JP2003055244A - ヒアルロン酸産生促進剤、該ヒアルロン酸産生促進剤を配合した皮膚化粧料及び飲食物 - Google Patents

ヒアルロン酸産生促進剤、該ヒアルロン酸産生促進剤を配合した皮膚化粧料及び飲食物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の高いゴレンシ抽出物及び/又は月桃
抽出物を有効成分として含有するヒアルロン酸産生促進
剤及び該ヒアルロン酸産生促進剤を配合した皮膚化粧料
及び飲食物の提供。 【解決手段】 カタバミ科ゴレンシの抽出物及び/又は
ショウガ科月桃の抽出物、特にゴレンシ葉、月桃葉及び
茎又はこれらの混合材料を、水若しくは親水性有機溶媒
又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物を有効
成分として含有するヒアルロン酸産生促進剤、該ヒアル
ロン酸産生促進剤を配合した皮膚化粧料及び飲食物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安全性の高いゴレ
ンシ抽出物及び/又は月桃抽出物を有効成分として含有
する皮膚の老化防止、関節炎等の予防及び治療に有効な
ヒアルロン酸産生促進剤及び該ヒアルロン酸産生促進剤
を配合した皮膚化粧料及び飲食物に関する。なお、本発
明において、飲食物とは、経口的に摂取される一般食
品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品及び医薬品を
幅広く含むものをいう。
【0002】
【従来の技術】ヒアルロン酸は皮膚、靱帯、関節液、眼
の硝子体など生体に広く分布し、例えば、皮膚において
は細胞の保護、栄養の運搬、組織水分の保持、柔軟性の
維持等に重要な役割を果たしている。また、関節におい
ては関節液として組織構造、機能の維持及び潤滑性の保
持等に重要な役割を果たしている。
【0003】一方、皮膚や関節の老化又は病的状態によ
り細胞機能が低下してくると、生体ヒアルロン酸量は減
少し、その結果、皮膚の乾燥、肌荒れ、ハリ、弾力性の
減少、シミ、シワの増加、あるいは関節の湿潤性悪化に
よる関節痛等を引き起こす。
【0004】このような状態を改善すべく、皮膚にはヒ
アルロン酸、自然保湿因子等の生体成分を配合した化粧
料を塗布したり、また、関節には直接ヒアルロン酸を注
入するなどの方法がとられているが、ヒアルロン酸を外
から与えても根本的機能改善にはならず、充分な効果は
期待できない。特に、ヒアルロン酸は、皮膚からはほと
んど吸収されないという問題がある。
【0005】このため、単にヒアルロン酸そのものを外
から補給するのではなく、本来ヒトが備え持っている生
体の自己回復力を利用し、ヒトの皮膚線維芽細胞自身の
ヒアルロン酸産生能を促進させることによって、生体の
機能を根本的に改善する物質の開発が期待されている
が、安全性、環境性及び生産性に優れ、充分満足できる
ものは未だ提供されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、ヒトの皮膚
の老化防止、関節炎等の予防・治療などに有効なヒアル
ロン酸を多量に産生させることができる、安全性の高い
ヒアルロン酸産生促進剤、及び該ヒアルロン酸産生促進
剤を配合した皮膚のハリや弾力を保持してしわを防ぎ、
潤いのある若々しい肌の状態を維持することができる皮
膚化粧料及び飲食物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、数多くの植物抽出物について正常ヒト皮
膚線維芽細胞に対するヒアルロン酸産生促進効果を指標
にしてスクリーニングを行った結果、ゴレンシ抽出物及
び月桃抽出物が目的とするヒアルロン酸産生促進効果を
有し、ヒトの皮膚の老化防止、関節炎等の予防及び治療
などに有効であることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明は、下記のヒアルロン酸産生
促進剤、該ヒアルロン酸産生促進剤を配合した皮膚化粧
料及び飲食物を提供する
【0009】請求項1の発明は、カタバミ科ゴレンシの
抽出物及び/又はショウガ科月桃の抽出物を有効成分と
して含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤
である。
【0010】請求項2の発明は、ゴレンシ葉、月桃葉及
び茎、又はこれらの混合材料を、水若しくは親水性有機
溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物を
有効成分として含有する請求項1記載のヒアルロン酸産
生促進剤である。
【0011】請求項3の発明は、ゴレンシ抽出物と月桃
抽出物とを、質量比でゴレンシ抽出物:月桃抽出物=
1:0.01〜100の割合で含む請求項1又は2記載
のヒアルロン酸産生促進剤である。
【0012】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れか1項記載のヒアルロン酸産生促進剤を配合してなる
ことを特徴とする皮膚化粧料である。
【0013】請求項5の発明は、更に美白剤を皮膚化粧
料全体に対し0.01〜10質量%配合した請求項4記
載の皮膚化粧料である。
【0014】請求項6の発明は、美白剤が、アスコルビ
ン酸又はその誘導体、プラセンタエキス、カミツレエキ
ス、アルブチン、エラグ酸、ルシノール及びコウジ酸か
ら選ばれる1種又は2種以上である請求項5記載の皮膚
化粧料である。
【0015】請求項7の発明は、請求項1乃至3のいず
れか1項記載のヒアルロン酸産生促進剤を配合してなる
ことを特徴とする飲食物である。
