JP6201598B2 - メイラード反応阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、マクルリン又はその配糖体を有効成分として含有するメイラード反応阻害剤に関するものである。また、本発明はかかるメイラード反応阻害剤を含有する経口剤、外用剤、食品に関するものである。
先進国では高齢化社会の到来に伴い、アンチエイジングが注目されている。そして、老化現象を引き起こす機序の一つとして、糖化(メイラード反応)が関与していることが報告されている。
メイラード反応は、還元糖のカルボニル基と蛋白質又はアミノ酸のアミノ基が非酵素的に縮合する反応で、シッフ塩基を経由して、アマドリ転移産物を生成する前期反応と、その後、アマドリ転移産物が分解され、さらに脱水、酸化、縮合、転移等の過程を経て、終末糖化産物群(AGEs)へと変化する後期反応とに分けられる。
AGEsが加齢に依存して種々の生体組織に蓄積すること、また、糖尿病合併症、アルツハイマーや動脈硬化などの加齢関連疾患で、AGEsの蓄積が有意に増加していることが報告されている。さらに、メイラード反応は、加齢に伴って生じる白内障や軟骨の弾力低下、皮膚の老化の原因となることが報告されている。AGEsの一種であるCML(カルボキシメチルリジン)は、肌の機能に関わりのある線維芽細胞のアポトーシスを誘導し、肌機能を低下させると考えられている。
このため、メイラード反応抑制作用を有する素材(抗糖化素材)を摂取することにより体内のAGEsの精製を抑制し、加齢に伴う諸症状を抑制することが期待できるとして、抗糖化素材を使用した食品の開発が盛んである。これらの食品は美容訴求関連食品やロコモティブシンドローム対策の食品としての可能性が期待される。
アミノグアニジンは、強力なメイラード反応阻害剤として知られている(例えば、特許文献1参照)。一方で、この化合物は強い副作用を有することが知られている。
マクルリンは天然染料色素として知られており、染毛性整髪用組成物として用いられている(例えば、特許文献2参照)。また、マンゴスチンに含まれる成分の一つとしてマクルリンが存在するが、その生理作用については知られていない(例えば、特許文献3、4参照)。
特開昭62−142114号公報 特許3309221号公報 特表2008−520585号公報 特表2006−504790号公報
本発明は、メイラード反応阻害剤を提供することを主な目的とする。また、本発明は、かかる阻害剤を含有する経口剤、外用剤及び食品を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、マクルリン及び/又はその配糖体がメイラード反応阻害活性を有することを初めて見出し、本発明を完成した。
本発明として、下記のものを挙げることができる。
(1)マクルリン又はその配糖体を有効成分として含有するメイラード反応阻害剤。
(2)マクルリン又はその配糖体が植物抽出物由来である、前記1記載のメイラード反応阻害剤。
(3)植物抽出物がマンゴスチン果皮の水抽出物である、前記2記載のメイラード反応阻害剤。
(4)前記1〜3のいずれかに記載のメイラード反応阻害剤を含有する経口剤。
(5)前記1〜3のいずれかに記載のメイラード反応阻害剤を含有する外用剤。
(6)前記1〜3のいずれかに記載のメイラード反応阻害剤を含有する食品。
本発明に係るメイラード反応阻害剤(以下、「本発明阻害剤」という。)は、強い活性を有することから、メイラード反応が関与すると考えられる様々な症状、例えば、癌、糖尿病合併症、白内障、軟骨の弾力低下、皮膚の老化(皮膚の弾力低下、しわやたるみの原因となるコラーゲンの架橋形成、肌のくすみの原因となる色素沈着等)や老化の抑制に有用である。
液液分配スキームを示す図である。 n−ヘキサン(hexane)で液液分配した水(HO)層のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。矢印は、マクルリン配糖体のピークを示す。 酢酸エチル(EtOAc)で液液分配した水(HO)層のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。矢印は、マクルリン配糖体のピークを示す。 水飽和ブタノール(BuOH)層のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。矢印は、マクルリン配糖体のピークを示す。 ODSカラム フラクションNo.15−18のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 マクルリン配糖体のHPLCチャートを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は保持時間(分)を示す。 マクルリン配糖体の吸光スペクトルを示す図である。縦軸は検出強度(mAU)を示し、横軸は波長(nm)を示す。
