JP2002020301A - 活性酸素消去剤、皮膚保全剤および消臭剤 - Google Patents

活性酸素消去剤、皮膚保全剤および消臭剤

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JP2002020301A JP2000197207A JP2000197207A JP2002020301A JP 2002020301 A JP2002020301 A JP 2002020301A JP 2000197207 A JP2000197207 A JP 2000197207A JP 2000197207 A JP2000197207 A JP 2000197207A JP 2002020301 A JP2002020301 A JP 2002020301A
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Keiichiro Sugimoto
圭一郎 杉本
Kazuya Nakagawa
一弥 中川
Shuichi Hayashi
收一 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い活性酸素消去作用、皮膚保全作用および
消臭作用を有し、しかも安全性の高い天然素材から得ら
れる活性酸素消去剤、皮膚保全剤および消臭剤を提供す
ることである。 【解決手段】 紅景天で代表されるベンケイソウ科イワ
ベンケイ属植物から抽出して得られる抽出物を有効成分
として含む活性酸素消去剤、皮膚保全剤および消臭剤で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性酸素消去剤、
皮膚保全剤および消臭剤に関し、より詳しくは活性酸素
を消去する活性酸素消去剤、メラニン色素の生成抑制お
よび皮膚の老化防止に有効な皮膚保全剤および悪臭物質
を除去するための消臭剤に関する。
【従来の技術】
【0002】活性酸素(フリーラジカルを含む)は、薬
物、金属、虚血−再灌流、ストレス、紫外線等により生
体内で生成し、脂質、蛋白質、糖、DNA等を攻撃し、
脂質・糖質の酸化、蛋白質の変性、酵素の不活性化、あ
るいはDNAの主鎖切断、DNAの塩基修飾を起こし、
その結果として生体膜の損傷、遺伝子の傷害等が生じ、
ついには種々の疾病をはじめ発ガン、さらには老化にも
つながることが明らかとなっている。生体傷害との関わ
りにおいては、生体内で生成する活性酸素の中でも、特
に、種々の酸素ラジカルの前駆物質であるスーパーオキ
シドアニオン(O2 -)が注目されている。
【0003】スーパーオキシドアニオンをはじめとする
活性酸素は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)
をはじめとした酸化ストレスに対する生体防御機構や抗
酸化剤によって消去されるが、老化等に伴って活性酸素
消去物質が減少し、生体は活性酸素の攻撃を受けやすく
なっていくと考えられている。そこで、従来より活性酸
素消去剤を食品または医薬品の形態で摂取することが推
奨されている。また、活性酸素は、食品等の変色、退
色、光劣化にも大きく関与していることが指摘されてい
る。
【0004】一方、シミ、ソバカス等の原因となるメラ
ニン色素の生成には、チロシナーゼが大きく関与してい
ることが知られている。そして、メラニン色素の生成を
防止するためのチロシナーゼ阻害剤の開発も従来より行
われている。上記チロシナーゼは、食品等の変色にも関
与していることが指摘されつつある。
【0005】また、皮膚のかさつきや小ジワ等の老化
は、皮膚内のヒアルロン酸が歳をとるにつれて減少する
ためであるといわれている。ヒアルロン酸は、哺乳動物
の結合組織に広く存在するグリコサミノグルカンの一種
であり、皮膚の保湿・保水性、潤滑性、柔軟性を保つ機
能を有し、かつ外力(機械的障害)および細菌感染を防
止していると考えられる。一方、ヒアルロニダーゼは、
ヒアルロン酸の加水分解酵素であり、炎症の発症にも関
与することで知られている。
【0006】このヒアルロニダーゼの活性をも阻害する
ことができれば、チロシナーゼの活性阻害による美白効
果に加えて、皮膚の保湿・保水性、潤滑性、柔軟性を高
め、健康な皮膚を保つのに有益である。このため、従来
よりチロシナーゼ阻害活性およびヒアルロニダーゼ阻害
活性を有する皮膚保全剤の開発が盛んに行われている。
【0007】ところで、近年、健康志向が高まるなか、
自然治癒力を利用した東洋医学が注目されている。ま
た、食品、化粧品、医薬品等の安全性に対する関心が高
まるにつれ、安全性の高い天然素材への回帰が認められ
るようになってきた。特に、日常生活に関係の深い食
品、化粧品においては、天然志向が追求されている。ま
た、様々な慢性疾患の原因とされている活性酸素につい
ても、その消去剤に天然素材が求められている。また、
