JP6199241B2 - 遊技機 - Google Patents
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第1の基体(11)に対して第2の基体(12,13)を相対的に開閉可能に備えた遊技機において、
遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段(81)と、
前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出手段(112)と、
不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値に基づいて不正検出信号を出力する不正検出手段(130)と、
前記不正検出手段(130)が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定する設定手段(132)とを備え、
前記設定手段(132)は、前記電源切替手段(81)が電源投入状態に切り替えられると共に前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、前記電源切替手段(81)が電源投入状態にある状態で前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを前記開閉検出手段(112)が検出する毎に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、
前記不正検出手段(130)は、当該不正検出手段(130)の配設位置における周囲温度が基準温度を超えた場合に前記不正検出信号を出力するよう構成されたことを要旨とする。
このように、遊技機に電源が投入された際には、第1および第2の基体が閉鎖されて遊技に供される状態となった場合に、不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定手段が設定することで、遊技機の設置環境に合わせた適切な検出状態にすることができる。また、電源が投入されてから第1および第2の基体が開閉される毎に、前記基準値を設定し直すことができるから、時間経過と共に変化する環境に適した検出状態とすることができ、不正行為が実行されたことを効果的に検出することが可能となる。
また、周囲温度が基準温度を超えた場合に検出信号を出力することで、不正検出手段を適切な温度環境下で使用することが可能となり、不正検出手段の誤検出を効果的に防止できる。
第1の基体(11)に対して第2の基体(12,13)を相対的に開閉可能に備えた遊技機において、
遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段(81)と、
前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出手段(112)と、
不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値に基づいて不正検出信号を出力する不正検出手段(130)と、
前記不正検出手段(130)が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定する設定手段(132)とを備え、
前記設定手段(132)は、前記電源切替手段(81)が電源投入状態に切り替えられると共に前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、前記電源切替手段(81)が電源投入状態にある状態で前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを前記開閉検出手段(112)が検出する毎に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、
前記基準値を設定する際に前記不正検出手段(130)の検出値が所定範囲を超えて変動する場合にエラー信号を出力するよう構成されている
ことを要旨とする。
このように、遊技機に電源が投入された際には、第1および第2の基体が閉鎖されて遊技に供される状態となった場合に、不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定手段が設定することで、遊技機の設置環境に合わせた適切な検出状態にすることができる。また、電源が投入されてから第1および第2の基体が開閉される毎に、前記基準値を設定し直すことができるから、時間経過と共に変化する環境に適した検出状態とすることができ、不正行為が実行されたことを効果的に検出することが可能となる。
また、不正行為を正常に検出し得る値に基準値が設定されないおそれがある場合に、エラー信号を出力することで基準値の設定処理が正常に完了していないことを認識できる。
遊技機外部に信号を出力する信号出力部(95)を備え、
前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した状態では、前記不正検出手段(130)からの不正検出信号の出力に基づく信号を前記信号出力部(95)から外部へ出力すると共に、開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態を検出した状態では、不正検出手段(130)からの不正検出信号の出力に基づく信号の外部への出力を停止するよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1および第2の基体が閉鎖された不正検出手段による不正行為の検出に適した環境下で不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づく信号を外部へ出力することで、不正行為が行われたことを遊技店側の情報処理端末等で正確に管理し得る一方で、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した状態では、不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づく信号が外部へ出力されないようにすることで、検出環境の変化に伴う不正検出手段の誤検出を不正行為が行われたものとして遊技店側の情報処理端末等で処理定されるのを防止することができる。このため、遊技に供される状態で不正行為が行われたか否かを的確に把握することが可能となる。また、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した後に第1および第2の基体が閉鎖された場合には、前述のように基準値が再設定されることで、不正検出手段による不正行為の検出に適した状態を維持することができる。
