JP6209381B2 - 化粧料の調製方法、及び化粧料の評価方法 - Google Patents

化粧料の調製方法、及び化粧料の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、肌状態改善用の化粧料の調製方法に関する。また、化粧料の肌状態改善効果を評価する方法に関する。
化粧料において、油脂類、ろう類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、およびエステル類などの油性成分は、様々な目的で配合されている。
例えば、スキンケア化粧料では適度なエモリエント性をもつ被膜をつくり、保湿感を与える目的で油性成分が用いられる。その他、メークアップ化粧料では顔料の皮膚への展延性、付着性を与える目的で、また、ヘアケア化粧料では髪へのつやとセット性を与える目的で、油性成分が用いられる。
このように、化粧料において多目的で用いられる油性成分を、水性化粧料中にも配合できるようにするために乳化技術が開発され、W/O型、O/W型などの乳化化粧料が様々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方で、皮膚の角層中に存在する酵素が、皮膚の状態と何らかの関係を有するという報告がされている。例えば、特許文献3では、角層中のトリプシン様酵素活性とキモトリプシン様酵素活性が、肌荒れと関係を有することが示唆されている。
その他、皮膚中に存在している酵素として、角層形成、NMF産生に関与する酵素としてカスパーゼ−14(例えば、非特許文献1、2参照)、過酸化水素の分解に関わり老化に伴い減少する酵素としてカタラーゼ(例えば、非特許文献2、3参照)、エネルギー産生に関わる酵素としてNADHデヒドロゲナーゼ(例えば、非特許文献4参照)、角層細胞の皮膚での接着に関わり、角層剥離に関与する酵素としてカリクレイン−5(例えば、非特許文献5参照)が知られている。
特開2012−206971号公報 特開2012−206986号公報 特開平8−68791号公報
Nature Cell Biology 2007(6) p666-674 機能性化粧品素材開発のための実験プロトコール集(シーエムシー出版) Experimental Gerontology 2007(42) p924-929 J Cosmet Dermatol. 2012 (11)No.1 p3-8 Biol.Chem.2008(389)No.6 p669-680
このように、油性成分は化粧料の原料として多様な目的で用いられており、肌状態を改善するためにエモリエント性を付与する目的でも使用されている。本発明は、このような状況下、肌状態改善用の化粧料の新たな調製方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、肌状態改善用の化粧料の新たな調製方法を提供すべく研究を進め、肌状態に関連する角層中の酵素に着目した。そして、角層中の酵素活性を活性化させることで、肌状態が改善されることを見出した。このような知見に基づいて更に研究を重ねたところ、意外にも、酵素活性を低下させる原因が化粧料成分として多様な目的で使用されている油性成分にあることが判明した。そして、酵素活性を指標として、化粧料の油性成分の量を調製するという新たな調製方法を見出し、本発明を完成させた。さらに、酵素活性の低下が生じる場合には、多目的で使用されている油性成分の含有量をあえて減じる、好ましくは油性成分を実質的にフリーとすることで、肌状態を改善することができるという、従来技術とは異なる新たな知見を得た。
本発明の第一の実施態様は、肌状態改善用化粧料を調製する方法であって、
角層中の酵素を選択する工程、前記選択した酵素の活性を測定する工程、及び前記工程で測定した酵素の活性を指標に化粧料の油性成分の量を最適化する工程、を含む化粧料の調製方法である。
前記角層中の酵素は、カリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記選択した酵素の活性を測定する工程において、酵素の活性が低下する場合、前記化粧料の油性成分の量を最適化する工程において、化粧料中の油性成分の含有量を減量することが好ましい。
また、前記角層中の酵素を選択する工程において、少なくとも3種の酵素を選択し、前記選択した酵素の活性を測定する工程において少なくとも3種の酵素活性が向上することが好ましい。
また、前記化粧料の油性成分の量を最適化する工程は、油性成分の含有量が実質的にフリーとなるように行われることが好ましく、前記肌状態は、肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、及び肌の凹凸からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の第二の実施態様は、角層中の酵素を指標に化粧料を評価する方法であって、角層中の酵素を選択する工程、及び化粧料を前記選択した酵素に適用した際の酵素活性の変化を指標に、化粧料を評価する工程、を含む、化粧料の評価方法である。
