JP2014094855A - 炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型形状、又は複雑形状であっても、大気中での局部加熱により、接合強度が高く、耐熱性、形状安定性に優れた炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態の炭化ケイ素セラミックス接合体1は、複数の炭化ケイ素セラミックスからなる被接合部材2、3と、前記被接合部材間に設けられ、前記被接合部材間を接合する接合層とを備え、前記被接合層は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含有し、さらに酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化リチウム、酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化鉄及び酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含有するろう材からなり、レーザービームを照射して加熱される。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法に関する。
炭化ケイ素(SiC)セラミックスは、耐熱性、耐食性、耐環境性、高剛性、熱安定性などの優れた性質を有することから、高温構造部材や耐摩耗性部材などとして使用されている。特に、近年ではSiCセラミックスの特性を活かして、半導体製造装置用治具を始めとする半導体関連部品への実用化が進められている。さらに、原子力やガスタービンなどのエネルギー機器、ポンプ部品、メカニカルシール部品、摺動部品、熱交換器部品などの産業機器への適用化研究も進められている。
このため、より大型の部品やより複雑な形状を有する部品を、炭化ケイ素セラミックスを用いて作製する技術が求められている。しかしながら、セラミックス部材は一般的に焼結時にある程度の収縮を伴うことから、大型部品や複雑形状部品を作製することが困難とされている。そこで、複数のセラミックス部材を用意し、これらを連結して大型部品や複雑形状部品を作製することが試みられている。
セラミックス部材同士の接合方法としては、例えばホットプレス等を用いた固相接合法が知られている。また、その他の方法として、銀、チタン等の金属材料やシリコン、ガラス等の無機材料を含有するろう材を用いたろう付け、又はセラミックス前駆体などを利用した無機物焼成法などの中間材法も知られている。
しかしながら、固相接合法等の直接的接合法は、高温下で加圧して接合することから、接合可能なセラミックス基材の形状や寸法には制約があり、接合部材の大型化や複雑形状化には限度があった。一方、中間材法を用いた接合技術は、真空中ぬれ性に優れた金属系ろう材等を用いることで、比較的低温での接合が可能であることから、セラミックス部材の接合技術として多用されている。しかしながら、炭化ケイ素セラミックスと金属系ろう材とでは、熱膨張係数等の熱物性差が大きく、接合時や使用時に接合部の近傍において発生する熱応力が過度に増大し易く、接合体に残留応力が生じ易い。このため、脆性な炭化ケイ素セラミックスに適用すると、接合体において破損が生じ易い等の難点があった。
上記のような問題を解決するため、反応焼結法による炭化ケイ素を用いて、炭化ケイ素セラミックス同士を接合する技術が提案されている。SiCの反応焼結法は、例えば骨材としてのSiC粉末と炭素粉末や樹脂などとの混合物を所望の形状に成形し、この成形体をケイ素の溶融温度以上に加熱しつつ、溶融したケイ素を含浸することにより行われる。反応焼結炭化ケイ素は、被接合部材としての炭化ケイ素セラミックスに近い熱物性を有しており、また、その原料組成等により熱膨張係数を微調整することで、炭化ケイ素セラミックスの熱特性と精密にマッチングさせることが可能である。このため、反応焼結炭化ケイ素を、炭化ケイ素セラミックス部材間の接合に用いることで、接合体において高い接合強度を得られるうえ、その微細構造を制御することにより、優れた熱安定性も得られるものである。
しかしながら、上記した手法では、いずれも、加熱炉内で接合作業を行うことから、加熱炉より大きいサイズの接合体の製造には適用することができず、加熱炉の寸法によって、製造する接合体の寸法や形状が制限されるという問題があった。
そこで、加熱炉内での炉加熱でなく、大気中での局部加熱により、セラミックス部材の接合を行う技術が求められている。
一般に、局部加熱の熱源には、電子ビームやレーザビーム等のエネルギー密度の高いものが用いられる。このうち、電子ビームによる局部加熱は、真空チャンバー内で高真空状態で行われるため、チャンバーの寸法により、接合可能なセラミックス部材の大きさが制限される。これに対し、レーザビームによる局部加熱は、真空チャンバーを用いることなく行えることから、大気中での作業が可能であり、大型部品や複雑形状部品の製造に適している。
なお、炭化ケイ素セラミックスは、高温で昇華することから、金属部材の場合のように、溶接により接合を行うことは不可能である。このため、局部加熱により炭化ケイ素セラミックスの接合を行う場合には、ろう付け等の中間材法による接合方法が適用される。
レーザを熱源として、局部加熱によりセラミックス同士をろう付けする方法としては、例えば、炭化ケイ素等のセラミックス部材間に、レニウム箔を挟んでレーザ照射により接合する方法、対向するセラミックス間、又はセラミックスと金属部材間に、2種以上の反応物質、具体的には、チタン(Ti)と炭素(C)からなる層を介在させて接合する方法が提案されている。
また、金属系ろう材以外のものを用いてろう付けする方法として、セラミックス部材間に、Si粉末又はSi薄膜を介在させ、この接合部にレーザ光を照射して局所加熱することにより、セラミックス部材間を接合する方法も提案されている。
しかしながら、金属系ろう材やSi薄膜等をろう材として用いる方法では、炭化ケイ素セラミックスとろう材との間で熱物性差が生じ易く、接合時の熱応力の増大により接合体に残留応力が生じ易く、接合体としての強度低下が生じ易いものであった。特に接合部材が大型化、複雑形状化した場合には、ろう付け時や使用時に発生する熱応力(残留応力)が過度に増大する傾向があり、接合体として求められる強度を保持するため、接合可能な炭化ケイ素セラミックス部材の寸法や形状に制約が生じるものであった。
さらに、炭化ケイ素セラミックスは、金属成分との反応性が高いため、金属系ろう材を用いると、ろう材中に含まれる金属成分と、炭化ケイ素セラミックスとの反応が進行し、接合部における強度低下を招き易いものであった。
一方、ろう材として、上記したような金属系ろう材やSi薄膜等を用いた場合には、炭化ケイ素セラミックス部材と比較して、接合部の耐熱性が大幅に低下し、接合体全体としての耐熱性が低下するという問題もあった。
また、金属系ろう材以外のろう材を用いる方法として、セラミックス部材間を、Y、La、Si、MgOの混合微粉末からなるろう材を介して接合する方法が提案されている。
しかしながら、上記のような、セラミックス材料からなるろう材では、金属材料の場合に得られるような軟化状態を得られず、固相から直接液相に変化する。このため、大型部品や複雑形状部品の接合を行う場合には、接合部全体が液相化したときに、接合部の各部位毎に温度差が生じることがある。この場合、接合部を構成するろう材に粘性差が生じ、接合部全体の厚みを制御できない等、接合体の製造には必ずしも適しないものであった。また、上記のような酸化物を主体とするセラミックス材料は、一般に、炭化ケイ素セラミックスとのぬれ性が低いため、高温下での溶融時に気泡が発生し、接合部に気孔が生じ易いという問題があった。