【0016】なお、本発明のヒアルロン酸産生促進剤の
抽出原料であるカタバミ科ゴレンシ及びショウガ科月桃
は、漢方薬、茶などとして用いられてきた安全性の高い
植物であるが、これらの抽出物がヒトの繊維芽細胞に対
して優れたヒアルロン酸産生促進効果を有し、皮膚の乾
燥、肌荒れ、ハリ、弾力性の減少、シミ、シワの増加、
又は関節の湿潤性悪化による関節痛等の予防、改善に有
効であることは全く知られておらず、このことは本発明
者らの新知見である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明のヒアルロン酸産生促進剤は、カタバ
ミ科ゴレンシの抽出物及び/又はショウガ科月桃の抽出
物を有効成分として含有する。
【0018】前記ゴレンシは、カタバミ科ゴレンシ(A
verrhoa carambola L.:生薬名、
陽桃、五斂子)の植物であり、抽出には主に葉を用い、
新鮮な果実は食用される。沖縄、中国東南部や雲南その
他熱帯各地で栽培されている。ゴレンシは、中国では紀
元前から文献に記載され、その果実は断面が星形なこと
からスターフルーツとも呼ばれている。
【0019】前記月桃は、ショウガ科ハナミョウガ属に
属する熱帯〜亜熱帯原産の植物であり、初夏には白い花
が咲き、秋には赤い実をつけ、濃緑色の葉には独特の芳
香を有する。沖縄では月桃はサンニンと呼ばれ、月桃の
葉に餅を包んで蒸して、お菓子として食したり、また、
月桃の茎は良質の繊維を含んでおり、紙、サトウキビの
結束材、畳床などに使用しており、広く生活に密着した
植物として親しまれている。
【0020】また、月桃は古来より漢方薬として利用さ
れ、健胃整腸、食欲増進、毒虫刺され、咳止め等の薬効
が知られており、更に、月桃の葉及び茎の抽出物には防
虫抗菌、消臭効果が認められ、最近では血栓予防効果が
あることも確認されており、その有効成分の広汎な利用
が望まれている。
【0021】前記カタバミ科ゴレンシ及びショウガ科月
桃が含有するヒアルロン酸産生物質の詳細は不明である
が、上記抽出原料を用いて、植物の抽出に一般に用いら
れている抽出方法により得ることができる。なお、抽出
液、該抽出液の希釈液、該抽出液を乾燥して得られる乾
燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれも
が含まれる。
【0022】具体的には、ゴレンシの葉及び/又は月桃
の葉及び茎を採取後ただちに乾燥した後、そのまま又は
粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得る
ことができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用
される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ゴレンシの
葉及び/又は月桃の葉及び茎は、ヘキサン、ベンゼン等
の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出
原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うこと
により、ゴレンシの葉及び/又は月桃の葉及び茎の極性
溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0023】抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親
水性有機溶媒又はこれらの混合液を室温乃至溶媒の沸点
以下の温度で用いることが好ましい。
【0024】抽出溶媒として使用し得る水としては、純
水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡
水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。
水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅
菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含ま
れる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得
る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、
リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0025】前記親水性有機溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;ア
セトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;
1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、
イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜
5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機
溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。な
お、水と親水性有機溶媒との混合系溶媒を使用する場合
には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1
〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部
