JP6211780B2 - 難燃性硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、難燃性被膜およびプリント配線板 - Google Patents

難燃性硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、難燃性被膜およびプリント配線板 Download PDF

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本発明は、難燃性硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、難燃性被膜およびプリント配線板に関し、詳しくは、ノンハロゲン組成で環境負荷が少なく、かつ、難燃性、可撓性、低反り性に優れ、高温プレス時に難燃剤のブリードアウトのない難燃性被膜を得ることのできる難燃性硬化性樹脂組成物、該組成物からなるドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムを熱硬化および光硬化の少なくとも何れか一方によって得られる難燃性被膜、ならびに該難燃性被膜を備えるプリント配線板に関する。
従来、フレキシブル配線板(FPC)は、カバーレイといわれるポリイミドフィルムに接着剤を塗布した絶縁フィルムをプレス打ち抜き加工してラミネートし、さらにプレスで加圧条件下熱硬化することにより、回路形成されたフレキシブル基板の表面のカバー層としていた。このカバーレイはポリイミドフィルムをベースに低収縮熱硬化性樹脂で構成されていることから、ラミネート後およびプレス硬化後の反りは非常に小さく、さらにはその後の補強板の貼り付け、熱硬化後や実装のリフロー時の反りも非常に少なくすることができ、FPC用途に大量に使用されている。
しかしながら、プレスにて打ち抜き加工するために、微細な加工が困難であり、かつ、回路形成された配線板とのラミネートの際に位置合せ精度がよくないという欠点がある。
それに対し、感光性カバーレイとしてアルカリ現像性感光性樹脂組成物やそのドライフィルムが提案されている(特許文献1参照)。
一方、FPCは電子機器に搭載されるため難燃性の要求があり、このFPC用途のソルダーレジストにも要求されている。FPCは、通常、ポリイミド基板であり、ガラスエポキシ基板のプリント配線板とは異なり、薄膜である。しかしながら、塗布されるべきソルダーレジストは、プリント配線板もFPCも同じ膜厚であるため、相対的にソルダーレジストへの難燃化の負担が大きくなる。これに対してハロゲン化芳香環と重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を有するFPC用ソルダーレジストの組成が提案されているが(特許文献2参照)、ハロゲン化合物の使用は環境負荷の観点から好ましくない。
また、非ハロゲン化合物含有のレジスト組成物として、例えば、特定のリン元素含有アクリレートとカルボキシル基含有樹脂を含有する組成物が提案されているが、可撓性に改良の余地があった(特許文献3参照)。
また、非ハロゲン化合物含有のレジスト組成物として、例えば、フェノキシホスファゼンオリゴマーとエポキシアクリレートを含有する組成物が提案されているが、補強板などを張り合わせるために高温にてプレスを行うと難燃剤のブリードアウトが発生することがあり問題となっている(特許文献4参照)。
特開2000−131836号公報(特許請求の範囲) 特許2007−10794号公報(特許請求の範囲) 特許第4616863号公報(特許請求の範囲) 特許第3091457号公報(特許請求の範囲)
そこで本発明の目的は、ノンハロゲン組成で環境負荷が少なく、かつ、難燃性、可撓性、低反り性に優れ、高温プレス時に難燃剤のブリードアウトのない難燃性被膜を得ることのできる難燃性硬化性樹脂組成物ならびに該組成物からなるドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムを熱硬化および光硬化の少なくとも何れか一方によって得られる難燃性被膜、および該難燃性被膜を備えるプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のリン元素含有アクリレート樹脂と、ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂とを配合することで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、
(A)下記一般式(1)で表されるリン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の少なくとも何れか1種
Figure 0006211780
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、mおよびnは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、点線は2つのカルボキシル基が酸無水物を形成していてもよいことを示す。)
と、アクリレート化合物とを反応して得られるリン元素含有アクリレート樹脂、
(B)カルボキシル基含有樹脂、
(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂、および、
(D)光重合開始剤、
を含有することを特徴とするものである。
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジスト形成用であることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記難燃性硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布乾燥してなることを特徴とするものである。
本発明の難燃性被膜は、前記難燃性硬化性樹脂組成物または前記ドライフィルムを、熱硬化および光硬化の少なくとも何れか一方によって得られることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板は、前記難燃性被膜を備えることを特徴とするものである。
本発明により、ノンハロゲン組成で環境負荷が少なく、かつ、難燃性、可撓性、低反り性に優れ、高温プレス時に難燃剤のブリードアウトのない難燃性被膜を得ることのできる難燃性硬化性樹脂組成物ならびに該組成物からなるドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムを熱硬化および光硬化の少なくとも何れか一方によって得られる難燃性被膜、および該難燃性被膜を備えるプリント配線板を提供することが可能となる。
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で表されるリン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の少なくとも何れか1種
Figure 0006211780
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、mおよびnは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、点線は2つのカルボキシル基が酸無水物を形成していてもよいことを示す。)
と、アクリレート化合物とを反応して得られるリン元素含有アクリレート樹脂、
(B)カルボキシル基含有樹脂、
(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂、および、
(D)光重合開始剤、
を含有するものである。
上記(A)リン元素含有アクリレート樹脂と、上記(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂とを配合することによって、ノンハロゲン組成で環境負荷が少なく、かつ、難燃性、可撓性、低反り性に優れ、高温プレス時に難燃剤のブリードアウトのない難燃性被膜を得ることができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
[(A)リン元素含有アクリレート樹脂]
本発明に用いられる(A)リン元素含有アクリレート樹脂は、上記一般式(1)で表されるリン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の少なくとも何れか1種と、アクリレート化合物とを反応して得られる、分子内に1以上の(メタ)アクリレートを含有する化合物である。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
上記リン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の少なくとも何れか1種を表す一般式(1)中のRおよびRで表される、炭素原子数1〜6の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルケニル基、シクロアルキル基、フェニル基が挙げられる。炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、第三ペンチル基、ヘキシル基等、炭素原子数1〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。炭素原子数1〜6の炭化水素基は分岐および置換の少なくとも何れか一方がされていてもよい。
上記一般式(1)で表されるリン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の例としては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドとイタコン酸とを反応させて得られる化合物およびその無水物等が挙げられる。
上記アクリレート化合物としては、上記ジカルボン酸またはその無水物の、カルボキシル基またはカルボン酸無水物と反応する官能基を有するアクリレート化合物が好ましい。かかる反応によってアクリレート残基を付加することができる。そのようなアクリレート化合物は、分子内に1つの(メタ)アクリレート基を含有する単官能アクリレートでも、分子内に2以上の(メタ)アクリレート基を含有する多官能アクリレートでもよい。上記官能基としては、エポキシ基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。エポキシ基を有するアクリレート化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチル−2,3−エポキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。水酸基を有するアクリレート化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等が挙げられる。アミノ基を有するアクリレート化合物としては、ジエチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。上記官能基の中でも、エポキシ基、水酸基がより好ましい。
上記官能基で付加する反応方法は、従来公知の反応方法を用いることができる。
