JP6205751B2 - 高拡散反射性耐汚染性釉薬層を形成可能な釉薬組成物およびそれにより形成された釉薬層を有する部材 - Google Patents

高拡散反射性耐汚染性釉薬層を形成可能な釉薬組成物およびそれにより形成された釉薬層を有する部材 Download PDF

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Description

本発明は、釉薬組成物に関し、詳しくは耐熱基材、例えば建物の壁材の表面に釉薬層を形成するための釉薬組成物およびそれにより形成された釉薬層を有する建材に関する。
可視光を拡散・反射させて、その表面および周囲を明るく見せる部材、とりわけ建材は、例えばそれを室内で用いると、少ない照明であっても室内を明るく感じさせることができる。その結果、照明エネルギーのコスト削減が可能となる。さらに、建材は汚れが容易に除去出来るものであることが好ましい。光を広角に反射させる手段として表面を凹凸形状とすることが考えられるが、この表面の凹凸は汚れの観点からは一般的に好ましい形状ではない。
特開2011−226156号公報(特許文献1)は、室内の光の拡散を補助し、より少ない照明数で照度を維持または上昇させることができるタイルを開示している。ここでは、αアルミナを多く含む白色度の高い素地により、可視光の反射率が70%以上となるとされている。また、特開2010−255188号公報(特許文献2)には、タイル基材表面に複数の凹凸部を形成し、さらに白色釉が施された光広角反射タイルが記載されている。いずれも基材表面の組成または形状に関する提案である。
一方で、釉薬層の白色度を高めるため、珪酸ジルコニウム等の粒子を添加することは知られている。粒子が可視光を吸収しないので白色度が高くなる。
特開2011−226156号公報 特開2010−255188号公報
本発明者らは、今般、ジルコニウム元素を含有するフリットと、珪酸ジルコニウム粒子とを含む釉薬組成物において、ジルコニウム元素量および珪酸ジルコニウム粒子の粒子径を特定範囲に置くことで、高拡散反射性に優れ、さらに耐汚染性を備えた釉薬層が実現できることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
従って、本発明は高拡散反射性に優れ、さらに耐汚染性を備えた釉薬層が実現できる釉薬組成物の提供をその目的としている。
さらに本発明は、本発明による釉薬組成物により得られた釉薬層を有する部材の提供をその目的としている。
そして、本発明による釉薬組成物は、ジルコニウム元素を含有するフリットと、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなる釉薬組成物であって、前記フリットにおける前記ジルコニウム元素の量が、ZrO換算で1.0質量%以上15質量%以下であり、前記珪酸ジルコニウム粒子の平均粒子径が、0.4μm以上5μm以下であることを特徴とするものである。
また本発明による部材は、基材の少なくとも一つの面に釉薬層が形成されてなる部材であって、前記釉薬層が、ガラス質成分と、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなり、前記珪酸ジルコニウム粒子が、粒子径が0.3μm以下の粒子と、粒子径が0.3μmを超える粒子であって、その平均粒子径が0.4μm以上5μm以下の範囲にある粒子とからなることを特徴とするものである。
本発明によれば、高拡散反射性に優れ、さらに耐汚染性を備えた釉薬層を形成可能な釉薬組成物が提供される。
定義
本明細書において、「粒子の平均粒子径」とは、走査型電子顕微鏡により倍率5000倍で粒子50個を観察し、円形近似にて求めた直径の、個数基準でのメジアン径(すなわち、累積分布における50%の径:D50)である。釉薬組成物における粒子径は、組成物の乾燥物を上記条件で求めた値であり、釉薬層における粒子径は、その破断面において観察される粒子を上記条件で求めた値である。
釉薬組成物
本発明による釉薬組成物は、ジルコニウム元素を含有するフリットと、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなる。
