JP6209804B2 - ウナギ仔魚の飼育方法及び飼育装置並びに飼育用の容器 - Google Patents

ウナギ仔魚の飼育方法及び飼育装置並びに飼育用の容器 Download PDF

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Description

本発明はウナギ仔魚の飼育方法及びその方法に用いる飼育装置並びにその飼育方法と飼育装置に用いる飼育用の容器に関する。詳しくは、本発明はウナギ仔魚(レプトセファルス)を安定的かつ効率的に飼育する方法とその方法に用いる飼育装置と飼育用の容器(以下「飼育容器」と記す。単に「容器」と記すこともある。)に関し、もって、シラスウナギを人工的に量産化する技術を提供することを目的とする。
ウナギは我が国の食文化を特徴づける重要な水産生物であり、近年の養殖ウナギの生産量はおよそ2万トン強に達し、内水面養殖業では第1位、海面の魚類養殖業を含めても第3位に位置している。また、その生産額は500億円を超えており、水産業におけるウナギ養殖の重要性は言うまでもない。
本発明者らは、平成14年に、世界で初めて人工的に孵化させたウナギ仔魚(レプトセファルス)をウナギの養殖に利用可能な稚魚(シラスウナギ)の段階まで育てることに成功した。さらに平成22年には、人工的に生産したウナギ稚魚を親魚にまで育てて催熟・採卵し、人工孵化の第2世代を作り出すといういわゆる「完全養殖」に成功した。しかしながら、従来の技術では、ウナギ仔魚の飼育に多大の労力を要し、年間に数百尾のシラスウナギを生産するのが限界である。
ウナギの養殖は、その種苗を天然のシラスウナギの採捕に依存しているため、種苗の供給が不安定であり、種苗価格はシラスウナギの来遊量によって大きく変動する。特に平成22年度以降、連続してシラスウナギの極端な不漁が続いており、種苗価格が異常高値になっている。そのため、シラスウナギの不漁は養鰻経営を強く圧迫しているだけでなく、成鰻価格の高騰にもつながり、加工・小売り・専門店を含めて鰻業界全体が強い危機感を抱いており、シラスウナギの量産化技術(すなわち、ウナギ仔魚の大量飼育技術)を開発することによって安定的な種苗の供給を図ることが切望されている。
現在、国内のウナギ養殖生産量は、上記のとおり年間2万トン前後であり、出荷時のウナギの平均重量は約200g/尾であるから、ウナギの養殖に必要とするシラスウナギは「約1億尾」であると推定される。この一部を人工生産によるシラスウナギで補うとしても、現在の生産量では到底間にあわない。そのため、ウナギ仔魚をシラスウナギになるまで安定的かつ効率的に飼育する方法の開発が急務とされている。
本発明者らが試行錯誤しながら開発した現在のウナギ仔魚の飼育方法(本発明に係るウナギ仔魚の飼育方法を開発する前から実施している飼育方法)は、以下のとおりである。 まず、受精から孵化までの間(約30時間)は、水温25℃の濾過海水を満たした水槽内に孵化ネットを浮かべ、その孵化ネットに10万〜20万粒の受精卵を収容し、注水と通気によって緩やかに攪拌しながら維持・管理する。孵化後は大型のビーカー等を用いて飼育水ごと仔魚を掬って容量100L以上の大きな水槽に適切な密度(例えば180L円筒水槽の場合は1万〜2万尾程度)になるように収容し、なるべく水流等による攪拌が生じない静かな状態で摂餌可能となる日齢6前後まで維持する。
ウナギ仔魚は、上記の飼育条件下では、孵化後5〜6日目(日齢5〜6)には全長6〜7mm程度の大きさとなり、摂餌可能な発育段階になるので、ビーカー等を用いて飼育水ごと仔魚を掬って、注排水機構を備えたボウル型水槽(容量5L)に1槽当たり500尾ほど収容し、水槽内の換水と1日に5回の給餌を2時間ごとに続けながら、全長20mm程度の大きさ(日齢50〜60程度)になるまで飼育する。この段階でのウナギ仔魚の生残率は水槽に収容した尾数の10〜30%程度である。
全長20mm程度に成長した仔魚を、ハーフパイプ型水槽(容量20L)に1槽当たり100尾ほど収容して、水槽への注水と1日に5回の給餌を2時間ごとに続けながら、全長50〜60mm程度のシラスウナギに成長・変態するまで飼育する。仔魚の水槽移動にはサイフォン式の器具やピペットを使用できる。この段階でのウナギ仔魚の生残率は20〜50%程度である。すなわち、このような飼育方法では、約500尾のウナギ仔魚から出発した場合、シラスウナギの生産可能尾数は10〜75尾程度にすぎない。
上記の小型水槽を用いて摂餌可能に至ったウナギ仔魚(日齢6前後の仔魚)を飼育する方法において、生産効率を上げるための最も単純な方法としては水槽当たりの収容尾数を増やすことが考えられる。しかし、一定サイズの水槽に対し、適正な収容密度を上回る仔魚を収容すると、過密による負の効果で、成長の鈍化、個体間干渉による損傷、疾病による死亡、形態異常の発生等が認められる。そのため、このような過密による負の影響を軽減するためには、仔魚の成長に伴って水槽の規模を拡大するか又は水槽に収容する仔魚の尾数を調整する等の方法で、適正な収容密度以下に保つ必要がある。
しかしながら、上記従来の飼育方法では、物理的な制限から、水槽の規模を大幅に拡大して生産効率を高めることは困難である。しかも、上記の飼育方法では、水槽当たりの適正尾数がウナギ仔魚の成長に伴って減少していくため、適正収容密度以下に保つためには水槽数を増やして仔魚を分ける必要がある。したがって、上記の飼育方法では、ウナギ仔魚の成長に伴って単位面積当たりの飼育可能尾数が減少し、その反面、単位尾数当たりの作業量が増加する。そのため、上記従来の飼育方法では、シラスウナギの需要に応え得るほどに生産尾数を高めることは困難であるため、ウナギ仔魚を安定して効率よくシラスウナギまで飼育する技術を開発しなければならない。
本発明者らの研究の結果、摂餌可能に至ったウナギ仔魚は、以下の特性を有することが判明している。
(1)ウナギ仔魚は光を感知すると鉛直下方向へ移動する習性を有し、また、水槽の底面でのみ摂餌する。さらに、ウナギ仔魚は餌に自らは寄ってこないため、仔魚のすぐ近くまで餌を供給する必要がある。そのため、水槽の規模を拡大して底面積を増大させると大量の飼料が必要となる。
(2)ウナギ仔魚は水槽の中層ではほとんど摂餌しない。そのため、水槽を相似形的に拡大しても空間を有効に利用できないので、生産効率の向上には繋がらない。
(3)ウナギ仔魚は消化器官の発達が未熟で胃を持っていない。そのため、摂取した餌を長時間体内に溜めておくことができず、消化が容易な餌でなければ栄養分を十分に利用できないので、消化が容易な餌を1日に数回、断続的に給餌しなければならない。
(4)現在ウナギ仔魚の飼育にはサメの卵を主材とするスラリー状の餌が有用であるが、この餌は、給餌した後、放置するとたちまち腐敗して水質が悪化し、仔魚が死亡する。そのため、給餌後一定時間が経った後は速やかに換水して汚染された飼育水を交換すると共に、水槽の壁面に付着した残餌を洗浄して清潔な環境を保つ必要がある。
(5)ウナギ仔魚は成長に伴って遊泳力が大きくなる。そのため、給餌した餌のほとんどを遊泳によって水槽内に撒き散らしてしまうので、十分な量を摂餌させるためには多くの餌を与える必要があるが、一方、餌の無駄が生じやすい。
ウナギ仔魚は、上記の特性を有するため、大規模水槽を用いる大量飼育には適していない。また、その飼育には、給餌・残餌の洗浄・死亡魚の除去・水槽の交換等、目視と手作業を必要とする工程が多いので、現在の飼育方法では、作業者一人当たりの管理可能水槽数を増やすことにも限界がある。
摂餌可能なウナギ仔魚の飼育方法については、従来から数件の発明が出願されており、例えば、特許文献1には、水槽の上部に飼育水層、下部にそれよりも密度が高い液体飼料層をそれぞれ形成し、ウナギ仔魚が水槽の底面に接触することなく泳ぎながら液体飼料を摂餌できるようにしたウナギ仔魚の飼育方法が開示されている。また、特許文献2には、サメ卵粉末等の沈降性餌料を給餌するウナギ孵化仔魚の飼育方法が開示されている。しかし、これらの発明は、現時点ではウナギ仔魚の大量飼育法に直接的に結びつくものではない。