上記(A)リン元素含有アクリレート樹脂の例としては、上記例のように合成した一般式(1)のリン元素含有ジカルボン酸と、グリシジルメタクリレートとを反応して得られる1または2官能のリン元素含有アクリレート樹脂や、一般式(1)のリン元素含有ジカルボン酸とヒドロキシ(メタ)アクリレートおよび必要に応じてジアルコールを反応して得られる2官能のリン元素含有アクリレート樹脂等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるリン元素含有ジカルボン酸またはその無水物に対する上記アクリレート化合物の添加量は特に限定されないが、上記(A)リン元素含有アクリレート樹脂のリン濃度が2%〜7%の範囲になるように調整して、アクリレート化合物にすることが好ましい。
上記一般式(1)で表されるリン元素含有ジカルボン酸またはその無水物を用いることで容易に両末端をアクリレート化したリン元素含有アクリレート樹脂を得ることができる。このようにして得られた末端アクリレート化したリン元素含有アクリレート樹脂を用いることで、可撓性、低反り性に優れ、高温プレス時におけるブリードアウトの発生がない難燃性被膜を得ることのできる優れた難燃性硬化性樹脂組成物を得ることができる。
本発明のリン元素含有アクリレート樹脂は2官能のリン元素含有アクリレートであることが、可撓性と低反り性の観点から好ましい。リン元素含有アクリレート樹脂が単官能である場合、耐熱性に劣る傾向があり、リン元素含有アクリレート樹脂が3官能以上である場合、可撓性が低下する傾向にある。
また、上記(A)リン元素含有アクリレート樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記(A)リン元素含有アクリレート樹脂の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、100質量部以下、より好ましくは20質量部以上、80質量部以下の割合である。100質量部を超えると、耐熱性、耐薬品性に劣る場合がある。一方、10質量部未満であると、十分な難燃性、低反り性が得られない場合がある。
また、難燃性硬化性組成物中のリン濃度が1%以上となるように、(A)リン元素含有アクリレート樹脂を配合すると難燃性の特性において充分な効力を発揮するが、あまり多くするとはんだ耐熱性が劣る場合があるので、多過ぎることは好ましくない。また、反応に用いたアクリレート化合物の種類や添加量によっては、十分な光硬化性が得られない場合があるので、従来公知の光重合性モノマー/オリゴマーを併用し、光硬化性を上げてもよい。また、光硬化性を上げるために、後で述べるオキシム系光重合開始剤を添加してもよい。
[(B)カルボキシル基含有樹脂]
本発明に用いられる(B)カルボキシル基含有樹脂としては、公知のカルボキシル基を含む樹脂を用いることができる。カルボキシル基の存在により、樹脂組成物をアルカリ現像性とすることができる。また、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物を光硬化性にすることや耐現像性の観点から、カルボキシル基の他に、分子内にエチレン性不飽和二重結合を有することが好ましいが、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを(B)成分として用いることもできる。(B)成分の樹脂がエチレン性不飽和二重結合を有さない場合は、組成物を光硬化性とするために、分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(光重合性モノマー/オリゴマー)を併用する必要がある。エチレン性不飽和二重結合としては、アクリル酸もしくはメタアクリル酸またはそれらの誘導体由来のものが好ましい。上記(B)カルボキシル基含有樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物に用いることができるカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応による感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)後述するような多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(8)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(9)後述するような多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかの樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなる感光性カルボキシル基含有樹脂。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が望ましく、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が20mgKOH/g未満であると、塗膜の密着性が得られなかったり、アルカリ現像が困難となることがある。一方、酸価が200mgKOH/gを超えた場合には、現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となることがあるので好ましくない。
また、本発明で用いるカルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、タックフリー性能が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く、現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがあり、貯蔵安定性が劣ることがある。
上記のカルボキシル基含有樹脂の中でも、上記樹脂の合成に用いられる樹脂が、ビスフェノールA構造、ビスフェノールF構造、ビフェノール構造、ビフェノールノボラック構造、ビスキシレノール構造、ビフェニルノボラック構造およびウレタン構造からなる群から選ばれる1種以上の部分構造を有する樹脂またはその水添化合物であるカルボキシル基含有樹脂であることが、得られる硬化物の低反り、折り曲げ耐性の観点から好ましい。
また、ウレタン構造を有するカルボキシル基含有樹脂の中でも、イソシアネート基を有する成分(ジイソシアネートも含む)として、イソシアネート基が直接ベンゼン環に結合していないジイソシアネートを用いて得られるカルボキシル基含有ウレタン樹脂が、黄変がなく、下地の隠蔽性に有効で、かつ紫外線吸収が少ないため、アルカリ現像性組成物とした際に解像性に優れる特徴があり、好ましい。
上記(B)カルボキシル基含有樹脂の配合量は、固形分換算で、難燃性硬化性樹脂組成物中に、5〜60質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜60質量%、特に好ましくは30〜50質量%である。上記範囲より少ない場合、塗膜強度が低下したりするので好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、組成物の粘性が高くなったり、塗布性等が低下する場合があるので好ましくない。
[(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂]
本発明において(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂を含有することにより、低反り性、難燃性を向上させることができる。(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂として分子中にビフェニルノボラック構造と、エポキシ基とを有している従来公知の各種エポキシ化合物を使用することができる。市販品としては、例えば、日本化薬社製のNC−3000−L、NC−3000、NC−3000−H、NC−3100等が挙げられる。上記(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用しても良い。
上記(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、5質量部以上、100質量部以下が望ましく、好ましくは10質量部以上、70質量部以下の割合である。5質量部未満である場合、十分な難燃性を付与することができないため好ましくない。一方、100質量部を超えると低反り性や可撓性が低下するので好ましくない。
また本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、更なる耐熱性向上のため、上記(C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂以外に、他の熱硬化性成分を併用しても良い。熱硬化性成分としては、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。これらの中でも好ましい熱硬化性成分は、1分子中に複数の環状エーテル基および環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略称する)の少なくとも何れか1種を有する熱硬化性成分である。これら環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、市販されている種類が多く、その構造によって多様な特性を付与することができる。
上記分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、分子中に3、4または5員環の環状エーテル基、または環状チオエーテル基のいずれか一方または2種類の基を複数有する化合物であり、例えば、分子中に複数のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物、分子中に複数のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子中に複数のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂などが挙げられる。
上記多官能エポキシ化合物としては、例えば、三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL903、DIC社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER152、jER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製jER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER604、東都化成社製のエポトートYH−434、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、ADEKA社製EPX−30、DIC社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL−931等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日油社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鐵化学社製ESN−190、ESN−360、DIC社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、EXA−4816、EXA−4822、EXA−4850シリーズの柔軟強靭エポキシ樹脂;日油社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂に加えて、他のエポキシ樹脂を使用する場合、2官能のエポキシ樹脂であることが可撓性、低反り性の観点から好ましく、さらには、2官能のエポキシ樹脂が粉体エポキシ樹脂であることが低反りの観点から好ましい。