安全性の高い天然素材は、食品、化粧品、医薬品に限ら
れるものではなく、消臭剤等の日用品にも求められてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
活性酸素消去作用、皮膚保全作用および消臭作用を有
し、しかも安全性の高い天然素材から得られる活性酸素
消去剤、皮膚保全剤および消臭剤を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ベンケイソウ科
イワベンケイ属(Rhodiola)植物から得られる抽出物が
活性酸素消去活性に優れ、また高いチロシナーゼ阻害活
性およびヒアルロニダーゼ阻害活性による皮膚保全作用
に優れ、さらに消臭活性にも優れているという新たな事
実を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の活性酸素消去剤、皮膚
保全剤および消臭剤はベンケイソウ科イワベンケイ属植
物より抽出された抽出物を含有することを特徴とする。
【0011】イワベンケイ属植物は、中国では紅景天属
と称される。イワベンケイ属植物の一つに全弁紅景天Rh
odiola sacra (Prain ex hamet) Fuがあり、この全草を
用いた「紅景天」は漢方薬として、咳血、喀血、肺炎咳
嗽、婦女白帯の治療に使用されるほか、外用すれば打撲
傷、やけどの治療にも効き目があるとされている。ま
た、全弁紅景天のほか、イワベンケイ亜属のイワベンケ
イR. rosea L.(別名、Sedum rhodiola DC. Var. tachi
roei Franch. et Savat.)も紅景天と称され、近年薬用
にも栽培されている。
【0012】紅景天に関する薬理活性に関しては、老化
予防(プロリルエンドペプチダーゼ阻害活性)〔范ら、
和漢医薬学雑誌、15, 354 (1998)〕、乳癌増殖抑制、腎
機能正常化作用(血中urea nitrogen上昇抑制)、脂質
代謝促進効果(血中遊離脂肪酸レベル上昇)〔長澤ら、
和漢医薬学雑誌、16, 38 (1999) 〕、抗アレルギー(ヒ
スタミン放出阻害)〔M. Yoshikawa et al., Chem. Pha
rm. Bull., 45, 1498(1997) 〕等が知られているが、紅
景天の抽出物が活性酸素消去活性、皮膚保全作用(チロ
シナーゼ阻害活性およびヒアルロニダーゼ阻害活性)、
さらに消臭活性を有していることは知られていない。
【0013】本発明の活性酸素消去剤、皮膚保全剤は医
薬品として使用されるほか、食品や化粧品の形態でも好
適に使用可能である。本発明の消臭剤は、そのまま、あ
るいは適当な液体もしくは固体基材と混合して使用され
る。
【発明の実施の形態】
【0014】本発明におけるベンケイソウ科イワベンケ
イ属(Rhodiola)植物としては、前記した全弁紅景天Rh
odiola sacra (Prain ex hamet) Fu、イワベンケイ亜属
のイワベンケイR. rosea L.(別名、Sedum rhodiola D
C. Var. tachiroei Franch. etSavat.)のほか、R. ama
bilis、R. bupleuroides、R. chrysanthemifolia、R. d
iscolor、R. dumulosa、R. himalensis、R. ishidae、
R. kirilowii、R. prainii、R. primuloides、R. purpu
reoviridis、R. quadrifida、R. rhodantha、R. wallic
hiana、R. yunnanensis等が挙げられ、欧州、北米、ア
ジア等に分布しているが、ほとんどはヒマラヤから中国
西南部にいたる地域に分布している。
【0015】抽出処理は、原料植物の根、葉、茎、花
等、好ましくは根を粉砕して、水、親水性有機溶媒、疎
水性有機溶媒の1種または2種以上を使用して有効成分
を抽出する。親水性有機溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、ア
セトン等が使用可能である。疎水性有機溶媒としては、
例えばペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等が使用可能で
ある。抽出方法としては、特に制限はなく、常温ホモジ
ナイズ抽出、還流抽出等が使用可能である。
【0016】抽出後、得られたエキスを水飽和n−ブタ
ノール、酢酸エチル等でさらに抽出を行い、さらに得ら
れた抽出エキスを水含有エタノール等で抽出処理を行っ
てもよい。抽出後、必要に応じて、吸着クロマトグラフ
ィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー等を使用して有効成分を単離し、さらに常法に
従って精製を行ってもよいが、精製が不十分であっても
安全性に問題はなく、むしろ未精製であっても他の未検