また、ウナギ仔魚の飼育方法に関する研究の状況は、非特許文献1に詳しく報告されている。非特許文献1の7頁には「サメ卵粉末を海水に懸濁させたポタージュ状の餌を水槽の底に長いスポイトで流し込んでやると、仔魚は水槽の底に集まって効率的に餌を飲み込むこと、15分ほどで仔魚の消化管は餌で満たされるので注水によって残餌を洗い流し、水槽内を清潔に保つこと、このようにして2時間間隔で1日に5回給餌すること」等、ウナギ仔魚に給餌する方法についての説明が記載されている。この説明は、現在の給餌方法の基本を示したものであるが、ウナギ仔魚の大量飼育法を示唆するものではない。
さらに、非特許文献2には、孵化直後のウナギ仔魚は容器に収容時のハンドリングに対して敏感であり、収容直後の死亡がしばしば認められるため、孵化前から1尾ずつ隔離して飼育すればこれらの問題を解決できるのではないかと予想し、マイクロプレートのウエルに受精卵を1個ずつ収容して孵化させ、摂餌開始期まで飼育する方法を試みた旨が開示されている。しかし、この方法は、ニホンウナギの卵質を評価・判定する目的のものであり、給餌や換水をしないことを前提としているので、孵化したウナギ仔魚は自分の卵黄の栄養成分を使い果たす日齢12前後で餓死してしまうことになる。
上記の状況に鑑み、本発明者らは、摂餌可能に至ったウナギ仔魚(日齢6前後の仔魚)を、給餌や換水が容易な小型の容器に個別に収容して飼育する方法(個別飼育法)を採ると、従来の飼育法における「成長に伴う密度超過による負の影響」を回避できる上、飼育作業の大部分を機械化できて大幅な作業の省力化とそれに伴う飼育規模の拡大が可能となるのではないかと考え、さらに研究を続けた結果、本発明を完成するに至った。
特開2010−46037号公報 特開平11−253111号公報
農林水産技術会議監修・農林水産研究開発レポートNo.26(2009)『広域回遊魚類(ウナギ・マグロ)の完全養殖技術開発』(2009年3月6日発行) 水産総合研究センター研究報告別冊5号『個別飼育法によるニホンウナギの卵質判定』(平成18年3月31日発行)
本発明は、摂餌可能に至ったウナギ仔魚(レプトセファルス)をシラスウナギに成長・変態するまで安定的かつ効率的に飼育する方法及びその方法に用いる飼育装置並びにその飼育方法と飼育装置に用いる飼育容器を提供することを課題とし、もって、シラスウナギの人工的な量産化に資することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の中で、特許請求の範囲・請求項1に記載する発明は、複数個の飼育容器を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法である。
同請求項2に記載する発明は、ループ状に周回する無限コンベアに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてある飼育装置を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、無限コンベアが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法である。
同請求項3に記載する発明は、円盤状のターンテーブルに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にターンテーブルの上方には容器が周回する路面に沿って給餌ユニットと注水ユニットを配置してある飼育装置を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、ターンテーブルが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法である。
同請求項4に記載する発明は、円盤状又は楕円盤状のテーブルに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にテーブルの上方には飼育容器の列に沿ってループ状に周回する給餌ユニットと注水ユニットを備えた無限コンベアを配置してある飼育装置を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、無限コンベアが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法である。
同請求項5に記載する発明は、飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能なものを使用する請求項1から4のいずれかに記載のウナギ仔魚の飼育方法である。
同請求項6に記載する発明は、飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のものを使用する請求項1から4のいずれかに記載のウナギ仔魚の飼育方法である。
同請求項7に記載する発明は、円盤状のターンテーブルに最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能な飼育容器の複数個を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にターンテーブルの上方には容器が周回する路面に沿って給餌ユニットと注水ユニットを配置してあり、ターンテーブルが1周回する間に所定の時間間隔を設けて給餌ユニットが容器内の仔魚への給餌を行い、注水ユニットが容器への注水を行うことを繰り返すように設定してあるウナギ仔魚の飼育装置である。
同請求項8に記載する発明は、飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のものを取り付けてある請求項7に記載のウナギ仔魚の飼育装置である。
同請求項9に記載する発明は、給餌する区画を点灯可能とし、その他の区画は遮光状態にしてある請求項7又は8に記載のウナギ仔魚の飼育装置である。
同請求項10に記載する発明は、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のウナギ仔魚の飼育容器である。
請求項1に記載するウナギ仔魚の飼育方法によれば、複数個の飼育容器を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するのであるから、1基の水槽内で大量に飼育する従来の飼育方法に比べ、仔魚の成長に合わせて個体ごとの管理ができるので個体間干渉に起因する損傷、疾病の蔓延、形態異常の発生を回避でき、水槽規模を拡大しなくても、生残率が向上すると共にウナギ仔魚の成長を促進できる。また、仔魚の群泳による餌の拡散が少なくなり、餌が飼育容器の底部に滞留するようになって底面近辺で摂餌する習性を有するウナギ仔魚が餌に遭遇しやすい状態になるので仔魚の摂餌が容易となり、給餌量当たりの餌料効率が向上する。その上、飼育期間中は、所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返すのであるから、飼育装置の自動化・省力化を図ることが可能となり、作業量当たりの飼育可能尾数を向上させることができる。そのため、請求項1に記載する飼育方法は、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産に適した方法である。
請求項2に記載するウナギ仔魚の飼育方法は、請求項1に記載の飼育方法を半自動化した方法である。すなわち、請求項2に記載の飼育方法は、仔魚の個体間干渉による負の影響を回避する請求項1に記載の飼育方法に加えて、ループ状に周回する無限コンベアに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてある飼育装置を用いるのであるから、ウナギ仔魚を収容してある飼育容器が自動的に作業者の前に周回してくるので、容器内の仔魚への給餌作業や容器内の換水作業の労力を大きく軽減できる。また、飼育容器は取り外し自在に取り付けるのであるから、容器の洗浄や交換を容易に行うことができる。しかも、無限コンベアが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返すのであるから、飼育装置の自動化・省力化を図ることが容易となり、作業量当たりの飼育可能尾数を大きく向上させることができる。そのため、請求項2に記載する飼育方法は、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産に適した方法である。
