次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技が行われるパチンコ機10を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12がヒンジ部50を介して開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護部材46で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された前面装飾部材としての前枠13がヒンジ部50を介して開閉可能に組み付けられている。すなわち、前記パチンコ機10における外枠11および中枠は、前記遊技店に設置されると共に図柄表示装置17を備えた本体として機能しており、当該本体の前面側を前枠13が装飾している。ここで、図1に示すように、前記外枠11と中枠12、および中枠12と前枠13の夫々は、各枠11,12,13の一側部(左側部)に設けられた前記ヒンジ部50とは反対側の側部(右側部)に設けられた施錠機構51により相互に閉鎖した閉鎖状態に保持されるよう構成されて、パチンコ機10の前面側から鍵により解錠操作することで開放し得るようになっている。なお、図柄表示装置としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置や、ドラム式の図柄表示装置、ドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
ここで、前記外枠11は、図1に示すように、前後方向に開口した矩形枠状をなすよう上下左右の枠部11a〜11dの端部を夫々連結して形成されている。なお上下の枠部11a,11bは木質系材料で構成される一方、左右の枠部11c,11dはアルミ材等の金属材料で構成されており、左右の枠部11c,11dの薄型化を図りつつ外枠11の全体的な剛性を高めている。また、下枠部11bの前側には、左右方向に延在する化粧板11eが設けられて、パチンコ機10の前面下部の意匠面を構成している。なお、外枠11を構成する上下左右の枠部11a〜11dの内の一部を樹脂や金属等により一体的に成型するようにしてもよく、また外枠全体を単一部品として一体成型することも可能である。
また図1に示すように、前記中枠12は、遊技盤20が着脱可能に設置される遊技盤保持部が前後方向に開口すると共に前記外枠11の開口内側に収容可能な矩形枠状をなすよう形成されて、中枠12の左側部がヒンジ部50を介して外枠11に対して開閉可能に支持されている。そして、前記中枠12における遊技盤保持部の下部に位置する下枠部12aに打球発射装置18が配設されると共に、当該下枠部12aの裏側に、パチンコ機を制御する各種制御装置やパチンコ球の排出通路が設けられている。ここで、実施例のパチンコ機10では、遊技盤保持部に設置される遊技盤20の種類に関わらずパチンコ機10に関する制御を実行可能な後述する電源基板80を備えた電源制御装置や、パチンコ球の払い出しを制御する払出制御基板90を備えた払出制御装置、前記打球発射装置18の作動を制御する発射制御基板を備えた発射制御装置等が中枠12に配設されている。そして、遊技盤保持部に設置される遊技盤20の種類に応じてパチンコ機10に関する制御が実行される後述するメイン制御基板60を備えたメイン制御装置や、統括制御基板65を備えた統括制御装置、ランプ制御基板72を備えたランプ制御装置、音制御基板73を備えた音制御装置等は、遊技盤20の裏側に設置されており、遊技盤20と一体的に交換し得るようになっている。また、前記中枠12の裏側には、遊技店の球供給設備から供給されるパチンコ球を所定量まで貯留可能な球タンク12bが設けられると共に、遊技店に設置された電算機(ホールコンピュータHC)等の情報処理端末等を電気的に接続可能な外部端子部(信号出力部)95が配設されている。なお、実施例では、前記払出制御基板90を介して外部端子板95がメイン制御基板60に接続するよう構成されている。
前記前枠13は、図1に示すように、中枠12の外郭形状に略合致する矩形状に形成されると共に前後方向に開口する窓口13aが開設された枠本体101と、該枠本体101における該窓口13aの下方前側に、前方へ突出するよう設けられた設置部材102とを備えている。そして、前記枠本体101の前面側に、前記窓口13aを囲繞するようにランプ装置105が配設されると共に、当該枠本体101の前面上部位置に、効果音等を出力するスピーカ106が設置されている。ここで、前記ランプ装置105は、前記ランプ制御基板72に対して配線接続されており、当該ランプ制御基板72からの制御信号に基づいて適宜の発光態様により発光し得るよう構成される。一方で、前記スピーカ106は、前記音制御基板73に対して配線接続されており、当該音制御基板73からの制御信号に基づいて適宜の効果音を出力し得るよう構成されている。そして、前記設置部材102には、パチンコ球を貯留する上球受け皿14および下球受け皿(図示せず)が上下に離間して設けられており、前枠13と一体的に上下の球受け皿14を中枠12に対して開閉可能に構成されている。なお、球受け皿14が設けられた前記設置部材102を中枠12に対して個別に開閉可能に配設する構成とすることも可能である。
また、図1に示すように、パチンコ機10(実施例では前枠13)の前面右下部には、該中枠12に配設された打球発射装置18を作動させる操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、図示しないバネ等の付勢手段により左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することにより中枠12に設けた打球発射装置18が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置18によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置(到達位置)を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では前枠13の前面右下部に操作ハンドル16を設けてあるが、中枠12や球受け皿14等に操作ハンドル16を設けることも可能である。
(開閉検出部110について)
また、前記パチンコ機10は、図1に示すように、前記外枠11、中枠12および前枠13の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出部(開閉検出手段)110が備えられている。実施例の開閉検出部110は、前記外枠11、中枠12および前枠13の夫々が相対的に閉鎖された状態を閉鎖状態として検出すると共に、当該外枠11、中枠12および前枠13の何れかが相対的に開放された状態を開放状態として検出するよう構成されている。すなわち、外枠11に対して中枠12および前枠13の夫々を閉鎖した状態を開閉検出部110が閉鎖状態として検出し、外枠11に対して中枠12および前枠13の何れかを開放した状態を開閉検出部110が閉鎖状態として検出するよう構成されている。
実施例の前記開閉検出部110は、図1に示すように、前記中枠12の右上隅部に前後にスライド移動可能に設けられた押圧部111と、前記前枠13の右上隅部に設けられた開放検出センサ112とを備えている。ここで、実施例の開放検出センサ112は、開閉接点有するスイッチであって、開放検出センサ112に対して押圧部111の接触(押圧)および非接触(非押圧)が切り替わることで、各枠11,12,13の開放状態および閉鎖状態を検出し得るよう構成されている。具体的に、前記押圧部111は、付勢手段により中枠12の後面より後方へ突出するよう付勢されており、当該中枠12を外枠11に対して閉鎖した際に押圧部111の後端部が外枠11により押されることで、押圧部111の前端部が中枠12の前面より前方へ突出するよう構成されている。すなわち、中枠12を外枠11に対して開閉することで、中枠12の前面から押圧部111が退避した状態と、中枠12の前面から押圧部111が突出した状態とに切り替わるようになっている。そして、中枠12の前面から押圧部111が突出した状態で、前記前枠13を中枠12に対して閉鎖した際に、当該中枠12から突出する押圧部111が前記開放検出センサ112を押圧して当該開放検出センサ112が導通(ON)する一方、中枠12の前面から押圧部111が退避した状態(中枠12を外枠11に対して開放した状態)では、押圧部111が開放検出センサ112を押圧しなくなることで当該開放検出センサ112の導通が遮断(OFF)されるようになっている。すなわち、実施例では、1つの開放検出センサ112により、外枠11に対して中枠12および前枠13の両枠が閉鎖した状態を検出し得ると共に、外枠11に対して中枠12および前枠13の少なくとも一方の両枠が開放した状態を検出し得るようになっている。
