JP6208544B2 - セラミック接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック焼結体同士を接合してなるセラミック接合体に関する。
窒化珪素質焼結体や炭化珪素質焼結体は、機械的強度が高く、耐熱性や耐食性など優れた特性を有していることから、幅広い分野で用いられている。そして、近年では、このような特性を求められる部材を備える装置や設備の大型化に伴って、部材の大型化や長尺化、さらには、部材形状の複雑化が求められている。
しかしながら、大型、長尺、複雑な形状等の成形体を一体的に形成することは困難であり、仮に、一体的な成形体を得ることができたとしても、セラミックス自体焼成が困難な材料であることから、大型、長尺、複雑な形状等であれば尚更、不具合のない焼結体を得ることは困難であった。また、大型、長尺、複雑な形状等に対応するには、成形や焼成に関する大きな設備や煩雑な加工が可能な設備を準備しなければならず、作製が困難であるだけではなく、設備投資コストも大きいことから、複数の焼結体同士を接合することによって、部材の大型化、長尺化、形状の複雑化への対応が図られている。
そして、接合によって、大型化、長尺化、形状の複雑化が図られた部材においては、接合強度の向上が求められており、例えば、特許文献1では、第1のセラミックス部材と、第2のセラミックス部材と、前記第1のセラミックス部材と第2のセラミックス部材とを連結する連結部であって、該連結部が、平均粒径が0.1μm以上0.1mm以下の範囲の炭化ケイ素粒子と、該炭化ケイ素粒子の隙間を網目状に連続して存在し、平均径が0.05μm以上10μm以下のシリコン相とを有する組織を備えるセラミックス複合部材が提案されている。
特開2008−137830号公報
近年、部材の大型化、長尺化、形状の複雑化への対応が図られたセラミック接合体は、例えば1200℃を超えるような高温の環境で用いられるなど、用いられる環境は厳しさを増しており、高温環境下において高い接合強度を有していることが求められている。
本発明は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、高温環境下において高い接合強度を有するセラミック接合体を提供することを目的とするものである。
本発明のセラミック接合体は、第1のセラミック焼結体と第2のセラミック焼結体とが、金属珪素相と炭化珪素の結晶粒子とを含む接合層を介して接合されてなり、該接合層の断面において、前記結晶粒子の面積占有率が9%以上49.9%以下であり、前記結晶粒子の平均凹凸度が1.02以上1.08以下であることを特徴とするものである。
本発明のセラミック接合体によれば、第1のセラミック焼結体と第2のセラミック焼結
体とが、金属珪素相と炭化珪素の結晶粒子とを含む接合層を介して接合されてなり、接合層の断面において、前記結晶粒子の面積占有率が9%以上49.9%以下であり、前記接合層の断面における前記結晶粒子の平均凹凸度が1.02以上1.08以下であることにより、高温環境下において高い接合強度を有する。
本実施形態のセラミック接合体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は接合部における部分断面図である。 本実施形態のセラミック接合体の接合層における断面写真である。 本実施形態のセラミック接合体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は接合部における部分断面図である。
以下、本実施形態のセラミック接合体の例について説明する。
図1は、本実施形態のセラミック接合体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は、接合部における部分断面図である。また、図2は、本実施形態のセラミック接合体の接合層における断面写真である。なお、各図においては、識別のために数字とアルファベットにより符号を付すが、図示したセラミック接合体に特有の効果等に関する記載を除き、以下の説明では、数字のみを付して説明する。
図1に示す例のセラミック接合体10は、第1のセラミック焼結体1と第2のセラミック焼結体2とが接合層3を介して接合されてなり、接合層3は、図2に示すように、金属珪素相11と炭化珪素の結晶粒子12(以下、単に結晶粒子12ともいう。)とを含むものである。そして、本実施形態のセラミック接合体10は、接合層3の断面における炭化珪素の結晶粒子12の平均凹凸度が1.02以上1.08以下である。
ここで、平均凹凸度とは、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いることによって求められる、結晶粒子12の凹凸の度合いを示す指標である凹凸度の平均のことである。なお、真円であれば凹凸度は1であり、凹凸が多いほど、凹凸度は大きな値を示すものである。また、断面とは、接合層3を含むようにセラミック接合体10を切断して研磨した鏡面のことである。
