JP2015160776A - セラミック接合体および流路体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い接合強度を有し、使用温度域での冷熱サイクルに対する耐久性を有しているセラミック接合体を提供する。
【解決手段】 第1のセラミック焼結体1と第2のセラミック焼結体2とが接合層3で接合されてなり、接合層3は、主成分が金属珪素および炭化珪素であり、金属珪素および炭化珪素の質量合計における炭化珪素の質量比率が13.3以上67.4以下であり、金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかを含んでいるセラミック接合体10である。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1のセラミック焼結体1と第2のセラミック焼結体2とが接合層3で接合されてなり、接合層3は、主成分が金属珪素および炭化珪素であり、金属珪素および炭化珪素の質量合計における炭化珪素の質量比率が13.3以上67.4以下であり、金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかを含んでいるセラミック接合体10である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミック焼結体同士を接合してなるセラミック接合体およびこれからなる流路体に関する。
窒化珪素質焼結体や炭化珪素質焼結体は、機械的強度が高く、耐熱性や耐食性など優れた特性を有していることから、幅広い分野で用いられている。そして、近年では、このような特性を求められる部材を備える装置や設備の大型化に伴って、部材の大型化や長尺化、さらには、形状の複雑化した部材が求められている。
しかしながら、大型化、長尺化および形状の複雑化した成形体を一体的に形成することは困難であり、仮に、一体的な成形体を得ることができたとしても、この様な成形体を焼成することもまた難しく、不具合のない焼結体を得ることは困難であった。
また、大型化、長尺化および形状の複雑化に対応するには、成形や焼成に関する大きな設備や煩雑な加工が可能な設備を準備しなければならず、設備投資コストも大きいことから、複数の焼結体同士を接合することによって対応が図られている。
そして、接合によって、大型化、長尺化および形状の複雑化が図られた部材においては、接合強度の向上が求められており、例えば、特許文献1では、第1のセラミックス部材と、第2のセラミックス部材と、前記第1のセラミックス部材と第2のセラミックス部材とを連結する連結部であって、該連結部が、平均粒径が0.1μm以上0.1mm以下の範囲の炭化ケイ素粒子と、該炭化ケイ素粒子の隙間に網目状に連続して存在し、平均径が0.05μm以上10μm以下のシリコン相とを有する組織を備えるセラミックス複合部材が提案されている。
部材の大型化、長尺化および形状の複雑化への対応が図られたセラミック接合体は、例えば1200℃を超えるような高温の環境で用いられる。それゆえ、室温のみならず高温環境下において高い接合強度を有しているとともに、室温から高温、高温から室温等の温度変化の繰り返しである冷熱サイクル対して優れた耐久性を有していることが求められている。
また、セラミック接合体に流路を設けて、流路体として用いるときには、接合部から流体が漏出することがあってはならないため、このようなセラミック接合体には、高い接合強度および冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有していることに加えて、優れた気密性が求められている。
本発明は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、高い接合強度を有するとともに、冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有するセラミック接合体および流路体を提供することを目的とするものである。
本発明のセラミック接合体は、第1のセラミック焼結体と第2のセラミック焼結体とが接合層で接合されてなり、前記接合層は、主成分が金属珪素および炭化珪素であり、前記金属珪素および前記炭化珪素の質量合計における前記炭化珪素の質量比率が13.3以上67.4以下であり、金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかを含んでいることを特徴とするものである。
また、本発明の流路体は、上記構成のセラミック接合体に流路が設けられてなることを特徴とするものである。
本発明のセラミック接合体は、高い接合強度を有するとともに、冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有する。
また、本発明の流路体は、高い接合強度および冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有することに加えて、優れた気密性を有する。
以下、本実施形態のセラミック接合体の例について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のセラミック接合体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は、接合部における部分断面図であり、図2は、本実施形態のセラミック接合体の他の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は、接合部における部分断面図である。なお以下の説明において、図1および図2に示した構成については、主に図1を用いて説明するものとする。また、本実施形態のセラミック接合体に共通する箇所の記載においては、数字のみを付して説明する。