前記選択された角層中の酵素がカリクレイン−5、カスパーゼ14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記角層中の酵素を選択する工程において、少なくとも3種の酵素を選択し、前記化粧料を評価する工程において、少なくとも3種の酵素活性が向上する化粧料を、肌状態改善効果を有すると評価することが好ましい。
また、前記肌状態は、肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、および肌の凹凸からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
本発明の化粧料の調製方法により、特定の酵素の活性を指標として化粧料の油性成分の量を調製するという、新たな化粧料の調製方法が提供される。また、本発明の調製方法により調製された化粧料は、油性成分の含有量が少ない態様、好ましい態様としては実質的に油性成分がフリーであるにもかかわらず、非常に高い肌状態改善効果を奏することができる。
また、本発明の化粧料の評価方法では、特定の酵素の活性を指標として化粧料を評価するという、新たな化粧料の評価方法が提供される。また、本発明の評価方法により、油性成分の含有量が少ない化粧料、好ましい態様としては実質的にフリーである化粧料の肌状態改善効果を適切に評価することができる。
油性成分の添加量とカリクレイン−5活性を示すグラフである。 油性成分の添加量とカスパーゼ活性を示すグラフである。 油性成分の添加量とカタラーゼ活性を示すグラフである。 油性成分の添加量とNADHデヒドロゲナーゼ活性を示すグラフである。 カリクレイン−5活性と肌の明るさを示すグラフである。 カリクレイン−5活性と毛穴スコアを示すグラフである。 カリクレイン−5活性としわの数を示すグラフである。 カリクレイン−5活性と肌の凹凸を示すグラフである。 平均より高い酵素活性を示す酵素数と肌の明るさの関係を示すグラフである。 平均より高い酵素活性を示す酵素数と毛穴スコアの関係を示すグラフである。 平均より高い酵素活性を示す酵素数としわの数の関係を示すグラフである。 平均より高い酵素活性を示す酵素数と肌の凹凸の関係を示すグラフである。 オイルフリー化粧料又は油成分含有化粧品連用時の肌の水分量を示すグラフである。
以下、本発明の化粧料の調製方法、及び化粧料の評価方法について説明するが、本発明の技術的範囲は、以下の具体的な実施形態にのみ限定されるものではない。
本発明の第一の実施態様は、肌状態改善用化粧料を調製する方法であって、角層中の酵素を選択する工程、前記選択した酵素の活性を測定する工程、及び、前記工程で測定した酵素の活性を指標に化粧料の油性成分の量を最適化する工程、を含む。
本実施態様に係る化粧料の調製方法は、本発明者らが得た知見である、化粧料が有する肌状態改善効果と特定の酵素活性との関係に基づくものである。より具体的には、角層中に存在するカリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼなどの酵素が肌状態の改善に関与するという知見に基づくものである。
本発明の第一の実施態様における、角層中の酵素を選択する工程により選択される酵素は、肌状態の改善に何らかの関与を有する酵素である限り特段限定されないが、少なくともカリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼから選択される1種以上を含むことが好ましい。これらの4種以外の酵素を選択してもよく、肌状態改善に関与するこれら以外の酵素としては、例えばヒスチジンアンモニアリアーゼ、トランスグルタミナーゼなどが挙げられる。
本発明の第一の実施態様における、選択した酵素の活性を測定する工程は、既知の方法を適宜選択して行うことができる。
酵素活性の測定は、例えば、市販の粘着テープ等にて採取された角層細胞から酵素をバッファーにて抽出し、得られた酵素液に化粧料で通常使用される油性成分を添加し、添加する油性成分の量により酵素活性の変化量を測定する方法が挙げられる。角層採取部位は特に限定されない。
酵素活性が低下するか否かの判断は、油性成分を添加しない場合との濃度の異なる油性成分を添加した場合で、酵素活性がどのように変化するかを測定して行うことができる。
また、予め化粧料を調製し、当該化粧料を酵素液に適用し、酵素活性の変化量を測定する方法も挙げられる。
酵素の活性を測定する具体的な方法を以下に示す。
例えば、カスパーゼ−14の場合、MCA基質にNaCl、Chaps、EDTA、D
TT及びクエン酸ナトリウムを含有するバッファーに酵素液を混合し、10分間37℃においてインキュベートする。モノクロロ酢酸ナトリウム溶液で反応を停止し、蛍光強度(EX370nm、EM460nm)で測定することができる。
