JP6205751B2 - 高拡散反射性耐汚染性釉薬層を形成可能な釉薬組成物およびそれにより形成された釉薬層を有する部材 - Google Patents
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Description
さらに本発明は、本発明による釉薬組成物により得られた釉薬層を有する部材の提供をその目的としている。
本明細書において、「粒子の平均粒子径」とは、走査型電子顕微鏡により倍率5000倍で粒子50個を観察し、円形近似にて求めた直径の、個数基準でのメジアン径(すなわち、累積分布における50%の径:D50)である。釉薬組成物における粒子径は、組成物の乾燥物を上記条件で求めた値であり、釉薬層における粒子径は、その破断面において観察される粒子を上記条件で求めた値である。
本発明による釉薬組成物は、ジルコニウム元素を含有するフリットと、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなる。
本発明による釉薬組成物により形成される釉薬層は、その焼成の結果、ガラス質成分と、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなり、珪酸ジルコニウム粒子が、粒子径が0.3μm以下の粒子と、粒子径が0.3μmを超える粒子であって、その平均粒子径が0.4μm以上5μm以下の範囲にある粒子とからなることを特徴とする。
本発明によれば、上記の釉薬組成物により形成された釉薬層を有する部材が提供される。本発明による釉薬組成物はその製膜性において一般的な釉薬組成物と異なるところがなく良好であり、従って、この部材における釉薬層の形成は、釉薬組成物から釉薬層を形成する一般的な手法、方法により行われて良い。従って、本発明による釉薬組成物を基材に適用し、適宜乾燥後、焼成することにより、釉薬層を有する部材が得られる。釉薬組成物の適用は、粉体を積層する方法、スラリーをコートする方法等によりおこなわれてよい。また、焼成温度は、好ましくは1000℃以上1300℃以下で行われることが好ましく、焼成後自然冷却または徐冷される。
後記する方法により製造された部材の評価は、以下の通りに行った。
色差
JIS−Z−8722「色の測定方法 反射および透過物体色」に準じて行った。測定装置として、日本電色工業株式会社製SE6000を用いた。測定条件は、光源D65、測色径8mm、積分球φ52mmとし、XYZ表色系からL*、a*、b*を算出した。一つの部材につき2点で測定し、その平均値を評価結果とした。
JIS−Z−8741「鏡面光沢度 測定方法」に準じて行った。測定装置として、日本電色工業株式会社製PG−1Mを用いた。測定角は60°として、一つの部材につき2点で測定し、その平均値を評価結果とした。
JIS−Z−8722「色の測定方法 反射および透過物体色」に準じて行った。測定装置として、日本電色工業株式会社製SE6000を用いた。測定条件は、光源D65、測色径8mm、積分球φ52mmとし、400nm〜700nmの波長領域の反射率を測定した。、一つの部材につき2点で測定し、その平均値を評価結果とした。
目視で表面に写る写像を3段階で評価した。
「マット」:物の映り込みを認識できない。
「セミマット」:物が映りこんでいることが認識できる。
「ブライト」:映りこんだ物の形状がはっきり認識できる。
部材表面に、黒色油性インキのフェルトペンで線を引き、室温下10分放置した。その後、水を湿らし固く絞った雑巾で表面を擦った。汚れが完全に除去でき、目視で残留物が確認できない状態を○、汚れは多少除去できるものの目視で残留物が確認できるものを△、汚れが全く除去できないものを×と評価した。
基材の調製
珪灰石50質量%、粘土40質量%、および滑石10質量%の乾燥粉末を混合した後、水を添加して可塑性の坏土を調製した。この坏土を押出成形機を用いて成形し、圧延して、幅600mm、長さ900mm、厚さ4mmの素地平板を作製した。素地平板を乾燥後、ローラーハースキルンにて最高温度1150℃で焼成した。
長石40質量部、カオリン15質量部、珪酸ジルコニウム粒子15質量部、および酸化ジルコニウム粒子が混合されたフリット30質量部を、水40質量部と混合し、ミルで20分間粉砕して、スラリー状の第一の釉薬組成物を調製した。ここで用いた、珪酸ジルコニウム粒子の平均粒子径は0.8μmであった。
