JP2006169707A - 着色板紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】
鮮明な色調を有すると共に、特に折り曲げ部分の耐摩耗強さを向上させて美粧性に優れる着色板紙を提供する。
【解決手段】
単層又は複数層の紙層を有する板紙であって、表層の原料パルプに染顔料を内添して表層を着色し、またこの表層の表面に少なくとも顔料を含有する塗料を塗布して、表層とほぼ同色の顔料層を設け、さらにまたこの顔料層の表面に光沢樹脂層を設ける。
【選択図】なし
鮮明な色調を有すると共に、特に折り曲げ部分の耐摩耗強さを向上させて美粧性に優れる着色板紙を提供する。
【解決手段】
単層又は複数層の紙層を有する板紙であって、表層の原料パルプに染顔料を内添して表層を着色し、またこの表層の表面に少なくとも顔料を含有する塗料を塗布して、表層とほぼ同色の顔料層を設け、さらにまたこの顔料層の表面に光沢樹脂層を設ける。
【選択図】なし
Description
本発明は、鮮明な色調を有し、かつ特に折り曲げ部分の耐摩耗強さを向上させた着色板紙に関する。
板紙は、用途により分類されており、紙器に使用される紙器用板紙と段ボールに使用される段ボール原紙に大別される。
従来より、包装箱は、板紙をそのまま成型した紙器のほか、段ボールシートにより製函される段ボール箱がある。段ボールシートは、コルゲート処理が施された中芯と中芯を挟持するライナーとで構成されている。また、ライナーは晒パルプを主原料とする原料が表層(ライナーの表面となる最外層)に使用されている白ライナーと、未晒パルプ(未晒パルプの色調は茶系色)を主原料とする原料が表層に使用されている未晒ライナーとに大別される。
近年、包装箱などの箱は、収納物などの保護だけでなく、収納物などが消費者の注意力を強く引き付け、良好な印象を与えることができるように美粧性も要求されているため、鮮明な色調を有する板紙が求められている。
鮮明な色調を有する板紙としては、表層に染料や顔料を内添して着色した原料パルプを用いて抄紙した着色板紙と、白ライナーや未晒ライナーの表層の上に着色顔料層を塗工や印刷により設けたものがある。
染料や顔料を内添して着色した原料パルプを用いて抄紙した着色板紙で、より鮮明な色調を付与するためには、染料よりも鮮やかな色調を有する顔料が添加される。
しかし、いずれの染料や顔料にも、染料や顔料の種類ごとに異なるが、パルプ繊維に対する定着量に限界があるため、ある一定の染色濃度になると、それ以上濃く染色することができず、ある一定の濃さ以上の着色板紙を製造することはできなかった。また、一定の染色濃度以下であっても、抄紙機を用いて着色板紙を製造する場合、ある染色濃度を超えると、抄紙工程において、パルプ繊維に定着していない染料や顔料が白水と一緒に流れ出てしまうため、排水システムへの負荷が問題となっていた。さらに、白水循環系においては、循環した染料や顔料が他の製造品種の色に影響し、安定した抄造を阻害するといった問題も生じてしまう。従って、濃い色の着色板紙を製造することには限界があった。
一般に、着色板紙の色は、JIS−Z8721にあるように色相(H)・明度(V)・彩度(C)の三属性を、マンセル値のH=V/Cで表示することができる。しかし、マンセル値は精密な値を算出することが難しいので、ハンターLab表色系によって、これに代えることが可能である。従って、本発明では、このハンターLab表色系を用いて説明する。
ハンターLab表色系によれば、L値が明度に相当し、さらにa値とb値によって表される平面座標上の点の方位は色相に相当し、原点を通るL軸からの平面距離、すなわちa値とb値の二乗平均値が彩度に相当する。
明度は、染料及び/または顔料の使用量によって増減し、一般に染料及び/または顔料の使用量が増加すれば、明度が低くなり濃い色になる。すなわち、L値が小さいほど明度が低く濃い色ということになる。
また色相は、使用する染料や顔料に固有のものであり、黒い染料や顔料では色相はほぼ存在しない、すなわち原点を通るL軸上の色となり、無彩色となる。