図1に示す例のセラミック接合体10aは、円柱状の第1のセラミック焼結体1aと、平板状の第2のセラミック焼結体2aとが、接合層3aで接合されてなるものである。
そして、本実施形態のセラミック接合体10aは、接合層3aの主成分が金属珪素および炭化珪素であり、金属珪素および炭化珪素の質量合計における炭化珪素の質量比率(以下、単に炭化珪素の質量比率という場合がある。)が13.3以上67.4以下であり、金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかを含んでいる。なお、接合層3aにおける主成分とは、接合層3aを構成する成分100質量%に対して50質量%を超える成分をいう。
本実施形態のセラミック接合体10aは、上記構成を満たしていることにより、室温等において高い接合強度を有するとともに、室温から例えば1200℃等の高温、高温から室温の
温度変化の繰り返しである冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有する。
温度変化の繰り返しである冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有する。
ここで、高い接合強度を有するものとなる理由について説明する。まず、主成分の一つである炭化珪素は、接合層3aの強度を保つ骨材の役目を成し、主成分のもう一つである金属珪素は、骨材となる炭化珪素同士を繋ぐ役目を成す。そして、炭化珪素の質量比率が、13.3以上67.4以下であることにより、骨材の役目を成す炭化珪素の周囲に金属珪素が適量で存在し、金属珪素が炭化珪素同士を繋ぐとともに、炭化珪素の周囲の空隙が少なくなるため、高い接合強度を有する。特に、空隙を少なくして接合強度をより高めるには、炭化珪素の質量比率が13.3以上35以下であることが好適である。
これに対し、炭化珪素の質量比率が67.4を超えると、金属珪素の量が不足して炭化珪素の周囲に空隙が存在しやすくなり、接合層3aの接合強度が低下する。また、炭化珪素の質量比率が13.3未満では、骨材となる炭化珪素の量が不足するので接合層3aの接合強度が低下する。
次に、冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有するものとなる理由について説明する。接合層の主成分である金属珪素は、例えば、1200℃等の高温から室温への温度変化において体積膨張する。それにより冷熱サイクルを繰り返した際に、接合層にクラックが生じる場合がある。ここで、本実施形態のセラミック接合体10aは、接合層3aに、金属成分として、金属珪素よりも融点が低く、金属珪素よりも遅く固化する銅およびマンガンの少なくともいずれかを含んでいることにより、クラックをこの金属成分が埋めることとなる。それゆえ、本実施形態のセラミック接合体10aは、冷熱サイクルに対して優れた耐久性を有する。
なお、より高い接合強度とするにあたって、接合層3aに含まれる炭化珪素の質量比率を13.3以上35以下とすることが好適であると上述したが、高い強度を維持しつつ、冷熱サイクルに対する耐久性をより優れたものとするには、金属珪素の体積膨張によって生じるクラックを少なくすべく、炭化珪素の質量比率を35を超えて67.4以下とすればよい。
そして、接合層3aにおける金属珪素と炭化珪素との存在の有無については、走査型電子顕微鏡(SEM)および付設のエネルギー分散型分析装置(EDS)を用いて確認すればよい。具体的には、接合層3aを含むようにセラミック接合体10aを切断し、切断面をダイヤモンド砥粒などの研磨剤を用いて鏡面に加工し、この鏡面をSEMで観察し、SEMに付設のEDSにより、観察領域において確認される結晶粒子および結晶粒子以外の部分にX線を照射して確認すればよい。なお、結晶粒子において珪素と炭素が観察され、結晶粒子以外の部分に珪素が確認されれば、炭化珪素および金属珪素が存在するといえる。
また、他の方法としては、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、上述の接合層3aを含むようにセラミック接合体10aを切断して加工した鏡面において、炭素が確認される領域で珪素が確認されれば炭化珪素の結晶粒子が存在するとみなし、珪素が確認される領域で炭素が確認されなければ金属珪素が存在するとみなしてもよい。
次に、接合層3aにおける金属珪素および炭化珪素のそれぞれの含有量を求めるには、珪素の含有量をICP発光分光分析装置、炭素の含有量を赤外線吸収装置で測定して、炭素の含有量を炭化珪素(SiC)に換算した値を炭化珪素の含有量とし、この換算で用いられた珪素以外の珪素の含有量を金属珪素の含有量とすればよい。そして、ここで得られた金属珪素および炭化珪素の含有量の合計が50%を超えていることにより、接合層3aの主成分といえる。
そして、本実施形態のセラミック接合体10aによれば、金属成分の合計の含有量が、接
合層3aを構成する全成分100質量%のうち1質量%以上40質量%以下であることが好適
である。金属成分の含有量が、1質量%以上40質量%以下であるときには、金属珪素と金属成分との共晶点を高くできるため、高温環境下における接合層3aの接合強度を高くすることができる。なお、接合層3aにおける金属成分の含有量については、ICP発光分光分析装置で測定して求めればよい。
合層3aを構成する全成分100質量%のうち1質量%以上40質量%以下であることが好適
である。金属成分の含有量が、1質量%以上40質量%以下であるときには、金属珪素と金属成分との共晶点を高くできるため、高温環境下における接合層3aの接合強度を高くすることができる。なお、接合層3aにおける金属成分の含有量については、ICP発光分光分析装置で測定して求めればよい。