前記不正検出手段(130)からの検出信号に基づいて異常を報知するか否かを決定する異常報知決定手段(60a)を備え、
前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した状態で前記不正検出手段(130)から不正検出信号が出力された場合には、当該不正検出手段(130)の検出に基づいた異常を報知することを前記異常報知決定手段(60a)が決定すると共に、当該開閉検出手段(112)が第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態を検出した状態で不正検出手段(130)から不正検出信号が出力された場合には、当該不正検出手段(130)の検出に基づいた異常を報知しないことを前記異常報知決定手段(60a)が決定するよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1および第2の基体が閉鎖された不正検出手段による不正行為の検出に適した環境下では、当該不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づいて異常を報知することを決定することで、不正行為が行われたことを迅速に報知することができる。一方で、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した状態では、当該不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づいて異常を報知しないことを決定することで、検出環境の変化に伴う不正検出手段の誤検出に起因した異常の報知を防止することができる。このため、遊技に供される状態で不正行為が行われたか否かを的確に把握することが可能となる。また、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した後に第1および第2の基体が閉鎖された場合には、前述のように基準値が再設定されることで、不正検出手段による不正行為の検出に適した状態を維持することができる。
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12がヒンジ部50を介して開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護部材46で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された前面装飾部材としての前枠13がヒンジ部50を介して開閉可能に組み付けられている。すなわち、前記パチンコ機10における外枠11および中枠は、前記遊技店に設置されると共に図柄表示装置17を備えた本体として機能しており、当該本体の前面側を前枠13が装飾している。ここで、図1に示すように、前記外枠11と中枠12、および中枠12と前枠13の夫々は、各枠11,12,13の一側部(左側部)に設けられた前記ヒンジ部50とは反対側の側部(右側部)に設けられた施錠機構51により相互に閉鎖した閉鎖状態に保持されるよう構成されて、パチンコ機10の前面側から鍵により解錠操作することで開放し得るようになっている。なお、図柄表示装置としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置や、ドラム式の図柄表示装置、ドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
また、前記パチンコ機10は、図1に示すように、前記外枠11、中枠12および前枠13の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出部(開閉検出手段)110が備えられている。実施例の開閉検出部110は、前記外枠11、中枠12および前枠13の夫々が相対的に閉鎖された状態を閉鎖状態として検出すると共に、当該外枠11、中枠12および前枠13の何れかが相対的に開放された状態を開放状態として検出するよう構成されている。すなわち、外枠11に対して中枠12および前枠13の夫々を閉鎖した状態を開閉検出部110が閉鎖状態として検出し、外枠11に対して中枠12および前枠13の何れかを開放した状態を開閉検出部110が閉鎖状態として検出するよう構成されている。
前記遊技盤20は、図1または図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾部材25、始動入賞部30、特別入賞部40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等)が取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出させるアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
図2に示すように、前記始動入賞部30は、遊技領域20a内で常に開口する常時開口タイプの第1特図始動口30aと、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32の駆動に伴って開閉動作する開閉部材(開閉手段)33を有する開閉タイプの第2特図始動口30bとを始動入賞部30が備えている。実施例では、第2特図始動口30bを挟む左右側部に一対の開閉部材31,31が配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材31,31が相互に近接および離間するよう揺動することで、パチンコ球が入賞不能となるよう特図始動口31bを閉鎖する閉鎖状態と、パチンコ球が入賞可能となる特図始動口31bを開放する開放状態とに切り替わるよう構成されている。実施例では、前記枠状装飾部材25の下部において遊技盤20の左右の略中央位置に、第1特図始動口30aおよび第2特図始動口30bを上下の関係で1つずつ設けてある。なお、前記始動入賞部30として設けられる第1特図始動口30aおよび第2特図始動口30bの形成数および配置位置は適宜に変更することができ、例えば第1特図始動口30aや第2特図始動口30bを複数設けてもよいし、第1および第2特図始動口30a,30bの設置数を異ならせてもよい。また、第1および第2特図始動口30a,30bを左右方向や上下方向に離れた位置に設置してもよい。