出成分との相乗作用(crude drug効果) 等が期待でき
る。
【0017】本発明の活性酸素消去剤は、通常の飲食品
に添加して使用するほか、その高い活性酸素消去活性を
利用して医薬品としても使用可能である。医薬品として
は、これに通常の製薬上許容される担体を加えて、固
体、半固体または液体の形態で使用することができる。
具体的には、例えば錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤、散
剤、乳濁液、懸濁剤、シロップ剤、ペレット剤等の経口
投与剤、注射液、点滴液、坐薬等の非経口投与剤があげ
られる。さらに、本発明の活性酸素消去剤は、皮膚の老
化防止等を目的として、後述のような外用剤や化粧品に
も配合することができる。
【0018】製剤化に際しては、従来より使用されてい
る界面活性剤、賦形剤、着色剤、保存料、安定剤、緩衝
剤、懸濁剤等の補助剤を使用することができる。抽出物
の投与量は、通常1日当たり0.01〜1000mg/
kg体重、好ましくは0.5〜100mg/kg体重で
あるのがよい。
【0019】次に、本発明の皮膚保全剤について説明す
る。本発明の皮膚保全剤は、前記と同様にしてイワベン
ケイ属植物より抽出された抽出物を有効成分として含有
する。当該抽出物は、活性に影響を与えない範囲で、脱
臭、脱色等の処理を施してもよい。また、適宜、分画処
理、各種クロマトグラフィー等による分離精製処理を施
して、より活性の強い皮膚保全剤を得るようにしてもよ
い。本発明の皮膚保全剤は、皮膚表面のメラニン色素の
生成に関与するチロシナーゼの活性阻害剤として機能す
るゆえ、美白効果を有する。
【0020】また、食品等の変色の原因の1つとして、
活性酸素およびチロシナーゼが関与していると考えられ
ているため、前記抽出物を食品等に添加することにより
食品等の変色を防止することができる。前記抽出物は食
品1gに対して0.05〜50mg、好ましくは0.1
〜10mgで添加されているのがよい。該抽出物を、例
えば畜肉加工品、魚肉加工品、飲料等の食品に添加する
ことにより、変色、退色、光劣化等を防止することがで
きる。
【0021】さらに、本発明における前記抽出物は、チ
ロシナーゼ阻害活性に加えて、高いヒアルロニダーゼ阻
害活性をも有する。このため、本発明の皮膚保全剤は、
前記した美白効果に加えて、皮膚の保湿・保水性、潤滑
性、柔軟性を高める効果をも有するため、皮膚の老化を
防ぎ、健康な皮膚を保つのに有益である。本発明の皮膚
保全剤は、化粧品の形態で使用されるほか、外用剤とし
ても好適に使用可能であり、さらに必要に応じて錠剤、
注射剤等の形態で経口投与してもよい。
【0022】化粧品としては、例えば化粧水、乳液、ロ
ーション、トニック、化粧クリーム、スプレー剤、口
紅、ファンデーション、シャンプー、リンス、入浴剤等
があげられる。これらの化粧品は、上記抽出物を、通常
使用される化粧料基剤と混合して製造される。また、外
用剤としては、例えば軟膏、クリーム、液剤、貼付剤等
があげられ、従来より製薬上使用されている担体と組み
合わせて製造できる。これらの化粧品および外用剤にお
ける前記抽出物の含有量は、0.5〜100mg/g、
好ましくは1〜10mg/gであるのがよい。
【0023】次に、本発明の消臭剤について説明する。
本発明の消臭剤は、前記と同様にしてイワベンケイ属植
物より抽出された抽出物を有効成分として含有する。当
該抽出物は、活性に影響を与えない範囲で、脱臭、脱色
等の処理を施してもよい。また、適宜、分画処理、各種
クロマトグラフィー等による分離精製処理を施して、よ
り活性の強い消臭剤を得るようにしてもよい。
【0024】本発明の消臭剤は、前記抽出物を固体、半
固体、液体等の適当な基材に混合、含浸、塗布する等し
て得られ、スプレー消臭剤、揮発性の固形もしくは液体
消臭剤等の形態で使用される。抽出物の含有量は特に限
定されない。本発明の消臭剤は、部屋や冷蔵庫のような
密閉空間における悪臭成分(アンモニアやアミン類等)
を除去するのに有効である。
【0025】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0026】参考例 全弁紅景天(Rhodiola sacra)の乾燥根50gを50%エ
タノール500gで2時間還流を行い、室温冷却後、ろ
過した。得られたろ液を紅景天エキスとした。このエキ
スを減圧濃縮し、さらに凍結乾燥して、乾燥抽出物を得
た。この乾燥抽出物を試料物質として、以下に示す試験
を行い、活性酸素消去活性、ラジカル消去活性、チロシ
ナーゼ阻害活性、ヒアルロニダーゼ阻害活性を調べた。
【0027】試験例1 (活性酸素消去活性試験)0.1Mリン酸緩衝液(pH
7.5)0.2ml、5mMジエチレントリアミン5酢
酸(DETAPAC)0.3ml、0.75mMニトロ
ブルーテトラゾリウム(NBT)0.1mlおよび0.