一方、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、シリコンを、それぞれ所定量ずつ含有するろう材を用いて、保護ガスや真空ガスを用いることなく、セラミックス部材間を接合する方法が提案されている。
このようなろう材を用いることで、セラミックス部材との熱特性差に起因する熱応力の発生を抑制することができ、また、セラミックス部材との反応を伴うことなく接合部を形成できることから、接合体としての強度低下を抑制することが可能である。
しかしながら、上記したろう材を用いた場合でも、炭化ケイ素セラミックスとの熱特性差は、必ずしも十分に低減されておらず、特に大型部品を作製する場合には、接合体において熱応力が生じ易いものであった。また、上記したろう材は、炭化ケイ素セラミックスとのぬれ性が十分でなく、この点でも、必ずしも良好な接合状態を得られないものであった。
特開2008−137830号公報 特開2005−22905号公報 米国特許第6586704号明細書 米国特許第5503703号明細書 特開平07−187836号公報 特開平01−148759号公報 カナダ特許第2501802号明細書
本発明が解決しようとする課題は、大型形状、又は複雑形状であっても、大気中での局部加熱により、接合強度が高く、耐熱性、形状安定性に優れた炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法を提供することである。
実施形態の炭化ケイ素セラミックス接合体は、複数の炭化ケイ素セラミックスからなる被接合部材と、前記被接合部材間に設けられ、前記被接合部材間を接合する接合層とを備え、前記接合層は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含有し、さらに酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化リチウム、酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化鉄及び酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含有するろう材からなり、レーザービームを照射して加熱されたことを特徴とする。
実施形態の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法は、炭化ケイ素セラミックスからなる被接合部材間に、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含有し、さらに酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化リチウム、酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化鉄及び酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含有するろう材からなるろう材層を設け、レーザービームを照射して前記ろう材層を加熱することを特徴とする。
実施形態に係る炭化ケイ素セラミックス接合体の側面図である。 図1に示す炭化ケイ素セラミックス接合体の端面図である。 図1に示す炭化ケイ素セラミックス接合体の破線で示す領域を拡大して示す図である。 図1に示す炭化ケイ素セラミックス接合体の破線で示す領域を拡大して示す図である。 実施形態に係る炭化ケイ素セラミックス接合体の製造工程を説明するための図である。 実施形態に係る炭化ケイ素セラミックス接合体の側面図である。 図6に示す炭化ケイ素セラミックス接合体の端面図である。 実施形態に係る炭化ケイ素セラミックス接合体に使用される被接合部材を示す縦断面図である。 図8に示す被接合部材の加工前の部品の概略構造を示す外形図である。 実施形態に係る炭化ケイ素セラミックス接合体の製造工程を説明するための図である。
本発明に係る炭化ケイ素セラミックス接合体1の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る炭化ケイ素セラミックス接合体の側面図であり、図2は、図1に示す炭化ケイ素セラミックス接合体の端面図であり、図3は、図1に示す炭化ケイ素セラミックス接合体の破線で示す領域を拡大して示す図である。
図1において、炭化ケイ素セラミックス接合体1は、円柱形状の第1のセラミックス部材2、第2のセラミックス部材3を有している。第1のセラミックス部材2、第2のセラミックス部材3は、図3で示すように、接合層4を介して接合されており、これらによって炭化ケイ素セラミックス接合体1が構成されている。なお、図1では、被接合部材として、2個のセラミックス部材2、3を用いた炭化ケイ素セラミックス接合体1を示したが、被接合部材の数は2個に限られるものではなく、3個もしくはそれ以上であってもよい。
接合層4は、二酸化ケイ素(SiO)及び酸化アルミニウム(Al)を必須成分として含有し、さらに酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化リチウム(LiO)、酸化ホウ素(B)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、酸化鉄(Fe)及び酸化クロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有するろう材からなる。
接合層4は、ろう材からなるろう材層5(図5(c)参照。)を加熱して形成したものである。接合層4の形成方法の詳細については、後に詳述する。
炭化ケイ素セラミックス接合体1は、第1のセラミックス部材2と接合層4との間、及び第2のセラミックス部材3と接合層4との間に、ケイ素酸化物を主体とする酸化物層6を有することが好ましい(図4参照。)。接合層4を構成するろう材は、二酸化ケイ素等の酸化物を主成分として構成されており、炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性が必ずしも十分でないことがある。第1、第2のセラミックス部材2、3と、接合層4との間に、ケイ素酸化物からなる酸化物層6を介在させた場合には、第1、第2のセラミックス部材2、3に対する、ろう材のぬれ性が高められる。
なお、酸化物層6を構成するケイ素酸化物は、第1、第2のセラミックス部材2、3に含まれるケイ素の酸化反応により形成されるものであり、第1、第2のセラミックス部材2、3を大気中に曝すか、又は酸化物層6の形成領域を大気中で加熱処理することにより形成することができる。
接合層4は、結晶相を含むか、又はその全体が結晶化されているものとすることが好ましい。接合層4を、結晶相を含むものとすることで、接合層4による、第1、第2のセラミックス部材2、3間の接合強度を低下させることなく、接合層4としての耐熱性を向上させることができる。
接合層4の強度は、接合層4に含まれる気孔径により受ける影響が大きいことから、接合層4中の気孔の気孔径は、10μm未満であることが好ましい。接合層4中に、気孔径が10μm以上のものが含まれると、接合層4において十分な強度が得られず、炭化ケイ素セラミックス接合体1としての強度が低下するおそれがある。接合層4に含まれる気孔の最大径は、5μm以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、「気孔径」とは、接合層4の任意の断面を顕微鏡、例えば光学顕微鏡、電子顕微鏡等により観察して確認された気孔、又は接合体を非破壊で、X線断層撮影装置等により接合層4を観察して確認された気孔の最大の内径の寸法である。
