JP6204238B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、より詳しくは全体としてリーン空燃比で運転される内燃機関から排出されるNOxを浄化するための排気浄化装置に関する。
車両用等の内燃機関からの排気中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)等の有害成分を浄化する排気浄化装置としては、三元触媒を用いたものが従来から知られている。三元触媒は、排気空燃比が理論空燃比の時にHC、CO成分の酸化とNOx成分の還元とを同時に行い、これら3成分を同時に浄化することができる。しかしながら、三元触媒のNOx浄化能力は排気空燃比が理論空燃比以上(すなわちリーン空燃比)になると急激に低下する。このため、全体として理論空燃比よりも高い空燃比で運転されるリーンバーンエンジン等の内燃機関からの排気中に含まれるNOxを三元触媒によって浄化することは従来困難であった。
特許文献1では、排気通路の上流側から順に、NH3生成手段として機能する三元触媒、排気浄化手段として機能するNOx吸蔵還元触媒、及びNH3吸着脱硝触媒が配置された内燃機関の排気浄化装置が記載されている。そして、特許文献1では、このようにNH3吸着脱硝触媒をNOx吸蔵還元触媒の下流側に設けた排気浄化装置によれば、通常運転時のリーン空燃比下では排気中のNOxをNOx吸蔵還元触媒に吸収させ、吸収されたNOx量が増大すると、リッチスパイクによりNOxを放出させて還元浄化し、一方で、リッチスパイク時に三元触媒で生成しそしてNOx吸蔵還元触媒におけるNOxの還元で消費されなかった余剰のNH3を下流側のNH3吸着脱硝触媒において吸蔵し、通常運転時に当該吸蔵したNH3を用いてNOx吸蔵還元触媒を通過して来るNOxを浄化することができると記載されている。また、特許文献1では、三元触媒に代えてNOx吸蔵還元触媒をNH3生成手段として使用することができることも記載されている。
特許文献2では、排気通路の上流側から順に、三元触媒、NOx吸蔵還元触媒、及びNOx選択還元触媒が配置された内燃機関の排気浄化装置が記載されている。そして、特許文献2では、NOx選択還元触媒は、三元触媒及びNOx吸蔵還元触媒がリッチ雰囲気下で生成するNH3を吸蔵し、リーン雰囲気下ではNH3を還元材として、排気ガス中のNOxを選択的に還元する機能を有しているため、当該NOx選択還元触媒によれば、NOx吸蔵還元触媒の後段に吹き抜けてきたNH3及びNOxが大気に放出されてしまうのを有効に阻止することができると記載されている。
特許文献3及び4では、シリコアルミノフォスフェート(SAPO)等のゼオライトに銅(Cu)や鉄(Fe)等の遷移金属を担持してなるNOx選択還元触媒が記載されている。
特開平11−030117号公報 特開2008−303759号公報 特許第4889807号公報 特表2010−524677号公報
全体としてリーン空燃比で運転される内燃機関からの排気を浄化する排気浄化装置においては、燃費向上の観点から、より高速域までリーンバーン運転を行うことが一般に望ましい。一方で、特許文献1及び2に記載されるようなNOx吸蔵還元(NSR)触媒とNOx選択還元(SCR)触媒を組み合わせた内燃機関の排気浄化装置では、これらの触媒はNOx浄化に適した比較的低温領域の温度ウィンドウを有している。このため、このような排気浄化装置では、排気ガスの温度が約400℃超、特には約450℃以上の温度となる高速域においては必ずしも十分なNOx浄化性能を達成することができない場合がある。
これに関連して、リーンバーン運転をより高速域まで拡大するという要求に対応するために、比較的高い温度領域においてもNOxを吸蔵・放出することができるカリウム(K)等をNOx吸蔵材としてNSR触媒に添加することが可能である。しかしながら、K等のNOx吸蔵材は、高温下ではNSR触媒から飛散して下流側のSCR触媒に付着してしまう場合がある。この場合には、NSR触媒から飛散したNOx吸蔵材によって下流側のSCR触媒が被毒され、その結果として当該SCR触媒のNOx浄化性能が大きく低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、NOx吸蔵還元触媒とNOx選択還元触媒を組み合わせた内燃機関の排気浄化装置であって、比較的高い温度領域においても、従来の排気浄化装置と比較してより高いNOx浄化性能を達成することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は下記のとおりである。
(1)内燃機関の排気通路内に配置され、K、Cs及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるNOx吸蔵材を含有するNOx吸蔵還元触媒と、
前記NOx吸蔵還元触媒の下流側排気通路内に配置されたNOx選択還元触媒と