さらにまた彩度は、(a2+b2)1/2で表すことができ、染料及び/または顔料の使用量のほか、色相によっても増減し、ある一定のところまでは増加して色彩感が鮮やかになるが、それを超えると減少して色彩感が弱くなる。すなわち、a値及び/またはb値の絶対値が大きいほど、彩度が大きく、色彩感が鮮明ということになる。なお、本発明者らの調査結果では従来の着色板紙の彩度((a2+b2)1/2)は53程度が上限であった。また、染料及び/または顔料により着色された着色板紙から得られる実際の彩度は、光の正反射等のため理想値よりも小さくなっている。
従って、明度が低くかつ彩度が高い着色板紙を得ることにはやはり限界があった。
また、白ライナーの表層の上に着色顔料層を塗工や印刷により設けたものとしては、例えば特許文献1に示されるように、白ライナーの表層の上に顔料及びバインダーを主成分とする下塗り層と上塗り層との2層の塗工層を有し、下塗り層には着色顔料及びポリビニルアルコール、上塗り層には着色顔料及びラテックスを含有させて、顔料の発色性を向上させ、また光沢度を向上させることにより美粧性を向上させた塗工ライナーが提案されている。
しかし、このようなライナーは、着色顔料により十分な鮮明さを得ることができる一方、段ボールに成型加工した際、折り曲げにより、上塗り層及び下塗り層の折り曲げ部分(罫線部分)に割れが発生した場合、その部分がさらに摩擦を受けると、上塗り層及び下塗り層が剥がれ落ち、上塗り層や下塗り層と色調の異なる白ライナーの表層が、ライナーの表面に現れるため美粧性が著しく低下するという問題がある。従って、鮮明な色調の付与と、折り曲げ部分の耐摩耗強さの向上という両特性を両立させることができなかった。
また、例えば特許文献2に示されるように、白板紙の原紙表面に樹脂、着色顔料及び平均粒子径が5〜50μmの顔料を有する塗料を塗布して塗工層を形成し、この塗工層の上に耐水性と撥水性を有する保護層を形成することにより、段ボール用ライナーの表面の光沢をより強くすると共に、耐摩耗強さを向上させた段ボール用ライナーが提案されている。
このようなライナーでは、保護層によりライナー表面の耐摩耗強さは向上されるが、折り曲げ部分では前記と同様の現象による問題が懸念される。
特開2002−285495号公報
特開2002−275788号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鮮明な色調を有すると共に、特に折り曲げ部分の耐摩耗強さを向上させて美粧性に優れる着色板紙を提供することにある。
本発明の上記目的は、単層又は複数層の紙層を有する板紙であって、表層の原料パルプに染顔料を内添して表層を着色し、また前記表層の表面に少なくとも顔料を含有する塗料を塗布して、前記表層とほぼ同色の顔料層を設け、さらにまた該顔料層の表面に光沢樹脂層を設けたことを特徴とする着色板紙を提供することによって達成される。
また、本発明の上記目的は、前記顔料層の厚みが1〜20μmであることを特徴とする着色板紙を提供することによって、効果的に達成される。
さらにまた、本発明の上記目的は、折り曲げ部分のJIS−P8136に基づく耐摩耗強さ試験方法における表面摩擦強度が100回以上であることを特徴とする着色板紙を提供することによって、より効果的に達成される。
本発明に係る着色板紙によれば、表層の原料パルプに染顔料を内添して表層を着色し、この表層の上に、少なくとも顔料を含有し、着色された表層とほぼ同色である顔料層を設け、かつこの顔料層の表面に光沢樹脂層を設けた。従って、鮮明な色調を付与することができると共に、耐摩耗強さにも優れるものとなる。
また、本発明に係る着色板紙によれば、表層及び顔料層がほぼ同色の色調を有しているので、例え着色板紙の顔料層の塗料が摩擦により剥がれたり、あるいは着色板紙の表面に罫線割れなどが発生しても、顔料層と同色である表層が表面に現れ、カスレが発生しないため、美粧性が低下することがなくなる。
また、顔料層の厚みを1〜20μmとしたので鮮明な色調の付与と、特に折り曲げ部分の耐摩耗強さの向上という両特性をより両立させることができる。
さらにまた、折り曲げ部分の耐摩耗強さが100回以上であるので、段ボール箱や紙器に成形された後の折り曲げ部分にも十分な耐摩耗強さを有する。
