JP5739051B1 - 地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造、及び液状化による不同沈下発生の修正方法 - Google Patents

地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造、及び液状化による不同沈下発生の修正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液状化を防ぎつつも、液状化により地盤が不同沈下を起こした場合、コストを抑えて基礎を水平に修正可能な地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造、及び修正方法を提供する。【解決手段】ベタ基礎用地盤改良部4に隣接してその外周部に、該地盤改良部より地盤の強度が強いジャッキアップ反力用地盤改良部5を有している。このジャッキアップ反力用地盤改良部は、ベタ基礎用地盤改良部4と同時並行的に両地盤改良部を形成する地盤部分を掘削し、かつ該掘削によって形成される溝に掘削した土質に固化材を添加して混合した改良土を埋め戻したうえ転圧することによって形成される。また、その横幅W1が爪付きジャッキが設置可能なようにベタ基礎用地盤改良部の横幅W2より大きく、かつその底面から天端までの高さH1がベタ基礎用地盤改良部の高さH2より若干低くして、基礎外周の下面との間に爪付きジャッキの爪が挿入可能な小隙間をおいて形成される。【選択図】図2

Description

この発明は、戸建木造住宅などの小規模建築物における地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造、及び液状化による不同沈下発生の修正方法に関するものである。
従来のこの種ベタ基礎工法として、本出願人は、建築範囲を全面的に地盤改良するのではなく、軟弱地盤を格子状、つまり碁盤の目状で、地盤改良するとともに、その上にベタ基礎を構築する安定材付きベタ基礎工法(特許文献1参照)を提案した。しかし、このベタ基礎工法によって構築されたベタ基礎では、東日本大震災のような大地震に耐えられるものではなかった。しかも、液状化により地盤が不同沈下して、基礎が傾斜してしまった場合のことは考慮されていなかった。そのため、実際に地盤が液状化して不同沈下が発生し、住宅が基礎から一体的に傾いてしまった場合には、ジャッキアップなどによって住宅の持ち上げを行い修正する必要がある。
しかし、ジャッキアップなどによる修正には、ジャッキが設置可能なように沈下部分の基礎の下を所定深さ(1m程度)まで掘り下げなければならず、作業に時間のかかるものとなるとともに、コストも嵩む等の問題があった。このような問題は、従前からある各種沈下修正工法中、耐圧版工法、鋼管圧入工法、ブロック圧入工法でも存在する。
なお、東日本大震災の液状化による住宅の被害が相次いだことを受け、最近になって、国においても住宅の耐震性などの性能を表示する制度を見直し、新たに地盤調査の記録など液状化が起きる可能性に関する項目を住宅性能表示に加える方針を固めた。このような国の方針を踏まえ、本発明者等は、国の方針に沿った内容で、液状化に十分耐えうるベタ基礎工法での液状化対策等を鋭意検討した結果、今回の発明を創案するに至った。
特開2004−060290号公報
そこで、この発明は、前記従来の技術の問題を解決し、液状化を防ぎつつも、液状化により地盤が不同沈下を起こした場合であっても、コストを抑えて基礎を水平に修正可能な地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造、及び液状化による不同沈下発生の修正方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造の発明は、建物の柱や耐力壁の下端に沿って設けられた立上がり部と、この立上がり部の底部と連続して建物の全建築面に亘って設けられた底板部と、該底板部の下方となる地盤に地盤改良を施したベタ基礎用地盤改良部と、を有するベタ基礎において、前記ベタ基礎用