JP6211345B2 - 杭頭処理方法および揚重治具 - Google Patents

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Description

本発明は、杭の現場造成時の杭頭処理方法およびこれに用いる揚重治具に関する。
基礎杭などの地下杭を現場造成により構築することがある。杭の現場造成の例を図13に示す。この例では、図13(a)に示すように地盤100の掘削を行って孔101を形成した後、図13(b)に示すように孔101に鉄筋籠102を建込み、図13(c)に示すように、トレミー管などを用いてコンクリート103の打設を開始する。
図13(d)に示すように、コンクリート103の打設の進行に伴って最初に打設したコンクリートが上昇し、杭頭の余盛コンクリート103aとなる。コンクリート103の硬化により杭は形成されるが、余盛コンクリート103aは孔101の底部にあった土等の不純物を含んでおり構造体とはできないため、これを解体、除去する必要がある。この例では、図13(e)に示すように杭頭の周囲の地盤100を掘削した後、図13(f)に示すように地上にて余盛コンクリート103aを解体、除去している。
余盛コンクリートを除去する際には、主にハンドブレーカを用いて人力にて解体を行う場合が多い。また、余盛コンクリートの下端に横方向の貫通孔を形成して油圧式のパッカ等を挿入し、これを拡げて余盛コンクリートを下方のコンクリートから分断した後、鉄筋籠の主筋から抜き取るようにして引き上げ、除去する方法もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−7397号公報
しかしながら、ハンドブレーカを用いた解体方法では、確実に余盛コンクリートを除去することができるものの、人力による作業のため効率が悪かった。また、大きな騒音、振動や粉塵の飛散も問題となる。これを抑えるために防音シートや単管パイプなどを用いて作業場に仮設の覆いを設ける場合もあるが、杭は通常複数本構築するので、作業の進捗に合わせて盛り替える必要があり、非効率的である。
特許文献1の方法では、騒音や振動、粉塵などを抑制できるが、主筋を曲げないためにコンクリート余盛部全体を一度に引き上げる必要があり、大型の揚重機が必要であり、狭所などで作業性が低かった。また、大型の揚重機の使用に伴う仮設構台のオーバースペックも問題であった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は騒音や振動、粉塵などを抑え、作業性も高い杭頭処理方法等を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、杭の現場造成の際、地上に露出した杭頭のコンクリートの側面から内側へ向かう第1の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを上下に分断した後、前記コンクリートの頂面から下方に向かう第2の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを横方向に分断する工程(a)と、柱部と上昇部とを有し、前記柱部に側面から出入可能な突起部を設けた複数の揚重治具を、少なくとも1つの揚重治具の前記柱部を前記第2の孔に挿入するようにして、前記コンクリートを分断したコンクリート片を平面上挟む位置に配置し、各揚重治具の前記柱部の前記突起部を前記コンクリート片に向かって突出させて各揚重治具の間で前記コンクリート片を把持し、前記上昇部によって各揚重治具の前記柱部を上昇させることで前記コンクリート片を持ち上げ、除去する工程(b)と、を具備することを特徴とする杭頭処理方法である。
第1の発明では、杭頭の余盛コンクリートを杭本体から分断してコンクリート片に分割し、余盛コンクリートの分断時に形成した上下方向の孔に挿入した揚重治具を用いてコンクリート片を持ち上げるので、小型重機等でこれを掴み取って除去することができる。この方法によれば、コンクリートを粉砕することなくブロック状に分割して容易に除去できるので、騒音や振動、粉塵を抑制でき、大型の重機も不要で人力作業も大きく減るので作業性も向上する。
また、油圧破砕機などの孔拡張手段によってコンクリートを分断することで、コンクリートを任意の大きさで分割することができ、作業条件に制約があっても小型重機による除去が可能となる。また騒音や振動、粉塵も抑えられ、杭本体のコンクリートへ与える影響も小さい。
前記上昇部が、前記柱部の下端部に設けられることが望ましい。
これにより、コンクリートに鉄筋籠の主筋が上下方向に埋設されている場合でも、揚重治具にてコンクリート片を主筋に沿って確実に持ち上げて除去でき、主筋の変形を確実に防ぐことができる。