そして、前記開放検出センサ112は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60(図3参照)に配線接続されている。すなわち、前記開放検出センサ112の導通状態の切り替わりに応じて、各枠11,12,13が閉鎖状態の場合に閉鎖信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に出力され、各枠11,12,13の何れか開放状態の場合に開放信号がメイン制御基板60に出力されるようになっている。ここで、メイン制御CPU60aは、開放検出センサ112から出力される閉鎖信号および開放信号を検出した際に、メイン制御RAM60c(後述)に設けられたフラグ設定エリアに開閉状態フラグを設定するよう構成されている。具体的には、開放検出センサ112から閉鎖信号が出力された場合に開閉状態フラグとして「0」が設定され、開放検出センサ112から開放信号が出力された場合に開閉状態フラグとして「1」が設定されるよう構成されており、当該開閉状態フラグを参照することで各枠11,12,13の開閉状態に応じた制御処理をメイン制御CPU60aが実行し得るよう構成されている。なお、開閉状態フラグは、開放検出センサ112から出力された信号が切り替わった際に書き換えられるよう設定してある。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図1または図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾部材25、始動入賞部30、特別入賞部40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等)が取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出させるアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾部材25が取り付けられている。そして、前記枠状装飾部材25における表示窓口25aの後方開口に、前記図柄表示装置17の演出表示部が臨むよう構成されて、当該表示窓口25aを介して演出表示部を遊技盤20の前面側から視認可能になっている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾部材25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。そして、前記遊技盤20における枠状装飾部材25の周囲に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特図始動口30a,30bを有する始動入賞部(始動入賞手段)30や、特別入賞口40aを有する特別入賞部(特別入賞手段)40、普通入賞口45aを有する普通入賞部(始動入賞手段)45が取り付けられている。そして、これらの入賞部30,40,45の入賞口30a,30b,40a,45aへのパチンコ球の入賞(具体的には、各入賞口30a,30b,40a,45aに対応した入賞検出センサSE1〜SE4の検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。
(始動入賞部30について)
図2に示すように、前記始動入賞部30は、遊技領域20a内で常に開口する常時開口タイプの第1特図始動口30aと、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32の駆動に伴って開閉動作する開閉部材(開閉手段)33を有する開閉タイプの第2特図始動口30bとを始動入賞部30が備えている。実施例では、第2特図始動口30bを挟む左右側部に一対の開閉部材31,31が配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材31,31が相互に近接および離間するよう揺動することで、パチンコ球が入賞不能となるよう特図始動口31bを閉鎖する閉鎖状態と、パチンコ球が入賞可能となる特図始動口31bを開放する開放状態とに切り替わるよう構成されている。実施例では、前記枠状装飾部材25の下部において遊技盤20の左右の略中央位置に、第1特図始動口30aおよび第2特図始動口30bを上下の関係で1つずつ設けてある。なお、前記始動入賞部30として設けられる第1特図始動口30aおよび第2特図始動口30bの形成数および配置位置は適宜に変更することができ、例えば第1特図始動口30aや第2特図始動口30bを複数設けてもよいし、第1および第2特図始動口30a,30bの設置数を異ならせてもよい。また、第1および第2特図始動口30a,30bを左右方向や上下方向に離れた位置に設置してもよい。
前記始動入賞部30は、前記第1および第2特図始動口30a,30bに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサSE1,SE2(図3参照)を備えている。前記始動入賞検出センサSE1,SE2は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60(図3参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU(メイン制御手段)60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが所定数(例えば3個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。なお、メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定した場合には、当該メイン制御CPU60aから払出制御基板90に入力される制御信号に基づいて、該払出制御基板90が球払出装置(図示せず)を制御することで賞球が払い出されるようになっている。
また、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2特図始動口30a,30bへのパチンコ球の入賞)を契機として特図当り判定条件が成立するようになっている。すなわち、特図当り判定条件の成立に伴って遊技者に有利な図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)を生起させるか否かに関する特図当り判定(当り判定)がメイン制御CPU60aにおいて行われると共に、当該特図当り判定の判定結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行される。そして、特図当り判定の判定結果が特図当りの判定である場合に、図柄変動演出の結果として図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示や小当り表示)となる図柄組合せ(例えば同一図柄の3つ揃い等)が確定表示されることで、特図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与され、所定の開放条件で開放される前記特別入賞部40への入賞に伴う遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口40aを開閉自在に閉成する開閉部材(開閉手段)41を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図3参照)の駆動に伴って開閉部材41が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉部材41が前後方向へ揺動することで特別入賞口40aを開閉するよう構成されており、該開閉部材41により特別入賞口40aが閉鎖された状態を図2に示している。また、前記特別入賞部40は、前記特別入賞口40aに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての特別入賞検出センサSE3(図3参照)を備えている。前記特別入賞検出センサSE3は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60に配線接続されている。そして、特別入賞検出センサSE3からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU(メイン制御手段)60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが所定数(例えば15個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。また、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞部30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞部40を開放する特図当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与される場合に、特図当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従って開閉部材41が開閉するようメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞部45について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの左右下部位置に、前記始動入賞部30や特別入賞部40を間に挟むよう前記普通入賞部45が夫々配置されている。