3mMキサンチン0.3mlからなる混合液0.9ml
に、所定濃度に調整した試料物質の10%ジメチルスル
ホキシド(DMSO)水溶液0.2mlを加え、よく混
和した後、25℃で10分間攪拌した。これに0.08
U/mlキサンチンオキシダーゼ(XOD)0.1ml
を添加して、反応を開始させた。反応開始後、25℃、
560nmでの吸光度を約2分間連続記録し、そのうち
の直線部より1分間の吸光度変化値(A1)を求めた(O
berley, L. W. and Spitz, D. R., “Methods in Enzym
ology”, 105, 457 (1984)に記載のOberleyらの改良
法)。また、試料物質を添加しない場合についても同様
にして吸光度変化値(A0)を求め、下記式より活性酸
素消去率を求めた。そして、試料物質の濃度を段階的に
変更して上記活性を測定し、活性酸素消去率が50%を
示す濃度を50%有効濃度(EC50)とした。この値が
小さいほど、活性が強いことを示している。 活性酸素消去率(%)=(A0−A1)/A0×100
【0028】試験例2 (フリーラジカル消去活性試験)1,1−ジフェニル−
2−ピクリルヒドラジル(DPPH)の濃度が1mMに
なるようメタノールに溶解した液を反応液とした。一
方、所定濃度に調整した試料物質のメタノール溶液4m
lを25℃で5分間攪拌し、これに1mMDPPHメタ
ノール溶液1mlを加え、ボルテックミキサーで10秒
間攪拌した後、25℃で30分間反応させ、520nm
における吸光度を測定した(B1)。対照には、試料溶
液に代えてメタノールを用いて、520nmにおける吸
光度を測定し(B0)、下記式よりフリーラジカル消去
率を求めた。そして、試料物質の濃度を段階的に変更し
て上記活性を測定し、消去率が50%を示す濃度を50%
有効濃度(EC50)とした。この値が小さいほど、活性
が強いことを示している。 フリーラジカル消去率(%)=(B0−B1)/B0×1
00
【0029】試験例3 (チロシナーゼ阻害活性の測定法)1/15Mリン酸緩
衝液(pH6.8)0.4ml、0.05%L−ドーパ
溶液0.1mlおよび所定濃度に調整した試料物質の水
溶液4mlを混和し、25℃で5分間攪拌した。これに
300U/mlチロシナーゼ0.1mlを加え、反応を
開始させた。反応開始から1分後および6分後の吸光度
を475nm、25℃で測定した。そして、その差5分
間の吸光度変化値(C1)を求めた。また、試料物質を
添加しない場合についても同様にして吸光度変化値(C
0)を求め、下記式よりチロシナーゼ阻害率を算出し
た。試料物質の濃度を段階的に変更して上記活性を測定
し、阻害率が50%を示す濃度を50%阻害濃度(I
50)とした。この値が小さいほど、活性が強いことを
示している。 チロシナーゼ阻害率(%)=(C0−C1)/C0×10
【0030】試験例4 (ヒアルロニダーゼ阻害活性試験)牛睾丸由来のヒアル
ロニダーゼ(シグマ社製のタイプ4)を用いて、コンパ
ウンド48/80による、不活性型酵素の活性化段階の
阻害作用を中心に測定した。酵素活性は、ヒアルロン酸
の加水分解により生成するN−アセチルヘキソサミンを
還元末端とする四糖の還元力の増加を585nmにおけ
る吸光度で比色定量することにより測定した(食衛誌、
31巻、233〜237頁、1990)。まず、適量の
被験試料を0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)0.1m
lに溶解して試験管にとり、同じ緩衝液0.05mlに
溶解した酵素0.10mg(100NFユニット)を加
え、37℃で20分間培養した。ついで、上記と同じ緩
衝液0.1mlに溶解したコンパウンド48/80の5
0μgを加え、さらに37℃で20分間培養した。さら
に、0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)0.25mlに
溶解した、微生物由来のヒアルロン酸ナトリウム塩20
0μgを加えて、37℃で40分間培養した。ついで、
0.4NのNaOH0.1mlを加えて、氷冷後、ホウ
酸緩衝液(pH9.1)0.1mlを加えて3分間煮沸
し、氷冷後、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド試液
3mlを加えて、37℃で20分間培養した後、585
nmにおける吸光度を測定した。対照には、試料溶液に
代えて上記酢酸緩衝液を用いた。また、それぞれのブラ
ンクとして、酵素溶液に代えて上記酢酸緩衝液を用い、
次式からヒアルロニダーゼ阻害率(阻害活性)を算出し