を備え、前記NOx吸蔵還元触媒と前記NOx選択還元触媒の間に又は前記NOx選択還元触媒の少なくとも排気ガス上流側前段部の表面上に前記NOx吸蔵材を捕捉するためのトラップ材が配置されたことを特徴とする、内燃機関の排気浄化装置。
(2)前記NOx吸蔵材がKであることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(3)前記NOx選択還元触媒が、Cu及びFeの少なくとも1種をゼオライトに担持してなる触媒を含むことを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(4)前記NOx選択還元触媒がCu/SAPOを含むことを特徴とする、上記(3)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(5)前記NOx吸蔵還元触媒と前記NOx選択還元触媒の間に前記トラップ材が配置され、前記トラップ材の排気ガスの流れ方向における全長をXとし、前記NOx選択還元触媒の排気ガスの流れ方向における全長をYとしたときに、0<X/(X+Y)≦0.45の関係を満たすことを特徴とする、上記(3)又は(4)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(6)0.09≦X/(X+Y)≦0.27の関係を満たすことを特徴とする、上記(5)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(7)前記トラップ材が、SiO2、SiO2−TiO2、TiO2、Al23、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(8)前記トラップ材が、SiO2、SiO2−TiO2、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする、上記(7)に記載の内燃機関の排気浄化装置。
(9)前記NOx吸蔵還元触媒の上流側排気通路内に配置された三元触媒をさらに備えたことを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、NOx吸蔵材としてK及び/又はCsを含有するNOx吸蔵還元触媒とNOx選択還元触媒の間に又は当該NOx選択還元触媒の少なくとも排気ガス上流側前段部の表面上に当該NOx吸蔵材を捕捉するためのトラップ材を配置することで、高温下、例えば約400℃超、特には約450℃以上又は約700℃以上の高温下においてNOx吸蔵還元触媒から飛散したNOx吸蔵材の付着によるNOx選択還元触媒の被毒、特にはNOx選択還元触媒のNH3吸着サイトの被毒を顕著に抑制することができる。その結果として、本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、比較的高い温度領域においても、従来の内燃機関の排気浄化装置と比較してより高いNOx浄化性能を達成することが可能である。
NOx吸蔵材としてKを含有するNSR触媒の触媒温度の関数としてのNOx浄化率を示すグラフである。 NOx吸蔵材としてKを含有するNSR触媒の耐久温度とK飛散量の関係を示すグラフである。 SCR触媒のK付着量とNOx浄化率の関係を示すグラフである。 本発明の内燃機関の排気浄化装置におけるSCR触媒によるNOx浄化反応のメカニズムを示す概念図である。 SCR触媒のK付着量とNH3吸着量の関係を示すグラフである。 本発明による内燃機関の排気浄化装置の実施態様を示す模式図である。 実施例1の内燃機関の排気浄化装置を示す模式図である。 実施例2の内燃機関の排気浄化装置を示す模式図である。 比較例1の内燃機関の排気浄化装置を示す模式図である。 比較例2の内燃機関の排気浄化装置を示す模式図である。 NSR触媒の床温度450℃における実施例1及び2並びに比較例1及び2の内燃機関の排気浄化装置に関するNOx浄化率を示すグラフである。 実施例1及び2並びに比較例1及び2の排気浄化装置に関するSCR触媒のK付着量を示すグラフである。 実施例3〜7並びに比較例1及び3の内燃機関の排気浄化装置の構成を示す模式図である。 NSR触媒の床温度450℃における実施例3〜7並びに比較例1及び3の内燃機関の排気浄化装置に関するNOx浄化率を示すグラフである。
<内燃機関の排気浄化装置>
本発明の内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路内に配置され、K、Cs及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるNOx吸蔵材を含有するNOx吸蔵還元触媒と、
前記NOx吸蔵還元触媒の下流側排気通路内に配置されたNOx選択還元触媒と
を備え、前記NOx吸蔵還元触媒と前記NOx選択還元触媒の間に又は前記NOx選択還元触媒の少なくとも排気ガス上流側前段部の表面上に前記NOx吸蔵材を捕捉するためのトラップ材が配置されたことを特徴としている。