本発明においてフリットは、ジルコニウム元素をZrO換算で1.0質量%以上15質量%以下含んでなるものであり、好ましくは1.2質量%以上10質量%以下含んでなるものである。本発明の好ましい態様によれば、フリットはジルコン乳濁フリットである。本発明において、上記量のジルコニウムを含むフリットは焼成すると、ガラス質のマトリックス中に珪酸ジルコニウムの微結晶を析出させる。本発明の好ましい態様によれば、この微結晶の粒径は0μmを超え0.3μm以下である。
本発明において、珪酸ジルコニウム粒子は、0.4μm以上5μm以下の平均粒子径の粒子である。好ましくは、平均粒子径は0.4μm以上、2.0μm以下である。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.4μm以上1.0μmである。
本発明の好ましい態様によれば、フリットにおけるジルコニウム元素の量は、釉薬組成物の固形分に対してZrO換算で1質量%以上7質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以上5質量%以下である。
本発明の好ましい態様によれば、珪酸ジルコニウム粒子の量は、釉薬組成物の固形分に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上20質量%以下である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による釉薬組成物は、平均粒子径が1μm以上10μm以下である、アルミナ、珪砂、タルク、および水酸化アルミニウムより選択される成分からなる無機粒子の少なくとも一種をさらに含んでなる。これら無機粒子の添加により、釉薬層表面の光沢を抑えることができるとの効果が得られ、これにより質感において多様な外観が実現できる。とりわけ、アルミナは屈折率が比較的高いので、この効果が顕著である。
本発明による釉薬組成物は、粉体か、または水で分散させたスラリーの形態である。スラリー形態の釉薬組成物は、珪酸ジルコニウム粒子およびフリット、さらに場合により無機粒子を混合後、水を添加しミルで粉砕してスラリーを作製することができる。粉体の釉薬組成物は、スラリーをスプレードライ等で顆粒化して作製することができる。
本発明の好ましい態様によれば、形成される釉薬層において、Fe元素の含有量が、Fe換算で0を超え0.1質量%以下となるような釉薬組成物とすることが好ましい。鉄の含有量をこのような低い値とすることで、鉄元素による可視光の吸収がなくなり、より高い拡散反射が実現できるからである。
釉薬層
本発明による釉薬組成物により形成される釉薬層は、その焼成の結果、ガラス質成分と、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなり、珪酸ジルコニウム粒子が、粒子径が0.3μm以下の粒子と、粒子径が0.3μmを超える粒子であって、その平均粒子径が0.4μm以上5μm以下の範囲にある粒子とからなることを特徴とする。
本発明において、上記したように、ジルコニウムを含むフリットは焼成すると、ガラス質のマトリックス中に珪酸ジルコニウムの微結晶、好ましくは0.3μm以下の粒径の微結晶を析出する。この析出した微結晶が、本発明による組成物により形成された釉薬層中の粒子径が0.3μm以下の珪酸ジルコニウム粒子となる。
本発明による釉薬組成物により形成される釉薬層は、拡散反射性に優れ、さらに耐汚染性を備える。これらの好ましい性質が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。本発明による釉薬組成物により形成される釉薬層には、釉薬組成物に添加された珪酸ジルコニウム粒子に加え、焼成時にジルコニウムを含むフリットから析出した珪酸ジルコニウム粒子が存在する。後者は前者に比較し粒子径が小さい。その結果、比較的大きな粒子と小さな粒子とが釉薬層中には存在することになり、効率よく広い波長範囲において光を広角に拡散させることが出来ると考えられる。つまり、光の拡散にあたり、釉薬層の深さ方向の構成を利用している。具体的には、可視光が層の内部に入射することで、粒子径の違いに応じて異なる反射、散乱が生じ、これにより高拡散反射性が得られているものと考えられる。