カタラーゼの場合、リン酸カリウム緩衝液(pH7.2)、酵素液を混合し、過酸化水素水を加え25℃で反応させた後、過酸化水素に由来する240nmの吸光度の減少を追跡し、過酸化水素の分子吸光度係数 により酵素活性を求めることができる。
NADHデヒドロゲナーゼでは、NADHを含むトリス塩酸緩衝液(pH7.5)を25℃で5分間予備加温後、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール水溶液を添加し、次いで、トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で希釈したNADHデヒドロゲナーゼ溶液を加え、反応を開始し、25℃で600nmの吸光度を測定することで酵素活性を測定できる。
カリクレイン−5は、MCA基質にHEPES(pH7.5)、NaCl、Chaps、EDTA、DTT及びクエン酸ナトリウムを含有するバッファーに酵素液を添加し、10分間37℃においてインキュベートする。モノクロロ酢酸ナトリウム溶液(pH4.3)で反応を停止し、蛍光強度(EX370nm、EM460nm)で測定することにより酵素活性を測定できる。
本発明の第一の実施態様における、前記工程で測定した酵素の活性を指標に化粧料の油性成分の量を最適化する工程では、酵素の活性を測定する工程で測定した酵素の活性の測定値に基づき、化粧料の油性成分量を最適化するものである。
最適化の具体例としては、市販の粘着テープ等にて採取された角層細胞から酵素をバッファーにて抽出し、得られた酵素液に化粧料で通常使用される油性成分を添加し超音波装置等で分散させ、添加する油性成分の量により酵素活性の変化量を測定し、酵素活性が最も向上する油性成分量を決定することができる。あるいは、異なる油性成分量を含有する化粧料を使用者に適用し、一定時間後に角層細胞を採取し、上記の酵素測定法にて1種または複数の酵素について活性を測定し、酵素活性が最も向上する油性成分量を決定することができる。
化粧料の油性成分の最適化は、選択された酵素の活性を測定する工程において、酵素の活性が低下する場合には、化粧料の油性成分の含有量を減量する態様が好ましい。
通常、化粧料の調製において、エモリエント性の付与等、多目的で使用されている油性成分の含有量は増加させる傾向にあるところ、油性成分の含有量をあえて減量することで、調製した化粧料の肌改善効果を向上させ得ることができる。
化粧料中の油性成分を減量する場合、減量の程度は特定されるものではないが、徐々に減量させていき、上記の最適化工程を複数回繰り返して行うことで、化粧料の詳細な設計が可能となる。また、酵素活性の低下の程度が大きい場合には、油性成分の含有量の減量の度合いを大きくすることも、最適化工程の簡素化の観点から好ましい。
本実施態様では、化粧料の油性成分の量を最適化する工程において化粧料中の油性成分含有量を減じることで、調製された化粧料中の油性成分含有量が通常5質量%以下となる。好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは油性成分を含有しないことである。
なお、本明細書において、油性成分の含有量が「実質的にフリー」とは、油性成分の含有量が5質量%以下であることを示す。また、「油性成分」とは、後に例示するような化粧料調製時において一般的に油性成分として扱う成分を意味し、例えば、界面活性剤の効果を期待して加える成分において油性のものが存在しても油性成分に含まないものとし、また、粉体被覆のためのシリコーンなどの油分、加えて油性成分として用いられることがあるシリコーンについても、本発明では、油性成分に含まれないものとして扱う。
本実施態様では、少なくともカリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及び
NADHデヒドロゲナーゼからなる上記4種の酵素のうち、少なくとも3種の酵素について、酵素活性が向上する油性成分量を選択することが好ましい。すなわち、角層中の酵素を選択する工程において、上記4種の酵素のうち少なくとも3種の酵素を選択し、選択した酵素の活性を測定する工程において、少なくとも3種の酵素活性が向上することが好ましい。
また、上記4種の酵素のうち、全ての酵素について、酵素活性の向上が確認されることがより好ましい。すなわち、角層中の酵素を選択する工程において、上記4種の酵素を選択し、選択した酵素の活性を測定する工程において、上記4種の酵素活性が向上することが好ましい。
本実施態様において、改善される肌状態は、肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、及び肌の凹凸からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。従来、これらの肌状態の改善は、油性成分の含有量を増加させることで対応していた。本実施態様の化粧料の調製方法の好ましい態様では、あえて油性成分の含有量を減じることで、肌状態の改善を達成できる化粧料を提供できる。
