JP6864470B2 - セラミック接合体 - Google Patents

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Description

本開示は、セラミック接合体に関する。
炭化珪素質セラミックスや窒化珪素質セラミックスは、熱伝導性、耐熱性および耐食性等に優れていることから幅広い分野で用いられている。そして、近年では、このような特性が求められる部材を備える装置や設備の大型化に伴い、部材自身の大型化や長尺化、さらには、部材形状の複雑化が求められている。しかしながら、大型、長尺、複雑形状の成形体を一体的に形成することは困難であることから、複数の単純形状の焼結体同士を接合することによって、部材の大型化、長尺化、形状の複雑化への対応が図られている。
例えば、特許文献1には、炭化珪素基反応焼結体からなる複数の部品ユニットを、接合層を介して接合してなる炭化珪素基接合部品において、接合層が、平均結晶粒径が0.1〜30μmの範囲の炭化珪素結晶粒と、炭化珪素結晶粒の隙間にネットワーク状に連続して存在するシリコン相とから主として構成されていることが開示されている。
特開2005−22905号公報
今般では、炭化珪素質セラミックスや窒化珪素質セラミックス同士が接合されてなるセラミック接合体が、被処理物を加熱するためのヒータを構成する部材として用いられることが増えてきている。そして、ヒータを構成する部材は、加熱と空冷等による冷却とが繰り返されることから、このようなセラミック接合体には、高い接合強度を有し、加熱・冷却が繰り返されても、接合部分の接合強度の低下が少なく、長期間にわたって使用可能であることが求められている。
本開示は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、高い接合強度を有し、加熱・冷却が繰り返されても、接合強度が低下しにくいセラミック接合体を提供することを目的とするものである。
本開示のセラミック接合体は、第1部材と、第2部材と、前記第1部材および前記第2部材の間に位置する接合層とを備える。前記第1部材および前記第2部材は、炭化珪素質セラミックスまたは窒化珪素質セラミックスからなる。前記接合層は、主成分が珪素であり、前記第1部材または前記第2部材との界面に、アルミニウムを含有する金属化合物を有する。
本開示のセラミック接合体は、高い接合強度を有し、加熱・冷却が繰り返されても、接合強度が低下しにくい。
本開示のセラミック接合体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるA−A’線での断面図である。 図1(b)に示すS部における拡大図である。
以下、本開示のセラミック接合体について、図1および図2を用いて説明する。また、図2においては、金属化合物の識別のために数字とアルファベットとにより符号を付すが、本開示のセラミック接合体を構成する接合層に含まれる金属化合物に共通する箇所の記載においては、数字のみを付して説明する。なお、図1においては、図の煩雑さを回避するために、金属化合物を図示していない。
本開示のセラミック接合体10は、図1に示すように、第1部材1と、第2部材2と、第1部材1および第2部材2の間に位置する接合層3とを備えている。ここで、図1においては、第1部材1および第2部材2の形状が円柱状である例を示しているが、第1部材1および第2部材2の形状は、円柱状に限定されるものではなく、平板状や円筒状や四角柱等の任意の形状であって構わない。さらに、第1部材1および第2部材2の形状は異なっていても構わない。
そして、本開示のセラミック接合体10において、第1部材1および第2部材2は、炭化珪素質セラミックスや窒化珪素質セラミックスからなるものである。ここで、炭化珪素質セラミックスとは、炭化珪素質セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、炭化珪素が80質量%以上(100質量%を含む)を占めるものである。また、窒化珪素質セラミックスとは、窒化珪素質セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、窒化珪素が80質量%以上を占めるものである。