一般的に粒子を添加することで光の拡散反射を行おうとすると、その粒子が釉薬層表面において凹凸を形成し、汚れがこの凹凸部分に溜まることから、防汚の点からは不利になることがある。本発明にあっては、形成される釉薬層の表面はガラス質であり、その内部に上記の二種の粒子径の粒子が存在する。このような存在形態は、釉薬組成物に添加される珪酸ジルコニウム粒子の粒径と、フリット中のジルコニウム含有量を制御することにより実現されたものと考えられる。ガラス質の表面は平滑であり、汚れが付き難く、また一旦汚れが付いたとしても容易に除去可能となる。
釉薬層を有する部材
本発明によれば、上記の釉薬組成物により形成された釉薬層を有する部材が提供される。本発明による釉薬組成物はその製膜性において一般的な釉薬組成物と異なるところがなく良好であり、従って、この部材における釉薬層の形成は、釉薬組成物から釉薬層を形成する一般的な手法、方法により行われて良い。従って、本発明による釉薬組成物を基材に適用し、適宜乾燥後、焼成することにより、釉薬層を有する部材が得られる。釉薬組成物の適用は、粉体を積層する方法、スラリーをコートする方法等によりおこなわれてよい。また、焼成温度は、好ましくは1000℃以上1300℃以下で行われることが好ましく、焼成後自然冷却または徐冷される。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の釉薬組成物とは異なる釉薬組成物を基材に適用して釉薬層を形成した表面に、本発明の組成物により形成された釉薬層が設けられた二層とすることが好ましい。一層目の釉薬層を形成する第一の釉薬組成物は特に限定されないが、高拡散反射性をより高めるため、無機粒子及び/又は珪酸ジルコニウム粒子を含み、かつ、白色である層が好ましい。第一の釉薬組成物の好ましい態様としては、フリット、陶石、滑石、カオリン、長石などを複数組み合わせて、さらに、無機粒子、珪酸ジルコニウム粒子、及び/又は乳濁剤を加えた釉薬組成物により形成された釉薬層が挙げられる。他の好ましい態様としては、本発明による釉薬組成物を二層に形成することが挙げられる。
上記の釉薬層が二層とされた態様において、釉薬層の膜厚は適宜決定されてよいが、好ましくは、第一層および第二層ともに、0.2mm以上0.8mm以下の範囲にあることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、本発明による釉薬組成物により形成された釉薬層上に、さらに光触媒層を形成しても良い。これにより、部材に有害物質分解性、抗菌性、または親水性を付与することができる。光触媒層は、拡散反射性を低下させないように透明であるか、厚さを100nm以下とするか、島状に点在させることが好ましい。
また、本発明による釉薬組成物により形成された釉薬層上に、拡散反射性を損ねない範囲でさらに他の釉薬層を設けてもよい。前記他の釉薬層は全面または部分的に形成されて良い。前記他の釉薬層により、拡散反射特性を保ったまま他の性質、例えば防汚性を向上させたり、意匠に変化をつけたりすることができる。前記他の釉薬層は実質的に透明であることが好ましい。またマット釉であることが好ましい。
本発明による釉薬組成物が適用される基材は、焼成に耐えうるものであれば、その形状、材質等は限定されない。例えば、平板、曲板、中空体の基材に適用することができる。また、基材には、その光拡散性を高めるための凹凸模様を付与しても良い。例えば、凹凸模様は、凸部の高さが0.1〜3mm、凸部が規則的に配列しても不規則的に配列してもよい。
基材の具体例としては、建材、とりわけ内装建材が挙げられる。本発明によれば、光の高拡散反射性に優れることから、少ない照明数や弱い光であっても、また窓から導入される光を高度に拡散反射させるので、室内または構内を明るくでき、省エネルギーに寄与する。さらに、具体的な建材として、内装壁、内装床、トンネル内装、建築物の構内建材が挙げられる。
本発明による部材は、間接照明や半間接照明の反射材として好適に利用できる。本発明の部材を反射材として利用することにより、照明の光が空間に広く行き渡り、明るい空間を提供できる。また、本発明の部材は高い拡散反射性と耐汚染性を備えているので、居住空間や水まわりに好適に利用することができる。例えば、化粧室に本発明の部材を用いることによって、利用者の手元や顔に影ができ難くなる。例えば、居住空間に本発明の部材を用いることによって、均一な柔らかい質感の光を演出させることができる。