本実施態様において、調製された化粧料中に含有させる成分は、油性成分の含有量が極めて小さいことを除いては、通常化粧料に使用される成分を広く適用することが可能であり、また、その剤形や用途についても、何ら限定されない。以下、本実施態様において、化粧料中に含有させることができる成分について、説明する。
有効成分としては、美白成分、抗炎症成分、植物エキスなどが挙げられる。
美白成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、アスコルビン酸グルコシド、3−О−エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル、1−(トリフェニルメチル)ピペリジン、N−(p−トルイル)システイン酸、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸等が挙げられる。これらの美白成分は、既に市販されているものもあれば、合成により入手することもできる。例えば、3−О−エチルアスコルビン酸は、特開平8−134055号公報に記載の公知の方法で合成することが出来る。市販品(日本精化製「VCエチル」)もあるので、これらを入手して使用することが可能である。2−[(トリフェニルメチル)オキシ]エタノ−ル、1−(トリフェニルメチル)ピペリジンは特許文献WO2010―074052号パンフレットに、N−(p−トルイル)システイン酸、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸はWO2010―058730号パンフレットに、その合成方法が公開されているので、該開示に従い合成することができる。
化粧料における美白成分の含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
植物抽出エキスとしては、一般的に医薬品、化粧料等に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、アケビエキス、アスナロエキス、アスパラガスエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、エイジツエキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オレンジエキス、カキョクエキス、カッコンエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、黒米エキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲットウヨウエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コケモモエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシ
ャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウキュウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
化粧料中における植物抽出エキスの含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
抗炎症成分としては、クラリノン、グラブリジン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸などが挙げられ、好ましくは、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸アルキル及びその塩、並びに、グリチルレチン酸及びその塩である。
化粧料中における抗炎症成分の含有量は、通常0.01〜30質量%であり、0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
油性成分としては、極性油、揮発性炭化水素油などが挙げられる。
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンを挙げることができる。
さらに、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ク
エン酸トリエチル、オクチル メトキシシンナメート等も挙げられる。
また、天然油として、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、スクワレン、スクワラン等が挙げられる。
揮発性炭化水素油としては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。
その他の化粧料にて通常使用される油性成分を使用することが出来るが、シリコーンは除く。ここでいうシリコーンとは、ケイ素を含む油性成分のことである。
界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、
ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、
ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等) 、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、などが挙げられる。
多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等があげられる。
粉体類としては、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、があげられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、などがあげられる。
本実施態様に係る皮膚外用剤は、通常知られている、ローション剤形、乳液剤形、エッセンス剤形、クリーム剤形、粉体含有剤形の何れをも取ることが出来る。化粧料としては、基礎化粧料、毛髪化粧料、メークアップ化粧料などの何れもが適用可能である。
本発明の第二の実施態様は、角層中の酵素を指標に化粧料を評価する方法であって、角層中の酵素を選択する工程、及び化粧料を前記選択した酵素に適用した際の酵素活性の変化を指標に、化粧料を評価する工程、を含む化粧料の評価方法である。
本実施態様についても、上記第一の実施態様と同様に、化粧料が有する肌状態改善効果と特定の酵素活性の関係に基づくものであり、より具体的には、角層中に存在するカリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼ等の酵素が肌状態の改善に関与するという知見に基づく。
本実施態様に係る角層中の酵素を選択する工程は、前述した本発明の第一の実施態様に係る角層中の酵素を選択する工程の説明が適用される。
本実施態様に係る化粧料を評価する工程は、化粧料を準備し、該化粧料を上記工程で選択した酵素に適用した際の酵素活性の変化を指標として、化粧料を評価する。具体的には、化粧料又は化粧料で通常使用される油性成分を酵素液に添加し、添加する油性成分の量により酵素活性の変化量を測定する。その際に酵素活性が向上する化粧料を、肌状態改善効果を有する化粧料と評価する。
好ましい態様では、角層中の酵素を選択する工程において、少なくとも3種の酵素を選択し、化粧料を選択した酵素に適用した際に、少なくとも3種類の酵素活性が向上する化粧料を、肌状態改善効果を有する化粧料と評価する。
本実施態様により、肌状態改善効果を有すると評価された化粧料は、肌状態改善用の化粧料として、優れた効果を有する。具体的には、肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、及び肌の凹凸からなる群から選択される少なくとも1種を含む肌状態を改善することが好ましい。
従来、これらの肌状態の改善は、油性成分の含有量を増加させることで対応されていたが、本実施態様の化粧料の評価方法により、油性成分の含有量が少ない乃至は含有しない化粧料であっても、肌状態の改善を達成できる化粧料を評価し、当該化粧料を選択するこ
とができる。
以下に、実際の実験例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加える。
<実験例1>
(角層中の酵素選択)
健常人1名について、顔部をダブル洗顔した後(メーク落とし・洗顔)、テープストリッピング法により、顔部の角層細胞を採取した。
採取した角層は酵素抽出液(0.1M Tris−HCl(pH7.5)+0.14M
NaCl+0.1%Tween20)にてホモジナイズし、15000rpmで遠心した上清を酵素液とした。
酵素活性の算出に必要な蛋白濃度は、前記酵素液を、ProteinAssayKit(同仁化学)を用い測定した。
本試験においては、角層中の酵素として、カリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼを選択し、各酵素の酵素活性を測定した。
カリクレイン−5は、以下の方法にて測定した。すなわち、MCA基質(Boc−Val−Pro−Arg−MCA、同仁化学)(0.2mM)20μL、アッセイバッファー(50mM HEPES(pH7.5)+60mM NaCl+0.01%Chaps+5mM EDTA+2mM DTT+1.5mMクエン酸ナトリウム)130μL、酵素抽出液(酵素を含まない)30μLを小試験管中で10分間37℃においてインキュベートしブランクとし、同様に、MCA基質(0.2mM)20μL、アッセイバッファー(50mM HEPES(pH7.5)+60mM NaCl+0.01%Chaps+5mM EDTA+2mM DTT+1.5mMクエン酸ナトリウム)130μL中に酵素液30μLを加え小試験管中で10分間37℃においてインキュベートし、サンプルとした。
ブランク、サンプルともに0.1Mモノクロロ酢酸ナトリウム溶液(pH4.3)で反応を停止し、蛍光強度(EX370nm、EM460nm)を測定し、酵素活性を算出した。