また、本実施形態のセラミック接合体10aによれば、接合層3aは、円相当径が0.1μ
m以上5.0μm以下の大きさの金属成分が1mm2当たりに103個以上105個以下存在す
ることが好適である。
m以上5.0μm以下の大きさの金属成分が1mm2当たりに103個以上105個以下存在す
ることが好適である。
接合層3aに、円相当径が0.1μm以上5.0μm以下の大きさの金属成分が1mm2当たりに103個以上存在するときには、冷熱サイクルを経て、接合層3aの内部の不特定の場所にクラックが生じたとしても、クラックの近くに金属成分が多く存在しているため、金属成分によりクラックが埋められやすくなり、高い接合強度を有するとともに、優れた耐久性を有するセラミック接合体10aとすることができる。なお、金属成分の個数については、高温環境下での使用を考慮して、その存在個数は105個以下とすることが好ましい。
また、円相当径が0.1μm以上5.0μm以下の大きさの金属成分の個数は、SEMを用いて1000倍の倍率として、表面の金属成分の存在が平均的に観察される部分を選択し、面積が1.2×104μm2(例えば、横方向の長さが125μm,縦方向の長さが96μm)となる範囲の画像を画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)で解析すればよい。このとき、設定条件としては、粒子の明度、2値化の方法および小図形除去面積をそれぞれ明、手動、0μmとし、画像の明暗を示す指標であるしきい値を画像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の1倍以上1.5
倍以下に設定して測定すればよい。
倍以下に設定して測定すればよい。
なお、金属成分は接合層3aの内部で凝集体として存在する場合もあるが、このような場合でも、凝集体を一個の金属成分と見なせばよい。
一方、図2に示す例のセラミック接合体10bは、円柱状の第1のセラミック焼結体1bおよび第2のセラミック焼結体2bのそれぞれが、接合層3bで接合されている点で、図1に示す例のセラミック接合体10aと異なっている。このように、円柱状のセラミック焼結体同士を接合層3bで接合したセラミック接合体10bであっても、高い接合強度を有する。
図3は、本実施形態のセラミック接合体のさらに他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は接合部における部分断面図である。
図3に示す例のセラミック接合体10cは、第1のセラミック焼結体1cと第2のセラミック焼結体2cとを接合層3cで接合し、この接合層3cが被覆部4にて覆われた構成とされている。
このようなセラミック接合体10cにおいては、第1のセラミック焼結体1cと第2のセラミック焼結体2cとを接合層3cでのみ接合する場合に比べて、より高い接合強度を有し、より優れた耐久性を有する。
ここで、本実施形態のセラミック接合体10cによれば、被覆部4は、金属珪素および前述の金属成分を含み、金属珪素および金属成分の合計100質量%のうち、金属成分の含有
量が1質量%以上40質量%以下であり、残部が金属珪素からなることが好ましい。
量が1質量%以上40質量%以下であり、残部が金属珪素からなることが好ましい。
このような構成であると、接合層3dを覆う被覆部4dが、冷熱サイクルによってクラックが発生しても、接合層3dと同様に銅およびマンガンの少なくともいずれかの金属成分によってクラックが埋められるため、高い接合強度と優れた耐久性を有することができる。
なお、被覆部4における金属成分の含有量の測定については、接合層3a,3bの金属成分の含有量の測定と同様に行えばよい。
図4は、本実施形態の流路体の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は接合部における部分断面図である。
図4に示す流路体5は、図3に示すセラミック接合体10cに流路が設けられている。すなわち、この流路体5では、第1のセラミック焼結体1dを筒状体とし、第2のセラミック焼結体2dを中空体とし、これらを接合層3dで接合し、さらに接合層3dを被覆部4で覆っており、第1のセラミック焼結体1dと第2のセラミック焼結体2dとが連通するように設けられている。それにより、より高い接合強度を有し、より優れた耐久性を有することに加えて、流路に流体を流した場合に、流体の漏れを防ぐ優れた気密性をも有している。
なお、図4においては、流路体5として、図3に示したセラミック接合体10cに流路を設けた例を示したが、図1に示したセラミック接合体10aや図2に示したセラミック接合体10bに流路を設けた構成としてもよい。
ここで、上述の説明において接合層3の形状を、それぞれの図に示すように第1のセラミック焼結体1の外形に合わせた大きさで示してあるが、第1のセラミック焼結体1よりもせり出して形成されていても構わないし、せり出して形成された接合層3を覆うように被覆部4が形成されていても構わない。
また、本実施形態におけるセラミック接合体10を構成する第1のセラミック焼結体1および第2のセラミック焼結体2は、例えば、炭化珪素質焼結体、炭化硼素質焼結体、窒化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体または窒化硼素質焼結体などの非酸化物セラミックスであることが好適である。なお、炭化珪素質焼結体を例に挙げれば、炭化珪素質焼結体とは、焼結体を構成する全成分100質量%のうち、炭化珪素が70質量%以上を占める
焼結体のことをいう。
焼結体のことをいう。