接合層4の厚さは5μm以上90μm未満であることが好ましい。接合層4の厚さが5μm未満であると、第1のセラミックス部材2と第2のセラミックス部材3との間で、未接合箇所が発生し易く、また、接合層4の強度が低下し、炭化ケイ素セラミックス接合体1としての形状安定性を十分に得られないおそれがある。一方、接合層4の厚さが90μm以上であると、炭化ケイ素セラミックス接合体1としての強度低下の要因となる。接合層4の厚さは、より好ましくは10μm以上80μm以下であり、さらに好ましくは20μm以上60μm以下である。
本実施形態では、第1のセラミックス部材2、第2のセラミックス部材3として、焼結炭化ケイ素セラミックスを適用した例について示したが、第1、第2のセラミックス部材2、3としては、例えば、反応焼結炭化ケイ素、又は炭化ケイ素をマトリックスとする複合材料を適用することができる。
ここで、反応焼結炭化ケイ素とは、骨材としてのSiC粉末と炭素粉末や樹脂などとの混合物を所望の形状に成形し、この成形体をケイ素の溶融温度以上に加熱しつつ、溶融したケイ素を含浸することにより製造されるものである。
また、炭化ケイ素をマトリックスとする複合材料とは、母体であるマトリックスに、強化材料を添加し、この強化材料をマトリック全体に分散させたものである。マトリックスとしては、焼結炭化ケイ素、反応焼結炭化ケイ素、化学気相浸透法、プリカーサ含浸分解法などのプロセスから作製されたものを用いることができる。また、マトリックスに添加する強化材料としては、粒子、ウィスカー、短繊維、長繊維から選ばれる少なくとも一を用いることができる。なお、上記のマトリックス中に強化材料を添加した複合材料の表面には、CVD法等によりSiCコーティングしたものを用いることもできる。
第1、第2のセラミックス部材2、3としては、同一の素材同士の組み合わせ、すなわち、焼結炭化ケイ素同士、反応焼結炭化ケイ素同士、又は炭化ケイ素をマトリックスとする複合材料同士の組み合わせで用いることも可能であるが、異なる素材同士、例えば、焼結炭化ケイ素と反応焼結炭化ケイ素、焼結炭化ケイ素と炭化ケイ素をマトリックスとする複合材料、又は反応焼結炭化ケイ素と炭化ケイ素をマトリックスとする複合材料との組み合わせで用いることができる。
接合層4を構成するろう材としては、室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K以上5.5×10−6/K以下であることが好ましい。室温以上1000℃以下の熱膨張係数が上記範囲のろう材を用いることで、第1、第2のセラミックス部材2、3の熱膨張係数との差が小さく、ろう付け時や使用時に発生する熱応力が低減される。このため、第1、第2のセラミックス部材2、3の強度低下を抑制しつつ、接合層4による第1、第2のセラミックス部材2、3間の接合強度を高めることができる。また、このようなろう材を用いることで、接合時における、熱応力の増大を抑制しつつ、より大サイズ、又は複雑形状を有する炭化ケイ素セラミックス接合体1の製造に適用することができる。接合時における熱応力の発生を抑制して、より高い接合強度を得る観点から、ろう材の室温以上1000℃以下の熱膨張係数は、好ましくは4.0×10−6/K以上5.0×10−6/K以下である。
溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角は、60度未満であることが好ましい。溶融状態での、炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度未満であるろう材を用いることで、第1、第2のセラミックス部材2、3に対するろう材の密着力が高められるとともに、接合層4において、第1のセラミックス部材2、第2のセラミックス部材3との界面における気孔等の欠陥の生成を抑制することができる。ろう材の溶融状態での炭化ケイ素セラミックスに対する接触角が60度以上であると、接合層4内で生じる気孔の気孔径が増大し易く、接合層4の強度が低下し、炭化ケイ素セラミックス接合体1において、十分な形状安定性が得られないおそれがある。接合層4における気孔等の欠陥の発生を抑制し、接合層4において高い強度を得る観点からは、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角は、50度以下が好ましく、30度以下がより好ましい。
ろう材としては、上記した成分を有するものを用いることで、室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K〜5.5×10−6/Kであり、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度未満であり、かつ融点が1200℃〜1600℃の特性を得られる。
ろう材としては、具体的には、例えば、二酸化ケイ素を45〜87質量%、酸化アルミニウムを3〜40質量%、酸化マグネシウムを3〜35質量%含有するもの(SiO−Al−MgO系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−MgO系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が45質量%未満若しくは87質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が3質量%未満若しくは40質量%を超える場合、又は酸化マグネシウム含有量が3質量%未満若しくは35質量%を超える場合には、SiO−Al−MgO系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素を40〜90質量%、酸化アルミニウムを5〜25質量%、酸化チタンを5〜40質量%含有するもの(SiO−Al−TiO系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−TiO系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が40質量%未満若しくは90質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が5質量%未満若しくは25質量%を超える場合、又は酸化チタン含有量が5質量%未満若しくは40質量%を超える場合には、SiO−Al−TiO系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素15〜90質量%、酸化アルミニウム5〜27質量%、酸化亜鉛5〜75質量%含有するもの(SiO−Al−ZnO系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−ZnO系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が15質量%未満若しくは90質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が5質量%未満若しくは27質量%を超える場合、又は酸化亜鉛含有量が5質量%未満若しくは75質量%を超える場合には、SiO−Al