JP6202008B2 - ゴム組成物および成形体 - Google Patents

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Description

本発明はニトリルゴムとカーボンナノチューブとを含有するゴム組成物、および、そのゴム組成物を用いた成形体に関する。
従来、耐熱性、耐オゾン性、耐化学薬品性及び耐油性を有する水素化カルボキシル化ニトリルゴムに、架橋剤と、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)とを配合した組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、特許文献1に記載の組成物を加硫して得た加硫物は、破断点伸び及び歪み特性を維持しながら、引張強度や弾性率を高めることができることが知られている。
ここで、近年、CNTは、導電性や機械的特性の向上効果が高いカーボン材料として着目されており、ゴム成分とカーボンナノチューブとを含有するゴム組成物は、導電性および機械的特性に優れる材料として着目されている。
特開2010−001475号公報(米国特許出願公開第2013/261246号明細書)
本発明は、ゴムの柔軟性を損なうことなく、非常に高い導電性を持つゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を有し、ヨウ素価が100以下であるニトリルゴム(A)と、平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(B)とを含有するゴム組成物が提供される。
ここで、前記ニトリルゴム(A)におけるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位中、15〜60質量%であるのが好ましい。
また、前記ニトリルゴム(A)100質量部に対する前記カーボンナノチューブ(B)の量は、0.01〜10質量部であるのが好ましい。
また、本発明によれば、上述したゴム組成物からなる成形体が提供される。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、所定のニトリルゴム(A)と、所定のカーボンナノチューブ(B)とを含有する。なお、本発明のゴム組成物は、任意に、可塑剤、熱可塑性樹脂、架橋剤、その他の添加剤を含有していてもよい。
<ニトリルゴム(A)>
上記ニトリルゴム(A)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位)を有し、且つ、ヨウ素価が100以下であることが必要である。
ここで、ニトリルゴム(A)は、上記のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位の他に、通常、ジエン単量体に由来する構造単位(ジエン単量体単位)及び/又はα−オレフィン単量体に由来する構造単位(α−オレフィン単量体単位)をも有する。ニトリルゴム(A)がジエン単量体単位及び/又α−オレフィン単量体単位を有する場合、ゴム組成物を架橋して得られるゴム架橋物が十分なゴム弾性を保有する。
そして、ニトリルゴム(A)は、例えば、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体と、ジエン単量体及び/又はα−オレフィン単量体と、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合して得られるニトリルゴム(a)を水素添加(水素化)し、ヨウ素価を100以下に調整することにより得られる。なお、ニトリルゴム(A)としては、市販品の水素化ニトリルゴムを用いることもできる。
[α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体]
ここで、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成する単量体は、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されない。具体的には、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらの中でも、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。これらの単量体は、複数種を併用してもよい。
ニトリルゴム(A)におけるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量(以下「ニトリル含量」と称することがある。)は、全単量体単位中、15質量%以上60質量%以下であるのが好ましく、25質量%以上55質量%以下であるのが更に好ましく、25質量%以上50質量%以下であるのが特に好ましい。ニトリル含量がこの範囲であると、得られるゴム組成物の改質効果が高くなり、カーボンナノチューブ(B)の添加量が少なくても高い導電性が付与できる。
なお、ニトリル含量は、重合に用いるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の量を変えることにより調整できる。そして、ニトリルゴム(A)中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、JIS K6364のミルオーブン法に従い、発生した窒素量を測定してアクリロニトリル分子量からその結合量を換算し、定量することができる。
[ジエン単量体]
ジエン単量体単位を形成する単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの炭素数が4以上の共役ジエン;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの炭素数が5〜12の非共役ジエンが挙げられる。これらの中でも、ジエン単量体としては、共役ジエンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらの単量体は、複数種を併用してもよい。
[α−オレフィン単量体]
α−オレフィン単量体単位を形成する単量体としては、好ましくは炭素数が2〜12のオレフィンが挙げられる。具体的には、α−オレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。これらの単量体は、複数種を併用してもよい。