図5は、本実施形態の流路体の用途の一例である集光型太陽光発電装置20を示している。図5に示す集光型太陽光発電装置20は、集光した太陽光の熱で媒体を加熱し、加熱された媒体の熱を利用して発電するものであり、低温媒体貯蔵タンク11、集熱器12、高温媒体貯蔵タンク13、エネルギー変換システム14によって構成されている。発電までの流れとしては、低温媒体貯蔵タンク11から媒体を集熱器12へ圧送し、集光した太陽光を集熱器12に当てることによって媒体を加熱して、加熱された媒体を高温媒体貯蔵タンク13に貯蔵し、高温媒体貯蔵タンク13から圧送される加熱された媒体の熱エネルギーを使ってエネルギー変換システム14にて発電するものである。なお、熱を奪われた媒体は低温媒体貯蔵タンク11へと送られ、このサイクルを繰り返すことによって、燃料資源を使用せず、温室効果ガスを排出することなく、電気を得ることができるため経済面および環境面において有用なものである。
そして、集熱器12には、媒体の流路となる流路体15が複数組み込まれており、この流路体15は、数メートルに及ぶ長尺部材であり、集光された太陽光によって熱を受ける流路体15は、高温に耐えられるものでなければならない。なお、この流路体15は、第1のセラミ
ック焼結体1と第2のセラミック焼結体2とを同じ形状の円筒状とし、接合層3で互いの接合面となる端面を接合して内部に流体の通路を備えた構成のものであり、この様な構成とすることで、流路体15が高い接合強度と優れた気密性を有するので、長期間にわたって安定して発電することができる信頼性の高い集光型太陽光発電装置20とすることができる。
ック焼結体1と第2のセラミック焼結体2とを同じ形状の円筒状とし、接合層3で互いの接合面となる端面を接合して内部に流体の通路を備えた構成のものであり、この様な構成とすることで、流路体15が高い接合強度と優れた気密性を有するので、長期間にわたって安定して発電することができる信頼性の高い集光型太陽光発電装置20とすることができる。
なお、本実施形態の流路体15は上述の形状の場合に限られるものでなく、例えば、円筒状の第1のセラミック焼結体と平板状の第2のセラミック焼結体とを接合して、セラミックス内に流路を備えたセラミック接合体を流路体として備える熱交換器などにも適用できるものである。
次に、本実施形態のセラミック接合体の製造方法の一例について説明する。
まず、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備する。そして、珪素粉末と、炭化珪素粉末と、金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかの粉末と、テルピネオール等の有機溶媒と、エチルセルロースまたはアクリル系のバインダーとを攪拌脱泡装置内の収納容器に投入した後、攪拌・脱泡して、接合層となる第1のペーストを作製する。このとき、珪素粉末と炭化珪素粉末との質量合計における炭化珪素粉末の質量比率は13.3以上67.4以下とし、金属成分の粉末は、珪素粉末、炭化珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%のうち、例えば、0.8質量%以上41質量%以下とすればよい。
ここで、接合層を構成する全成分100質量%のうち、金属成分の合計の含有量が、1質
量%以上40質量%以下であるセラミック接合体を得るには、珪素粉末、炭化珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%のうち、金属成分の粉末を1質量%以上40質量%以下
とすればよい。また、珪素粉末、炭化珪素粉末、金属成分の粉末、有機溶媒およびバインダーの合計100質量%における有機溶媒およびバインダーの各含有量は1.2質量%以上23.3質量%以下、3.1質量%以上32.7質量%以下とすればよい。
量%以上40質量%以下であるセラミック接合体を得るには、珪素粉末、炭化珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%のうち、金属成分の粉末を1質量%以上40質量%以下
とすればよい。また、珪素粉末、炭化珪素粉末、金属成分の粉末、有機溶媒およびバインダーの合計100質量%における有機溶媒およびバインダーの各含有量は1.2質量%以上23.3質量%以下、3.1質量%以上32.7質量%以下とすればよい。
ここで、円相当径が0.1μm以上5.0μm以下の大きさの金属成分が1mm2当たりに103個以上105個以下存在する接合層を備えるセラミック接合体を得るには、攪拌脱泡装置内の収納容器に、円相当径が0.05μm以上4.5μm以下の大きさの金属成分の粉末を投入
して、収納容器の回転数を2000rpmとして2〜20分時計方向に回転させた後、回転数を2200rpmとして30秒反時計方向に回転させればよい。
して、収納容器の回転数を2000rpmとして2〜20分時計方向に回転させた後、回転数を2200rpmとして30秒反時計方向に回転させればよい。
次に、第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体の少なくともいずれか一方の接合面に、第1のペーストを塗布した後、それぞれの接合面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧する。なお、加圧には、接合面の上部にいずれかの焼結体が位置するように置いて、時間の経過によって接合面に焼結体の自重が加わるものも含む。
次に、8時間以上16時間以下の間、80℃以上300℃以下の温度に保持してペーストを乾
燥する。その後、真空雰囲気中またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で、圧力を1気圧、保持温度を1400℃以上1500℃以下、保持時間を30分以上90分以下として熱処理することにより、本実施形態のセラミック接合体を得ることができる。なお、1100℃から保持温度までの昇温速度は、例えば、120℃/時間以上150℃/時間以下とすることが好適である。