−ZnO系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素を67〜87質量%、酸化アルミニウムを3〜20質量%、酸化リチウム(LiO)を10〜13質量%含有するもの(SiO−Al−LiO系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−LiO系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が67質量%未満若しくは87質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が3質量%未満若しくは20質量%を超える場合、又は酸化リチウム含有量が10質量%未満若しくは13質量%を超える場合には、SiO−Al−LiO系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素5〜90質量%、酸化アルミニウム5〜42質量%、酸化ホウ素15〜85質量%含有するもの(SiO−Al−B系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−B系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が5質量%未満若しくは90質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が5質量%未満若しくは42質量%を超える場合、又は酸化ホウ素含有量が15質量%未満若しくは85質量%を超える場合には、SiO−Al−B系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素を80〜94質量%、酸化アルミニウムを3〜10質量%、酸化ジルコニウムを3〜10質量%含有するもの(SiO−Al−ZrO系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−ZrO系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が80質量%未満若しくは94質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が3質量%未満若しくは10質量%を超える場合、又は酸化ジルコニウム含有量が3質量%未満若しくは10質量%を超える場合には、SiO−Al−ZrO系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素55〜90質量%、酸化アルミニウム7〜20質量%、酸化イットリウム3〜30質量%含有するもの(SiO−Al−Y系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−Y系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が55質量%未満若しくは90質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が7質量%未満若しくは20質量%を超える場合、又は酸化イットリウム含有量が3質量%未満若しくは30質量%を超える場合には、SiO−Al−Y系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素25〜80質量%、酸化アルミニウム10〜35質量%、酸化鉄10〜55質量%含有するもの(SiO−Al−Fe系ろう材)を用いることで。炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−Fe系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が25質量%未満若しくは80質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が10質量%未満若しくは35質量%を超える場合、又は酸化鉄含有量が10質量%未満若しくは55質量%を超える場合には、SiO−Al−Fe系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
ろう材としては、例えば、二酸化ケイ素85〜95質量%、酸化アルミニウム3〜10質量%、酸化クロム2〜5質量%含有するもの(SiO−Al−Cr系ろう材)を用いることで、炭化ケイ素セラミックスとの熱膨張係数のマッチング性が良好で、かつこの炭化ケイ素セラミックスに対するぬれ性に優れており、接合強度が高く、耐熱性に優れた接合層4を得ることができる。
SiO−Al−Cr系ろう材の二酸化ケイ素の含有量が85質量%未満若しくは95質量%を超える場合、酸化アルミニウム含有量が3質量%未満若しくは10質量%を超える場合、又は酸化鉄含有量が2質量%未満若しくは5質量%を超える場合には、SiO−Al−Cr系ろう材において、融点が1200℃未満若しくは1600℃超となるか、溶融したろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度以上となるか、又は室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K未満若しくは5.5×10−6/K超となるおそれがある。
上記したろう材は、各成分を上記した範囲で含有するものであれば、特に限定されないが、例えば、上記した各成分を含有する混合物に、有機溶媒又は樹脂成分を加えてスラリー状又はペースト状としたものであってもよく、上記した各成分を含有する混合物を加熱溶融した後、徐冷して粉末状にしたものに、有機溶媒又は樹脂成分を加えてスラリー状又はペースト状としたものであってもよい。この粉末体は、加熱溶融時にガラス化させたガラス粉末であってもよい。
以下、図5を参照して、炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法を説明する。なお、以下の説明では、各成分を上記した範囲で含有するように調合したろう材を、予めガラス化させたろう材を用いた場合を例に説明する。
まず、焼結炭化ケイ素からなる第1のセラミックス部材2、第2のセラミックス部材3を用意する。(図5(a)参照。)
なお、本実施形態では、第1、第2のセラミックス部材2、3として、焼結炭化ケイ素を用いたが、第1、第2のセラミックス部材2、3として、反応焼結炭化ケイ素、又は炭化ケイ素をマトリックスとする複合材料を用いることも可能である。
次いで、第1、第2のセラミックス部材2、3の接合面2A、3Aの表面には、酸化物層6を形成することが好ましい(図5中不図示。)。接合面2A、3Aに酸化物層6を形成することで、後工程において、第1、第2のセラミックス部材2、3間に介在させるろう材7の、第1、第2のセラミックス部材2、3に対する接触角が低減され、接合層4形成時における、気泡等の発生を抑制することができる。
酸化物層6は、具体的には、第1、第2のセラミックス部材2、3の接合面2A、3Aを、大気下で加熱処理することにより、ケイ素酸化物からなる酸化物層を形成することができる。
各接合面に形成する酸化物層6の厚さは、10Å以上200nm以下とすることが好ましい。酸化物層6の厚さが10Å未満であると、第1、第2のセラミックス部材2、3に対するろう材7の接触角を低減する効果を十分に得られない。一方、酸化物層6の厚さが200nmを超えると、後工程において、第1、第2のセラミックス部材2、3間に介設させたろう材7が、第1、第2のセラミックス部材2、3との界面(接合面)において、良好な溶融状態を得られず、均質な接合層4を得られないおそれがある。酸化物層6の厚さは、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは100nm以上である。
