以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
本実施形態では、液晶装置として、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<液晶装置の構成>
図1は、液晶装置の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10(第1基板)および対向基板20(第2基板)と、これら一対の基板10,20によって挟持された液晶層15とを有する。素子基板10を構成する基板としての第1基材10a、および対向基板20を構成する第2基材20aは、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板10,20は、対向基板20の外周に沿って配置されたシール材14を介して接合されている。平面視で環状に設けられたシール材14の内側で、素子基板10は対向基板20の間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層15を構成している。シール材14は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材14には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール材14の内縁より内側には、複数の画素Pが配列した表示領域Eが設けられている。表示領域Eの周囲には、表示に寄与しないダミー画素が配置されている。また、図1及び図2では図示を省略したが、表示領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光膜(ブラックマトリックス:BM)が対向基板20に設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材14と該1辺部との間に、データ線駆動回路22が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に、検査回路25が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に走査線駆動回路24が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部に沿ったシール材14と検査回路25との間には、2つの走査線駆動回路24を繋ぐ複数の配線29が設けられている。
対向基板20における環状に配置されたシール材14と表示領域Eとの間には、遮光膜18(見切り部)が設けられている。遮光膜18は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜18の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図1では図示を省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光膜が設けられている。
これらデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子61に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
図2に示すように、第1基材10aの液晶層15側には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極27およびスイッチング素子である薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor、以降、「TFT30」と呼称する)と、信号配線と、これらを覆う配向膜28とが形成されている。
また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。本発明における素子基板10は、少なくとも画素電極27、TFT30、配向膜28を含むものである。
対向基板20の液晶層15側の表面には、遮光膜18と、これを覆うように成膜された絶縁膜33と、絶縁膜33を覆うように設けられた共通電極としての対向電極31と、対向電極31を覆う配向膜32とが設けられている。本発明における対向基板20は、少なくとも絶縁膜33、対向電極31、配向膜32を含むものである。
遮光膜18は、図1に示すように、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路24、検査回路25と重なる位置に設けられている(図示簡略)。これにより対向基板20側からこれらの駆動回路を含む周辺回路に入射する光を遮蔽して、周辺回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
絶縁膜33は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜18を覆うように設けられている。このような絶縁膜33の形成方法としては、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、絶縁膜33を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部26により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極27を覆う配向膜28、および対向電極31を覆う配向膜32は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも大きいノーマリーホワイトや、電圧が印加されない時の画素Pの透過率が電圧印加時の透過率よりも小さいノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、共通電位配線としての容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極27と、TFT30と、容量素子16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30のデータ線側ソースドレイン領域(ソース領域)に電気的に接続されている。画素電極27は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域(ドレイン領域)に電気的に接続されている。