燥する。その後、真空雰囲気中またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で、圧力を1気圧、保持温度を1400℃以上1500℃以下、保持時間を30分以上90分以下として熱処理することにより、本実施形態のセラミック接合体を得ることができる。なお、1100℃から保持温度までの昇温速度は、例えば、120℃/時間以上150℃/時間以下とすることが好適である。
また、接合層に空隙を有していないものとするには、上述した熱処理時の昇温時に圧力の調整を行なうことが好ましい。具体的には、保持温度に到達するまでの昇温時には1気圧より低い圧力とし、保持温度に到達したときに、圧力を1気圧とすればよい。
次に、本実施形態のセラミック接合体の製造方法において、被覆部を形成する場合の製造方法について一例を説明する。
まず、第1のペーストの代わりに、炭化珪素粉末と、有機溶媒と、バインダーとを上述の攪拌脱泡装置内の収納容器に投入した後、攪拌・脱泡して得られた第2のペーストを、第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体のいずれか一方の接合面に塗布した後、それぞれの接合面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧する。次に、珪素粉末および金属成分の粉末と、有機溶媒とバインダーとを用いて作製した第3のペーストを、第2のペーストを覆うように塗布する。その後、第1のペーストを使用したときと同じ様に乾燥して熱処理すれば、第2のペースト中に含まれていた有機溶媒およびバインダーが焼失した部分に、第3のペーストの珪素粉末および金属成分の粉末がそれぞれ溶融した金属珪素および金属成分が浸入するので、第1のペーストを使用する場合と同様な接合層が形成できる。
なお、第2のペーストについては、第2のペースト100質量%のうち、炭化珪素粉末を50質量%以上75質量%以下、有機溶媒を1質量%以上20質量%以下、バインダーを5質量
%以上30質量%以下とする。また、第3のペーストについては、第3のペースト100質量
%のうち、珪素粉末および金属成分の粉末を60質量%以上80質量%以下、有機溶媒を1質量%以上20質量%以下、バインダーを5質量%以上30質量%以下とすればよい。
%以上30質量%以下とする。また、第3のペーストについては、第3のペースト100質量
%のうち、珪素粉末および金属成分の粉末を60質量%以上80質量%以下、有機溶媒を1質量%以上20質量%以下、バインダーを5質量%以上30質量%以下とすればよい。
さらに、金属珪素および金属成分の合計100質量%のうち、金属成分の含有量が1質量
%以上40質量%以下であり、残部が金属珪素からなる被覆部を備えるセラミック接合体を得るには、第3のペーストに含まれる珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%の
うち、金属成分の粉末の含有量を1質量%以上40質量%以下とすればよい。
%以上40質量%以下であり、残部が金属珪素からなる被覆部を備えるセラミック接合体を得るには、第3のペーストに含まれる珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%の
うち、金属成分の粉末の含有量を1質量%以上40質量%以下とすればよい。
なお、上述した第1のペーストからなる接合層、第2のペーストからなる接合層いずれも、熱処理による収縮が金属珪素のみを主成分とした接合層よりも小さいことから、接合層厚みが厚くなっても高い接合強度を有することができる。具体的には、100μm〜600μmの接合層厚みとすることが可能となり、例えば、第1のセラミック焼結体または第2のセラミック焼結体のいずれかの接合面が波打っているような場合に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、角柱状であり、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備した。次に、珪素粉末と、炭化珪素粉末と、銅およびマンガンの少なくともいずれかの金属成分の粉末と、有機溶媒であるテルピネオールと、バインダーであるエチルセルロースとを攪拌脱泡装置内の収納容器に投入した後、収納容器を回転させて攪拌・脱泡し、第1のペーストを作製した。このとき、炭化珪素粉末の質量比率と金属成分の種類は、表1に示す通りとした。また、接合層を構成する珪素粉末、炭化珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%に対する金属成分の粉末の含有量は、接合層に
おける金属成分の含有量が0.8質量%となるように調整した。但し、試料No.1のセラミック接合体の作製に用いたペーストは、金属成分を含まず、珪素粉末、炭化珪素粉末、テルピネオールおよびエチルセルロースからなり、上述した方法で攪拌・脱泡したものを用いた。
おける金属成分の含有量が0.8質量%となるように調整した。但し、試料No.1のセラミック接合体の作製に用いたペーストは、金属成分を含まず、珪素粉末、炭化珪素粉末、テルピネオールおよびエチルセルロースからなり、上述した方法で攪拌・脱泡したものを用いた。
また、珪素粉末,炭化珪素粉末,金属成分の粉末,有機溶媒およびバインダーの合計100質量%における有機溶媒およびバインダーの含有量は、それぞれ15.3質量%,7.6質量%
とした。
とした。
そして、第1のセラミック焼結体の接合面に、第1のペーストを塗布した後、第2のセラミック焼結体の接合面を合わせ、第1のセラミック焼結体の上に第2のセラミック焼結体が位置する状態で置いて、第2のセラミック焼結体の自重により接合面を加圧した。