ここで、第1部材1や第2部材2の材質は、以下の方法で確認すればよい。まず、X線回折装置(XRD)を用いて、第1部材1や第2部材2を測定し、得られた2θ(2θは、回折角度である。)の値よりJCPDSカードを用いて同定する。次に、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置(ICP)を用いて、各成分の定量分析を行なう。例えば、XRDにおいて、炭化珪素の存在が確認され、ICPで測定した珪素(Si)の含有量から炭化珪素(SiC)に換算した含有量が80質量%以上であれば、炭化珪素質セラミックスである。なお、窒化珪素質セラミックスの場合も同様である。
さらに、本開示のセラミック接合体10における接合層3は、主成分が珪素である。ここで、主成分が珪素であるとは、接合層3を構成する全成分100質量%のうち、珪素が80質量%以上を占めていることをいう。このように、接合層3の主成分が珪素であることで、炭化珪素質セラミックスや窒化珪素質セラミックスと高い化学的親和性を有する層となり、第1部材1と第2部材2とを強固に接合できる。
ここで、接合層3を構成する珪素の含有量は、以下の方法で算出すればよい。まず、図1(b)に示すような断面形状となるように、セラミック接合体10を切断し、切断面をダイヤモンド砥粒等の研磨剤を用いて鏡面に加工する。次に、この鏡面における接合層3において、電子線マイクロアナライザー(EPMA)により電子線を照射し、珪素の含有量を測定する。ここで、接合層3を構成する珪素の含有量は、接合層3の第1部材1および第2部材2との界面を除いた領域において、面積が2000μm程度以上(例えば、直径が60μmの円)となる範囲を少なくとも5箇所以上測定し、その平均値から算出すればよい。
また、接合層3は、接合層3を構成する全成分100質量%のうち、ニッケルおよびクロムの合計含有量が0.1質量%以上9.0質量%以下であるならば、耐食性に優れたものとなり、腐食性のガスおよび液体の使用環境下に長時間曝されても接合強度が低下しにくいものとなる。
さらに、本開示のセラミック接合体10における接合層3は、図2に示すように、第1部材1または第2部材2との界面に、アルミニウムを含有する金属化合物4を有する。ここで、金属化合物4とは、酸化物ではなく、少なくともアルミニウムを含む金属によって構成されている化合物のことである。そして、アルミニウムは珪素よりも展延性が高いことから、アルミニウムを含有する金属化合物4を有していることで、セラミック接合体10が加熱・冷却された際に、金属化合物4が柔軟に変形し、接合層3と第1部材1または第2部材2との熱膨張係数の差に起因するクラックの発生が抑制される。よって、本開示のセラミック接合体10は、高い接合強度を有し、加熱・冷却が繰り返されても、接合強度が低下しにくいものである。なお、金属化合物4の形状は、図2に示すように、第1部材1または第2部材2と接触しているならば、どのような形状であっても構わない。
また、接合層3が、第1部材1および第2部材2との界面の両方に金属化合物4を有していれば、セラミック接合体10が加熱・冷却された際に、接合強度の低下がさらに抑制される。
ここで、接合層3において、金属化合物4が存在するか否かは、以下の方法で確認すればよい。まず、上述した方法により、セラミック接合体10を切断し、切断面を鏡面に加工する。次に、この鏡面における接合層3を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、反射電子像の写真を撮影する。そして、この写真において、第1部材1または第2部材2との界面を確認する。次に、EPMAを用いて、鏡面における接合層3の面分析を行なう。具体的には、写真の確認において、例えば、接合層3の主成分が珪素であり、界面に異相が存在するとき、この異相は、接合層3において視認される色調と異なる色調で観察される。そのため、この色調の異なる部分について、EPMAを用いて含有成分の確認を行ない、上記異相に、少なくともアルミニウムの存在が確認できれば、これが金属化合物4である。
また、本開示のセラミック接合体10における金属化合物4は、金属化合物4を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを25質量%以上含有していてもよい。このような構成を満足するならば、セラミック接合体10が加熱・冷却された際に、金属化合物4がより柔軟に変形することで、接合層3と第1部材1または第2部材2との熱膨張係数の差に起因するクラックの発生がさらに抑制される。