に対して1〜40質量部、多価アルコールの場合は水1
0質量部に対して10〜90質量部添加することが好ま
しい。
【0026】本発明において、ゴレンシの葉並びに月桃
の葉及び茎からヒアルロン酸産生物質を抽出するにあた
り特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温乃至還流
加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
【0027】具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽
に、ゴレンシの葉並びに月桃の葉及び茎を投入し、必要
に応じて時々攪拌しながら、30分〜2時間静置して可
溶性成分を溶出した後、濾過して固形物を除去し、得ら
れた抽出液から抽出溶媒を溜去し、乾燥することにより
抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜
15倍量(質量比)であり、抽出条件は、抽出溶媒とし
て水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間
程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの
混合溶媒(例えば、30〜80質量%含水エタノール)
を用いた場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間
程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる
抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのま
ま配合して本発明のヒアルロン酸産生促進剤として用い
ることができるが、濃縮液又はその乾燥物としたものの
ほうが利用しやすい。
【0028】得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若し
くは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物
若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃
縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0029】得られた抽出液はそのままでもヒアルロン
酸産生促進剤として使用することができるが、濃縮液又
はその乾燥物としたものの方が利用しやすい。抽出液の
乾燥物を得るにあたっては、吸湿性を改善するためにデ
キストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを添加
してもよい。
【0030】また、ゴレンシの葉並びに月桃の葉及び茎
は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を
招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うこ
とも可能であるが、皮膚化粧料に添加する場合には大量
に使用するものではないから、未精製のままでも実用上
支障はない。なお、精製は、具体的には活性炭処理、吸
着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことが
できる。
【0031】本発明のヒアルロン酸産生促進剤として、
ゴレンシ抽出物と月桃抽出物との混合物を用いる場合に
は、ゴレンシ抽出物と月桃抽出物とを、質量比でゴレン
シ抽出物:月桃抽出物=1:0.01〜100の割合で
含むことが好ましく、ゴレンシ抽出物:月桃抽出物=
1:0.1〜10の割合であることがより好ましい。
【0032】なお、本発明のヒアルロン酸産生促進剤に
は、必要に応じて、他のヒアルロン酸産生促進活性を有
する天然物を配合して有効成分として用いることができ
る。
【0033】このような天然物としては、例えば、酵母
エキス(特開平8−163983号公報)、ウシ血清の
分子量5000以下の低分子量画分(特開平8−239
404号公報)、メソイ(Mesoyi)の植物抽出物
(特開平9−87163号公報)、レグロ(Regul
o)の植物抽出物(特開平10−29922号公報)、
ツヅラフジ科チノスポラ属植物(特にブロトワリ(Br
otowali))の抽出物(特開平10−29923
号公報)、カユ・レギ(Kayu legi)、ケラベ
(Kelabet)、ルムプヤン(Lempuyan
g)、レムジャン(Remujung)から選ばれる抽
出物(特開平10−29924号公報)、クアチャララ
ーテ(Cuachalalate)の抽出物(特開平1
1−209261号公報)、ミカン科ミカン属植物(特
にウンシュウミカン、ダイダイ)の抽出物(特開200
0−96050号公報)、キダチアロエの抽出物(特開
2000−143527号公報)、アマニンの抽出物
(特開2001−114636号公報)、ドクダミ抽出
物、セイヨウノコギリソウの花の抽出物(特開2001
−114637号公報)、オウバク、レモン及びユズの
抽出物(特開2001−158728号公報)、バラ科
のサクラ属、サンザシ属、シモツケソウ属、バラ属、キ
イチゴ属(特にアーモンド、サンザシ、セイヨウナツユ
キソウ、カニナバラ、ヨーロッパキイチゴ)の抽出物
(特開2001−163794号公報)などが挙げら
れ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて
用いることができる。なお、有効成分の配合割合は、本
発明のヒアルロン酸産生促進剤:前記天然物=1:0.