地盤改良部に隣接してその外周部に、同様に地盤改良を施して設けられ、該地盤改良部より地盤の強度が強いジャッキアップ反力用地盤改良部を有し、このジャッキアップ反力用地盤改良部は、前記ベタ基礎用地盤改良部と同時並行的に両地盤改良部を形成する地盤部分を掘削し、かつ該掘削によって形成される溝に掘削した土質に固化材を添加して混合した改良土を、両地盤改良部の境界に仕切り板を介在させて埋め戻したうえ転圧することによって形成されるとともに、その横幅が爪付きジャッキが設置可能なように前記ベタ基礎用地盤改良部の横幅より大きく、かつその底面から天端までの高さが前記ベタ基礎用地盤改良部の高さより若干低くして、基礎外周の下面との間に爪付きジャッキの爪が挿入可能な小隙間をおいて形成されるものであり、この小隙間を含む基礎外周部を地盤表面まで前記掘削土で埋め戻してなることを特徴とする。
請求項2に記載の液状化による不同沈下発生の修正方法の発明は、請求項1に記載の地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造において、液状化による不同沈下が発生した場合、ジャッキアップ反力用地盤改良部の上面までの埋め戻し土を取り除き、しかる後にジャッキアップ反力用地盤改良部の上面に鉄板を敷設し、この鉄板の上面に爪付きジャッキを爪が小隙間に入り込むようにして設置し、このジャッキによりジャッキアップして沈下部分を水平となるまで持ち上げ、不同沈下を修正することを特徴とする。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、建物の柱や耐力壁の下端に沿って設けられた立上がり部と、この立上がり部の底部と連続して建物の全建築面に亘って設けられた底板部と、該底板部の下方となる地盤に地盤改良を施したベタ基礎用地盤改良部と、を有するベタ基礎において、前記ベタ基礎用地盤改良部に隣接してその外周部に、同様に地盤改良を施して設けられ、該地盤改良部より地盤の強度が強いジャッキアップ反力用地盤改良部を有し、このジャッキアップ反力用地盤改良部は、前記ベタ基礎用地盤改良部と同時並行的に両地盤改良部を形成する地盤部分を掘削し、かつ該掘削によって形成される溝に掘削した土質に固化材を添加して混合した改良土を、両地盤改良部の境界に仕切り板を介在させて埋め戻したうえ転圧することによって形成されるとともに、その横幅が爪付きジャッキが設置可能なように前記ベタ基礎用地盤改良部の横幅より大きく、かつその底面から天端までの高さが前記ベタ基礎用地盤改良部の高さより若干低くして、基礎外周の下面との間に爪付きジャッキの爪が挿入可能な小隙間をおいて形成されるものであり、この小隙間を含む基礎外周部を地盤表面まで前記掘削土で埋め戻してなるので、液状化により地盤が不同沈下を起こした場合であっても、ジャッキアップ反力用地盤改良部の上面を埋め戻している土質をジャッキアップする個所のみ取り除き、該地盤改良部の上面を露出させたうえ、その上面に、或いは好ましくは鉄板を敷設したその上面にジャッキを爪が小隙間に挿入するようにして設置し、ジャッキアップするだけでよく、従来のジャッキアップ工法のように、沈下部分の基礎の下を掘り下げてジャッキを設置する必要がなく、コストを抑えて短時間で基礎を水平に修正することができる。しかも、ジャッキアップ反力用地盤改良部はベタ基礎用地盤改良部と同時並行的に形成することが可能となるので、形成作業の迅速化と効率化を図ることができる。また、その横幅が爪付きジャッキが設置可能なようにベタ基礎用地盤改良部の横幅より大きく、かつその底面から天端までの高さがベタ基礎用地盤改良部の高さより若干低くして形成されるため、ジャッキの設置が安定的に行え、爪が小隙間へ挿入し易い形とすることができる。また、この基礎を水平に戻す工事は、建物に居住したまま行なえるため、工事期間中のクライアントの支出も削減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、液状化による不同沈下が発生した場合、ジャッキアップ反力用地盤改良部の上面までの埋め戻し土を取り除き、しかる後にジャッキアップ反力用地盤改良部の上面に鉄板を敷設し、この鉄板の上面に爪付きジャッキを爪が小隙間に入り込むようにして設置し、このジャッキによりジャッキアップして沈下部分を水平となるまで持ち上げ、不同沈下を修正するので、液状化により地盤が不同沈下した建物をジャッキによるジャッキアップ作用により容易に水平に修正することができる。しかも、このジャッキアップに際しては、ジャッキアップ反力用地盤改良部の上面に鉄板を敷設するためジャッキの反力を鉄板で受けて効果的なジャッキアップが可能となる。