そして、本実施形態のセラミック接合体10は、第1のセラミック焼結体1と第2のセラミック焼結体2とが、金属珪素相11と炭化珪素の結晶粒子12とを含む接合層3を介して接合されてなり、接合層3の断面における結晶粒子12の平均凹凸度が1.02以上1.08以下であることにより、高温環境下においても高い接合強度を有する。
このように高い接合強度を有することができる理由については明らかではないが、結晶粒子12が、1.02以上1.08以下の平均凹凸度の外形状を有していることにより、接合層3中に生じたマイクロクラックの進展を抑制できるとともに、曲げ応力等の外力が加わったとしても、結晶粒子12を起点としたマイクロクラックが生じにくいためであると推察される。
これに対し、平均凹凸度が1.02未満では、結晶粒子12の外形状の凹凸が少な過ぎて、接合層3中に生じたマイクロクラックの進展抑制効果が小さい。また、平均凹凸度が1.08を超えるときには、曲げ応力等の外力が加わったときに、結晶粒子12を起点とするマイクロクラックが生じやすくなって接合強度が低下する。
次に、平均凹凸度の測定方法について説明する。まず、接合層3の断面を得るため、接合層3を含むようにセラミック接合体10を切断し、平均粒径が0.05〜0.15μmのダイヤモンド砥粒を錫製のラップ盤に供給して研磨することにより鏡面に加工する。ここで得られ
た鏡面が、本実施形態における接合層3の断面である。そして、接合層3の断面を光学顕微鏡を用いて例えば1000倍の倍率で観察し、CCDカメラで撮影した面積が1.2×10μ
(横方向の長さが125μm、縦方向の長さが96μm)となる範囲の画像を取り込み、
画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて、粒子解析という手法で解析する。
なお、この粒子解析における設定条件としては、明度を暗、小図形除去面積を0μm、2値化の方法を手動、画像の明暗を示す指標であるしきい値を、画像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の例えば1.25倍に設定すればよい。また、光学顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡(SEM)を用いても構わない。
また、接合層3における金属珪素相11および炭化珪素の結晶粒子12の確認については、上記断面をSEMで観察し、SEMに付設のエネルギー分散型分析装置(EDS)により、観察領域において確認される結晶粒子および結晶粒子以外の部分にX線を照射して確認すればよい。なお、結晶粒子においてSiとCが観察され、結晶粒子以外の部分にSiが確認されれば、金属珪素相11および炭化珪素の結晶粒子12を含むといえる。
また、接合層3における金属珪素相11および炭化珪素の結晶粒子12の確認については、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、断面において、炭素が確認される領域に珪素が確認される領域を炭化珪素の結晶粒子12とみなし、珪素が確認される領域で炭素が確認されない領域を金属珪素相11とみなし、てもよい。
次に、本実施形態のセラミック接合体10は、断面における結晶粒子12の平均凹凸度が1.03以上1.07以下であり、平均円形度が0.6以上0.73以下であることが好適である。このよ
うな構成を満たしているときには、高温環境下においてさらに高い接合強度を有するセラミック接合体10とすることができる。
ここで、平均円形度とは、上記画像解析ソフトを用いることによって求められる、結晶粒子12の円らしさの度合いを示す指標である円形度の平均のことである。なお、この画像解析ソフトでは、円形度3として定義され、1に近づくほど円に近くなるものであり、平均円形度の測定方法としては、上述した平均凹凸度と同様である。
また、本実施形態のセラミック接合体10によれば、断面における結晶粒子12の面積占有率が25%以上47%以下であることが好適である。このような構成を満たしているときには、接合層3において生じたマイクロクラックの進展を結晶粒子12によって抑制することができるため、高温環境下においてさらに高い接合強度を有するセラミック接合体10とすることができる。なお、この結晶粒子12の面積占有率についても上述した平均凹凸度および平均円形度と同様である。
また、接合層3においては、空隙を有していないことが好適である。なお、空隙の確認は、接合層3の断面を光学顕微鏡やSEM等で確認することにより確認することができる。接合層3において空隙を有していないときには、高温環境下に急に曝されるような熱衝撃を受けたとき、この空隙を起点としたマイクロクラックが生じにくくなることから、熱衝撃に優れたセラミック接合体10とすることができる。なお、空隙を有していないとは、1000倍等に拡大した断面において、確認されない場合のことをいう。
次に、図3は、本実施形態のセラミック接合体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は、接合部における部分断面図である。
図3に示す例のセラミック接合体10Bは、図1に示すセラミック接合体10Aの構成に被