[他の単量体]
上述した単量体(α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、ジエン単量体および/またはα−オレフィン単量体)と共重合可能な他の単量体としては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル単量体、カチオン性単量体、共重合性老化防止剤などが例示される。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、アルキル基の炭素数が1〜18のもの;アクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸メトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルであって、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸α−シアノエチル、アクリル酸β−シアノエチル、メタクリル酸シアノブチルなどの(メタ)アクリル酸シアノアルキルエステルであって、シアノアルキル基の炭素数が2〜12のもの;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1〜12のもの;アクリル酸フルオロベンジル、メタクリル酸フルオロベンジルなどのフッ素置換ベンジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピルなどのフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和多価カルボン酸ポリアルキルエステル;アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;などが挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を指す。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
カチオン性単量体としては、(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」を指す。
共重合性老化防止剤としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
これらの共重合可能な他の単量体は、複数種類を併用しうる。ニトリルゴム(A)に含有される、これらの他の単量体単位の含有量は、全単量体単位中、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
[ニトリルゴム(A)の製造方法]
本発明で用いるニトリルゴム(A)は、上記したニトリルゴム(A)を構成する各単量体を共重合した後、水素添加することにより製造することができる。各単量体を共重合する方法に格別な制限はないが、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの乳化剤を用いて約50〜1000nmの平均粒径を有する共重合体のラテックスを得る乳化重合法や、ポリビニルアルコールなどの分散剤を用いて約0.2〜200μmの平均粒径を有する共重合体の水分散液を得る懸濁重合法(微細懸濁重合法も含む)などを好適に用いることができる。これらのなかでも、重合反応の制御が容易なことから乳化重合法がより好ましい。
一例として、乳化重合法を用いて各単量体を共重合する場合について以下に説明する。
−乳化重合法を用いた共重合−
上記乳化剤の使用量は、全単量体100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下、より好ましくは1質量部以上5質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以上3.0質量部以下である。乳化剤の使用量が多すぎると、ニトリルゴム(A)のメタノール抽出量、すなわち不純物量が多くなるおそれがある。逆に、乳化剤の使用量が少なすぎると、ラテックスの安定性が低下して乳化重合反応を行うことができなくなる場合がある。
乳化重合においては、乳化剤以外の重合開始剤、分子量調整剤等の従来公知の重合副資材を使用することができる。これら重合副資材の添加方法は特に限定されず、重合初期に一括添加する方法、分割して添加する方法、連続して添加する方法などいずれの方法も採用することができる。
重合開始剤は、ラジカル開始剤であれば特に限定されない。具体的には、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機または有機の過酸化物が好ましい。
なお、重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
重合開始剤の使用量は、全単量体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上2質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上1.5質量部以下である。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;α−メチルスチレンダイマー;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、分子量調整剤としては、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましい。
分子量調整剤の使用量は、全単量体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上0.8質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上0.7質量部以下である。
乳化重合の媒体としては、通常、水が使用される。水の量は、全単量体100質量部に対して、好ましくは80質量部以上500質量部以下、より好ましくは100質量部以上300質量部以下である。
乳化重合に際しては、さらに、必要に応じてキレート剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材も用いることができる。これらを用いる場合においては、その種類、使用量とも特に限定されない。
−共重合体の水素添加−