実施例に係る地盤改良ベタ基礎の平面図である。 図1のA−A線に沿う鉛直断面図である。 実施例に係る地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 仕切り板の概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 同上の地盤改良ベタ基礎工法を説明するための概略図である。 実施例に係る地盤改良ベタ基礎において不同沈下が発生した場合の修正方法について説明するための概略図である。 同上の修正方法について説明するための概略図である。 同上の修正方法について説明するための概略図である。 同上の修正方法について説明するための概略図である。 同上の修正方法について説明するための概略図である。 同上の修正方法について説明するための概略図である。 同上の修正方法について説明するための概略図である。 別の実施例に係る地盤改良ベタ基礎の図2に対応する鉛直断面図である。
この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
先ず、図1〜図2を用いて、この発明の実施例に係る地盤改良ベタ基礎について説明する。
図中の符号1が、この発明の実施例に係る地盤改良ベタ基礎であり、この地盤改良ベタ基礎1は、建物の外周及び平面内部の建物の柱や耐力壁の下端に沿って設けられた立上がり部2と、この立上がり部2の底部と連続して建物の全建築面に亘って設けられた底板部3と、基礎外周に沿って立上がり部2に対して内側の底板部下面に設けられたベタ基礎用地盤改良部4と、この地盤改良部4に隣接して設けられたジャッキアップ反力用地盤改良部5と、から主に構成されている。
立上がり部2は、構造設計に応じた所定の配筋がなされた鉛直断面が縦長な長方形(図2参照)からなる鉄筋コンクリートの構造物であり、基礎に所定の曲げ剛性を与えて建物の荷重を底板部3に伝達する機能を有している。
底板部3は、構造設計に応じた所定の配筋がなされた鉄筋コンクリートスラブからなる構造物であり、建物の荷重を地盤に均等に伝達する機能を有している。なお、この底板部3には図示省略したが、液状化により地盤が不同沈下した際にジャッキアップして修正するのに副次的に併用するための薬液注入用の孔を、例えば均等となるように所定の割合で複数個設けているが、必須のものではない。
ベタ基礎用地盤改良部4は、従前から安定材と称されているもので、平面視で格子状に設けられ、地盤の底板部3を支持することで液状化に対する抵抗力を増強する機能を有している。この例では、鉛直断面矩形状を呈している。そして図2に示すようにこの地盤改良部4の上にベタ基礎の立上がり部2の近傍部位がポリシート6を介在させて配置されるようになっている。
ジャッキアップ反力用地盤改良部5は、地盤改良部4の構築と同時に同様な手順により地盤改良部4の最外側となる外周に沿って設けられるもので、後述の爪付きジャッキの反力を受ける機能を有している。地盤改良部4と異なるところは不同沈下の発生によって傾いた住宅を元の水平状態にジャッキで修正するときに、該ジャッキの反力を受けるのに十分耐え得るように、地盤改良部4より地盤の強度(地耐力)を強くして造られていることである。地盤の強度を強くするためにこの実施例ではソイルセメント等のセメント系固化材を多く使用している。固化材は土壌中の水分と反応して固化することで地盤改良部4,5を構築する。