一般的に、NOx吸蔵還元(NSR:NOx storage reduction)触媒とNOx選択還元(SCR:Selective catalytic reduction)触媒を組み合わせた従来の内燃機関の排気浄化装置では、通常運転時のリーン空燃比下において排気中のNOxをNSR触媒に吸収させ、吸収されたNOx量が増大すると、リッチスパイクによりNOxを放出させて還元浄化する。一方で、当該リッチスパイクの際にNSR触媒で生成したNH3を下流側のSCR触媒において吸蔵し、次いで通常運転時のリーン空燃比下において上流側のNSR触媒を通過して来るNOxを、下流側のSCR触媒において先に吸蔵したNH3を用いて浄化する。
先に述べたとおり、このように全体(平均)としてリーン空燃比で運転される内燃機関からの排気を浄化する排気浄化装置においては、燃費向上の観点から、より高速域までリーンバーン運転を行うことが一般に望ましい。しかしながら、上記のNSR触媒とSCR触媒を組み合わせた従来の内燃機関の排気浄化装置では、排気ガスの温度が約400℃超、特には約450℃以上の温度となる高速域においては必ずしも十分なNOx浄化性能を達成することができない場合があった。
一方で、比較的高い温度領域においてもNOxを吸放出することができるカリウム(K)等をNOx吸蔵材としてNSR触媒に添加することで、リーンバーン運転をより高速域まで拡大することが一般に可能である。
図1は、NOx吸蔵材としてKを含有するNSR触媒の触媒温度の関数としてのNOx浄化率を示すグラフである。なお、当該NSR触媒としては、1.3リットルのコージェライト製のハニカム基材上にPt及びRhを含む下層とPt及びPdを含む上層をコートし、さらにNOx吸蔵材としてK(0.15mol/基材−L)、Ba(0.2mol/基材−L)及びLi(0.1mol/基材−L)を含浸担持したものを使用している。また、図1には、比較として、Kを含有しないNSR触媒に関するNOx浄化率についても併せて示している。
図1の結果から明らかなように、NOx吸蔵材としてKを含有するNSR触媒では、Kを含有しないNSR触媒と比較して、触媒温度が約400℃の条件下においても極めて高いNOx浄化率を達成することが可能である。また、触媒温度を約450℃まで上げた場合においても、Kを含有しないNSR触媒が60%を下回るNOx浄化率であったのに対し、Kを含有するNSR触媒では、NOx浄化率の低下は観察されたものの、約70%の比較的高いNOx浄化率を維持できていることがわかる。
しかしながら、K等のNOx吸蔵材は、高温下ではNSR触媒から飛散しやすいという問題がある。そして、このような現象は、リーンバーン運転の領域を外れたさらなる高速・高負荷域の高温下、例えば、約700℃以上、とりわけ750℃以上の高温下において特に顕著となる。
図2は、NOx吸蔵材としてKを含有するNSR触媒の耐久温度とK飛散量の関係を示すグラフである。なお、当該NSR触媒としては、図1で使用したものと同じNSR触媒を使用している。図2を参照すると、耐久温度の上昇とともにKの飛散量が増大し、特に約700℃以上、とりわけ約750℃以上の温度で急激に増大していることがわかる。一方で、図3にSCR触媒のK付着量とNOx浄化率の関係を示す。なお、当該SCR触媒としては、リン酸塩系ゼオライトであるSAPOに銅(Cu)をイオン交換によって担持したCu/SAPOを使用し、そしてNOx浄化率を450℃の温度で評価している。図3を参照すると、SCR触媒に対するKの付着量が大きくなるとともにNOx浄化率が低下する傾向が見られた。これらの結果から、SCR触媒をNSR触媒の下流側に設けた従来の排気浄化装置では、高温下においてNSR触媒から飛散したK等のNOx吸蔵材によって下流側のSCR触媒が被毒され、その結果として当該SCR触媒のNOx浄化性能が大きく低下してしまうことがわかる。
今回、本発明者らは、NOx吸蔵材としてKを含有するNSR触媒とSCR触媒の間に又は当該SCR触媒の少なくとも排気ガス上流側前段部の表面上に当該NOx吸蔵材を捕捉するためのトラップ材を配置することで、当該NOx吸蔵材の付着によるSCR触媒の被毒を顕著に抑制することができ、その結果として、比較的高い温度領域においても、従来の排気浄化装置と比較してより高いNOx浄化性能を達成することができることを見出した。
何ら特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、本発明の内燃機関の排気浄化装置では、例えば、以下に説明するような反応メカニズムによってSCR触媒によるNOxの浄化が進行すると考えられる。
図4は、本発明の内燃機関の排気浄化装置におけるSCR触媒によるNOx浄化反応のメカニズムを示す概念図である。なお、理解を容易にするため、図4では、SCR触媒としてCu/SAPOを用いた場合について説明する。