001〜5(質量比)の範囲であることが好ましい。
【0034】本発明のヒアルロン酸産生促進剤は製剤化
により粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形とするこ
とができ、皮膚化粧料や飲食物などに配合して用いるこ
とができる。この場合、皮膚化粧料の形態としては、化
粧水、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入
浴剤、口紅、ファンデーション、アイシャドウ等などが
挙げられる。なお、本発明のヒアルロン酸産生促進剤の
配合割合は、皮膚化粧料の場合、ゴレンシ抽出物及び/
又は月桃抽出物の濃度、剤型によって異なるが、通常は
0.001〜99質量%、好ましくは0.01〜50質量
%の範囲内である。
【0035】本発明の皮膚化粧料において、ヒアルロン
酸産生促進剤以外にも、美白剤を皮膚化粧料全体に対し
0.01〜10質量%、特に0.1〜5質量%配合する
ことが好ましい。
【0036】前記美白剤としては、例えば、アスコルビ
ン酸又はその誘導体、イオウ、胎盤加水分解物、エラグ
酸又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、グルコサ
ミン又はその誘導体、アルブチン又はその誘導体、ヒド
ロキシケイヒ酸又はその誘導体、グルタチオン、アルニ
カエキス、オウゴンエキス、ソウハクヒエキス、サイコ
エキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物又
はその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジ
ツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、
ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボ
タンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オ
トギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス(カンゾウ疎
水性フラボン、グラブリジン、グラブレン、リコカルコ
ンA)などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種
以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で
も、本発明の皮膚化粧料においては、美白効果を向上さ
せる観点から、アスコルビン酸又はその誘導体、プラセ
ンタエキス、カミツレエキス、アルブチン、エラグ酸、
ルシノール及びコウジ酸から選ばれる1種又は2種以上
を用いることが好ましい。
【0037】更に、本発明の皮膚化粧料には、上記成分
以外にも、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿
剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性
酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、
アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料などを必
要に応じて、適宜配合することができる。
【0038】次に、本発明のヒアルロン酸産生促進剤
は、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能
食品、医薬部外品及び医薬品等の飲食物に配合して好適
に用いることができる。
【0039】この場合、ヒアルロン酸産生促進剤の添加
量は、添加する飲食物に応じて異なり一概には規定でき
ないが、飲食物本来の味を損なわない範囲で添加すれば
良く、対象飲食物に対し、通常0.01〜50質量%、
好ましくは0.1〜10質量%の範囲であり、錠剤、カ
プセル形態の飲食物の場合は通常5〜100質量%の範
囲で添加すれば良い。
【0040】また、本発明のヒアルロン酸産生促進剤を
含有する飲食物の有効成分となる抽出物の投与量は、成
人1日当たりの抽出物摂取量が約1〜1000mgにな
るようにするのが適当である。これらの投与量は、年
齢、症状等により適宜増減することが可能である。
【0041】本発明のヒアルロン酸産生促進剤が適用で
きる飲食物としては、特に限定されず、例えば、清涼飲
料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲
料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の
冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅう
まいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディ
ー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケ
ット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の
菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、
カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガ
イ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産
