JP2010127210A - 排ガス浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セリアを用いて酸素吸放出能を向上させると共に、H2Sの生成を抑制する。
【解決手段】50〜70質量%のCeO2を含むセリア−ジルコニア複合酸化物を含みPt及びPdの少なくとも一方を担持した下触媒層と、少なくともジルコニアを含み少なくともRhを担持した上触媒層とからなり、担体基材1リットルあたりにおける全CeO2量を15〜30gとした触媒を用い、リッチ制御とリーン制御を交互に行う。
CeO2が少ないためH2Sの生成が抑制され、CeO2が少なくても高い酸素吸放出能が発現される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、三元触媒として有用な排ガス浄化用触媒を用いた排ガス浄化方法に関し、詳しくは硫化水素の排出を大きく抑制できる排ガス浄化方法に関する。
自動車の排ガス中のHC、CO及びNOxを浄化する触媒として、三元触媒が広く用いられている。この三元触媒は、アルミナ、セリア、ジルコニア、セリア−ジルコニアなどの多孔質酸化物担体にPt、Rhなどの白金族貴金属を担持してなるものであり、HC及びCOを酸化して浄化するとともに、NOxを還元して浄化する。これらの反応は、酸化成分と還元成分がほぼ当量で存在する雰囲気下で最も効率よく進行するので、三元触媒を搭載した自動車においては、理論空燃比(ストイキ)近傍(空燃比=14.6±0.2程度)で燃焼されるように空燃比の制御が行われている。
ところが三元触媒においては、例えば長距離走行後の車庫入れ時など、排ガス雰囲気が還元側に振れた際に、排ガス中の硫黄酸化物が還元されてH2Sとなって排出され、H2S臭発生の原因となっていた。例えばアルミナは三元触媒に必須の成分となっているが、アルミナを用いた三元触媒を搭載した自動車では、リッチ雰囲気において触媒温度が 350℃以上の高温の場合にH2Sが生成するという問題があった。H2Sが生成する機構は、以下のように説明される。
排ガス中のSO2は、リーン雰囲気において触媒によって酸化されてSO3又はSO4となる。SO3又はSO4はアルミナの塩基点に吸着され、吸着されたSO3又はSO4はアルミナ上に徐々に濃縮される。そしてリッチ雰囲気においてSO3又はSO4が還元され、H2Sが生成すると考えられる。H2Sは微量でも人の嗅覚に知覚されて不快感を与えるので、その排出を抑制する必要がある。
また近年の三元触媒では、空燃比の変動を抑制するために、セリア、セリア−ジルコニア複合酸化物などが担体の一成分として用いられている。セリアは酸素吸放出能を有し、リーン雰囲気で酸素を吸収しリッチ雰囲気で酸素を放出するので、排ガス雰囲気を安定してストイキ近傍に維持することができる。しかしながらセリアは塩基性度がアルミナより高いために、アルミナより硫黄酸化物が吸着しやすく、H2Sの排出抑制には逆効果となっている。すなわちセリアなどを用いた酸素吸放出能の向上と、H2Sの生成抑制とは、背反事象の関係にある。
そこで三元触媒の成分として、NiあるいはCuの酸化物をさらに用いることが考えられる。NiあるいはCuの酸化物は、酸化雰囲気でSO2をSO3あるいはSO4とし、還元雰囲気では例えば Ni3S2などの硫化物として硫黄成分を貯蔵するので、H2Sの生成を抑制することができる。
例えば特公平08−015554号公報には、ニッケル−バリウム複合酸化物、アルミナ、セリアからなる担体に貴金属を担持してなる排ガス浄化用触媒が記載されている。この担体は、リーン雰囲気ではアルミナ及びセリアが硫黄酸化物を硫酸塩として捕捉し、リッチ雰囲気ではH2Sをニッケル−バリウム複合酸化物が捕捉する。したがってH2Sの生成を抑制することができる。
また特表2000−515419号公報あるいは特許第02598817号には、NiO、Fe2O3などを混合した担体とすることで、H2Sの生成を抑制することが記載されている。また特開平07−194978号公報には、Ni及びCaを担持させた担体とすることで、H2Sの生成を抑制することが記載されている。