カスパーゼ−14は、以下の方法にて測定した。すなわち、MCA基質(0.2mM)20μL、アッセイバッファー(50mM HEPES(pH7.5)+60mM NaCl+0.01%Chaps+5mM EDTA+2mM DTT+1.5mMクエン酸ナトリウム)160μLを小試験管中で10分間37℃においてインキュベートしブランクとし、同様に、MCA基質(0.2mM)20μL、アッセイバッファー(50mM HEPES(pH7.5)+60mM NaCl+0.01%Chaps+5mM EDTA+2mM DTT+1.5mMクエン酸ナトリウム)160μL中に酵素液30μLを加え、小試験管中で10分間37℃においてインキュベートし、サンプルとした。
ブランク、サンプルともに0.1Mモノクロロ酢酸ナトリウム溶液(pH4.3)で反応を停止し、蛍光強度(EX370nm、EM460nm)で測定し、酵素活性を算出した。
カタラーゼは、以下の方法にて測定した。すなわち、試験管に50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.2)300μLに0.1M Tris−HCl(pH7.5)+0.14M NaCl+0.1%Tween20の300μLを混合しブランクとした。同様に、リン酸カリウム緩衝液(pH7.2)300μL中に酵素液300μLを混合し、サンプルとした。試験管内で調整した上記の各試料液に対し、31mM過酸化水素水300μLを加え25℃で反応させた後、0〜4分間の過酸化水素に由来する240nmの吸光度の減少を追跡し、1分間あたりの吸光度の減少量を算出した。240nmにおける過酸化
水素の分子吸光度係数(1μmol/mL=0.036)により酵素活性 (μmol/min/g)を求めた。
NADHデヒドロゲナーゼは以下の方法にて測定した。すなわち、基質であるNADH
0.2mMを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)2.8mLを25℃で5分間予備加温後、1.2mMの2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCIP)水溶液を0.1mL添加し、次いで、予め、酵素希釈液(200mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5))で希釈した酵素液0.1mLを加え、反応を開始し、25℃で20秒毎に600nmの吸光度の減少を4分間測定した。
盲検として上記において、NADHデヒドロゲナーゼ溶液0.1mLの代わりに酵素希釈液0.1mLを加え、上記同様に操作を行って反応を開始し、25℃で20秒毎に600nmの吸光度の減少を4分間測定する吸光度を測定した。
前記酵素液にスクワレン若しくはスクワランを、濃度が0%(無添加)、1%、2%、5%となるように添加し、カリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼの酵素活性を測定した。なお、本実験例では、スクワレン若しくはスクワランを油性成分として用いたが、他の油性成分で代替しても良い。
図1〜4はスクワレン若しくはスクワラン濃度0%、1%、2%、5%における3回測定酵素活性平均の、油性成分無添加時の酵素活性平均を100%としたときの相対値を示した。油性成分の量が増加するに従い酵素活性が低下することが判る。従って、測定した角層中の酵素のうち、カリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼは油性成分の量により酵素活性が変化する。
<実験例2>
(酵素と肌状態の関連性)
カリクレイン−5と肌状態の関連性を把握するため、前記のように、60名の健常者の顔部の角層細胞を採取し、酵素活性を測定し、酵素活性の高さから低中高群を設定し、低い群、高い群で肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、及び肌の凹凸(ムラ)に差が認められるか観察した。
肌の明るさは、洗顔後(メーク落とし・洗顔)、室温22±2 ℃、湿度50±5%の条件下にて安静にし、右の頬下部を分光測色計CM−2600d(コニカミノルタオプティクス株式会社)にてL値を測定し、5回測定を行い、平均値を求めた。
毛穴の目立ち、しわ、及び肌の凹凸は、前記と同様に洗顔を行い、前期条件下で安静にした後、顔 正面および左右斜めの3部位について、VISIA Evolution(Canfield Scientific Ltd.)を用いて、毛穴スコア、凹凸及びシワの個数を測定した。
図5〜8に低い群、高い群における、肌の明るさ(L値)、毛穴の目立ち(毛穴スコア)、しわの数、及び肌の凹凸(ムラ)の結果を示す。酵素活性が高い群は低い群に比べ、肌が明るく、毛穴スコアが低く毛穴が目立ちにくく、しわの数が少なく、凹凸が少ないことが観察された。従って、酵素活性の向上が肌状態の改善に繋がることが判った。また、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼにおいても同様に、酵素活性の向上が、肌状態の改善に寄与することが確認された。