前記普通入賞部45は、パチンコ球が通過可能な普通入賞口45aが遊技領域20a内で常に上方開口するよう設けられており、当該遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで入球可能な入賞部として構成されている。なお、実施例では、左右の普通入賞部45の夫々に、普通入賞口45aを2つずつ設けてある。また、前記普通入賞部45は、前記普通入賞口45aに入賞したパチンコ球を通過させる通路途中に、当該通路を通過するパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサSE4(図3参照)を備えている。前記普通入賞検出センサSE4は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60に配線接続されている。そして、普通入賞検出センサSE4からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU(メイン制御手段)60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが所定数(例えば10個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。
(ゲート部35について)
また、前記遊技盤20には、図2に示すように、前記始動入賞部30における第2特図始動口30bを開放させる契機となるゲート部35が設けられている。このゲート部35は、前記ゲート部35は、パチンコ球が通過可能な普図始動口35aが遊技領域20a内で常に上下に開口するよう設けられており、当該遊技領域20aを流下するパチンコ球の流下態様に応じて任意のタイミングで入球可能な入球部として構成されている。なお、ゲート部35の普図始動口35aに入ったパチンコ球は、下方開口を介して遊技領域20aに戻るようになっている。
また、前記ゲート部35は、普図始動口35aを通過するパチンコ球を検出するゲートセンサSE5を備えている。このゲートセンサSE5は、パチンコ機10の裏側に配設された制御手段としてのメイン制御基板60(図3参照)に配線接続されているに配線接続されており、該ゲートセンサSE5からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り判定条件が成立するようになっている。そして、普図当り判定条件の成立に伴って普図当り遊技を生起させるか否かに関する普図当り判定が行われ、該普図当り判定の結果に応じて前記始動入賞部30の開閉部材31を開閉作動する始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて、当該開閉部材31が開放されるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、ゲートセンサSE5によるパチンコ球の検出を契機として行われる普図当り判定の判定結果が当りの判定である場合に、前記始動入賞部30の第2特図始動口30bを所定の開放条件で開放する普図当り遊技が行われて、当該第2特図始動口30bへパチンコ球を入賞させ得る機会が与えられるようになっている。
(磁気検出センサ)
また、前記遊技盤20には、図2または図3に示すように、パチンコ機10に対する不正な磁気を検出する所定数(実施例では2つ)の磁気検出センサ(不正検出手段)130が配設されている。前記磁気検出センサ130は、外部磁界によってインピーダンスが変化する磁気インピーダンス素子を有するセンサ部131と、当該センサ部131の出力信号の振幅に基づいて所定の磁気検出基準値(不正検出基準値)と比較して磁気を検出した磁気検出状態であるか否かを判定する処理回路部(設定手段)132と、当該処理回路部132による処理結果を前記メイン制御基板60へ出力する出力部133とを備えている。すなわち、センサ部131が検出する検出値が、磁気検出センサ130に備えられたRAM等のセンサ記憶部134に記憶させた磁気検出基準値から検出閾値(閾値)を超えて変動した場合に、処理回路部132が磁気検出状態と判断するよう構成されている。そして、磁気検出状態である場合に、前記出力部133から不正検出信号として磁気検出信号(HIレベル信号)が出力され、磁気非検出状態である場合に、当該出力部133から磁気非検出信号(LOWレベル信号)が出力されるよう構成されている。なお、前記センサ部131は、磁気インピーダンス素子の検出信号を増幅する信号増幅部を有しており、当該信号増幅部で増幅させた信号が処理回路部132へ出力されるようになっており、処理回路部132での判定精度を担保している。このように、前記磁気検出センサ130は、磁気を利用した不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値が検出閾値を超えた場合に不正検出信号を出力する不正検出手段である。
ここで、実施例のパチンコ機10では、図2に示すように、前記遊技盤20の裏面における左右の下端部近傍に前記磁気検出センサ130が1つずつ配設されている。ここで、図2における二点鎖線は、各磁気検出センサ130が磁気を検出可能な磁気検出領域Rを示している。すなわち、複数の磁気検出センサ130の磁気検出領域Rが部分的に重複するよう構成されており、当該重複領域に、磁気を利用した不正行為の対象とされ易い構成が位置するようになっている。具体的には、各磁気検出センサ130の磁気検出領域Rが重複する領域に、前記始動入賞部30が配置されている。すなわち、磁石等の磁気を利用してパチンコ球を始動入賞部30の特図始動口30a,30bに不正に誘導された場合には、賞球の払出条件の成立に伴い不正に賞球が払い出されるだけでなく、特図当り判定条件の成立に伴い特図当り遊技が不正に生起される可能性があり、不正のターゲットとされやすいことから、複数の磁気検出センサ130の磁気検出領域Rが重複する領域に配置することで、当該始動入賞部30に対する不正行為の検出精度を高めている。また、各磁気検出センサ130の磁気検出領域Rが重複する領域には、前記特別入賞部40が配置されている。すなわち、特別入賞口40aを不正に開放されたもとで磁石等の磁気を利用してパチンコ球を特別入賞部40の特別入賞口40aに不正に誘導された場合には、賞球の払出条件の成立に伴い不正に多数の賞球が払い出され、不正のターゲットとされやすいことから、複数の磁気検出センサ130の磁気検出領域Rが重複する領域に配置することで、当該特別入賞部40に対する不正行為の検出精度を高めている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図3に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
ここで、前記メイン制御基板60は、図3に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサSE1,SE2、特別入賞検出センサSE3、普通入賞検出センサSE4、ゲートセンサSE5等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されると共に、前記始動入賞部30および特別入賞部40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、各センサSE1〜SE5の検出に基づいた制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材31,41が開閉されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記開放検出センサ112や磁気検出センサ130が接続されており、当該開放検出センサ112や磁気検出センサ130から入力される信号に基づいて、当該メイン制御CPU60aが制御処理を実行し得るようになっている。