しかしながら、NiあるいはCuは環境負荷物質であるため、自動車の排ガス浄化用触媒用には使用が制限されつつあるという現状がある。また三元触媒にバリウムなどを添加すると、本来の浄化性能を悪化させてしまう場合がある。
さらに特開昭63−236541号公報には、アルミナ、セリアに加えて、Ti、Nb、V、Ta及びMnから選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物を含む担体に貴金属を担持してなる排ガス浄化用触媒が記載され、H2Sの生成を抑制できることが記載されている。
また、最も近い背景技術として以下の公知公報がある。特開2007−090254号公報には、上触媒層にRh担持ジルコニア粒子を有してPtを有さず、下触媒層にはPt担持セリア粒子を有し、全セリア含有量が49g/Lの二層コート触媒の実施例の開示がある。
また特開2004−298813号公報には、上触媒層として、低熱劣化性セリア−ジルコニア複合酸化物又は多孔質アルミナにRhを担持し、セリアとジルコニアの重量比が3:7近傍の熱劣化性セリア−ジルコニア複合酸化物を50〜70重量%含有する二層コート排ガス浄化用触媒の開示がある。同公報には、下触媒層として、Pt担持アルミナと、酸素貯蔵性セリア−ジルコニア複合酸化物を有すること、および、セリアとジルコニアの重量比が1:1近傍の酸素貯蔵性セリア−ジルコニア複合酸化物を50〜70重量%含有することが記載されている。
さらに特開2007−111650号公報には、排ガスの浄化効率を低下させることなく排気臭の発生を抑制することのできる排ガス浄化用触媒装置の開示がある。これは、上流側と下流側に二個配置した排ガス浄化用触媒装置において、下流側における酸素吸蔵成分量を上流側の酸素吸蔵成分量の約1〜0.5の範囲にすることを特徴とする触媒装置であり、実施例における下流側三元触媒のセリア含有量として30g/Lと20g/Lとが例示されている。
しかしながら特開2007−090254号公報に記載の触媒はセリア含有量が多く、安定化剤を含まないため、新品触媒の状態では高い酸素貯蔵能が得られるものの、H2Sの生成が多いことが予測された。またジルコニアや添加剤を含まないため、セリアの粒成長が大きく、耐久試験後の酸素貯蔵能の低下率が大きいことが予測される。
また特開2004−298813号公報や特開2007−111650号公報に開示された触媒も、安定化剤を含まず、種類や量の明示が無い。そのため、セリアを含む複合酸化物の粒成長が大きく、酸素貯蔵能の低下率が大きいことが予測される。
特表2000−515419号公報 特許第02598817号公報 特開平07−194978号公報 特開昭63−236541号公報 特開2007−090254号公報 特開2004−298813号公報 特開2007−111650号公報
そこで本願出願人は、環境負荷物質であるNiあるいはCuを用いることなく、セリアを用いて酸素吸放出能を向上させると共に、H2Sの生成を抑制できる排ガス浄化用触媒を開発した。この排ガス浄化用触媒は、セリアリッチのセリア−ジルコニア複合酸化物を含む下層担体と、少なくともジルコニアを含む酸化物よりなる上層担体とを用い、下層担体にPt及びPdの少なくとも一方を担持して下触媒層を形成し、上層担体に少なくともRhを担持して下触媒層を形成している。
この排ガス浄化用触媒によれば、酸素吸放出能を得るために必須のセリア−ジルコニア複合酸化物の多くを下触媒層に配置し、セリア−ジルコニア複合酸化物の組成比と添加剤、及び全CeO2の量を最適化することにより、必要十分な酸素吸放出量(OSC)を確保することができる。また、排ガス中の硫黄成分が触媒に吸着される量を最小限にできるため、H2Sの生成が抑制される。
従来の三元触媒では、セリアが全体に均一に含まれているため、硫黄成分は触媒全体に吸着し脱離しにくいという問題がある。しかしこの排ガス浄化用触媒ではセリア量を最適化しているため吸着する硫黄成分の量が少ない。また主として下触媒層に硫黄成分が吸着され、上触媒層はジルコニアリッチであるため硫黄成分は吸着しずらい。したがって脱離時に下触媒層から脱離した硫黄成分は、上触媒層に再び吸着することなく一気に脱離するので、H2Sとして排出される確率が小さい。