データ線6aは、データ線駆動回路22(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路22から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは、走査線駆動回路24(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路24から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路22からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路24は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングで供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極27に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極27を介して液晶層15に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極27と液晶層15を介して対向配置された対向電極31との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極27と対向電極31との間に形成される液晶容量と並列に容量素子16が接続されている。容量素子16は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域と容量線3bとの間に設けられている。
<液晶装置の構成>
図4は、液晶装置のうち主に画素の構造を示す模式断面図である。以下、液晶装置のうち画素の構造を、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、明示可能な尺度で表されている。
図4に示すように、液晶装置100は、素子基板10と、これに対向配置される対向基板20とを備えている。素子基板10を構成する第1基材10aは、上記したように、例えば、石英基板等によって構成されている。
図4に示すように、第1基材10a上には、例えば、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)等の材料を含む下側遮光膜3cが形成されている。下側遮光膜3cは、平面的に格子状にパターニングされており、各画素Pの開口領域を規定している。なお、下側遮光膜3cは、導電性を有し、走査線3aの一部として機能するようにしてもよい。第1基材10a及び下側遮光膜3c上には、シリコン酸化膜等からなる下地絶縁層11aが形成されている。
下地絶縁層11a上には、TFT30及び走査線3a等が形成されている。TFT30は、例えば、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ポリシリコン(高純度の多結晶シリコン)等からなる半導体層30aと、半導体層30a上に形成されたゲート絶縁層11gと、ゲート絶縁層11g上に形成されたポリシリコン膜等からなるゲート電極30gとを有する。走査線3aは、ゲート電極30gとしても機能する。
半導体層30aは、例えば、リン(P)イオン等のN型のイオン性不純物が注入されることにより、N型のTFT30として形成されている。具体的には、半導体層30aは、チャネル領域30cと、データ線側LDD領域30s1と、データ線側ソースドレイン領域30sと、画素電極側LDD領域30d1と、画素電極側ソースドレイン領域30dとを備えている。
チャネル領域30cには、ボロン(B)イオン等のP型のイオン性不純物がドープされている。その他の領域(30s1,30s,30d1,30d)には、リン(P)イオン等のN型のイオン性不純物がドープされている。このように、TFT30は、N型のTFTとして形成されている。
ゲート電極30g及びゲート絶縁層11g上には、シリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁層11bが形成されている。第1層間絶縁層11b上には、容量素子16が設けられている。具体的には、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d及び画素電極27に電気的に接続された画素電位側容量電極としての第1容量電極16aと、固定電位側容量電極としての容量線3b(第2容量電極16b)の一部とが、誘電体膜16cを介して対向配置されることにより、容量素子16が形成されている。
誘電体膜16cは、例えば、シリコン窒化膜である。第2容量電極16b(容量線3b)は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうち少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。或いは、Al(アルミニウム)膜から形成することも可能である。