なお、酸化物層6を形成する際の加熱処理は、第1、第2のセラミックス部材2、3の接合面に形成する酸化物層の厚さに応じて、加熱温度及び加熱時間を適宜調整して行うが、概ね、1100〜1300℃で行うことがよい。
次いで、図5(b)に示すように、第1、第2のセラミックス部材2、3の、酸化物層形成面(接合面)に、ろう材7を塗布し、次いで、図5(c)に示すように第1、第2のセラミックス部材2、3のろう材7の塗布面同士を接合し、ろう材層5を形成する。
ろう材7としては、上記した各実施形態に係る組成範囲を有するように調合したろう材を融点以上の温度で加熱溶融し、気泡を除去した後、一部あるいは全部をガラス化させ、有機溶媒又は樹脂成分を添加して、スラリー状又はペースト状にしたものを用いることができる。
スラリー状又はペースト状のろう材7を用いて、ろう材層5を形成することで、その厚みを制御し易く、接合層4を、所望の厚みに形成できるため好ましい。
有機溶媒としては、例えば、アルコール系有機溶媒又はトルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒を用いることができ、樹脂成分としては、例えばアクリル樹脂等を用いることができる。
ろう材7としては、上記した理由から、室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K以上5.5×10−6/K以下であることが好ましく、また、溶融したろう材7と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度未満であることが好ましい。また、ろう材7の融点は、1200℃以上1600℃以下であることが好ましい。ろう材7の融点が1600℃を超えると、基材(被接合部材)である炭化ケイ素セラミックスに高温クリープが発生し、ろう付けプロセスにおいて残留応力が発生し、接合強度が低下してしまう。一方、ろう材7の融点が1200℃未満であると、接合層4の耐熱性が低下するおそれがある。
このようにして、第1、第2のセラミックス部材2、3間に挟持されたろう材層5に大気下でレーザビームLを照射し、局部加熱する(図5(d)参照。)。
このとき、ろう材層5を挟持する第1、第2のセラミックス部材2、3を固定した状態でレーザ照射することで、最終的に得られる接合層4の厚さを精密に制御できるため好ましい。
ろう材7により、第1、第2のセラミックス部材2、3を安定的にろう付けする観点から、レーザビームLによる加熱温度は、1200℃以上1700℃以下で行うことが好ましい。加熱温度が1200℃未満であると、ろう材7を十分に溶融させることができず、均質な接合層4を得られないおそれがある。一方、加熱温度が1700℃を超えると、熱衝撃により、第1、第2のセラミックス部材2、3が損傷を受けるおそれがある。加熱温度は、より好ましくは各ろう材の各融点−200℃以上、各融点+200℃以下であり、さらに好ましくは各ろう材の融点−100℃以上融点+100℃以下である。
上記した加熱工程では、ろう材層5を1000℃以上1500℃以下の温度に昇温して一旦保持した後、再度昇温して、1200℃以上1700℃以下の温度で保持して加熱することが好ましい。照射部を1000℃以上1500℃以下の範囲の温度、すなわち結晶化温度で保持することにより、ろう材層5のろう材7に含まれる成分が、軟化しつつ結晶核を生成する。次いで、このろう材層5をさらに1200℃以上1700℃以下の範囲の温度で加熱した後、徐冷することにより、接合層4を、結晶相を含むか、又は全体が結晶相として構成されたものとして構成することができる。
ろう材7からなるろう材層5に照射するレーザビームLのビーム径は、8mm以上30mm以下とすることが好ましい。ビーム径を上記範囲として照射することで、第1、第2のセラミックス部材2、3に対して熱衝撃による損傷を与えることなく、ろう材層5を1200℃以上1700℃以下の範囲の温度に昇温することができ、ろう材層5を構成するろう材7を十分に溶融させることができる。30mmを超えるビーム径で照射を行っても、レーザビームLの熱衝撃により第1、第2のセラミックス部材2、3に与える損傷の程度は、これ以下のビーム径で照射を行う場合と比較して略同等である一方、照射部を十分に昇温させ難くなり、ろう材層5において、十分な溶融状態を得られなくなるおそれがある。
このようにして、ろう材層5にレーザビーム照射を行い加熱処理することで、第1のセラミックス部材2及び第2のセラミックス部材3との界面で接触するろう材7が溶融して、第1、第2のセラミックス部材2、3がろう付けされるとともに、さらに加熱処理を行うことで、第1、第2のセラミックス部材2、3との界面以外の領域のろう材全体も、溶融状態となる。次いで、このろう材層5を徐冷することで、均質な接合層4を得ることができる(図5(e)参照。)。
なお、本実施形態では、第1、第2のセラミックス部材2、3として、図1及び図2に示すような円柱部材を適用した場合を例に説明したが、本発明に適用される被接合部材としては、例えば、図6及び図7に示すような、中空円柱状のものであってもよく、図8(a)〜(c)に示すような、カプセル形状円環部材8を適用することも可能である。なお、図8(a)〜(c)に示すカプセル形状円環部材8は、図9(a)に示す外観形状を有し、かつ図9(b)に示す縦断面形状を有する円環部材を、それぞれ図8(a)〜(c)に示す形状となるように、その上部の位置で切断したものである。
以上、実施形態に係る炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法によれば、大気中での局部加熱により、炭化ケイ素セラミックス部材間に、耐熱性に優れ、かつ接合強度の高い接合層を有する炭化ケイ素セラミックス接合体を形成できる。このため、大型部品や複雑形状を有する部品についても、形状安定性に優れたものを、効率的に製造することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明したが、上記の実施例は、本発明の一例として挙げたものであり、本発明を限定するものではない。例えば、上記した炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法では、各原料成分を調合した混合物を予めガラス化させたろう材を用いた場合を例に説明したが、本発明の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法は、ろう材として、ガラス化させていないものを用いることも可能である。また、上記の各実施形態の説明では、炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法において、本発明の説明に直接必要とされない部分等についての記載を省略したが、これらについて必要とされる各要素を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、本発明の趣旨に反しない範囲で当業者が適宜設計変更しうる全ての炭化ケイ素セラミックス接合体及び炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。