また、本開示のセラミック接合体10における金属化合物4は、金属化合物4を構成する全成分100質量%のうち、珪素を12質量%以上40質量%以下含有していてもよい。このような構成を満足するならば、金属化合物4が、炭化珪素質セラミックスや窒化珪素質セラミックスと高い化学的親和性を有するものとなり、第1部材1と第2部材2とをより強固に接合できる。
また、本開示のセラミック接合体10における金属化合物4は、金属化合物4を構成する全成分100質量%のうち、鉄を14質量%以上38質量%以下含有していてもよい。このような構成を満足するならば、金属化合物4の高温強度が向上することから、高い温度までセラミック接合体10が加熱されても、接合強度が低下しにくいものとなる。
なお、本開示のセラミック接合体10における金属化合物4は、金属化合物4を構成する全成分100質量%のうち、リン、カルシウム、マンガン、ナトリウム、カリウム、ニッケル、イットリウムから選択される少なくとも1つ以上を、合計で3質量%以下含有していてもよい。
また、本開示のセラミック接合体10における金属化合物4は、金属化合物4を構成す
る全成分100質量%のうち、アルミニウム、珪素および鉄の合計で97質量%以上であるならば、特に高い接合強度を有し、加熱・冷却が繰り返されても、接合強度がより低下しにくいものとなる。
なお、本開示のセラミック接合体10における金属化合物4は、例えば、組成式がAlSi、AlFeSi2、Fe0.95Al0.89Si0.16、Fe23Al81Si15である。
ここで、金属化合物4を構成する各成分の含有量は、上述した方法により、金属化合物4の存在を確認した後、金属化合物4に対して、EPMAにより電子線を照射することで算出すればよい。
また、本開示のセラミック接合体10における金属化合物4は、第1部材1および第2部材2の両方と接触していてもよい。珪素に比べて、アルミニウムの強度は高い。よって、図2に示すように、接合層3において、第1部材1および第2部材2の両方と接触している金属化合物4cが存在するならば、接合層3にクラックが生じても、このクラックの進展を金属化合物4cで止めやすくなることから、本開示のセラミック接合体10の接合強度を向上させることができる。
また、本開示のセラミック接合体10において、接合層3における金属化合物4が占める面積比率が4%以上22%以下であるときには、高い接合強度を維持しつつ、セラミック接合体10が加熱・冷却された際に、接合層3と第1部材1または第2部材2との熱膨張係数の差に起因するクラックの発生がより抑制されることから、接合強度がさらに低下しにくいものとなる。
ここで、接合層3における金属化合物4が占める面積比率は、以下の方法で測定することができる。まず、上述した方法により、セラミック接合体10を切断し、切断面を鏡面に加工する。次に、この鏡面における接合層3を、接合層3と第1部材1および第2部材2との両方の界面が入るように、SEMを用いて観察し、反射電子像の写真を撮影する。そして、この写真において、金属化合物4をトレースして黒く塗りつぶす。次に、ここで得られた画像を用いて、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製であり、以降に画像解析ソフト「A像くん」と記した場合、旭化成エンジニアリング(株)製の画像解析ソフトを示すものとする。)の粒子解析という手法を適用して画像解析することにより、上記写真における金属化合物4の面積を求める。そして、算出した金属化合物4の面積を、上記写真における接合層3の面積で割ることで、接合層3における金属化合物4が占める面積比率を求めることができる。なお、上記写真における接合層3の面積は、第1部材1と第2部材2との間が全て接合層3であるとみなして、算出すればよい。また、「A像くん」の解析条件としては、例えば粒子の明度を「暗」、2値化の方法を「自動」、シェーディングを「有」とすればよい。
次に、本開示のセラミック接合体10の製造方法の一例について説明する。なお、ここでは、第1部材1および第2部材2が炭化珪素質セラミックスからなる場合を例に挙げ説明する。
まず、炭化珪素質セラミックスからなる第1部材1および第2部材2を準備する。
次に、接合層3において、金属化合物4となる第1ペースト(有機溶媒中に、アルミニウム粉末、珪素粉末、鉄粉末、アクリル系のバインダを含む)を作製する。ここで、第1ペーストにおける各粉末量は、アルミニウム粉末を含有さえすれば、適宜調整して構わない。例えば、第1ペーストにおける各粉末量は、金属化合物4を構成する全成分100質