本発明は、この排ガス浄化用触媒の特性がさらに効果的に発現される排ガス浄化方法を提供するものである。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化方法の特徴は、担体基材と、担体基材の表面に形成された下触媒層と、下触媒層の表面に形成された上触媒層と、よりなり、下触媒層は、50〜70質量%のCeO2を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を含む下層担体と、下層担体に担持されたPt及びPdの少なくとも一方とからなり、上触媒層は、少なくともジルコニアを含む酸化物よりなる上層担体と、上層担体に担持された少なくともRhとからなり、担体基材1リットルあたりにおける全CeO2量が15〜30gである排ガス浄化用触媒を用い、
14.2<A/F≦14.5の弱リッチ雰囲気で運転している時に間欠的にリーン雰囲気に制御する第1制御と、リーン雰囲気で運転している時に間欠的にA/F≦14.0の強リッチ雰囲気に制御する第2制御との少なくとも一方を行うことにある。
本願発明では、第1制御と第2制御の少なくとも一方を行う。第1制御は、14.2<A/F≦14.5の弱リッチ雰囲気で運転している時に間欠的にリーン雰囲気に制御する。弱リッチ雰囲気では、主として下触媒層に吸着していた硫黄成分は上触媒層に再び吸着することなく一気に脱離する。したがってH2Sが生成する確率が低くなり、H2Sの排出量が低減される。
しかしリッチ雰囲気では、セリアあるいはセリア−ジルコニア複合酸化物中の酸素も放出され、触媒中に酸素が不足した状態となり浄化活性が低下する。そこで間欠的にリーン雰囲気とすれば、排ガス中に豊富に存在する酸素が触媒中に取り込まれるので、浄化活性が回復する。
第2制御では、リーン雰囲気で運転している時に間欠的にA/F≦14.0の強リッチ雰囲気に制御する。リーン雰囲気では主として下触媒層に硫黄成分が吸着され、セリアあるいはセリア−ジルコニア複合酸化物に酸素が吸蔵される。しかし吸着された硫黄成分は、そのままでは車庫入れ時などにH2Sとなって排出されるおそれがある。そこで第2制御では、間欠的に強リッチ雰囲気に制御する。強リッチ雰囲気とすることで下触媒層に吸着していた硫黄成分は上触媒層に再び吸着することなく一気に脱離する。したがって硫黄吸着量がほとんどゼロとなり、H2Sが生成される確率が大きく低減される。
すなわち硫黄成分の吸着と脱離が繰り返されるため、硫黄成分が触媒に吸着されている時間帯が短く、H2Sとして排出される量を低減することができる。
本発明の排ガス浄化方法に用いられる排ガス浄化用触媒は、担体基材と、下触媒層と、上触媒層とから構成されている。担体基材としては、ハニカム形状、フォーム形状、あるいはペレット形状のものを用いることができる。その材質は特に制限されず、コージェライト、SiCなどのセラミックス製のもの、あるいは金属製のものなど公知のものを用いることができる。
担体基材の表面には、下触媒層が形成されている。この下触媒層は、下層担体と、下層担体に担持されたPt及びPdの少なくとも一方とからなる。下層担体は、50〜70質量%のCeO2を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を含んでいる。アルミナ、チタニアなど他の多孔質酸化物を混合してもよい。またセリア−ジルコニア−アルミナ複合酸化物などを用いることもできる。
下層担体のセリア−ジルコニア複合酸化物には、セリアが50〜70質量%含まれている。セリアの含有量が50質量%未満では酸素吸放出能が不足し三元触媒としての浄化活性が低下する。またセリアの含有量が70質量%を超えるとH2Sの排出量が多くなる。
なおセリア−ジルコニア複合酸化物のみから下層担体を構成すると、担体基材への付着強度が低く使用時に剥離する場合がある。この不具合を防止するには、下層担体中にアルミナを混合することが望ましい。しかし下層担体におけるアルミナの混合量は、担体基材1リットルあたり30〜70gの範囲に抑制すべきである。