マクルリン及びその配糖体
本発明にかかるマクルリン(Macrulin、一般名:(3,4−ジヒドロキシフェニル)(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)ケトン)は、次の化学式(I)で表される化合物である。また、次の化学式(II)で表される配糖体が存在する。
Figure 0006201598
Figure 0006201598
本発明に係るマクルリン及びその配糖体は、市販のものか、植物抽出物から単離したものを用いることができる。また、本発明に係るマクルリン及びその配糖体は、植物抽出物由来であってもよい。
マクルリン又はその配糖体を含む植物としては、例えば、トウグワ(Morus alba L.)、アメリカハリグワ(Maclura ponifera (Raf.) Schneid.)、ニオイイリス(Iris florentina L.)、マンゴー(Mangifera indica L.)、モラル(Chlorophora tinctoria (L.) Gandich.)、ゲンチアナロダンザ(Gentiana rhodantha Franch.)、ゲンチアナヴェルナ(Gentiana verna L.)、タマゴノキ(Garcinia xanthochymus Hook.f.ex T.Anders.)、マンゴスチン(Garcinia mangostana L.)が挙げられる。抽出に使用する植物の部位としては、マクルリン又はその配糖体が含まれている部位であれば特に限定されないが、例えば、花、花穂、果皮、果実、果肉、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子、虫えい、心材、地上部、地下部又は全草を用いることができる。中でも、マンゴスチンの果皮が好ましい。
植物抽出物は、マクルリン又はその配糖体を含む植物から通常用いられる方法により製造することができる。具体的には、植物の各部位をそのまま又は適当な大きさに切断し、必要に応じてブランチング又は乾燥し、搾汁又は溶媒で抽出することにより製造することができる。ブランチングは、例えば、植物の各部位を生のままあるいは、冷凍した後に解凍したものを60℃以上の熱水に5分以内の間、浸すことにより行うことができる。抽出溶媒としては、例えば、水を用いることができる。水の使用量は、用いる植物原料等により異なるが、重量比で、1:2〜1:30(植物原料:水)の範囲内が適当であり、1:3〜1:20の範囲内が好ましく、1:5〜1:10の範囲内がより好ましい。抽出時間は、1時間〜15日の範囲内が適当である。抽出温度は、5〜100℃の範囲内が適当であり、60〜95℃の範囲内が好ましい。抽出方法については特に制限されず、バッチ抽出、カラムを用いた連続抽出等、任意の方法を適用することができる。
得られた植物抽出物は、そのままの状態で用いることもできるが、必要に応じ、その活性に影響のない範囲内で更に精製処理を加えてもよい。このような精製処理は、通常の方法によって行えばよく、例えば、植物抽出物を常法によりろ過することにより行うことができる。また、得られたろ液を減圧濃縮、凍結乾燥することもできる。
植物抽出物から本発明に係るマクルリン又はその配糖体を単離する方法としては、特に限定されないが、例えば、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーを挙げることができる。また、それらを組み合わせて単離してもよい。
本発明に係るマクルリン及びその配糖体としては、マンゴスチン果皮の水抽出物由来のものが好ましい。特に、60〜100℃の熱水で抽出した抽出物由来のものが好ましい。より好ましくは、70〜100℃の範囲内である。
本発明阻害剤の摂取量は、症状、剤型、投与対象者の年齢、体重等により異なるが、通常、成人1日当り、マクルリン又はその配糖体の重量として、0.01mg〜10gの範囲内とするのが適当であり、0.03mg〜5gの範囲内とするのが好ましいが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。かかる1日当りの摂取量は、1回で摂取してもよく、また、2〜4回に分割して摂取してもよい。
経口剤
