JP2014136691A - 酵素活性阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然物中から従来知られていなかった皮膚構成タンパク質分解酵素の阻害活性を有する物質を見出し、これを有効成分とする酵素活性阻害剤を提供することである。
【解決手段】ゲットウ(Alpinia zerumbet)抽出物を有効成分とすることを特徴とする酵素活性阻害剤の提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、酵素の活性阻害剤に関し、更に詳細には、ゲットウ抽出物を有効成分とするコラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素に対する酵素活性阻害剤に関する。
皮膚は、慢性的に内因性および外因性の酸化促進物質にさらされており、有害な活性酸素種(ROS)の発生が起こり易い。その結果、歳を重ねるごとに肌にシミやシワ等の老化現象が現れてくる。そして、このような老化現象の防止には、酸化ストレスを誘発するフリーラジカルを防御する抗酸化剤は欠かせない物質である。さらに、肌の老化には、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などのタンパク質が深く関わりあっており、これらを分解する酵素の働きを阻害することは、アンチエイジングに不可欠である。
ところで、コラーゲンは、皮膚の細胞外基質を構成するタンパク質であるが、老化現象や長期にわたる紫外線照射の影響により、コラゲナーゼの作用で分解され、この結果、肌にシワやたるみが形成される。また、エラスチンは、コラーゲン線維を支える役割を持つ弾性線維であり、伸縮性に富み皮膚に適度な柔軟性を与えているが、エラスターゼの働きによりエラスチンが分解されると皮膚の弾力性が失われ易い。さらに、ヒアルロン酸は、皮膚、血管、関節等生体中に広く含まれる高分子多糖であり、皮膚の表皮組織で水を保持し、柔軟性や保湿性に役だっている。しかし、ヒアルロニダーゼの活性によりヒアルロン酸が分解されると皮膚が乾燥されて肌に老化をもたらす。
上記のような皮膚の構成タンパク質に関連する酵素を阻害する物質としては、これまでに、アセロラ種子の抽出物(特許文献1)やツバキ属に属する茶花の抽出物(特許文献2)等から得られるコラゲナーゼ活性阻害剤が知られている。また、エラスターゼ活性阻害剤として、大豆タンパク質(特許文献3)や、ツツジ科の植物の抽出物(特許文献4)等が知られている。さらに、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤として、ツバキ科チャ属の花からの抽出物(特許文献5)、キツネノマゴ科植物の抽出物(特許文献6)等が知られている。
しかしながら、上記植物抽出物等での酵素活性は、十分に満足がゆくというものではなく、更に皮膚構成タンパク質に対する酵素阻害活性を有する新しい物質の提供が望まれていた。
特開2007−314552 特開2011−11991 特開2004−182687 特開2009−191043 特開2008−280319 特開2011−84472
従って、本発明の課題は、天然物中から従来知られていなかった皮膚構成タンパク質分解酵素の阻害活性を有する物質を見出し、これを有効成分とする酵素の活性阻害剤を提供することである。
本発明者らは、従来から、沖縄に自生する植物であるゲットウ(月桃)に着目し、この植物中に含まれる成分の薬理活性について研究を行っていたが、今回新たにゲットウ抽出物中に皮膚構成タンパク質を分解する、コラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼの酵素活性を阻害する物質が存在することを見出した。
そして更に、本発明者らは、その抽出物の活性本体について解析を進めた結果、次の式(I)で表されるデヒドロカワイン化合物および次の式(II)で表される8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールがコラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼの高い酵素活性阻害作用を有することを見出した。
Figure 2014136691
(式中、点線は結合の存在または不存在を示す)
Figure 2014136691
本発明は、これら知見に基づくものであり、その第一の発明は、ゲットウ抽出物を有効成分として含有するコラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素の活性阻害剤である。
また、本発明の第二の発明は、上記式(I)で表されるデヒドロカワイン化合物を有効成分として含有するコラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素の活性阻害剤である。