下層担体のセリア−ジルコニア複合酸化物には、5質量%以上のPr2O3が含まれていることが望ましい。Pr2O3が5質量%未満では酸素吸放出能が低下する。しかし10質量%を超えてPr2O3を含有しても効果が飽和し、CeO2の量が相対的に不足して酸素吸放出能が低下する場合がある。
また下層担体のセリア−ジルコニア複合酸化物には、La酸化物がさらに含まれていることが望ましい。La酸化物を含むことで比表面積が増大し浄化活性が向上する。La2O3はセリア−ジルコニア複合酸化物中に1〜5質量%の範囲で含まれることが望ましい。La2O3量が1質量%未満では下層担体の耐熱性が十分ではなく、5質量%を超えると効果が飽和しCeO2量が相対的に不足して酸素吸放出能が低下する場合がある。
下層担体には、Pt及びPdの少なくとも一方が担持されている。触媒中の全Pt及び全Pd量の80%以上が下層担体に担持されていることが望ましい。またPtは、セリア−ジルコニア複合酸化物にのみ担持されていることが望ましい。セリア又はセリア−ジルコニア複合酸化物は、Ptの担持量が多くなるほど塩基点の量が少なくなる、という特性をもつことが明らかとなっている。したがってセリア−ジルコニア複合酸化物にのみPtを担持すれば、硫黄成分が吸着しにくくなりH2Sの排出をさらに抑制することができる。また、セリアの酸素吸放出能も向上する。
Pt及びPdの少なくとも一方の担持量は、下触媒層と上触媒層とに含まれる合計量として、担体基材の1リットルあたり0.05〜3gの範囲が望ましい。Pt及びPdの少なくとも一方の担持量がこの範囲より少ないと三元触媒としての浄化活性が低下し、この範囲より多く担持しても効果が飽和する。なおPt及びPdの少なくとも一方の活性を低下させない範囲であれば、下層担体にRhなど他の触媒金属を担持してもよい。
下触媒層を形成するには、下層担体粉末を含むスラリーを担体基材にウォッシュコートし、それにPt及びPdの少なくとも一方を担持してもよいし、セリア−ジルコニア複合酸化物粉末に予めPt及びPdの少なくとも一方を担持した触媒粉末を含むスラリーを担体基材にウォッシュコートしてもよい。なお下触媒層のコート量は、担体基材の1リットルあたり50〜150gとすることができる。コート量がこの範囲より少ないと、使用中にPtなどに粒成長が生じて劣化する場合がある。またコート量がこの範囲より多くなると、排気圧損が増大する。
下触媒層の表面には、上触媒層が形成されている。この上触媒層は、上層担体と、上層担体に担持された少なくともRhとからなる。上層担体は少なくともジルコニアを含む酸化物よりなるものであり、ジルコニア単独で構成してもよいし、セリア、アルミナ、チタニアなど他の多孔質酸化物を混合してもよい。またジルコニア−セリア複合酸化物、ジルコニア−セリア−アルミナ複合酸化物などを用いることもできる。
上層担体には、ジルコニアが50質量%以上の量で含まれていることが望ましい。ジルコニアの含有量が50質量%未満では、担持されているRhに粒成長が生じて活性が低下するので好ましくない。複合酸化物を用いる場合には、ジルコニアの濃度がセリアの濃度より高い(ジルコニアリッチ)ジルコニア−セリア複合酸化物を用いることが望ましい。この場合、ジルコニア−セリア複合酸化物中のCeO2量は10〜30質量%の範囲とすることが望ましい。CeO2量が10質量%未満では雰囲気変動を緩和する効果が低下し、30質量%を超えるとSOxが吸着し易くなるためH2Sの排出量が多くなる。
なおジルコニアあるいはジルコニア−セリア複合酸化物のみから上層担体を構成すると、下触媒層への付着強度が低く使用時に剥離する場合がある。この不具合を防止するには、上層担体中にアルミナを混合することが望ましい。しかし上層担体におけるアルミナの混合量は、担体基材1リットルあたり10〜40gの範囲に抑制すべきである。
上層担体には、Nd酸化物及びY酸化物の少なくとも一種がさらに含まれていることが望ましい。これらを含むことでRhの粒成長が抑制されるとともに、酸素吸放出能が向上する。Nd酸化物及びY酸化物の少なくとも一種は、ジルコニア又はジルコニア−セリア複合酸化物中に7〜30質量%の範囲で含有されていることが望ましい。ジルコニア−セリア複合酸化物を用いる場合には、Nd2O3はジルコニア−セリア複合酸化物中に10〜15質量%の範囲で含まれることが望ましい。Nd2O3量が10質量%未満ではRhの粒成長が生じやすく浄化活性の耐久性が低下し、15質量%を超えるとCeO2量が相対的に不足して酸素吸放出能が低下する。