第1容量電極16aは、例えば、導電性のポリシリコン膜からなり容量素子16の画素電位側容量電極として機能する。ただし、第1容量電極16aは、容量線3bと同様に、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。第1容量電極16aは、画素電位側容量電極としての機能のほか、コンタクトホールCNT1,CNT3,CNT4を介して、画素電極27とTFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)とを中継接続する機能を有する。
容量素子16上には、第2層間絶縁層11cを介してデータ線6aが形成されている。データ線6aは、ゲート絶縁層11g、第1層間絶縁層11b、誘電体膜16c、及び第2層間絶縁層11cに開孔されたコンタクトホールCNT2を介して、半導体層30aのデータ線側ソースドレイン領域30s(ソース領域)に電気的に接続されている。
データ線6aの上層には、第3層間絶縁層11dを介して画素電極27が形成されている。第3層間絶縁層11dは、例えば、シリコンの酸化物や窒化物からなり、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生じる表面の凸部を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chemical Mechanical Polishing:CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。第3層間絶縁層11dには、コンタクトホールCNT4が形成されている。
画素電極27は、コンタクトホールCNT4,CNT3を介して第1容量電極16aに接続されることにより、半導体層30aの画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)に電気的に接続されている。なお、画素電極27は、例えば、ITO膜等の透明導電性膜から形成されている。
画素電極27及び隣り合う画素電極27間の第3層間絶縁層11d上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜28が設けられている。配向膜28上には、シール材14(図1及び図2参照)により囲まれた空間に液晶等が封入された液晶層15が設けられている。
一方、第2基材20a上(液晶層15側)には、酸化シリコン(例えば、PSG膜(リンをドーピングしたシリコン酸化膜))などからなる絶縁膜33が設けられている。絶縁膜33上には、その全面に渡って対向電極31が設けられている。対向電極31上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜32が設けられている。対向電極31は、上述の画素電極27と同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。
液晶層15は、画素電極27と対向電極31との間で電界が生じていない状態で配向膜28,32によって所定の配向状態をとる。シール材14は、素子基板10及び対向基板20を貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、素子基板10と対向基板20の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサーが混入されている。なお、素子基板10側に形成された第1周辺電極41及び対向基板20側に形成された第2周辺電極42についての説明は後述する。
<周辺電極の構成>
図5は、液晶装置のうち主に周辺電極の構成を示す模式平面図である。図6は、図5に示す液晶装置のA−A’線に沿う模式断面図である。以下、周辺電極の構成について、図5及び図6を参照しながら説明する。
図5及び図6に示すように、液晶装置100を構成する素子基板10に第1周辺電極41(第1電極)が設けられ、対向基板20に第2周辺電極42(第2電極)が設けられている。第2周辺電極42は、例えば、対向電極31と同じ電位になるように電気的に接続されている。なお、第2周辺電極42に対向電極31と同じ電位が印加されればよく、第2周辺電極42と対向電極31とが接続されていなくてもよい。第1周辺電極41及び第2周辺電極42は、周辺領域71に設けられ、平面視で表示領域Eを囲むように設けられている。
第1周辺電極41は、第1基材10a上における、例えば、画素電極27と同層に設けられており、ITO膜で形成されている。素子基板10の表面(画素電極27及び第1周辺電極41の表面など)には、無機材料からなる配向膜28(図示せず)が設けられている。配向膜28は、複数の柱状構造物(図示せず)が素子基板10の法線方向に対して所定の方向に傾斜していると共に、間隔を空けて並んでいる。
一方、対向基板20は、第2基材20aの液晶層15側に絶縁膜33が設けられている。なお、第2基材20aと絶縁膜33との間に、遮光膜18を配置する構成であってもよい。遮光膜18は、図5に示すように、平面視で表示領域Eの外側に配置されている。
絶縁膜33における第1周辺電極41と対向する位置には、凸部42aが設けられている。そのため、凸部42aは、酸化シリコンなどの絶縁膜から形成されている。対向基板20の液晶層15側の表面には、絶縁膜33を覆うように設けられた対向電極31と、対向電極31を覆う配向膜32(図示せず)とが設けられている。
配向膜32は、配向膜28と同様に、複数の柱状構造物(図示せず)が対向基板20の法線方向に対して所定の方向に傾斜していると共に、略所定の間隔を空けて並んでいる。本発明における対向基板20は、少なくとも凸部42a、対向電極31、配向膜32を含むものである。