単量体の共重合により得られた共重合体(ニトリルゴム(a))を水素添加する方法は公知の方法によればよく、油層水素化法、水層水素化法のいずれも採用可能である。中でも、ニトリルゴム(a)を水素添加して得たニトリルゴム(A)のメタノール抽出量(不純物量)を低くできることから、油層水素化法が好ましい。
ここで、ニトリルゴム(A)の製造を油層水素化法で行う場合には、次の方法により行うことが好ましい。
即ち、まず、乳化重合により調製したニトリルゴム(a)のラテックスを塩析により凝固させ、濾別および乾燥を経て、ニトリルゴム(a)の凝固物を有機溶媒に溶解する。次いで、有機溶媒に溶解させたニトリルゴム(a)について水素添加反応(油層水素化法)を行い、水素化物とし、ニトリルゴム(A)を得る。具体的には、有機溶媒として水溶性のアセトンなどを用いた場合には、得られた水素化物溶液を大量の水中に注いで凝固、濾別および乾燥を行うことによりニトリルゴム(A)を得る。
ここで、上記ラテックスの塩析による凝固では、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウムなどの公知の凝固剤を使用することができる。中でも、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウムなどのマグネシウム塩を採用すると、ニトリルゴム(A)のメタノール抽出量をより一層低減することができるので好ましい。凝固剤の使用量は、水素化するニトリルゴム(a)の量を100質量部とした場合に、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部、特に好ましくは10〜50質量部である。凝固温度は10〜80℃が好ましい。
油層水素化法で用いる有機溶媒は、ニトリルゴム(a)を溶解する液状有機化合物であれば特に限定されない。有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、シクロヘキサノンおよびアセトンなどが好ましく使用される。
油層水素化法の水素添加反応で用いる触媒としては、公知の選択的水素化触媒であれば限定なく使用できる。具体的には、水素添加反応で用いる触媒としては、パラジウム系触媒およびロジウム系触媒が好ましく、パラジウム系触媒(酢酸パラジウム、塩化パラジウムおよび水酸化パラジウムなど)がより好ましい。これらは2種以上併用してもよいが、ロジウム系触媒とパラジウム系触媒とを組み合わせて用いる場合には、パラジウム系触媒を主たる活性成分とすることが好ましい。これらの触媒は、通常、担体に担持させて使用される。担体としては、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナ、珪藻土、活性炭などが例示される。触媒使用量は、水素化するニトリルゴム(a)の量に対して、好ましくは10質量ppm以上5000質量ppm以下、より好ましくは100質量ppm以上3000質量ppm以下である。
油層水素化法の水素添加反応温度は、好ましくは0℃以上200℃以下、より好ましくは10℃以上100℃以下である。また、水素添加反応を行う際の水素圧力は、好ましくは0.1MPa以上30MPa以下、より好ましくは0.2MPa以上20MPa以下であり、反応時間は、好ましくは1時間以上50時間以下、より好ましくは2時間以上25時間以下である。
あるいは、ニトリルゴム(A)の製造を水層水素化法で行う場合には、乳化重合により調製したニトリルゴム(a)のラテックスに、必要に応じて水を加えて希釈し、水素添加反応を行うことが好ましい。
ここで、水層水素化法には、(I)水素化触媒存在下の反応系に水素を供給して被水素化物(ニトリルゴム(a))を水素化する水層直接水素化法と、(II)酸化剤、還元剤および活性剤の存在下で被水素化物を還元して水素化する水層間接水素化法とがある。
(I)水層直接水素化法においては、水層のニトリルゴム(a)の濃度(ラテックス状態での濃度)は、凝集を防止するために40質量%以下とすることが好ましい。
また、水層直接水素化法において用いる水素化触媒は、水で分解しにくい化合物であれば特に限定されない。水素化触媒の具体例として、パラジウム触媒では、ギ酸、プロピオン酸、ラウリン酸、コハク酸、オレイン酸、フタル酸などのカルボン酸のパラジウム塩;塩化パラジウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムなどのパラジウム塩素化物;ヨウ化パラジウムなどのパラジウムヨウ素化物;硫酸パラジウム・二水和物などが挙げられる。これらの中でもカルボン酸のパラジウム塩、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウムおよびヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムが特に好ましい。水素化触媒の使用量は、適宜定めればよいが、水素化するニトリルゴム(a)の量に対して、好ましくは5質量ppm以上6000質量ppm以下、より好ましくは10質量ppm以上4000質量ppm以下である。
水層直接水素化法における反応温度は、好ましくは0℃以上300℃以下、より好ましくは20℃以上150℃以下、特に好ましくは30℃以上100℃以下である。反応温度が低すぎると反応速度が低下するおそれがあり、逆に、反応温度が高すぎるとニトリル基の水素添加などの副反応が起こる可能性がある。供給する水素の圧力は、好ましくは0.1MPa以上30MPa以下、より好ましくは0.5MPa以上20MPa以下である。反応時間は、反応温度、水素圧、目標の水素化率などを勘案して選定される。
水層直接水素化法においては、反応終了後、ラテックス中の水素化触媒を除去する。その方法として、例えば、活性炭、イオン交換樹脂などの吸着剤を添加して攪拌下で水素化触媒を吸着剤に吸着させ、次いでラテックスをろ過または遠心分離する方法を採ることができる。あるいは、水素化触媒を除去せずにラテックス中に残存させることも可能である。
(II)一方、水層間接水素化法では、水層のニトリルゴム(a)の濃度(ラテックス状態での濃度)は、好ましくは1質量%以上50質量%以下、より好ましくは1質量%以上40質量%以下とする。
水層間接水素化法で用いる酸化剤としては、酸素、空気、過酸化水素などが挙げられる。これら酸化剤の使用量は、ニトリルゴム(a)の炭素−炭素二重結合に対するモル比(酸化剤:炭素−炭素二重結合)で、好ましくは0.1:1〜100:1、より好ましくは0.8:1〜5:1の範囲である。
