と金属薄板
を加熱接合する際、流動パラフィンのような粘性のある
液体を下地金属に塗付し、これに金属薄板を重ねておく
と、真空にしたり不活性ガスと置換したり加熱したりす
る際、下地金属から金属薄板が脱落し難く取扱いが容易
になると共に、加熱によって蒸発して還元性雰囲気を作
るため接合に有効に働くなど利点があり、またフラック
スを用いることも有効である場合がある。従って必要に
応じて粘性液体やフラックスの塗付を行うことあるいは
、下地金属に金属薄板を点溶接しておくことが望ましい
また、本発明の第3の発明において、下地金属にあらか
じめ金属を被覆する方法には溶融メッキ、化学メッキ、
電気メッキ、拡散浸透メッキ。
気相メッキ、真空メッキ等の各種メッキ法あるいは溶射
法など下地金属に別種金属を薄く被覆する方法であれば
どのような方法も採用し得る。
而して1本発明においては、高エネルギー密度ビームを
利用し、軟土の如くして下地金属表面に金属被覆を形成
した後、更に高エネルギー密度ビームをこの被覆金属に
向けて照射して〆溶融→凝固を1回又は2回以上行う、
このような再照射処理を1回又は2@以上施すことによ
り、組成と厚さが理想に近い均一な表面被覆金属層を得
ることができる。
なお、高エネルギー密度ビームの照射は、ビームの照射
エネルギーを制御しながら行う。
このビームの照射によって生じた融液は、これを急冷し
て非晶質のものとすることもでき、また徐冷して結晶化
せしめても良い。
冷、却速度を調節するには、第1の発明の説明において
詳述した様に、溶融体積と溶融時間を制御すれば良い。
本発明において、金属薄板を用いて下地金属を被覆する
場合に、この薄板が複雑な組成のものであって、溶解、
鋳造、鍛造、圧延のような通常の工程によっては金属薄
板が得難い場合も想定される。このような場合には、固
溶限が拡大し、薄板が作製しやすい超急冷法を採用し、
高速回転する円筒の内壁または外壁に溶融金属を吹きつ
け、直接金属薄板を作製する方法を用いると良い。
本発明に用い得る高エネルギー密度ビームは。
レーザービーム、電子ビームに限らず限られた体積の金
属表面を短時間に溶融し得るエネルギー密度のビームで
あればどのようなものであっても原理的に使用できる。
さらに複数のビームを同時に金属に照射することは、処
理時間を短縮し効果的である。なお、高エネルギー密度
ビーム照射による金属の昇温を避けるため、既照射部を
水その他によって冷却することも本発明の達成に有効で
ある。
[実施例] 実施例1 図1に示すように、厚さ5mmの市販鋼板lに厚さ約6
0pmのクロムメッキ2をし、これをX−Yテーブルに
固定し、500Wの炭酸ガスレーザービーム3を照射し
、溶融、急冷することによって軟鋼上に表面被覆フェラ
イトステンレス鋼層を作製した0図中4は溶融軌跡、5
は融液である。
図2および図3はレーザービーム照射処理を施した試料
の断面写真である0本実施例ではレーザービームを写真
に示す位置関係において上から下に向けて照射し、この
間、試料を写真面に垂直(X軸方向)に168cm/分
の速度で移動し、X軸方向に試料の一端から他端までレ
ーザービーム照射後、試料、を右から左(Y軸方向)へ
(図1では左から右へ移動している)100gmc図2
)および50ILm(図3)移動し、X軸に平行な移動
方向を反転してレーザービーム照射を行った。
このような処理を全表面に1回流したものが(a)、2
回および3回繰り返したものがそれぞれ(b)、(C)
であって、生じたフェライトステンレス鋼層の厚さは約
140 JLmである。
これら図2の試料1.L、1.2,1.3及び図3試料
2.1,2.2,2.3は、レーザービーム照射処理後
、断面を切り出し、パフ研磨し、まず5%硝酸−エチル
アルコール化学エツチングにより下地軟鋼の組織を観察
できるようにした。この化学エツチングはレーザー処理
層の組織を観察できるようにはしにくい、そこで更にク
ロムに富んだ層を優先的に溶解する10%クロム酸中の
電解エツチングによってレーザー処理層の組織を観察で
きるようにした。
図2.3とも1回の処理を施した(&)の試料1.1,
2.1では、表面層に主としてクロム濃度のゆらぎによ
る組織が明瞭に観察される0図2では(a)のものと、
レーザービーム照射処理を2回施した(b)の試料1.