下記の表1に記載の組成を有するフリット1および2を用意した。ここで、フリット1は、焼成によって珪酸亜鉛の結晶が析出する亜鉛結晶フリットであり、フリット2は焼成によって珪酸ジルコニウムの微結晶が析出するジルコン乳濁フリットと呼ばれるものである。
基材表面に第一の釉薬組成物を塗布した。塗布量は、焼成後の第一の釉薬層の厚みが0.3mmとなるように調整した。次いで、第一の釉薬組成物を塗布した面に第二の釉薬組成物を塗布した。塗布量は、焼成後の第二の釉薬層の厚みが0.4mmとなるように調整した。
施釉後、室温で約1時間、自然乾燥させた後、電気ローラーハースキルンにて焼成して部材を得た。焼成は、例1〜7、10、および11については最高温度1100℃を35分間保つ条件で行い、また例8、9については最高温度1100℃を40分間保つ条件で焼成した。ローラーハースキルンから焼成体を搬出した後、自然冷却した。
第二の釉薬組成物において、フリット1を34質量部、フリット2を31.5質量部、カオリンを8質量部、アルミナを18.5質量部、珪酸ジルコニウム粒子1を11質量部、それぞれ配合してなる釉薬組成物を用いた以外は、例1と同様にして部材を調製した。
例10において、カオリンおよび珪酸ジルコニウム粒子1を鉄分含有量の少ないものに置換した以外は、同様にして部材を得た。すなわち、カオリンとして、鉄分がFe2O3換算濃度で0.8質量%のものに代えて0.3質量%のものを、珪酸ジルコニウム粒子として、鉄分がFe2O3換算濃度で0.03質量%のものに代えて0.00質量%であるものを用いた。
Claims (9)
- 基材の少なくとも一つの面に釉薬層が形成されてなる部材であって、
前記釉薬層の少なくともその一の層が、ガラス質成分と、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなり、
前記珪酸ジルコニウム粒子が、粒子径が0.3μm以下の粒子と、粒子径が0.3μmを超える粒子であって、その平均粒子径が0.4μm以上5μm以下の範囲にある粒子とからなり、
前記粒子径が0.3μm以下の粒子を、ZrO 2 換算で1質量%以上7質量%以下含有し、
前記粒子径が0.3μmを超える粒子を、1質量%以上30質量%以下含有することを特徴とする、部材。 - 前記部材が建材である、請求項1に記載の部材。
- 前記建材が内装建材である、請求項2に記載の部材。
- ジルコニウム元素を含有するフリットと、珪酸ジルコニウム粒子とを含んでなり、前記フリットにおける前記ジルコニウム元素の量がZrO2換算で1.0質量%以上15質量%以下であり、前記珪酸ジルコニウム粒子の粒子径が0.3μmを越えかつ、その平均粒子径が0.4μm以上5μm以下である釉薬組成物を基材に適用し、焼成して前記基材上に釉薬層を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
- 前記フリットにおける前記ジルコニウム元素の量が、ZrO2換算で1.2質量%以上10質量%以下である、請求項4に記載の部材の製造方法。
- 前記フリットにおけるジルコニウム元素の量が、前記釉薬組成物の固形分に対してZrO2換算で1質量%以上7質量%以下である、請求項4または5に記載の部材の製造方法。
- 前記珪酸ジルコニウム粒子の量が、前記釉薬組成物の固形分に対して1質量%以上30質量%以下である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
- 前記フリットが、ジルコン乳濁フリットである、請求項4〜7のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
- 前記釉薬組成物が、平均粒子径が1μm以上10μm以下である、アルミナ、珪砂、タルク、および水酸化アルミニウムより選択される成分からなる無機粒子の少なくとも一種をさらに含んでなる、請求項4〜8のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
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