請求項3に記載するウナギ仔魚の飼育方法は、請求項1に記載の飼育方法を自動化した方法である。すなわち、請求項3に記載の飼育方法は、仔魚の個体間干渉による負の影響を回避する請求項1に記載の飼育方法に加えて、ループ状に周回する無限コンベアを具体化した「円盤状のターンテーブル」に複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にターンテーブルの上方には容器が周回する路面に沿って給餌ユニットと注水ユニットを配置してある飼育装置を用い、ターンテーブルが1周回する間に飼育容器に収容してあるウナギ仔魚への給餌と飼育容器内の換水を行うことを繰り返仔行う方法であるから、ウナギ仔魚の習性に適合した飼育方法であると共に、給餌作業と換水作業を自動的に行うことができるので、飼育作業を大きく省力化できる。また、現在の給餌と換水の方法ではこれらの作業を1日に数回繰り返す程度が恒常的な限度であるが、自動化によってこれらの作業回数を増やすことが可能となる。そのため、請求項3に記載の飼育方法は、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産に適した方法である。
請求項4に記載するウナギ仔魚の飼育方法は、請求項3に記載する飼育方法とは異なる方法によって請求項1に記載の飼育方法を自動化する方法であり、円盤状又は楕円盤状のテーブルに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にテーブルの上方には飼育容器の列に沿ってループ状に周回する給餌ユニットと注水ユニットを備えた無限コンベアを配置してある飼育装置を用い、無限コンベアが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内のウナギ仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す方法であるから、ウナギ仔魚を収容した飼育容器を移動させないで給餌作業と換水作業を自動的に行うことができる上、ウナギ仔魚の習性に適合した飼育方法であり、かつ飼育作業を大きく省力化できる。そのため、請求項4に記載の飼育方法は、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産に適した方法である。
請求項5に記載するウナギ仔魚の飼育方法は、請求項1から4のいずれかに記載の飼育方法において、飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚がその遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能なものを使用する方法であるから、ウナギ仔魚が大きく成長した場合でも(ウナギ仔魚は最大伸長期において全長50〜65mm程度で体高10〜15mm程度の大きさとなる。)、ウナギ仔魚に無用なストレスを与えることなく、飼育の初期段階と同じ容器内で楽に飼育を続けることができる。その上、飼育容器が損傷・変形や汚染した際、新しい容器に容易に交換できるので、常に使いやすい容器に統一して使用し続けることが可能となる。そのため、請求項5に記載の飼育方法は、ウナギ仔魚の成長を促進し、生残率を高めることが可能であると共に飼育作業の省力化に適した方法であり、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産にいっそう適した方法である。
請求項6に記載するウナギ仔魚の飼育方法は、請求項1から4のいずれかに記載の飼育方法において、飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚がその遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円柱錐状又は半球状に形成してある容器を使用する方法であるから、餌が底部の円柱錐状ないし半球状の部分に滞留するようになって、光を感知すると鉛直下方向へ移動する習性のウナギ仔魚が餌を摂取しやすい状態になり、仔魚の摂餌がいっそう容易になる。その上、円筒状の容器を使用するのであるから、ウナギ仔魚が容器の壁に当たって損傷するリスクが少なくなる。また、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある容器を使用するのであるから、給餌後一定時間が経過した後に容器の底部へ注水することによって容器内の換水を効率的に行うことが可能となる。そのため、請求項6に記載の飼育方法は、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産にいっそう適した方法である。
請求項7に記載するウナギ仔魚の飼育装置は、円盤状のターンテーブルに最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能な円筒状の飼育容器の複数個を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にターンテーブルの上方には容器が周回する路面に沿って給餌ユニットと注水ユニットを配置してあり、ターンテーブルが1周回する間に所定の時間間隔を設けて給餌ユニットが容器内の仔魚への給餌を行い、注水ユニットが容器への注水を行うことを繰り返すように設定してあるウナギ仔魚の飼育装置であるから、この飼育装置を使用すれば、ウナギ仔魚の習性に適合した飼育作業が可能である上、飼育作業のほとんどを省力化できる。また、現在の給餌と換水の方法は1日に数回繰り返す程度が恒常的には限度であるが、自動化によって、これらの作業回数を増やすことが可能となる。そのため、請求項7に記載の飼育装置は、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産に適した装置である。
請求項8に記載するウナギ仔魚の飼育装置は、請求項7に記載の飼育装置において、飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚がその遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円柱錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のものを取り付けてある装置であるから、この装置を使用すれば、餌が底部の円柱錐状ないし半球状の部分に滞留するようになって、光を感知すると鉛直下方向へ移動する習性のウナギ仔魚が餌を摂取しやすい状態になり、仔魚の摂餌がいっそう容易になる。また、給餌後一定時間が経過した後に容器の底部へ注水することによって容器内の換水を効率的に行うことが可能となり、残餌を容易に洗い流すことができる。さらに、浮遊中のウナギ仔魚が排水と共に容器の外へ流出して死亡するリスクを回避できる。そのため、請求項8に記載の飼育装置によれば、ウナギ仔魚の成長を促進し、生残率を高めると共に飼育作業の省力化が可能であり、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できる。すなわち、請求項8に記載の飼育装置は、シラスウナギの大量生産にいっそう適した装置である。
請求項9に記載するウナギ仔魚の飼育装置は、請求項7又は8に記載の飼育装置において、給餌する区画を点灯可能とし、その他の区画は遮光状態にしてある装置であるから、この装置を使用すれば、ウナギ仔魚の習性に合った飼育が可能である。すなわち、ウナギ仔魚は、光を感知すると鉛直下方向へ移動する習性があるので、給餌する区画を点灯・照光状態にすると仔魚は光を避けてカプセルの底部へ潜ることになり、底部に滞留した餌に遭遇しやすくなって摂餌が容易となる。また、給餌する区画以外を遮光状態にすると、ウナギ仔魚は、活発な移動をしなくなるため、余分な接触や光刺激によるストレスを受けることや移動に要するエネルギーを無駄に消費することなく生育する。そのため、請求項9に記載の飼育装置は、ウナギ仔魚を安定した状態でかつ効率的に飼育できるので、シラスウナギの大量生産にいっそう適した装置である。