まず、SCR触媒であるCu/SAPOは、SAPOに起因するアンモニア(NH3)吸着サイトすなわち酸点と、Cuに起因するNOx吸着サイトとを有すると考えられる。したがって、このようなSCR触媒を本発明の内燃機関の排気浄化装置において適用した場合には、図4に示すように、リッチ空燃比の際に上流側のNSR触媒で生成したNH3が下流側のCu/SAPOの上記酸点に吸着すると考えられる。次に、リーン空燃比下で上流側のNSR触媒において浄化されずに当該NSR触媒中をすり抜けてきたNOがCu/SAPOにおけるCu上のNOx吸着サイトに吸着すると考えられる。そして、最後に、このNOがSAPO上の酸点に吸着しているNH3と反応してN2に浄化されると考えられる。
しかしながら、高温下、例えば約400℃超、特には約450℃以上又は約700℃以上の高温下では、上流側のNSR触媒から飛散したK等のNOx吸蔵材が下流側のSCR触媒に付着してSCR触媒の吸着サイトを被毒すると考えられる。何ら特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、Kは、その塩基性質の強さゆえに、特にSCR触媒上のNH3吸着サイト(すなわち酸点)に対し、NH3に優先して付着して当該吸着サイトを被毒すると考えられ、その結果としてSCR触媒のNH3吸着能が低下するものと考えられる。
理解を容易にするため、図5にSCR触媒のK付着量とNH3吸着量の関係を示す。なお、当該SCR触媒としては、図3の場合と同様にCu/SAPOを使用している。本実験では、実際のエンジンの排気系にKを含有するNSR触媒とSCR触媒を装着し、次いでエンジンを種々の条件で運転してSCR触媒にKを付着させた。そうして得られた各SCR触媒を10ccのテストピースサイズにくり抜き、当該テストピースにNH3含有ガスを流通させてNH3吸着量を算出している。
図5を参照すると、SCR触媒へのKの付着量が増加するとともに、NH3の吸着量が減少していることがわかる。図5の結果と先に示した図3の結果から、NSR触媒とSCR触媒を組み合わせた従来の内燃機関の排気浄化装置では、高温下においてNSR触媒から飛散したK等のNOx吸蔵材によって下流側のSCR触媒が被毒され、特にはSCR触媒のNH3吸着サイトが被毒され、その結果として当該SCR触媒のNOx浄化性能が大きく低下してしまうことがわかる。これに対し、本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、NSR触媒から飛散したK等のNOx吸蔵材を、当該NSR触媒の下流に配置されたトラップ材によって確実に捕捉することができるので、当該NOx吸蔵材の付着によるSCR触媒の被毒を顕著に抑制することが可能である。その結果として、本発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、比較的高い温度領域においても、従来の内燃機関の排気浄化装置と比較してより高いNOx浄化性能を達成することが可能である。
[NOx吸蔵材]
本発明によれば、NOx吸蔵材は、カリウム(K)、セシウム(Cs)及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
K及びCsは、比較的高い温度領域においてもNOxを吸蔵及び/又は放出することができる材料である。したがって、これらの材料をNOx吸蔵材としてNSR触媒において使用することで、高温下においても高いNOx浄化性能を達成することが可能である。一方で、Csは高温下ではKと比較してより飛散しやすい材料であることから、高温下においてより高いNOx浄化性能を達成するためには、NOx吸蔵材としてはKを使用することが特に好ましい。
[NOx吸蔵還元(NSR)触媒]
本発明におけるNOx吸蔵還元(NSR)触媒としては、例えば、コージェライト等の基材、特にはハニカム基材上に、アルミナ(Al23)等の触媒担体と、当該触媒担体上に担持された白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒金属とを含む1つ又は複数の触媒層を形成し、さらに当該1つ又は複数の触媒層に、K、Cs及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるNOx吸蔵材を担持したものを使用することができる。
なお、本発明におけるNSR触媒では、上記のNOx吸蔵材以外にも、当業者に公知の任意のNOx吸蔵材を使用することが可能である。このようなNOx吸蔵材としては、特に限定されないが、カリウム(K)及びセシウム(Cs)以外のアルカリ金属、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、ルビジウム(Rb);アルカリ土類金属、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba);希土類元素、例えば、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb);及びそれらの組み合わせを挙げることができる。