またY2O3は、ジルコニア又はジルコニア−セリア複合酸化物中に7〜15質量%の範囲で含まれることが望ましい。Y2O3が7質量%未満ではRhの粒成長が生じ易くなり、15質量%を超えて含有すると上層担体の比表面積が低下するようになる。
上層担体には、少なくともRhが担持されている。触媒中の全Rh量の80%以上のRhが上層担体に担持されていることが望ましい。またRhは、ジルコニア又はジルコニア−セリア複合酸化物にのみ担持されていることが望ましい。このようにすることで、Rhの担体中への固溶が防止され、Rhの劣化を抑制することができる。またRhの還元活性が最大に発現され、NOxの浄化性能が向上する。
Rhの担持量は、下触媒層と上触媒層とに含まれるRhの合計量として、担体基材の1リットルあたり0.02〜0.5gの範囲が望ましい。Rhの担持量がこの範囲より少ないと三元触媒としての浄化活性が低下し、この範囲より多く担持しても効果が飽和する。なおRhの活性を低下させない範囲であれば、上層担体にPt、Pdなど他の触媒金属を担持してもよい。
上触媒層を形成するには、上層担体粉末を含むスラリーを下触媒層をもつ担体基材にウォッシュコートし、それに少なくともRhを担持してもよいし、ジルコニアあるいはジルコニア−セリア複合酸化物の粉末に予めRhを担持した触媒粉末を含むスラリーを下触媒層をもつ担体基材にウォッシュコートしてもよい。なお上触媒層のコート量は、担体基材の1リットルあたり30〜50gとすることができる。コート量がこの範囲より少ないと、使用中にRhに粒成長が生じて劣化する場合がある。またコート量がこの範囲より多くなると、排気圧損が増大する。
CeO2の含有量は、下触媒層と上触媒層との合計中に、担体基材1リットルあたり10〜30g、好ましくは15〜30gの範囲とすることが望ましい。CeO2の含有量が10g/L未満であると酸素吸放出能が不十分となり、30g/Lを超えるとSOxの吸着量が増大してH2Sの生成量が増大する。CeO2の含有量を10〜30g/L、好ましくは15〜30g/Lの範囲とすることで、酸素吸放出能による雰囲気変動の抑制効果と、H2S生成の抑制効果とが両立し易くなる。
本発明の排ガス浄化方法は、上記した排ガス浄化用触媒を用い、第1制御と第2制御の少なくとも一方を行う。第1制御と第2制御の一方のみを行ってもよいし、第1制御の後に第2制御を行ってもよいし、あるいは第2制御の後に第1制御を行ってもよい。また第1制御と第2制御を交互に行うこともできる。エンジン始動からエンジン停止までの使用時間内において、第1制御及び/又は第2制御は、少なくとも一度は行われるが、すべての使用時間中に第1制御及び/又は第2制御を行うことが望ましい。
第1制御は、14.2<空燃比≦14.5の弱リッチ雰囲気で運転している時に間欠的にリーン雰囲気に制御する。弱リッチ雰囲気の空燃比が14.2以下ではHC及びCOの浄化率が低下する。また弱リッチ雰囲気の空燃比が14.5を超えると、吸着している硫黄成分の脱離が困難となり、車庫入れ時などにH2Sが多量に排出されてしまう。
第1制御における弱リッチ雰囲気の時間に対するリーン雰囲気の時間の比(リーン時間/弱リッチ時間)は1/2〜1/10であることが望ましい。リーン時間がこの範囲より短いと酸素の吸蔵量が少なくなるために、浄化性能が低下する。またリーン時間がこの範囲より長くなると、吸着された硫黄成分の脱離が困難となり、H2Sが生成する確率が高まってしまう。
第2制御は、リーン雰囲気で運転している時に間欠的に空燃比≦14.0の強リッチ雰囲気に制御する。強リッチ雰囲気の空燃比が14.0未満では、吸着している硫黄成分が脱離しにくくなりH2Sが生成する確率が高まってしまう。第2制御におけるリーン雰囲気の時間に対する強リッチ雰囲気の時間の比(強リッチ時間/リーン時間)は1/30〜1/10の範囲が好ましい。強リッチ時間がこの範囲より短いと、吸着された硫黄成分の完全な脱離が困難となり、残留硫黄成分によってH2Sが生成する確率が高まってしまう。また強リッチ時間がこの範囲より長くなると、酸素の吸蔵量が少なくなるために浄化性能が低下する。