前記特別入賞部(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口40aを開閉自在に閉成する開閉部材(開閉手段)41を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図3参照)の駆動に伴って開閉部材41が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉部材41が前後方向へ揺動することで特別入賞口40aを開閉するよう構成されており、該開閉部材41により特別入賞口40aが閉鎖された状態を図2に示している。また、前記特別入賞部40は、前記特別入賞口40aに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての特別入賞検出センサSE3(図3参照)を備えている。前記特別入賞検出センサSE3は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60に配線接続されている。そして、特別入賞検出センサSE3からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU(メイン制御手段)60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが所定数(例えば15個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。また、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞部30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40を開放する特図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与される場合に、特図当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従って開閉部材41が開閉するようメイン制御基板60によって駆動制御される。
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの左右下部位置に、前記始動入賞部30や特別入賞部40を間に挟むよう前記普通入賞部45が夫々配置されている。前記普通入賞部45は、パチンコ球が通過可能な普通入賞口45aが遊技領域20a内で常に上方開口するよう設けられており、当該遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで入球可能な入賞部として構成されている。なお、実施例では、左右の普通入賞部45の夫々に、普通入賞口45aを2つずつ設けてある。また、前記普通入賞部45は、前記普通入賞口45aに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサSE4(図3参照)を備えている。前記普通入賞検出センサSE4は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60に配線接続されている。そして、普通入賞検出センサSE4からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU(メイン制御手段)60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが所定数(例えば10個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。
また、前記遊技盤20には、図2に示すように、前記始動入賞部30における第2特図始動口30bを開放させる契機となるゲート部35が設けられている。このゲート部35は、前記ゲート部35は、パチンコ球が通過可能な普図始動口35aが遊技領域20a内で常に上下に開口するよう設けられており、当該遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで入球可能な入球部として構成されている。なお、ゲート部35の普図始動口35aに入ったパチンコ球は、下方開口を介して遊技領域20aに戻るようになっている。
また、前記遊技盤20には、図2または図3に示すように、パチンコ機10に対する不正な磁気を検出する所定数(実施例では2つ)の磁気検出センサ(不正検出手段)130が配設されている。前記磁気検出センサ130は、外部磁界によってインピーダンスが変化する磁気インピーダンス素子を有するセンサ部131と、当該センサ部131の出力信号の振幅に基づいて所定の磁気検出基準値(不正検出基準値)と比較して磁気を検出した磁気検出状態であるか否かを判定する処理回路部(設定手段)132と、当該処理回路部132による処理結果を前記メイン制御基板60へ出力する出力部133とを備えている。すなわち、センサ部131が検出する検出値が、磁気検出センサ130に備えられたRAM等のセンサ記憶部134に記憶させた磁気検出基準値から検出閾値(閾値)を超えて変動した場合に、処理回路部132が磁気検出状態と判断するよう構成されている。そして、磁気検出状態である場合に、前記出力部133から不正検出信号として磁気検出信号(HIレベル信号)が出力され、磁気非検出状態である場合に、当該出力部133から磁気非検出信号(LOWレベル信号)が出力されるよう構成されている。なお、前記センサ部131は、磁気インピーダンス素子の検出信号を増幅する信号増幅部を有しており、当該信号増幅部で増幅させた信号が処理回路部132へ出力されるようになっており、処理回路部132での判定精度を担保している。このように、前記磁気検出センサ130は、磁気を利用した不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値が検出閾値を超えた場合に不正検出信号を出力する不正検出手段である。