水層間接水素化法で用いる還元剤としては、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、酢酸ヒドラジン、ヒドラジン硫酸塩、ヒドラジン塩酸塩などのヒドラジン類またはヒドラジンを遊離する化合物が挙げられる。これら還元剤の使用量は、ニトリルゴム(a)の炭素−炭素二重結合に対するモル比(還元剤:炭素−炭素二重結合)で、好ましくは0.1:1〜100:1、より好ましくは0.8:1〜5:1の範囲である。
水層間接水素化法で用いる活性剤としては、銅、鉄、コバルト、鉛、ニッケル、スズなどの金属のイオンが挙げられる。これらの活性剤の使用量は、炭素−炭素二重結合に対するモル比(活性剤:炭素−炭素二重結合)で、好ましくは1:1000〜10:1、より好ましくは1:50〜1:2である。
水層間接水素化法における水素添加反応は、0℃から還流温度までの範囲内で反応系を加熱することにより行われる。この際における加熱温度は、好ましくは0℃以上250℃以下、より好ましくは20℃以上100℃以下、特に好ましくは40℃以上80℃以下である。
水層直接水素化法、水層間接水素化法のいずれにおいても、水素化に続いて、塩析による凝固、濾別、乾燥を行うことが好ましい。塩析は、前記油層水素化法におけるラテックスの塩析と同様に、ニトリルゴム(A)のメタノール抽出量をより一層低減することができるという点より、上述したマグネシウム塩を用いることが好ましい。また、凝固に続く水素化物(ニトリルゴム(A))の濾別および乾燥の工程はそれぞれ公知の方法により行うことができる。
<カーボンナノチューブ(CNT)>
本発明で用いるカーボンナノチューブは、平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが、関係式:
0.60>3σ/Av>0.20
を満たす。ここで、「直径分布(3σ)」とは、カーボンナノチューブの直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じたものを指す。そして、「平均直径(Av)」および「標本標準偏差(σ)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡での観察下、無作為に選択したカーボンナノチューブ100本の直径(外径)を測定して求めることができる。
平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすCNTを用いることにより、CNTが少量であっても、優れた導電性を示すゴム組成物を得ることができる。得られるゴム組成物の特性の観点から、平均直径に対する直径分布の比(3σ/Av)は、0.25超であることがより好ましく、0.50超であることがさらに好ましい。
CNTの直径分布は、この値が大きいほど広いことを意味する。本発明において直径分布は正規分布を取るものが好ましい。異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることでも直径分布の値を大きくすることはできるが、その場合正規分布を得ることは難しい。即ち、本発明においては、単独のCNT、或いは、単独のCNTにその直径分布に影響しない量の他のCNTを配合したものを用いるのが好ましい。
[CNTの性状]
ここで、CNTの平均直径(Av)は、ゴム組成物に高い導電性を付与するといった観点から、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがより好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
また、本発明に用いるCNTは、ラマン分光法においてRadial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層のCNTのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
更に、CNTはG/D比が1以上20以下であることが好ましい。ゴム組成物中のCNTの配合量が少量でも、優れた導電性を得ることができるからである。また、CNTの合成時における構造体の平均長さは、100μm以上5000μm以下であることが好ましい。CNT合成時における構造体の平均長さが100μm以上5000μm以下のCNTを用いることで、CNTの配合量が少量でも、得られるゴム組成物はより優れた導電性を発揮する。なお、CNTの平均長さは、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択された100本のCNTの長さを測定することにより求めることができる。
このようなCNTは、例えば後述するスーパーグロース法により得ることができる。
また、CNTの比表面積は、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることがより好ましく、2500m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることがより好ましい。更に、CNTが主として開口したものにあっては、比表面積が1300m2/g以上であることが好ましい。
なお、カーボンナノチューブの比表面積は、BET法により求めることができる。
また、CNTの質量密度は、0.002g/cm3以上0.2g/cm3以下であることがより好ましい。質量密度が0.2g/cm3以下であれば、CNTを構成するCNT同士の結びつきが弱くなるので、CNTを溶媒などの中で攪拌した際に、均質に分散させることが容易になる。つまり、質量密度を0.2g/cm3以下とすることで、均質なCNT分散液を得ることが容易となる。また質量密度が0.002g/cm3以上であれば、CNTの一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
更に、CNTは、単層のものであっても、多層のものであってもよいが、CNTを用いて製造したゴム組成物の導電性を向上させる観点からは、単層から5層のものが好ましく、単層のものがより好ましい。
本発明で用いるCNTは、0.60>3σ/Av>0.20の関係式を満たすCNTであれば特に制限なく使用することができる。中でも、CNTとしては、参照することにより本明細書に取り込まれる日本国特許第4,621,896号公報(欧州公開特許第1787955号)及び日本国特許第4,811,712号公報(米国公開特許第2009−297846号)に記載されているスーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブ(以下「SGCNT」と称することがある。)が好ましい。なお、SGCNTの中でも、比表面積が600m2/g以上のカーボンナノチューブが、ゴム組成物への改質効果が高いためさらに好ましい。