以下、本発明について実施例、比較例を参照してさらに詳細な説明を行うが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
酸化ケイ素72質量%、酸化アルミニウム11質量%、酸化チタン17質量%となるように、原料成分を秤量し、混合した。
ついで、この原料混合物を白金製るつぼに入れて加熱溶融し、冷却してガラス化した後、粉末状にしてガラス粉末を得た。このガラス粉末を、樹脂成分(アクリル樹脂)と混合してペースト状にして、ろう材(1)を得た。このろう材(1)の熱膨張係数は、3.9×10−6/Kであった。
次に、図1及び図2に示す形状の、常圧焼結炭化ケイ素セラミックスからなる円柱部材2、3(φ8mm×100mm)を用意した(図5(a)参照。)。各円柱部材2、3の一方の端面に、上記のろう材(1)を塗布した後(図5(b)参照)、それぞれの塗布面を対向させるように、各円柱部材2、3を配置し、次いで塗布面同士を接合して固定して、ろう材層5を形成した(図5(c)参照)。
次いで、図5(d)に示すように、円柱部材2、3を回転させつつ、レーザ発振器及び集光系等の光学素子を用いて、最大出力500W、ビーム形状が1辺8mmの矩形状のレーザ光Lを、上記したろう材層5の位置に照射し、ろう材層5を1400℃〜1500℃まで昇温して2分間保持した後、さらに、1550℃〜1650℃の温度に昇温して10秒間保持して、常圧焼結炭化ケイ素からなる円柱部材2、3をろう付けした。次いでこのろう材層5を徐冷して、接合層4を有する炭化ケイ素セラミックス接合体1を得た(図5(e)参照)。
なお、上記した温度は、レーザ光照射中のろう材層5の表面温度をサーモカメラで測定して得られた値である。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1の接合層4の外観を、光学顕微鏡で観察したところ、気孔のない緻密な接合層4が得られており、常圧焼結炭化ケイ素からなる円柱部材2、3、及び接合層4のいずれも、チッピングやクラック等の損傷が生じておらず、形状安定性に優れた炭化ケイ素セラミックス接合体1が得られた。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1の接合層4の非破壊検査として、X線断層撮影装置を用いて、接合層4の断層面観察を行い、気孔径の測定を行ったところ、接合層4内の気孔は、いずれも10μm未満であった。
さらに、JIS R1601「ファインセラミックスの曲げ試験方法」に従い、得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1から接合層4の一部を3mm×4mm×40mmで切り出し、4点曲げ試験により評価した。室温での4点曲げ強度は340MPaであり、高温(1000℃)での4点曲げ強度は350MPaであった。
上記のように、熱膨張係数が3.5×10−6/K以上5.5×10−6/K以下であるろう材(1)を用いた炭化ケイ素セラミックス接合体1では、ろう材(1)と円柱部材2、3との熱膨張係数差が小さく、接合体における残留応力の発生が抑制されており、接合強度の高い接合体が得られた。また、炭化ケイ素セラミックス接合体1は、ろう材(1)と円柱部材2、3との熱膨張係数差が小さいため、高温下で繰り返し使用を行っても、接合体における残留応力の発生が抑制されており、損傷なく使用できるものであった。
(実施例2)
酸化ケイ素50質量%、酸化アルミニウム20質量%、酸化鉄30質量%となるように、原料成分を秤量し、混合した。
ついで、この原料混合物を、実施例1と同様にして、加熱溶融し、冷却してガラス粉末を得た後、樹脂成分(アクリル樹脂)と混合してペースト状にして、ろう材(2)を得た。このろう材(2)の熱膨張係数は、5.2×10−6/Kであった。
次に、図6及び図7に示す形状の、反応焼結炭化ケイ素からなる中空円柱部材2、3(φ50mm×100mm)を用意した(図10(a)参照。)。各中空円柱部材2、3の一方の端面に、上記のろう材(2)を塗布した後(図10(b)参照)、それぞれの塗布面を対向させるように、各中空円柱部材2、3を配置し、次いで塗布面同士を接合して固定して、ろう材層5を形成した(図10(c)参照)。
次いで、図10(d)に示すように、中空円柱部材2、3を回転させつつ、レーザ発振器及び集光系等の光学素子を用いて、最大出力1000W、ビーム形状が1辺17mmの矩形状のレーザ光Lを、上記したろう材層5の位置に照射し、ろう材層5を1000℃〜1200℃まで昇温して2分間保持した後、さらに、1200℃〜1400℃の温度に昇温して10秒間保持して、反応焼結炭化ケイ素からなる中空円柱部材2、3をろう付けした。次いでこのろう材層5を徐冷して、接合層4を有する炭化ケイ素セラミックス接合体1を得た(図10(e)参照)。
なお、上記した温度は、レーザ光照射中のろう材層5の表面温度をサーモカメラで測定して得られた値である。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1の接合層4の外観を、光学顕微鏡で観察したところ、気孔のない緻密な接合層4が得られており、反応焼結炭化ケイ素からなる中空円柱部材2、3、及び接合層4のいずれも、チッピングやクラック等の損傷が生じておらず、形状安定性に優れた炭化ケイ素セラミックス接合体1が得られた。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1の接合層4の非破壊検査として、実施例1と同様にして、X線断層撮影装置を用いた接合層4の断層面観察を行い、気孔径の測定を行ったところ、接合層4内の気孔は、いずれも10μm未満であった。
さらに、実施例1と同様にして、JIS R1601「ファインセラミックスの曲げ試験方法」に従い、得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1から接合層4の一部を切り出し、4点曲げ試験により評価したところ、室温での4点曲げ強度は280MPaであり、高温(1000℃)での4点曲げ強度は260MPaであった。
上記のように、熱膨張係数が3.5×10−6/K以上5.5×10−6/K以下であるろう材(2)を用いた炭化ケイ素セラミックス接合体1では、ろう材(2)と中空円柱部材2、3との熱膨張係数差が小さく、ろう付け中の残留応力の発生が抑制されており、接合強度の高い接合体が得られた。また、炭化ケイ素セラミックス接合体1は、ろう材(2)と中空円柱部材2、3との熱膨張係数差が小さいため、高温での繰り返し使用においても、残留応力の発生が抑制されており、損傷なく使用であるものであった。
(実施例3)
酸化ケイ素55重量%、酸化アルミニウム20重量%、酸化マグネシウム25重量%となるように、原料成分を秤量し、混合した。
次いで、この原料混合物を、実施例1と同様にして、加熱溶融し、冷却してガラス粉末を得た後、有機溶媒(キシレン)に分散してスラリー状にして、ろう材(3)を得た。このろう材(3)の熱膨張係数は、4.7×10−6/Kであった。
次に、図8(a)〜(c)に示す3種類の形状の、化学気相浸透法で作製した炭化ケイ素長繊維複合材料からなるカプセル形状円環部材8(φ50mm×250mmm)を用意した。カプセル形状円環部材8は、それぞれ、本体部2と蓋部3の2ピースで構成されており、図8(a)〜(c)で示すように、それぞれ、ろう付け部の形状が異なるものである。各カプセル形状円環部材8の本体部2及び蓋部3の接合面に、上記のろう材(3)を塗布した後、それぞれの塗布面を対向させるように、それぞれカプセル形状円環部材8の本体部2と蓋部3とを配置し、塗布面同士を接合して固定して、ろう材層を形成した。