[NOx選択還元(SCR)触媒]
本発明におけるNOx選択還元(SCR)触媒としては、例えば、コージェライト等の基材、特にはハニカム基材上に、ゼオライト、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、シリカ−アルミナ(SiO2−Al23)、チタニア(TiO2)等の触媒担体と当該触媒担体上に担持された銅(Cu)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、及びイリジウム(Ir)等の触媒金属とを含む1つ又は複数の触媒層を形成したものを使用することができる。
好ましくは、本発明におけるSCR触媒は、ゼオライト、特にはチャバサイト構造を有するリン酸塩系ゼオライトであるSAPOにCu及びFeの少なくとも1種を担持してなる触媒を含むことができる。より好ましくは、本発明におけるSCR触媒は、Cu/SAPOを含むことができる。
本発明の内燃機関の排気浄化装置では、上記のとおり、リッチ空燃比の際に上流側のNSR触媒で生成したNH3を下流側のSCR触媒に吸着させ、その後のリーン空燃比下で当該NH3を排気ガス中のNOxと反応させて浄化する。それゆえ、一般的には、SCR触媒としては、高いNH3吸着能を有する材料を使用することが好ましい。ここで、チャバサイト構造を有するリン酸塩系ゼオライトであるSAPOは、ゼオライトの中でも、高いアンモニア(NH3)吸着能を有し、さらには比較的高い耐熱性を有する材料であることが知られている。したがって、このような材料からなる触媒担体にNOx吸着サイトとして機能し得るCu及び/又はFeを触媒金属として担持した材料を本発明におけるSCR触媒として使用することで、高温下においても高いNOx浄化性能を達成することが可能である。
[トラップ材]
本発明の1つの実施態様によれば、図6(a)に示すように、上記のNSR触媒12とSCR触媒14の間にNOx吸蔵材を捕捉するためのトラップ材13が配置される。
図6(a)に示すようにトラップ材13を配置することで、高温下でNSR触媒12から飛散したNOx吸蔵材、具体的にはK及び/又はCsを当該トラップ材13によって確実に捕捉することができる。したがって、NSR触媒12から飛散したK及び/又はCsによるSCR触媒14の被毒、特にはSCR触媒14中のNH3吸着サイトの被毒を顕著に抑制することが可能である。その結果として、本発明の内燃機関の排気浄化装置10によれば、比較的高い温度領域においても、従来の内燃機関の排気浄化装置と比較してより高いNOx浄化性能を達成することが可能である。
本発明におけるトラップ材は、K及び/又はCsを捕捉する性質を有し、かつNH3を捕捉又は吸着しにくい性質、特には少なくともSCR触媒又はゼオライトよりも弱いNH3吸着能を有する任意の材料を含むことができる。特に限定されないが、例えば、本発明におけるトラップ材は、シリカ(SiO2)、シリカ−チタニア(SiO2−TiO2)、チタニア(TiO2)、アルミナ(Al23)、又はそれらの組み合わせを含むことができ、好ましくはシリカ(SiO2)、シリカ−チタニア(SiO2−TiO2)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
K及び/又はCsを捕捉するという観点で言うと、トラップ材としては酸性質の材料を使用することが一般に好ましいが、このような材料はまたNH3に対する吸着能も比較的高い場合がある。例えば、トラップ材として比較的多くの酸点を有するゼオライト等の材料を使用すると、このような材料はK及び/又はCsを捕捉するだけでなく、排気ガス中のNH3も多く吸着してしまう虞がある。このような場合には、下流側のSCR触媒にNH3を流入させることができなくなるため、当該SCR触媒におけるNOx浄化性能を低下させてしまう虞がある。
例えば、SiO2等の材料は、K等のアルカリ金属と反応してケイ酸塩を形成することが一般的に知られている。したがって、SiO2又はそれを含む材料、例えばSiO2又はSiO2−TiO2等の材料を本発明におけるトラップ材として使用することで、NSR触媒から飛散したK等のNOx吸蔵材を確実に捕捉することが可能である。また、これらの材料は、ゼオライト等と比較した場合に十分弱いNH3吸着能を一般に有する。したがって、これらの材料を使用することで、ゼオライト等と比較した場合に、NH3に対して選択的にK等のNOx吸蔵材を捕捉することが可能である。