そして、270℃の温度で3時間保持して乾燥させた後、アルゴン雰囲気中、圧力を1気
圧、保持温度を1450℃、保持時間を60分として熱処理することにより、接合層の厚みが570μmであり、接合層が長手方向の中央に位置する、JIS R 1624−2010に準拠した
試験片サイズのセラミック接合体(試料No.1〜22)を得た。なお、1100℃から保持温度までの昇温速度は、いずれも132℃/時間とした。
圧、保持温度を1450℃、保持時間を60分として熱処理することにより、接合層の厚みが570μmであり、接合層が長手方向の中央に位置する、JIS R 1624−2010に準拠した
試験片サイズのセラミック接合体(試料No.1〜22)を得た。なお、1100℃から保持温度までの昇温速度は、いずれも132℃/時間とした。
そして、各試料を熱処理装置内に配置した後、昇温して、酸素分圧が10−9MPaであって、水蒸気を含む雰囲気で1250℃で10時間保持した後、常温まで降温した。そして、この昇温、保持および降温するという処理を1サイクルとし、この処理を50サイクル繰り返すというサイクル試験を実施した。
そして、サイクル試験を施さない試料およびサイクル試験を施した試料をJIS R 1624−2010に準拠して、常温における4点曲げ強度を測定し、得られた値をそれぞれ接合強度σ0、σ1として表1に示した。
また、それぞれの値を用いて、接合強度の低下率(Δσ(%)=(σ0−σ1)/σ0×100)を算出し、表1に示した。
そして、平均粒径が0.1μmのダイヤモンド砥粒を錫製のラップ盤に供給しながらサイ
クル試験を施した試料の接合層を鏡面に研磨した。
クル試験を施した試料の接合層を鏡面に研磨した。
この鏡面をSEMを用いて1000倍の倍率で、範囲を1.2×104μm2(横方向の長さが125μm、縦方向の長さが96μm)として観察し、この範囲で確認される結晶粒子を構成する元素および結晶粒子以外の部分を構成する元素をSEMに付設のEDSにより確認し、結晶粒子において珪素と炭素、また、銅およびマンガンの少なくともいずれかが観察され、結晶粒子以外の部分に珪素が確認されたため、金属珪素と、金属成分と、炭化珪素の結晶粒子とが存在していることがわかった。
また、サイクル試験を施した試料をJIS Z 2331−2006で規定する真空吹付け法(スプレー法)に準拠して、接合層におけるヘリウムガスのリーク量を常温で測定した。リーク量が10−9Pa・m3/秒以上の試料については「1」を、リーク量が10−9Pa・m3/秒未満の試料について「2」を表1に記入した。
表1に示すように、試料No.1は、サイクル試験を施さないときの接合強度σ0は良好であるものの、金属成分を含まないので、サイクル試験を施したときの接合強度σ1が他の試料に比べて低く、接合強度の低下率Δσが高いことがわかる。
また、炭化珪素の質量比率が13.3未満または67.4を超える試料No.2,8,9,15,16,22は、接合強度の低下率Δσが高いことがわかる。
これに対し、試料No.3〜7,10〜14,17〜21は、接合層の主成分が金属珪素および炭化珪素であり、炭化珪素の質量比率が13.3以上67.4以下であり、金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかを含んでいることから、サイクル試験を施さないときの接合強度σ0とサイクル試験を施したときの接合強度σ1がともに高く、サイクル試験後の接合強度の低下率Δσが低いので、高い接合強度を有するとともに、耐久性に優れることがわかる。また、接合層におけるヘリウムガスのリーク量が10−9Pa・m3/秒未満と少ないことから、流路体として用いたとしても、優れた気密性を有することがわかる。
まず、角柱状であり、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備した。次に、実施例1で示した方法と同じ方法で第1のペーストを作製した。このとき、珪素粉末および炭化珪素粉末の質量合計における炭化珪素粉末の
質量比率は24.2とし、金属成分の種類は表2に示す通りとした。また、接合層を構成する珪素粉末、炭化珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%に対する金属成分の粉末
の含有量は、接合層における金属成分の含有量が表2に示す値となるように調整した。
質量比率は24.2とし、金属成分の種類は表2に示す通りとした。また、接合層を構成する珪素粉末、炭化珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%に対する金属成分の粉末
の含有量は、接合層における金属成分の含有量が表2に示す値となるように調整した。
また、珪素粉末,炭化珪素粉末,金属成分の粉末,有機溶媒およびバインダーの合計100質量%における有機溶媒およびバインダーの含有量は、それぞれ15.3質量%,7.6質量%とした。
そして、実施例1で示した方法と同じ方法で、試料No.23〜40を作製し、接合強度σ0、σ1および接合強度の低下率Δσ(%)を求め、表2に示した。
また、接合層における金属成分の含有量については、ICP発光分光分析装置によって求め、その値を表2に記入した。
表2に示すように、試料No.24〜27,30〜33,36〜39は、金属成分の合計の含有量が、接合層を構成する全成分100質量%のうち1質量%以上40質量%以下であることから、
試料No.23,28,29,34,35,40よりも、サイクル試験を施さないときの接合強度σ0とサイクル試験を施したときの接合強度σ1がともに高く、サイクル試験後の接合強度の低下率Δσが低いので、高い接合強度をを有するとともに、耐久性に優れることがわかる。