[CNTの配合量]
なお、本発明のゴム組成物に用いるCNT(B)の量は、ニトリルゴム(A)100質量部に対して、通常0.01質量部以上10質量部以下、好ましくは0.1質量部以上7質量部以下、より好ましくは0.25質量部以上5質量部以下である。ゴム組成物中のCNT(B)の量が少なすぎると、導電性が確保できず、逆に多すぎるとゴム組成物の流動性および柔軟性が低下し、成形性が悪化する。
<可塑剤>
本発明のゴム組成物に任意に配合される可塑剤としては、特に限定されることなく、例えば、アジピン酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジブトキシエチルおよびフタル酸ジシクロヘキシル等の既知の可塑剤が挙げられる。可塑剤を配合することで、ゴム組成物の硬さを調整することができる。
なお、本発明のゴム組成物に用いる可塑剤の量は、ニトリルゴム(A)100質量部に対して、通常0.1質量部以上200質量部以下、好ましくは1質量部以上150質量部以下、より好ましくは2質量部以上100質量部以下である。ゴム組成物中の可塑剤の量が少なすぎると、脆化温度の上昇の抑制ができず、逆に多すぎると可塑剤がブリードしやすくなる。
<架橋剤>
本発明のゴム組成物は、成形性、成形品の機械的強度確保などの観点から、さらに架橋剤を含むことが好ましい。
必要に応じて用いる架橋剤は、ニトリル基含有共重合体ゴムの架橋剤として通常使用されるものであれば限定されない。代表的な架橋剤としては、ニトリルゴム(A)の不飽和結合間を架橋する硫黄系架橋剤または有機過酸化物架橋剤が挙げられる。中でも、架橋剤としては硫黄系架橋剤が好ましい。
ここで、硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降性硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄及び不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼノピン−2)、含リンポリスルフィド及び高分子多硫化物などの含硫黄化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫黄供与性化合物などが挙げられる。
また、有機過酸化物架橋剤としては、例えば、ジクミルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ビス−(t−ブチル−ペルオキシ)−n−ブチルバレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシベンゾエート等が挙げられる。
なお、本発明のゴム組成物の架橋剤含有量は特に限定されないが、ニトリルゴム(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上5質量部以下である。
ここで、架橋剤として硫黄系架橋剤を用いる場合には、亜鉛華、ステアリン酸などの架橋助剤;グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系などの架橋促進剤を併用することができる。これらの架橋助剤及び架橋促進剤の使用量も特に限定されず、ニトリルゴム(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下の範囲である。
また、架橋剤として有機過酸化物架橋剤を用いる場合には、架橋助剤としてトリメタクリル酸トリメチロールプロパン、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレン、イソシアヌル酸トリアリルなどの多官能性化合物などを併用することができる。これらの架橋助剤の配合量は特に限定されないが、ニトリル共重合体ゴム(A)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上20質量部以下の範囲である。
<その他の添加剤>
本発明のゴム組成物には、ゴム組成物を用いて得られる成形体の特性の改良又は維持のために、各種添加剤を更に配合してもよい。添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、軟化剤、粘着付与剤、可塑剤、離型剤、防臭剤、香料、無機化合物(シリカ粒子、アルミナ粒子など)、板状無機化合物(板状アルミナ、クレーなど)等を挙げることができる。
<ゴム組成物の調製方法>
本発明のゴム組成物を得る方法に格別な制限はない。ゴム組成物は、例えば、上述したようなニトリルゴム(A)の溶液又は分散液(ラテックス)と、上述したようなカーボンナノチューブ(B)と、必要に応じて配合される架橋剤等とを混合する混合工程と、得られた混合物中の固形分を凝固させる凝固工程と、固形分を凝固させて得られた凝固物を乾燥する乾燥工程とにより製造するのが好ましい。
具体的には、ゴム組成物は、例えば、
(1)有機溶媒にニトリルゴム(A)を溶解した溶液中に、CNT(B)を加え、分散処理により分散し、凝固させてクラムを生成させ、乾燥によりゴム組成物を得る方法、
(2)有機溶媒にニトリルゴム(A)を溶解した溶液中に、あらかじめ溶媒中に分散処理したCNT(B)の分散液を加え、凝固させてクラムを生成させ、乾燥によりゴム組成物を得る方法、
(3)水中にニトリルゴム(A)を分散させたラテックス中に、あらかじめ水中に分散処理したCNT(B)の水分散液を加え、凝固させてクラムを生成させ、乾燥によりゴム組成物を得る方法、
の何れかを用いて調製することができる。中でも、得られるゴム組成物の特性の観点からは、ニトリルゴム(A)のラテックスを用いる方法(3)が好ましい。以下では、一例として、ラテックスを用いたゴム組成物の調製方法について説明する。
[ラテックスを用いたゴム組成物の調製方法]
−混合工程−
ニトリルゴム(A)のラテックスとしては、上述した乳化重合などによって得られるものを用いれば良い。
また、CNT(B)の水分散液は、分散剤を溶解させた分散剤水溶液に、上記CNT(B)を加え、キャビテーション効果が得られる分散方法で処理することにより得ることができる。
