JP2011246910A - 地下構造物の構築方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】従来のいわゆる逆巻き工法に改良を加えることで、側壁の打ち継目に施工不良が生じ易いという課題を解消でき、工期を長期化させることのない地下構造物の構築方法を提供すること。
【解決手段】地盤G内で対向する位置に土留め壁1,1を施工する工程、土留め壁1,1で囲まれた地盤Gに対して掘削を進め、土留め壁1,1の双方に腹起し4A,4Aを設置するとともに腹起し4A,4Aの間に切梁5Aを設置する工程、掘削を進めて地下構造物のうちの少なくとも天井スラブ11を構築し、これに土留め壁1,1を支保させる工程、掘削を進めて床付け面を施工し、床付け面上に均しコンクリートスラブ6を構築し、腹起しや切梁を撤去して、均しコンクリートスラブ6上に床スラブ13を構築し、側壁12を上方に向かって構築して地下構造物10を構築する工程、からなる地下構造物の構築方法である。
【選択図】図5

Description

本発明は、地盤の掘削にともない、地下構造物を上方から順に施工する逆巻き工法に改良を加えた地下構造物の構築方法に関するものである。
地下構造物の構築方法には、土留め壁の内側に腹起しや切梁等からなる土留め支保工を施工して土留め壁で包囲された地盤を床付けまで掘削し、下方の床スラブから順に上方に地下構造物を構築していく、いわゆる順巻き工法や、土留め壁を施工し、上方から支保工の設置と掘削を繰り返しながら、地下構造物の天井スラブを先行して施工し、下方に向かって順に側壁と床スラブを施工する、いわゆる逆巻き工法などが知られている。
さらには、別途のヤードや工場などで予めコンクリート製もしくは鋼製のケーソンを製作し、これを施工ヤードへ搬送し、人力掘削や機械掘削にて地盤の掘削をおこないながらケーソンを沈設するケーソン工法(ニューマチックケーソン、潜函ケーソン、圧気ケーソンなど)も知られるところである。
上記する順巻き工法では、床付けまで掘削をおこなって広範な施工空間を形成した後に地下構造物の構築をおこなうことから作業効率性に優れているというメリットがある一方で、地下構造物用の配筋作業に際して、支保工を構成する腹起しや切梁が往々にしてこの配筋作業の妨げになるといった問題や、この支保工が地下構造物の壁面に設けられる防水施工の障害になるといった問題が顕在化している。
また、地下構造物の中でも天井スラブの構築が最後となるために、この天井スラブ上方への掘削残土の埋戻し作業が工程の最後とならざるを得ず、掘削残土用のヤードが工程の最初から最後まで残土で占有されてしまうといった問題もある。
このような順巻き工法の有する課題に対して、上記する逆巻き工法を適用することで、地盤掘削に応じて支保工が設置され、地下構造物の構築も上方から順におこなわれることから、支保工が配筋作業や防水施工の妨げになることもなく、地下構造物の中でも天井スラブが最初に構築されることから残土の埋戻しも早期におこなうことができ、残土用ヤードを他の用途に有効利用することが可能となる。
しかし、逆巻き工法を適用した場合には、下方に向かって側壁を構築していくために、側壁の打ち継目に施工不良が生じ易いという大きな課題があり、さらには、上方に構築された地下構造物のたとえば天井スラブと掘削床の間の限られた空間に資材や施工機械、施工材料を搬入し、この空間内でさらなる掘削をおこなったり、地下構造物の構築をおこなうことから非効率な施工が余儀なくされるといった問題がある。
このように、順巻き工法や逆巻き工法にはそれぞれに固有のメリットとデメリットがあるが、たとえば逆巻き工法においては上記する固有のデメリットがあるが故に、我が国におけるアンダーパス工事にこの逆巻き工法が適用されず、ケーソン工法が多用されるに至っている。
