JPH0648852A - セラミックス−金属接合体 - Google Patents

セラミックス−金属接合体

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JPH0648852A
JPH0648852A JP20346392A JP20346392A JPH0648852A JP H0648852 A JPH0648852 A JP H0648852A JP 20346392 A JP20346392 A JP 20346392A JP 20346392 A JP20346392 A JP 20346392A JP H0648852 A JPH0648852 A JP H0648852A
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JP
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metal
ceramic
residual stress
bonded body
ceramics
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JP20346392A
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Shunichiro Tanaka
俊一郎 田中
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な接合強度を有すると共に、冷熱サイク
ルが付加された際にもクラック等が発生することを抑制
した、信頼性に優れたセラミックス−金属接合体を提供
する。 【構成】 セラミックス部材1と、このセラミックス部
材1の表面に活性金属を含むろう材4によって加熱接合
された金属部材2、3とを有するセラミックス−金属接
合体である。金属部材2、3の接合端部近傍におけるセ
ラミックス部材1の表面残留応力値は、該セラミックス
部材の材料強度の 70%以下である。具体的には、金属部
材の外周部に薄肉部を設ける、あるいは金属部材の角部
をR形状賭する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷熱サイクルの付加に
対する信頼性を向上させたセラミックス−金属接合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス部材は、一般に、軽量でか
つ高硬度を有する、耐熱性や耐食性に優れる、電気絶縁
性に優れる等という特徴を有しており、これらの特徴を
生かして構造用材料や電気・電子部品用材料等として利
用されている。ところで、セラミックス部材を構造用材
料として使用する場合、セラミックス部材は本来脆性材
料であるため、金属材料と接合して用いることがよく行
われている。一方、セラミックス部材の高電気絶縁性と
いう特性を利用して、電子部品の搭載基板等としても利
用されているが、この際にも回路の形成や電子部品の搭
載部の形成等を目的として、金属部材との接合が行われ
ている。このように、セラミックス部材の実用化を考え
た場合、金属部材との接合が重要となる。
【0003】上述したようなセラミックス部材と金属部
材との接合方法としては、従来から、Moや W等の高融点
金属を用いる方法や、IVa 族元素やVa族元素のような活
性金属を用いる方法等が知られており、中でも、高強
度、高封着性、高信頼性等が得られると共に、酸化物系
セラミックス部材から窒化物系や炭化物系等の非酸化物
系セラミックス部材まで、各種のセラミックス材料に対
しても使用できること等から、活性金属法が多用されて
いる。
【0004】上記活性金属法は、Ti、Zr、Hf、Nb等の金
属元素がセラミックス材料に対して濡れやすく、反応し
やすいことを利用した接合法であり、具体的には活性金
属を添加したろう材を用いたろう付け法や、セラミック
ス部材と金属部材との間に活性金属の箔や粉体を介在さ
せ、加熱接合する方法(固相拡散接合)等として利用さ
れている。一般的には、取扱い性や処理のしやすさ等か
ら、CuとAgとの共晶ろう材(Ag:72wt%)にTi等の活性金
属を添加し、これをセラミックス部材と金属部材との間