上記多官能オキセタン化合物としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマーまたは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、またはシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
上記分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有するエピスルフィド樹脂としては、例えば、三菱化学社製のYL7000(ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂)や、東都化成社製YSLV−120TEなどが挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
上記分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分の配合量は、上記(B)カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.3〜2.5当量、より好ましくは、0.5〜2.0当量となる範囲である。分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分の配合量が0.3当量未満である場合、硬化被膜にカルボキシル基が残り、耐熱性、耐アルカリ性、電気絶縁性などが低下することがあるので、好ましくない。一方、2.5当量を超える場合、低分子量の環状(チオ)エーテル基が乾燥塗膜に残存することにより、硬化被膜の強度などが低下することがあるので、好ましくない。
上記分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分を使用する場合、熱硬化触媒を含有することが好ましい。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。また、市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT(登録商標)3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物およびその塩)などが挙げられる。特に、これらに限られるものではなく、エポキシ樹脂やオキセタン化合物の熱硬化触媒、もしくはエポキシ基およびオキセタニル基の少なくとも何れか1種とカルボキシル基の反応を促進するものであればよく、単独でまたは2種以上を混合して使用してもかまわない。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくは密着性付与剤としても機能する化合物を上記熱硬化触媒と併用する。
これら熱硬化触媒の配合量は、固形分換算で、分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
上記アミノ樹脂としては、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体などのアミノ樹脂が挙げられる。例えばメチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物などがある。さらに、アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物およびアルコキシメチル化尿素化合物は、それぞれのメチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等とすることができる。特に人体や環境に優しいホルマリン濃度が0.2%以下のメラミン誘導体が好ましい。
上記アミノ樹脂の市販品としては、例えばサイメル300、同301、同303、同370、同325、同327、同701、同266、同267、同238、同1141、同272、同202、同1156、同1158、同1123、同1170、同1174、同UFR65、同300(以上、三井サイアナミッド社製)、ニカラックMx−750、同Mx−032、同Mx−270、同Mx−280、同Mx−290、同Mx−706、同Mx−708、同Mx−40、同Mx−31、同Ms−11、同Mw−30、同Mw−30HM、同Mw−390、同Mw−100LM、同Mw−750LM、(以上、三和ケミカル社製)等を挙げることができる。
上記イソシアネート化合物としては、分子中に複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を用いることができる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネートが用いられる。芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートおよび2,4−トリレンダイマーが挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。脂環式ポリイソシアネートの具体例としてはビシクロヘプタントリイソシアネートが挙げられる。並びに先に挙げられたイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体およびイソシアヌレート体が挙げられる。
上記ブロックイソシアネート化合物に含まれるブロック化イソシアネート基は、イソシアネート基がブロック剤との反応により保護されて一時的に不活性化された基である。所定温度に加熱されたときにそのブロック剤が解離してイソシアネート基が生成する。
ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物が用いられる。ブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、イソシアヌレート型、ビウレット型、アダクト型等が挙げられる。ブロックイソシアネート化合物を合成する為に用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、先に例示したような化合物が挙げられる。
イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノールおよびエチルフェノール等のフェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−パレロラクタム、γ−ブチロラクタムおよびβ−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤;アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンなどの活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルエーテル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチルおよび乳酸エチル等のアルコール系ブロック剤;ホルムアルデヒドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミドおよびマレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアミン系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤;メチレンイミンおよびプロピレンイミン等のイミン系ブロック剤等が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物は市販のものであってもよく、例えば、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(以上、日本ポリウレタン工業社製、商品名)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(以上、三井武田ケミカル社製、商品名)、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80T(以上、旭化成ケミカルズ社製、商品名)等が挙げられる。なお、スミジュールBL−3175、BL−4265はブロック剤としてメチルエチルオキシムを用いて得られるものである。
上記ポリイソシアネート化合物またはブロックイソシアネート化合物の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは、2〜70質量部である。上記配合量が、1質量部未満の場合、十分な塗膜の強靭性が得られないことがあり、好ましくない。一方、100質量部を超えた場合、保存安定性が低下することがあるので好ましくない。
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物には、水酸基やカルボキシル基とイソシアネート基との硬化反応を促進させるためにウレタン化触媒を加えることができる。ウレタン化触媒としては、錫系触媒、金属塩化物、金属アセチルアセトネート塩、金属硫酸塩、アミン化合物、およびアミン塩の少なくとも何れか1種よりなる群から選択される1種以上のウレタン化触媒を使用することが好ましい。
上記錫系触媒としては、例えばスタナスオクトエート、ジブチルすずジラウレートなどの有機すず化合物、無機すず化合物などが挙げられる。
上記金属塩化物としては、Cr、Mn、Co、Ni、Fe、CuおよびAlからなる群から選ばれる金属の塩化物で、例えば、塩化第二コバルト、塩化第一ニッケル、塩化第二鉄などが挙げられる。
上記金属アセチルアセトネート塩は、Cr、Mn、Co、Ni、Fe、CuおよびAlからなる群から選ばれる金属のアセチルアセトネート塩であり、例えば、コバルトアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネートなどが挙げられる。
上記金属硫酸塩としては、Cr、Mn、Co、Ni、Fe、CuおよびAlからなる群から選ばれる金属の硫酸塩で、例えば、硫酸銅などが挙げられる。