被覆層4が加わったものである。この被覆層4は、金属珪素の含有量が95質量%以上であり、接合層3の周囲を覆うものである。このような構成を満たしているときには、高い接合強度が得られるとともに、気密性が確保されるので、図3に示すように、第1のセラミック焼結体1bを筒状とし、流路を有する第2のセラミック焼結体2bとすれば、温度が高い流体や有害性が高い流体を流すことが可能となる。なお、被覆層4は、金属珪素の含有量が高いことが好適であり、不可避不純物を除いて実質的に金属珪素からなることがより好適である。なお、接合層3と被覆層4とは、炭化珪素の結晶粒子の存在量により確認することができる。
ここで、被覆層4における金属珪素(Si)の含有量は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP)または蛍光X線分析装置(XRF)を用いて測定することができる。なお、ICPまたはXRDにより、定性分析を行なってSi以外の元素の定量分析を行なって、Si以外の元素の定量値を100質量%から差し引くこ
とによって、金属元素の含有量としてもよい。
次に、本実施形態におけるセラミック接合体10を構成する第1のセラミック焼結体1および第2のセラミック焼結体2には、例えば、炭化珪素質焼結体、炭化硼素質焼結体、窒化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体または窒化硼素質焼結体などの非酸化物セラミックスであることが好適である。なお、炭化珪素質焼結体を例に挙げれば、本実施形態においては、焼結体を構成する全成分100質量%のうち、炭化珪素が70質量%以上を占め
る焼結体のことをいう。
次に、本実施形態のセラミック接合体の製造方法の一例について説明する。
まず、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備する。そして、珪素粉末と、炭化珪素(GC)粉末と、テルピネオール等の有機溶媒と、エチルセルロースまたはアクリル系のバインダーとを用いて、接合層となる第1のペーストを作製する。このとき、珪素粉末と炭化珪素粉末との質量比は20〜80:20〜80とし、特に、45〜80:20〜55であることが好適である。また、有機溶媒については、珪素粉末と炭化珪素粉末との合計100質量部に対し、2質量部以上25質量部以下とし、バイン
ダーについては、珪素粉末と炭化珪素粉末との合計100質量部に対し、5質量部以上35質
量部以下とする。
次に、第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体の少なくともいずれか一方の接合面に、第1のペーストを塗布した後、それぞれの接合面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧する。なお、加圧には、接合面の上部にいずれかの焼結体が位置するように置いて、時間の経過によって接合面に焼結体の自重が加わるものも含む。
また、第1のペーストの代わりに、炭化珪素粉末と、有機溶媒と、バインダーとを用いて作製した第2のペーストを作製し、上述した方法と同様に、第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体のいずれか一方の接合面に、第2のペーストを塗布した後、それぞれの接合面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧する。次に、珪素粉末と、有機溶媒とバインダーとを用いて作製した第3のペーストを、第2のペーストを覆うように塗布する。この方法によれば、後述する熱処理により、第2のペースト中に含まれていた有機溶媒およびバインダーが焼失した部分に珪素粉末が溶融した金属珪素が含浸することとなる。
ここで、第2のペーストについては、第2のペースト100質量%のうち、炭化珪素粉末
を50質量%以上75質量%以下、有機溶媒を1質量%以上20質量%以下、バインダーを5質量%以上30質量%以下とする。また、第3のペーストについては、第3のペースト100質
量%のうち、珪素粉末を60質量%以上80質量%以下、有機溶媒を1質量%以上20質量%以下、バインダーを5質量%以上30質量%以下とする。
なお、上述第1のペースト、または、第2のペーストおよび第3のペーストからなる接合層は、熱処理による収縮が小さいものであることから、接合層厚みが厚くなっても高い接合強度を有することができる。具体的には、400μm〜600μmの接合層厚みとすることが可能となり、例えば、第1のセラミック焼結体または第2のセラミック焼結体のいずれかの接合面が波打っているような場合に好適に用いることができる。
そして、接合層に含まれる炭化珪素の結晶粒子の平均凹凸度を1.02以上1.08以下とするには、JIS R 6001−1998で規定される粒度が♯800以上♯3000以下において、例え
ば、粒度が#800であれば比表面積が0.21m/g以上0.27m/g以下、粒度が#2000