請求項10に記載するウナギ仔魚の飼育容器は、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方法を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円柱錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてあるから、ウナギ仔魚の飼育にこの容器を使用すれば、餌が容器の底部の円錐状ないし半球状の部分に滞留するようになり、光を感知すると鉛直下方向へ移動する習性を有するウナギ仔魚が餌を摂取しやすい状態になる。また、水槽飼育の場合と異なり、ウナギ仔魚が遊泳によって餌を撒き散らす事態が軽減されるので、飼料効率(ここでは「給餌量に対する仔魚が摂取する割合」)が大きく向上する。その上、容器全体として円筒状のものであるから、ウナギ仔魚が障害物に当たったり挟まったりして損傷するリスクが少ない。また、給餌後一定時間が経過した後に容器の底部へ注水することによって、容器内の換水を効率的に行うことが可能となり、残餌を容易に洗い流すことができる。さらに、容器内の水は側壁の上部に設けた隙間から排出されるので、容器内を浮遊中のウナギ仔魚が排水と共に容器の外へ流出して死亡するリスクを回避できる。そのため、請求項10に記載のウナギ仔魚飼育用の容器を使用すれば、ウナギ仔魚の成長を促進し、生残率を高めると共に飼育作業の省力化を可能にし、ウナギ仔魚を安定した状態で効率的に飼育できる。すなわち、請求項10に記載の飼育容器は、シラスウナギの大量生産に適した容器である。
本発明に係るウナギ仔魚の飼育容器の一例を示す説明図である。 本発明に係るウナギ仔魚の飼育装置の一例を示す説明図である。 本発明に係るウナギ仔魚の飼育装置で用いる給餌ユニットの一例を示す説明図である。 本発明に係るウナギ仔魚の飼育装置で用いる注水ユニットの一例を示す説明図である。 実施例1の飼育成績を示すグラフである。 実施例5の飼育成績を示すグラフである。
まず、本発明に係るウナギ仔魚の飼育容器について説明する。
本発明では、飼育容器の大きさや形状には特に制限はない。ウナギ仔魚の成長に合わせて、用いる飼育容器の大きさや形状を変更しても差し支えない。しかし、餌の拡散防止を考慮し、同一の容器で飼育し続ける場合は、飼育容器は、最大伸長期のウナギ仔魚がその遊泳する方向を自在に転換できる大きさで交換可能なものであることが好ましい。すなわち、ウナギ仔魚は、最大伸長期(シラスウナギに変態する直前の成長段階)においても全長は50〜65mm程度、体高は10〜15mm程度の大きさであり、平べったい、厚みの薄い体形をしているので、このような形態のウナギ仔魚がその遊泳する方向を自在に転換できる大きさのものが好ましい。また、作業者が片手で把持して交換できる大きさのものが好ましい。具体的には、内径30〜80mm程度、深さ100〜150mm程度(円筒形の場合、湛水量が100〜500mL程度)の範囲に収まるものであれば十分である。また、例えば、飼育容器として、内径60mmで深さ110mmの大きさとし、全ての飼育容器をこの大きさのものに統一すると、取り扱いが容易である上、飼育装置を開発するのに好都合である。また、円筒状の飼育容器を用いると、仔魚が容器の内壁に当接し難くなる上、機械化した場合の面積効率を高めることが可能である。さらに、透明な容器を用いると、ウナギ仔魚の成長の観察や容器の壁面の汚れ具合の点検が容易である。なお、飼育容器はアクリル樹脂等の軽くて丈夫で加工が容易な材料で作ることが好ましい。
図1は本発明に係るウナギ仔魚の飼育容器の一例の説明図である。本発明に係るウナギ仔魚の飼育容器は、図1に示すように、底部を円錐状又は半球状に形成してあると共に側壁の上部に排水用の隙間を設けてあるものが好ましい。図1には底部の形状が異なる4つの飼育容器を図示してあり、いずれも、1は飼育容器の本体、1-1 はその側壁、1-2 はその底部、1-3 は側壁の上部に設けた排水用の隙間である。ウナギ仔魚の飼育容器1をこのような形状・構造に形成すると、餌が底部1-2 に沈降して滞留するので、光を感知すると鉛直下方向に移動する習性を有するウナギ仔魚が餌に遭遇しやすくなり、そのため、効率的な摂餌が可能となる。また、飼育容器1の底部1-2 へ注水することによって底部1-2 に溜まった残餌を容易に洗い流すことが可能である。なお、飼育容器1の底部1-2 の形状は、円錐状に形成しても半球状に形成しても差し支えない。また、図1に示すように、底部の頂点を平坦にしても丸くしても、或いはV字型に形成しても差し支えない。さらに、飼育容器1の側壁1-1 の上部に排水用の隙間1-3 を設けておくと、飼育容器1内を浮遊又は遊泳しているウナギ仔魚が排水と共に飼育容器1の外へ流出するリスクを回避できる。側壁1-1 の隙間1-3 としては、深さ約100mmの飼育容器の場合は、側壁1-1 の上端から10〜20mm程度の位置に、複数の小孔(口径0.5〜2mm程度)や複数の切り込み(幅0.5〜2mm程度)等を設けることでよい。
次に、本発明に係るウナギ仔魚の飼育方法について説明する。
本発明に係るウナギ仔魚の飼育方法は、上記のウナギ仔魚の飼育容器を複数個用い、摂餌可能なウナギ仔魚(すなわち日齢5〜6以降のウナギ仔魚)を数十尾、それぞれの飼育容器に収容し、所定の時間間隔を設けて飼育容器内の仔魚への給餌と飼育容器内の換水を繰り返しながら、仔魚の成長に合わせて飼育容器内の仔魚の数を減らし、飼育の最終段階においては1個の容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育することを基本とする。
ウナギ仔魚が摂餌可能になるまでは、給餌や残餌の清掃を必要としない上、仔魚の状態が不安定であるため、従来の大量飼育方法を採った方が効率的である。すなわち、孵化前から摂餌可能となる段階までには様々な要因で死亡し、仔魚が減耗していくので、この段階から個別飼育用の容器に収容する方法を採ると、1尾の死亡によって飼育容器内の水が汚染されて他の仔魚も死亡しやすくなり、個別に収容した手間が無駄になってしまうことが多い。
摂餌可能に至ったウナギ仔魚は、飼育容器に最初から数十尾を収容することでもよいし、最初は水槽に数千尾ないし数百尾を収容して飼育し、仔魚の成長に応じて飼育容器へ数十尾単位で小分けすることでもよいが、飼育の最終段階、すなわち、ウナギ仔魚が最大伸長期(全長50〜65mm程度、体高10〜15mm程度)に至ったときは、個体間干渉の影響を排除し、仔魚に無用のストレスを与えないように、1個の容器内に1尾又は数尾だけ収容して飼育する方法を採る必要がある。なお、本発明では、飼育容器に仔魚を数十尾収容した時点を飼育の初期段階とする。
また、本発明に係るウナギ仔魚の飼育方法は、摂餌開始直後の仔魚(すなわち日齢5〜6前後の仔魚)から適用してもよいし、日齢の少ない間は従来の小型水槽内での「集合飼育法」によって飼育し、日齢50〜60程度(全長20mm前後)に至ってから、本発明の「個別飼育法」に切り換えて飼育しても差し支えない。全長が20mm程度に達した仔魚は、摂餌開始直後の仔魚に比べてハンドリングに対して強健になっているので、1尾ずつピペット等を用いて移槽しても、それによって死亡するリスクは少ない。
ウナギ仔魚は光を感知すると鉛直下方向に活発に移動する習性があるので、余分な接触や光刺激によるストレスを避けるために、給餌するとき以外は、遮光状態で飼育することが好ましい。餌の種類や給餌の回数は任意であるが、例えばサメの卵を主材とするスラリー状の餌を1日に数回、スポイトや自動給餌機を用いて飼育容器内に投入する。投入された餌は飼育容器の底部に沈降し滞留するので、給餌時間に点灯・照光すると、ウナギ仔魚は飼育容器の底部に向かって移動し、仔魚が餌に遭遇しやすい状態となる。ウナギ仔魚の消化器官が餌で充たされるのに10〜15分ほどを要するので、1回の給餌には、例えば「餌の投与時間1分」の後に「休止時間14分」を設けることが好ましい。
合計15分程度の給餌時間の後は、飼育容器内の残餌を洗い流して換水するため、14〜15分程度の注水時間を設けることが好ましい。飼育容器に注水を続けると、水は飼育容器から溢れ出て容器内を換水・洗浄する。飼育容器の底部近くまで注水管を差し入れて注水し、水の勢いによって残餌を排水と共に容器外へ排出する方法を採ることが好ましい。