前記コンクリートの外周部に上下方向の主筋が埋設され、前記工程(b)では、前記主筋の内側のコンクリートを除去することが望ましい。
本発明は、主筋の干渉などにより除去が困難となる主筋内側のコンクリート片の除去に特に有効である。
前記コンクリートの外周部に上下方向の主筋が埋設され、前記主筋の外側への変形を防止するための変形防止材が設けられることが望ましい。
これにより、コンクリートの横方向の分断時の主筋の変形が抑えられる。
第2の発明は、杭の現場造成の際、地上に露出した杭頭のコンクリートの側面から内側へ向かう第1の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを上下に分断した後、前記コンクリートの頂面から下方に向かう第2の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを横方向に分断したコンクリート片を持ち上げて除去するために用いる揚重治具であって、前記第2の孔に挿入可能な柱部と、前記柱部を上昇させるための上昇部とを有し、前記柱部に側面から出入可能な突起部が設けられ、前記突起部は、前記柱部から前記コンクリート片に向かって突出させ、先端を前記コンクリート片の側面に食い込ませるためのものであり、前記上昇部は、前記柱部を上昇させることで前記コンクリート片を持ち上げるためのものであることを特徴とする揚重治具である。
また、前記上昇部が、前記柱部の下端部に設けられることが望ましい。
本発明によれば、騒音や振動、粉塵などを抑え、作業性も高い杭頭処理方法等を提供できる。
現場造成杭1を示す図 割岩用孔11、13、15a、15bを示す図 油圧破砕機20の挿入を示す図 コンクリートの上下方向の分断を示す図 かぶりコンクリートのコンクリート片19の除去を示す図 コンクリートの横方向の分断を示す図 コンクリートの横方向の分断を示す図 揚重治具23の設置を示す図 揚重治具23を示す図 コンクリート片21の持ち上げを示す図 揚重治具33を示す図 コンクリート片21の持ち上げを示す図 杭の現場造成について示す図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(現場造成杭1)
図1は、本発明の実施形態に係る杭頭処理方法により余盛コンクリートの解体除去を行う現場造成杭1を示す図である。この現場造成杭1は、図13等を用いて説明したものと同様の方法で、地盤に形成した孔3に鉄筋籠を建て込みコンクリートを打設して形成されたものである。図1は、コンクリートの硬化後、周囲の地盤を掘り下げるなどして杭頭を地上に露出させた段階を示している。
図1に示すように、現場造成杭1のコンクリートは、地上に露出した杭頭部分の余盛コンクリート5と、余盛コンクリート5の下方の、杭本体として使用する構造体コンクリート7とからなる。また、外周部には鉄筋籠の主筋9が周方向に間隔をあけて埋設される。余盛コンクリート5の大きさは、例えば高さが800mm程度、直径が2.0m程度である。
(杭頭処理方法)
次に、上記の現場造成杭1の余盛コンクリート5の解体除去を行う杭頭処理方法について説明する。
(1.割岩用孔の形成)
本実施形態では油圧破砕機(孔拡張手段)を用いて余盛コンクリート5の分割を行う。そこで、まず図2に示すように現場造成杭1に油圧破砕機を挿入するための割岩用孔を形成する。
ここでは、余盛コンクリート5と構造体コンクリート7との境界面17に、横方向の複数の割岩用孔11(第1の孔)を形成する。割岩用孔11は、コンクリートの側面から内側へと平面中心に向けて水平に穿孔する。
また、余盛コンクリート5の頂面から下方に向かい、前記の境界面17に達する複数の割岩用孔13、15a、15b(第2の孔)を形成する。割岩用孔13、15a、15bは、それぞれ余盛コンクリート5の周方向に間隔をあけて設けられる。割岩用孔13は、隣り合う主筋9間の中心の若干内側で鉛直下方に穿孔を行い形成する。割岩用孔15a、15bは割岩用孔13の内側で鉛直下方に穿孔を行い形成する。割岩用孔15bは割岩用孔15aより内側に設けられる。
割岩用孔11、13、15a、15bの位置、数、径、深さなどは、穿孔機械や油圧破砕機の仕様、余盛コンクリート5の大きさや形状等に応じて、後述するように余盛コンクリート5を構造体コンクリート7から好適に分断し複数のコンクリート片に分割できるように適切に設定する。
(2.コンクリートの上下方向の分断)
次に、油圧破砕機を用いて余盛コンクリート5と構造体コンクリート7とを上下に分断する。
コンクリートの分断を行うには、まず図3(a)に示すように、各割岩用孔11に油圧破砕機20の先端部のウェッジライナー20aを挿入する。そして、図3(b)に示すように油圧によってくさび状のウェッジ20bを押し込んでウェッジライナー20aを上下に拡げ、上下のコンクリートに圧力をかける。