に介在させ、適当な温度で熱処理して接合する方法が多
用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セラミック
ス部材と金属部材との接合部品には、高接合強度が求め
られる一方、セラミックス部材の熱膨張率は金属部材の
それに比べて小さいため、この熱膨張差に起因する欠点
の発生を抑制することが強く求められている。すなわ
ち、熱膨張率が大きく異なるセラミックス部材と金属部
材とを接合すると、接合後の冷却過程で熱膨張差に起因
する残留応力が生じ、外部応力との相乗によって接合強
度が大幅に低下したり、接合後の冷却過程あるいは冷熱
サイクルの付加によって応力の最大点からクラックが発
生したり、さらにはセラミックス部材が破壊される等の
問題を招いてしまう。
【0006】このような点に対して、従来の活性金属ろ
う材を用いたセラミックス−金属接合体では、高接合強
度は得られても、冷熱サイクル等の付加に対して十分な
信頼性を再現性よく得るまでには至っていない。例え
ば、セラミックス部材上に銅板等を活性金属ろう付けに
よって接合し、半導体素子等の搭載部品として用いられ
ているが、近年の半導体素子の高集積化や大電力化によ
って、半導体素子からの放熱量が飛躍的に増大している
ことから、冷熱サイクル等に対する信頼性を向上させる
ことが強く望まれている。
【0007】一方、非破壊でセラミックス−金属接合体
の冷熱サイクル等の付加によるクラックの発生を予測す
ることが可能となれば、部品としての信頼性を大幅に向
上させることが可能となるため、そのような状態を非破
壊で評価する方法が強く求められている。
【0008】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、良好な接合強度を有すると共に、冷
熱サイクルが付加された際にもクラック等が発生するこ
とを抑制した、信頼性に優れたセラミックス−金属接合
体を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明のセラミッ
クス−金属接合体は、セラミックス部材と、このセラミ
ックス部材表面に活性金属を含むろう材によって加熱接
合された金属部材とを有するセラミックス−金属接合体
において、前記金属部材の接合端部近傍における前記セ
ラミックス部材の表面残留応力値が、該セラミックス部
材の材料強度の 70%以下であることを特徴としている。
【0010】そして、上記したセラミックス−金属接合
体を得るための具体的な形態を規定した本発明のセラミ
ックス−金属接合体は、例えば前記金属部材はその外周
部に薄肉部を有する、あるいは前記金属部材はその角部
にR形状を有することを特徴としている。
【0011】本発明に用いられるセラミックス部材は、
特に限定されるものではなく、酸化アルミニウム焼結
体、ムライト焼結体(3Al2 O 3 −2SiO2 )等の酸化物系
焼結体から、窒化アルミニウム焼結体、炭化ケイ素焼結
体等の非酸化物系焼結体まで、各種のセラミックス材料
を適用することができ、用途や要求特性に応じて適宜選
択して使用することが可能である。また、金属部材は、
用途に応じて各種の金属材料から適宜選択すればよく、
例えば構造材料としては、鋼材、耐熱合金、超硬合金等
が例示され、また電子部品材料としては、Cu、Cu合金、
Ni、Ni合金、W 、Mo等が例示される。
【0012】また、本発明に用いられる活性金属を含む
ろう材(以下、活性金属ろう材と称する)としては、例
えば Ag-Cuの共晶組成(72wt%Ag-28wt%Cu)もしくはその
近傍の組成のろう材を主成分とし、これにTi、Zr、Hfお
よびNbから選ばれた少なくとも 1種の活性金属を添加し
たものや、Cuに同様な活性金属を添加したもの等が例示
される。上記した Ag-Cu系の共晶ろう材の組成として
は、ろう材の全量に対してCu量を15重量%〜35重量%程
度、また活性金属の量を 1重量%〜10重量%程度とする
ことが好ましい。また、Cu系ろう材においても、活性金
属の量は上記した範囲程度とすることが好ましい。
【0013】本発明のセラミックス−金属接合体は、セ
ラミックス部材と金属部材とを活性金属ろう材によって
加熱接合する際に発生する表面残留応力の値を、用いた
セラミックス部材の材料強度の 70%以下に規定すること