本発明に係る経口剤は、本発明阻害剤を含有する、経口摂取が可能な組成物を意味する。本発明に係る経口剤は、本発明阻害剤をそのまま又は必要に応じて、経口剤を製造する際に用いられる医薬上又は食品上許容される添加剤とを適量配合したものを、常法により製剤化することにより得ることができる。かかる添加剤としては、賦形剤、充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、調味料、香料、滑沢剤等を挙げることができる。
本発明に係る経口剤の製剤化に際して、他の生理機能を有する素材を配合することもできる。
本発明に係る経口剤の剤型は特に限定されず、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、ドロップ剤を挙げることができる。
本発明に係る経口剤におけるマクルリン又はその配糖体の含有量としては、剤型等に合わせて適宜調製すればよいが、例えば、製剤全量中、マクルリン又はその配糖体の量として、0.0001〜50%の範囲内が適当であり、好ましくは、0.001〜10%の範囲内である。
本発明に係る経口剤の摂取量は、剤型、投与対象者の年齢、体重等により異なるが、通常、成人1日当り、マクルリン又はその配糖体の重量として、0.01mg〜10gの範囲内とするのが適当であり、0.03mg〜5gの範囲内とするのが好ましいが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。かかる1日当りの摂取量は、1回で摂取してもよく、また、2〜4回に分割して摂取してもよい。
外用剤
本発明に係る外用剤は、本発明阻害剤を含有する、外用で使用することが可能な組成物を意味する。
本発明に係る外用剤は、本発明阻害剤をそのまま又は必要に応じて、外用剤を製造する際に用いられる医薬上許容される添加剤を適量配合したものを常法により製剤化することにより得ることができる。かかる添加剤としては、軟膏用基剤、アルコール、多価アルコール、水溶性高分子、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線防止剤、金属イオン封鎖剤、増粘剤、界面活性剤、精製水、防腐剤、抗菌剤、油剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、保湿剤、色素、ビタミン類、アミノ酸類等を挙げることができる。
さらに、本発明阻害剤を、公知の医薬部外品、化粧品に配合して本発明に係る外用剤として用いることもできる。
本発明に係る外用剤には、本発明阻害剤のほか、老化抑制効果を高めるための成分を更に配合したり、他の生理機能を有する素材を配合することもできる。かかる成分としては、例えば、紫外線防止剤、酸化防止剤、保湿剤、細胞賦活剤、血流促進剤を挙げることができる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
本発明に係る外用剤の具体的な使用態様としては、特に限定されず、例えば、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パック、トニックを挙げることができる。
本発明に係る外用剤におけるマクルリン又はその配糖体の含有量としては、剤型等に合わせて適宜調製すればよいが、例えば、製剤全量中、0.0001〜50%の範囲内、好ましくは0.001〜25%、さらに好ましくは0.005〜20%の範囲内で配合すればよい。
本発明に係る外用剤の使用量は、剤型、投与対象者の年齢、体重等により異なるが、通常、成人1日当り、マクルリン又はその配糖体の重量として、0.01mg〜100gの範囲内とするのが適当であり、0.03mg〜60gの範囲内とするのが好ましいが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。かかる1日当りの使用量は、1回で使用してもよく、また、2〜4回に分割して使用してもよい。
食品
本発明に係る食品は、本発明阻害剤と公知の食材又は飲食品とを混合して、常法により、食品に加工することにより得ることができる。
本発明に係る食品の形態は特に限定されず、例えば、粉末状、塊状、液状、シロップ状、ゼリー状を挙げることができる。
本発明に係る食品には、食品上許容される他の成分を配合することができる。かかる成分としては、例えば、栄養素、賦形剤、増量剤、甘味料、香味剤、着色剤、防腐剤、乳化剤、可溶化剤、多価アルコール、有機酸、無機酸、水溶性高分子を挙げることができる。これらを1種又は2種以上使用することができる。