2.同3回流した(C)の試料1.3とを比較すると、
レーザービーム照射処理を繰り返すにつれてレーザー処
理部が均一になり、白色で組織の観察しにくい場所が増
すことが認められる。これは電解エッチされにくい鉄を
均一に含んだ組織が増すことに対応する。
一方、Y軸方向の移動距離を図2に示した試料の処理の
場合に比べて局に減らし、1回の処理におけるレーザー
ビーム照射部の重ね合せを増した図3の試料では2回の
照射処理した(b)の試料2.2のものにおいては、レ
ーザービーム照射処理層がほぼ均一になり、はとんど組
織が観察されなくなる。
図4および図5は1図2、・図3に対応する試料につい
て、表面から約10gm内部に入ったレーザービーム照
射処理層におけるクロムおよび鉄の濃度をX線マイクロ
アナライザー(EPMA)を用いて測定した結果である
。ビーム照射部の重ね合せの程度が少ない1回のレーザ
ービーム照射処理(試料1.1.図4(a))では、場
所による組成の変動がきわめて大きい、同じ条件でビー
ム照射処理を2度行った場合(試料1.21図4(b)
)あるいは、Y軸方向の移動距離をHに減らして、ビー
ム照射部の重ね合せ程度を増して1回処理した場合(試
料2.1、図5(a))では組成の変動はかなり小さく
なる。しかしまだ理想の均一性には達していない、Y軸
方向の移動距離を501Lmと小さく保ちレーザービー
ム処理を2度繰り返した試料2.2(図5 (b) )
ではほぼ理想に近い均一性が得られている。
図6は、これまで述べてきた6種の試料(1゜1〜1.
3,2.1〜2.3)を用い30℃のlN H2S O
4水溶液中で測定した分極曲線である。−0,3V (
SCE)以下の電位領域では活性溶解による大きな電流
密度が観測され1通常ステンレス鋼は、この電位領域で
は使用されない。
−0、3V (sCE) fxイl、−0、25V (
SCE)以上に認められる電流密度の小さな電位領域は
クロムイオンを主体とする不動態皮膜と呼ばれる保護皮
膜が形成する不動態域である。
本来ステンレス鋼は、この不動態で使用されるものであ
って、この不動態における電流密度の大小は腐食速度の
大小に相当する。なかでも、低い電位で金属表面に生成
した水素原子が水素イオンに酸化されるために電流密度
に極大が現われるOV (SCE)付近以下の不動態で
はクロム濃度の低い相が存在すると高い電流密度を示す
したがって、この電位領域(はぼ−〇 、 25V(S
CE) 〜OV (SCE)) に8ける電流密度の低
いものほど、耐食性が高く1本実験のように平均組成に
大差がない場合は均一性が高いことを意味する0図から
明らかなように、レーザービーム照射処理の回数が増し
、試料の均一性が増大するにつれ、不動態域の低い電位
における電流密度が減少し、耐食性が向上していること
が判明する。
尚、レーザービーム照射の際、Y軸方向の移動距離が5
0pmの試料(2,1,2,j。
移動距離が50ルmの試料(2,1,2,2゜2.3)
においてはレーザービーム照射処理を1回から2回に増
すと著しく耐食性が向上するが3回処理を行ってもそれ
以上の耐食性の改善は認められない、したがって試料2
の処理条件では。
レーザービーム照射処理2回が最適と言える。
これらの例から明らかなように、元来不均一な表面層を
レーザービーム照射処理する場合、Y軸方向の移動距離
を減らし、レーザービーム照射部の重ね合せを如何に大
きくしても、先にビーム照射により均一性を増した場所
に、隣接部へのビーム照射によって著しく不均一な相が
混入するため、全表面にわたる1回のレーザービーム照
射処理による均一化には、木質的に限界がある。
したがってレーザービーム照射処理を複数回繰り返すこ
とが理想に近い均一性をもった高耐食表面被覆金属層を
形成するために必要であることが判明する。
実施例2 厚さ5mmの市販軟鋼板に厚さ約14gmのクロムメッ
キを施し、実施例1と同様に480Wの炭酸ガスレーザ
ービーム照射処理を行い1表面被覆フェライトステンレ
ス鋼層を作製した。但し、X軸に沿った試料移動速度を
720cm/分と実施例1より速くしたため、表面被覆
フェライト鋼層の厚さは、実施例1において約1401
Lmであったのに対し、実施例2では約50Bmであっ
た。
図7はレーザービーム照射処理を1回((a)、試料3
.1)および3回((b)、試料3.3)行った試料に
ついて、表面から約1101L内部に入ったレーザービ
ーム照射処理層におけるクロムおよび鉄の濃度をX線マ
イクロアナライザーを用いて測定した結果である。1回
の処理では十分な組成の均一性は得られていないが、3
回の処理によって理想に近い均一性が得られていること
が判明する。
図8には、これらの試料について30℃(7)INH2
S O4水溶液中で測定した分極曲線を示す。
不動態域の電流密度は、レーザービーム照射処理が1回
(試料3.1)、2回(試料3.2)、3回(試料3.