試料No.23,28,29,34,35,40よりも、サイクル試験を施さないときの接合強度σ0とサイクル試験を施したときの接合強度σ1がともに高く、サイクル試験後の接合強度の低下率Δσが低いので、高い接合強度をを有するとともに、耐久性に優れることがわかる。
また、表2に示す全試料を実施例1で行なったヘリウムガスのリーク量の測定を行ったところ、いずれの試料もリーク量が10−9Pa・m3/秒未満であり、流路体として用いたとしても、優れた気密性を有することがわかった。
まず、角柱状であり、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備した。次に、実施例1で示した方法と同じ方法で第1のペーストを作製した。このとき、珪素粉末および炭化珪素粉末の合計における炭化珪素粉末の質量比率は18.8とし、金属成分の種類は表3に示す通りとした。また、接合層を構成する珪素粉末、炭化珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%に対する金属成分の粉末の含
有量は、接合層における金属成分の含有量が13質量%となるように調整した。
有量は、接合層における金属成分の含有量が13質量%となるように調整した。
また、攪拌脱泡装置内の収納容器の回転数を2000rpmとして表3に示す回転時間で時計方向に回転させた後、回転数を2200rpmとして30秒間、反時計方向に回転させた。
そして、実施例1で示した方法と同じ方法で試料No.41〜64を作製した。
さらに、平均粒径が0.1μmのダイヤモンド砥粒を錫製のラップ盤に供給しながら、試
料No.41〜64の接合層を鏡面に研磨した後、SEMを用いて1000倍の倍率として、範囲を1.2×104μm2(横方向の長さが125μm、縦方向の長さが96μm)として鏡面を観察し、SEMに付設のEDSにより、この範囲で確認される結晶粒子を構成する元素、結晶粒子以外の部分を構成する元素を確認し、結晶粒子において珪素と炭素、また、銅およびマンガンの少なくともいずれかが観察され、結晶粒子以外の部分に珪素が確認されたため、金属珪素と、炭化珪素および金属成分の結晶粒子が存在していることがわかった。
料No.41〜64の接合層を鏡面に研磨した後、SEMを用いて1000倍の倍率として、範囲を1.2×104μm2(横方向の長さが125μm、縦方向の長さが96μm)として鏡面を観察し、SEMに付設のEDSにより、この範囲で確認される結晶粒子を構成する元素、結晶粒子以外の部分を構成する元素を確認し、結晶粒子において珪素と炭素、また、銅およびマンガンの少なくともいずれかが観察され、結晶粒子以外の部分に珪素が確認されたため、金属珪素と、炭化珪素および金属成分の結晶粒子が存在していることがわかった。
また、上記範囲の画像を画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)で解析して、円相当径が0.1μm以上5.0μm以下の大きさの金属成分の1mm2当たりの個数を求め、その値を表3に示した。このとき、設定条件としては、粒子の明度、2値化の方法および小図形除去面積をそれぞれ明、手動、0μmとし、画像の明暗を示す指標であるしきい値を画像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の1.35倍に設定した。
そして、実施例1で示した方法と同じ方法で、サイクル試験を行ない、接合強度σ1を求め、表3に示した。
また、サイクル試験を施した試料をJIS Z 2331−2006で規定する真空吹付け法(スプレー法)に準拠して、接合層におけるヘリウムガスのリーク量を常温で測定した。リーク量が10−10Pa・m3/秒以上10−9Pa・m3/秒以下の試料については「3」を、リーク量が10−10Pa・m3/秒未満の試料については「4」を表3に記入した。
表3に示すように、いずれの試料もサイクル試験を経た後の接合強度は高い値であり、リーク量も10−9Pa・m3/秒未満であることから、優れた耐久性を有していることがわかる。特に、試料No.42〜47,50〜55,58〜63は、接合層に円相当径が0.1μm以上
5μm以下の大きさの金属成分が1mm2当たりに103個以上105個以下存在することから、接合強度σ1が高く、耐久性に優れていることがわかる。
5μm以下の大きさの金属成分が1mm2当たりに103個以上105個以下存在することから、接合強度σ1が高く、耐久性に優れていることがわかる。
また、いずれの試料もリーク量が10−9Pa・m3/秒未満であり、流路体として用いたとしても、優れた気密性を有することがわかる。
まず、角柱状であり、炭化珪素質焼結体からなる第1のセラミック焼結体および第2のセラミック焼結体を準備した。
次に、炭化珪素粉末と、有機溶媒であるテルピネオールと、バインダーであるエチルセルロースとを用いて第2のペーストを作製した。なお、第2のペーストについては、第2のペースト100質量%のうち、炭化珪素粉末を71.2質量%、有機溶媒を20.8質量%および
バインダーを8質量%とした。
バインダーを8質量%とした。
また、珪素粉末,金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかの粉末、有機溶媒であるテルピネオールおよびバインダーであるエチルセルロースを用いて第3のペーストを作製した。ここで、第3のペースト100質量%のうち、珪素粉末および金属成分の
粉末を70質量%、有機溶媒を10質量%およびバインダーを20質量%とし、第3のペーストに含まれる珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%のうち、金属成分の粉末の含