ここで、前記分散剤としては、界面活性剤及び多糖類が挙げられる。CNT(B)の分散性の観点からは、分散剤としては、界面活性剤がより好ましく、アニオン性界面活性剤がさらに好ましい。
前記キャビテーション効果が得られる分散方法は、液体に高エネルギーを付与した際、水に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法であり、当該分散方法を用いることにより、CNTの特性を損なうことなくCNTを水中に分散することが可能となる。キャビテーション効果が得られる分散処理の具体例としては、超音波による分散処理、ジェットミルによる分散処理及び高剪断撹拌による分散処理が挙げられる。これらの分散処理は、一つのみを行なってもよく、複数の分散処理を組み合わせて行なってもよい。分散処理に用いる装置としては、例えば超音波ホモジナイザー、ジェットミル、及び高剪断撹拌装置が好適に用いられる。これらの装置は従来公知のものを使用すればよい。なお、ボールミル等を用いてCNT(B)を分散させた場合にはCNT(B)を十分に分散させることができない虞があるため、上述した分散処理を用いることが好ましい。
前記ニトリルゴム(A)のラテックスとCNT(B)の水分散液との混合方法については特に制限がなく、ニトリルゴムのラテックス(A)とCNT(B)の水分散液(C)とが均一になる撹拌方法を用いればよい。
ここで、ゴム組成物に可塑剤を配合する場合は、前記のラテックス組成物に、可塑剤を水性エマルションとして加えて混合すればよい。この方法を採ると、ニトリルゴム(A)、CNT(B)及び可塑剤がミクロの構造で均一に混合されて、可塑剤のブリードが起こりにくくなり、特性に優れたゴム組成物が得られ易い。
可塑剤の水性エマルションを調製する方法は特に限定はないが、可塑剤の配合量の0.5〜10質量%となる量の界面活性剤を含有する水媒体に対し、強撹拌下で可塑剤を添加して調製することが好ましい。界面活性剤としては、ロジン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルなどのノニオン界面活性剤;ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン界面活性剤;等が挙げられる。なお、水性エマルション中の可塑剤の濃度は、5〜70質量%とすることが好ましい。
また、ゴム組成物に熱可塑性樹脂を配合する場合は、従来から公知の乳化重合法により製造したラテックス状態の熱可塑性樹脂を、上記のように調製したCNT(B)を含有するラテックス組成物に、混合(ラテックスブレンド)すればよい。
−凝固工程−
混合工程で得られた混合物を凝固させてクラムを得る方法は、特に限定されず、例えば、
(i)混合工程で得られた混合物を水溶性の有機溶媒に加える方法、
(ii)酸を混合物に加える方法、
(iii)塩を混合物に加える方法、
(iv)凝固剤を含む水溶液に混合物を加える方法、
が挙げられる。その中でも、凝固剤を含む水溶液に、混合物(ラテックス組成物)を添加して塩析させることにより混合物を凝固させることが好ましい。
なお、凝固剤としては、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、水酸化カルシウム、硫酸アルミニウム及び水酸化アルミニウムなどが挙げられる。凝固剤の使用量は、ニトリルゴム(A)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上150質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以上20質量部以下である。
ここで、ニトリルゴム(A)がカチオン性単量体単位を含有するものである場合には、ラテックス組成物を塩析する際に、希硫酸水溶液などを添加して、凝固剤水溶液のpHをニトリルゴム(A)のラテックス組成物の等電点以下に制御することが好ましい。凝固剤水溶液のpHを制御することにより、ニトリルゴム(A)に含まれるカチオン性単量体単位が有する官能基のゼータ電位が上昇し、これにより、CNT(B)の分散性が向上するとともに、凝固によって得られるクラムの粒径を大きなものとすることができる。
凝固によって得られるクラムの粒径は、クラムの脱水度、回収率および乾燥度に大きな影響を及ぼすものである。従って、クラムの平均粒径は、0.5〜40mmであることが好ましい。
−乾燥工程−
凝固工程で得られたクラムの洗浄、脱水及び乾燥方法は、一般的なゴムの製造における洗浄・脱水方法及び乾燥方法と同様である。
洗浄・脱水方法としては、網目状のフィルター、遠心分離機等を用いてクラムと溶液とを分離した後、クラムを洗浄し、洗浄後のクラムを振動スクリーンやスクイーザー等で脱水する方法を用いることができる。
乾燥方法としては、一般にゴムの製造に用いられるバンドドライヤー、通気竪型乾燥機、単軸押出機、二軸押出機等を用いた方法が挙げられる。クラムを所望の含水率になるまで乾燥させることにより、本発明のゴム組成物を得ることができる。
ここで、二軸押出機を用いる場合、二軸押出機内で凝固と乾燥を同時に行ってもよい。
なお、ラテックス組成物(可塑剤、塩化ビニル樹脂及びアクリル樹脂等を含有していてもよい)を凝固させてクラムを生成させ、当該クラムを乾燥することにより得られたゴム組成物には、必要に応じて老化防止剤、補強剤などの成分を添加してもよい。ゴム組成物への老化防止剤、補強剤などの添加は、ロールやバンバリーミキサー等の混練機を用いた混練により行うことができる。
なお、本発明のゴム組成物の調製方法としては、上述した方法以外にも、たとえば、ニトリルゴム(A)のラテックスに、CNT(B)、並びに、必要に応じて添加される可塑剤、塩化ビニル樹脂及びアクリル樹脂等の全成分、または1つ以上の成分の全量もしくはその一部を含有させ、凝固・乾燥した後、必要に応じて添加されるCNT(B)以外の充填剤、老化防止剤、補強剤などの成分と共に残余の上記成分をロールやバンバリーミキサー等の混練機で混練する方法も挙げられる。
(成形体)
本発明の成形体は、上述した本発明のゴム組成物を成形して得ることができる。本発明のゴム組成物を用いて成形体を得る成形方法は、特に限定されない。具体的には、成形体は、所望の成形品形状に応じた成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロール機等によりゴム組成物の成形を行い、必要に応じて形状を固定化するために成形品を架橋することにより得ることができる。