によって、当該セラミックス−金属接合体に冷熱サイク
ルが印加された際の信頼性を大幅に向上させたものであ
る。
【0014】ここで、セラミックス部材と金属部材とを
加熱接合することによって発生する応力は、接合部近傍
のセラミックス部材側に圧縮と引張りの残留応力分布と
して存在し、特に金属部材の接合端部近傍のセラミック
ス部材表面に残留応力の主応力が作用する。そして、上
記した残留応力のうち、引張り成分がセラミックス部材
の引張り強度を超えると、クラックが発生したり、さら
にはセラミックス部材の破壊が起こる。上記した残留応
力は、加熱接合後の冷却過程において、直接的にセラミ
ックス部材にクラックを発生させたり、また直接的に破
壊を生じさせることがなくとも、その後に冷熱サイクル
が印加されることによって助長され、結果的にクラック
や破壊を招くこととなる。
【0015】これに対して、本発明のように、セラミッ
クス部材の最大主応力発生部位における表面残留応力値
を、当該セラミックス部材の材料強度の 70%以下と規定
することによって、冷熱サイクルが印加された際にクラ
ックや破壊が起こることを防止することが可能となる。
より好ましい表面残留応力値は、当該セラミックス部材
の材料強度の 50%以下に規定することである。上記した
最大主応力発生部位は、基本的には金属部材の接合端部
となるが、本発明で規定する表面残留応力値は金属部材
の接合端部から 100μm の範囲で測定した値を指すもの
とする。
【0016】本発明において規定するセラミックス部材
の材料強度は、上述したように引張り強度であり、この
引張り強度は単軸または 2軸引張り試験によって測定さ
れた値、あるいは曲げ試験による強度とワイブル係数か
ら換算された値を指すものとする。
【0017】また、本発明のセラミックス−金属接合体
は、金属部材の接合端部におけるセラミックス部材の表
面残量応力値を測定することを可能にしたことによって
達成されたものである。微小領域の残留応力値は、X線
回折を利用することによって、非破壊で高精度に測定す
ることができる。以下に、X線回折を用いた残留応力測
定方法について述べる。
【0018】セラミックス部材内に生じた残留応力は、
この応力の大きさに比例して結晶の格子面間隔(d値)
を変化させる。生じた残留応力が引張り応力の場合、応
力と平行方向の面間隔d値は小さくなり、応力に直角方
向の面間隔d値は大きくなる。また圧縮応力の場合には
その逆になる。この性質を利用し、図4(a)、
(b)、(c)に示すように、被検体測定面法線Nと格
子面法線N′とのなす角度(X線入射角)ψを変化させ
てX線を照射し、ある特定の回折ピークの回析角度(2
θ)の変化を調べることにより、次式から残留応力σT
が求まる。
【0019】
【数1】 Kは材料および測定波長によって決まる応力定数である
ため、測定値(ψと2θ)から図5に示すように、 2θ
と sin2 ψとのグラフを作成し、例えば最小二乗法によ
って勾配を求め、それにKを乗ずれば,残留応力σT
一義的に求まる。
【0020】このように、X線回折を利用して残留応力
を測定する際、X線の照射面積は0.2mm2 以下とするこ
とが好ましい。このように、微小X線により残留応力を
測定することによって、金属部材の接合端部におけるセ
ラミックス部材表面の残留応力値を精細に判定すること
が可能となる。なお、残留応力のX線による測定値は、
X線照射領域の中心部位での測定値とする。
【0021】上記した残留応力の測定に使用する回折ピ
ークは、高角度側に位置していると共に強度が大きく、
さらに孤立したピークであることが要求される。そこ
で、α-Al2 O 3 焼結体の場合には、 Cr-Kα線による
(1,1,10)面の回折ピーク(2θ=135.03deg )、 Cu-Kα
線による (416)面の回折ピーク(2θ=136.11deg)等が、
SiC焼結体の場合には Cr-Kα線による (116)面の回折
ピーク(2θ=121.69deg)、 Cu-Kα線による (306)面の
回折ピーク(2θ=134.09deg)等が使用される。なお、ム
ライト焼結体の測定条件は、基本的に酸化アルミニウム
焼結体と同一である。
【0022】また、窒化アルミニウム焼結体について
は、従来、適当なX線源と高角度側の孤立ピークが見出