給餌と注水を済ませた後、しばらくの間は作業を休止する。例えば、給餌15分間と注水15分間の後は、遮光状態を維持したまま、60〜120分間程度、ウナギ仔魚を休ませ、その後再び15分間の給餌(餌の投与1分と休止14分)と15分間の注水(1分の移動と14分間の停止しての注水)を行って60分〜120分ほど休止する。換水や給餌の回数は、状況に応じてもっと増やしてもよい。1日に数回、この程度の時間間隔を設けて給餌と注水と休止を繰り返して飼育作業を続け、仔魚の成長に合わせて飼育容器の数を増加させて1個の容器内の仔魚の数を減少させ、ウナギ仔魚が最大伸長期を迎えたときには、1個の飼育容器内1尾又は数尾を収容するようにしてシラスウナギに成長・変態するまで飼育する。
ウナギ仔魚の成長に合わせて、飼育容器の数を増やして容器内に収容する仔魚の数を減らす方法については特に制限はない。例えば、飼育の初期段階で20個の容器を用意してそれぞれの容器に仔魚を50尾ずつ収容して飼育を開始した場合、仔魚の成長具合を観察して、容器を40個に増やすと共に1個の容器内の仔魚の数を12尾に減らし、さらに容器を60個に増やして1個の容器内の仔魚の数を5尾に減らす等「容器の増加と容器内の仔魚の減少」を何回か行い、飼育の最終段階では、それぞれの容器内に仔魚を1尾又は数尾収容した状態で飼育すればよい。なお、この「容器の増加と容器内の仔魚の減少」は、全ての飼育容器について一斉に行う必要はなく、仔魚の成長を観察しながら適宜に行うことで差し支えない。また、仔魚が変態や死亡等によって数が減少したときは、飼育容器の数も適宜減らすことにして差し支えない。
飼育容器内の仔魚を減らすタイミングは、飼育容器内の仔魚の状態を観察して、例えば、給餌中に餌がすぐなくなってしまうとか、給餌後十分に摂餌できていない、仔魚の成長が停滞している、或いは、成長不良の個体が生じている等の現象が見られ、容器内が過密状態になったと判断したときに、仔魚の一部を別の容器に移すことが好ましい。すなわち、1個の飼育容器に収容する仔魚の適正な尾数としては、一定量の餌を給餌した場合、所定の給餌時間(例えば15分間)に餌が容器の底面に残っていて、容器内の仔魚が給餌時間中に十分に摂餌可能な状態を維持できる尾数を目安にすればよい
ウナギ仔魚が飼育の最終段階、すなわち最大伸長期に至ったときは、1個の飼育容器に1尾又は数尾収容して飼育する「個別飼育法」を採る必要がある。これは、実施例1〜3に示すとおり、日齢100前後からのウナギ仔魚は個別飼育法を採ると、成長性が向上することが明らかになったからである。なお、個別飼育法を採っても「1個の容器に必ず1尾のみを収容」した状態にする必要はなく、1個の容器に数尾収容した状態で最終の段階まで飼育しても差し支えない。
人工的に孵化させたウナギ仔魚は、孵化直後は全長3mm前後であり、成長に伴って次第に透明な柳の葉のような容姿になるが、孵化後200〜300日間の飼育によって全長50〜60mmに達し、一定の頻度でシラスウナギへと変態していく。変態が始まると2週間程度の間に急激に体の幅が狭くなり、筒状のウナギらしい形態に変わると共に、比重が大きくなって遊泳力も強くなり、シラスウナギと称される発育段階に移行する。
また、上記の「給餌と注水と休止の繰り返し作業」は、飼育装置を使用することによって効率化を図ることが可能である。例えば、ループ状に周回する無限コンベアに複数個の円筒状の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてある飼育装置を用いると、ウナギ仔魚を収容した飼育容器が自動的に作業者の前に周回してくるので、飼育容器内の仔魚への給餌作業や飼育容器の換水作業の労力を大きく軽減できる。また、飼育容器を取り外し自在に取り付けることによって、容器の洗浄や交換を容易に行うことができる。無限コンベアは、例えば120分間で1周回するようにした場合、120分間を「給餌15分・注水15分・休止90分」に割り振って、これを繰り返すようにタイマー等を用いて設定すればよい。
ループ状に周回する無限コンベアの具体例として円盤状のターンテーブルを使用する場合は、図2に示すように、中心部を切り欠いたドーナツ状のターンテーブルを使用するのが好ましい。また、ターンテーブルの中心部から放射状に複数列の飼育容器を整列させて取り付け、周回する飼育容易群の列を複数の区画に区分することが好ましい。一方、飼育容器が周回する路面の上には、1区画分の飼育容器群に同時に給餌が可能な給餌ユニットを取り付け、そのエリアを給餌エリアとする。また、飼育容器が周回する次の路面の上には1区画分の飼育容器群に同時に注水が可能な注水ユニットを取り付け、そのエリアを注水エリアとし、残りの路面は休止エリアとする。そうすると、ターンテーブルが周回して給餌エリアに至ったとき、給餌エリアの上方に配置した給餌ユニットによって1区画全ての飼育容器に同時に給餌を行い、ターンテーブルが周回して注水エリアに至ったとき、注水エリアの上方に配置した注水ユニットによって1区画全ての飼育容器に同時に注水して容器内を換水できる。このような装置を使用してウナギ仔魚を飼育する方法を採れば、ターンテーブルが1周回する間に任意に設定した時間間隔に応じて飼育容器内の仔魚への給餌と飼育容器内の換水を自動的に行うことができるので、ウナギ仔魚の飼育作業のほとんどを省力化できると共にウナギ仔魚の習性に適合した方法によって大量のウナギ仔魚の同時飼育が可能となり、安定的かつ効率的にシラスウナギの量産を図ることができる。なお、ループ状に周回する無限コンベアとしては、中心部を切り欠いた楕円盤状のコンベアを用い、そのコンベアに複数個の飼育容器を整列させて取り付けた装置を使用する方法を採っても差し支えない。
さらに、飼育方法を自動化する別の方法として、円盤状又は楕円盤状のテーブルに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付け、そのテーブルの上方には給餌ユニットと注水ユニットを備えた無限コンベアを配置し、無限コンベアを飼育容器群の列に合わせてループ状に周回させる方法を採ると、ウナギ仔魚を収容している飼育容器群は静止したままでよく、無限コンベアが周回して、その1周回の間に任意に設定した時間間隔に応じて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を自動的に行い、これを繰り返し行うように設定すると、ウナギ仔魚の飼育作業のほとんどを省力化できると共に、ウナギ仔魚の習性に適合した方法によって大量のウナギ仔魚の同時飼育が可能となり、安定的かつ効率的にシラスウナギの量産を図ることができる。
飼育容器群を静止させた状態で飼育する別の方法として、円盤状又は楕円盤状のテーブルを用いないで、平坦な板又は台の上に複数個の円筒状で透明な容器を区画ごとに整列させて起立状かつ取り外し自在に配置してあると共に飼育容器群の上方には整列させた飼育容器群に沿って移動する給餌ユニットと注水ユニットを配置してある飼育装置を用い、ウナギ仔魚を収容した飼育容器の上方を、所定の時間間隔を設けて給餌ユニットと注水ユニットを移動させて区画ごとに容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す方法を採ることも可能である。
なお、図2には、中心部を切り欠いたターンテーブルに10個×64列=640個の飼育容器を放射状に整列させて取り付けた状態を示しているが、本発明の飼育方法では、最初から全ての飼育容器(図2では640個)を揃えておく必要はなく、例えば、最初は1列の飼育容器を5個にして、5個×64列=320個の飼育容器で飼育を開始する等、飼育容器の数を少なくした状態で飼育を始め、飼育容器は仔魚の成長に合わせて適宜に増加させる方法を採ればよい。また、最初から全ての飼育容器を用意しておき、例えば、1列のうち4個にだけウナギ仔魚を収容して4個×64列=256個の飼育容器を使用して飼育を開始するか、或いは、64列のうち32列にだけウナギ仔魚を収容して10個×32列=320個の飼育容器を使用して飼育を開始する等、一部の飼育容器を使用して飼育を始め、仔魚の成長に合わせて使用する飼育容器を適宜に増加する方法を採ってもよい。
次に、本発明に係るウナギ仔魚の飼育装置の一例について図面に基づいて説明する。図2は本発明に係るウナギ仔魚の飼育装置の一例を示す説明図(平面図)である。図2において、2は飼育装置であり、中心部を切り欠いてドーナツ状に形成した円盤状の樹脂製ターンテーブル3に、ターンテーブル3の中心部から放射状に整列させて起立状かつ取り外し自在に複数個の円筒状の飼育容器1を取り付けてある。すなわち、図2のターンテーブル3に取り付けた飼育容器群1・1・・は、1列10個で64列(合計640個)の飼育容器で構成されている。また、ターンテーブル3の内側には排水溝5が設けてあり、ターンテーブル3は、排水溝5に排水が流入しやすいように内側に向かって緩やかに傾斜させてある。そのため、飼育容器1の排水は、排水溝5に容易に流下して飼育装置2の外方へ排出される。