本発明を以下の実施例による更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
評価方法
後記する方法により製造された部材の評価は、以下の通りに行った。
色差
JIS−Z−8722「色の測定方法 反射および透過物体色」に準じて行った。測定装置として、日本電色工業株式会社製SE6000を用いた。測定条件は、光源D65、測色径8mm、積分球φ52mmとし、XYZ表色系からL、a、bを算出した。一つの部材につき2点で測定し、その平均値を評価結果とした。
光沢度
JIS−Z−8741「鏡面光沢度 測定方法」に準じて行った。測定装置として、日本電色工業株式会社製PG−1Mを用いた。測定角は60°として、一つの部材につき2点で測定し、その平均値を評価結果とした。
可視光反射率
JIS−Z−8722「色の測定方法 反射および透過物体色」に準じて行った。測定装置として、日本電色工業株式会社製SE6000を用いた。測定条件は、光源D65、測色径8mm、積分球φ52mmとし、400nm〜700nmの波長領域の反射率を測定した。、一つの部材につき2点で測定し、その平均値を評価結果とした。
外観
目視で表面に写る写像を3段階で評価した。
「マット」:物の映り込みを認識できない。
「セミマット」:物が映りこんでいることが認識できる。
「ブライト」:映りこんだ物の形状がはっきり認識できる。
耐汚染性
部材表面に、黒色油性インキのフェルトペンで線を引き、室温下10分放置した。その後、水を湿らし固く絞った雑巾で表面を擦った。汚れが完全に除去でき、目視で残留物が確認できない状態を○、汚れは多少除去できるものの目視で残留物が確認できるものを△、汚れが全く除去できないものを×と評価した。
例1〜9
基材の調製
珪灰石50質量%、粘土40質量%、および滑石10質量%の乾燥粉末を混合した後、水を添加して可塑性の坏土を調製した。この坏土を押出成形機を用いて成形し、圧延して、幅600mm、長さ900mm、厚さ4mmの素地平板を作製した。素地平板を乾燥後、ローラーハースキルンにて最高温度1150℃で焼成した。
第一の釉薬組成物の調整
長石40質量部、カオリン15質量部、珪酸ジルコニウム粒子15質量部、および酸化ジルコニウム粒子が混合されたフリット30質量部を、水40質量部と混合し、ミルで20分間粉砕して、スラリー状の第一の釉薬組成物を調製した。ここで用いた、珪酸ジルコニウム粒子の平均粒子径は0.8μmであった。
第二の釉薬組成物
下記の表1に記載の組成を有するフリット1および2を用意した。ここで、フリット1は、焼成によって珪酸亜鉛の結晶が析出する亜鉛結晶フリットであり、フリット2は焼成によって珪酸ジルコニウムの微結晶が析出するジルコン乳濁フリットと呼ばれるものである。
Figure 0006205751
さらに、下記の表2に記載の組成を有する釉薬組成物を以下のように調整した。すなわち、表に示す配合で原料を混合し、混合体100質量部に対して水を38質量部添加し、ミルで20分間粉砕して、スラリー状の第二の釉薬組成物を調製した。
Figure 0006205751
なお、表中の成分のスラリー状の釉薬組成物を調製した後の平均粒子径は、アルミナが3μm、珪酸ジルコニウム1が0.8μm、そして珪酸ジルコニウム2が1.6μmであった。
施釉
基材表面に第一の釉薬組成物を塗布した。塗布量は、焼成後の第一の釉薬層の厚みが0.3mmとなるように調整した。次いで、第一の釉薬組成物を塗布した面に第二の釉薬組成物を塗布した。塗布量は、焼成後の第二の釉薬層の厚みが0.4mmとなるように調整した。
乾燥および焼成
施釉後、室温で約1時間、自然乾燥させた後、電気ローラーハースキルンにて焼成して部材を得た。焼成は、例1〜7、10、および11については最高温度1100℃を35分間保つ条件で行い、また例8、9については最高温度1100℃を40分間保つ条件で焼成した。ローラーハースキルンから焼成体を搬出した後、自然冷却した。
評価結果