具体的に、実施例のメイン制御CPU60aは、第1または第2特図始動口30a,30bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが取得する入賞情報としての判定用乱数としては、予め定められた特図当り用判定値との対比により大当り遊技を生起させるか否かを判定する特図当り判定に利用される特図当り判定用乱数や、予め定められた特図決定用判定値との対比により生起させる大当り遊技の種類を決定する特図決定用乱数、予め定められた特図変動パターン振分用判定値との対比により大当り遊技を導出する図柄変動演出の変動時間および演出内容を決定する特図変動パターン振分用乱数等が含まれている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサSE1,SE2の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。すなわち、第1または第2特図始動口30a,30bへの入賞に伴って取得した各種判定用乱数値を利用して所定の判定タイミングにおいて当否をメイン制御CPU60aが判定(特図当り判定)することで、特図当り遊技を生起させるか否かや、生起させる特図当り遊技の種類、図柄変動演出の内容等が決定されると共に、取得した乱数に基づいて実行される処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲート部35(普図始動口35a)をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE5がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが取得する通過検出情報としての判定用乱数としては、予め定められた普図当り用判定値との対比により第2特図始動口30bを開放させる普図当りを生起させるか否かを判定する普図当り判定に利用される普図当り判定用乱数や、予め定められた普図変動パターン振分用判定値との対比により普図当りを生起させるまでの変動時間を決定する普図変動パターン振分用乱数等が含まれている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサSE5の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。すなわち、普図始動口35aへの入賞に伴って取得した各種乱数値を利用して所定の判定タイミングにおいて当否をメイン制御CPU60aが判定(普図当り判定)することで、普図当り遊技を生起させるか否か等が決定されると共に、取得した乱数に基づいて実行される処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置105等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ106の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ106からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(電源基板80について)
また、パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板80が配設されている。この電源基板80には、図3に示す如く、パチンコ機10を電源投入状態(ON)および電源断状態(OFF)に切り替える電源スイッチ(電源切替手段)81およびメイン制御RAM60cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ82が設けられている。また電源基板80には、前記電源スイッチ81に接続し、該電源スイッチ81のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路83が設けられると共に、前記クリアスイッチ82に接続するクリアスイッチ回路84が設けられている。実施例では、クリアスイッチ82をON操作した状態で電源スイッチ81をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路84からメイン制御基板60にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60がメイン制御RAM60cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源スイッチ81、クリアスイッチ回路84およびクリアスイッチ82からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路84とクリアスイッチ82とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ82をON操作したときにクリアスイッチ回路84からメイン制御基板60にクリア信号を出力する構成を採用し得る。
図3に示す如く、前記電源基板80には、遊技場の外部電源(AC24V)をパチンコ機10の各種電子部品へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)85が設けられている。電源回路85には、各制御基板60,65,70が接続されており、該電源回路85は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板60,65,70に対応する供給すべき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧を対応する制御基板60,65,70に供給するよう構成される。
前記電源基板80には、前記電源回路85に接続する前記電源断監視回路83が設けられ、該電源断監視回路83は、電源回路85に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路83は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10の電子部品(例えば、検出センサ)を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。なお、閾値電圧は、電子部品が動作停止する電圧に対して所定のマージンだけ高い値に設定されている。
前記電源基板80には、前記電源断監視回路83に接続するリセット信号回路86が設けられている。電源断監視回路83は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板60、統括制御基板65およびリセット信号回路86に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路86は、電力供給の開始時(電源投入時や復電時)および電源断信号の入力時に、メイン制御基板60、統括制御基板65および表示制御基板70に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板60、統括制御基板65および表示制御基板70の動作を規制するようになっている。
具体的には、メイン制御CPU60aは、電源断監視回路83からの電源断信号が入力されると、メイン制御RAM60cに記憶された制御プログラムのうちのメイン制御用電源断処理プログラムに基づきメイン制御用の電源断処理を実行する。メイン制御用の電源断処理では、メイン制御RAM60cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種のフラグや乱数値等の各種制御情報がメイン制御RAM60cのメインバックアップエリアに記憶保持されると共に、メイン制御RAM60cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路86からのリセット信号の入力を待機するよう設定されている。同様に、統括制御CPU65aは、電源断監視回路83からの電源断信号が入力されると、統括制御RAM65cに記憶された制御プログラムのうちの統括制御用電源断処理プログラムに基づき、統括制御用の電源断処理を実行する。統括制御用の電源断処理では、統括制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種のフラグや遊技処理情報等の各種制御情報が統括制御RAM65cのメインバックアップエリアに記憶保持されると共に、統括制御RAM65cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路86からのリセット信号の入力を待機するよう設定されている。すなわち、電源断信号が入力されたタイミングにおける各種制御情報がバックアップデータとして記憶保持され、パチンコ機10への電源供給が復帰(復電)した際に、このバックアップデータに基づいて電源断が起きたタイミングの状態に復帰し得るよう構成されている。
また、前記電源基板80には、コンデンサ等のバックアップ電源87が設けられ、パチンコ機10の主電源が切られて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ81のOFFや停電等により外部電源からの電力供給の遮断により電源断監視回路83からの電源断信号が出力された場合)には、バックアップ電源87からメイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aに電力が供給される。バックアップ電源87は、両制御CPU60a,65aが、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている各種情報を、各制御RAM60c,65cに設定されたバックアップエリアに記憶(書き込み)するのに要する時間に亘って電力を供給し得るよう構成されている。また、両制御RAM60c,65cでは、電力供給が遮断された後もバックアップエリアに記憶されている各種情報は保持し得るよう構成されている。なお、バックアップエリアは、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアとは別途設定され、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。