本発明に係る食品の種類としては、例えば、飲料(清涼飲料、乳飲料、ジュース、茶類等)、粉末飲料(粉末ジュース、粉末スープ等)、練製品(畜肉ソーセージ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、竹輪等)、惣菜(オムレツ、卵焼、ハンバーグ、コロッケ、ミーとボール、酢の物、酢豚、サラダ、餃子、しゅうまい、ロールキャベツ、豆腐、筑前煮、煮豆、ひじき煮、唐揚、天ぷら、フライ、茶碗蒸、胡麻和え、サラダ、カレー、シチュー、スープ、チャーハン、おにぎり、餅、ふりかけ、味噌汁等)、麺類(うどん、そうめん、そば、スパゲッティ、マカロニ、ラーメン等)、調理パン(ハンバーガー、ホットドッグ、サンドイッチ等)、パン(食パン、フランスパン等)、菓子(ケーキ、クッキー、ウエハース、クレープ、ヨーグルト、プリン、キャンディー、ガム、アイスクリーム、キャラメル、チョコレート、ドーナツ、せんべい、ようかん、ういろう、もなか、まんじゅう、大福餅、おはぎ、団子、甘納豆、中華まん等)を挙げることができる。この他、マヨネーズ、サラダドレッシング等も挙げることができる。
本発明に係る食品へのマクルリン又はその配糖体の添加量は、添加剤の有無や食品の種類等により異なるが、0.0001〜50%の範囲内とするのが適当であり、0.001〜30%の範囲内とするのが好ましいが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。
本発明に係る食品の摂取量は、摂取者の性別、年齢、体重、症状等によって異なる。かかる摂取量は、成人1日当り、マクルリン又はその配糖体の重量として、0.01mg〜10gの範囲内とするのが適当であり、0.03mg〜5gの範囲内とするのが好ましいが、必ずしもこの範囲に限られるものではない。かかる1日当りの摂取量は、1回で摂取してもよく、また、2回以上に分割して摂取してもよい。
以下に実施例、試験例を掲げて本発明をさらに詳述する。但し、本発明が下記実施例に限定されないことは言うまでもない。
実施例1 マンゴスチン果皮の熱水抽出物の製造
乾燥したマンゴスチン果皮1.5kgを、そこに100メッシュのフィルターを取り付けたφ13.5cm×60cmのステンレス製カラムに充填し、上から熱水を加え、下から1時間当たり3リットルの速度で抽出液を集めた。これを濃縮機(RVT−T、HISAKA WORKS L.T.D.製)にてBrix(固形分濃度)25%になるまで濃縮し、さらに、最終の固形分の25%となるようにデキストリンを加え、Brix30%に調整した。これをプレート殺菌機(STS−100、日阪製作所製)にて130℃、30秒殺菌したのち、スプレードライ(L−12、大川原加工機(株)製)で粉末化し、パウダー状の抽出物を得た。
実施例2 マクルリン配糖体の単離および同定
乾燥したマンゴスチン果皮1.5kgを、そこに100メッシュのフィルターを取り付けたφ13.5cm×60cmのステンレス製カラムに充填し、上から熱水を加え、下から1時間当たり3リットルの速度で抽出液を集めた。これを濃縮機(RVT−T、HISAKA WORKS L.T.D.製)にてBrix25%になるまで濃縮した液をトレイに入れ、凍結乾燥器(RLEII−103、日精(株)製)にて乾燥させたものをブレンダーで粉砕し、パウダー状のマンゴスチン熱水抽出物を得た。
このパウダー25gを図1に示すようなスキームで液液分配を行った。液液分配で得られたHPLCチャートを図2〜図7に示す。水飽和ブタノール(BuOH)層を蒸発乾固後、水で再溶解し、ODSオープンカラム(YMC−gelODSAQ12S50、φ2×17cm、(株)ワイエムシィ製)にチャージし、水で溶出し1−70のフラクションに分けた。この内、15−18番目のフラクションを集め、さらにHPLC(カラム:YMC−Pack ODS−A 250×10mm、S−5μm、12nm、(株)ワイエムシィ製)にて分取し、目的化合物6.7mgを単離した。
得られた化合物は次に示す条件でHPLCにて分析を行い、純品であることを確認し、吸光スペクトルを測定した。
<HPLC条件>
カラム:YMC−pack ODS−A A302,S−5μm,12nm (150mm×4.6mm、(株)ワイエムシィ製)
移動相:A;0.1% ギ酸水、B;0.1%ギ酸含アセトニトリル
Figure 0006201598
さらに、単離した化合物はNMRにて同定を行った。13C、Hの帰属結果を表2に示す。さらにDEPT、1D−NOESY、HMQC、HMBC(4Hz、12Hz)の結果から、マクルリン配糖体(化2)と同定した。
Figure 0006201598
試験例1 マクルリン及びマクルリン配糖体のメイラード反応阻害活性測定