次いで、カプセル形状円環部材8を回転させつつ、スキャナーを用いて、最大出力2000W、ビーム形状がφ30mmの円形状のレーザ光Lを、上記したろう材層の位置に照射し、ろう材層を1100℃〜1300℃まで昇温して2分間保持した後、さらに、1300℃〜1500℃以下の温度に昇温して10秒間保持して、カプセル形状円環部材8の本体部2と蓋部3とをろう付けした。次いでこのろう材層を徐冷して、接合層を有する炭化ケイ素セラミックス接合体を得た。
なお、上記した温度は、レーザ光照射中のろう材層の表面温度をサーモカメラで測定して得られた値である。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体の接合層の外観を、光学顕微鏡で観察したところ、気孔のない緻密な接合層が得られており、カプセル形状円環部材8の本体部2及び蓋部3、並びに接合層のいずれも、チッピングやクラック等の損傷が生じておらず、形状安定性に優れた炭化ケイ素セラミックス接合体1が得られた。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1の接合層の非破壊検査として、実施例1と同様にして、X線断層撮影装置を用いた接合層の断層面観察を行い、気孔径の測定を行ったところ、接合層内の気孔は、いずれも10μm未満であった。
さらに、実施例1と同様にして、JIS R1601「ファインセラミックスの曲げ試験方法」に従い、得られた炭化ケイ素セラミックス接合体から接合層の一部を切り出し、4点曲げ試験により評価したところ、室温での4点曲げ強度は300MPaであり、高温(1000℃)での4点曲げ強度は280MPaであった。
上記のように、熱膨張係数が3.5×10−6/K以上5.5×10−6/K以下であるろう材(3)を用いた炭化ケイ素セラミックス接合体では、ろう材(3)とカプセル形状円環部材8の本体部2及び蓋部3との熱膨張係数差が小さく、ろう付け中の残留応力の発生が抑制されており、接合強度の高い接合体が得られた。特に、3種類のカプセル形状円環部材8のうち、図8(c)に示す形状のカプセル形状円環部材8は、図8(a)、図8(b)のカプセル形状円環部材8と比較して、得られた接合層の気孔率が最も低くなっており、安定した接合状態を得られていた。また、炭化ケイ素セラミックス接合体1は、ろう材(3)とカプセル形状円環部材8の本体部2及び蓋部3との熱膨張係数差が小さいため、高温での繰り返し使用においても、残留応力の発生が抑制されており、損傷なく使用できるものであった。
(実施例4)
酸化ケイ素5重量%、酸化アルミニウム33重量%、酸化イットリウム62重量%となるように、原料成分を秤量し、混合した。
ついで、この原料混合物を、実施例1と同様にして、加熱溶融し、冷却してガラス粉末を得た後、樹脂成分(アクリル樹脂)と混合してペースト状にして、ろう材(4)を得た。このろう材(4)の熱膨張係数は、7.3×10−6/Kであった。
次に、図1及び図2に示す形状の、常圧焼結炭化ケイ素セラミックスからなる円柱部材2、3(φ8mm×10mm)を用意した(図5(a)参照。)。各円柱部材2、3の一方の端面に、上記のろう材(4)を塗布した後(図5(b)参照。)、それぞれの塗布面を対向させるように、各円柱部材2、3を配置し、次いで塗布面同士を接合して固定して、ろう材層5を形成した(図5(c)参照)。
次いで、図5(d)に示すように、円柱部材2、3を回転させつつ、レーザ発振器及び集光系等の光学素子を用いて、最大出力500W、ビーム形状が1辺8mmの矩形状のレーザ光Lを、上記したろう材層5の位置に照射し、ろう材層5を1600℃まで昇温して10秒間保持して、円柱部材2、3をろう付けし、接合層4を有する炭化ケイ素セラミックス接合体1を得た(図5(e)参照)。
なお、上記した温度は、レーザ光照射中のろう材層5の表面温度をサーモカメラで測定して得られた値である。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1の接合層4の外観を、光学顕微鏡で観察したところ、気孔のない緻密な接合層4が得られており、常圧焼結炭化ケイ素からなる円柱部材2、3、及び接合層4のいずれも、チッピングやクラック等の損傷が生じておらず、形状安定性に優れた接合部材が得られた。
得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1の接合層4の非破壊検査として、実施例1と同様にして、X線断層撮影装置を用いた接合層4の断層面観察を行い、気孔径の測定を行ったところ、接合層4内の気孔は、いずれも10μm未満であった。
さらに、実施例1と同様にして、JIS R1601「ファインセラミックスの曲げ試験方法」に従い、得られた炭化ケイ素セラミックス接合体1から接合層4の一部を切り出し、4点曲げ試験により評価したところ、室温での4点曲げ強度は150MPaであり、高温(1000℃)での4点曲げ強度は60MPaであった。
上記のように、ろう材(4)を用いた炭化ケイ素セラミックス接合体1では、ある程度の形状安定性が得られたものの、その熱膨張係数が5.5×10−6/Kを超えていることから、ろう材(4)と円柱部材2、3との熱膨張係数差が生じており、ろう付け中の残留応力の抑制が十分でなく、実施例1〜3と比較すると、接合強度の低下が認められた。また、炭化ケイ素セラミックス接合体1は、ろう材(4)と円柱部材2、3との熱膨張係数差が生じており、高温での繰り返し使用において、残留応力の抑制が十分でなく、繰り返し使用により破損するおそれのあるものであった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…炭化ケイ素セラミックス接合体、2…第1のセラミックス部材、3…第2のセラミックス部材、2A,3A…接合面、4…接合層、5…ろう材層、6…酸化物層、7…ろう材、8…カプセル形状円環部材、L…レーザビーム

Claims (24)

  1. 複数の炭化ケイ素セラミックスからなる被接合部材と、前記被接合部材間に設けられ、前記被接合部材間を接合する接合層とを備え、
    前記接合層は、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含有し、さらに酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化リチウム、酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化鉄及び酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含有するろう材からなり、レーザービームを照射して加熱されたことを特徴とする炭化ケイ素セラミックス接合体。