以下、本発明に係る着色板紙について、着色板紙が表層及び裏層の2層の紙層を有する場合を例に詳細に説明する。なお、本発明は必ずしも以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更できるものであることはいうまでもない。
本発明に係る着色板紙(以下、「本着色板紙」と言う。)は、表層及び裏層の2層で構成され、また表層が着色されている原紙が用いられ、この原紙の表層とほぼ同色の顔料層を表層の表面に設け、さらにこの顔料層の表面に光沢樹脂層を設けて形成されている。
本着色板紙の表層は、原料パルプに染顔料を内添して着色しており、この表層の表面(表層の上)に顔料層が設けられている。このように着色された表層の表面に顔料層を設けることによって、本着色板紙に鮮明な色調を付与することができ、美粧性を向上させることができる。
また、本着色板紙は、表層及び顔料層がほぼ同色となるように、表層の染顔料及び顔料層の顔料を調整している。ここで、ほぼ同色とは、一概に数値で現すことは難しいが、本発明では、例えば一般的に色の差を表す指標となるΔE(次式)の値が20以下程度であれば良い。
すなわち、2つの色調(L1、a1、b1)、(L2、a2、b2)があるとき、
ΔE=((L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2)1/2である。
すなわち、2つの色調(L1、a1、b1)、(L2、a2、b2)があるとき、
ΔE=((L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2)1/2である。
このように表層及び顔料層をほぼ同色とすることによって、本着色板紙の顔料層の塗料が摩擦により剥がれたり、本着色板紙の表面に罫線割れが発生しても、顔料層とほぼ同色である表層が表面に現れるため、カスレの発生を防止することができ、美粧性の低下を防止することができる。なお、表層及び顔料層がほぼ同色の色調を有していれば、裏層の色調は特に限定されるものではない。
本着色板紙の表層の原料パルプに内添される染顔料は、特に限定されるものではないので、例えばニグロン、ベンジジンイエロー(ジスアゾ系)、キナクリドン、ローダミンB、フタロシアニンブルーなどの着色染料や、例えば群青(2(Na2O・Al2O3・2SiO2)Na2S3)、紺青(Fe4[Fe(CN)6]・nH2O)、コバルトブルー、フタロシアニンブルー(フタロシアニン系)、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー、カーボンブラックなどの着色顔料など、一般的に用いられる公知の種々の染顔料を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本着色板紙の表層及び裏層に用いられる原料パルプは、特に限定されるものではないので、例えば針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)などの化学パルプや、グランドパルプ(GP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)などの機械パルプ、古紙パルプなど、公知の種々の原料パルプを単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
なお、本着色板紙の各層の原料パルプには、本発明の効果に影響のない範囲内で、例えばサイズ剤、填料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの公知の種々の添加剤を単独で、あるいは2種以上を混合して添加することができる。
顔料層は、少なくとも顔料を含有する塗料を表層の表面に塗布することによって形成されるが、この塗料を塗布する方法は、特に限定されるものではないので、例えばフレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの印刷方式や、ブレード、バー、ゲートロール、エアーナイフなどによる塗工方式など、公知の種々の方法を採用することができる。