量%のうち、アルミニウムが25質量%以上となるように調整してもよいし、珪素が12質量%以上40質量%以下となるように調整してもよいし、鉄が14質量%以上38質量%以下となるように調整してもよい。
次に、接合層3の主体となる第2ペースト(有機溶媒中に、珪素粉末、アクリル系のバインダを含む)を作製する。
次に、第1部材1や第2部材の接合面の任意の箇所に、第1ペーストを塗布する。その後、第1ペーストを塗布した接合面に、第2ペーストを塗布する。この時、第2ペーストの塗布量は、接合層3における珪素の含有量が80質量%以上となるように調整する。さらに、第2ペーストの塗布量は、接合層3の厚みが30μm以上300μm以下となるように調整してもよい。
次に、第1部材1と第2部材2との接合面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧する。なお、加圧にあたっては、接合する部材の自重によるものであってもよい。
次に、最高温度を80℃以上300℃以下、保持時間を4時間以上16時間以下として乾燥させる。そして、乾燥後、真空中で、最高温度を1450℃以上1500℃以下、保持時間を20分以上3時間以下として熱処理を行なうことで、本開示のセラミック接合体10を得る。
また、上述した第2ペーストを塗布する際、第1ペーストが露出するように塗布を行なうことで、接合層3において、第1部材1および第2部材2の両方と接触した金属化合物4cを得ることができる。
金属化合物の有無および金属化合物の構成成分を異ならせた試料を作製し、接合強度の評価を行なった。
まず、炭化珪素質セラミックスからなる第1部材および第2部材を準備した。なお、第1部材および第2部材は、33mm×33mm×33mmの立方体形状とした。
次に、接合層において、金属化合物となる第1ペーストを作製した。第1ペーストは、アルミニウム粉末、珪素粉末、鉄粉末の各粉末量を、表1に示す金属化合物の組成となるように調整し、これら粉末の合計100質量部に対し、有機溶媒としてのテルピネオール7質量部、バインダとしてのアクリル樹脂10質量部を添加することで作製した。
一方、接合層の主体となる第2ペーストは、珪素粉末100質量部に対し、テルピネオール7質量部、アクリル樹脂10質量部を添加することで作製した。
次に、第1部材の接合面に、接合層における金属化合物が占める面積比率が12%となるように、第1ペーストを塗布した。その後、第1部材の接合面に、第1ペーストを全て覆うように、第2ペーストを塗布した。ここで、第2ペーストは、接合層の厚みが200μmとなるように塗布した。
次に、第1部材と第2部材との接合面を合わせて、接合面に垂直な方向から加圧した。そして、最高温度を120℃、保持時間を8時間として乾燥を行なった。そして、乾燥後、真空中で、最高温度を1480℃、保持時間を1.5時間として熱処理を行なうことで試料No.1〜14を得た。
また、接合層において、金属化合物が存在しない試料No.15を、第1ペーストを塗布せずに、第2ペーストのみを塗布することで作製した。なお、他の条件は、上述した試料No.1〜14と同じとした。
次に、各試料における接合層を構成する珪素の含有量を以下のとおりに測定した。まず、各試料を切断し、切断面をダイヤモンド砥粒の研磨剤を用いて鏡面に加工した。次に、この鏡面における接合層において、EPMAにより電子線を照射し、珪素の含有量を測定した。ここで、接合層を構成する珪素の含有量は、接合層の第1部材および第2部材との界面を除いた領域において、直径が60μmの円となる範囲を少なくとも5箇所以上測定し、その平均値から算出した。その結果、全ての試料の接合層が、接合層を構成する全成分100質量%のうち、珪素を80質量%以上含有することを確認した。また、試料No.1〜14における金属化合物を構成する各成分の含有量は、金属化合物に対して、EPMAにより電子線を照射することで測定した。
次に、上述した方法により作製した別の各試料に対し、室温での接合強度の測定を行なった。まず、各試料から、JIS R 1624−2010に準拠した寸法であり、接合層が中央に位置する試験片を切り出し、JIS R 1624−2010に準拠して、常温において4点曲げ強度σを測定した。なお、4点曲げ強度σは、各試料とも9個の試験片の平均値をとった。