更に、本発明の第三の発明は、上記式(II)で表わされる8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールを有効成分として含有するコラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素の活性阻害剤である。
本発明のゲットウ抽出物あるいはこれら抽出物に含まれる式(I)および(II)の化合物は、コラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素の活性に対し優れた阻害作用を有するものである。
従って、本発明のコラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素の活性阻害剤(以下、「皮膚関連酵素阻害剤」ということがある)は、皮膚外用剤や化粧料等に配合することで、若々しく、みずみずしい肌を維持することができると共に、しわ、たるみ等の防止に有効である。
ゲットウの各組織からの、水抽出物およびエタノール抽出物の有するコラゲナーゼ活性阻害作用を示す図面である。 ゲットウ抽出物に含まれるDK、DDKおよびラブダジエンの有するコラゲナーゼ活性阻害作用を示す図面である。 ゲットウの各組織からの、水抽出物およびエタノール抽出物の有するエラスターゼ活性阻害作用を示す図面である。 ゲットウ抽出物に含まれるDK、DDKおよびラブダジエンの有するエラスターゼ活性阻害作用を示す図面である。 ゲットウの各組織からの、水抽出物およびエタノール抽出物の有するヒアルロニダーゼ活性阻害作用を示す図面である。 ゲットウ抽出物に含まれるDK、DDKおよびラブダジエンの有するヒアルロニダーゼ活性阻害作用を示す図面である。
本発明の第一発明において使用されるゲットウ抽出物は、ゲットウ(月桃)(学名:Alpinia zerumbet)を水、低級アルコールなどの溶媒で抽出したものである。
このゲットウは、ショウガ科ハナミョウガ属(アルピニア属)の多年草で、熱帯から亜熱帯アジアに分布し、日本では沖縄県から九州南部に分布する。ゲットウの葉から取った精油が甘い香を放つので、アロマオイルや香料として使用されており、また、虫よけの効果も知られているものである。沖縄県ではこの葉でムーチー(餅)を包んで蒸すほか、香り付けを兼ねて饅頭の包装に使用したり、肉や魚を包んで蒸し焼きにするなど幅広く利用されている。
ゲットウ抽出物の原料となるゲットウとしては、その6つの組織(根茎、茎、葉、花、果皮、種子)のいずれの組織を使用しても良いが、比活性の点から根茎を抽出原料とすることが好ましい。この抽出原料は、好ましくは、風乾した後、適切な大きさに細断ないし粉砕し、次の抽出行程において使用する。
次いで、上記のように準備した抽出原料に対し、その10ないし100重量倍の抽出溶媒を加えた後、20分ないし24時間程度抽出を行う。抽出に用いる抽出溶媒としては、水や、エタノール等の低級アルコール、アセトン、酢酸エチル等の溶媒、あるいはこれらの混液等の溶媒(以下、「水性溶媒」という)が好ましい。上記水性溶媒のうち、混液としては、例えば、10ないし96%程度の、任意の割合のエタノール−水混液のような混合溶媒であっても良い。
上記の抽出に当たっての抽出温度は、50ないし100℃程度が好ましく、抽出中、必要により連続あるいは間欠的に攪拌すればよい。
こうして得られるゲットウの抽出物は、そのままでも使用可能であるが、必要に応じて濾過、遠心分離等により固液分離した後、更に任意で精製し、液状のゲットウ抽出物とし、これを皮膚関連酵素阻害剤として使用することができる。また、更に必要により液状のゲットウ抽出物を凍結乾燥などの手段で乾燥させることで粉末状のゲットウ抽出物とし、これを皮膚関連酵素阻害剤とすることができる。
一方、本発明の第二発明において使用されるデヒドロカワイン化合物(I)は、下式(Ia)で表されるジヒドロ−5,6−デヒドロカワイン(以下、「DDK」と略称する)と、下式(Ib)で表される5,6−デヒドロカワイン(以下、「DK」と略称する)より構成される。
Figure 2014136691
このDK、DDKは、例えばゲットウ根茎の熱水抽出物から単離精製することができる。
すなわち、例えば、前記したゲットウ抽出物からカラムクロマトグラフィーを用い、例えば、勾配溶離を行うことにより、DKおよびDDKを単離精製することができる。
また、本発明の第三発明において使用される8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアール(以下、「ラブダジエン」と略称する)も、例えばゲットウ根茎を抽出原料とする前記の熱水抽出物から、カラムクロマトグラフィーを用い、例えば、勾配溶離等を行うことにより、単離精製することができる。