ターンテーブル3は、図2の矢印方向、すなわち時計回りに周回するようにしてある。飼育容器1は、ターンテーブル3の上部に取り付けた樹脂製のラック4に飼育容器1の外形に合わせた複数の穴を設け、その穴に挿入して起立させ、取り外し自在に取り付ける(図3も参照されたい)。飼育容器1は、図1に例示したように、底部を円柱錐状ないし半球状に形成してあると共に側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のものを用いるのが好ましい。
上記の飼育装置の場合、ターンテーブル3に取り付けた64列の飼育容器群1・1・・を8つの区画に分けて、8列×10個=80個をもって1区画とする。また、飼育容器1が周回する路面には給餌エリアと注水エリアを設ける。図2に示すAは給餌エリア、Bは注水エリアであり、その他は休止エリアである。給餌エリアAの上方には飼育容器が周回する路面に沿って給餌ユニットを、注水エリアBの上方には同じく飼育容器が周回する路面に沿って昇降式の注水ユニットをそれぞれ配置してあり、タ−ンテーブル3が周回して、その1区画が給餌エリアAに至ったときに給餌ユニットによって1区画(80個)の飼育容器群に同時に給餌を行い、1区画が注水エリアBに至ったときに注水ユニットによって1区画(80個)の飼育容器群に同時に注水し、飼育容器内の換水を同時に行うように設定するのが好ましい。なお、この種のターンテーブルは、愛知電熱株式会社等の複数のメーカーによって開発・販売されているので、その既製品を適宜に改良して使用すればよい。
上記の例の場合、ターンテーブル3は120分間で1周回するようにし、周回運動は「1分間回転・14分間停止」の間欠駆動を繰り返すようにする。すなわち、給餌エリアでは1分間の回転中に給餌してその後14分間静止する。注水エリアでは回転中の1分間は注水せず、回転が停止している14分間で注水して飼育容器内を換水する。給餌エリアAでは青色LEDによって500〜1000Lxの照明を行い、その他のエリアでは開閉可能な蓋で覆う等によって遮光して照度を10Lx以下に維持する。
図3は、給餌ユニットの一例を示す説明図である。給餌エリアAでは、自動餌吐出装置に連動する10本の吐出ノズルが1区画分すなわち80個のカプセルに対応可能に配置されてあり、1分間の回転中に8列の飼育容器に1列ごとに10本の吐出ノズルからスラリー状の飼料を滴下する。滴下のタイミングは、各容器が配置してあるターンテーブルに付属するドグ(センサーが目じるしとする金属体)と自動餌吐出装置の直下に設置された近接センサーにより、各容器が自動餌吐出装置の直下に位置した時点を検知して行う。1回の吐出量はウナギ仔魚の成長に合わせて調節が可能である(給餌量は1回につき0.1〜0.3mL程度が好ましい)。餌の吐出は1分間で終了させ、ウナギ仔魚の摂餌のためにその後の14分間は静止状態を続ける。各吐出ノズルには一定量の餌を収容可能なボトル状の容器(バレル容器)が連結されていて、これらは餌の腐敗を防ぐために、断熱材でカバーリングされ、ベルチェ方式の冷却ユニットで常時10℃以下になるように温度管理が可能である。吐出の制御は、エアーシリンダーによる各独立制御とし、吐出量は餌の粘度を基準として、容器内を一定の加圧状態にしておき、吐出ノズルに連結したチューブをピンチバルブを用いて開閉する時間の長さによって制御する。加圧するためのエアーは別途エアーコンプレッサー等から供給する。餌を収容するボトル状の容器は1〜2日ごとに適宜交換し、新たな餌はボトル状の容器ごと補充する。飼育容器へ餌を吐出する頻度や吐出量は、制御盤のタッチスクリーン上において設定可能とする。なお、エアーシリンダーによる吐出制御が可能なボトル状の容器等は、武蔵エンジニアリング株式会社等から既製品が販売されているので、それらを適宜改良して使用すればよい。
図4は、注水ユニットの一例を示す説明図である。注水エリアBでは、リザーブタンクから電動ポンプを用いて、図4に示すように流量計を通して口径13〜20mmの塩ビパイプに25℃程度の海水を送り、塩ビパイプに取り付けた10連×8列=80本の細長い注水ホースから常時一定量の注水を行う。注水ホースはターンテーブルの周回運動と連動させる。注水ホースは、ターンテーブルの回転時には注水ホースが飼育容器よりも高い位置になるまで上昇し、ターンテーブルが停止したら各容器の底部近くまで注水ノズルが挿入される位置まで下降し、次の回転時までこの位置を維持する。このときの注水によってウナギ仔魚が食べ残した餌は飼育容器1から排出され、飼育容器1内が換水される。14分間の注水が終わると次の1分間のうちに注水ホースは上昇して次の区画の80個の飼育容器1・1・・が周回してくるまで待機する。このように、注水ユニットは、ターンテーブルの周回運動と連動して昇降運動を繰り返す。昇降機構はロボシリンダーによる電動制御とし、上昇時、下降時及びマニュアル操作時のユニットが定位する位置は適宜調節可能とする。ロボシリンダーは海水煙霧環境を考慮して防塵・防滴仕様とし、ターンテーブルの中心部分にコントローラ及びティーチングボックスと共に配置するとよい。
上記は、本発明に係るウナギ仔魚の飼育装置の一例を説明したものであるが、本発明のウナギ仔魚の飼育装置は、この実施態様に限るものではなく、例えば、円盤状の樹脂製ターンテーブルに代えて、楕円盤状の無限コンベアを使用しても差し支えない。また、飼育容器の数も、その大きさに合わせて適宜に定めればよい。例えば、上記の例の場合は内径30mmの容器を10個×64列=640個使用したが、内径60mmの容器の場合は6個×36列=216個にしてもよく、また、無限コンベアの大きさ等に合わせて適宜に決めることでもよい。給餌や注水を区画ごとに行うか否かも任意である。要は、一定の時間間隔を設けて飼育容器内のウナギ仔魚への給餌と飼育容器への注水が可能となるように飼育容器群をループ状に繰り返し周回させるような装置であればよい。また、飼育容器群は静置させておき、飼育容器群の上方に配置した給餌ユニットと注水ユニットを周回させるようにしてもよい。さらに、上記の飼育装置では、排水溝をターンテーブルの内側に設けたが、ターンテ−ブルの外側に設置しても差し支えない。さらに、給餌や注水の条件等は、上記の説明に限るものではなく、「給餌・注水・休止」の時間間隔等は全て任意に設定して差し支えない。以下、実施例をもって本発明をさらに説明する。
ウナギ仔魚の飼育試験1
(1)試験方法
日齢82まで通常の方法で飼育したウナギ仔魚を、ファルコンチューブを改造した飼育容器(容量=50mL:図1の左端に示す形状のもの)48本に1尾ずつ個別に収容して、90日間の給餌・注水による飼育を行った。
(イ)注水量は、1つの容器当たり約50mL/分とし、湛水量は約40mLとした。
(ロ)水温は、34日目までは23±0.5℃とし、35日目以降は25±0.5℃とした。
(ハ)1日に5〜6回、2時間ごとに、1つの飼育容器当たり50〜300μLのサメ卵を主材とするスラリー状の飼料を15分間給餌した(飼料の投与1分・静止14分)。
(ニ)給餌中は注水を停止し、給餌後に注水を再開することを繰り返したが、残餌の洗い流し作業は行わなかった。
(ホ)飼育容器の交換は3〜5日の間隔で不定期に行った。
(ヘ)毎日の死亡尾数のみを計数して生残率を求めた。日齢113、144、174に写真撮影を行い、全長、肛門前長、体高を測定した。
(2)試験結果と考察
(イ)飼育開始後1週間くらいは仔魚の死亡が続いた。これは、飼育用カプセルの上部に排水のために開けた小孔(直径2.0mm)から仔魚が抜け出る事態が頻発したためで、容器の小孔をさらに小さくすることで解決した。
(ロ)この事故に生き残った個体は、その後の生育は安定していて、給餌開始90日後の生残率は31.3%を維持することができた。
(ハ)仔魚は、給餌前(日齢82)の平均全長が「13.91mm」であったのに対し、31日後(日齢113)では「28.80mm」、62日後(同144)では「32.82mm」、92日後(同174)では「38.84mm」と良好な成長を示した。