本発明におけるトラップ材をNSR触媒とSCR触媒の間に配置する場合には、当該トラップ材としては、例えば、コージェライト等の基材、特にはハニカム基材上に、上記の材料を含むコート層を形成したものを使用することができる。なお、本発明におけるNSR触媒、トラップ材及びSCR触媒は、図6(a)に示すように、それぞれ別々のハニカム基材を用いて形成し、それらを排ガスの上流部、中流部及び下流部に配置してもよい。あるいはまた、1つのハニカム基材を用いてその上流部、中流部及び下流部にNSR触媒、トラップ材及びSCR触媒を一体的に配置してもよいし、又はNSR触媒とトラップ材のみ若しくはトラップ材とSCR触媒のみを1つのハニカム基材上に一体的に形成してもよい。
本発明の別の実施態様によれば、図6(b)に示すように、トラップ材13は、SCR触媒14の少なくとも排気ガス上流側前段部の表面上に配置することができる。より詳しくは、トラップ材13は、SCR触媒14の基材15上にコートされた触媒層16の少なくとも排気ガス上流側前段部の表面上、特には当該排気ガス上流側前段部の表面上のみに配置することができる。このような構成においても、上流側のNSR触媒12から飛散したNOx吸蔵材をSCR触媒14の排気ガス上流側の前段部分で確実に捕捉することができるので、当該NOx吸蔵材の付着によるSCR触媒14の被毒を抑制することが可能である。
[トラップ材とSCR触媒の構成比率]
本発明によれば、NSR触媒とSCR触媒、特にはCu及びFeの少なくとも1種をゼオライトに担持してなる触媒を含むSCR触媒の間にトラップ材が配置される場合には、当該トラップ材の排気ガスの流れ方向における全長をXとし、SCR触媒の排気ガスの流れ方向における全長をYとしたときに、以下の関係を満たすことが好ましい。
0<X/(X+Y)≦0.45
一般的には、NOx吸蔵材の付着によるSCR触媒の被毒を抑制して当該SCR触媒のNOx浄化性能を高い状態に維持するためには、上流側のトラップ材のサイズを可能な限り大きくして当該トラップ材に関するNOx吸蔵材の捕捉能力を高めることが好ましい。しかしながら、車両の限られたスペースの中では、トラップ材のサイズを無制限に大きくすることは不可能である。このため、トラップ材とSCR触媒の合計のサイズを一定にしつつ、NOx浄化率がより高いトラップ材とSCR触媒の構成比率を選択することが好ましい。
このような比率は、とりわけSCR触媒自体のNOx浄化性能に依存して変化し得る。すなわち、SCR触媒のNOx浄化性能が高いときには、当該SCR触媒のサイズが比較的小さい場合でもNOxを十分に浄化することができるので、上流側のトラップ材の比率を比較的大きくすることが可能である。一方で、SCR触媒のNOx浄化性能が低い場合には、所定のNOx浄化性能を確保するために当該SCR触媒のサイズを大きくする必要がある。それゆえ、このような場合には上流側のトラップ材の比率を十分に大きくすることはできない。
本発明によれば、Cu及びFeの少なくとも1種をゼオライトに担持してなる触媒、特にはCu/SAPOを含むSCR触媒が使用される場合には、当該SCR触媒は高いNOx浄化性能を有するため、上流側のトラップ材の比率を比較的大きくしたとしても、排気浄化装置全体として高いNOx浄化性能を達成することが可能である。より具体的には、このような場合には、トラップ材の全長XとSCR触媒の全長Yを0<X/(X+Y)≦0.45の関係を満たすよう選択することで、比較的高い温度領域においても、NOx吸蔵材の付着によるSCR触媒の被毒を抑制して、従来の内燃機関の排気浄化装置と比較してより高いNOx浄化性能を達成することが可能である。
X/(X+Y)=0、すなわちトラップ材を使用しない場合には、当然ながら、トラップ材によるSCR触媒の被毒抑制効果を得ることはできない。一方で、X/(X+Y)>0.45、すなわちトラップ材が当該トラップ材及びSCR触媒の全体に対して45%超のサイズを有する場合には、より大きなトラップ材によって高いNOx吸蔵材の捕捉能力が得られるものの、下流側のSCR触媒のサイズが小さいために、十分なNOx浄化性能を達成することができない場合がある。本発明によれば、より好ましくは、トラップ材の全長XとSCR触媒の全長Yを以下の関係を満たすよう選択することで、顕著により高いNOx浄化性能を達成することが可能である。
0.09≦X/(X+Y)≦0.27
[三元触媒]
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の内燃機関の排気浄化装置は、NSR触媒の上流側排気通路内に配置された三元触媒をさらに備えている。