すると、図4に示すように余盛コンクリート5と構造体コンクリート7との境界面17に横方向の割裂が生じ、図の矢印Aに示すように余盛コンクリート5が構造体コンクリート7から分断される。
(3.かぶりコンクリートの除去)
続いて、余盛コンクリート5の主筋9の外側のかぶりコンクリートを取り除く。
ここでは、上下方向の各割岩用孔13に油圧破砕機を挿入して前記と同様にして余盛コンクリート5の平面の内外方向に圧力を加える。すると、図5に示すように各割岩用孔13から余盛コンクリート5の外周面へと至る上下方向の割裂が生じ、主筋9の外側のかぶりコンクリートが図の矢印Bに示すように横方向に分断される。その後、分断されたかぶりコンクリートのコンクリート片19を小型重機等を用いて除去する。必要に応じて、コンクリート片19を除去した後に残った主筋9の外側のコンクリートも取り除かれる。
(4.コンクリートの横方向の分断)
その後、油圧破砕機を用いて、残った余盛コンクリート5をさらに横方向に分断する。
ここでは、上下方向の各割岩用孔15aに油圧破砕機を挿入して前記と同様にして内外方向に圧力を加える。これにより、図6に示すように、各割岩用孔15aから残った余盛コンクリート5の外周面へ至る上下方向の割裂が生じ、前記と同様、主筋9の内側のコンクリートが横方向に分断され、複数のコンクリート片21に分割される。
続いて、同じく上下方向の各割岩用孔15bに油圧破砕機を挿入し、前記と同様にして内外方向に圧力を加える。これにより、図7に示すように、上記のコンクリート片21の内側のコンクリートが横方向にさらに分断され、コンクリート片21となる。
なお、上記のようにコンクリートを横方向へ分断する際に主筋9が外側に向かって曲がらないよう、各主筋9の上部を取り囲むように図示しないリング状の帯筋を予め溶接し変形防止材として仮固定しておくことも可能である。ただし、後述するコンクリート片21の除去時には取外すようにしておく。その他、変形防止材としては主筋9を囲むように余盛コンクリート5の側面をシートで覆い、外側からワイヤを巻き付けるような構成も可能である。
また、本実施形態では全ての割岩用孔11、13、15a、15bを形成した後で、これらの割岩用孔11、13、15a、15bを利用してコンクリートを分断したが、作業順序はこれに限らない。例えば、先に割岩用孔11を形成して油圧破砕機20を用い余盛コンクリート5を構造体コンクリート7から分断した後、割岩用孔13、15a、15bを形成して油圧破砕機を用い余盛コンクリート5を横方向に分割してもよい。いずれにしても、杭本体の健全性を担保するため、最初に割岩用孔11を利用して余盛コンクリート5と構造体コンクリート7を上下に分断し、その後に割岩用孔13、15a、15bを利用して余盛コンクリート5を横方向に分割すればよい。
さらに、割岩用孔13、15a、15bの穿孔の手間を省くため、現場造成杭1の構築時に、鉄筋籠の上端部に塩ビ管などを上下方向に取り付けた状態でコンクリートを打設し、コンクリートの硬化後にこの塩ビ管を割岩用孔13、15a、15bとして用いることも可能である。
(5.コンクリート片21の除去)
以上のように主筋9の内側のコンクリートをコンクリート片21へと分割した後、揚重治具を用いてコンクリート片21の除去を行う。
これを図8〜図10を参照して説明する。図8は揚重治具23の設置を示す図であり、図9は揚重治具23を示す図である。また、図10はコンクリート片21の持ち上げを示す図である。図10(a)、(b)、(c)は2つの揚重治具23を結ぶ方向に沿った余盛コンクリート5の上下方向断面を示す。
ここでは、図8に示すように、除去対象のコンクリート片21を平面上挟む位置にある上下方向の2つの割岩用孔15a、15aのそれぞれに、揚重治具23を挿入する。
この揚重治具23を図9に示す。図に示すように、揚重治具23は、柱部25、突起部27、上昇部29等で構成される。
柱部25は、上下方向の割岩用孔に挿入可能な径を有する柱体である。例えば、割岩用孔の径が100mm程度の場合、柱部25の径は80mm程度以下とすることが望ましい。
突起部27は、先端が尖った形状を有する部材である。突起部27は、柱部25の側面に、上下方向に所定の間隔をあけて設けられる。突起部27は油圧機構(不図示)等により柱部25の側面から出入可能である。
上昇部29は、柱部25を上昇させるためのものであり、柱部25の下端部に設けられる。本実施形態では上下に伸縮する油圧ジャッキを用いるが、これに限ることなく、柱部25を上昇させることができればよい。
図10(a)に示すように、本実施形態では、突起部27を柱部25に収納した状態で、揚重治具23の柱部25を各割岩用孔15aに挿入して下端部の上昇部29を構造体コンクリート7の上面に配置する。
その後、図10(b)に示すように各揚重治具23の柱部25の側面からコンクリート片21に向かって突起部27を突出させ、突起部27の先端をコンクリート片21の側面に食い込ませる。こうして、2つの揚重治具23、23により、矢印Cに示すようにコンクリート片21を側方から把持する。