架橋は、予め成形した後に行ってもよく、成形と同時に行ってもよい。成形温度は、好ましくは10℃以上200℃以下、より好ましくは25℃以上120℃以下である。架橋温度は、好ましくは100℃以上200℃以下、より好ましくは130℃以上190℃以下、特に好ましくは140℃以上180℃以下であり、架橋時間は、好ましくは1分以上5時間以下、より好ましくは2分以上1時間以下である。
なお、成形物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても、内部まで十分に架橋していない場合がある。その場合には、二次架橋を行ってもよい。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
実施例および比較例において、導電率および表面摩擦抵抗は、それぞれ以下の方法を使用して評価した。
〔導電率〕
ゴム組成物の導電率は、低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、製品名「ロレスタ(登録商標)−GP MCP−T610」)を用い、JIS K7194に準拠した方法で以下のように測定した。
まず、試料450mgを真空下において、温度120℃、圧力0.4MPa、加圧時間5分の条件で真空プレス成形し、直径が約40〜60mmφ、厚さ100〜500μmの薄膜円径状に成形した。その後、10mm×10mmの正方形状試験片を4個切り出し、測定サンプルとした。低抵抗率計の四端針プローブには、PSPプローブを選択した。測定サンプルを絶縁ボードの上に固定し、測定サンプルの中心位置(縦5mm横5mmの位置)にプローブを押し当て、最大90Vの電圧をかけて導電率を測定した。
4個の測定サンプルの任意の箇所の導電率を50点測定し、その平均値、標準偏差を測定した。
〔表面摩擦抵抗〕
ゴム組成物の表面摩擦抵抗は、ヘイドン式表面性測定機(新東科学社製、製品名「HEIDON(登録商標)−14D」)を用い、以下のように測定した。
真空下において、温度120℃、圧力0.4MPa、加圧時間5分の条件で試料を真空プレス成形し、直径が約40〜60mmφ、厚さ2mmの薄膜円径状に成形した。その後、40mm×10mmの長方形状試験片を4個切り出し、測定サンプルとした。次に、測定治具としてボール圧子(SUSφ10)を用い、試験加重200g(垂直荷重N)、試験速度50mm/minの条件にて、シート状の測定サンプルを水平に移動させた際にヘイドン式表面性測定機の動歪みアンプにかかる摩擦力F(単位:gf)を計測した。そして、下記式に基づいて、摩擦係数μを計算した。
μ=F/N
本実施例では、シート状の測定サンプルが静止している状態から、試験速度で一定となるまでの間、連続的に摩擦係数μの値を記録した。そして、摩擦係数μの最大値を静摩擦係数、摩擦係数μが一定状態となった時の値を動摩擦係数とした。なお、静摩擦係数および動摩擦係数の値が小さいほど、表面摩擦抵抗が低く、摺動特性に優れると判断することができる。本実施例では、静摩擦係数と動摩擦係数が両方とも1.5未満の場合を「〇」、いずれか一方のみが1.5未満で一方は1.5以上の場合を「△」、両方とも1.5以上の場合を「×」とした。
〔製造例1(カーボンナノチューブの合成)〕
特許第4,621,896号公報に記載のスーパーグロース法を用いてカーボンナノチューブを得た。
具体的には次の条件において、SGCNT−1を成長させた。
炭素化合物:エチレン;供給速度50sccm
雰囲気(ガス):ヘリウム、水素混合ガス;供給速度1000sccm
圧力:1大気圧
水蒸気添加量:300ppm
反応温度:750℃
反応時間:10分
金属触媒(存在量):鉄薄膜;厚さ1nm
基材:シリコンウェハー
得られたSGCNT−1は、BET比表面積が1,050m2/gであり、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100〜300cm-1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNT−1の直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、(3σ/Av)が0.58であった。
〔製造例2(カーボンナノチューブの合成)〕
製造例1の金属触媒の鉄薄膜の厚みを5nmにした以外は製造例1と同様の手法により、SGCNT−2を得た。得られたSGCNT−2は、BET比表面積が620m2/gであり、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100〜300cm-1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNT−2の直径を測定した結果、平均直径(Av)が5.9nm、直径分布(3σ)が3.3nm、(3σ/Av)が0.56であった。
<実施例1>
メチルエチルケトン95gに、アクリロニトリル量が49.2%の水素化ニトリルゴム(日本ゼオン社製、製品名「Zetpol(登録商標)0020」、ヨウ素価:23)5gを入れ、25℃で24時間以上撹拌して、5%ゴム溶液を100g作成した。
製造例1で作製したSGCNT−1を2.5mgと、5gの5%ゴム溶液とを20ccのスクリュー管瓶中に入れ、温度25℃で1時間以上撹拌し、CNTをプレ分散させた。
次いで、超音波洗浄器(BRANSON社製、製品名「5510J−DTH」)にて、出力180W、温度10℃〜40℃、1時間の条件で、スクリュー管瓶ごと超音波処理を行ない、SGCNT−1を5%ゴム溶液中に分散させた。
n−ヘキサン及び撹拌子をビーカー中に入れ、撹拌状態にあるn−ヘキサンを準備した。そこに、作製したSGCNT−1/ゴムの混合溶液を徐々に添加することにより、n−ヘキサン中に、クラム状のSGCNT−1/ゴム組成物を凝固させた。
その後、吸引濾過によりn−ヘキサンからSGCNT−1/ゴム組成物を取り出し、温度40℃の真空乾燥機中で24時間以上真空乾燥することにより、SGCNT−1(1部)/ゴム(100部)のゴム組成物1を得た。ゴム組成物1を薄膜円盤状に成形した成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率の平均値は0.08S/cm、標準偏差は0.035S/cmであった。また、ゴム組成物1の摩擦抵抗は「〇」であった。結果を纏めて表1に示す。
<実施例2>