希薄燃焼においても、実際のエンジンでは、すべての運転区間をリーンバーン運転しているわけではなく、ストイキ(理論空燃比)等の雰囲気で運転している区間もある。このため、NSR触媒の上流側排気通路内に従来公知の三元触媒をさらに配置することで、このような雰囲気の変動に対しても、排気ガス中の有害成分を確実に浄化することが可能である。三元触媒としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、コージェライト等の基材、特にはハニカム基材上に、アルミナ(Al23)等の触媒担体と、当該触媒担体上に担持された白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒金属とを含む1つ又は複数の触媒層を形成したものを使用することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例では、種々の構成を有する内燃機関の排気浄化装置を用いて、それらのNOx浄化性能について調べた。
[実施例1]
本実施例では、図7に示すように、排気通路の上流側から順に、三元触媒11、NSR触媒12、トラップ材13及びSCR触媒14が配置された内燃機関の排気浄化装置10を用いた。
三元触媒11としては、コージェライト製のハニカム基材上にPd及びRhを含む触媒層をコートしたものを使用した。NSR触媒12としては、コージェライト製のハニカム基材上に主としてAl23に担持したPt及びRhを含む下層と主としてAl23に担持したPt及びPdを含む上層をコートし、さらにNOx吸蔵材としてK(0.15mol/基材−L)、Ba(0.2mol/基材−L)及びLi(0.1mol/基材−L)を含浸担持したものを使用した。
本実施例では、トラップ材13及びSCR触媒14は、タンデム構造において1つの基材上に一体的に形成した。具体的には、トラップ材13として、コージェライト製のハニカム基材(長さ130mm)の排気ガス上流側前段部20mmにSiO2−TiO2を含むコート層を形成し、SCR触媒14として、当該ハニカム基材の後段部110mmにCu/SAPOを含む触媒層を形成した。
[実施例2]
本実施例では、図8に示すように、排気通路の上流側から順に、三元触媒11、NSR触媒12及びSCR触媒14が配置され、当該SCR触媒14の基材15上にコートされた触媒層16の排気ガス上流側前段部に20mmの長さを有するトラップ材13のオーバーコート層を形成した内燃機関の排気浄化装置10を使用した。なお、三元触媒11、NSR触媒12、トラップ材13及びSCR触媒14の構成成分は、実施例1の場合と同じであった。
[比較例1]
本比較例では、図9に示すように、トラップ材を配置しなかったこと以外は、実施例1と同じ構成を有する内燃機関の排気浄化装置10を使用した。
[比較例2]
本比較例では、図10及び下表1に示すように、NSR触媒12がNOx吸蔵材としてKを含有しなかったこと以外は、実施例1と同じ構成を有する内燃機関の排気浄化装置10を使用した。
各実施例及び比較例における内燃機関の排気浄化装置の構成を下表1に示す。
Figure 0006204238
[排気浄化装置のNOx浄化性能評価]
各実施例及び比較例の排気浄化装置を実際のエンジンの排気系に装着し、次いでエンジンを下表2に示すようにリーン空燃比とリッチ空燃比を交互に切り換えて運転し、その際の出ガス中のNOx量から各排気浄化装置のNOx浄化率を算出した。その結果を図11に示す。
Figure 0006204238
図11は、NSR触媒の床温度450℃における実施例1及び2並びに比較例1及び2の内燃機関の排気浄化装置に関するNOx浄化率を示すグラフである。図11の結果から明らかなように、NOx吸蔵材としてKを含有しないNSR触媒12を使用した比較例2の排気浄化装置が最も低いNOx浄化率を示した。一方で、NOx吸蔵材としてKを含有するNSR触媒12を使用した比較例1の排気浄化装置では、比較例2の排気浄化装置よりも高いNOx浄化率を示した。この結果は、比較例1の排気浄化装置では、比較的高い温度領域においても優れたNOx吸放出能を有するKを含有するNSR触媒12を使用することで、450℃の高温下における当該NSR触媒12のNOx浄化性能が向上したことに起因していると考えられる。
これに対し、NSR触媒12とSCR触媒14の間にトラップ材13を配置した実施例1の排気浄化装置は、比較例1及び2の排気浄化装置と比較して顕著に高いNOx浄化率を達成することができた。また、SCR触媒14の排気ガス上流側前段部にオーバーコート層としてトラップ材13を配置した実施例2の排気浄化装置においても、実施例1の排気浄化装置よりも幾分劣るものの、比較例1及び2の排気浄化装置と比較して十分に高いNOx浄化率を達成することができた。
[K付着量の分析]
次に、上記のNOx浄化性能評価を行った後の各排気浄化装置におけるSCR触媒14を分析し、当該SCR触媒14上のK付着量を調べた。その結果を図12に示す。なお、実施例2のK付着量は、SCR触媒14の排気ガス上流側前段部にオーバーコート層として配置したトラップ材13を除いた部位のK付着量を示している。