そして、図10(c)に示すように各揚重治具23の上昇部29の油圧ジャッキを同時に伸長させて柱部25を上昇させることにより、コンクリート片21を上方へ持ち上げる。コンクリート片21を100〜200mm程度持ち上げ、上端部を残った余盛コンクリート5の頂面から突出させると、小型重機(不図示)に取り付けたニブラなどでコンクリート片21の上端部を掴み、引き上げて除去する。残りのコンクリート片21は、上記と同様の方法で、もしくはコンクリート片21を抜き取った部分の空洞を取っ掛かりとして小型重機に取り付けたニブラで噛み砕くなどして、順次除去できる。
このように、第1の実施形態では、杭頭の余盛コンクリート5を杭本体から分断してコンクリート片21へと分割し、余盛コンクリート5の分断時に形成した上下方向の割岩用孔15aに挿入した揚重治具23を用いてコンクリート片21を持ち上げるので、小型重機等でこれを掴み取って除去することができる。この方法によれば、コンクリートを粉砕することなくブロック状に分割して容易に除去できるので、騒音や振動、粉塵を抑制でき、大型の重機も不要で人力作業も大きく減るので作業効率も向上する。
また、油圧破砕機20によってコンクリートを分断することで、コンクリートを任意の大きさで分割することができ、作業条件に制約があっても、小型重機による除去が可能となる。また騒音や振動、粉塵も抑えられ、杭本体のコンクリートへ与える影響も小さい。
しかしながら、本発明が上記の実施形態に限ることはない。例えば、揚重治具23では柱部25の下端部に上昇部29を設けたが、柱部25の上部側方に上昇部29を連結してもよい。この場合は、上昇部29の油圧ジャッキを、除去対象のコンクリート片21以外の位置で余盛コンクリート5の頂面に設置し、該頂面で反力をとりつつ伸長させると、コンクリート片21を持ち上げることができる。ただし、本実施形態のように柱部25の下端部に上昇部29を設けると、コンクリート片21を上下方向の主筋9に沿って鉛直上方に確実に持ち上げて除去でき、主筋9の変形を確実に防ぐことができる。
さらに、本実施形態では割岩用孔15aに揚重治具23を配置して主筋内側のコンクリート片21の除去に用いたが、揚重治具23は割岩用孔15bに配置して用いてもよい。また、一方の揚重治具23のみ割岩用孔15a等に挿入して配置し、他方は余盛コンクリート5の外周面に沿って配置して、その間のコンクリート片21を持ち上げて除去することも可能である。
あるいは、かぶりコンクリートのコンクリート片19を除去する前に前記の方法で主筋9の内側のコンクリートをコンクリート片21に分割することも可能で、この場合では、揚重治具23を割岩用孔13に挿入してコンクリート片21の除去に用いることも可能である。
なお、以上では主筋内側のコンクリート片21を除去するケースを説明した。本発明の杭頭処理方法は、コンクリート片21を主筋9に沿って鉛直上方に持ち上げて除去できることから、主筋9の干渉などにより除去が困難となる主筋内側のコンクリート片21の除去に特に有効である。ただし、前記したかぶりコンクリートのコンクリート片19を揚重治具23を用いて除去することも可能である。この場合は割岩用孔13に一方の揚重治具23を配置し、他方の揚重治具23を余盛コンクリート5の外周面に沿って配置して、その間のコンクリート片19を持ち上げればよい。
さらに、本実施形態では2つの揚重治具23を用いたが、揚重治具23の数は複数であればよく、3つ、あるいは4つの揚重治具23を用いることなども可能である。コンクリート片を平面上挟むようにしてこれら複数の揚重治具23を配置し、前記と同様にコンクリート片を持ち上げて除去することができる。揚重治具23の数を増やすとコンクリート片を安定的に持ち上げることができるが、設置には時間がかかるので、これらのバランスを考慮して揚重治具23の数は決定すればよい。
また、前記したように主筋9の周囲に帯筋などを変形防止材として取付けておけば、コンクリートの横方向の分断時の主筋の変形が抑えられて好ましい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、コンクリート片21を持ち上げる際に用いる揚重治具において第1の実施形態と異なる。その他の点については第1の実施形態と略同様であるので、図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
図11は第2の実施形態の揚重治具33を示す図である。図12はコンクリート片21の持ち上げを示す図であり、2つの揚重治具33を結ぶ方向に沿った余盛コンクリート5の上下方向断面を示す。