(ニ)生残率については、給餌開始後10日目以降は急落することなく、90日目において32%を維持することができた。
(ホ)試験結果の詳細は、生残率については図5に、成長性については表1に示したとおりである。
(ヘ)上記の結果から、ウナギ仔魚は「個別飼育法」を採れば、3か月程度の長期間にわたって安定して飼育できることが明らかになった。
ウナギ仔魚の飼育試験2
(1)試験方法
日齢89の別ロットのウナギ仔魚の成長不良個体6尾(全長40〜50mm)を、実施例1と同じ飼育容器に1尾ずつ収容し、実施例1と同じ方法によって飼育した。
(2)試験結果と考察
(イ)ウナギ仔魚は順調に成長し、平均成長量は0.16mm/日であった。また、6尾中の2尾について、シラスウナギへの変態が観察された。
(ロ)上記結果から、最大伸長期のウナギ仔魚(最大で全長58.5mm)でも個別飼育法の適用が可能であることが明らかとなった。
ウナギ仔魚の飼育試験3
(1)試験方法
日齢134まで通常の方法で飼育したウナギ仔魚を、丸底遠沈管を改造した飼育容器(容量=50mL:図1の右から2番目に示す形状のもの)17本に1尾ずつ個別に収容し、20日間の給餌・注水による飼育を行った。また、従来法として、同じロットのウナギ仔魚17尾を容量5Lのボウル型水槽に収容し、20日間の飼育を行った。その上で、個別飼育法と従来法(水槽飼育法)における、ウナギ仔魚の成長と生残の結果を比較した。
(イ)個別飼育法の注水量は1個の飼育容器当たり約50mL/分とし、湛水量は約40mLとした。
(ロ)従来法の注水量は約0.5L/分とし、湛水量は約5Lとした。
(ハ)水温は25±0.5℃とした。
(ニ)個別飼育法では、1日に5回、2時間ごとに1個の飼育容器につき200μLのサメ卵を主材とするスラリー状の飼料を15分間給餌した(餌の投与1分・静止14分)。
(ホ)給餌中は注水を停止し、給餌後に注水を再開することを繰り返したが、残餌の洗い流し作業は行わなかった。飼育容器は毎日交換した。
(ヘ)従来法では、1日5回、2時間ごとに10mLのサメ卵を主材とするスラリー状の飼料を15分間給餌した。給餌中は注水を停止し、給餌後に注水を再開すると共に残餌の洗い流し作業を行った。水槽は毎日交換した。
(ト)毎日の死亡尾数のみを計算して生残率を求めた。日齢155に写真撮影を行い、全長、肛門前長、体高を測定した。
(2)試験結果と考察
(イ)20日間の生残率は、従来法が94.1%であったのに対して、個別飼育法では100%であった。
(ロ)ウナギ仔魚は、試験開始日(日齢135)の平均全長が、従来法では「36.65mm」、個別飼育法では「39.24mm」であったのに対し、20日後(日齢155)ではそれぞれ「39.81mm」と「43.30mm」となった。また、平均の日間成長量は、従来法が0.158mm/日であったのに対し、個別飼育法では0.203mm/日となり,成長率が約28.5%改善された。
(ハ)仔魚1尾当たりの20日間の総給餌量は、従来法が62.5mLであったのに対して、個別飼育法では20.0mLとなり、従来法のおよそ3分の1の給餌量であった。
(ニ)これらの日間成長量及び総給餌量の関係から、給餌量1L当たりの成長量を算出すると、従来法が2.52mmであるのに対し、個別飼育法では10.15mmとなり、単位給餌量当たりの成長率が約4倍に向上することが明らかとなった。
(ホ)試験結果の詳細は、表2と表3に示したとおりである。
(ヘ)上記の結果から、ウナギ仔魚は、個別飼育法を採れば、従来法よりも効率的に飼育できることが明らかとなった。
ウナギ仔魚の飼育試験4
(1)試験方法
日齢7から日齢34まで5Lボウル水槽で給餌飼育したウナギ仔魚を以下の水槽又は容器に移してそれぞれ20日間、同じ飼料を用いて給餌飼育を継続した。
A区=5Lボウル水槽(167尾×3基)
B区=100mL容器(内径30mm:10尾×12個)
C区=250mL容器(内径60mm:20尾×2個)
(イ)水槽又は容器は毎日交換した。
(ロ)照明は青色蛍光灯を用い、給餌時1000Lx、その他のときは10Lx以下とした。
(ハ)1回当たりの給餌量は、A区=5g×15分間、B区=0.3g×10分間、C区=0.6g×10分間とした。
(ニ)B区とC区では、給餌時は注水ホースを容器から外して止水した。10分間の給餌後、注水ホースを戻して注水を再開し、残餌を洗い流した。
(ホ)毎日、仔魚の死亡数を集計して飼育終了時の生残尾数と累計死亡数の合計を母数として生残率を算出した。
(2)試験結果と考察
(イ)生残率は、
日齢45では、A区=93.8%、B区=72.5%、C区=82.5%、
日齢55では、A区=70.9%、B区=67.5%、C区=62.5%、であった。
(ロ)仔魚の全長は、
日齢45ではA区=14.14mm、B区=15.87mm、C区=15.70mm、
日齢55ではA区=15.47mm、B区=18.72mm、C区=17.75mm、であった。
(ハ)仔魚の体高は、
日齢45では、A区=1.63mm、B区=2.08mm、C区=1.97mm、
日齢55では、A区=1.79mm、B区=2.60mm、C区=2.41mm、
であった。
(ニ)すなわち、試験開始から10日後及び20日後における仔魚の全長と体高はB区(100mL容器区)及びC区(250mL容器区)がA区(5L水槽区)よりも有意に優れていた。なお、B区とC区では有意差は認められなかった。B区とC区の方がA区よりも成長が優れている理由としては、仔魚が餌に対して効率的の遭遇することにより摂餌効率が向上したためであると推察できる。
(ホ)この試験結果から、個別飼育法による方が、従来の5L水槽飼育よりも仔魚を効率よく成長させることが可能であることが判明した。また、1個の飼育容器に数尾収容する方法での飼育が可能であることが明らかとなった。
ウナギ仔魚の飼育試験5
(1)試験方法とその結果
日齢35のウナギ仔魚を、100mL容器12個に10尾ずつ合計120尾、250mL容器2個に20尾ずつ合計40尾を収容し、160日間(日齢195まで)の給餌飼育を行った。
(イ)100mL容器区は、160日の間、飼育容器の大きさを変更しなかった。仔魚は少しずつ死亡し、160日目には各容器当たり平均1.7尾(合計20尾)の生残がみられた(生残率16.7%)。
(ロ)250mL容器区は、26日目に仔魚の数は平均12尾まで漸減したが、その後安定したので仔魚の成長に伴い徐々に過密状態が看取されるようになった。そこで、75日目に同じ大きさの容器を2倍の4個に増やし、仔魚を各容器に6尾ずつ移し分けた。さらに125日目にも同じ大きさの容器7個に各3尾ずつとなるように移し分けた。すなわち、250mL容器区では、合計7個の容器を用いた結果、160日目には各容器中には平均2.4尾ずつ(合計17尾)生残した(生残率42.5%)。
(ハ)いずれの場合も、給餌時は注水ホースを容器から外し、止水した。10分間の給餌後、注水ホースを戻して注水を再開し、残餌を洗い流した。飼育容器は毎日交換した。
(ニ)各容器とも開口部から約10mmの位置に排水用の小孔(口径0.8mm)を設けた。すなわち、100mL容器には17か所×6列、250mL容器には31箇所×6列の小孔を穿った。
(ホ)仔魚の平均全長は、飼育開始時(日齢35)には「11.60mm」であったが、飼育160日目(日齢195)には、100mL容器区は「42.47mm」に、250mL容器区は「45.46mm」に成長した。
(ヘ)仔魚の平均体高は、飼育開始時には「1.307mm」であったが、飼育160日目には、100mL容器区は「7.221mm」に、250mL容器区は「7.352mm」に成長した。
(ト)ウナギ仔魚の「生残率と収容密度の推移」及び「全長と体高の推移」の詳細は図6のグラフで示す。なお、図6の「平均収容尾数」のグラフ中の「分槽」とは、仔魚を別の飼育容器に小分けしたことを示す。
(2)考察
(イ)どちらの容器でも、160日間以上の長期飼育が可能であることが明らかとなった。
(ロ)小型(100mL)の同じ容器で飼育し続けるよりも、大型(250mL)の容器で小分けしながら飼育する方が生残率が高くなり、安定した飼育が可能であった。すなわち、成長段階に合わせて仔魚を小分けし、密度を調整する方法の方が、最初から個別に分けて飼育するよりも効率的であることが明らかになった。
(ハ)1個の容器に複数尾を収容しても飼育が可能であることが判明した。