3)と増すにつれて減少し、フェライトステンレス鋼層
の耐食性が向上していることが判る。また、レーザービ
ーム照射処理3回と5回(試料3.5)の分極曲線から
は耐食性の改善による差が認められず、このレーザービ
ーム照射処理条件では3回の処理が最適であることが判
明する。
この例からも、レーザービーム照射処理を複数回繰り返
すことが理想に近い均一性にもとずく高耐食性を備えた
表面被覆金属層を形成するために必要であることが判明
する。
実施例3 厚さ3mmの軟鋼板に厚さ約40gmのニッケルメッキ
を施し、次いで厚さ約3C)gmのクロムメッキを施し
たものを試料とし、実施例2と同一条件でレーザービー
ム照射処理を行い表面被覆耐食高ニツケル合金層を形成
した。
図9は、レーザービーム照射処理を施した試料の断面写
真である。1回の処理((a)、試料4.1)では表面
被覆層内で十分に混合が行われていない、2回処理((
b)、試料4.2)を行うと数ルmの表面層はかなり均
一な組織になったことが判明する。一方、3回処理((
C)、試料4.3)を行うと表面層の組織がほとんど観
察できなくなる。また全体として表面被覆層の写真にお
ける黒化度が低下する。
本研究において表面被覆層の組織を観察できるようにす
るために行った10%クロム酸溶液を用いた電解エッチ
は主としてクロムに富んだ層を侵すものである。したが
って、3回処理は表面被覆層中の平均クロム濃度の低下
をひきおこすことが判明する。
事実、EPMAによる表面被慢層の平均組成の分析の結
果、Ni含量は約53%と1回から3回処理で変らない
がクロム含量は1回処理後39%であったが、2回処理
後31%、3回処理後20%に低下していることが判明
した。
図10はこれらの試料を用いて、30℃のI N H2
S O4溶液中で測定した分極曲線である。レーザービ
ーム照射処理を1回行った試料4.1は−0,43〜+
0.23V (SCE) にわたり幅広い活性態を示し
、また、不動態の電流密度も高く耐食性が低い0幅広い
活性態の出現はクロムとほとんど合金化していない鉄に
もとづくものであって、表面被覆層がクロムをほとんど
含まない暦とクロムに富んだ暦との混合物になっている
ことを意味している。このことは不動態域の高電流密度
の原因でもある。
これに対し、レーザービーム照射処理を2庶流した試料
4.2はクロムを含むニッケル合金特有の高い自然電極
電位と小さな活性態を示し、不動態化しやすく、耐食性
が優れていることを示している。しかし、更にレーザー
ビーム照射処理回数を増して3回処理を行った試料4.
3は、自然電極電位がやや低下し、不動態域の低い電位
および活性態における電流密度が上昇している。これは
過剰なレーザービーム照射処理によって表面被覆層のク
ロム濃度が低下したことに基づくものであって、このレ
ーザービーム照射処理条件では2回処理が最適であるこ
とを示している。
[効果] 以上詳述した通り、本発明の方法によれば組成、厚さが
理想に近い均一な表面被覆金属層を形成することができ
る。
そのため、例えば耐食性、耐熱性、高硬度等の特性が著
しく高い金属表面被覆を形成できる。
また、本発明方法を実施するには、特別な装置を要せず
、しかも実施手順も平易であるので、本発明は実用性に
も優れる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明方法の一例を示す斜視図1図2゜図3及び
図9は被覆部の金属組織を示す顕微鏡写真1図41図5
及び図7は濃度分析結果を示すX線マイクロアナライザ
ーのチャート、図6、図8及び図10は分極曲線図であ
る。 1・・・軟鋼板、 2・・・メッキ層、 3・・・レーザービーム。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)被覆金属を下地金属材料の表面に密着させ、これ
    に高エネルギー密度ビームを照射して溶融・合金化させ
    、下地金属材料の表面を被覆する方法において、該合金
    化された部分の少なくとも一部に、高エネルギー密度ビ
    ームを照射して再度溶融させ溶融・合金化層の組成及び
    /又は厚さを調整する再溶融操作を1回又は2回以上施
    すことを特徴とする表面被覆金属層の作成方法。
  2. (2)被覆金属を下地金属材料の表面に密着させて加熱
    し、該被覆金属と下地金属材料表面とを接合させた後、
    これに高エネルギー密度ビームを照射して溶融・合金化
    させ、下地金属材料の表面を被覆する方法であって、該
    合金化された部分の少なくとも一部に、高エネルギー密
    度ビームを照射して再度溶融させ溶融・合金化層の組成
    及び/又は厚さを調整する再溶融操作を1回又は2回以
    上施すことを特徴とする表面被覆金属層の作成方法。
  3. (3)被覆金属と下地金属との接合性を高める金属を介
    して、被覆金属を下地金属材料の表面に密着させて加熱
    し、該被覆金属と下地金属材料表面とを接合させた後、
    これに高エネルギー密度ビームを照射して溶融・合金化
    させ、下地金属材料の表面を被覆する方法であって、該
    合金化された部分の少なくとも一部に、高エネルギー密
    度ビームを照射して再度溶融させ溶融・合金化層の組成
    及び/又は厚さを調整する再溶融操作を1回又は2回以
    上施すことを特徴とする表面被覆金属層の作成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0192381A (ja) * 1987-10-02 1989-04-11 Inoue Japax Res Inc マイクロ溶着
JP2014086429A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Jtekt Corp 複合磁気材料の製造方法
JP2014512454A (ja) * 2011-03-01 2014-05-22 ティッセンクルップ ラッセルシュタイン ゲー エム ベー ハー 鋼帯の金属被覆を増強する方法
JP2014185358A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 M&M Research Inst レーザを用いる焼結体膜形成方法及び焼結体膜形成装置

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