このように液晶装置100によれば、画素電極27の表面から対向電極31の表面までの距離L1に比べて、第1周辺電極41の表面から第2周辺電極42の表面までの距離L2を短くすることが可能となり、第1周辺電極41と第2周辺電極42との間の電界を、画素電極27と対向電極31との間の電界と比較して大きくすることができる。ただし、第1周辺電極41と第2周辺電極42は接触しないようにする。
また、本実施形態では、第1周辺電極41の表面の幅W1と、第2周辺電極42の表面の幅W2とは、略同じに形成されている。これにより、第1周辺電極41と第2周辺電極42との間で、方線方向に対し斜めの電界がかかる(液晶の配向に影響を与える)ことを抑えることが可能となり、表示に影響(光抜けなど)を与えることを抑えることができる。
略同じ幅の定義としては、第1周辺電極41の幅W1は、第2周辺電極42の凸部42aの幅ではなく、凸部42aを覆う対向電極31の幅W2と同じであるものとする。
例えば、第1周辺電極41に第1定電位が印加され、第2周辺電極42には第1定電位(第1電位)と異なる第2定電位(第2電位)が印加される。これにより、第1周辺電極41と第2周辺電極42との間で電界が生じ、帯電したイオン性不純物44を引き寄せることができる。すなわち、イオン性不純物44のうち、正極性に帯電したイオン性不純物44は、第1周辺電極41と第2周辺電極42のうち、低電位の電極側に引き寄せられ、負極性に帯電したイオン性不純物44は、第1周辺電極41と第2周辺電極42のうち、高電位の電極側に引き寄せられる。例えば、第1周辺電極41の表面と第2周辺電極42の表面との距離が2μmの場合、電位差が5Vとなるように設定されている。
<液晶装置の製造方法>
図7は、液晶装置の製造方法を工程順に示すフローチャートである。図8は、液晶装置の製造方法のうち主に対向基板の製造方法を示す模式断面図である。以下、液晶装置の製造方法を、図7及び図8を参照しながら説明する。
最初に、素子基板10側の製造方法を説明する。まず、ステップS11では、石英基板などからなる第1基材10a上にTFT30を形成する。具体的には、まず、第1基材10a上に、アルミニウムなどからなる下側遮光膜3c(走査線)を成膜する。その後、周知の成膜技術を用いて、シリコン酸化膜などからなる下地絶縁層11aを成膜する。
次に、下地絶縁層11a上に、TFT30を形成する。具体的には、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術、及びエッチング技術を用いて、TFT30を形成する。
ステップS12では、画素電極27、及び第1周辺電極41を形成する。製造方法としては、上記と同様に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術、及びエッチング技術を用いて、画素電極27及び第1周辺電極41を同層に形成する。これにより、表示領域Eの周囲に、画素電極27と同じ厚みの第1周辺電極41が形成される。
ステップS13では、配向膜28を形成する。具体的には、画素電極27、第1周辺電極41、及び第1基材10a上の全体に、斜方蒸着法を用いて配向膜28を形成する。
次に、対向基板20側の製造方法を説明する。まず、ステップS21では、凸部42aを形成する。具体的には、まず、図8(a)に示すように、ガラス基板等の透光性材料からなる第2基材20a上に、周知の成膜技術を用いて、シリコン酸化膜などからなる絶縁膜33を成膜する。
次に、絶縁膜33上における、平面視で、貼り合せたときに第1周辺電極41と重なる領域にレジストパターン46を形成する。具体的には、まず、絶縁膜33上にレジスト膜を成膜する。その後、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターン46を形成する。
図8(b)に示す工程では、絶縁膜33に凸部42aを形成する。具体的には、レジストパターン46をマスクとしてエッチングを行う。なお、レジストパターン46と絶縁膜33とを、所定の位置までエッチング(エッチバック)することにより、テーパー状のレジストパターン46の形状を絶縁膜33に転写することができる。また、例えば、レジストパターン46はエッチングにより無くなるため除去する必要がない。
なお、凸部42aの側壁をテーパーに形成する方法として、例えば、レジストパターン46を硬化させるためにベークする。この際、ベークする条件(温度や時間など)を変更することでレジストパターン46にもテーパーが形成され、これをエッチングすることにより、凸部41aの側壁をテーパーにすることができる。
ステップS22では、図8(c)に示すように、絶縁膜33の上に対向電極31を形成する。具体的には、例えば、CVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)を用いて成膜する。これにより、絶縁膜33の凸部42aの起伏に倣って、対向電極31及び第2周辺電極42が形成される。このときの第2周辺電極42の幅W2は、第1周辺電極41の幅W1と略同じ幅になる。なお、テーパー形状までを第2周辺電極42とし、第2周辺電極42以外を対向電極31とする。
ステップS23では、対向電極31上に配向膜32を成膜する。配向膜32の製造方法は、例えば、素子基板10側の配向膜28と同様に、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着する斜方蒸着法が用いられる。以上により、対向基板20が完成する。次に、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる方法を説明する。