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図3に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板80が配設されている。この電源基板80には、図3に示す如く、パチンコ機10を電源投入状態(ON)および電源断状態(OFF)に切り替える電源スイッチ(電源切替手段)81およびメイン制御RAM60cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ82が設けられている。また電源基板80には、前記電源スイッチ81に接続し、該電源スイッチ81のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路83が設けられると共に、前記クリアスイッチ82に接続するクリアスイッチ回路84が設けられている。実施例では、クリアスイッチ82をON操作した状態で電源スイッチ81をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路84からメイン制御基板60にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60がメイン制御RAM60cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源スイッチ81、クリアスイッチ回路84およびクリアスイッチ82からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路84とクリアスイッチ82とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ82をON操作したときにクリアスイッチ回路84からメイン制御基板60にクリア信号を出力する構成を採用し得る。
次に、パチンコ機10へ電源投入(電力供給が開始)された場合に行われる制御処理について説明する。パチンコ機10が電源投入されると、前記リセット信号回路86は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、統括制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対してリセット信号を継続出力する。このとき、メイン制御CPU60aに対するリセット信号の継続出力時間は、統括制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対するリセット信号の継続出力時間より長くなるように、例えば1秒等に設定される。
メイン制御CPU60aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、メイン制御ROM60bに記憶されているメイン制御用電源投入処理プログラムに基づき、メイン制御用電源投入処理を実行する。このメイン制御用電源投入処理では、図4(a)に示す如く、メイン制御CPU60aは、前記クリアスイッチ82が操作されているか否かを判定する(ステップ101)。ステップ101が肯定の場合、メイン制御CPU60aは、ステップ103に移行し、メイン制御RAM60cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。その後、メイン制御CPU60aは、メイン制御ROM60bに記憶されている初期情報の設定を行い、当該初期情報に基づきパチンコ機10を起動させる(ステップ104)。そして、主制御用CPU30aは、初期情報に基づきパチンコ機10を起動させたことを示す初期情報制御コマンドを統括制御用CPU31aに出力する(ステップ105)。更に、パチンコ機10の起動に関する処理が終了すると、前記磁気検出センサ130が正常に起動されたか否かを確認するセンサ確認処理(ステップ106)を実行する。そして、センサ確認処理において磁気検出センサ130が正常に起動したことが確認されると、メイン制御CPU60aは、メイン制御用電源投入処理を終了する。
次に、磁気検出センサ130に関する処理について説明する。前述のように、実施例のパチンコ機10に設けられる磁気検出センサ130の処理回路部132は、外部磁界の変化に伴うセンサ部131の検出値の変動幅が所定の検出閾値を超えた場合に磁気検出状態として判定し、センサ部131が検出する検出値の変動幅が磁気検出基準値から所定の検出閾値を超えない場合に磁気非検出状態として処理回路部132が判定して、磁気検出信号あるいは磁気非検出信号が出力されるようになっている。ここで、不正に磁石が近づけられていない正常な環境であっても、パチンコ機10に設置された図柄表示装置17の作動や、ソレノイドあるいはモータ等の駆動手段を有する各種演出装置の作動、パチンコ機10が設置される遊技店毎の環境によってセンサ部131が検出する検出値が変動することから、正確な磁気検出を行うためにはこれらの影響を無視できない。このため、実施例では、周辺環境に応じて磁気検出基準値を磁気検出センサ130(処理回路部132)が設定し、当該磁気検出基準値に対してセンサ部131の検出値が検出閾値を超えて変動した場合に、磁気検出状態として判定するようになっている。すなわち、磁気検出センサ130の処理回路部132は、前記不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる磁気検出基準値(基準値)を設定する設定手段として機能している。
磁気検出センサ130に電源が供給されると、当該磁気検出センサ130が設置された環境に応じて初期値を設定する初期値設定処理が行われる。この初期値設定処理は、電源が供給された時点における周辺環境に応じて磁気検出センサ130(具体的には処理回路部132)が磁気検出信号を出力する基準となる前記磁気検出基準値を設定する処理である。具体的には、電源の供給に伴い磁気検出センサ130(センサ部131)が磁気を検出する検出値を、地球磁場の大きさよりも小さくなる(すなわち地球磁場の大きさ>検出値)ように設定して、当該磁気検出センサ130が常に磁気検出するようにする。そして、この状態で磁気検出センサ130(センサ部131)が検出する所定サンプリング数N(Nは自然数)の検出値を積算し、この積算値をサンプリング数Nで割ることで、磁気検出基準値を設定するよう構成されている。この磁気検出基準値は、磁気検出センサ130が備えるセンサ記憶部134に記憶される。