(電源投入時の処理について)
次に、パチンコ機10へ電源投入(電力供給が開始)された場合に行われる制御処理について説明する。パチンコ機10が電源投入されると、前記リセット信号回路86は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、統括制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対してリセット信号を継続出力する。このとき、メイン制御CPU60aに対するリセット信号の継続出力時間は、統括制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対するリセット信号の継続出力時間より長くなるように、例えば1秒等に設定される。
(メイン制御用電源投入処理について)
メイン制御CPU60aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、メイン制御ROM60bに記憶されているメイン制御用電源投入処理プログラムに基づき、メイン制御用電源投入処理を実行する。このメイン制御用電源投入処理では、図4(a)に示す如く、メイン制御CPU60aは、前記クリアスイッチ82が操作されているか否かを判定する(ステップ101)。ステップ101が肯定の場合、メイン制御CPU60aは、ステップ103に移行し、メイン制御RAM60cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。その後、メイン制御CPU60aは、メイン制御ROM60bに記憶されている初期情報の設定を行い、当該初期情報に基づきパチンコ機10を起動させる(ステップ104)。そして、主制御用CPU30aは、初期情報に基づきパチンコ機10を起動させたことを示す初期情報制御コマンドを統括制御用CPU31aに出力する(ステップ105)。更に、パチンコ機10の起動に関する処理が終了すると、前記磁気検出センサ130が正常に起動されたか否かを確認するセンサ確認処理(ステップ106)を実行する。そして、センサ確認処理において磁気検出センサ130が正常に起動したことが確認されると、メイン制御CPU60aは、メイン制御用電源投入処理を終了する。
また、ステップ101が否定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御用復帰処理を行う(ステップ102)。図4(b)に示す如く、メイン制御用復帰処理においてメイン制御CPU60aは、ステップ111において、メイン制御用電源断処理と同じ演算処理で、メイン制御RAM60cに記憶保持されている各種制御情報に基づきチェックサムを算出する。そして、メイン制御CPU60aは、ステップ111で算出したチェックサムと、メイン制御RAM60cのバックアップエリアに記憶保持されているチェックサムが一致するか否かを判定する(ステップ112)。ステップ112の判定結果が否定の場合は、バックアップされている各種制御情報に異常があると判断し、メイン制御CPU60aは、図4(a)のステップ103の処理に移行する。
なお、ステップ112の判定結果が否定となる要因としては、電力供給の遮断時にメイン制御用電源断処理が正常に行われなかった場合や、メイン制御用電源断処理後にノイズ等によって記憶内容に異常が発生した場合等がある。このような場合は、ステップ111にて算出されるチェックサムが異常(異常値)を示すことになる。
一方、ステップ112が肯定の場合、すなわちバックアップされていた各種制御情報が正しい場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cのメインバックアップエリアに記憶保持されている各種制御情報に基づきパチンコ機10を起動させる(ステップ113)。また、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶管理される制御情報を指定する復電制御コマンドを統括制御CPU65aに出力する(ステップ114)。更に、パチンコ機10の起動に関する処理が終了すると、前記磁気検出センサ130が正常に起動されたか否かを確認するセンサ確認処理(ステップ115)を実行する。そして、センサ確認処理において磁気検出センサ130が正常に起動したことが確認されると、メイン制御CPU60aは、メイン制御用復帰処理を終了し、電力供給の遮断前の状態に復帰させる。
(磁気検出センサに関する処理について)
次に、磁気検出センサ130に関する処理について説明する。前述のように、実施例のパチンコ機10に設けられる磁気検出センサ130の処理回路部132は、外部磁界の変化に伴うセンサ部131の検出値の変動幅が所定の検出閾値を超えた場合に磁気検出状態として判定し、センサ部131が検出する検出値の変動幅が磁気検出基準値から所定の検出閾値を超えない場合に磁気非検出状態として処理回路部132が判定して、磁気検出信号あるいは磁気非検出信号が出力されるようになっている。ここで、不正に磁石が近づけられていない正常な環境であっても、パチンコ機10に設置された図柄表示装置17の作動や、ソレノイドあるいはモータ等の駆動手段を有する各種演出装置の作動、パチンコ機10が設置される遊技店毎の環境によってセンサ部131が検出する検出値が変動することから、正確な磁気検出を行うためにはこれらの影響を無視できない。このため、実施例では、周辺環境に応じて磁気検出基準値を磁気検出センサ130(処理回路部132)が設定し、当該磁気検出基準値に対してセンサ部131の検出値が検出閾値を超えて変動した場合に、磁気検出状態として判定するようになっている。すなわち、磁気検出センサ130の処理回路部132は、前記不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる磁気検出基準値(基準値)を設定する設定手段として機能している。
(初期値設定処理について)
磁気検出センサ130に電源が供給されると、当該磁気検出センサ130が設置された環境に応じて初期値を設定する初期値設定処理が行われる。この初期値設定処理は、電源が供給された時点における周辺環境に応じて磁気検出センサ130(具体的には処理回路部132)が磁気検出信号を出力する基準となる前記磁気検出基準値を設定する処理である。具体的には、電源の供給に伴い磁気検出センサ130(センサ部131)が磁気を検出する検出値を、地球磁場の大きさよりも小さくなる(すなわち地球磁場の大きさ>検出値)ように設定して、当該磁気検出センサ130が常に磁気検出するようにする。そして、この状態で磁気検出センサ130(センサ部131)が検出する所定サンプリング数N(Nは自然数)の検出値を積算し、この積算値をサンプリング数Nで割ることで、磁気検出基準値を設定するよう構成されている。この磁気検出基準値は、磁気検出センサ130が備えるセンサ記憶部134に記憶される。
また、磁気検出センサ130(具体的には処理回路部132)は、初期値設定処理において検出する磁気検出の最大値と最小値との幅が所定の値を超える場合に、メイン制御CPU60aに対して初期値設定エラー信号を出力するよう構成されている。すなわち、初期値設定処理において磁気検出センサ130が検出する検出値に過大な変動が生じた場合には、当該センサ130の周囲に磁石等が存在する可能性があり、磁気を正常に検出し得る値に磁気検出基準値が設定されないおそれがあることから、初期値設定エラー信号を出力することで初期値設定処理が正常に完了していないことをメイン制御CPU60aに認識させ得るようにしている。なお、磁気検出センサ130が初期値設定エラー信号を出力する契機となる磁気検出の最大値と最小値との幅としては、任意に設定し得るが、余りに小さくし過ぎると不正な磁気を利用した不正行為がなされていない環境で起こり得る正常な磁界の変動によっても初期値設定が正常に完了されず、また当該幅を余りに大きくし過ぎると不正な磁界の変動が生じても磁気検出センサ130が検出し得なくなる。そこで、例えば磁気検出センサ130から10cmの距離に配置した表面磁束430mTの標準磁石を、当該センサ130から15cm離間する方向に移動させた際に検出される磁気検出センサ130の検出値の変動幅を、初期値設定エラー信号を出力するか否かの判定値とすることが好適である。また、初期値設定処理において検出する磁気検出の最大値が所定の値を超える場合に、メイン制御CPU60aに対して初期値設定エラー信号を出力するよう構成されている。
そして、初期値設定処理が正常に完了(磁気検出基準値の設定が完了)した場合に、磁気検出センサ130(具体的には処理回路部132)が初期値設定完了信号をメイン制御CPU60aに出力して、当該初期値設定完了信号が入力されるのに伴ってメイン制御CPU60aがメイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに初期値設定完了フラグとして「1」を設定するようになっている。すなわち、メイン制御RAM60cの初期値設定完了フラグを参照することで、初期値設定処理が正常に完了したことをメイン制御CPU60aが識別し得るよう構成される。