ここで、逆巻き工法に改良を加えた従来の公開技術が特許文献1に開示されている。この施工方法は、地下構造物の1階床スラブのうちで土留め壁を支保し得る必要最小限の部分のみを先行施工し、次いで掘削を進め、同様に地下構造物の地下1階床スラブのうちで土留め壁を支保し得る必要最小限の部分のみを先行施工し、これを繰り返して床付けまでの掘削を終了した後に上方へ向かって地下構造物を構築するものである。
特許文献1に開示の施工方法によれば、側壁を下方から上方へ向かって施工できることから、上記する逆巻き工法の有する課題、すなわち、側壁の打ち継目に施工不良が生じ易いという課題を解消することはできる。しかし、下方から上方へ地下構造物を構築していくに当たり、各階の床スラブが、支保工として使用される先行施工箇所と、この先行施工箇所と一体とされる後行施工箇所に分かれており、したがって各階の床スラブを2度に亘って施工する必要があることから、施工効率が極めて悪く、工期の長期化は否めない。
特開平11−280094号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、従来のいわゆる逆巻き工法に改良を加えることで、側壁の打ち継目に施工不良が生じ易いという課題を解消でき、さらには、工期を長期化させることのない地下構造物の構築方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による地下構造物の構築方法は、地盤内で対向する位置に土留め壁を施工する第1の工程、対向する土留め壁で囲まれた地盤に対して地表から掘削を進め、対向する土留め壁の双方に腹起しを設置するとともに対向する腹起しの間に切梁を設置する第2の工程、さらに掘削を進めて、地下構造物のうちの少なくとも天井スラブを構築し、この天井スラブに土留め壁を支保させる第3の工程、さらに掘削を進めて床付け面を施工し、床付け面上に均しコンクリートスラブを構築し、腹起しおよび切梁を撤去して、均しコンクリートスラブ上に床スラブを構築し、側壁を上方に向かって構築して、少なくとも天井スラブと床スラブと側壁からなる地下構造物を構築する第4の工程、からなるものである。
ここで、第1の工程における「対向する位置に土留め壁を施工する」とは、土留め壁を平面視で矩形、正方形、その他の多角形、円形、楕円形等の枠状(無端状)に施工することにより、2組もしくは3組以上の対向した土留め壁の組み合わせが形成されることを意味している。たとえば、平面視矩形の土留め壁の場合には、長辺の一組の対向する土留め壁と、短辺の一組の対向する土留め壁が存在することになる。
施工される土留め壁の形態は、地中連続壁や柱列式連続壁、鋼矢板や親杭横矢板、鋼管矢板などのいずれであってもよい。また、必要に応じて土留め壁の所望深度領域に地盤改良をおこなってもよい。
土留め壁の施工後、地表から掘削を進めて対向する土留め壁間に腹起しおよび切梁を設置し、さらに掘削を進めて、地下構造物を構成する少なくとも天井スラブを構築してこの天井スラブで土留め壁を支保させる。
ここで、天井スラブの上方に施工される腹起しおよび切梁は、1段であっても複数段であってもよい。
また、構築される地下構造物の構成部材である天井スラブ等は、RC構造、SRC構造、SC構造のいずれであってもよく、コンクリート内に埋設される緊張材は、鉄筋、PC鋼材(PC鋼棒、PC鋼線、PC鋼より線)、鉄筋とPC鋼材の組み合わせなどのいずれであってもよい。
構築される天井スラブが土留め壁を支保することから、この天井スラブを切梁と見なすことができ、この天井スラブ位置に設置されるはずの切梁を不要とできることで仮設に要する工費を節減することができる。なお、本発明の構築方法では、この段階で地下構造物として天井スラブの全てを施工する。
ここで、前記土留め壁には予め地下構造物内に埋設されるジベルが設けてあり、前記第3の工程において、少なくとも天井スラブがこのジベルを巻込みながら構築されることにより、土留め壁と天井スラブの相対変位が抑制され、天井スラブにて土留め壁の掘削側への変形を効果的に抑止することができる。さらには、ジベルを介して土留め壁と天井スラブからなる剛性の高い門型ラーメン構造が形成でき、この天井スラブ上に掘削残土等が埋戻された際の天井スラブの撓みを可及的に少なくすることができる。