試験管内にリン酸バッファー(pH7.15)、最終濃度0.8mg/mlBSA、2Mブドウ糖を加え、試料としてマクルリン(Sigma社製)を最終濃度0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0mg/mlとなるように添加し、60℃で30時間反応させた溶液を試験液とした。実施例2のマクルリン配糖体、アミノグアニジン(硫酸アミノグアニジン:和光純薬工業(株)製)、実施例1のマンゴスチン果皮熱水抽出物も同様に反応させた。
この試験液を蛍光測定器(MTP−600 コロナ電気(株)社製)にて、励起波長360nm、蛍光波長450nmにて蛍光値を測定した。ブランク1として、ブドウ糖を加えないもの、ブランク2として試料を加えないもの、ブランク3としてブドウ糖と試料を加えないものを調整し、同様にインキュベートして蛍光値を測定した。阻害率(%)は下式により算出した。

阻害率 = {1−(試料の蛍光値−ブランク1)÷(ブランク2−ブランク3)}×100

さらに、各試料について、縦軸に阻害率、横軸に試料の濃度をプロットし、近似曲線から50%阻害濃度(IC50)を算出した。その結果を、表3に示す。
Figure 0006201598
マクルリン及びその配糖体は、アミノグアニジンと比較して高いメイラード反応阻害活性を示した。

試験例2 マクルリン及びマクルリン配糖体のCML(カルボキシメチルリジン)生成反応阻害活性測定
CML−BSA(CML−BSA/Nε−(carboxymethyl)lysine−BSA、Cat#CY−R2052、CycLex社製)をバッファーで2500倍希釈し、ELISA用の96穴プレートに100μl/wellになるように加え、37℃1時間で固相化した。そして、96穴プレートの溶液を捨てた後、洗浄バッファーで一度洗浄した後、Blockingバッファーを200μl/well加え、37℃1時間インキュベートした。
96穴プレートの溶液を捨てた後、洗浄バッファーで一度洗浄し、抗CML抗体(anti−CML/Nε−(carboxymethyl)lysine、Cat#CY−M1028、CycLex社製)をバッファーで10000倍希釈したもの50μlと、0、0.037、0.078、0.156、0.313、0.625、1.25、2.5μg/mlに調整したCMLスタンダード、または0、0.1、0.2、0.5、1.0、2.0μg/mlに調整したマクルリンを50μlとを混合したものをプレートに加え、プレートシェーカーで撹拌(300rpm)し、室温で1時間反応させた。
反応後、96穴プレートの溶液を捨てた後、洗浄バッファーで4回洗浄し、二次抗体(anti−Mouse IgG−Peroxidase antibody produced in Goat、Cat#A3673、Sigma社製)をバッファーで10000倍希釈したものを100μl/well加え、プレートシェーカーで撹拌(300rpm)し、室温で1時間反応させた。反応後、96穴プレートの溶液を捨てた後、洗浄バッファーで4回洗浄し、TMB溶液を100μl/well加え、10分反応させたの後、1N硫酸を100μl/well加えたものを、450nmの吸光値をマイクロプレートリーダー(MTP−300、コロナ電気(株)社製)で測定した。
マクルリン配糖体、アミノグアニジン、プロシアニジンB2、αマンゴスチン、マンゴスチン果皮熱水抽出物も同様に反応させた。
その結果を表4に示す。
Figure 0006201598
マクルリン及びその配糖体は、アミノグアニジンと比較して高いCML生成阻害活性を示した。
本発明阻害剤は、優れたメイラード阻害作用を有するため、老化に伴って生じる現象、例えば、白内障、軟骨の弾力低下、皮膚の老化(皮膚の弾力低下、しわやたるみの原因となるコラーゲンの架橋形成、肌のくすみの原因となる色素沈着等)の抑制に用いることができる。また、本発明に係る抗酸化剤は、活性酸素が関与することが知られている、糖尿病合併症(例えば、心筋梗塞、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症)の改善、予防又は治療に用いることもできる。

Claims (3)

  1. マクルリン又はその配糖体を有効成分として含有するメイラード反応阻害剤。
  2. マクルリン又はその配糖体が植物抽出物由来である、請求項1記載のメイラード反応阻害剤。
  3. マクルリン又はその配糖体が市販のものか、または植物抽出物から単離したものである、請求項1記載のメイラード反応阻害剤。
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