このようにして得られた、DK、DDKおよびラブダジエンも、コラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素の活性阻害作用を有するので、皮膚関連酵素阻害剤の有効成分として使用することができる。
以上のようにして得られる本発明の皮膚関連酵素阻害剤は、医薬品、医薬部外品の皮膚外用剤や、化粧料、食品、飼料等の有効成分として利用可能である。特に、若々しく、みずみずしい肌を維持するための皮膚外用剤や化粧料として、あるいは皮膚のシワ、たるみ等を有効に抑制する皮膚外用剤や化粧料として用いることができる。
本発明の皮膚関連酵素阻害剤を皮膚外用剤の形態で使用する場合は、これを薬学的に許容される担体や添加剤と組み合わせ、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤、貼付剤等の形態に調製すればよい。また、これを化粧料として使用する場合は、公知の化粧料用担体、配合剤、添加剤と適宜組み合わせ、クリーム、乳液、化粧水、ローション、ジェル、美容液、パックなどの基礎化粧品;日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めリップクリームなどの日焼け止め化粧料;メイクアップベースクリーム、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、口紅などのメイクアップ化粧料;ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション、入浴剤などのボディ用化粧料等に調製すればよい。
上記皮膚外用剤や化粧料において任意成分として使用される担体、配合剤、添加剤としては、例えば、界面活性剤、水、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、安定剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、各種アミノ酸類、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、顔料等が挙げられ、これらを組みあわせて使用することもできる。
皮膚外用剤や化粧料の調製における皮膚関連酵素阻害剤の添加量は、特に限定されるものではなく、また、皮膚外用剤や化粧料の種類、使用目的によっても異なるが、その有効成分がゲットウ抽出物の場合、その乾燥固形分として約10〜500mgであり、好ましくは、約10〜50mgである。
また、皮膚関連酵素阻害剤の有効成分が、DK、DDKまたはラブダジエンである場合、皮膚外用剤や化粧料の調製におけるその添加量は、DK、DDKまたはラブダジエンとして約10〜500mgであり、好ましくは、約10〜50mgである。
更に、本発明の皮膚関連酵素阻害剤は、上記以外の医薬品、医薬部外品の形態で使用することもできる。この場合の投与形態は、経口であっても非経口であっても良い。経口投与による場合は、通常の経口投与製剤、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤;水剤;油性懸濁剤;又はシロップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合には、水性又は油性懸濁注射剤として用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実 施 例 1
ゲットウ抽出物の取得:
琉球大学(沖縄県中頭群西原町千原1)のキャンパスからゲットウ(Alpinia zerumbet)を採取し、ゲットウの根茎、茎、葉、花、果皮および種子の6つの組織をそれぞれ抽出試料とした。
乾燥重量10gの各組織試料を、ミキサーを用いて粉末にした後、これに水100mLを加え、約20分間煮沸して熱水抽出物を作成した。また、乾燥重量10gの試料を同様に裁断した後、96%エタノール100mLを加え、78℃で24時間浸漬してエタノール抽出物を作成した。
熱水抽出物およびエタノール抽出物をそれぞれ濾過して不溶物を除去し、真空乾燥させた後、固形物を定量し、それぞれを再度水および96%エタノールに溶解して、抽出物(固形分量)が10mg/mL濃度であるゲットウ抽出物の各サンプルを得た。
実 施 例 2
DKおよびDDKの単離と定量:
下記方法により、DKおよびDDKをゲットウの根茎から単離した。
すなわち、‘J Agric Food Chem 2011,59:2857-2862頁’に記載された方法により得たゲットウ抽出物を、TSKゲルODS−100Zカラム(15×0.46cm i.d;5μm粒子径、東ソー株式会社)を用い、280nmで連続的に吸光度を測定しながらDKおよびDDKの精製を行った。この精製において、移動相には、0.1%酢酸水溶液(溶媒A)と0.1%酢酸メタノール溶液(溶媒B)を使用する勾配溶出を採用し、その流速を0.8ml/minとした。勾配溶出の条件は、1〜10分の間は、溶媒Aと溶媒Bの1:1混液を用いる定組成溶離、10〜20分の間は、溶媒Bが80〜100%に変化する直線勾配、20〜30分の間は、溶媒Bが100%の定組成溶離とした。