<実験例3>
前記の通り、採取した角層細胞における、カリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼの酵素において、活性の平均を上回った酵素数が0、1種又は2種、及び3種又は4種、の3群に分け、各群での肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、及び肌の凹凸を比較した。
図9〜12に各群での肌状態の結果を示す。活性の平均を上回った酵素が3つ以上の群で他の群より明らかな肌状態の改善が認められた。
<実験例4>
上記の実験例から、酵素活性の向上により肌状態が改善することが明らかとなったため、実験例1にて最も酵素活性が高かった油性成分無添加の、以下の表1に示す化粧料1のローション及び化粧料2の保湿液、を調製し使用した群と、比較化粧料として油性成分を含んだ化粧品を使用した群での肌状態の改善を比較した。各群の被験者は、化粧料1、2を使用した群で健常者20名、比較化粧料を使用した群で健常者12名であり、1ヶ月間連用時の肌の状態を観察するため、角層水分量の変化を測定した。
角層水分量は、アイ.ビイ.エス社製の「SKICON−200EX」により測定した。
化粧料1は、表1に記載された成分を表1に記載された量でよく混合することで調製した。化粧料2は水酸化カリウム以外の成分を表1に記載の量にて混合し、その後、アルカリである水酸化カリウムを加えることにより調製した。尚、表1中の数字は質量%を表す。
図13から、油性成分を含まない化粧料1及び2を使用した群は、油性成分を含む通常の化粧品を使用した群に比べ、角層水分量が高く、肌状態が改善していることがわかる。
本発明によれば、化粧料成分として有用な油性成分の含有量が小さい化粧料であっても、優れた肌状態改善作用を有する化粧料を調製することができる。また、油性成分の含有量が小さい化粧料であっても、優れた肌状態改善作用を有する化粧料として評価することができる。

Claims (8)

  1. 肌状態改善用化粧料を調製する方法であって、
    角層中の酵素を選択する工程、化粧料又は化粧料の油性成分を適用したときの前記選択した酵素の活性を測定する工程、及び前記工程で測定した酵素の活性を指標に化粧料の油性成分の量を最適化する工程を含み、
    前記角層中の酵素が、カリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼからなる群から選択され、
    前記油性成分が極性油、天然油、及び揮発性炭化水素からなる群から選択される、化粧料の調製方法。
  2. 前記選択した酵素の活性を測定する工程において、化粧料又は化粧料の油性成分を適用しないときに比べて酵素の活性が低下する場合、前記化粧料の油性成分の量を最適化する工程において、化粧料中の油性成分の含有量を減量する、請求項1に記載の化粧料の調製方法。
  3. 前記角層中の酵素を選択する工程において、少なくとも3種の酵素を選択し、
    前記選択した酵素の活性を測定する工程において、化粧料の油性成分の量を変えて少なくとも3種の酵素活性の変化量を測定し、該酵素活性が最も向上する油性成分量を、前記化粧料の油性成分の量を最適化する工程において選択する、請求項1又は2に記載の化粧料の調製方法。
  4. 前記化粧料の油性成分の量を最適化する工程は、油性成分の含有量が5質量%以下となるように行われる、請求項1乃至のいずれか1項に記載の化粧料の調製方法。
  5. 前記肌状態は、肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、及び肌の凹凸からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の化粧料の調製方法。
  6. 角層中の酵素を指標に化粧料を評価する方法であって、
    角層中の酵素を選択する工程、及び化粧料を前記選択した酵素に適用した際の酵素活性が化粧料を適用しないときから低下する程度が小さい化粧料を、肌状態改善効果を有すると評価する工程、を含み、
    前記選択された角層中の酵素がカリクレイン−5、カスパーゼ−14、カタラーゼ、及びNADHデヒドロゲナーゼからなる群から選択される、化粧料の評価方法。
  7. 前記角層中の酵素を選択する工程において、少なくとも3種の酵素を選択する、請求項に記載の化粧料の評価方法。
  8. 前記肌状態は、肌の明るさ、毛穴の目立ち、しわ、および肌の凹凸からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項6又は7に記載の化粧料の評価方法。
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