図2に示すようにジャッキアップ反力用地盤改良部5は、その厚みとなる横幅W1がベタ基礎用地盤改良部4の横幅W2より大きくして設けられている。つまり、ジャッキアップ反力用地盤改良部5の横幅W1は爪付きジャッキを設置可能な幅員があればよく、その幅員を満たせば図示より大きくてもよい。この例ではベタ基礎用地盤改良部4の横幅W2を450mm、ジャッキアップ反力用地盤改良部5の横幅W1を600mm〜1000mmとしている。また、ジャッキアップ反力用地盤改良部5は、その底面から天端までの高さH1がベタ基礎用地盤改良部4の高さH2より若干低くして設けられている。この例ではベタ基礎用地盤改良部4の高さH2を500mm〜1500mm、ジャッキアップ反力用地盤改良部5の高さH1をこれより60mm程度低くしている。
次に、実施例に係る地盤改良ベタ基礎1を生産する方法であるこの発明の実施の形態に係る地盤改良ベタ基礎工法について図3以下の図面を参照して工程順に説明する。
(ベタ基礎用地盤改良部及びジャッキアップ反力用地盤改良部の構築)
先ず、地盤改良ベタ基礎の平面図である図1に基づき、地盤の所定の位置に、ベタ基礎用地盤改良部4を格子状、すなわち碁盤の目状に構築するとともに、同時にジャッキアップ反力用地盤改良部5を構築する。
ベタ基礎用地盤改良部4及びジャッキアップ反力用地盤改良部5を構築するには、図3に示すようにベタ基礎を構築するために所定の基礎の根入れを行った後の地盤を小型バックホーなどの掘削重機で掘削して所定幅で、かつ所定深さのベタ基礎用地盤改良部4用の溝11を造る。そして、図4に示すようにこれと同時併行的に同様に掘削して地盤改良部4用の溝11よりは幅が大きく、深さが同程度のジャッキアップ反力用地盤改良部5用の溝12を造る。
次に、図5に示すようにそれぞれの掘削土にソイルセメント等のセメント系固化材を所要量添加して混合撹拌し改良土a,bとしたうえで元の状態に埋め戻すが、このときのセメント系固化材の添加量は次のようにしている。すなわち、ベタ基礎用地盤改良部4用の溝11からの掘削土に対しては固化材を1m3当り150kg添加して混合した改良土aとし、ジャッキアップ反力用地盤改良部5用の溝12からの掘削土に対しては固化材を1m3当り200kg程度添加して混合した改良土bとしている。その理由は、改良土aの場合は長期に生ずる力に対する改良体の許容応力度は設計基準強度の1/3とするという国の指針に基づき、本工法では改良体に生ずる力を最大50kN/m2までとし、設計基準強度を150KN/m2とした。一方、改良土bの場合は爪付きジャッキの爪の許容荷重は10t(100kN)であり、後述の敷き鉄板0.36m2にかかる単位荷重は278kN/m2程度として、固化材添加量を200kg程度/m3とした。
改良土a,bの埋め戻しに際しては、図5に示すように両土質の境目になる位置に仕切り板13を溝底面に差し込んで複数枚(この例では2枚)、その側縁を連接させて立設し、これら仕切り板13を作業者が支えた状態で、その一方側に改良土aを、他方側に改良土bを、それぞれ所定高さずつ埋め戻していく。所定高さとしてはランマーによる転圧をかける関係から、例えば250mm毎が好ましい。
仕切り板13は、例えば図6に示すようなコンクリート型枠用合板からなり、その両面には埋め戻し量が目視可能なように250mm埋め戻しガイドライン14が施されている。したがって、埋め戻しの際に、作業者はこのガイドライン14を目視しながら作業を行うことができるので、埋め戻し量を容易に把握することができる。また、仕切り板13の上端部には引抜用ロープ15が取り付けられている。
埋め戻し手順としては、図7以下に示すように、先ず改良土bを溝12内に投入して仕切り板13の250mmラインまで埋め戻し(図7)、次に改良土aを同様に溝11内に投入して仕切り板13の250mmラインまで埋め戻す(図8)。これにより1段目の埋め戻しが終わる。この1段目の埋め戻しが終わったら両改良土a,bを図9に矢印で示すようにランマーにて転圧をかけ、強度をもたせたものとする(図9)。
1段目の埋め戻しと転圧作業が終了した後、仕切り板13の引抜用ロープ15に掘削重機である小型バックホーのバケットを引き掛け、該バックホーによって仕切り板13を250mm程引き上げる。そして、前記と同様にして次の改良土b、改良土aを埋め戻すとともに、この2段目の埋め戻しが終わったら両改良土a,bをランマーにて転圧をかけ、強度をもたせたものとする(図10)。