少なくとも天井スラブで土留め壁を支保させた後に、掘削を進めて床付け面を施工し、床付け面上に均しコンクリートスラブを構築し、腹起しおよび切梁を撤去して、均しコンクリートスラブ上に床スラブを構築し、側壁を上方に向かって構築することにより、少なくとも天井スラブと床スラブと側壁からなる地下構造物が構築される。ここで、「少なくとも天井スラブと床スラブと側壁からなる地下構造物」とは、これらの構成部材のみからなる地下構造物のほかにも、天井スラブと床スラブ(最下階の床スラブ)の間に複数階の床スラブを具備する地下構造物や、さらに各階に壁や柱を具備する地下構造物などを包含する意味である。
均しコンクリートスラブを施工することでこれを土圧耐荷部材と見なし、この均しコンクリートスラブと天井スラブで土留め壁を支保することにより、この天井スラブと均しコンクリートスラブの間の腹起しおよび切梁のすべてを撤去することが可能となる。なお、均しコンクリートスラブを土圧耐荷部材と見なすに当たり、必要に応じて均しコンクリートスラブ内に鉄筋や網筋等を配設してもよい。
天井スラブと均しコンクリートスラブの間の腹起しおよび切梁のすべてが撤去されたら、均しコンクリートスラブ上に床スラブを構築し、この床スラブから上方に側壁を立上げていく。すなわち、側壁を下方から上方に構築する点において、従来の逆巻き工法とは大きく異なっている。
この従来の逆巻き工法が改良された本発明の構築方法によれば、側壁は順巻き工法のように下方から上方に向かって施工されることから、側壁の打ち継目における施工不良は生じ難い。
また、地下構造物を構成する天井スラブ、床スラブ等はそれぞれ、地下構造物の構築段階で一気にそれらの構築がおこなわれることから、各構成部材を2度に分けて構築することで齎される工期の長期化といった問題も生じ得ない。
なお、従来の公開技術のように床スラブを2度に分けて施工する場合には、先行施工箇所と後行施工箇所の取合部の一体化と止水性確保を保証するために、先行施工箇所の取合部に面粗し施工をおこなったり、止水施工をおこなうなどの付加施工が余儀なくされることから、これらの付加施工も工期の長期化や工費の増大の原因となるのである。
また、本発明による地下構造物の構築方法の好ましい実施の形態において、天井スラブに加えて側壁の一部も構築し、対向する側壁の一部の間に別途の切梁を設置してプレロードを導入するものである。
この構築方法の実施の形態は、土留め壁の支保工として、地下構造物の天井スラブを適用することに加えて、この天井スラブと一体に側壁の一部を施工しておき、対向する側壁の一部の間に切梁を設置し、さらにこの切梁に所望するプレロードを導入して支保工とするものである。
本実施の形態の施工方法によれば、地下構造物を構成する天井スラブと側壁の一部の間の切梁とから実質的に2段の切梁が土留め壁間に設置されることになる。
ここで、導入されるプレロードの設定に際しては、天井スラブに予め歪計を配しておき(たとえばスラブ鉄筋に歪みゲージを設置しておく等)、歪計による計測データを参照してこのプレロードを設定するのが好ましい。このようにして導入プレロードを設定することで、掘削に伴う土留め壁周辺地盤の変位を効果的に抑制でき、これと同時に、既に構築されている地下構造物の構成部材である天井スラブや側壁の一部に生じ得る残留応力やクラックを最小限に制御することが可能となる。
なお、天井スラブよりも上方にある腹起しおよび切梁の撤去は、天井スラブが構築された後、もしくは別途の切梁にプレロードが導入された後におこなうことができる。
そして、天井スラブよりも上方にある腹起しおよび切梁が撤去された後に、天井スラブの上方に掘削残土等の埋戻し施工をおこなうことにより、残土用ヤードの有効利用を図ることができる。さらには、この残土処理を早期に実施できることで、工期の短縮を図ることにも繋がる。