であれば比表面積が0.60m/g以上0.66m/g以下である炭化珪素粉末を用いればよい。なお、第1のペーストまたは第2のペーストに炭素粉末を含んでいないことが好適である。これは、炭素粉末が珪化して生成された炭化珪素の結晶粒子は、凹凸度が大きいからである。
また、接合層に含まれる炭化珪素の結晶粒子の平均凹凸度を1.03以上1.07以下、かつ、平均円形度を0.6以上0.73以下とするには、例えば粒度が♯800であれば、比表面積を0.24m/cm程度、粒度が#2000であれば比表面積が0.64m/cm程度の炭化珪素粉末を用いればよい。
また、接合層の断面における炭化珪素の結晶粒子の面積占有率を25%以上47%以下とするには、第1のペーストを用いる場合、珪素粉末と炭化珪素粉末との質量比を45〜70:30〜55とすればよい。また、第2のペーストを用いる場合には、第2ペースト100質量%の
うち、炭化珪素粉末を50質量%以上75質量%以下とすればよい。
そして、接合層3の周囲が、金属珪素の含有量が95質量%以上の被覆層によって覆うには、第1のペーストを覆うように第3のペーストを塗布すればよい。また、第2のペーストと第3のペーストを用いる方法においては、第3のペーストで第2のペーストを覆う際の第3のペーストの塗布量を増やせばよい。
そして、いずれかのペーストを用いて接合した接合体を80℃以上300℃以下の温度で、
8時間以上16時間以下保持してペーストを乾燥する。その後、真空雰囲気中またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気中、圧力を1気圧、保持温度を1400℃以上1500℃以下、保持時間を30分以上90分以下として熱処理することにより、本実施形態のセラミック接合体10を得ることができる。なお、1100℃から保持温度までの昇温速度は、例えば、120℃/時間以
上150℃/時間以下とすることが好適である。
また、接合層に空隙を有していないものとするには、上述した熱処理時における昇温時の圧力調整を行なえばよい。具体的には、保持温度に到達するまでの昇温時には1気圧より低い圧とし、保持温度に到達したときに、圧力を1気圧とすればよい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、角柱状であり、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備した。次に、珪素粉末と、表1に記載の粒度および比表面積の炭化珪素粉末と、有機溶媒であるテルピネオールと、バインダーであるエチルセルロースとを用いて第1のペーストを作製した。なお、珪素粉末と炭化珪素粉末との質量比は、70:
30とした。また、有機溶媒については、珪素粉末と炭化珪素粉末との合計100質量部に対
して20質量部、バインダーについては、珪素粉末と炭化珪素粉末との合計100質量部に対
して10質量部となるように秤量して混合した。なお、炭化珪素粉末の粒度とは、JIS R 6001−1998で規定される粒度のことである。
そして、第1のセラミック焼結体の接合面に、第1のペーストを塗布した後、第2のセラミック焼結体の接合面を合わせ、第1のセラミック焼結体の上に第2のセラミック焼結体が位置する状態で置いて、第2のセラミック焼結体の自重により接合面を加圧した。
そして、80℃〜270℃の温度で3時間保持して乾燥させた。次に、アルゴン雰囲気中、
圧力を1気圧、保持温度を1450℃、保持時間を60分として熱処理することにより、接合層の厚みが570μmであり、接合層が長手方向の中央に位置する、JIS R 1624−2010
に準拠した試験片サイズのセラミック接合体(試料No.1〜18)を得た。なお、1100℃から保持温度までの昇温速度は、いずれも132℃/時間とした。
そして、接合層を含むようにセラミック接合体を切断し、平均粒径が0.1μmのダイヤ
モンド砥粒を錫製のラップ盤に供給しながら研磨することにより鏡面に加工し、接合層における断面を得た。そして、この接合層の断面をSEMを用いて1000倍の倍率で観察し、CCDカメラで撮影した面積が1.2×10μm(横方向の長さが125μm、縦方向の長さが96μm)となる範囲の画像を取り込み、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)を用いて、粒子解析という手法で解析し、炭化珪素結晶粒子の平均凹凸度および平均円形度の値を表1に示した。
ここで、粒子解析の設定条件としては、明度を暗、小図形除去面積を0μm、2値化の方法を手動、画像の明暗を示す指標であるしきい値を、画像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の例えば1.25倍に設定した。
また、接合層における断面をSEMで観察し、SEMに付設のEDSにより、観察領域において確認される結晶粒子を構成する元素、結晶粒子以外の部分を構成する元素を確認し、結晶粒子においてSiとCが観察され、結晶粒子以外の部分にSiが確認されたため、金属珪素相と炭化珪素の結晶粒子が存在していることを確認した。