このようにして3段目の埋め戻しと転圧作業、4段目の埋め戻しと転圧作業、と順次繰り返し、それぞれ250mmの埋め戻しが4段からなるベタ基礎用地盤改良部4とジャッキアップ反力用地盤改良部5を造る(図11,12)。この際に地盤改良部5の天端は、前記爪付きジャッキの爪の挿入用のために地盤改良部4の天端より60mm下げた190mmとし、立ち上がり部2の下面との間に小隙間16を形成しておく。以上により掘削した溝11には改良体強度が150KN/m2のベタ基礎用地盤改良部4、溝12には改良体強度が278KN/m2のジャッキアップ反力用地盤改良部5が構築される。
(基礎配筋、型枠設置、コンクリート打設)
次に、図13に示すように基礎の底板部3のコンクリートとの接着を防ぐためベタ基礎用地盤改良部4の天端に厚さ0.1mm程度のポリシート6を敷き込んだうえ、基礎の構造設計に応じて、立上がり部2、底板部3の所定の配筋を行うとともに、立上がり部2が構築される地盤改良部5の外周に沿って型枠を設置し、底板部3の天端までコンクリートを打設する。ポリシート6を敷き込むのはベタ基礎用地盤改良部4の天端とベタ基礎が密着するのを防ぐためである。これによりジャッキアップの際の抵抗を少なくすることができる。コンクリートの硬化後、立上がり部2の両面の型枠を設置し、立上がり部2の天端までコンクリートを再度打設し、硬化後型枠を取り払って、掘り下げた基礎外周を設計GLまで埋め戻すことで本実施の形態に係る地盤改良ベタ基礎工法が完了する。ベタ基礎工法が完了後に小隙間16を含む外周部の埋め戻し17を行う。この埋め戻し17により図2に示す状態になる。
(不同沈下発生の修正方法)
次に、地震の際の液状化により地盤が不同沈下した場合の実施例に係る地盤改良ベタ基礎1の修正方法について図14以下を用いて説明する。
地震により液状化が発生し、建物が基礎ともども一定方向に一体傾斜する、不同沈下が発生した場合、ジャッキアップ反力用地盤改良部5の上面までの埋め戻し土17を掘削して取り除くとともに、小隙間16内の土も取り除く(図14,15)。しかる後、ジャッキアップ反力用地盤改良部5の上面に厚さ15mm程度の鉄板18を敷設し、この鉄板上に爪付きジャッキ20(市販品)を、その爪が前記埋め戻し土等を取り除いた後に立ち上がり部の下面と鉄板上面との間に形成される小隙間16に入り込むようにして設置する(図16)。設置後、このジャッキ20のジャッキアップ作用によりベタ基礎を持ち上げ、基礎の沈下部分を基礎が水平となるまで戻す(図17)。その後、ベタ基礎を持ち上げた基礎と鉄板18との間に上部鉄板付き鋼管22や厚さの異なる鉄板数枚を入れてジャッキ20と置き換える(図18)。また、ベタ基礎用地盤改良部4の天端とベタ基礎底部との隙間に発泡モルタル24を圧送注入する(図19)。そして、最後にジャッキアップ反力用地盤改良部5の上面を埋め戻し土17で再び埋め戻す(図20)。敷き鉄板18は埋め殺しする。これにて沈下修正は完了する。なお、ジャッキアップを行う個所はこの例では一個所で説明しているが、必要に応じ複数箇所で同時併行的に行うことは言うまでもない。
前記の修正方法においては、必要に応じてベタ基礎の底板部3に設けた薬液注入用の孔から薬液を注入してリフトアップするようにしてもよい。注入する薬液としては、セメント系、水ガラス系、樹脂系などの硬化前が流動体で、硬化後に所定の支持力を得ることができるものであれば使用可能である。
以上の説明した実施例に係る地盤改良ベタ基礎1の液状化対策構造によれば、液状化により地盤が不同沈下を起こした場合であっても、ジャッキアップ反力用地盤改良部5の上面を埋め戻している土質をジャッキアップする個所のみ取り除き、その上に鉄板18を敷設し、この敷設した鉄板18の上面にジャッキ20を爪が小隙間16に挿入するようにして設置し、ジャッキアップするだけでよく、従来のジャッキアップ工法のように、沈下部分の基礎の下を掘り下げてジャッキを設置する必要がなく、コストを抑えて短時間で基礎を水平に修正可能である。また、この基礎を水平に戻す工事は、建物に居住したまま行なえるため、工事期間中のクライアントの支出も削減することができる。