上記アミン化合物としては、例えば、従来公知のトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジモルホリノジエチルエーテル、N−メチルイミダゾール、ジメチルアミノピリジン、トリアジン、N’−(2−ヒドロキシエチル)−N,N,N’−トリメチルービス(2−アミノエチル)エーテル、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N’,N”,N”−テトラメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ビス(N,N−ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(N,N−ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、2−アミノキヌクリジン、3−アミノキヌクリジン、4−アミノキヌクリジン、2−キヌクリジオール、3−キヌクリジノール、4−キヌクリジノール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(3’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N,N−ジメチルアミノエチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン、N,N−ジメチルアミノエチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、メラミンおよびベンゾグアナミンの少なくとも何れか1種などが挙げられる。
上記アミン塩としては、例えば、DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)等の有機酸塩系のアミン塩などが挙げられる。
上記ウレタン化触媒の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10.0質量部である。
[(D)光重合開始剤]
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は光重合開始剤を含む。(D)光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を用いることができ、例えば、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤およびチタノセン系光重合開始剤からなる群から選択される1種以上の光重合開始剤を好適に使用することができる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02、ADEKA社製のN−1919、NCI−831などが挙げられる。また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができ、具体的には、下記一般式で表されるカルバゾール構造を有するオキシムエステル化合物が挙げられる。
Figure 0006211780
(式中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、結合か、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルで表し、nは0か1の整数である。)
特に、上記一般式中、X、Yが、それぞれメチル基またはエチル基であり、Zはメチル基またはフェニル基であり、nは0であり、Arは、結合か、フェニレン基、ナフチレン基、チオフェン基またはチエニレン基であることが好ましい。
また、好ましいカルバゾールオキシムエステル化合物として、下記一般式で表すことができる化合物を挙げることもできる。
Figure 0006211780
(式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基、または、ニトロ基、ハロゲン原子もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
は、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、または、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
は、酸素原子または硫黄原子で連結されていてもよく、フェニル基で置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよいベンジル基を表す。
は、ニトロ基、または、X−C(=O)−で表されるアシル基を表す。Xは、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアリール基、チエニル基、モルホリノ基、チオフェニル基、または、下記式で示される構造を表す。)
Figure 0006211780
その他、好ましいカルバゾールオキシムエステル化合物として、特開2004−359639号公報、特開2005−097141号公報、特開2005−220097号公報、特開2006−160634号公報、特開2008−094770号公報、特表2008−509967号公報、特表2009−040762号公報、特開2011−80036号公報記載のカルバゾールオキシムエステル化合物等を挙げることができる。
このようなオキシムエステル系光重合開始剤の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部とすることが好ましい。0.01質量部未満であると、光硬化性が不足し、耐薬品性などの塗膜特性が低下することがある。一方、5質量部を超えると、塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは、0.5〜3質量部である。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379などが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のルシリンTPO、BASFジャパン社製のイルガキュアー819などが挙げられる。
これらα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましい。0.01質量部未満であると、光硬化性が不足し、耐薬品性などの塗膜特性が低下することがある。一方、15質量部を超えると、アウトガスの低減効果が得られず、さらに塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは0.5〜10質量部である。
チタノセン系光重合開始剤としては、具体的にはビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、3、4、5、6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュアー784などが挙げられる。
上記チタノセン系光重合開始剤を用いる場合の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜2質量部であり、より好ましくは0.05〜1質量部である。0.05質量部未満であると深部硬化性の向上が確認されない。一方、2質量部を超えると、大きなハレーションを引き起こすおそれがあるため、好ましくない。さらに好ましくは0.1〜1質量部である。
また、光重合開始剤としてはBASFジャパン製のイルガキュアー389も好適に用いることが出来る。
上記光重合開始剤の他に、光開始助剤、増感剤を用いることができる。本発明の難燃性硬化性樹脂組成物に好適に用いることができる光重合開始剤、光開始助剤および増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、およびキサントン化合物などを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としては、具体的には、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、具体的には、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。
アントラキノン化合物としては、具体的には、例えば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどが挙げられる。
チオキサントン化合物としては、具体的には、例えば2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ケタール化合物としては、具体的には、例えばアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、具体的には、例えばベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
3級アミン化合物としては、具体的には、例えばエタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、市販品では、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達社製ニッソキュアーMABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)などのジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製カヤキュアーEPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬社製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)などが挙げられる。
これらのうち、チオキサントン化合物および3級アミン化合物が好ましい。特に、チオキサントン化合物が含まれることが、深部硬化性の面から好ましい。中でも、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン化合物を含むことが好ましい。
このようなチオキサントン化合物の配合量としては、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。チオキサントン化合物の配合量が20質量部を超えると、厚膜硬化性が低下するとともに、製品のコストアップに繋がる。より好ましくは10質量部以下である。
また、3級アミン化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、最大吸収波長が350〜450nmの範囲内にあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物およびケトクマリン類が特に好ましい。
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンが、毒性も低く好ましい。ジアルキルアミノ基含有クマリン化合物は、最大吸収波長が350〜410nmと紫外線領域にあるため、着色が少なく、無色透明な硬化被膜はもとより、着色顔料を用い、着色顔料自体の色を反映した着色硬化被膜を提供することが可能となる。特に、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オンが、波長400〜410nmのレーザー光に対して優れた増感効果を示すことから好ましい。
このような3級アミン化合物の配合量としては、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。3級アミン化合物の配合量が0.1質量部未満であると、十分な増感効果を得ることができない傾向にある。一方、20質量部を超えると、3級アミン化合物による塗膜の表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは0.1〜10質量部である。