以上の説明から理解できるように、本発明の地下構造物の構築方法によれば、地下構造物を構成する天井スラブを施工段階における切梁として適用すること、および、側壁を下方から上方に向かって施工することにより、仮設費用を節減でき、側壁の打ち継目において施工不良を生じ難くすることができる。さらには、地下構造物の構築過程において、構成部材を2度に分けて施工することもないことから、工期を長期化させることも工費を増大させることもない。
本発明の地下構造物の構築方法の第1の工程を説明した図である。 図1に続き、第2の工程を説明した図である。 図2に続き、第3の工程を説明した図である。 図3と同様に、第3の工程を説明した図である。 図4に続き、第4の工程を説明した図である。 図5と同様に、第4の工程を説明した図である。 図6と同様に、第4の工程を説明した図である。 図7と同様に、第4の工程を説明した図である。 図8と同様に、第4の工程を説明した図である。 図9と同様に、第4の工程を説明した図である。
以下、図面を参照して本発明の地下構造物の構築方法を説明する。なお、図示する地下構造物は天井スラブ、床スラブおよび側壁から構成されたものであるが、本発明の構築方法にて構築される地下構造物が図示例に限定されるものでないことは勿論のことであり、天井スラブと床スラブ(最下階の床スラブ)の間に複数階の床スラブを具備するものや、さらに各階に壁や柱を具備するものなど、多様な構造形態の地下構造物がその構築対象である。また、地下構造物のうち、最初に天井スラブのみを構築してこれで土留め壁を支保させ、側壁のすべてを床スラブ施工後に構築する方法であってもよい。
図1〜図10は順に、本発明の地下構造物の構築方法の第1の工程〜第4の工程を説明した図であり、より具体的には、図1は第1の工程を、図2は第2の工程を、図3,4は第3の工程を、図5〜10は第4の工程をそれぞれ説明した図である。
本発明の構築方法では、まず、図1で示すように、施工ヤードにおいて原地盤G内にたとえば平面視矩形の土留め壁1を専用の掘削機M1を使用して施工する。ここで、土留め壁1の形態は、土質性状や地下水位、地下構造物の床付け深度や工費、工期などによって適宜選定されるものであるが、地中連続壁や柱列式連続壁、鋼矢板や親杭横矢板、鋼管矢板などのいずれであってもよい。なお、図示例は、地下連続壁を適用し、原地盤Gの下層の支持地盤G1に土留め壁1を根入れしている。
平面視矩形の土留め壁1において、図1ではそのうちの一組の対向する位置に配設された土留め壁1,1を示しており、その間には、後施工される切梁を土留め壁1,1間の途中位置で支持したり、仮設用の重機通路を支持するための中間杭2が複数設置されている。
土留め壁1,1を原地盤G内で対向する位置に施工したら、図2で示すように、その根入れ領域に地盤改良体3を造成用重機M2を使用して施工し、地下水の回り込みや盤膨れ等を抑制したり、土留め壁の受働土圧を高める等の措置を講じる。さらに、平面視矩形状の土留め壁1で包囲された地盤G内の地下水を揚水し(X1方向)、バックホーM3を使用して地盤Gの掘削を進める。
地表から深度1〜2m程度掘削が進行した段階で、1段目の支保工である腹起し4A,4Aを対向する土留め壁1,1の双方に設置し、この対向する腹起し4A,4A間に切梁5Aを中間杭2を介して掛け渡す。
1段目の切梁5Aの施工が完了したら、図3で示すようにバケット式の掘削機M4やバックホーM3などを使用してさらに地盤の掘削を進め、所定深度までの掘削が完了した段階で、たとえば2段目の切梁5B、3段目の切梁5Cを掘削地盤面に吊り降ろしておく。
そして、既に設置済みの1段目の切梁5Aの下方位置に地下構造物の天井スラブ11とこれと連続するようにして側壁の一部12’を施工し、この天井スラブ11および側壁の一部12’で土留め壁1を支保させる。