また、初期値設定処理が不正常に完了した場合(初期値設定エラー信号が出力された場合)に、磁気検出センサ130(具体的には処理回路部132)が初期値設定エラー信号をメイン制御CPU60aに出力して、当該初期値設定エラー信号が入力されるのに伴ってメイン制御CPU60aがメイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに初期値設定エラーフラグとして「1」を設定するようになっている。すなわち、メイン制御RAM60cの初期値設定エラーフラグを参照することで、初期値設定処理で異常が発生したことをメイン制御CPU60aが識別し得るようになっている。そして、初期値設定処理が正常に完了していない場合には、前記センサ確認処理においてメイン制御CPU60aがエラー報知処理を行うようになっている。すなわち、初期値設定処理が不正常に完了した場合には、メイン制御CPU60aから統括制御CPU65aに対して初期値設定エラー信号を出力し、磁気検出センサ130の初期値設定で異常が生じたことを報知する内容を図柄表示装置17に表示させると共に、ランプ装置105の発光や、スピーカ106からの効果音出力により初期値設定で異常が生じたことを報知するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、初期値設定エラー信号をホールコンピュータHCに送信するよう構成されており、ホールコンピュータHCを通じて磁気検出センサ130の初期値設定に異常が生じたことを報知し得るようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、不正検出手段としての磁気検出センサ130からの検出信号に基づいて異常を報知するか否かを決定する異常報知決定手段としての機能を有している。なお、実施例では、磁気検出センサ130から出力され得初期値設定エラー信号、再設定エラー信号および磁気検出信号の何れかに基づいてメイン制御CPU60aが異常を報知するか否かを決定するようになっている。
(基準値補正処理について)
実施例のパチンコ機10は、前記初期値設定処理が行われた後の適宜のタイミングで、磁気検出センサ130の磁気検出基準値を補正(再設定)する基準値補正処理を行うよう構成されている。すなわち、電源供給に伴って一旦設定された磁気検出基準値を補正(再設定)することで時間経過と共に変化する磁場環境に磁気検出基準値を適合させ、磁気検出センサ130による磁気検出精度を維持し得るよう構成されている。実施例では、電源が供給されてから開放検出センサ112が各枠11,12,13の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、磁気検出センサ130の磁気検出基準値を処理回路部132が補正(再設定)するよう構成されている。また、磁気検出センサ130の処理回路部132は、電源が供給された状態において各枠11,12,13の相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを開放検出センサ112が検出する毎に、磁気検出センサ130の磁気検出基準値を補正(再設定)するよう構成されている。
具体的に、図5に示すように、基準値補正処理では、磁気検出センサ130の初期値設定処理が正常に完了しているか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップ201)。そして、初期値設定処理が正常に完了していない場合には、磁気検出基準値を再設定することなく基準値補正処理を終了するようになっている。すなわち、初期値設定が正常に完了しないことにより磁気検出センサ130が初期値設定エラー信号として磁気検出信号が出力された場合には、磁気検出基準値の初期値が正常に設定されていないことから、当該磁気検出基準値が再設定されないようになっている。ここで、初期値設定処理が正常に完了しているか否かに関する判定は、初期値設定処理において磁気検出センサ130から出力される信号に基づいてメイン制御RAM60cに設定された初期値設定完了フラグの値が正常完了を示す値(実施例では「1」)になっているか否かを判定することで実行可能である。
また、メイン制御CPU60aは、磁気検出センサ130における初期値設定処理が正常に完了している場合に、初期設定されてから1回目の基準値補正処理が完了しているか否かを判定する(ステップ202)。そして、1回目の基準値補正処理が完了していない場合には、各枠11,12,13の相対的な閉鎖状態か否か(すなわち開放検出センサ112が閉鎖状態を検出しているか否か)をメイン制御CPU60aが判定して(ステップ203)、開放検出センサ112が閉鎖状態を検出している場合(入力される信号が閉鎖信号の場合)に、磁気検出センサ130に対してセンサ補正信号を出力(ステップ204)するよう構成されている。このように、初期値設定処理が正常に完了してから各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されて開放検出センサ112が閉鎖状態を検出した場合に、メイン制御CPU60aが磁気検出センサ130に対してセンサ補正信号を出力し、磁気検出センサ130が磁気検出基準値を再設定するようになっている。なお、開放検出センサ112が閉鎖状態を検出していない場合(入力される信号が開放信号の場合)には、各枠11,12,13が閉鎖状態となるまで待機するようになっている。
ところで、パチンコ機10に対して電源が投入される状況としては、遊技店側に設置されたホールコンピュータからの制御信号により複数のパチンコ機10に対して一斉あるいは個別に電源投入するケースや、中枠12を外枠11に対して開放して電源基板80に設けた電源スイッチ81を作業者が操作してパチンコ機10毎に電源投入するケースとが一般に想定される。ここで、電源基板80の電源スイッチ81を操作するケースでは、電源投入時に電源スイッチ81を操作するために中枠12を開放させ、作業完了後に中枠12が閉鎖されるため、電源が投入された時点と遊技が行われる時点とで磁気検出センサ130の磁場環境が変化し、磁気検出センサ130の磁気検出精度に影響を与えることが懸念される。従って、磁気検出センサ130の初期値設定処理が完了した後に各枠11,12,13が閉鎖されたタイミングで磁気検出センサ130が磁気検出基準値を再設定することで、磁気検出センサ130による磁気検出精度を高めている。また初期値設定処理を実行しておくことで、磁気検出センサ130の周辺環境に異常があるか否かを速やかに判定することが可能である。
また、メイン制御CPU60aは、1回目の基準値補正処理が完了している場合には、各枠11,12,13が開放状態から閉鎖状態に変化したか否かを判定して(ステップ205)、開放状態から閉鎖状態に変化した場合に、磁気検出センサ130に対してセンサ補正信号を出力して、磁気検出センサ130に磁気検出基準値を再設定させるよう構成されている。一方、各枠11,12,13が開放状態から閉鎖状態に変化していない場合(すなわち、各枠11,12,13が閉鎖状態に維持されている場合)には、磁気検出センサ130に対してセンサ補正信号を出力することなく基準値補正処理を終了するようになっており、磁気検出センサ130に磁気検出基準値を再設定させることはない。
ここで、磁気検出センサ130が磁気検出基準値の補正(再設定)を行う基準値再設定処理について説明する。磁気検出センサ130は、前記メイン制御CPU60aからセンサ補正信号が入力されると、当該センサ補正信号が入力されたタイミングでの磁場環境に応じて磁気検出基準値を再設定する。この基準値再設定処理は、前述した初期値設定処理と基本的に同じ処理が行われる。具体的には、センサ補正信号の入力に伴い磁気検出センサ130が磁気を検出する検出値を、地球磁場の大きさよりも小さくなる(すなわち地球磁場の大きさ>検出値)ように設定して、当該磁気検出センサ130が常に磁気検出するようにする。そして、この状態で磁気検出センサ130(センサ部131)が検出する所定サンプリング数N(Nは自然数)の検出値を積算し、この積算値をサンプリング数Nで割ることで、磁気検出基準値を設定するよう構成されている。
また、磁気検出センサ130は、基準値再設定処理において検出する磁気検出の最大値と最小値との幅が所定の値を超える場合に、メイン制御CPU60aに対して再設定エラー信号を出力するよう構成されている。すなわち、基準値再設定処理において磁気検出センサ130が検出する検出値に過大な変動が生じた場合には、当該センサ130の周囲に磁石等が存在する可能性があり、磁気を正常に検出し得る値に磁気検出基準値が設定されないおそれがあることから、再設定エラー信号を出力することで基準値再設定処理が正常に完了していないことをメイン制御CPU60aに認識させ得るようにしている。なお、磁気検出センサ130が再設定エラー信号を出力する契機となる磁気検出の最大値と最小値との幅としては、任意に設定し得るが、余りに小さくし過ぎると正常な磁界の変動によっても初期値設定が正常に完了されず、また当該幅を余りに大きくし過ぎると不正な磁界の変動が生じても磁気検出センサ130が検出し得なくなる。そこで、例えば磁気検出センサ130から10cmの距離に配置した表面磁束430mTの標準磁石を当該センサ130から15cm離間する方向に移動させた際に検出される磁気検出センサ130の検出値の変動幅を、再設定エラー信号を出力するか否かの判定値とすることが好適である。また、基準値再設定処理において検出する磁気検出の最大値が所定の値を超える場合に、メイン制御CPU60aに対して再設定エラー信号を出力するよう構成されている。なお、基準値再設定処理において再設定エラー信号を出力するか否かの判定値と、前述した初期値設定処理において初期値設定エラー信号を出力するか否かの判定値とを異ならせてもよい。