だされていなかったため、X線回折による残留応力の測
定は行われていなかったが、本発明者らは新たに、 Cu-
Kα線を照射した際に得られる、 2θ=148.26degを中心
に持つAlN(205)面の回折ピークが、上記した条件を全て
満足することを見出だし、窒化アルミニウム焼結体に対
してもX線回折による残留応力の測定を可能にした。な
お、図6および図7に、窒化アルミニウム焼結体に Cu-
Kα線(50kV,100mA)を照射した際のX線回折パターン
の一例を示す。これによって、窒化アルミニウム焼結体
を用いて、本発明のセラミックス−金属接合体を構成し
た場合においても、微小領域における表面残留応力の測
定が可能となり、冷熱サイクルに対する信頼性を高める
という本発明の目的が達成される。このように、本発明
のセラミックス−金属接合体は、冷熱サイクルの付加に
対する信頼性を大幅に向上させたものであるとと同時
に、上述したようなX線回折を利用した残留応力測定方
法によって表面残留応力値を測定することにより、非破
壊で冷熱サイクルに対する信頼性を評価することを可能
にしたものである。
【0023】すなわち、本発明のセラミックス−金属接
合体は、金属部材端部の近傍におけるセラミックス部材
表面の残留応力値を上述したような方法によって非破壊
で測定し、当該セラミックス部材の材料強度の 70%以下
であるものを選択することによっても得られるが、 (A) 金属部材の外周部に薄肉部を設ける。
【0024】(B) 金属部材の角部をR形状とする。
【0025】の一方の手法もしくは両方を組み合わせて
適用することにより、安定して本発明の目的とするとこ
ろのセラミックス−金属接合体を得ることができる。
【0026】上記 (A)に示す薄肉部の具体的な形態とし
ては、 (a) 金属部材の端部を段付形状とし、外周側に薄肉部
を形成する。
【0027】(b) 金属部材の端部をテ―パ形状とする
等により、外周に向けて金属部材の厚さを漸減させ、薄
肉部を形成する。
【0028】等が例示され、またこれらを組合せた形状
としてもよい。
【0029】このように、加熱接合後の冷却過程や冷熱
サイクルの印加により生じる熱応力の主応力部となる金
属部材の端部を薄肉部とすることにより、熱応力が薄肉
部の塑性変形によって吸収されるため、セラミックス部
材に発生する残留応力を低減することができる。よっ
て、金属部材の接合端部近傍におけるセラミックス部材
の表面残留応力値を、安定して当該セラミックス部材の
材料強度の 70%以下とすることが可能となる。
【0030】上記 (a)における金属部材端部の薄肉部の
厚さとしては、その先端の厚さを少なくとも主要部の厚
さの1/2 以下とすることが好ましい。薄肉部の先端の厚
さが主要部の厚さの1/2 を超えると、この薄肉部の塑性
変型による残留応力低減の効果が十分に得られない。ま
た、この厚さを薄くするほど残留応力の低減を図れる
が、段付形状のような場合には、この厚さが薄すぎると
熱応力によって破断する危険が生じるため、実用的には
0.05mm程度までとすることが好ましい。
【0031】また、上記 (b)によるテーパー状とする場
合の角度としては、活性金属ろう材の種類によっても異
なるが、おおよそ60度以下とすることが好ましい。
【0032】これらの薄肉部は、所定形状とした金属部
材の端部にエッチング加工や機械加工を施すことにより
形成することができる。また、所定の外周形状と厚さを
有する第1の金属部材と、この第1の金属部材より大面
積の残留応力低減のための薄板状の第2の金属部材とを
積層することによって、同様に薄肉部を有する金属部材
が得られる。
【0033】また、上記した (B)の手法は、特に金属部
材の角部の近傍に大きな応力が作用するため、金属部材
の角部をR形状とすることによって、セラミックス部材
表面の残留応力を低減することが可能となる。
【0034】本発明のセラミックス−金属接合体は、例
えば以下のようにして製造される。まず、セラミックス
部材と、例えば所望形状に加工した金属部材とを用意
し、これらの接合すべき面の間に活性金属ろう材を介在
させて積層する。活性金属ろう材の形態としては、上記
した組成を満足する粉末や箔が挙げられる。これらは、
所定量の Ag-Cu合金(もしくはCu)と活性金属との混合