以下、実施例、比較例及び試験例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例に用いた排ガス浄化用触媒を模式的に示す。この排ガス浄化用触媒は、ハニカム基材1と、ハニカム基材1のセル隔壁10の表面にコートされた下触媒層2と、下触媒層2の表面にコートされた上触媒層3と、から構成されている。
以下、この排ガス浄化用触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
先ず、60質量%のCeO2、7質量%のPr2O3、3質量%のLa2O3を含み、比表面積約50m2/gのセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を用意し、ジニトロジアンミン白金溶液の所定量を含浸した後、蒸発乾固してPtを3.3質量%担持したPt/CeO2−ZrO2粉末を調製した。
このPt/CeO2−ZrO2粉末30質量部と、γ−アルミナ粉末57質量部と、BaSO4粉末10質量部と、バインダとしてのアルミナゾル(Al2O3:10質量%)3質量部と、蒸留水とを混合して下層用スラリーを調製した。これにコージェライト製ハニカム基材1(直径103mm、全長105mm)を浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吹き払った後、乾燥、焼成して下触媒層2を形成した。下触媒層2は、ハニカム基材1の1L当たり100g形成され、Ptはハニカム基材1の1L当たり1g担持されている。
次に、12質量%のNd2O3、9質量%のY2O3、20質量%のCeO2を含むジルコニアリッチのジルコニア−セリア複合酸化物粉末を用意し、硝酸ロジウム水溶液の所定量を含浸した後、蒸発乾固してRhを3質量%担持したRh/ZrO2−CeO2粉末を調製した。
このRh/ZrO2−CeO2粉末10質量部と、γ−アルミナ粉末25質量部と、バインダとしてのアルミナゾル( Al2O3:10質量%)5質量部と、蒸留水とを混合して上層用スラリーを調製した。これに上記した下触媒層2が形成されたハニカム基材1を浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吹き払った後、乾燥、焼成して上触媒層3を形成した。上触媒層3は、ハニカム基材1の1L当たり40g形成され、Rhはハニカム基材1の1L当たり0.3g担持されている。
得られた触媒において、含まれるCeO2の総量は、ハニカム基材1の1Lあたり19.3gである。
この排ガス浄化用触媒を直列4気筒2.4Lエンジンの排気系に装着し、硫黄を含有するガソリンを用いて、入りガス温度950℃にて、空燃比=14.4の弱リッチ雰囲気を90秒間と、空燃比=16のリーン雰囲気を30秒間とを1サイクルとする運転を50時間行う耐久試験を施した。そして耐久試験時に排出されたH2S量を測定し、結果を図2に示す。また耐久試験時において単位走行距離あたりに浄化されたNOx量を算出し、結果を図3に示す。
(比較例1)
実施例1と同一の排ガス浄化用触媒を直列4気筒2.4Lエンジンの排気系に装着し、硫黄を含有するガソリンを用いて、入りガス温度950℃の定常状態にて、空燃比=14.4の弱リッチ雰囲気の運転を50時間行う耐久試験を施した。そして耐久試験時に排出されたH2S量を測定し、結果を図2に示す。また耐久試験時において単位走行距離あたりに排出されたNOx量を算出し、結果を図3に示す。
(比較例2)
実施例1と同一の排ガス浄化用触媒を直列4気筒2.4Lエンジンの排気系に装着し、硫黄を含有するガソリンを用いて、入りガス温度950℃の定常状態にて、空燃比=14.8のリーン雰囲気の運転を50時間行う耐久試験を施した。そして耐久試験時に排出されたH2S量を測定し、結果を図2に示す。また耐久試験時において単位走行距離あたりに排出されたNOx量を算出し、結果を図3に示す。
(比較例3)