これらの光重合開始剤、光開始助剤および増感剤は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上の混合物として使用することもできる。
このような光重合開始剤、光開始助剤、および増感剤の総量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して35質量部以下であることが好ましい。35質量部を超えると、これらの光吸収により深部硬化性が低下する傾向にある。
なお、上記したような光重合開始剤、光開始助剤、および増感剤は、特定の波長を吸収するため、場合によっては感度が低くなり、紫外線吸収剤として働くことがある。しかしながら、これらは組成物の感度を向上させることだけの目的に用いられるものではない。必要に応じて特定の波長の光を吸収させて、表面の光反応性を高め、レジストのライン形状および開口を垂直、テーパー状、逆テーパー状に変化させるとともに、ライン幅や開口径の加工精度を向上させることができる。
(光重合性モノマー/オリゴマー)
本発明の硬化性樹脂組成物は、光重合性モノマー/オリゴマーを配合することができる。光重合性モノマー/オリゴマーとしては、慣用公知の分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられ、具体的には、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。より具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか1種などが挙げられる。
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物等の光重合性モノマー/オリゴマーを併用してもよい。このようなエポキシアクリレート系樹脂や化合物は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる。
特に本発明では、多価アルコールまたはこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類や、フェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類、更には(メタ)アクリレート含有ウレタンオリゴマー類が好ましく、使用する光重合性モノマー/オリゴマーが2官能であることが低反り性、可撓性の観点からさらに好ましい。
上記の光重合性モノマー/オリゴマーの配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは5〜70質量部の割合である。上記配合量が、5質量部未満の場合、光硬化性が低下し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が困難となることがあるので、好ましくない。一方、100質量部を超えた場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下して、塗膜が脆くなることがあるので、好ましくない。
(難燃剤)
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、さらに難燃性を向上させるためリン含有化合物等の難燃剤を含んでも良い。
上記リン含有化合物としては、慣用公知のものを使用可能であり、例えば、リン酸エステルおよび縮合リン酸エステル、環状フォスファゼン化合物、フォスファゼンオリゴマー、ホスフィン酸金属塩や、下記一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006211780
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子以外の置換基を示す。)
上記一般式中、R、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、Rは、水素原子、シアノ基で置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、2,5−ジヒドロキシフェニル基、または3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基であることが好ましい。
上記一般式で表されるリン含有化合物の市販品としては、HCA、SANKO−220、M−ESTER、HCA−HQ(いずれも三光社製の商品名)等がある。
上記一般式におけるRとRが水素原子であり、Rが(メタ)アクリレート誘導体である化合物も好ましい。そのような化合物は、一般に9,10−ジヒドロー9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドと公知慣用の多官能(メタ)アクリレートモノマーとのマイケル付加反応により合成することができる。
上記公知慣用の(メタ)アクリレートモノマーとしては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物もしくはカプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;および上記ポリアルコール類のウレタンアクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか1種などが挙げられる。
フェノール性水酸基を有するリン含有化合物は、疎水性、耐熱性が高く、加水分解による電気特性の低下が無く、はんだ耐熱性が高い。また、好適な組み合わせとして、熱硬化性樹脂のうちエポキシ樹脂を用いた場合、エポキシ基と反応しネットワークに取り込まれるので硬化後にブリードアウトすることが無いという利点が得られる。市販品としては、三光社製HCA−HQなどがある。
オリゴマーもしくはポリマーであるリン含有化合物は、アルキル鎖の影響により折り曲げ性の低下が少なく、また分子量が大きいため硬化後のブリードアウトが無いという利点が得られる。市販品としては、三光社製M−Ester−HP、東洋紡社製リン含有バイロン337などがある。
フォスファゼンオリゴマーとしては、フェノキシフォスファゼン化合物が有効であり、置換もしくは無置換フェノキシフォスファゼンオリゴマーまたは3量体、4量体、5量体の環状物があり、液状や固体粉末のものがあるが、いずれも好適に使用することができる。市販品としては、伏見製薬所社製FP−100、FP−300、FP−390などがある。この中でも、アルキル基もしくは水酸基やシアノ基などの極性基で置換されたフェノキシフォスファゼンオリゴマーが、カルボキシル基含有樹脂への溶解性が高く、多量に添加しても再結晶などの不具合がないため好ましい。
ホスフィン酸金属塩を用いることにより、硬化塗膜の柔軟性を損なわず難燃性を向上させることができる。また、耐熱性に優れるホスフィン酸金属塩を用いることで実装時の熱プレスにおいて難燃剤のブリードアウトを抑えることができる。市販品としては、クラリアント社製のEXOLIT OP 930、EXOLIT OP 935などが挙げられる。
上記リン含有化合物の配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、1〜40質量部の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜30質量部である。40質量部を超えて多量に配合すると、難燃性は十分に得られるが、ブリードアウトが発生することがあるので好ましくない。
(着色剤)
本発明の硬化性樹脂組成物は、着色剤を配合することができる。着色剤としては、赤、青、緑、黄などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しない着色剤であることが好ましい。
赤色着色剤:
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には以下のものが挙げられる。
モノアゾ系:Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23, 31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258, 266, 267, 268, 269。
ジスアゾ系:Pigment Red 37, 38, 41。
モノアゾレーキ系:Pigment Red 48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1, 63:2, 64:1, 68。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Red 171、Pigment Red 175、Pigment Red 176、Pigment Red 185、Pigment Red 208。
ぺリレン系:Solvent Red 135、Solvent Red 179、Pigment Red 123、Pigment Red 149、Pigment Red 166、Pigment Red 178、Pigment Red 179、Pigment Red 190、Pigment Red 194、Pigment Red 224。
ジケトピロロピロール系:Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264、Pigment Red 270、Pigment Red 272。
縮合アゾ系:Pigment Red 220、Pigment Red 144、Pigment Red 166、Pigment Red 214、Pigment Red 220、Pigment Red 221、Pigment Red 242。
アンスラキノン系:Pigment Red 168、Pigment Red 177、Pigment Red 216、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 52、Solvent Red 207。
キナクリドン系:Pigment Red 122、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209。
青色着色剤:
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には:Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60。
染料系としては、Solvent Blue 35、Solvent Blue 63、Solvent Blue 68、Solvent Blue 70、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Blue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
緑色着色剤:
緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系があり、具体的にはPigment Green 7、Pigment Green 36、Solvent Green 3、Solvent Green 5、Solvent Green 20、Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
黄色着色剤:
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下のものが挙げられる。
アントラキノン系:Solvent Yellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、Pigment Yellow 202。
イソインドリノン系:Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 139、Pigment Yellow 179、Pigment Yellow 185。
縮合アゾ系:Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 94、Pigment Yellow 95、Pigment Yellow 128、Pigment Yellow 155、Pigment Yellow 166、Pigment Yellow 180。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Yellow 120、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 156、Pigment Yellow 175、Pigment Yellow 181。
モノアゾ系:Pigment Yellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104, 105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 183。
ジスアゾ系:Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 198。
その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色、黒などの着色剤を加えてもよい。
具体的に例示すれば、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet 13、36、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等がある。
上記したような着色剤は適宜配合することができ、配合量は特に制限されないが、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、10質量部以下の配合で充分であり、好ましくは0.1〜5質量部である。
(フィラー)
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、得られる硬化物の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラーを配合することができる。このようなフィラーとしては、公知慣用の無機または有機フィラーが使用できるが、特に硫酸バリウム、球状シリカおよびタルクが好ましく用いられる。また、難燃性を付与する目的で、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベーマイトなども使用することができる。さらに、1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物や上記多官能エポキシ樹脂にナノシリカを分散したHanse−Chemie社製のNANOCRYL(商品名) XP 0396、XP 0596、XP 0733、XP 0746、XP 0765、XP 0768、XP 0953、XP 0954、XP 1045(何れも製品グレード名)や、Hanse−Chemie社製のNANOPOX(商品名) XP 0516、XP 0525、XP 0314(何れも製品グレード名)も使用できる。これらを単独でまたは2種以上配合することができる。
上記フィラーの配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは500質量部以下、より好ましくは0.1〜300質量部、特に好ましくは、0.1〜150質量部である。フィラーの配合量が、500質量部を超えた場合、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり印刷性が低下したり、硬化物が脆くなることがあるので好ましくない。
(バインダーポリマー)
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物には得られる硬化物の可撓性、指触乾燥性の向上を目的に慣用公知のバインダーポリマーを使用することができる。バインダーポリマーとしてはセルロース系、ポリエステル系、フェノキシ樹脂系ポリマーが好ましい。セルロース系ポリマーとしてはイーストマン社製セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)シリーズが挙げられ、ポリエステル系ポリマーとしては東洋紡社製バイロンシリーズ、フェノキシ樹脂系ポリマーとしてはビスフェノールA、ビスフェノールFおよびそれらの水添化合物のフェノキシ樹脂が好ましい。
上記バインダーポリマーの配合量は、固形分換算で、上記(B)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは1〜30質量部、特に好ましくは、5〜30質量部である。バインダーポリマーの配合量が、50質量部を超えた場合、硬化性樹脂組成物のアルカリ現像性が劣り現像可能な可使時間が短くなることがあるので好ましくない。
(エラストマー)
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、得られる硬化物に対する柔軟性の付与、硬化物の脆さの改善などを目的にエラストマーを配合することができる。エラストマーとしては、例えばポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステルウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステルアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマーが挙げられる。また、種々の骨格を有するエポキシ樹脂の一部または全部のエポキシ基を両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリロニトリルゴムで変性した樹脂なども使用できる。更にはエポキシ含有ポリブタジエン系エラストマー、アクリル含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有イソプレン系エラストマー等も使用することができる。エラストマーは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上の混合物として使用してもよい。
(密着促進剤)
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物には層間の密着性、または感光性樹脂層と基材との密着性を向上させるために密着促進剤を用いることができる。密着促進剤としては、例えば、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアゾール−2−チオン、2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などがある。
(酸化防止剤)
高分子材料の多くは、一度酸化が始まると、次々と連鎖的に酸化劣化が起き、高分子素材の機能低下をもたらすことから、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物には酸化を防ぐために(1)発生したラジカルを無効化するようなラジカル補足剤および(2)発生した過酸化物の少なくとも何れか1種を無害な物質に分解し、新たなラジカルが発生しないようにする過酸化物分解剤などの酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(紫外線吸収剤)
高分子材料は光を吸収し、それにより分解・劣化を起こすことから、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は紫外線に対する安定化対策を行うために、上記酸化防止剤の他に、紫外線吸収剤を使用することができる。
紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、シンナメート誘導体、アントラニレート誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体などが挙げられる。紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記酸化防止剤と併用することで本発明の硬化性樹脂組成物より得られる成形物の安定化が図れる。
(その他の添加剤)
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤およびレベリング剤の少なくとも何れか1種、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
上記熱重合禁止剤は、難燃性硬化性樹脂組成物の不本意な熱的な重合または経時的な重合を防止するために用いることができる。熱重合禁止剤としては例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、およびフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレートなどが挙げられる。
(有機溶剤)
さらに、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、上記(B)カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調整のため、または基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などである。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジストとして好ましく使用することができる。また、難燃性、可撓性、低反り性に優れた難燃性被膜を得ることができることから、FPC用の難燃性硬化性樹脂組成物として特に好ましく使用することができる。
本発明のドライフィルムは、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物をフィルム(キャリアフィルム)に塗布乾燥してなるものであり、キャリアフィルムと、該キャリアフィルム上に形成された難燃性硬化性樹脂組成物からなる層とを備える。
ドライフィルム化に際しては、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物を適切な粘度に上記有機溶剤で希釈し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等で支持体上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、10〜150μm、好ましくは20〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルム上に成膜した後、さらに、膜の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが望ましい。
剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜と支持体との接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
本発明の難燃性被膜は、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物、または、本発明のドライフィルムを熱硬化および光硬化の少なくとも何れか一方によって得られるものである。下記に上記難燃性被膜の製造方法の具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。上記難燃性硬化性樹脂組成物の形態の場合、例えば上記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記ドライフィルムの形態の場合、基材上にホットロールラミネーター等を用いて貼り合わせる(上記難燃性硬化性樹脂組成物層と基材とが接触するように貼り合わせる)。上記フィルムの難燃性硬化性樹脂組成物層上に、さらに剥離可能なカバーフィルムを備えたドライフィルムの場合、カバーフィルムを剥がした後、上記難燃性硬化性樹脂組成物層と基材とが接触するようにホットロールラミネーター等を用いて貼り合わせる。
その後、光硬化させる場合には、得られた難燃性硬化性樹脂組成物の塗膜、または、貼り合わせたドライフィルムの難燃性硬化性樹脂組成物層に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行う。露光は、接触式(または非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光する方法、あるいはレーザーダイレクト露光機により直接パターン露光する方法のいずれでもよい。この露光により、塗膜(難燃性硬化性樹脂組成物層)は、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。次いで、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3%炭酸ソーダ水溶液)により現像してレジストパターンを形成することによって、所望のパターンの上記難燃性被膜を得ることができるができる。また、熱硬化させる場合には、例えば、約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、上記(B)カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基と、環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分が反応し、硬化塗膜が形成されることによって、難燃性被膜が得ることができる。
上記基材としては、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネートエステル等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板や、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を用いることができる。
本発明の難燃性硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法や、ノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光を用いていれば、ガスレーザー、固体レーザーのどちらでもよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には20〜800mJ/cm、好ましくは20〜600mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
本発明のプリント配線板は、本発明の難燃性硬化性樹脂組成物、または、本発明のドライフィルムを熱硬化および光硬化の少なくとも何れか一方によって得られる難燃性被膜を備えるものである。下記に上記プリント配線板の製造方法の具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
回路形成されたプリント配線板上に本発明の難燃性硬化性樹脂組成物の塗膜を形成した後、または、本発明のドライフィルムを貼り合わせて難燃性硬化性樹脂組成物層を形成した後、(上記ドライフィルムを貼り合わせた場合は、回路形成されたプリント配線板上にラミネート後、支持体を剥がさず)、レーザー光等の活性エネルギー線をパターン通りに直接照射するか、またはパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成できる(上記ドライフィルムを貼り合わせた場合、露光後、支持体を剥がし、現像する)。それによって、所望のパターンの上記難燃性被膜を備えるプリント配線板を得ることができる。また、熱硬化させる場合には、加熱硬化のみ、または活性エネルギー線の照射後加熱硬化もしくは加熱硬化後活性エネルギー線の照射で最終硬化(本硬化)させ、硬化膜(硬化物)を形成することができる。それによって、上記難燃性被膜を備えるプリント配線板を得ることができる。パターンの形成はフォトリソグラフィ法に限らず、スクリーン印刷法等を使用してもよい。
本発明の光重合性樹脂組成物、および、ドライフィルムにより形成された硬化塗膜はプリント配線板の永久被膜として好適であり、中でもソルダーレジストや層間絶縁材料として好適である。
(リン元素含有アクリレート樹脂の合成)
[合成例1]
10−(2,3−ジカルボキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシド(三光社製、M−Acid)1384重量部、3−メチルペンタンジオール590重量部、触媒であるテトラ−n−ブチルチタネート0.1重量部を、オートクレーブに仕込み、220〜235℃で3時間加熱した後、20分かけて5mmHgまで減圧し、この間250℃まで昇温し、250℃で60分間重縮合反応を実施した。その後、得られた反応物を室温まで冷却し、アクリル酸147g、メタンスルホン酸19.22g、メチルハイドロキノン0.3gおよびトルエン1000gを、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃ で12時間反応させた。反応により生成した水はトルエンと共沸混合物として留去した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液58.92gで中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート529.5gで置換しつつ留去して、固形分75%、リン濃度6.3%であるリン元素含有アクリレート樹脂溶液(ワニス)を得た。以下、得られたリン元素含有アクリレート樹脂溶液をA−1と称する。
[合成例2]
10−(2,3−ジカルボキシプロピル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシド692重量部(三光社製、M−Acid)、グリシジルメタクリレート284重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート418重量を100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで、トリフェニルホスフィン2.1重量部を仕込み、115℃で4時間反応を行い、固形分65%、リン濃度4.7%のリン元素含有アクリレート樹脂溶液(ワニス)を得た。以下、得られたリン元素含有アクリレート樹脂溶液をA−2と称する。
(カルボキシル基含有樹脂の合成または調製)
[合成例3:上記カルボキシル基含有樹脂(5)に該当する樹脂の合成(B−1)]
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、T5650J、数平均分子量800)を2400g(3モル)、ジメチロールプロピオン酸を603g(4.5モル)、およびモノヒドロキシル化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレートを238g(2.6モル)投入した。次いで、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート1887g(8.5モル)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。固形分が50質量%となるようにカルビトールアセテートを添加した。得られたカルボキシル基含有樹脂の固形分の酸価は50mgKOH/gであった。以下、得られた樹脂溶液(ワニス)をB−1と称する。
[調製例1:上記カルボキシル基含有樹脂(8)に該当する樹脂の調製(B−2)]
感光性基含有でビスフェノールF型の多官能エポキシを使用した感光性カルボキシル基含有樹脂(日本化薬社製、ZFR−1401H(固形分65%、樹脂としての酸価は98mgKOH/g))を用いた。以下、その樹脂溶液(ワニス)をB−2と称する。
[調製例2:上記カルボキシル基含有樹脂(4)に該当する樹脂の調製(B−3)]
感光性基含有でウレタン構造を有するカルボキシル基含有樹脂[日本化薬社製、UXE−3000(固形分65%、樹脂としての酸価は98mgKOH/g)]を用いた。以下、その樹脂溶液(ワニス)をB−3と称する。
[合成例4:上記カルボキシル基含有樹脂(6)に該当する樹脂の合成(B−4)]
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC社製、EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6〕1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)、およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)415g、テトラヒドロ無水フタル酸456.0g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却後、固形分酸価89mgKOH/g、固形分65%の樹脂溶液を得た。以下、得られた樹脂溶液(ワニス)をB−4と称する。
[実施例6、参考例1〜5、7、比較例1〜4]
上記の樹脂溶液(ワニス)を、表1に示す種々の成分とともに表1に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。ここで、得られた各硬化性樹脂組成物の分散度をエリクセン社製グラインドメータによる粒度測定にて評価したところ、15μm以下であった。
Figure 0006211780
*1:日本化薬社製 NC−3000−L(ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂)の固形分75%、カルビトールアセテート25%で調整したワニス
*2:三菱化学社製 YX4000、固形分100%
*3:三菱化学社製 jER828、固形分100%
*4:BASFジャパン社製 ルシリンTPO