体、例えば粉末であれば Ag-Cu合金粉末と活性金属粉末
との混合粉末、箔であれば Ag-Cu合金の箔と活性金属の
箔との積層物であってもよいし、予めAg、Cuおよび活性
金属の 3元系合金としたものを使用することも可能であ
る。また、上記したような混合粉末もしくは 3元系合金
粉末を樹脂結合剤、および必要に応じて有機溶媒中に分
散させ、所望の粘度のペースト状として用いることもで
きる。
【0035】この後、上記積層体を使用したセラミック
ス部材に応じた雰囲気中にて熱処理し、例えば共晶液相
および活性金属とセラミックス部材との反応等を利用し
て、セラミックス部材と金属部材とを接合することによ
って、本発明のセラミックス−金属接合体が得られる。
接合温度としては、例えば 800℃〜 900℃程度が適当で
ある。
【0036】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0037】実施例1 まず、セラミックス部材として厚さ 0.8mmの板状の窒化
アルミニウム焼結体と、金属部材として外周部を45度の
テーパー形状とすると共に、各角部をR形状に面取りし
た、厚さ 0.3mmの 2枚の銅板(無酸素銅)を用意した。
一方、活性金属ろう材として、Tiを 5重量% 含む Ag-Cu
系ろう材を用意した。
【0038】次に、図1に示すように、窒化アルミニウ
ム基板1と 2枚の銅板2、3とを、それぞれの間に上記
活性金属ろう材4を介在させて積層した。この後、上記
積層物に対して、 1×10-4Torr以下の真空中にて、 600
℃×30分+ 850℃×10分(昇温速度:10℃/分、降温:
炉冷)の温度プロファイルで熱処理を施し、銅板2、3
と窒化アルミニウム基板1とをそれぞれ接合して、目的
とするセラミックス−金属接合体5を得た。
【0039】このようにして得たセラミックス−金属接
合体5の窒化アルミニウム基板1表面における残留応力
値をX線回折法によって測定した。残留応力の測定条件
は、以下の通りである。
【0040】まず、図2に示すように、銅板2の接合端
部に相当する窒化アルミニウム基板1の表面部位に、特
性X線として50kV、 100mAの Cu-Kα線(Niフィルタ、
コリメータ径= φ0.1mm 、照射面積=0.016mm2 〜 0.031
mm2 )Aを、X線入射角ψを変化させて照射し、各X線
入射角ψに対する AlN (205)面の回折ピーク( 2θ=14
8.26deg )の実際の回折角度 2θをそれぞれ求めた。な
お、X線入射角ψは、5度、15度、20度、25度、30度お
よび35度を使用した。
【0041】ここで、活性金属ろう材層4の接合端部
は、若干湾曲した形状となるが、図2に示すように実質
的な接合端部での測定値を、銅板2の接合端部における
測定値とする。これらの測定結果に基づく 2θ-sin2 ψ
のグラフを図3に示す。そして、応力定数K(kg/mm2
と図3に示すグラフの傾きから、上記窒化アルミニウム
基板1表面における銅板2との接合端部の残留応力を求
めたところ、上記窒化アルミニウム基板1の引張り強度
の 70%以下であった。
【0042】次に、上記窒化アルミニウム基板1の表面
において、銅板2との接合端部から順次外周側に測定位
置をずらして、同様に残留応力値を求めた。その結果、
銅板の接合端部に最大主応力(引張り残留応力)が加わ
り、外周に向けて残留応力値が減少していることが分か
った。このことからも、銅板の接合端部の引張り残留応
力を減少させることによって、熱履歴に対する信頼性を
向上させ得ることが明らかである。
【0043】また、本発明との比較として、銅板の外周
部にテーパー部および角部にR形状部を設けない以外
は、上記実施例と同一条件でセラミックス−金属接合体
を作製した。このセラミックス−金属接合体における窒
化アルミニウム基板表面の残留応力値を、上記実施例1
と同様にして測定したところ、窒化アルミニウム基板1
の材料強度の 70%を超えていた。
【0044】次に、上記実施例1および比較例1で作製
した各セラミックス−金属接合体に、冷熱サイクル試験
(TCT) を施し、クラック発生までのサイクル数によっ
て、耐冷熱サイクル特性を評価した。 TCTは -40℃×30
分+RT×10分+ 125℃×30分+RT℃×10分を 1サイクル