次に、上述した方法により作製したさらに別の各試料を、JIS R 1624−2010に準拠した寸法であり、接合層が中央に位置する試験片を切り出した後、加熱・冷却を繰り返すヒートサイクル試験を行なった。なお、加熱・冷却条件は以下の通りとした。まず、1サイクル目は、室温から700℃まで昇温速度1200℃/時間で加熱し、700℃で30分間保持した後、降温速度138℃/時間で150℃まで冷却した。次いで、2サイクル目は、150℃から700℃まで昇温速度1200℃/時間で加熱し、700℃で30分保持した後、降温速度138℃/時間で150℃まで冷却した。そして、2サイクル目と同じ条件で加熱・冷却を8サイクル繰り返し、計10サイクル加熱・冷却を行なった。なお、いずれも大気雰囲気中で加熱・冷却を行なった。そして、ヒートサイクル試験後、上述の4点曲げ強度σを測定した方法で、室温での各試験片の4点曲げ強度σを測定した。なお、4点曲げ強度σは、各試料とも9個の試験片の平均値をとった。
また、ヒートサイクル試験前の4点曲げ強度σ、ヒートサイクル試験後の4点曲げ強度σから、4点曲げ強度の低下率Δσ(%)=(σ−σ)/σ×100を計算した。結果を、表1に示す。
Figure 0006864470
表1に示す結果から、接合層において、金属化合物が存在しない試料No.15は、4点曲げ強度の低下率Δσが23.1%と高いものであった。これに対し、接合層における界面に金属化合物が存在する試料No.1〜14は、4点曲げ強度の低下率Δσが11.3%以下と低いものであった。この結果より、接合層が金属化合物を有していることで、加熱・冷却が繰り返されても、接合強度が低下しにくいことがわかった。
また、試料No.1〜14の中でも、金属化合物におけるアルミニウムの含有量が25質量%以上である試料No.2〜5、7〜14は、4点曲げ強度の低下率Δσが8.9%以下であることから、加熱・冷却が繰り返されても、接合強度がより低下しにくいことがわかった。
また、試料No.2〜5、7〜14の中でも、金属化合物における珪素の含有量が12質量%以上40質量%以下である試料No.4、5、8、10〜14は、4点曲げ強度σが190MPa以上であるとともに、4点曲げ強度の低下率Δσが7.8%以下であることから、さらに高い接合強度を有するとともに、接合強度が加熱・冷却されてもより低下しにくくなることがわかった。
さらに、試料No.4、5、8、10〜14の中でも、金属化合物における鉄の含有量が14質量%以上38質量%以下である試料No.11〜14は、4点曲げ強度の低下率Δσが5.1%以下であることから、、接合強度が加熱・冷却されてもさらに低下しにくくなることがわかった。
次に、接合層において、第1部材および第2部材の両方と接触している金属化合物の存在の有無が異なる試料を作製し、接合強度の評価を行なった。なお、試料No.17の作製方法としては、第2ペーストを塗布する際、第1ペーストが露出するように塗布を行なったこと以外は実施例1の試料No.13の作製方法と同様とした。なお、比較のための試料No.16は、実施例1の試料No.13と同じ試料である。
そして、実施例1と同様に、4点曲げ強度σの算出を行なった。結果を表2に示す。
Figure 0006864470
表2に示す結果から、接合層において、第1部材および第2部材の両方と接触している金属化合物が存在するならば、接合強度が向上することがわかった。
1:第1部材
2:第2部材
3:接合層
4、4a、4b、4c:金属化合物
10:セラミック接合体

Claims (4)

  1. 第1部材と、第2部材と、
    前記第1部材および前記第2部材の間に位置する接合層とを備え、
    前記第1部材および前記第2部材は、炭化珪素質セラミックスまたは窒化珪素質セラミックスからなり、
    前記接合層は、主成分が珪素であり、前記第1部材または前記第2部材との界面に、アルミニウムを含有する金属化合物を有し、
    前記金属化合物は、該金属化合物を構成する全成分100質量%のうち、珪素を12質量%以上40質量%以下含有している
    セラミック接合体。
  2. 前記金属化合物は、該金属化合物を構成する全成分100質量%のうち、アルミニウムを25質量%以上含有している請求項1に記載のセラミック接合体。
  3. 前記金属化合物は、該金属化合物を構成する全成分100質量%のうち、鉄を14質量%以上38質量%以下含有している請求項1または請求項2に記載のセラミック接合体。
  4. 前記金属化合物は、前記第1部材および前記第2部材の両方と接触している請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載のセラミック接合体。
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