ここで、土留め壁1には予め不図示のジベルを内側に張り出させておき、このジベルを巻き込むようにして天井スラブ11や側壁の一部12’を施工することで、これらの地下構造物構成部材と土留め壁1との強固な接続構造を形成することができる。この強固な接続構造により、天井スラブ11等と土留め壁1の間の相対変位が抑止され、もって土留め壁1の変形抑制効果を高めることができるとともに、これに起因する土留め壁周辺の地盤の変形抑制効果を高めることもできる。
次に、図4で示すように、対向する側壁の一部12’、12’の内側に腹起し4B,4Bを設置し、腹起し4B,4B間に既に吊り降ろされている切梁5Bを設置し、この切梁5Bに所望のプレロードを導入する。
このプレロードの導入に際しては、天井スラブ11を構成するスラブ筋等に予め不図示の歪みゲージを設置しておき、歪みゲージによる計測データを現場管理者が参照してこのプレロード値を設定するのがよい。このようにして導入プレロードを設定することで、掘削に伴う土留め壁周辺地盤の変位を効果的に抑制しながら、これと同時に、既に構築されている天井スラブ11や側壁の一部12’に生じ得る残留応力やクラックを最小限に制御することができる。
図4で示す状態において、対向する土留め壁1,1を支保する天井スラブ11は実質的に高剛性の切梁と見なすことができ、1段目の切梁5Aと、天井スラブ11(実質的に2段目の切梁)と、側壁の一部12’、12’間に掛け渡された切梁5B(実質的に3段目の切梁)と、の3段の切梁で土留め壁1,1が支保されることとなる。このことより、この掘削段階で3段の切梁設置が余儀なくされていた従来の逆巻き工法に比して、1段分の切梁および腹起しの設置が不要となり、仮設費用の大幅な節減と工費の短縮を図ることができる。
実質的に3段の切梁で土留め壁1,1を支保したら、図5で示すように、まず、土留め壁の支保として不要となった1段目の切梁5A,腹起し4Aを撤去し、さらに地盤の掘削を進め、既に吊り降ろされている腹起し4Cを双方の土留め壁1,1に設置し、この腹起し4C,4C間に切梁5Cを掛け渡す。
なお、1段目の切梁5A,腹起し4Aの撤去のタイミングは、図示例以外にも、図4で示す天井スラブ11にて土留め壁1,1を支保した後にこれらの撤去をおこなうこともでき、撤去のタイミングで決定される土留め壁1や天井スラブ11等の内部応力や、作業効率性等によって1段目の支保工の撤去のタイミングが決定される。
土留め壁1,1間に切梁5Cを掛け渡したら、さらに地盤の掘削を進め、図6で示すように、床付け面を形成し、この床付け面上に均しコンクリートスラブ6を施工する。
この均しコンクリートスラブ6内には鉄筋や網筋等が配設され、これを土圧耐荷部材と見なすことができる。すなわち、土留め壁1,1間に施工された均しコンクリートスラブ6が切梁と同様の土留め壁支保作用を奏するものである。
図7で示すように土留め壁1,1間に均しコンクリートスラブ6が施工されたら、これで土留め壁1,1の下端を支保させ、側壁の一部12’、12’間に掛け渡された切梁5Bおよび腹起し4Bと、その下方の切梁5Cおよび腹起し4Cを撤去する。
これらの支保工を撤去することにより、以後の地下構造物の構築施工に際して広範な作業スペースが確保され、効率のよい地下構造物の構築が保証される。
次に、図8で示すように、施工ヤード内で残置されていた掘削残土を天井スラブ11上に埋戻し(埋戻し土7)、均しコンクリートスラブ6上に床スラブ13を施工する。
なお、天井スラブ11上への掘削残土の埋戻しのタイミングは図示例に限定されるものではなく、最早は、図5で示す1段目の支保工を撤去した後のタイミングとなり得る。
床スラブ13の施工が完了したら、図9で示すように側壁の残りを下方から上方に向かって施工し、既に施工済みの側壁の一部12’と一体化させることで側壁12の施工が完了し、少なくとも天井スラブ11、床スラブ13および側壁12からなる地下構造物10が構築される。