*5:BASFジャパン社製 イルガキュアー389
*6:BASFジャパン社製 イルガキュアーOXE−02
*7:大塚化学社製 SPE−100
*8:新中村化学社製 BPE−500
*9:日本化薬社製 KAYARAD UX−2201
*10:昭和電工社製 ハイジライトH−42M
*11:C.I.Pigment Blue 15:3
*12:C.I.Pigment Yellow147
*13:ジエチレングリコールモノエチルエーテールアセテート
[性能評価]
<最適露光量>
上記各実施例6、参考例1〜5、7および比較例1〜4の硬化性樹脂組成物を、銅厚35μmの回路パターン基板をバフロール研磨後、水洗し、乾燥してからスクリーン印刷法により全面に塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥させた(乾燥後膜厚20μm)。メタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いてステップタブレット(Kodak No.2)を介して露光し、現像(30℃、0.2MPa、1wt%NaCO水溶液)を60秒で行った際残存するステップタブレットのパターンが6段の時を最適露光量とした。
<可撓性(耐折性)>
上記各実施例6、参考例1〜5、7および比較例1〜4の硬化性樹脂組成物を、25μm厚のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン100H)にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷した(乾燥後膜厚15μm)。得られた基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でレジストパターンを露光し、30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た後、この基板を150℃で60分加熱して硬化し、評価基板を得た。
得られた評価基板に対してハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、その際の塗膜におけるクラック発生状況を目視および200倍の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生するまでに行った折り曲げ回数を測定し、以下の基準で可撓性を評価した。
◎:5回以上
○:3〜4回
△:1〜2回
×:0回
<低反り性>
可撓性(耐折性)の評価基板と同様に作製して得られた評価サンプルを50mm×50mm□に切り出し、4角の反りを測定して平均値を求め、以下の基準で低反り性を評価した。
○:反りが4mm未満であるもの。
△:反りが4mm以上、8mm未満であるもの。
×:反りが8mm以上であるもの。
<高温プレス耐性>
上記各実施例6、参考例1〜5、7および比較例1〜4の硬化性樹脂組成物を、パターン形成されたポリイミドフィルム基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷した(乾燥後膜厚20μm)。得られた基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でソルダーレジストパターンを露光し、30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。この基板を、150℃で60分加熱して硬化した。得られたプリント基板(評価基板)をクッション材ではさみSUS板を用いて20kgf/cmの加重を与え150℃で60分真空プレスを行った。プレス後の基板の開口部を目視および200倍の光学顕微鏡で観察しブリードアウトの確認を行い、以下の基準で高温プレス耐性を評価した。
○:開口部にブリードアウトなし。
×:開口部にブリードアウトあり。
<難燃性>
上記各実施例6、参考例1〜5、7および比較例1〜4の硬化性樹脂組成物を、25μm、12.5μm厚のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン100H(25μm))にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した(乾燥後膜厚20μm)。さらに裏面を同様にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷し両面塗布基板を得た。得られた両面基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でソルダーレジストを全面露光し、30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧2kg/cmの条件で60秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い評価サンプルとした。この難燃性評価用サンプルついて、難燃性試験として、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価は難燃性試験合格をVTM−0、不合格を燃焼と表した。
上記各評価試験の結果を表2にまとめて示す。
Figure 0006211780
(実施例13、参考例8〜12、14
表1に示す実施例6、参考例1〜5、7の配合からシリコーン系消泡剤を除いた配合で調製した各硬化性樹脂組成物をメチルエチルケトンで希釈し、キャリアフィルム(PET)上に塗布し、加熱乾燥して、厚さ20μmの感光性樹脂組成物層を形成し、その上にカバーフィルム(PE)を貼り合わせてドライフィルムを得た。その後、カバーフィルムを剥がし、パターン形成された銅箔基板に、ラミネーターを用いフィルムを貼り合わせ、試験基板を作製した。前述した試験方法および評価方法と同様にして、各特性の評価試験を行なった。なお、参考例1の組成によるドライフィルムが参考例8、参考例2の組成が参考例9、参考例3の組成が参考例10、参考例4の組成が参考例11、参考例5の組成が参考例12、実施例6の組成が実施例13、参考例7の組成が参考例14にそれぞれ対応する。結果を下記表3に記す。
Figure 0006211780
上記表2、3に示す結果から、実施例6、13、参考例1〜5、7〜12、14の硬化性樹脂組成物の場合、良好な可撓性、低反り性を有し、且つ、優れた難燃性も兼ね備えていることが分かる。一方、本発明のリン含有アクリレート樹脂を含有しない比較例1の硬化性樹脂組成物は難燃性、可撓性、低反り性に劣り、ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂を含有しない比較例2は可撓性、低反り性、難燃性に劣ることが分かった。本発明のリン含有アクリレート樹脂の代わりにフェノキシホスファゼンを用いた比較例3は良好な可撓性、低反り性、難燃性を備えているが高温プレス耐性に劣り、本発明のリン含有アクリレート樹脂の代わりにウレタンアクリレートを用いた比較例4は良好な可撓性、低反り性を有するが難燃性に劣ることが分かった。上記の特性に優れた本発明の難燃性硬化性樹脂組成物は、FPC用のソルダーレジストとして好ましく使用できることが分かった。
参考例1、15および比較例5、6]
上記の樹脂溶液(ワニス)を、表4に示す種々の成分とともに表4に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、参考例15、比較例5および比較例6の硬化性樹脂組成物を調製した。ここで、得られた各硬化性樹脂組成物の分散度をエリクセン社製グラインドメータによる粒度測定にて評価したところ、15μm以下であった。各硬化性樹脂組成物および上記参考例1の硬化性樹脂組成物について、下記の評価試験を行った。
[性能評価]
<低反り性>
上記と同じ方法で、ポリイミドフィルム厚みは2条件(カプトン100H(25μm)、カプトン50H(12.5μm)、何れも東レ・デュポン社製)、露光量は2条件(100mJ/cm、400mJ/cm)の合計4条件で評価した。
上記評価試験の結果を表4にまとめて示す。低反り性の評価に記載の数値は、4角の反りの平均値を示す。
Figure 0006211780
*1:未実施
*2:昭和電工社製 HFA−6065E(リン含有多官能アクリレート)(固形分67.5%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート32.5%)
*3:日本化薬社製 NC−3000−L(ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂)の固形分75%、カルビトールアセテート25%で調整したワニス
*4:三菱化学社製 YX4000、固形分100%
*5:BASFジャパン社製 ルシリンTPO
*6:BASFジャパン社製 イルガキュアーOXE−02
*7:新中村化学社製 BPE−500
*8:昭和電工社製 ハイジライトH−42M
*9:C.I.Pigment Blue 15:3
*10:C.I.Pigment Yellow147
*11:ジエチレングリコールモノエチルエーテールアセテート
上記表4に示す結果から、参考例1、15の硬化性樹脂組成物の場合、良好な低反り性を示すことが分かった。一方、(A)リン元素含有アクリレート樹脂の代わりに、他のリン元素含有アクリレート樹脂を含有する比較例5、6の硬化性樹脂組成物は、低反り性に劣ることが分かった。

Claims (5)

  1. (A)下記一般式(1)で表されるリン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の少なくとも何れか1種
    Figure 0006211780
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、mおよびnは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、点線は2つのカルボキシル基が酸無水物を形成していてもよいことを示す。)
    と、前記リン元素含有ジカルボン酸およびその無水物の少なくとも何れか1種が有するカルボン酸またはカルボン酸無水物と反応する官能基を有する(メタ)アクリレート化合物との反応物であるリン元素含有(メタ)アクリレート樹脂、
    (B)カルボキシル基含有樹脂、
    (C)ビフェニルノボラック構造を有するエポキシ樹脂、および、
    (D)光重合開始剤、
    を含有することを特徴とする難燃性硬化性樹脂組成物。
  2. ソルダーレジスト形成用であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の難燃性硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布乾燥してなる層を備えることを特徴とするドライフィルム。
  4. 請求項1または2に記載の難燃性硬化性樹脂組成物、または、請求項に記載のドライフィルムの前記難燃性硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布乾燥してなる層の硬化物であることを特徴とする難燃性被膜。
  5. 請求項に記載の難燃性被膜を備えることを特徴とするプリント配線板。
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