図12は、実施例1及び2並びに比較例1及び2の排気浄化装置に関するSCR触媒のK付着量を示すグラフである。図12を参照すると、先の試験において高いNOx浄化率を示した実施例1及び2の排気浄化装置では、SCR触媒14のK付着量が非常に少なく、それゆえトラップ材13を配置することでNSR触媒12から飛散したKがSCR触媒14に付着することが顕著に抑制されていることがわかる。一方、NOx吸蔵材としてKを含有しないNSR触媒12を使用した比較例2の排気浄化装置では、当然ながらKの付着は観測されなかったが、トラップ材13を配置しなかった比較例1の排気浄化装置では、実施例1及び2の排気浄化装置と比較して、非常に高いK付着量を示した。
図11及び12の結果から、比較例1の排気浄化装置では、トラップ材13が存在しないために約450℃の高温下でNSR触媒12から飛散したKがSCR触媒14に付着して当該SCR触媒14が被毒され、その結果として実施例1及び2のように高いNOx浄化率を達成することができなかったと考えられる。
[トラップ材とSCR触媒の構成比率の検討]
本実施例では、下表3及び図13において示すように、トラップ材13とSCR触媒14の合計の全長を110mmで一定としつつ、トラップ材13の全長XとSCR触媒14の全長Yを変化させた内燃機関の排気浄化装置10を用いて、それらのNOx浄化性能について調べた。各実施例及び比較例における内燃機関の排気浄化装置の構成を下表3に示す。
Figure 0006204238
上記の各実施例及び比較例の排気浄化装置を実際のエンジンの排気系に装着し、次いでエンジンを先の表2に示す条件下でリーン空燃比とリッチ空燃比を交互に切り換えて運転し、その際の出ガス中のNOx量から各排気浄化装置のNOx浄化率を算出した。その結果を図14に示す。
図14は、NSR触媒の床温度450℃における実施例3〜7並びに比較例1及び3の内燃機関の排気浄化装置に関するNOx浄化率を示すグラフである。
図14の結果から明らかなように、本発明の内燃機関の排気浄化装置では、0<X/(X+Y)≦0.45の範囲において、トラップ材13を使用していない比較例1(すなわち、X/(X+Y)=0)の内燃機関の排気浄化装置よりも高いNOx浄化性能を達成することができ、さらに0.09≦X/(X+Y)≦0.27の範囲においてより高いNOx浄化性能を達成することができた。
10 内燃機関の排気浄化装置
11 三元触媒
12 NSR触媒
13 トラップ材
14 SCR触媒
15 基材
16 触媒層

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路内に配置され、K、Cs及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるNOx吸蔵材を含有するNOx吸蔵還元触媒と、
    前記NOx吸蔵還元触媒の下流側排気通路内に配置されたNOx選択還元触媒と
    を備え、前記NOx吸蔵還元触媒と前記NOx選択還元触媒の間に又は前記NOx選択還元触媒の少なくとも排気ガス上流側前段部の表面上に前記NOx吸蔵材を捕捉するためのトラップ材が配置されたことを特徴とする、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記NOx吸蔵材がKであることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記NOx選択還元触媒が、Cu及びFeの少なくとも1種をゼオライトに担持してなる触媒を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記NOx選択還元触媒がCu/SAPOを含むことを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記NOx吸蔵還元触媒と前記NOx選択還元触媒の間に前記トラップ材が配置され、前記トラップ材の排気ガスの流れ方向における全長をXとし、前記NOx選択還元触媒の排気ガスの流れ方向における全長をYとしたときに、0<X/(X+Y)≦0.45の関係を満たすことを特徴とする、請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 0.09≦X/(X+Y)≦0.27の関係を満たすことを特徴とする、請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記トラップ材が、SiO2、SiO2−TiO2、TiO2、Al23、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記トラップ材が、SiO2、SiO2−TiO2、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 前記NOx吸蔵還元触媒の上流側排気通路内に配置された三元触媒をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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