なお、中間杭2は、天井スラブ11や床スラブ13の施工に際してこれらに設けられた不図示の開口内を通って地下構造物の上下に亘って残置されていることから、図10で示すように、地下構造物10と干渉する箇所を撤去し(未干渉箇所2’はそのまま残置)、不図示の開口を間詰め処理することにより、地下構造物の構築施工が完了する。
図示する本発明の地下構造物の構築方法によれば、従来の逆巻き工法に改良を加えて天井スラブに土留め壁を支保させ、さらにこれと一体に側壁の一部を施工してこの内部に切梁を設置するとともに所望のプレロードを導入したことにより、支保工の段数を低減することができ、さらには、土留め壁の変形やその周辺の地盤変形をより効果的に抑制することができる。
また、床スラブを施工した後に側壁を下方から上方に向かって順巻き施工のごとく施工することから、側壁の打ち継目に施工不良を生じ難くすることができる。
さらに、高剛性の天井スラブにて土留め壁を支保することから、早期にこの天井スラブよりも上方の1段目の支保工を撤去することができ、掘削残土を早期にこの天井スラブ上に埋戻すことで残土ヤードを別目的に有効利用することも可能となる。
なお、逆巻き工法を適用した際に享受できる固有の効果、すなわち、支保工が配筋作業や防水施工の妨げにならないことで高効率な施工をおこなえること、したがって、地下構造物の外面防水の高い品質を保証できること、などの効果を本発明の構築方法が有していることは言うまでもないことである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…土留め壁、2…中間杭、2’…切断後の中間杭、3…地盤改良体、4A,4B,4C…腹起し、5A,5B,5C…切梁、6…均しコンクリートスラブ、7…埋戻し土、10…地下構造物、11…天井スラブ、12…側壁、12’…側壁の一部、13…床スラブ、G…原地盤

Claims (7)

  1. 地盤内で対向する位置に土留め壁を施工する第1の工程、
    対向する土留め壁で囲まれた地盤に対して地表から掘削を進め、対向する土留め壁の双方に腹起しを設置するとともに対向する腹起しの間に切梁を設置する第2の工程、
    さらに掘削を進めて、地下構造物のうちの少なくとも天井スラブを構築し、この天井スラブに土留め壁を支保させる第3の工程、
    さらに掘削を進めて床付け面を施工し、床付け面上に均しコンクリートスラブを構築し、腹起しおよび切梁を撤去して、均しコンクリートスラブ上に床スラブを構築し、側壁を上方に向かって構築して、少なくとも天井スラブと床スラブと側壁からなる地下構造物を構築する第4の工程、からなる地下構造物の構築方法。
  2. 前記第3の工程では、天井スラブに加えて側壁の一部も構築し、対向する側壁の一部の間に別途の切梁を設置してプレロードを導入する、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
  3. 前記天井スラブに歪計を配しておき、歪計による計測データを参照して切梁に導入されるプレロードが設定される、請求項2に記載の地下構造物の構築方法。
  4. 前記第4の工程では、掘削の進行にともなってさらに別途の腹起しおよび切梁が設置される、請求項1〜3のいずれかに記載の地下構造物の構築方法。
  5. 前記第3の工程では、天井スラブが構築された後、もしくは別途の切梁にプレロードが導入された後に、天井スラブよりも上方にある腹起しおよび切梁が撤去される、請求項2,3または請求項2もしくは3に従属する請求項4に記載の地下構造物の構築方法。
  6. 天井スラブよりも上方にある腹起しおよび切梁が撤去された後に、天井スラブの上方に埋戻し施工がおこなわれる、請求項5に記載の地下構造物の構築方法。
  7. 前記土留め壁には予め地下構造物内に埋設されるジベルが設けてあり、前記第3の工程において、少なくとも天井スラブがこのジベルを巻込みながら構築される、請求項1〜6のいずれかに記載の地下構造物の構築方法。
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