得られた部材を、上記した方法により、色差、光沢度、可視光反射率、外観、および耐汚染性について評価した。その結果は、下記の表3に示される通りであった。
Figure 0006205751
例10
第二の釉薬組成物において、フリット1を34質量部、フリット2を31.5質量部、カオリンを8質量部、アルミナを18.5質量部、珪酸ジルコニウム粒子1を11質量部、それぞれ配合してなる釉薬組成物を用いた以外は、例1と同様にして部材を調製した。
例11
例10において、カオリンおよび珪酸ジルコニウム粒子1を鉄分含有量の少ないものに置換した以外は、同様にして部材を得た。すなわち、カオリンとして、鉄分がFe換算濃度で0.8質量%のものに代えて0.3質量%のものを、珪酸ジルコニウム粒子として、鉄分がFe換算濃度で0.03質量%のものに代えて0.00質量%であるものを用いた。
得られた例10および11の部材について、上記した方法により可視光反射率を測定した。その結果は、下記の表4に示される通りであった。
Figure 0006205751
例12
例11において、第一の釉薬組成物を用いず、第二の釉薬組成物を2回塗布して、焼成後の釉薬層の膜厚が0.7mmとなるよう調製した以外は、同様にして部材を得た。得られた部材について、上記した方法により可視光反射率を測定した。その結果は、下記の表5に示される通りであった。また、上記した方法により耐汚染性試験を行なった。その結果は○であった。
Figure 0006205751

Claims (9)

  1. 基材の少なくとも一つの面に釉薬層が形成されてなる部材であって、
    前記釉薬層の少なくともその一の層が、ガラス質成分と、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなり、
    前記珪酸ジルコニウム粒子が、粒子径が0.3μm以下の粒子と、粒子径が0.3μmを超える粒子であって、その平均粒子径が0.4μm以上5μm以下の範囲にある粒子とからなり、
    前記粒子径が0.3μm以下の粒子を、ZrO 換算で1質量%以上7質量%以下含有し、
    前記粒子径が0.3μmを超える粒子を、1質量%以上30質量%以下含有することを特徴とする、部材。
  2. 前記部材が建材である、請求項1に記載の部材。
  3. 前記建材が内装建材である、請求項2に記載の部材。
  4. ジルコニウム元素を含有するフリットと、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなり、前記フリットにおける前記ジルコニウム元素の量がZrO換算で1.0質量%以上15質量%以下であり、前記珪酸ジルコニウム粒子の粒子径が0.3μmを越えかつ、その平均粒子径が0.4μm以上5μm以下である釉薬組成物を基材に適用し、焼成して前記基材上に釉薬層を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  5. 前記フリットにおける前記ジルコニウム元素の量が、ZrO換算で1.2質量%以上10質量%以下である、請求項4に記載の部材の製造方法。
  6. 前記フリットにおけるジルコニウム元素の量が、前記釉薬組成物の固形分に対してZrO換算で1質量%以上7質量%以下である、請求項4または5に記載の部材の製造方法。
  7. 前記珪酸ジルコニウム粒子の量が、前記釉薬組成物の固形分に対して1質量%以上30質量%以下である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  8. 前記フリットが、ジルコン乳濁フリットである、請求項4〜7のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  9. 前記釉薬組成物が、平均粒子径が1μm以上10μm以下である、アルミナ、珪砂、タルク、および水酸化アルミニウムより選択される成分からなる無機粒子の少なくとも一種をさらに含んでなる、請求項4〜8のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
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