実施例のパチンコ機10は、前記初期値設定処理が行われた後の適宜のタイミングで、磁気検出センサ130の磁気検出基準値を補正(再設定)する基準値補正処理を行うよう構成されている。すなわち、電源供給に伴って一旦設定された磁気検出基準値を補正(再設定)することで時間経過と共に変化する磁場環境に磁気検出基準値を適合させ、磁気検出センサ130による磁気検出精度を維持し得るよう構成されている。実施例では、電源が供給されてから開放検出センサ112が各枠11,12,13の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、磁気検出センサ130の磁気検出基準値を処理回路部132が補正(再設定)するよう構成されている。また、磁気検出センサ130の処理回路部132は、電源が供給された状態において各枠11,12,13の相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを開放検出センサ112が検出する毎に、磁気検出センサ130の磁気検出基準値を補正(再設定)するよう構成されている。
次に、磁気検出センサ130で行われるセンサ側磁気検出処理について説明する。図6に示すように、パチンコ機10への電源投入後に前述した初期値設定処理および1回目のセンサ補正信号が完了すると、磁気検出センサ130は磁気検出が可能な待機状態となり、センサ部131により検出される検出値の変動幅が所定の検出閾値を超えたか否かの判定(すなわち不正な磁気を検出したか否かの判定)が所定の周期毎(例えば20ミリ秒毎)に処理回路部132において繰り返し行われる(ステップ301)。そして、センサ部131により検出される検出値の変動幅が所定の検出閾値を超えた場合には、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているか否かを磁気検出センサ130(処理回路部132)が判定する(ステップ302)。
次に、磁気検出センサ130が磁気を検出した場合にメイン制御CPU60aで行われるメイン側磁気検出処理について説明する。図7に示すように、パチンコ機10の起動が完了すると、前記磁気検出センサ130から磁気検出信号が入力されたか否かの判定が所定の周期毎(例えば20ミリ秒毎)にメイン制御CPU60aにおいて繰り返し行われる(ステップ401)。そして、磁気検出センサ130から磁気検出信号が入力されると、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップ402)。実施例では、前記開放検出センサ112からの閉鎖信号および開放信号の入力に伴ってメイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに記憶されている開閉状態フラグを参照して、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているか否かをメイン制御CPU60aが判定するようになっている。すなわち、メイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに記憶されている開閉状態フラグが「0」の場合に、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているものとメイン制御CPU60aが判定し、当該開閉状態フラグが「1」の場合に、各枠11,12,13の何れかが相対的に開放されているものとメイン制御CPU60aが判定するよう構成されている。
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(2) 実施例では、遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段としての電源スイッチを電源基板に設けるようにしたが、中枠や前枠等に個別に設置するようにしてもよい。
(3) 実施例では、外枠に対する中枠および前枠の開閉を開閉検出手段としての1つの開放検出センサで検出するよう構成したが、外枠に対する中枠の開閉と外枠に対する前枠の開閉とを検出する開閉検出手段を独立して備えるようにしてもよい。
(4) 実施例では、第1の基体としての外枠に対して、第2の基体としての中枠および前枠を開閉可能に備えるよう構成したが、外枠および中枠から第1の基体を構成してもよい。また、第2の基体としての中枠および前枠を一体化してもよい。
(5) 実施例では、不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値が基準値を超えた場合に検出信号を出力する不正検出手段として磁気を検出する磁気検出センサを採用した例を示したが、当該不正検出手段として電波を検出する電波センサを採用して本発明を適用することができる。
(6) 実施例では、電源切替手段が電源投入状態にある状態で第1の基体および第2の基体が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを開閉検出手段が検出する毎に、不正検出基準値(磁気検出基準値)を再設定するよう構成したが、当該開放状態から閉鎖状態に変化したことを開閉検出手段が所定回数検出する毎に、不正検出基準値(磁気検出基準値)を再設定するようにしてもよい。この場合でも、不正検出基準値を補正(再設定)する機会が得られるから、時間経過と共に変化する環境に適した検出状態とすることができ、不正行為が実行されたことを効果的に検出することが可能となる。
(7) 実施例では、周囲温度が基準温度を超えた場合に不正検出手段(磁気検出センサ)が不正検出信号を出力するよう構成したが、不正検出手段とは別に温度検出センサを設け、当該温度検出センサが検出する周囲温度が基準温度を超えた場合に不正検出手段(磁気検出センサ)が不正検出信号を出力するよう構成してもよい。
(8) 実施例では、第1の基体および第2の基体の相対的な開閉に伴って、制御手段(メイン制御CPU)から不正検出手段(磁気検出センサ)に対して開放信号や閉鎖信号が出力されるよう構成し、第1の基体および第2の基体の相対的な開放状態(開閉検出手段が第1の基体および第2の基体の相対的な開放状態を検出した状態)において、不正検出手段(磁気検出センサ)が不正検出信号の出力を停止するよう構成したが、第1の基体および第2の基体の相対的な開放に伴って不正検出手段(磁気検出センサ)に対する電源供給を遮断するよう構成して、不正検出信号の出力を停止するようにしてもよい。この場合は、第1の基体および第2の基体の相対的な閉鎖に伴って不正検出手段(磁気検出センサ)に対する電源供給が開始されるよう構成することで、不正検出手段(磁気検出センサ)の初期値設定や不正検出基準値の補正処理を行うことができる。