また、この顔料層の厚みを1〜20μmとしたので、本着色板紙は、鮮明な色調を付与すると共に、後述する折り曲げ部分の耐摩耗強さにも優れるものとなる。すなわち、顔料層の厚みが1μm未満であると、鮮明な色調を付与することができず、逆に20μmを超えると顔料層の塗膜の割れという問題が生じる可能性があるので好ましくない。ここで折り曲げ部分とは、本着色板紙を縦に垂直方向にプレスしてつけた折り目の山部分を言う。
顔料層の顔料として、無機顔料、有機顔料のいずれを用いることもできる。このような顔料としては、例えばベンガラ(Fe2O3)、モリブデートオレンジ(PbCrO4・nPbMoO4・mPbSO4)、パーマネントレッド(不溶性アゾ系)、カーミンFB(不溶性アゾ系)、ウォッチングレッド(アゾキレート系)、ボンマルーンライト(アゾレーキ系)、ピグメントバイオレッド19(キナクリドン系)、ピグメントレッド112(キナクリドン系)などの赤色系顔料や、例えば黄鉛(PbCrO4・nPbSO4)、オキサイドイエロー(FeO(OH)・nH2O)、チタンイエロー(TiO2・NiO2・Sb2O3)、ハンザイエロー(アゾ系)、ベンジジンイエロー、グリーンゴールド(金属錯体系)、ピグメント・イエロー95(縮合アゾ系)、フラバンスロンイエロー(スレン系)、アンスラピリミジンイエロー(スレン系)、ピグメント・イエロー109・110(イゾインドリノン系)などの黄色顔料や、例えば酸化クロム(Cr2O3)、フタロシアニングリーン(フタロシアニン系)などの緑色顔料、例えば紺青、群青、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー(スレン系)などの青色顔料や、例えばジオキサジバイオレット(ジオキサジン系)などの紫色顔料などを挙げることができる。これらの中でも、特に無機顔料を用いることが好ましい。
白色顔料としては、例えば酸化チタン(TiO2)、亜鉛華(ZnO)、リトポン(ZnO+BaSO4)、鉛白(2PbCO3・Pb(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)、クレー(Al2O3・2SiO2・H2O)、シリカ(SiO2またはSiO2・nH2O)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)などの無機顔料を挙げることができ、またプラスチック顔料、中空球状プラスチック顔料及び中空ガラス顔料なども用いることができる。これらの中でも、特にクレー、中空球状プラスチック顔料を用いることが好ましい。
なお、表層及び顔料層がほぼ同色の色調を有していれば、表層及び顔料層に用いられる顔料は同種のものであっても、異種のものであっても良い。
また、本着色板紙の顔料層の塗料には、本発明の効果に影響のない範囲内で、必要に応じて例えばバインダー、分散剤、粘度調整剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、pH調整剤などの公知の種々の添加剤を、単独であるいは2種以上を混合して添加しても良い。
さらに、本着色板紙は、上述した顔料層の表面(顔料層の上)に光沢樹脂層が設けられている。これにより本着色板紙の折り曲げ部分の耐摩耗強さを向上させることができる。
このような光沢樹脂層を構成する光沢樹脂としては、塗膜形成用の高分子物質がアクリル系樹脂、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ワニス、フェノール系樹脂、メラミン樹脂、ポリ酢酸ビニルなど、公知の種々の樹脂を用いることができる。特に、着色板紙の防滑性の点からは塗膜形成用の高分子物質がアクリル系樹脂から成る光沢樹脂を用いることが好ましい。
また、本着色板紙は、後述する実施例で示すように、折り曲げ部分のJIS−P8136に基づく耐摩耗強さ試験方法における表面摩擦強度(「折り曲げ部分の耐摩耗強さ」と言う。)が100回以上であるので、段ボール箱や紙器に成形された後の折り曲げ部分にも、十分な耐摩耗強さを有する。
本着色板紙の抄紙方法については、特に限定されるものではないので、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであっても良い。また、本着色板紙は、例えば長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、円網短網コンビネーション抄紙機などの公知の種々の抄紙機を用いて抄紙される。