そして、基準値再設定処理が正常に完了(磁気検出基準値の再設定が完了)した場合に、磁気検出センサ130が再設定完了信号をメイン制御CPU60aに出力して、当該再設定完了信号が入力されるのに伴ってメイン制御CPU60aがメイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに再設定完了フラグとして「1」を設定するようになっている。すなわち、メイン制御RAM60cの再設定完了フラグを参照することで、磁気検出基準値が再設定されたことを識別し得るようになっている。
また、基準値再設定処理が不正常に完了した場合(再設定エラー信号が出力された場合)に、磁気検出センサ130が再設定エラー信号をメイン制御CPU60aに出力して、当該再設定エラー信号が入力されるのに伴ってメイン制御CPU60aがメイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに再設定エラーフラグとして「1」を設定するようになっている。すなわち、メイン制御RAM60cの再設定エラーフラグを参照することで、基準値再設定処理で異常が発生したことをメイン制御CPU60aが識別し得るようになっている。ここで、メイン制御CPU60aは、基準値補正処理後の適宜のタイミングにおいてセンサ確認処理を実行するよう構成されており、基準値再設定処理が正常に完了していない場合には、当該センサ確認処理においてメイン制御CPU60aがエラー報知処理を行うようになっている。このように、センサ確認処理は、パチンコ機10に対する電源投入時だけでなく、磁気検出センサ130が磁気検出基準値を設定または再設定する処理後のタイミングで実行されるよう構成されている。すなわち、基準値再設定処理が不正常に完了した場合には、メイン制御CPU60aから統括制御CPU65aに対して再設定エラー信号を出力し、磁気検出センサ130の再設定で異常が生じたことを報知する内容を図柄表示装置17に表示させると共に、ランプ装置105の発光や、スピーカ106からの効果音出力により再設定で異常が生じたことを報知するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、再設定エラー信号をホールコンピュータHCに送信するよう構成されており、ホールコンピュータHCを通じて磁気検出センサ130の再設定に異常が生じたことを報知し得るようになっている。
(センサ側磁気検出処理)
次に、磁気検出センサ130で行われるセンサ側磁気検出処理について説明する。図6に示すように、パチンコ機10への電源投入後に前述した初期値設定処理および1回目のセンサ補正信号が完了すると、磁気検出センサ130は磁気検出が可能な待機状態となり、センサ部131により検出される検出値の変動幅が所定の検出閾値を超えたか否かの判定(すなわち不正な磁気を検出したか否かの判定)が所定の周期毎(例えば20ミリ秒毎)に処理回路部132において繰り返し行われる(ステップ301)。そして、センサ部131により検出される検出値の変動幅が所定の検出閾値を超えた場合には、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているか否かを磁気検出センサ130(処理回路部132)が判定する(ステップ302)。
ここで、実施例のパチンコ機10では、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されていることを示す閉鎖信号が前記開放検出センサ112からメイン制御CPU60aに入力された際に、磁気検出センサ130に対して閉鎖信号をメイン制御CPU60aが出力すると共に、各枠11,12,13の何れかが相対的に開放されていることを示す開放信号が開放検出センサ112からメイン制御CPU60aに入力された際に、磁気検出センサ130に対して開放信号をメイン制御CPU60aが出力するよう構成されている。そして、メイン制御CPU60aから閉鎖信号が磁気検出センサ130に入力された際には、当該磁気検出センサ130が備えるセンサ記憶部134のフラグ設定エリアに閉鎖状態を示す閉鎖フラグが設定されると共に、メイン制御CPU60aから開放信号が磁気検出センサ130に入力された際には、当該磁気検出センサ130が備えるセンサ記憶部134のフラグ設定エリアに開放状態を示す開放フラグが設定されるようになっている。すなわち、実施例の磁気検出センサ130は、センサ部131により検出される検出値の変動幅が所定の検出閾値を超えた場合に、処理回路部132がセンサ記憶部134に記憶されているフラグを参照して、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているか否かを判定する。
そして、前記磁気検出センサ130は、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されている場合に、メイン制御CPU60aに対して磁気検出信号を出力し(ステップ303)、メイン制御CPU60aに対して不正な磁気を検出したことを知らせるよう構成されている。一方で、前記磁気検出センサ130は、各枠11,12,13の何れかが相対的に開放されている場合に、磁気検出センサ130が磁気検出信号をメイン制御CPU60aに対して出力しないように構成されている。このように、実施例では、開放検出センサ112が各枠11,12,13の何れかが相対的に開放した状態を検出した状況では、磁気検出センサ130が磁気検出信号の出力を停止するよう構成されている。すなわち、パチンコ機10において遊技が行われる過程で生じ得る遊技盤20上の球詰まりやパチンコ球の発射の不具合等に伴い中枠12や前枠13が開放された際には、磁気検出センサ130が磁気検出信号の出力を停止することで、磁気検出信号の入力に伴って行われるメイン制御CPU60aの処理を省略できる。このとき、開放検出センサ112から開放信号がメイン制御CPU60aに入力されるよう構成されているから、中枠12や前枠13の開放に伴う処理をメイン制御CPU60aにおいて適切に行うことができる。
また、実施例の磁気検出センサ130は、当該磁気検出センサ130の周囲の温度に応じてセンサ部131から出力される検出値が変化するよう構成されている。具体的に、磁気検出センサ130のセンサ部131は、温度が上昇した場合に検出値が増大するよう構成されており、磁気検出センサ130の配設位置における周囲温度が基準温度(例えば60℃)を超えた場合に磁気検出信号を出力するよう構成されている。このように、周囲温度が基準温度を超えた場合に磁気検出センサ130が磁気検出信号を出力するよう構成したことで、磁気検出センサ130を適切な温度環境下で使用することが可能となり、磁気検出センサ130の誤検出を効果的に防止できる。
(メイン側磁気検出処理)
次に、磁気検出センサ130が磁気を検出した場合にメイン制御CPU60aで行われるメイン側磁気検出処理について説明する。図7に示すように、パチンコ機10の起動が完了すると、前記磁気検出センサ130から磁気検出信号が入力されたか否かの判定が所定の周期毎(例えば20ミリ秒毎)にメイン制御CPU60aにおいて繰り返し行われる(ステップ401)。そして、磁気検出センサ130から磁気検出信号が入力されると、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップ402)。実施例では、前記開放検出センサ112からの閉鎖信号および開放信号の入力に伴ってメイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに記憶されている開閉状態フラグを参照して、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているか否かをメイン制御CPU60aが判定するようになっている。すなわち、メイン制御RAM60cのフラグ設定エリアに記憶されている開閉状態フラグが「0」の場合に、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖されているものとメイン制御CPU60aが判定し、当該開閉状態フラグが「1」の場合に、各枠11,12,13の何れかが相対的に開放されているものとメイン制御CPU60aが判定するよう構成されている。