ステップS31では、素子基板10上にシール材14を塗布する。シール材14としては、例えば、紫外線硬化型エポキシ樹脂が挙げられる。なお、紫外線などの光硬化型樹脂に限定されず、熱硬化型樹脂などを用いるようにしてもよい。また、シール材14には、例えば、素子基板10と対向基板20との間隔を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が含まれている。
ステップS32では、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。具体的には、素子基板10に、塗布されたシール材14を介して素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。
ステップS33では、液晶注入口から構造体の内部に液晶を注入し、その後、液晶注入口を封止材で封止する。以上により、液晶装置100が完成する。
<電子機器の構成>
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図9を参照しながら説明する。図9は、上記した液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図9に示すように、本実施形態の投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。
このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230を用いているので、高い信頼性を得ることができる。
なお、液晶装置100が搭載される電子機器としては、投射型表示装置1000の他、ヘッドアップディスプレイ、スマートフォン、EVF(Electrical View Finder)、モバイルミニプロジェクター、携帯電話、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、露光装置や照明機器など各種電子機器に用いることができる。
以上詳述したように、本実施形態の液晶装置100、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態の液晶装置100によれば、第1周辺電極41と第2周辺電極42との距離を、画素電極27と対向電極31との距離よりも短くするので、第1周辺電極41と第2周辺電極42との間の電界を強くすることが可能となり、イオン性不純物44を引き寄せて、この周辺電極41,42間で捕獲することができる。
(2)本実施形態の液晶装置100によれば、対向基板20側の第2周辺電極42を、対向電極31の表面より突出するように形成するので、TFT30など構成要素の多い素子基板10側を突出させる場合と比較して、凸部42aの上面に段差が形成されにくい。第1周辺電極41の上面に段差が生じた場合、上面にテーパーが形成され、テーパー状の部分で、対向電極31と凸部42aや対向電極31の表面で反射した光が斜め光になって乱反射が発生する場合がある。
(3)本実施形態の液晶装置100によれば、平面視で遮光膜18と第1周辺電極41及び第2周辺電極42とが重なっているので、遮光膜18を重ならない位置に配置する場合と比較して、狭額縁にすることができる。また、第1周辺電極41及び第2周辺電極42と平面視で重なるように遮光膜18が設けられているので、遮光膜18の端部と重なった場合のように、各周辺電極41,42の表面に段差が生じることを抑えることができる。よって、段差の部分で乱反射が生じ表示領域Eに影響を与えることを抑えることができる。
(4)本実施形態の電子機器によれば、上記した液晶装置100を備えているので、表示品質の高い電子機器を提供することができる。
なお、本発明の態様は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の態様の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記した実施形態のように、対向基板20側のみ対向電極31の表面より突出する凸部42aを設けることに限定されず、素子基板10側も画素電極27の下面より突出する凸部41aを設けるようにしてもよい。
図10は、変形例の液晶装置300の構造を示す模式断面図である。図10に示すように、第1周辺電極41は、画素電極27の下面より突出する凸部41aを備えている。更に、第2周辺電極42は、対向電極の表面より突出する凸部42aを備えている。なお、第1周辺電極41と第2周辺電極42とが接触しないように、凸部41a及び凸部42aを形成する。
図11及び図12は、凸部41aを有する第1周辺電極41の製造方法を示す模式断面図である。図11(a)に示す工程では、凸部41aを形成するための、絶縁層を形成する。まず、ゲート絶縁層11g上に配線81を形成する。次に、第1層間絶縁層11b、誘電体膜16c、第2層間絶縁層11cを貫通するコンタクトホールを形成し、コンタクトホールの中に導電膜を埋めると共に、第2層間絶縁層11c上に中継電極82をパターニングする。その後、第3層間絶縁層11d及び絶縁層11eを成膜する。
図11(b)に示す工程では、絶縁層11e上にレジストパターン83を形成する。まず、絶縁層11e上にレジスト膜を成膜する。次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストパターン83を形成する。
図11(c)に示す工程では、絶縁層11eに凸部41aを形成する。凸部41aの製造方法としては、例えば、レジストパターン83をマスクとしてエッチングを行う。具体的には、レジストパターン83と共に絶縁層11eをエッチング(エッチバック)して、レジストパターン83の形状を転写する。これにより、図12(d)に示すような、凸部41aが完成する。