物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食
品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら
油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイッ
プクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;
ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、
お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシラ
イス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉
子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバー
グ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態
の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク
剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられ、
これらを製造するに当り通常用いられる補助的な原料や
添加物と共に添加することができる。
【0042】前記原料又は添加物としては、例えば、ブ
ドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ス
テビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、
クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−ア
スコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビ
ン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチ
ン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミ
ド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム
塩類、色素、香料、保存剤などが挙げられる。
【0043】
【実施例】以下、製造例及び実施例を示し、本発明につ
いて更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何
ら制限されるものではない。
【0044】〔製造例1〕 ゴレンシ葉抽出物の製造 ゴレンシ葉を粗砕し、得られた粗砕物を抽出原料とし
た。この抽出原料100gに抽出溶媒である50質量%
含水エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)を
1000mL加え、70℃に保温しながら2時間ゆるく
攪拌した後、ろ紙を用いてろ過し、ゴレンシ葉からの抽
出液を得た。この抽出液を40℃で減圧濃縮した後、減
圧乾燥機で乾燥させて抽出乾燥物を得た。得られた抽出
物の収率は、28.7質量%であった。
【0045】〔製造例2〕 月桃葉及び茎抽出物の製造 月桃葉及び茎を粗砕し、得られた粗砕物を抽出原料とし
た。この抽出原料100gに抽出溶媒である50質量%
含水エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)を
1000mL加え、70℃に保温しながら2時間ゆるく
攪拌した後、ろ紙を用いてろ過し、月桃葉及び茎からの
抽出液を得た。この抽出液を40℃で減圧濃縮した後、
減圧乾燥機で乾燥させて抽出乾燥物を得た。得られた月
桃葉及び茎抽出物の収率は、16.0質量%であった。
【0046】〔実施例1〕 ヒアルロン酸産生促進試験 ヒト正常新生児線維芽細胞(NB1RGB)1×10
個を75cmフラスコを用いて10%FBSを含むα
−MEM培地(GIBCO)(pH7.2)を用いて、
37℃、5%CO−95%airの下にて7日間培養
した。トリプシン処理により細胞を集め、1%FBSを
含むα−MEM培地を用いて2.2×10個/mLに
調整し96穴のマイクロプレートに100μLづつ播種
し、37℃、5%CO−95%airの下で一晩培養
した。翌日、製造例1のゴレンシ抽出物、製造例2の月
桃抽出物及び製造例1のゴレンシ抽出物:製造例2の月
桃抽出物=1:1(質量比)の混合物をそれぞれ溶解し
た1%FBSを含むα−MEM培地を各wellに10
0μLづつ添加し、37℃、5%CO−95%air
の下で3日間培養した。対照として抽出物を含まないα
−MEM培地を各wellに100μLづつ添加したも
のを用いた。
【0047】産生されたヒアルロン酸の定量はELIS
A法を利用する以下の方法で行った。即ち、この培養上
清10μLを90μLのPBS(−)で10倍希釈し、
その50μLを、予めヒアルロン酸をコーティングして
おいたELISAプレートに添加して各種抗体を用いて
ELISAを行い、予め作成しておいた検量線を基にヒ
アルロン酸を定量した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 表1の結果から、ゴレンシ抽出物、月桃抽出物、及びこ
れらの混合物は優れたヒアルロン酸産生促進効果を有し
ていることが認められる。