また、各試料につき、JIS R 1624−2010に準拠して、28℃および1300℃における4点曲げ強度を測定し、得られた値を接合強度とした。
ここで、28℃における接合強度をσ、1300℃における接合強度をσとして表1に結果を記載した。また、それぞれの値を用いて、接合強度の低下率(Δσ(%)=(σ−σ)/σ×100)を算出し表1に示した。
表1に示すように、試料No.2〜15は、接合強度の低下率の値が小さくなっており、第1のセラミック焼結体と第2のセラミック焼結体とが、金属珪素相と炭化珪素の結晶粒子とを含む接合層を介して接合されてなり、接合層の断面における炭化珪素の結晶粒子のの平均凹凸度が1.02以上1.08以下であることにより、高温環境下において高い接合強度を有することができることがわかった。
特に、試料No.3,5〜11および14は、平均凹凸度が1.03以上1.07以下であり、平均円形度が0.6以上0.73以下であることにより、高温環境下においてさらに高い接合強度を
有することができることがわかった。
まず、角柱状であり、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備した。次に、粒度が#3000、比表面積が1.6m/gの炭化珪素
粉末と、有機溶媒であるテルピネオールと、バインダーであるエチルセルロースとを用いて第2のペーストを作製した。なお、第2のペーストについては、第2のペースト100質
量%のうち、炭化珪素粉末を表2に示す質量とし、残部を有機溶媒とバインダーを用いて、適度な粘度になるように調整した。
また、珪素粉末と、有機溶媒であるテルピネオールと、バインダーであるエチルセルロースとを用いて第3のペーストを作製した。なお、第3のペースト100質量%のうち、珪
素粉末は73質量%とし、有機溶媒を2質量%とし、バインダーを25質量%とした。
そして、第1のセラミック焼結体の接合面に、第2のペーストを塗布した後、第2のセラミック焼結体の接合面を合わせ、第1のセラミック焼結体の上に第2のセラミック焼結体が位置する状態で置いて、第2のセラミック焼結体の自重により接合面を加圧した。
次に、第2のペーストを覆うように第3のペーストを塗布した。そして、乾燥以降の工程については、熱処理時における圧力を、保持温度に到達するまでの昇温時には1気圧より低い圧とし、保持温度に到達したときに、圧力を1気圧としたこと以外は、実施例1と
同様の方法により、接合層の厚みが570μmであり、接合層が長手方向の中央に位置する
、JIS R 1624−2010に準拠した試験片サイズのセラミック接合体(試料No.19〜27)を得た。
そして、実施例1と同じ方法により、炭化珪素結晶粒子の平均凹凸度および平均円形度を確認したところ、いずれも平均凹凸度が1.08であり、平均円形度が0.59であった。また、平均凹凸度と平均円形度の解析とともに、炭化珪素の結晶粒子の面積占有率を求めた。結果を表2に示す。
また、実施例1と同じ方法により、28℃における接合強度をσ、1300℃における接合強度をσを測定し、結果を表2に示した。さらに、それぞれの値を用いて、接合強度の低下率(Δσ(%)=(σ−σ)/σ×100)を算出し表2に示した。
表2に示すように、試料No.22〜25は、接合強度の低下率の値が小さくなっており、接合層の断面における炭化珪素の結晶粒子の面積占有率が25%以上47%以下であることにより、高温環境下においてさらに高い接合強度を有することができることがわかった。
また、接合層の形成において、第1のペーストを用いて、熱処理時における昇温時の圧力調整を行なわなかったときよりも、第2のペーストと第3のペーストを用いて、熱処理時における昇温時の圧力調整を行なった方が、高い接合強度を有するセラミック接合体とできることがわかった。
1:第1のセラミック焼結体
2:第2のセラミック焼結体
3:接合層
4:被覆層
10:セラミック接合体
11:金属珪素
12:炭化珪素の結晶粒子

Claims (4)

  1. 第1のセラミック焼結体と第2のセラミック焼結体とが、金属珪素相と炭化珪素の結晶粒子とを含む接合層を介して接合されてなり、該接合層の断面において、前記結晶粒子の面積占有率が9%以上49.9%以下であり、前記結晶粒子の平均凹凸度が1.02以上1.08以下であることを特徴とするセラミック接合体。
  2. 前記断面における前記結晶粒子の前記平均凹凸度が1.03以上1.07以下であり、平均円形度が0.6以上0.73以下であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック接合体。
  3. 前記断面における前記結晶粒子の面積占有率が25%以上47%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミック接合体。
  4. 前記接合層の周囲が、金属珪素の含有量が95質量%以上の被覆層によって覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセラミック接合体。
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