なお、凸部41aの側壁をテーパーに形成する方法として、例えば、上記したように、レジストパターン83を硬化させるためにベークする。この際、ベークする条件(温度や時間など)を変更することでレジストパターン83にもテーパーが形成され、これをエッチングすることにより、凸部41aの側壁をテーパーにすることができる。
図12(e)に示す工程では、コンタクトホールCNT84を形成する。具体的には、絶縁層11e及び第3層間絶縁層11dを貫通するコンタクトホールCNT84を形成する。
図12(f)に示す工程では、第1周辺電極41を完成させる。まず、コンタクトホールCNT84の中に導電膜を埋め込むと共に、絶縁層11e上に導電膜を成膜する。その後、絶縁層11e上の導電膜をパターニングして電極41bを形成する。以上により、凸部41aを有する第1周辺電極41が形成される。第2周辺電極42は、上記実施形態と同様にして形成する。
これによれば、素子基板10側と対向基板20側との両方に凸部41a,42aを設け、第1周辺電極41と第2周辺電極42との距離が近くなるので、これら周辺電極41,42間の電界を強くすることが可能となる。よって、イオン性不純物44をより捕獲しやすくすることができる。
また、コンタクトホールCNT84を凸部41aではない領域に形成するので、コンタクトホールCNT84を深くする必要がなく、凸部41a全体でイオントラップをすることが可能となるので、トラップ効率を向上させることができる。
(変形例2)
上記した実施形態のように、対向基板20側に対向電極31の表面より突出する凸部42aを設けることに限定されず、例えば、対向基板20側の第2周辺電極42(対向電極31)は対向電極31の表面と同じ高さにして、素子基板10側のみ、画素電極27の下面より突出する第1周辺電極41を設けるようにしてもよい。これによれば、対向基板20側は、対向電極31を第2基材20a上の全面に形成することで対応することができる。よって、製造工程を簡略化することができる。
(変形例3)
上記したように、第1周辺電極41を覆うように配向膜28、及び第2周辺電極42を覆うように配向膜32を設けることに限定されず、例えば、図13に示すようにしてもよい。図13は、変形例の液晶装置の構造を示す模式断面図である。図14は、変形例の液晶装置の製造方法のうち一部の製造方法を示す模式断面図である。図15は、図14(c)に示す素子基板10のB部を拡大して示す模式断面図である。
図13に示すように、変形例の液晶装置200は、上述の実施形態の液晶装置100と比べて、第1周辺電極41及び第2周辺電極42上に吸着膜28b,32b(配向膜)を設けている部分が異なり、その他の構造については概ね同様である。
変形例の液晶装置200は、第1周辺電極41、及び第2周辺電極42の上に、無機材料からなる吸着膜28b,32bが設けられている。具体的には、素子基板10の表面全体に、配向膜28a(28a1)が設けられている。配向膜28aは、複数の柱状構造物28a1が素子基板10の法線方向に対して所定の方向に傾斜していると共に、略所定の間隔を空けて並んでいる。そして、第1周辺電極41上の配向膜28aの上には、更に、配向膜28aの配向方向と異なる配向方向の配向膜28bが設けられている。
つまり、第1周辺電極41上には、柱状構造物28a1を有する配向膜28aと、柱状構造物28b1を有する配向膜28bとが二重に設けられている。これにより、最表面の配向膜28bの柱状構造物28b1の間隔が、他の領域の柱状構造物28a1の間隔と比較して広くなっている。
また、第2周辺電極42上にも、同様の吸着膜32b(配向膜)が設けられている。具体的には、第2周辺電極42上に、配向膜32aと、配向膜32aの配向方向と異なる配向方向の配向膜32bとが二重に設けられている。これにより、最表面の配向膜32bの柱状構造物32b1の間隔が、他の領域の柱状構造物32a1の間隔と比較して広くなっている。
よって、液晶注入時に液晶に含まれていたり、注入後にシール材14などから液晶に溶出されたりしたイオン性不純物44を、第1周辺電極41と第2周辺電極42との間に吸着させることができる。
なお、第1周辺電極41と第2周辺電極42とに異なる電位を印加することにより、周辺電極41,42間に電界を生じさせることが可能となり、帯電したイオン性不純物44を吸着させることができる。
<液晶装置の製造方法>
次に、変形例の液晶装置の製造方法のうち一部の製造方法を説明する。図14(a)に示す工程では、素子基板10上の全体に配向膜28aを形成する。具体的には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着法を用いて形成する。雰囲気圧力は、例えば、5×10-3Pa程度である。
図14(b)に示す工程では、配向膜28aが成膜された第1基材10aを、蒸着源に対して水平方向に180°回転する。つまり、配向膜28aの柱状構造物28a1の延在方向と、次の工程で蒸着する配向膜28bの蒸着方向とを逆方向にする。その後、少なくとも画素電極27上を覆い、少なくとも第1周辺電極41上に開口部を有するマスク45を配置する。
図14(c)に示す工程では、マスク45を配置した表示領域Eを除く周辺領域71に、配向膜28bを成膜する。つまり、第1周辺電極41を含む周辺領域71は、配向膜28a上に配向膜28bが成膜される。
具体的には、配向膜28aを斜方蒸着したときの雰囲気圧力より高い雰囲気圧力を加えて、すなわち配向膜28aを斜方蒸着したときより低い真空度で斜方蒸着する。雰囲気圧力としては、例えば、3×10-2Pa程度である。
更に、配向膜28aの蒸着方向と異なる方向から配向膜28bを蒸着させる。蒸着方向を変えることにより、柱状構造物28a1,28b1の傾斜方向が変わる。柱状構造物28a1と異なる方向に柱状構造物28b1を傾斜させることにより、図15に示すように、柱状構造物28b1の隙間が広くなる。
