JP6210785B2 - 薄葉紙収納箱及び薄葉紙収納箱包装体 - Google Patents
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Description
(1)本発明の薄葉紙収納箱は、薄葉紙収納箱であって、基材と、前記基材の表面に撥液性ワニス層と、さらに前記撥液性ワニス層の表面の少なくとも一部の領域に有する樹脂ワニス層とを備え、断面視において不連続に積層された前記樹脂ワニス層が、粒径(短径)50μm以上の前記樹脂ワニス層において、70μm以上500μm以下の平均粒径を有し、前記樹脂ワニス層が3.0μm以上10.0μm以下のJIS B0601(1994)に規定する算術平均粗さRaを有し、粒径(短径)50μm以上の前記樹脂ワニス層が1個/mm 2 以上40個/mm 2 以下の個数を有することを特徴とする。
本実施形態の一例として、薄葉紙としてティシュを収納する薄葉紙収納箱について説明する。図1(a)は、本発明に係る薄葉紙収納箱の外観を示す斜視図であり、(b)使用時の外観を示す斜視図である。図1(a)に示すように、薄葉紙収納箱1の外観は、ティシュの取出し口2aを有する頂面部2、これに対向する底面部3、これら頂面部2と底面部3を連結する左右の側面部4、4’、5、5’により区画された箱体である。また、薄葉紙収納箱1の内部空間には、積層されたティシュ6が収納されており、取出口2aからティシュ6を外部へ取り出すことができるようになっている(図1(b)参照。)。
図2は、本発明に係る薄葉紙収納箱の展開平面図である。図2に示すように、この薄葉紙収納箱1は、カートンブランク1aと呼ばれる1枚の素材から、頂面部2、底面部3及び左右の側面部4、4’、5、5’の各片を折り曲げ、各片の当接部分をホットメルト接着材等により接着することにより形成されるものである。
本実施形態において、図4に示すように、薄葉紙収納箱1を樹脂フィルム12により複数個まとめて包装する薄葉紙収納箱包装体10の構成をとる。包装する薄葉紙収納箱1の個数は特に限定されないが、3〜5個程度とするのが好ましい。薄葉紙収納箱包装体11薄葉紙収納箱1を高さ方向に積層し、樹脂フィルム12により包装してなり、持ち手13等を備えている。
坪量450g/m2のコートボール紙を基材として、この表面に撥液性ワニスをオフセット印刷で塗工し、乾燥させて、撥液性ワニス層を形成した。この撥液性ワニス層の表面に、UV硬化性の樹脂ワニスをフレキソ印刷で塗布し、撥液性ワニス層から樹脂ワニス成分を弾かせて、図3に示したような不連続に積層した。次に、紫外線を照射して樹脂ワニスを架橋・硬化させて樹脂ワニス層を形成し、比較試験用の薄葉紙収納箱を作成した。また、図4に示すように、比較試験用の薄葉紙収納箱を樹脂フィルム(飯田工業薬品株式会社製、材質:高密度ポリエチレン、厚み:21μm)により3個まとめてシュリンク包装し、薄葉紙収納箱包装体を作製した。
実施例2〜7及び比較例1〜3においては、表1及び表2の組成で、上記の製造方法に従い、比較試験用の薄葉紙収納箱を作成した。また、比較例4〜6は薄葉紙収納箱の市販品を使用した。実施例1〜7及び比較例1〜6について、各種物性の測定・算出ならびに官能評価を行い、その結果を表1及び表2に示した。なお、平均粒径及び個数の測定については、50μm以上の粒径(短径)を有する樹脂ワニス層を測定対象とした。
樹脂ワニス層の粒径は、レーザー顕微鏡(超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9510、KEYENCE社製)を使用して測定した。観察・測定ソフトウェアとしては、製品名「VK Viewer」(KEYENCE社製)を使用した。また、測定条件は、倍率200倍(標準対物レンズは倍率10倍を使用)、測定モードはカラー超深度とし、Autoセットによりゲインをオートで調整し、測定ピッチ0.5μm、ディスタンス(Z軸方向の範囲 μm)をサンプルの紙厚以上に設定し、測定した(対物レンズは、適宜変更して測定しても良い。)。粒径は、画像解析ソフトウェア(VK Analyzer)を用い、画像解析粒子の短径となるよう、2点を指定することで測定した。この粒径が50μm以上の樹脂ワニス層について、目視で個数を測定した。対物レンズが10倍の場合、横1.350mm×高さ1.012mm=1.37mm2の画像が得られるので、1mm2当たりの樹脂ワニス層の個数(個/mm2)に換算した。樹脂ワニス層の個数は、測定を10回行い(10枚の画像を採取し)、平均化した。なお、粒径1000μm以上の樹脂ワニス層の個数については、同様の手法にて測定し、1mm2当たりの樹脂ワニス層の個数(個/mm2)10枚の画像の合計((個/mm2)×10)を求めた。