図11に示すように、揚重治具33は、第1の実施形態と同様の柱部25、突起部27、上昇部29等で構成されるが、上昇部29の油圧ジャッキが柱部25の上端部に設けられる。また、一対の揚重治具33の頂部が頂部部材41で連結される。なお、頂部部材41は、各揚重治具33を挿入する割岩用孔の位置に合わせて、各揚重治具33の平面位置が調整可能であることが望ましい。
本実施形態では、頂部部材41を支持機構(不図示)で支持しつつ、図12(a)に示すように、上昇部29の油圧ジャッキを伸長させ、突起部27を柱部25に収納した状態で、各揚重治具33の柱部25を各割岩用孔15aに挿入する。
その後、前記と同様、図12(b)に示すように柱部25の側面から突起部27を突出させて先端をコンクリート片21の側面に食い込ませ、揚重治具33、33によって矢印Dに示すようにコンクリート片21を側方から把持する。
そして、図12(c)に示すように、上昇部29の油圧ジャッキを収縮させることによりコンクリート片21を持ち上げる。前記と同様、コンクリート片21を100〜200mm上方へ持ち上げ、上端部を残った余盛コンクリート5の頂面から突出させると、小型重機(不図示)に取り付けたニブラなどでコンクリート片21の上端部を掴み、引き上げて除去する。残りのコンクリート片21も、上記と同様の方法で、もしくはコンクリート片21を抜き取った部分の空洞を取っ掛かりとして小型重機に取り付けたニブラで噛み砕くなどして、順次除去できる。
この第2の実施形態でも前記した第1の実施形態と同様の効果が得られ、騒音や振動、粉塵などを抑え、作業性も高めることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………現場造成杭
5………余盛コンクリート
7………構造体コンクリート
9………主筋
11、13、15a、15b………割岩用孔
17………境界面
19、21………コンクリート片
20………油圧破砕機
23、33………揚重治具
25………柱部
27………突起部
29………上昇部
41………頂部部材

Claims (6)

  1. 杭の現場造成の際、地上に露出した杭頭のコンクリートの側面から内側へ向かう第1の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを上下に分断した後、前記コンクリートの頂面から下方に向かう第2の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを横方向に分断する工程(a)と、
    柱部と上昇部とを有し、前記柱部に側面から出入可能な突起部を設けた複数の揚重治具を、少なくとも1つの揚重治具の前記柱部を前記第2の孔に挿入するようにして、前記コンクリートを分断したコンクリート片を平面上挟む位置に配置し、各揚重治具の前記柱部の前記突起部を前記コンクリート片に向かって突出させて各揚重治具の間で前記コンクリート片を把持し、前記上昇部によって各揚重治具の前記柱部を上昇させることで前記コンクリート片を持ち上げ、除去する工程(b)と、
    を具備することを特徴とする杭頭処理方法。
  2. 前記上昇部が、前記柱部の下端部に設けられることを特徴とする請求項1記載の杭頭処理方法。
  3. 前記コンクリートの外周部に上下方向の主筋が埋設され、
    前記工程(b)では、前記主筋の内側のコンクリートを除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の杭頭処理方法。
  4. 前記コンクリートの外周部に上下方向の主筋が埋設され、
    前記主筋の外側への変形を防止するための変形防止材が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の杭頭処理方法。
  5. 杭の現場造成の際、地上に露出した杭頭のコンクリートの側面から内側へ向かう第1の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを上下に分断した後、前記コンクリートの頂面から下方に向かう第2の孔に挿入した孔拡張手段を用いて前記コンクリートを横方向に分断したコンクリート片を持ち上げて除去するために用いる揚重治具であって、
    前記第2の孔に挿入可能な柱部と、前記柱部を上昇させるための上昇部とを有し、前記柱部に側面から出入可能な突起部が設けられ
    前記突起部は、前記柱部から前記コンクリート片に向かって突出させ、先端を前記コンクリート片の側面に食い込ませるためのものであり、
    前記上昇部は、前記柱部を上昇させることで前記コンクリート片を持ち上げるためのものであることを特徴とする揚重治具。
  6. 前記上昇部が、前記柱部の下端部に設けられることを特徴とする請求項5記載の揚重治具。
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