  2. 前記ろう材は、室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K以上5.5×10−6/K以下であり、融点が1200℃以上1600℃以下であり、かつ溶融した前記ろう材と炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度未満である請求項1に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  3. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を45〜87質量%、酸化アルミニウムを3〜40質量%、酸化マグネシウムを3〜35質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  4. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を40〜90質量%、酸化アルミニウムを5〜25質量%、酸化チタンを5〜40質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  5. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を15〜90質量%、酸化アルミニウムを5〜27質量%、酸化亜鉛を5〜75質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  6. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を67〜87質量%、酸化アルミニウムを3〜20質量%、酸化リチウムを10〜13質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  7. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を5〜90質量%、酸化アルミニウムを5〜42質量%、酸化ホウ素を15〜85質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  8. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を80〜94質量%、酸化アルミニウムを3〜10質量%、酸化ジルコニウムを3〜10質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  9. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を55〜90質量%、酸化アルミニウムを7〜20質量%、酸化イットリウムを3〜30質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  10. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を25〜80質量%、酸化アルミニウムを10〜35質量%、酸化鉄を10〜55質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  11. 前記ろう材は、二酸化ケイ素を85〜95質量%、酸化アルミニウムを3〜10質量%、酸化クロムを2〜5質量%含有する請求項1又は2に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  12. 前記被接合部材は、焼結炭化ケイ素、反応焼結炭化ケイ素又は炭化ケイ素をマトリックスとする複合材料からなる群から選ばれる請求項1乃至11のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  13. 前記被接合部材と前記接合層間に、ケイ素酸化物を主体とする酸化物層を有してなる
    請求項1乃至12のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  14. 前記接合層は、結晶相を含むか、又はその全体が結晶化されている請求項1乃至13のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  15. 前記接合層に含まれる気孔の気孔径が10μm未満である請求項1乃至14のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  16. 前記接合層の厚さは5μm以上90μm未満である請求項1乃至15のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体。
  17. 炭化ケイ素セラミックスからなる被接合部材間に、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含有し、さらに酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化リチウム、酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化鉄及び酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含有するろう材からなるろう材層を設け、レーザービームを照射して前記ろう材層を加熱することを特徴とする炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
  18. 複数の前記被接合部材の間に、前記ろう材又は前記ろう材を予めガラス化させたものを介設させて前記ろう材層を形成する工程と、
    前記ろう材層にレーザビームを照射して1200℃以上1700℃以下の温度で加熱し、前記ろう材を溶融させて前記被接合部材同士をろう付けし、前記被接合部材間に接合層を形成する工程と、を有する請求項17に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
  19. 前記ろう材として、室温以上1000℃以下の熱膨張係数が3.5×10−6/K以上5.5×10−6/K以下であり、融点が1200℃以上1600℃以下であり、かつ溶融状態での炭化ケイ素セラミックスとの接触角が60度未満であるろう材を使用する請求項17又は18に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
  20. 前記ろう材層に照射するレーザービームのビーム径は、8mm以上30mm以下とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
  21. 前記ろう材を介設する前の前記炭化ケイ素セラミックス部材の接合面に、10Å以上200nm以下の厚さの酸化物層を形成する工程を有する請求項17乃至20のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
  22. 前記ろう材層を加熱する工程では、1000℃以上1500℃以下の温度に昇温して一旦保持した後、1200℃以上1700℃以下の温度に昇温する請求項18乃至21のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
  23. 前記ろう材として、ガラス粉末と、有機溶媒及び/又は樹脂と混合してスラリー状、又はペースト状の混合物を調製した後、前記ろう材を、前記被接合部材の接合面に塗布し、この接合面同士を接合して前記ろう材を前記被接合部材で挟持する請求項18乃至22のいずれか1項に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
  24. 前記ろう材を挟持する前記被接合部材を固定した状態で、前記ろう材層を加熱して前記ろう材を溶融させた後、該ろう材を固化させる請求項23に記載の炭化ケイ素セラミックス接合体の製造方法。
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