た。 ヒアルロニダーゼ阻害率(%)={[(D−E)−(F
−G)]/(D−E)}×100 但し,D:対照溶液の585nmでの吸光度 E:対照溶液のブランクの585nmでの吸光度 F:試料溶液の585nmでの吸光度 G:試料溶液のブランクの585nmでの吸光度 試料物質の濃度を段階的に変更して上記活性を測定し、
阻害率が50%を示す濃度を50%阻害濃度(IC50)と
した。この値が小さいほど、活性が強いことを示してい
る。
【0031】試験例1〜4の結果を表1に示す。また、
比較のため、フトモモ科の植物であるグァバ(Psidium
guajava L.)から得られた抽出物,グァバエキスを使
用して、同様にして試験した。その結果を併せて表1に
示す。なお、グァバエキスは各種の生理活性が強いこと
で知られており、例えば特開平6-305978号公報にはグァ
バエキスがチロシナーゼ阻害活性を有することが記載さ
れている。
【表1】 表1から、本発明にかかる抽出物は、グァバエキスと比
較しても高い活性を有していることがわかる。
【0032】試験例5 (消臭試験)参考例1で得た紅景天の乾燥抽出物を用い
て消臭試験を行った。すなわち、前記乾燥抽出物を50
%メタノールで所定濃度に調整した試料溶液に2cm×
2cmのケント紙を10分間浸漬した。一方、悪臭成分
として2.8%アンモニア溶液10μlまたは0.1%
トリメチルアミン70μlを300ml三角フラスコに
入れ、室温下密封状態で10分間放置した後、上記ケン
ト紙を入れた。室温にて30分間密封放置した後、ガス
検知管(ガステック社製、アンモニアに対してはNo.
3Mを、トリメチルアミンに対してはNo.180を用
いた)にて悪臭成分の残存濃度(H1)を測定した。ま
た、前記乾燥抽出物を添加しない場合についても同様に
して悪臭成分の残存濃度(H0)を測定し、下記式から
消臭率を求めた。 消臭率(%)=(H0−H1)/H0×100 試験結果を図1および図2に示す。図中の紅景天濃度
(%)とは、紅景天の乾燥抽出物の濃度(重量%)を示
す。図1および図2から、紅景天の抽出物は高い消臭効
果を有していることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明の活性酸素消去剤、皮膚保全剤お
よび消臭剤は、いずれも高い活性酸素消去活性、皮膚保
全作用および消臭作用を有すると共に、天然素材からの
抽出物を有効成分として含有しているので、高い安全性
を有するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンモニアに対する消臭試験の結果を示すグラ
フである。
【図2】トリメチルアミンに対する消臭試験の結果を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/01 A61L 9/01 R A61P 17/16 A61P 17/16 39/06 39/06 C09K 15/34 C09K 15/34 (72)発明者 林 收一 大阪府茨木市五日市1丁目3番30号 長岡 香料株式 会社 技術開発研究所内 Fターム(参考) 4B018 MD61 ME06 ME14 MF01 4C080 AA03 BB02 CC08 CC09 HH01 JJ01 KK01 LL01 MM31 4C083 AA111 CC01 EE12 EE16 4C088 AB12 AC11 BA08 MA63 NA14 ZA89 4H025 BA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンケイソウ科イワベンケイ属植物より抽
    出された抽出物を有効成分として含有することを特徴と
    する活性酸素消去剤。
  2. 【請求項2】ベンケイソウ科イワベンケイ属植物の抽出
    物を有効成分として含有することを特徴とする皮膚保全
    剤。
  3. 【請求項3】ベンケイソウ科イワベンケイ属植物より抽
    出された抽出物を有効成分として含有することを特徴と
    する消臭剤。
  4. 【請求項4】ベンケイソウ科イワベンケイ属植物より抽
    出した活性酸素消去活性、チロシナーゼ阻害活性または
    ヒアルロニダーゼ阻害活性を有する物質。
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JP2003026532A (ja) * 2001-07-09 2003-01-29 Kose Corp 皮膚外用剤
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