【0049】〔実施例2〕 乳液 下記の組成の乳液を常法により製造した。 ホホバオイル 4g オリーブオイル 2g スクワラン 2g セタノール 2g モノステアリン酸グリセリル 2g ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O) 2.5g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 2g 1,3−ブチレングリコール 3g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g 香料 0.05g 製造例1のゴレンシ葉抽出物 1g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0050】〔実施例3〕 乳液 下記の組成の乳液を常法により製造した。 ホホバオイル 4g オリーブオイル 2g スクワラン 2g セタノール 2g モノステアリン酸グリセリル 2g ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O) 2.5g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 2g 1,3−ブチレングリコール 3g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g 香料 0.05g 製造例2の月桃葉及び茎抽出物 1g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0051】〔実施例4〕 化粧水 下記の組成の化粧水を常法により製造した。 グリセリン 3g 1,3−ブチレングリコール 3g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 0.5g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g クエン酸 0.1g クエン酸ソーダ 0.1g 香料 0.05g 製造例2の月桃葉及び茎抽出物 2g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0052】〔実施例5〕 化粧水 下記の組成の化粧水を常法により製造した。 グリセリン 3g 1,3−ブチレングリコール 3g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 0.5g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g クエン酸 0.1g クエン酸ソーダ 0.1g 香料 0.05g 製造例1のゴレンシ葉抽出物 2g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0053】〔実施例6〕 クリーム 下記の組成のクリームを常法により製造した。 流動パラフィン 5g サラシミツロウ 4g セタノール 3g スクワラン 10g ラノリン 2g ステアリン酸 1g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 1.5g モノステアリン酸グリセリル 3g 1,3−ブチレングリコール 6g パラオキシ安息香酸メチル 1.5g 香料 0.1g 製造例1のゴレンシ葉抽出物 1.1g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0054】〔実施例7〕 パック 下記の組成のパックを常法により製造した。 ポリビニルアルコール 15g ポリエチレングリコール 3g プロピレングリコール 7g エタノール 10g パラオキシ安息香酸エチル 0.05g 香料 0.05g 製造例1のゴレンシ葉抽出物 2g 製造例2の月桃葉及び茎抽出物 3g 精製水 残部(全量を100gとする)
【0055】〔実施例8〕 果汁入り飲料 下記配合の果汁入り飲料を常法により製造した。 製造例1のゴレンシ抽出物 0.3質量% 果糖ブドウ糖液糖 5質量% グレープフルーツ果汁 0.1質量% 香料 0.01質量% クエン酸ソーダ 0.1質量% ビタミンC 0.1質量% 精製水 残部 計 100.0質量%
【0056】〔実施例9〕 コーヒー飲料 下記配合のコーヒー飲料を常法により製造した。 製造例2の月桃葉及び茎抽出物 1.0質量% 砂糖 4質量% コーヒー抽出液 30質量% 香料 0.03質量% 無脂乳固形分 5.5質量% 乳脂肪分 0.8質量% 精製水 残部 計 100.0質量%
【0057】〔実施例10〕 錠剤 下記の配合で錠剤を通常の打錠機により製造した。 製造例2の月桃葉及び茎抽出物 20質量部 マルチトール 72質量部 乳糖 80質量部 グリセリン脂肪酸エステル 8質量部 〔実施例11〕 錠剤 下記の配合で錠剤を通常の打錠機により製造した。 製造例1のゴレンシ葉抽出物 10質量部 製造例2の月桃葉及び茎抽出物 10質量部 マルチトール 72質量部 乳糖 80質量部 グリセリン脂肪酸エステル 8質量部
【0058】〔実施例12〕 マウスウオッシュ 下記の組成で常法によりマウスウオッシュを調製した。 エタノール 15質量部 ソルビトール 10質量部 クエン酸 0.05質量部 クエン酸ナトリウム 0.2質量部 安息香酸ナトリウム 0.2質量部 ラウリル硫酸ナトリウム 0.2質量部 サッカリンナトリウム 0.05質量部 製造例2の月桃葉及び茎抽出物 0.4質量部 l−メントール 0.05質量部 精製水 残部 合計 100質量部
【0059】〔実施例13〕 ビスケット 小麦粉1kg、コーンスターチ100g、グルコース2
50g、マーガリン125g、食塩5g、炭酸ソーダ2
5g、炭酸アンモニウム9g、レシチン6g、全卵75
g、乳酸カルシウム50g、製造例1のゴレンシ葉抽出
物粉末2g及び水350gを用いてドウを作成し、延展
後、これを成形してばい焼し、実施例13のビスケット
を製造した。