DKおよびDDKの定量測定は、ゲットウの6つの組織(根茎、茎、葉、花、果皮および種子)での熱水抽出物およびエタノール抽出物を、上記カラムを用いた時のピーク面積の大きさを測定することで行った。
この結果、DKとDDKは全ての組織に存在することが分かった。特に、根茎の水抽出物には、DKが平均1.23mg/gと多く含まれていた。果皮の水抽出物には平均1.15mg/g、また、根茎のエタノール抽出物には平均1.14mg/gのDKが含まれている事が分かった。
一方、DDKは、果皮の水抽出物に多く含まれ、平均0.85mg/gであった。また、根茎の水抽出物には、平均0.62mg/gのDDKが含まれていた。ゲットウ抽出物から単離したDKおよびDDKの定量結果を表1に示す。
Figure 2014136691
実 施 例 3
ラブダジエンの単離と定量:
ラブダジエンはFood Chem 2011, 129:709-715頁に記載された方法により、235nmの吸光度を測定しながらTSKゲルODS−100Zカラムを用いて単離した。
具体的には、移動相に、0.1%酢酸水溶液(溶媒A)と0.1%酢酸メタノール溶液(溶媒B)を使用し、流速を0.8ml/minとする勾配溶出により分離を行った。
この勾配溶出の条件は、0〜10分の間は、溶媒Aと溶媒Bの1:4混液を使用する定組成溶離、10〜20分の間は、B溶媒が80〜100%に変化する直線勾配、20〜40分の間は、溶媒Bが100%である定組成溶離とした。
ラブダジエンの定量測定は、ゲットウの6つの組織(根茎、茎、葉、花、果皮および種子)での水抽出物およびエタノール抽出物を用いて、上記カラムを用いた時のピーク面積の大きさを測定することで行った。
この結果、種子のエタノール抽出物および水抽出物には、ラブダジエンがそれぞれ平均1.00mg/gおよび0.96mg/g含まれていた。また、根茎の水抽出物には、平均0.81mg/g、果皮の水抽出物には平均0.75mg/gのラブダジエンが含まれていた。
一方、茎、葉、花の抽出物にはラブダジエンは含まれていなかった。
ゲットウ抽出物から単離したラブダジエンの定量結果を表2に示す。
Figure 2014136691
実 施 例 4
コラゲナーゼ活性阻害試験:
ゲットウ抽出物および同抽出物から単離したDK、DDK、ラブダジエンについて、コラゲナーゼ活性阻害試験を行った。
コラゲナーゼ活性阻害試験は、Analyt Biochem 1981, 113:356-365頁に記載された方法、すなわちコラゲナーゼがN−[3−(2−フリル)アクリロイル]−Leu−Gly−Pro−Ala(FALGPA)を加水分解し、FA−LeuとGly−Pro−Alaを生成する方法を用いて行った。
この試験では、緩衝液として50mMトリシン緩衝液(400mMNaClおよび10mM CaCl、pH7.5)を用いた。
ヒストリチクム菌(Clostridium histolyticum;ChC)由来のコラゲナーゼを緩衝液で溶解し、その濃度が0.8units/mlの酵素溶液を調整した。
FALGPA合成基質をトリシン緩衝液中に加え、これを2mMに調整して合成基質液とした。試料抽出物を種々の濃度で酵素溶液中に加えて15分間インキュベートした後、FALGPA合成基質液を加えて反応を開始させた。なお、最終的な反応混合溶液は、トリシン緩衝液、0.8mMFALGPA、0.1ユニットChCおよび25μg試料が含まれ、150μlであった。基質を入れてから20分後にコラゲナーゼ活性を340nmの吸光度で測定した。
陽性コントロールとしては、オレアノール酸を使用した。
上記した試験の結果から、酵素活性阻害率(%)を以下の式で計算し、IC50値を求めた。
[数1]
酵素活性阻害率(%)=(1−B/A)×100
A:試料を含まないときの酵素活性
B:試料を添加したときの酵素活性
この結果、ゲットウ果皮の水抽出物のIC50値は、平均45.67μg/mlであった。ゲットウ抽出物におけるコラゲナーゼ活性阻害試験の結果を図1に示す。
また、ゲットウ抽出物から単離したDK、DDKおよびラブダジエンのコラゲナーゼ活性阻害試験の結果を図2に示す。DKが高いコラゲナーゼ活性阻害作用を有することが分かった。
実 施 例 5
エラスターゼ活性阻害試験:
ゲットウ抽出物および同抽出物から単離したDK、DDK、ラブダジエンについて、エラスターゼ活性阻害試験を行った。
エラスターゼ活性阻害試験は、Biochemistry 1996, 35:9090-9096頁に記載された方法を少し改良して行った。
エラスターゼ活性の基質には、N−succ−(Ala)3−ニトロアニリド(SANA)を使用し、阻害活性は、エラスターゼがSANAを切断することよって遊離するp−ニトロアニリンの色の強度により測定した。