実施例1と同一の排ガス浄化用触媒を直列4気筒2.4Lエンジンの排気系に装着し、硫黄を含有するガソリンを用いて、入りガス温度950℃の定常状態にて、空燃比=15.1のリーン雰囲気の運転を50時間行う耐久試験を施した。そして耐久試験時に排出されたH2S量を測定し、結果を図2に示す。また耐久試験時において単位走行距離あたりに排出されたNOx量を算出し、結果を図3に示す。
<評価>
図2から、実施例1の排ガス浄化方法によれば、全て弱リッチ雰囲気に制御された比較例1には及ばないものの、比較例2〜3に比べてH2Sの排出量が大きく低下していることがわかる。これは、弱リッチ雰囲気の運転中に間欠的にリーン雰囲気を入れる第1制御を行ったことによる効果であることが明らかである。
また図3から、実施例1と比較例1はほぼ同等のNOx浄化性能を示し、実施例1のように間欠的にリーン雰囲気としても、本発明に用いた排ガス浄化用触媒のNOx浄化性能には影響が無いことが明らかである。
(実施例2)
実施例1と同一の排ガス浄化用触媒を直列4気筒2.4Lエンジンの排気系に装着し、硫黄を含有するガソリンを用いて、入りガス温度950℃にて、空燃比=15.5のリーン雰囲気を55秒間と、空燃比=13.5の強リッチ雰囲気を5秒間とを1サイクルとする運転を50時間行う耐久試験を施した。そして耐久試験時に排出されたH2S量を測定し、結果を図4に示す。また耐久試験時において単位走行距離あたりに排出されたNOx量を測定し、結果を図5に示す。
(比較例4)
実施例1と同一の排ガス浄化用触媒を直列4気筒2.4Lエンジンの排気系に装着し、硫黄を含有するガソリンを用いて、入りガス温度950℃の定常状態にて、空燃比=15.5のリーン雰囲気の運転を50時間行う耐久試験を施した。そして耐久試験時に排出されたH2S量を測定し、結果を図4に示す。また耐久試験時において単位走行距離あたりに排出されたNOx量を測定し、結果を図5に示す。
<評価>
図4から、実施例2の排ガス浄化方法によれば、比較例4に比べてH2Sの排出量が大きく低下していることがわかる。これは、リーン雰囲気の運転中に間欠的に強リッチ雰囲気を入れる第2制御を行ったことによる効果であることが明らかである。
また図5から、実施例2と比較例4はほぼ同等のNOx浄化性能を示し、実施例2のように間欠的に強リッチ雰囲気としても、本発明に用いた排ガス浄化用触媒の酸化活性には影響が無いことが明らかである。
本発明の一実施例で用いた排ガス浄化用触媒を要部拡大断面図と共に示す説明図である。 H2S排出量を示すグラフである。 NOx排出量を示すグラフである。 H2S排出量を示すグラフである。 NOx排出量を示すグラフである。
符号の説明
1:ハニカム基材 2:下触媒層 3:上触媒層

Claims (3)

  1. 担体基材と、該担体基材の表面に形成された下触媒層と、該下触媒層の表面に形成された上触媒層と、よりなり、該下触媒層は、50〜70質量%のCeO2を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を含む下層担体と、該下層担体に担持されたPt及びPdの少なくとも一方とからなり、該上触媒層は、少なくともジルコニアを含む酸化物よりなる上層担体と、該上層担体に担持された少なくともRhとからなり、該担体基材1リットルあたりにおける全CeO2量が15〜30gである排ガス浄化用触媒を用い、
    14.2<空燃比≦14.5の弱リッチ雰囲気で運転している時に間欠的にリーン雰囲気に制御する第1制御と、リーン雰囲気で運転している時に間欠的に空燃比≦14.0の強リッチ雰囲気に制御する第2制御との少なくとも一方を行うことを特徴とする排ガス浄化方法。
  2. 前記第1制御における弱リッチ雰囲気の時間に対するリーン雰囲気の時間の比(リーン時間/弱リッチ時間)は1/2〜1/10である請求項1に記載の排ガス浄化方法。
  3. 前記第2制御におけるリーン雰囲気の時間に対する強リッチ雰囲気の時間の比(強リッチ時間/リーン時間)は1/30〜1/10である請求項1に記載の排ガス浄化方法。
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