とした。また、クラックの有無は蛍光浸透探傷(PT)検査
で判定した。その結果、実施例1による接合体では、良
好な結果が得られたのに対し、比較例1による接合体は
早期にクラックの発生が認められた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミッ
クス−金属接合体によれば、冷熱サイクルが印加された
際にも、クラック等が発生することを安定して抑制する
ことが可能となる。よって、冷熱サイクルに対して信頼
性に優れたセラミックス−金属接合体を再現性よく提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で作製したセラミックス−金
属接合体の構造を示す断面図である。
【図2】本発明のセラミックス−金属接合体における残
留応力の測定位置を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例における残留応力の測定結果
である 2θ-sin2 ψを示すグラフである。
【図4】X線による残留応力の測定原理を示す図であ
る。
【図5】X線による残留応力の算出方法を説明するため
の図である。
【図6】窒化アルミニウム焼結体に Cu-Kα線を照射し
た際のX線回折パターンの一例を示す図である。
【図7】窒化アルミニウム焼結体に Cu-Kα線を照射し
た際のX線回折パターンの一例を拡大して示す図であ
る。
【符号の説明】
1……窒化アルミニウム基板 2、3……銅板 4……活性金属ろう材層 5……セラミックス−金属接合体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス部材と、このセラミックス
    部材表面に活性金属を含むろう材によって加熱接合され
    た金属部材とを有するセラミックス−金属接合体におい
    て、 前記金属部材の接合端部近傍における前記セラミックス
    部材の表面残留応力値が、該セラミックス部材の材料強
    度の 70%以下であることを特徴とするセラミックス−金
    属接合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセラミックス−金属接合
    体において、 前記表面残留応力値は、引張り残留応力を対象としてい
    ることを特徴とするセラミックス−金属接合体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のセラミックス−金属接合
    体において、 前記表面残留応力値は、照射面積が 0.2mm2 以下の微小
    X線を用いた残留応力測定方法によって測定された値で
    あることを特徴とするセラミックス−金属接合体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のセラミックス−金属接合
    体において、 前記セラミックス部材は、窒化アルミニウム焼結体、炭
    化ケイ素焼結体、酸化アルミニウム焼結体およびムライ
    ト焼結体から選ばれた 1種であることを特徴とするセラ
    ミックス−金属接合体。
  5. 【請求項5】 セラミックス部材と、このセラミックス
    部材表面に活性金属を含むろう材によって加熱接合され
    た金属部材とを有するセラミックス−金属接合体におい
    て、 前記金属部材は、その外周部に薄肉部を有することを特
    徴とするセラミックス−金属接合体。
  6. 【請求項6】 セラミックス部材と、このセラミックス
    部材表面に活性金属を含むろう材によって加熱接合され
    た金属部材とを有するセラミックス−金属接合体におい
    て、 前記金属部材は、その角部にR形状を有することを特徴
    とするセラミックス−金属接合体。
JP20346392A 1992-07-30 1992-07-30 セラミックス−金属接合体 Pending JPH0648852A (ja)

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JP (1) JPH0648852A (ja)

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