樹脂ワニス層の高さは、平均粒径の測定と同様に、レーザー顕微鏡を用いて測定した。画像解析ソフトウェア(VK Analyzer)を使用し、得られた画像からワニス粒子を横切る線分を引き、高さプロファイルを取得した。この高さプロファイルから、樹脂ワニス層の高さを測定した。
非接触式算術平均粗さRaは、JIS B0601(1994)に記載された方法に準拠し、画像解析ソフトウェア(VK Analyzer)を使用した。得られた画像から、表面粗さ(計測解析メニューを使用して、全領域を指定した)を求めた。
触針式算術平均粗さRaは、JIS B0601(2001)に記載された方法に準拠し、触針式表面粗さ測定機(SURFCOM 130A、株式会社東京精密製)を用いて、粗さ曲線を求め算出した。測定条件は、評価長さ30mm、測定速度0.6mm/s、カットオフ値8.0mmとした。
60度鏡面光沢度は、JIS Z8741に記載された方法に準拠し、光沢度測定器(Gloss Meter VG7000、日本電色工業株式会社製)を用いて、下記測定条件および解析条件に基づいて測定した。測定条件は、測定方法:反射、測定角度:入射角度60度及び受光角度60度とした。また、薄葉紙収納箱包装体における60度鏡面光沢度は、薄葉紙収納箱の外表面に樹脂フィルムが皺が無く密着している位置で測定した。
L*a*b*表色系における色の測定は、ISO2470に記載された方法に準拠し、分光測色計(CMS−35SPX、株式会社村上色彩技術研究所)を用いて、下記測定条件および解析条件に基づいて行った。測定条件は、光源:C光源、視野角:2度、UV−INとし、専用白色板使用条件下とした。また、薄葉紙収納箱包装体におけるL*a*b*表色系の各値は、薄葉紙収納箱の外表面に、樹脂フィルムの皺が無く密着している位置で測定した。
実施例1〜7及び比較例1〜6の薄葉紙収納箱について、高級感のある外観(粒径50μm以上の樹脂ワニス層の個数、60度鏡面光沢度、L*値)、指紋のつきにくさ(平均粒径、粒径50μm以上の樹脂ワニス層の個数)、高級感のある触感(表面粗さ、触針粗さ、高さ)、均一感(ムラの無さ)(粒径1000μm以上の樹脂ワニス層の個数)について、上記尺度に基づき、専門家による総合的な官能評価を次の5段階で行った。
5:大変優れている、4:優れている、3:普通、2:劣る、1:顕著に劣る
1a カートンブランク
2 頂面部
2a 取出し口
3 底面部
4、4’、 5、5’ 左右の側面部
6 ティシュ
7 基材
8 撥液性ワニス層
9 樹脂ワニス層
W1〜W7 粒径(短径)
10 印刷層
11 薄葉紙収納箱包装体
12 樹脂フィルム
13 持ち手
Claims (7)
- 薄葉紙収納箱であって、
基材と、
前記基材の表面に撥液性ワニス層と、
さらに前記撥液性ワニス層の表面の少なくとも一部の領域に有する樹脂ワニス層とを備え、
断面視において不連続に積層された前記樹脂ワニス層が、粒径(短径)50μm以上の前記樹脂ワニス層において、70μm以上500μm以下の平均粒径を有し、
前記樹脂ワニス層が3.0μm以上10.0μm以下のJIS B0601(1994)に規定する算術平均粗さRaを有し、
粒径(短径)50μm以上の前記樹脂ワニス層が1個/mm 2 以上40個/mm 2 以下の個数を有することを特徴とする薄葉紙収納箱。 - 前記樹脂ワニス層側の外表面からみて、5%以上50%以下の60度鏡面光沢度を有することを特徴とする請求項1に記載の薄葉紙収納箱。
- 前記樹脂ワニス層側の外表面からみて、L*a*b*表色系において、15以上80以下のL*値を有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄葉紙収納箱。
- 前記樹脂ワニス層側の外表面からみて、L*a*b*表色系において、−50以上50以下のa*値を、及び−50以上50以下のb*値を有することを特徴とする請求項3に記載の薄葉紙収納箱。
- 前記樹脂ワニス層が紫外線によって硬化されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱を樹脂フィルムで複数個まとめて包装したことを特徴とする薄葉紙収納箱包装体。
- 前記樹脂フィルム側の外表面からみて、50%以上95%以下の60度鏡面光沢度を有し、L*a*b*表色系において、15以上90以下のL*値を、−50以上50以下のa*値を、及び−50以上50以下のb*値を有することを特徴とする請求項6に記載の薄葉紙収納箱包装体。
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