1質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液90mLに対し、製造例2で作製したSGCNT−2を90mg加え、薄膜旋回分散装置(プライミクス社製、製品名「フィルミックス56−50型」)を用いて、線速50m/s、温度30℃〜60℃の条件下で、SGCNT−2の凝集塊がなくなるまで間欠分散処理を行い、SGCNT−2を0.1質量%含むSGCNT−2分散液1を得た。
また、メチルエチルケトン90gに、アクリロニトリル量が36.2%、ヨウ素価56の水素化ニトリルゴム(日本ゼオン社製、製品名「Zetpol 2030L」)10gを入れ、温度25℃で24時間以上撹拌して、10%ゴム溶液を100g作製した。1質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液75mLに10%ゴム溶液15gを加え、薄膜旋回分散装置(プライミクス社製、製品名「フィルミックス56−50型」)を用いて、線速30m/s、温度30℃〜60℃の条件下で、20分間乳化処理を行い、ゴム乳化液を得た。得られたゴム乳化液の固形分濃度を加熱残分から測定したところ、1.7質量%であった。
作製したゴム乳化液15gと、0.127gのSGCNT−2分散液1とを混合し、2時間撹拌することによりSGCNT−2/ゴムの混合溶液を得た。
2−プロパノール及び撹拌子をビーカー中に入れ、撹拌状態にある2−プロパノールを準備した。そこに、作製したSGCNT−2/ゴムの混合溶液を徐々に添加することにより、2−プロパノール中に、クラム状のSGCNT−2/ゴム組成物を凝固させた。
その後、吸引濾過により2−プロパノールからSGCNT−2/ゴム組成物を取り出し、温度40℃の真空乾燥機中で24時間以上真空乾燥することにより、SGCNT−2(0.05部)/ゴム(100部)のゴム組成物2を得た。ゴム組成物2を薄膜円盤状に成形した成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率の平均値は0.002S/cm、標準偏差は0.002S/cmであった。また、ゴム組成物2の摩擦抵抗は「△」であった。結果を纏めて表1に示す。
<実施例3>
1質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液90mLに対し、製造例2で作製したSGCNT−2を90mg加え、ジェットミル(常光社製、製品名「JN−20」)を用いて20回処理して、SGCNT−2を0.1質量%含むSGCNT−2分散液2を得た。
実施例2で使用した水素化ニトリルゴムを、アクリロニトリル量が18.6%、ヨウ素価が7以下の水素化ニトリルゴム(日本ゼオン社製、製品名「Zetpol 4300」)に変え、作製したゴム乳化液15gと、25.5gのSGCNT−2分散液2とを混合した以外は実施例2と同様の操作により、SGCNT−2(10部)/ゴム(100部)のゴム組成物3を得た。ゴム組成物3を薄膜円盤状に成形した成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率の平均値は4.2S/cm、標準偏差は0.14S/cmであった。また、ゴム組成物3の摩擦抵抗は「〇」であった。結果を纏めて表1に示す。
<実施例4>
使用するカーボンナノチューブをSGCNT−2から多層カーボンナノチューブ(MWCNT;Nanocyl社製、製品名「NC7000」、BET比表面積290m2/g)に変えた以外は実施例3と同様の操作により、凝集体のないMWCNT分散液を得た。なお、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のNC7000の直径を測定した結果、平均直径(Av)が9.3nm、直径分布(3σ)が2.6nm、(3σ/Av)が0.28であった。
実施例3のSGCNT−2分散液を、MWCNT分散液に変えた以外は実施例3と同様の操作により、NC7000(10部)/ゴム(100部)のゴム組成物4を得た。ゴム組成物4を薄膜円盤状に成形した成形体は、柔軟性があるゴム状物質であり、その導電率の平均値は0.01S/cm、標準偏差は0.039S/cmであった。また、ゴム組成物4の摩擦抵抗は「〇」であった。結果を纏めて表1に示す。
<比較例1>
実施例1で使用したCNTを、SGCNT−1からHiPCO(NanoIntegris Inc.社製、BET比表面積700m2/g)に変えた以外は実施例1と同様の操作により、CNT(1部)/ゴム(100部)の比較例ゴム組成物1を得た。なお、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のHiPCOの直径を測定した結果、平均直径(Av)が1.1nm、直径分布(3σ)が0.2nm、(3σ/Av)が0.18であった。比較例ゴム組成物1を薄膜円盤状に成形した成形体は、柔軟性があるゴム状物質であるが、導電率は測定下限値以下であった。また、比較例ゴム組成物1の摩擦抵抗は「×」であった。結果を纏めて表1に示す。
Figure 0006202008
この結果から、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を有する、ヨウ素価が100以下であるニトリルゴム(A)と、平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが0.60>3σ/Av>0.20であるカーボンナノチューブ(B)とを含有するゴム組成物は優れた導電性と低い表面摩擦抵抗を示すことがわかる。

Claims (4)

  1. α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を有し、ヨウ素価が100以下であるニトリルゴム(A)と、
    平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(B)と、
    を含有するゴム組成物。
  2. 前記ニトリルゴム(A)におけるα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は、全単量体単位中、15〜60質量%である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記ニトリルゴム(A)100質量部に対する前記カーボンナノチューブ(B)の量は、0.01〜10質量部である請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物からなる成形体。
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