0.1M Tris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いて、1mM SANAを調整しこれを基質液とした。試料溶液はIC50を求めるために各濃度になる様に調製した。
まず、試料溶液20μlに1mM SANA(基質液)200μlを加え、ボルテックスで混合し、10分間25℃でプレインキュベートした。その後、豚の膵臓に由来するエラスターゼ20μl(0.03units/ml)を上記混合溶液に加え、よく混合した後、10分間25℃の恒温槽に入れ反応させた。その後、吸光度を410nmで測定した。なお、陽性コントロールとしてはオレアノール酸を使用した。
上記の結果から、酵素活性阻害率(%)を以下の式で計算し、IC50値を求めた。
[数2]
酵素活性阻害率(%)=(1−B/A)×100
A:試料を含まないときの酵素活性
B:試料を添加したときの酵素活性
この結果、ゲットウ根茎の水抽出物のIC50値は、平均57.43μg/mlであった。ゲットウ抽出物におけるエラスターゼ活性阻害試験の結果を図3に示す。
また、ゲットウ抽出物から単離したDK、DDKおよびラブダジエンのエラスターゼ活性阻害試験の結果を図4に示す。DKおよびDDKは、高いエラスターゼ活性阻害作用を有することが分かった。
実 施 例 6
ヒアルロニダーゼ活性阻害試験:
ゲットウ抽出物および同抽出物から単離したDK、DDK、ラブダジエンについて、ヒアルロニダーゼ活性阻害試験を行った。
ヒアルロニダーゼ活性阻害試験は、酸性溶液中のタンパク質を沈殿させる、J Med Plant Res 2009, 3:914-920頁に記載された方法により行った。
具体的には、各試料10μlにウシ由来のヒアルロニダーゼ(1.50units/100μl)100μl、77mM塩化ナトリウムを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)100μl、および0.01%ウシ血清アルブミン(BSA)1ml加え、10分間37℃でプレインキュベートした。
この混合溶液に、鶏冠由来の0.03%ヒアルロン酸ナトリウム塩100μl(300mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH5.35)を加え、45分間、37℃でインキュベートした。
ヒアルロニダーゼ未消化のヒアルロン酸が、24mM酢酸ナトリウム及び79mM 酢酸の溶液(pH3.75)に0.1%BSAを加えて調製される酸アルブミン溶液中で沈殿する反応を利用し、1ml酸アルブミン溶液中の沈殿ヒアルロン酸量からヒアルロニダーゼ活性阻害を調べた。
10分間室温で放置して吸光度を600nmで測定した。オレアノール酸を陽性コントロールに使用した。
上記結果から、酵素活性阻害率(%)を以下の式で計算し、IC50値を求めた。
[数3]
酵素活性阻害率(%)=(1−B/A)×100
A:試料を含まないときの酵素活性
B:試料を添加したときの酵素活性
この結果、ゲットウ根茎の水抽出物のIC50値は、平均35.02μg/mlであった。ゲットウ抽出物におけるヒアルロニダーゼ活性阻害試験の結果を図5に示す。
また、ゲットウ抽出物から単離したDK、DDKおよびラブダジエンのヒアルロニダーゼ活性阻害試験の結果を図6に示す。DKが高いヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有することが分かった。
本発明の酵素活性阻害剤は、皮膚のシワやたるみ等のアンチエイジングに関わる化粧品や医薬品の分野において利用することができる。
従って、新たな化粧品、医薬品等の開発に極めて有効なものである。
以 上

Claims (6)

  1. ゲットウ抽出物を有効成分として含有するコラゲナーゼ、エラスターゼおよびヒアルロニダーゼから選ばれる酵素の活性阻害剤。
  2. ゲットウ抽出物が、ゲットウの熱水抽出物である請求項1記載の酵素の活性阻害剤。
  3. 次の式(I)
    Figure 2014136691
    (式中、点線は結合の存在または不存在を示す)
    で表されるデヒドロカワイン化合物を有効成分として含有する請求項1または2に記載の酵素の活性阻害剤。
  4. 次の式(Ia)
    Figure 2014136691
    で表されるジヒドロ−5,6−デヒドロカワインを有効成分とする請求項3記載の酵素の活性阻害剤。
  5. 次の式(Ib)
    Figure 2014136691
    で表される5,6−デヒドロカワインを有効成分とする請求項3記載の酵素の活性阻害剤。
  6. 次の式(II)
    Figure 2014136691
    で表される8(17),12−ラブダジエン−15,16−ジアールを有効成分とする請求項1または2に記載の酵素の活性阻害剤。
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