図21は、別の実施例を示すものである。前記実施例が外周フラットタイプであるのに対して、外周掘り下げタイプである点で、相違する。すなわち、この実施例では、基礎の立ち上がり部2の直下から底板部3にかけて下方に突出する下がり壁部25を基礎外周に沿って設けている。この下がり壁部25は、構造設計に応じた所定の配筋がなされた鉄筋コンクリートの構造物である。下がり壁部25はその内方側面がテーパ面26に形成され、これに伴いベタ基礎用地盤改良部4aの当接する上部外側面が前記テーパ面に密接するテーパ面に形成されている。そして、この例では下がり壁部25の下面とジャッキアップ反力用地盤改良部5aとの間に爪付きジャッキの爪が挿入する小隙間16aが形成される。その他の構成は前記実施例と同じなので、同様の部分には同一符号を付して説明を省略する。また、この実施例の場合の不同沈下発生の修正方法は前記実施例の修正方法と同様であるので、詳しい説明は省略する。
以上のように、この発明の実施例に係る地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造、及び液状化による不同沈下発生の修正方法と、地盤改良ベタ基礎工法を説明したが、ジャッキアップ反力用地盤改良部5,5aの形状等は、あくまでも一例を示したにすぎず、同じ作用効果のあるものであれば図示した以外のものとしてもよいことは言うまでもない。また、ジャッキアップ反力用地盤改良部5,5aを構築する方法も、あくまでも一例を示すにすぎず、特許請求の範囲に記載した範囲内で変更することが可能であることは勿論である。
1 ベタ基礎
2,2a 立上がり部
3,3a 底板部
4,4a ベタ基礎用地盤改良部
5,5a ジャッキアップ反力用地盤改良部
6 ポリシート
11 ベタ基礎用地盤改良部用の溝
12 ジャッキアップ反力用地盤改良部用の溝
13 仕切り板
14 埋め戻しガイドライン
15 引抜用ロープ
16,16a 小隙間
17 埋め戻し土
18 鉄板
20 爪付きジャッキ
25 下がり壁部

Claims (2)

  1. 建物の柱や耐力壁の下端に沿って設けられた立上がり部と、この立上がり部の底部と連続して建物の全建築面に亘って設けられた底板部と、該底板部の下方となる地盤に地盤改良を施したベタ基礎用地盤改良部と、を有するベタ基礎において、
    前記ベタ基礎用地盤改良部に隣接してその外周部に、同様に地盤改良を施して設けられ、該地盤改良部より地盤の強度が強いジャッキアップ反力用地盤改良部を有し、このジャッキアップ反力用地盤改良部は、前記ベタ基礎用地盤改良部と同時並行的に両地盤改良部を形成する地盤部分を掘削し、かつ該掘削によって形成される溝に掘削した土質に固化材を添加して混合した改良土を、両地盤改良部の境界に仕切り板を介在させて埋め戻したうえ転圧することによって形成されるとともに、その横幅が爪付きジャッキが設置可能なように前記ベタ基礎用地盤改良部の横幅より大きく、かつその底面から天端までの高さが前記ベタ基礎用地盤改良部の高さより若干低くして、基礎外周の下面との間に爪付きジャッキの爪が挿入可能な小隙間をおいて形成されるものであり、この小隙間を含む基礎外周部を地盤表面まで前記掘削土で埋め戻してなることを特徴とする地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造。
  2. 請求項1に記載の地盤改良ベタ基礎の液状化対策構造において、液状化による不同沈下が発生した場合、ジャッキアップ反力用地盤改良部の上面までの埋め戻し土を取り除き、しかる後にジャッキアップ反力用地盤改良部の上面に鉄板を敷設し、この鉄板の上面に爪付きジャッキを爪が小隙間に入り込むようにして設置し、このジャッキによりジャッキアップして沈下部分を水平となるまで持ち上げ、不同沈下を修正することを特徴とする液状化による不同沈下発生の修正方法。
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