このように、成膜条件を異ならせることにより、表示領域Eの配向膜28aを構成する柱状構造物28a1の間隔と比較して、周辺領域71の配向膜28bを構成する柱状構造物28b1の間隔を広くする(疎の状態にする)ことができる。
柱状構造物28a1の間隔は、例えば、1nmである。柱状構造物28b1の間隔は、例えば、2〜3nmで、柱状構造物28a1の間隔の2倍から3倍である。柱状構造物28a1,28b1の幅は、例えば、14nmである。柱状構造物28a1,28b1の長さは、例えば、75nmである。このように、雰囲気圧力を変えることにより、柱状構造物28a1,28b1の間隔を変えることができる。
図15に示すように、第1周辺電極41や画素電極27上を含む第1基材10a上の全体に、配向膜28aが形成されている。また、少なくとも第1周辺電極41上に配向膜28bが形成されている。
具体的には、配向膜28aの蒸着方向(傾斜方向)と配向膜28bの蒸着方向(傾斜方向)とが異なっている。また、図15に示すように、配向膜28bの柱状構造物28b1の間隔は、配向膜28aの柱状構造物28a1の間隔と比較して広くなっている。このようにすることで、画素電極27の周囲(特に、第1周辺電極41上)において、帯電したイオン性不純物44を捕獲することができる。
更に、第1周辺電極41への電圧の印加中はもちろん、電圧の印加を停止した場合でも、複数の柱状構造物28b1の間に存在する隙間によって、帯電したイオン性不純物44をトラップする(言い換えれば、柱状構造物28b1の周囲に帯電した不純物を捕獲する)ことが可能となり、表示領域Eに再拡散することを抑えることができる。以上により、素子基板10側が完成する。
次に、対向基板20側の製造方法を説明する。まず、ガラス基板等の透光性材料からなる第2基材20a上に、周知の成膜技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、第2周辺電極42を有する対向電極31を形成する。
次に、対向電極31上に配向膜32a及び配向膜32bを形成する。配向膜32a及び配向膜32bの製造方法は、例えば、素子基板10側の配向膜28a及び配向膜28bと同様の方法を用いて形成する。なお、対向基板20側は、配向膜32aのみ形成するようにしてもよい。以上により、対向基板20側が完成する。その後は、上記実施形態と同様に、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせて完成させる。
この液晶装置200によれば、第1周辺電極41及び第2周辺電極42の少なくとも上面に吸着膜28b,32bを形成するので、第1周辺電極41上の柱状構造物28b1の間隔を、画素電極27上の柱状構造物28a1の間隔と比べて広くすることが可能となる。よって、注入時から液晶に含まれていたり、注入後にシール材14などから液晶に溶出されたりする帯電したイオン性不純物44を、周辺電極41,42上の吸着膜28b,32b(柱状構造物28b1,32b1)で捕獲(トラップ)することができる。
(変形例4)
上記したように、対向基板20に設けられた遮光膜18と平面視で重なるように第1周辺電極41及び第2周辺電極42を配置することに限定されず、例えば、遮光膜18より外側(シール材14側)に第1周辺電極41及び第2周辺電極42を配置するようにしてもよい。
これによれば、遮光膜18より外側に第1周辺電極41及び第2周辺電極42を設けるので、第1周辺電極41と第2周辺電極42との位置が平面視でずれ、電界が斜めにかかった場合などのように、配向不良が表示領域Eに現れることを抑えることができる。また、遮光膜18の厚みに起因して凸部の上面に段差が生じた場合のように、乱反射が生じることを抑えることができる。
(変形例5)
上記したように、第1周辺電極41の上面の幅と、第2周辺電極42との上面の幅とを同じにすることに限定されず、例えば、第2周辺電極42の方が広くなるようにしてもよい。また、表示領域Eに配向不良の影響が現れにくいようであれば、第1周辺電極41の方が広くなるようにしてもよい。
(変形例6)
上記したように、素子基板10側は、新たに第1周辺電極41を形成することに限定されず、例えば、表示領域Eの周囲に配置されたダミー画素電極を用いるようにしてもよい。対向基板20側は、例えば、上記実施形態と同様に形成する。これによれば、従来の構成にあるダミー画素電極を第1周辺電極41として適用することができ、新たにプロセス工程を増やすことなく対応できる。
(変形例7)
上記したように、第1周辺電極41の幅、及び第2周辺電極42の幅を、表示領域Eの周囲に亘って同じ幅で設けられていることに限定されず、例えば、液晶注入口のある側の端面に沿って、他の領域と比較して幅が広くなるように配置してもよい。これによれば、液晶注入口の封止材側の第1周辺電極41及び第2周辺電極42の幅を太くするので、液晶注入時に混入したイオン性不純物44や封止材から溶出したイオン性不純物44を、効率よく引き寄せ、吸着させることができる。
(変形例8)
上記したように、第1周辺電極41の幅W1と第2周辺電極42の幅W2とを略等しくすることに限定されず、第1周辺電極41と第2周辺電極42との間で斜めの電界がかからないようにすればよく、絶縁膜33からなる凸部42aのみが、平面視で表示領域E側にずれて配置されていてもよい。
(変形例9)
上記したように、第1周辺電極41と第2周辺電極42とを近づけるために、凸部41a,42aを絶縁膜33や絶縁層11eに形成することに限定されず、第1基材10aや第2基材20aに凸部を形成し、その凸部に倣って各周辺電極41,42を形成するようにしてもよい。
(変形例10)
上記したように、透過型の液晶装置100であることに限定されず、例えば、反射型の液晶装置に本発明を適用するようにしてもよい。