有量は、被覆部における金属成分が表4に示す値となるように調整した。
粉末を70質量%、有機溶媒を10質量%およびバインダーを20質量%とし、第3のペーストに含まれる珪素粉末および金属成分の粉末の合計100質量%のうち、金属成分の粉末の含
有量は、被覆部における金属成分が表4に示す値となるように調整した。
そして、第1のセラミック焼結体の接合面に、第2のペーストを塗布した後、第2のセラミック焼結体の接合面を合わせ、第1のセラミック焼結体の上に第2のセラミック焼結体が位置する状態で置いて、第2のセラミック焼結体の自重により接合面を加圧した。
次に、第2のペーストを覆うように第3のペーストを塗布した。そして、乾燥以降の工程については、熱処理時における圧力を、保持温度に到達するまでの昇温時には1気圧より低い圧力とし、保持温度に到達したときに、圧力を1気圧としたこと以外は、実施例1と同様の方法により、接合層の厚みが570μmであり、接合層が長手方向の中央に位置す
る、JIS R 1624−2010に準拠した試験片サイズのセラミック接合体(試料No.65〜82)を得た。
る、JIS R 1624−2010に準拠した試験片サイズのセラミック接合体(試料No.65〜82)を得た。
また、被覆部を形成しない試料として、実施例3で示した試料No.45,52,60を実施例3で示した方法で作製し、表4に試料No.83,84,85として示した。
そして、各試料を実施例1で示した方法と同じ方法で、接合強度σ0、σ1および接合強度の低下率Δσ(%)を求め、表4に示した。
また、各試料の1300℃における4点曲げ強度をJIS R 1624−2010に準拠して測定し、得られた値を接合強度σ2として表4に示した。
さらに、接合強度σ0、σ2の値を用いて、接合強度の低下率(Δσ’(%)=(σ0−σ2)/σ0×100)を算出し、表4に示した。
また、被覆部における金属成分の含有量については、ICP発光分光分析装置によって求め、その値を表4に示した。
また、サイクル試験を施した試料を実施例3と同じ方法で、接合層におけるヘリウムガスのリーク量を常温で測定した。リーク量が10−10Pa・m3/秒以上10−9Pa・m3/秒以下の試料については「3」を、リーク量が10−10Pa・m3/秒未満の試料については「4」を表4に記入した。
表4に示すように、実施例4の全試料が接合強度σ0,σ1およびσ2のいずれについても優れた接合強度を有しており、高温下においても高い接合強度を有する。
特に、被覆部を備えた試料No.65〜82は、被覆層のない試料No.83〜85にくらべ、より優れた接合強度と耐久性を有することがわかる。
また、被覆部における金属成分の含有量が1質量%以上40質量%以下である試料No.66〜69,72〜75,78〜81は、さらに、より高い接合強度を得ることができており、高温における接合層の接合強度も高く、耐久性にも優れることがわかる。
また、リーク量については、試料No.65,70〜71,76〜77,82は「3」であり、試料No.66〜69,72〜75,78〜81,83〜85は「4」の結果になり、いずれの試料も気密性に優れ、耐久性に優れることがわかる。特に、試料No.66〜69,72〜75,78〜81は、より気密性に優れ、より耐久性に優れるものであることから、これらの試料にもとづいて、流路を設けたセラミック接合体を作製して流路体として用いると、より高い接合強度を有し、優れた耐久性と気密性を有する流路体が得られる。
1,1a,1b,1c,1d:第1のセラミック焼結体
2,2a,2b,2c,2d:第2のセラミック焼結体
3,3a,3b,3c,3d:接合層
4:被覆部
5,15:流路体
10,10a,10b,10c,10d:セラミック接合体
2,2a,2b,2c,2d:第2のセラミック焼結体
3,3a,3b,3c,3d:接合層
4:被覆部
5,15:流路体
10,10a,10b,10c,10d:セラミック接合体
Claims (5)
- 第1のセラミック焼結体と第2のセラミック焼結体とが接合層で接合されてなり、該接合層は、主成分が金属珪素および炭化珪素であり、前記金属珪素および前記炭化珪素の質量合計における前記炭化珪素の質量比率が13.3以上67.4以下であり、金属成分として銅およびマンガンの少なくともいずれかを含んでいることを特徴とするセラミック接合体。
- 前記金属成分の合計の含有量が、前記接合層を構成する全成分100質量%のうち1質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック接合体。
- 前記接合層は、円相当径が0.1μm以上5.0μm以下の大きさの前記金属成分が1mm2当たりに103個以上105個以下存在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミック接合体。
- 前記接合層を覆う被覆部を備え、該被覆部は、前記金属珪素および前記金属成分を含み、前記金属珪素および前記金属成分の合計100質量%のうち、前記金属成分の含有量が1質量%以上40質量%以下であり、残部が前記金属珪素からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセラミック接合体。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセラミック接合体に流路が設けられてなることを特徴とする流路体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014036844A JP2015160776A (ja) | 2014-02-27 | 2014-02-27 | セラミック接合体および流路体 |
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