(ニ)どちらの容器でも仔魚の成長には大差はないが、全長35mm以上になると、若干250mL容器の方が100mL容器よりも勝る結果を示した。
(ホ)この試験によって、ウナギ仔魚は飼育期間の大部分を給餌飼育することが可能であることが実証された。
ウナギ仔魚飼育装置の仕様と飼育方法の一例
(1)ループ状に周回する無限コンベアとして、外径1.6m、内径0.7mのドーナツ状の樹脂製ターンテーブル(防水・防錆仕様を施したもの:耐荷重400kg以上)を用いる。ターンテーブルは時計回りに120分間で1周回するようにし、架台はキャスター等で搬送可能とする。
(2)飼育容器として、内径約60mm、深さ約110mmで、底部を半球に形成してあると共に側壁の開口部から10mm程度の位置に排水用の小孔(口径1.0mm)を20個設けてあるポリカーボネート製のもの(図1の左端から3番目に示す形状・構造の飼育容器)を使用する。仔魚が小さいうちは排水用の小孔をナイロンメッシュ(編み目300μm程度)で塞ぎ、仔魚の流出を防ぐ。
(3)ターンテーブルには、中心部から放射状に整列させて、飼育容器の外形に合わせた穴を「1連6個×36列=216個」穿ってある樹脂製のラックを取り付け、その穴に「1列6個×36列=216個」の飼育容器を挿入する。そのため、飼育容器の取り付け・取り外しは自在である。すなわち、本実施例で用いる飼育容器の数は、図2の飼育装置よりも少ないが、飼育容器を配置する状態は図2に示すとおりである。
(4)ドーナツ状のターンテーブルの内側には排水溝を設け、ターンテーブルは排水溝に向かってゆるやかに傾斜させてある。
(5)飼育容器の半数、すなわち36列のうち18列の飼育容器に日齢6〜8のウナギ仔魚を20尾ずつ収容し、6個×18列=108個を使って飼育を開始する。残りの飼育容器は空(カラ)の状態である。
(6)216個の飼育容器は「6個×3列=18個」をもって1区画として合計12の区画を形成し、ターンテーブルの周回に合わせて区画ごとに給餌や注水を行う。
(7)ターンテーブルの路面には、上方に給餌ユニットを備えた給餌エリアと上方に注水ユニットを備えた注水エリアを設け、ターンテーブルが1周回する間に給餌エリアと換水エリアを通過するようにし、区画ごとに給餌と注水を行い、1日に6〜12回、これを繰り返す。
(8)1区画(18個)の飼育容器群は、ターンテーブルの周回によって給餌エリアに至ると3列の飼育容器内のウナギ仔魚に回転しながら1分間で次々に給餌を行った後9分間停止して仔魚の消化器官が充たされるのを待つ。続いて、次の1分間で注水エリアに至ると9分間停止して18個の飼育容器に同時に注水して残餌の洗浄・換水を行い、その後「1分間回転・9分間停止」の間欠周回を続け、90分を経過する間は作業を休止し、再び給餌エリアと注水エリアを通過して給餌と換水を行うことを繰り返す。
(9)照明は、給餌エリアでのみ青色LED照明(中心波長450nm)を500〜1000Lxとなるように点灯し、その他のエリアは10Lx以下となるようにフードを被せて常時遮光する。
(10)仔魚の成長段階に合わせて、適宜の給餌頻度(1日に12周回する間に何回給餌を実施するか)や1回当たりの給餌量を調整しながら飼育を継続する。それでも給餌時間内に十分に摂餌できない個体や成長の停滞が見られた場合は、飼育容器を増加し、増加した飼育容器に仔魚を小分けして、容器1個当たりの収容尾数を減らす。
(11)最終的には1個の飼育容器に1尾又は数尾の仔魚を収容し、シラスウナギへの変態が開始するまで給餌飼育を継続する。
(12)肛門の位置が前進し、体高が低くなる等、変態開始の兆候が観察された仔魚は、回収して別の飼育水槽に移し、その仔魚が収容されていた飼育容器は減じる。
(13)飼育容器のない区画については、給餌の滴下を中止し、大部分の仔魚が変態を開始して容器の数が少なくなった段階で、飼育を終了する。
(14)或いは、連続して飼育を行う場合は、空きが出た区画に新たな日齢35前後の仔魚を20尾程度収容した容器を配置して、次の飼育群の飼育を開始する。
以上詳しく説明したとおり、本発明は、摂餌可能なウナギ仔魚(レプトセファルス)を
シラスウナギに成長するまで安定的かつ効率的に飼育する方法及びその方法に用いる飼育装置並びにその飼育方法と飼育装置に用いる飼育容器を提供するものである。本発明の飼育方法を採用すると、飼育容器数640個の飼育装置を用いた場合、1回の飼育期間で少なくとも1000尾のシラスウナギを収穫できるものと予想され、本発明の飼育装置を全国各地に設置すれば、年間当たり「数百万尾」のシラスウナギの確保が可能である。
1:飼育容器、 1-1:その側壁、 1-2:その底部、 1-3:排水用の隙間
2:飼育装置
3:ターンテーブル
4:ラック
5:排水溝
A:給餌エリア
B:注水エリア

Claims (10)

  1. 複数個の飼育容器を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法。
  2. ループ状に周回する無限コンベアに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてある飼育装置を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、無限コンベアが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法。
  3. 円盤状のターンテーブルに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にターンテーブルの上方には容器が周回する路面に沿って給餌ユニットと注水ユニットを配置してある飼育装置を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、ターンテーブルが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法。
  4. 円盤状又は楕円盤状のテーブルに複数個の飼育容器を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にテーブルの上方には飼育容器の列に沿ってループ状に周回する給餌ユニットと注水ユニットを備えた無限コンベアを配置してある飼育装置を用い、飼育の初期段階では各容器に摂餌可能なウナギ仔魚を数十尾ずつ収容し、無限コンベアが1周回する間に所定の時間間隔を設けて容器内の仔魚への給餌と容器内の換水を行うことを繰り返す一方、仔魚の成長に合わせて容器の数を増加し、増加した容器へ仔魚を配分して容器内の仔魚の数を減少させ、飼育の最終段階では各容器内に仔魚を1尾又は数尾収容するようにして飼育するウナギ仔魚の飼育方法。
  5. 飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能なものを使用する請求項1から4のいずれかに記載のウナギ仔魚の飼育方法。
  6. 飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のものを使用する請求項1から4のいずれかに記載のウナギ仔魚の飼育方法。
  7. 円盤状のターンテーブルに最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能な飼育容器の複数個を整列させて起立状かつ取り外し自在に取り付けてあると共にターンテーブルの上方には容器が周回する路面に沿って給餌ユニットと注水ユニットを配置してあり、ターンテーブルが1周回する間に所定の時間間隔を設けて給餌ユニットが容器内の仔魚への給餌を行い、注水ユニットが容器への注水を行うことを繰り返すように設定してあるウナギ仔魚の飼育装置。
  8. 飼育容器として、最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のものを取り付けてある請求項7に記載のウナギ仔魚の飼育装置。
  9. 給餌する区画を点灯可能とし、その他の区画は遮光状態にしてある請求項7又は8に記載のウナギ仔魚の飼育装置。
  10. 最大伸長期のウナギ仔魚が遊泳方向を自在に転換できる大きさで交換可能であると共に底部を円錐状又は半球状に形成してあり、側壁の上部に排水用の隙間を設けてある円筒状のウナギ仔魚の飼育容器。
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