なお、本着色板紙は、上述したように表層及び裏層の2層の紙層から成るものに限定されるものではなく、この他、単層であるもの、表層、表下層、及び裏層の3層の紙層を有するもの、あるいは4層以上の紙層を有するものであっても適用することができる。
本着色板紙の効果を確認するために、以下のような試料を作成し、耐摩耗強さ、折り曲げ耐摩耗強さ、及び鮮明さを評価する試験を行なった。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明に係る4種類の着色板紙(これを「試料1」ないし「試料4」とする。)と、これらの試料と比較検討するための5種類の着色板紙(これを「比較試料1」ないし「比較試料6」とする。)とを作製した。
[試料1]原紙として、表層の色調(L、a、b)が(35.0、7.7、−51.0)、坪量160g/m2の青色の板紙を用い、この板紙の表層の表面に、厚みが1μmとなるように、水性インキ(青)をフレキソ印刷して顔料層を設け、この顔料層の表面に水性光沢インキを印刷して2μmの光沢樹脂層を設けて着色板紙を作製した。この着色板紙の色調(L、a、b)は(23.8、13.8、−63.7)であった。
[試料2]顔料層の厚みを10μmとしたこと以外は、試料1と同様にして得た着色板紙。
[試料3]顔料層の厚みを15μmとしたこと以外は、試料1と同様にして得た着色板紙。
[試料4]顔料層の厚みを20μmとしたこと以外は、試料1と同様にして得た着色板紙。
[比較試料1]原紙として、表層の色調(L、a、b)が(85.0、1.5、−3.5)、坪量160g/m2の白板紙を用いたこと以外は、試料1と同様にして得た着色板紙。
[比較試料2]原紙として、表層の色調(L、a、b)が(35.0、7.7、−51.0)、坪量160g/m2の青色の板紙を用い、この板紙の表層の表面に、顔料層も光沢樹脂層も設けなかった着色板紙。
[比較試料3]顔料層の表面に光沢樹脂層を設けなかったこと以外は、試料2と同様にして得た着色板紙。
[比較試料4]顔料層の厚みを15μmとしたこと以外は、比較試料3と同様にして得た着色板紙。
[比較試料5]顔料層の厚みを21μmとしたこと以外は、比較試料3と同様にして得た着色板紙。
これらの全試料及び比較試料について、耐摩耗強さ、及び折り曲げ耐摩耗強さを測定し、また鮮明さを評価した結果は、表1に示すとおりであった。
なお、表1中の「耐摩耗強さ」とは、JIS−P8136に基づく板紙の耐摩耗強さ試験方法により測定した値である。
また、「折り曲げ耐摩耗強さ」とは、紙を縦(流れ方向)20cm、横10cmに断裁し、縦に垂直方向に折り目をつけ、折り曲げた状態で圧力2kgf/cm2で1分間プレスした後、耐摩耗強さの試験を行い、折り目の山部分、すなわち折り曲げ部分にカスレが発生するまでの摩擦回数をJIS−P8136の試験方法に基づいて測定した値である。
さらにまた、「鮮明さ」とは、各試料及び比較試料の色調を相対比較した評価結果であり、その評価基準は、◎印の「色彩感が非常に鮮やかである」、○印の「色彩感が鮮やかである」、△印の「色彩感が弱い」、×印の「色彩感が非常に弱い」の4段階とした。
本発明は、上述したような板紙に限らず、この他種々のライナーにも適用できる。
Claims (3)
- 単層又は複数層の紙層を有する板紙であって、表層の原料パルプに染顔料を内添して表層を着色し、また前記表層の表面に少なくとも顔料を含有する塗料を塗布して、前記表層とほぼ同色の顔料層を設け、さらにまた該顔料層の表面に光沢樹脂層を設けたことを特徴とする着色板紙。
- 前記顔料層の厚みが1〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の着色板紙。
- 折り曲げ部分のJIS−P8136に基づく耐摩耗強さ試験方法における表面摩擦強度が100回以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の着色板紙。
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