(9) また、メイン制御基板が備える機能の全部または一部をサブ制御基板が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御基板が備える機能の全部または一部をメイン制御基板が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御基板およびサブ制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御基板やサブ制御基板が備える機能の全部または一部を、別の制御基板に備えさせてもよい。
(10) 実施例では、パチンコ球を遊技媒体として遊技が行われるパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機(回胴式遊技機)等の各種遊技機を採用し得る。
例えば、スロットマシン機(回胴式遊技機)は、前方へ開口する箱状の筐体に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能にヒンジ接続され、図柄が配列された複数のリール(回転体)が前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、遊技者が所定の開始操作手段(スタートレバー)の操作を行うことを契機にリール(回転体)が回転して図柄が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定を行い、所定の停止操作手段(ストップボタン)の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止制御を実行し、停止した図柄の組合せによって遊技利益が付与されるように制御される遊技機である。このようなスロットマシン機では、前記筐体および前扉を第1の基体および第2の基体として採用することができる。
(A) 請求項1記載の構成を含む遊技機に関し、前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態を検出した状態では、前記不正検出手段(130)が不正検出信号の出力を停止するよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1の基体および第2の基体が相対的に開放された状態で、不正検出手段からの不正検出信号の出力を停止することで、当該不正検出信号の入力に伴って行われる制御手段の処理を省略できる。
12 中枠(第2の基体)
13 前枠(第2の基体)
81 電源スイッチ(電源切替手段)
112 開放検出センサ(開閉検出手段)
130 磁気検出センサ(不正検出手段)
132 処理回路部(設定手段)
95 外部端子部(信号出力部)
60a メイン制御CPU(異常報知決定手段)
Claims (2)
- 第1の基体に対して第2の基体を相対的に開閉可能に備えた遊技機において、
遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段と、
前記第1の基体および第2の基体の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出手段と、
不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値に基づいて検出信号を出力する不正検出手段と、
前記不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定する設定手段とを備え、
前記設定手段は、前記電源切替手段が電源投入状態に切り替えられると共に前記開閉検出手段が前記第1の基体および第2の基体の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、前記電源切替手段が電源投入状態にある状態で前記第1の基体および第2の基体が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを前記開閉検出手段が検出する毎に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、
前記不正検出手段は、当該不正検出手段の配設位置における周囲温度が基準温度を超えた場合に前記不正検出信号を出力するよう構成された
ことを特徴とする遊技機。 - 第1の基体に対して第2の基体を相対的に開閉可能に備えた遊技機において、
遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段と、
前記第1の基体および第2の基体の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出手段と、
不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値に基づいて検出信号を出力する不正検出手段と、
前記不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定する設定手段とを備え、
前記設定手段は、前記電源切替手段が電源投入状態に切り替えられると共に前記開閉検出手段が前記第1の基体および第2の基体の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、前記電源切替手段が電源投入状態にある状態で前記第1の基体および第2の基体が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを前記開閉検出手段が検出する毎に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、
前記基準値を設定する際に前記不正検出手段の検出値が所定範囲を超えて変動する場合にエラー信号を出力するよう構成されている
ことを特徴とする遊技機。
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