【0060】〔実施例14〕 ビスケット 小麦粉1kg、コーンスターチ100g、グルコース2
50g、マーガリン125g、食塩5g、炭酸ソーダ2
5g、炭酸アンモニウム9g、レシチン6g、全卵75
g、乳酸カルシウム50g、製造例2の月桃葉及び茎抽
出物粉末2g及び水350gを用いてドウを作成し、延
展後、これを成形してばい焼し、実施例14のビスケッ
トを製造した。
【0061】〔実施例15〕 グミキャンディー パラチノース330g、ソルビトール140g、水27
0gを混合して加熱し、そこにゼラチン80g、製造例
2の月桃葉及び茎抽出物粉末10gを水150gに溶か
した溶液と、50質量%リン酸水溶液8gとを混合し、
型に流し込んで冷却することにより、実施例15のグミ
キャンディーを得た。
【0062】〔実施例16〕 グミキャンディー パラチノース330g、ソルビトール140g、水27
0gを混合して加熱し、そこにゼラチン80g、製造例
1のゴレンシ葉抽出物粉末5g及び製造例2の月桃葉及
び茎抽出物粉末5gを水150gに溶かした溶液と、5
0質量%リン酸水溶液8gとを混合し、型に流し込んで
冷却することにより、実施例16のグミキャンディーを
得た。
【0063】〔実施例17〕 チューインガム チューインガム試作用ミキサーにガムベース25質量
部、パラチニットシロップ14質量部を加え混合した。
更に、粉末キシリトール35質量部と粉末マルチトール
25質量部、製造例2の月桃葉及び茎抽出物粉末14質
量部、ステビア甘味料(丸善製薬株式会社製、商品名:
マルミロン50)0.4質量部を予め混合したものを数
回に分けて加え、よく練り合わせた。次いで、グリセリ
ンを1質量部加えて充分混合した後、ミキサーから取り
出し、ローラーで圧延することによって実施例17のチ
ューインガムを製造した。
【0064】〔実施例18〕 チューインガム チューインガム試作用ミキサーにガムベース25質量
部、パラチニットシロップ14質量部を加え混合した。
更に、粉末キシリトール35質量部と粉末マルチトール
25質量部、製造例1のゴレンシ葉抽出物粉末8質量
部、製造例2の月桃葉及び茎抽出物粉末6質量部、ステ
ビア甘味料(丸善製薬株式会社製、商品名:マルミロン
50)0.4質量部を予め混合したものを数回に分けて
加え、よく練り合わせた。次いで、グリセリンを1質量
部加えて充分混合した後、ミキサーから取り出し、ロー
ラーで圧延することによって実施例18のチューインガ
ムを製造した。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚の老化防止、関節
炎等の予防及び治療などに有効なヒアルロン酸を多量に
産生させることができる、安全性の高いヒアルロン酸産
生促進剤、及び該ヒアルロン酸産生促進剤を配合した皮
膚のハリや弾力を保持して、しわを防ぎ、潤いのある若
々しい肌の状態を維持することができる皮膚化粧料及び
飲食物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 X A61P 17/16 A61P 17/16 19/02 19/02 43/00 105 43/00 105 (72)発明者 高柿 了士 広島県尾道市向東町14703−10 丸善製薬 株式会社内 Fターム(参考) 4B018 LB01 LB08 LB10 MD48 MD61 ME10 ME14 MF01 4C083 AA071 AA111 AD391 AD641 CC04 CC05 CC07 CC41 DD15 DD23 DD31 EE12 EE16 FF01 4C088 AB12 AC05 BA08 BA09 CA04 CA05 MA17 MA22 MA35 MA52 MA63 NA14 ZA89 ZA96 ZC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カタバミ科ゴレンシの抽出物及び/又は
    ショウガ科月桃の抽出物を有効成分として含有すること
    を特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。
  2. 【請求項2】 ゴレンシ葉、月桃葉及び茎、又はこれら
    の混合材料を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの
    混合溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分として含
    有する請求項1記載のヒアルロン酸産生促進剤。
  3. 【請求項3】 ゴレンシ抽出物と月桃抽出物とを、質量
    比でゴレンシ抽出物:月桃抽出物=1:0.01〜10
    0の割合で含む請求項1又は2記載のヒアルロン酸産生
    促進剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載のヒ
    アルロン酸産生促進剤を配合してなることを特徴とする
    皮膚化粧料。
  5. 【請求項5】 更に美白剤を皮膚化粧料全体に対し0.
    01〜10質量%配合した請求項4記載の皮膚化粧料。
  6. 【請求項6】 美白剤が、アスコルビン酸又はその誘導
    体、プラセンタエキス、カミツレエキス、アルブチン、
    エラグ酸、ルシノール及びコウジ酸から選ばれる1種又
    は2種以上である請求項5記載の皮膚化粧料。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至3のいずれか1項記載のヒ
    アルロン酸産生促進剤を配合してなることを特徴とする
    飲食物。
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