そして、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖された状態で磁気検出センサ130が磁気を検出した場合には、メイン制御CPU60aが磁気検出に基づく異常報知を行う処理を実行するよう構成されている(ステップ403,404)。具体的には、前記メイン制御CPU60aから統括制御基板65(統括制御CPU65a)に対して磁気異常検出信号を出力すると共に、磁気異常検出信号を受けた統括制御CPU65aが表示制御基板70に対して磁気異常検出信号を出力して、異常な磁気を検出したことを報知する内容を図柄表示装置17に表示させるようになっている。また、磁気異常検出信号は、統括制御CPU65aからランプ制御基板72や音制御装置73等に対して出力されるようになっており、前枠13に備えたランプ装置105を遊技が行われる際の発光態様とは異なった態様で発光させたり、遊技が行われる際の発光態様とは異なった効果音等をスピーカ106から出力することで、異常な磁気を検出したことを報知するよう構成されている。このように、実施例のパチンコ機10では、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖された状態で磁気検出センサ130が磁気を検出した場合に、図柄表示装置17の表示やランプ装置105の発光、スピーカ106からの効果音等により、異常な磁気が検出されたことを遊技店の作業者に認識させることができる。すなわち、メイン制御CPU60aは、磁気検出センサ130からの磁気検出信号に基づいて異常を報知するか否かを決定する異常報知決定手段としての機能を有するものである。
また、実施例のパチンコ機10では、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖された状態で磁気検出センサ130が磁気を検出した場合に、前記操作ハンドル16の操作レバー16aが操作されているか否かに関わらず、前記打球発射装置18の作動を停止させるようメイン制御CPU60aが制御するよう構成されている。すなわち、前記打球発射装置18の作動を強制的に停止させることで、異常な磁気が検出された状況下で遊技が継続されるのを防止し得るようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、磁気検出センサ130からの磁気検出信号に基づいてパチンコ機10の動作を停止させるか否かを決定する動作停止決定手段としての機能を有するものである。
また、実施例のパチンコ機10は、中枠12の裏側に備えられた外部端子部(図3参照)を介して遊技店に備えられた電算機(ホールコンピュータ)に電気的に接続されており、各枠11,12,13が相互に相対的に閉鎖された状態で磁気検出センサ130が磁気を検出した場合には、メイン制御CPU60aが外部端子板を介して磁気異常検出信号をホールコンピュータに送信するよう構成されている。このように、磁気異常検出信号をホールコンピュータに送信することで、パチンコ機10で個別に行われる図柄表示装置17やランプ装置105、スピーカ106等による報知とは別に、異常な磁気が検出されたことを遊技店に認識させて、適切な対応を促すことができる。
また、図7に示すように、各枠11,12,13の何れかが相対的に開放されている場合には、メイン制御CPU60aは枠開放の検出に基づく異常報知を行う処理を実行するようになっている(ステップ405,406)。すなわち、開放検出センサ112が各枠11,12,13の相対的な開放状態を検出した状態で磁気検出センサ130からの磁気検出信号が入力された場合には、当該磁気検出センサ130の検出に基づいた異常の報知をしないことをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。一方で、この場合には、開放検出センサ112による開放検出に基づいた異常の報知を行うことをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。具体的には、前記メイン制御CPU60aから統括制御基板65(統括制御CPU65a)に対して枠開放検出信号を出力すると共に、枠開放検出信号を受けた統括制御CPU65aが表示制御基板70に対して枠開放検出信号を出力して、各枠11,12,13の何れかが開放していることを報知する内容を図柄表示装置17に表示させるようになっている。また、枠開放検出信号は、統括制御CPU65aからランプ制御基板72や音制御装置73等に対して出力されるようになっており、前枠13に備えたランプ装置105を遊技が行われる際の発光態様とは異なった態様で発光させたり、遊技が行われる際の発光態様とは異なった効果音等をスピーカ106から出力することで、各枠11,12,13の何れかが開放していることを報知するよう構成されている。
また、各枠11,12,13の何れかが相対的に開放された状態で磁気検出センサ130が磁気を検出した場合には、メイン制御CPU60aが外部端子板を介して枠開放検出信号をホールコンピュータに送信するよう構成されている。このとき、メイン制御CPU60aは、外部端子板を介して磁気検出センサ130の異常検出に基づく磁気検出信号をホールコンピュータに送信しないようになっている。すなわち、開放検出センサ112が各枠11,12,13の相対的な開放状態を検出した状態で磁気検出センサ130からの磁気検出信号が入力された場合には、当該磁気検出センサ130の検出に基づいた信号の外部への出力を停止することをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。一方で、この場合には、開放検出センサ112による開放検出に基づいた信号を外部へ出力することをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。このように、枠開放検出信号をホールコンピュータに送信することで、パチンコ機10で個別に行われる図柄表示装置17やランプ装置105、スピーカ106等による報知とは別に、異常な磁気が検出されたことを遊技店に認識させて、適切な対応を促すことができる。
また、実施例のメイン制御CPU60aは、磁気検出センサ130が磁気を検出した際に、磁気検出領域Rが重複するよう設けられた複数(実施例では2つ)の磁気検出センサ130が同時に磁気を検出しているか否かをメイン制御CPU60aが判定するよう構成されている。そして、磁気検出領域Rが重複するよう設けられた複数(実施例では2つ)の磁気検出センサ130の一部が磁気を検出している場合には、一部の磁気検出センサ130による磁気検出の連続回数をカウントし、当該一部の磁気検出センサ130による磁気検出が所定の基準回数を超えて連続した場合に、メイン制御CPU60aが磁気検出センサ130の異常として判定するよう構成されている。前述のように、実施例では、複数の磁気検出センサ130の磁気検出領域Rが重複する複領域に、磁気を利用した不正行為の対象とされ易い構成体が配置されており、磁気を利用した不正行為が行われた場合には、磁気検出領域Rが重複するよう複数の磁気検出センサ130が一度に磁気を検出する可能性が高くなるよう構成されている。すなわち、磁気検出領域Rが重複するよう設けられた複数の磁気検出センサ130の一部のみが磁気を検出している状態が継続している場合には、何れかの磁気検出センサ130の故障や、磁気検出センサ130の不正な改造等が生じている可能性がある。従って、一部の磁気検出センサ130による磁気検出が所定の基準回数を超えて連続した場合に、メイン制御CPU60aが磁気検出センサ130の異常として判定することで、磁気検出センサ130の点検等を促すようになっている。
実施例では、一部の磁気検出センサ130による磁気検出が所定の基準回数を超えて連続した場合に、前記メイン制御CPU60aから統括制御基板65(統括制御CPU65a)に対してセンサ確認信号を出力すると共に、センサ確認信号を受けた統括制御CPU65aが表示制御基板70に対してセンサ確認信号を出力して、磁気検出センサ130を確認すべきことを報知する内容を図柄表示装置17に表示させるようになっている。更に、メイン制御CPU60aは外部端子板を介してセンサ確認信号をホールコンピュータに送信するよう構成されている。このように、センサ確認信号をホールコンピュータに送信することで、パチンコ機10で個別に行われる図柄表示装置17による報知とは別に、磁気検出センサ130を点検すべきことを遊技店に認識させて、適切な対応を促すことができる。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10では、電源基板80に設けた電源スイッチ81の操作等により電源が投入されると、メイン制御CPU60aによりメイン制御用電源投入処理が実行されて、パチンコ機10の初期設定状態または電力供給の遮断前の状態に復帰される。また、電源投入に伴って磁気検出センサ130では初期値設定処理が実行されて、磁気検出センサ130がメイン制御CPU60aに対して磁気検出信号を出力する基準となる前記磁気検出基準値が設定される。この初期値設定処理において磁気検出基準値が正常に設定されなかった場合には、磁気検出センサ130から初期値設定エラー信号がメイン制御CPU60aに出力され、当該初期値設定エラー信号に基づいてメイン制御CPU60aがエラー報知処理を行うようにしたことで、遊技店にエラーの原因となった磁石を取り除く等の処置を促すことができ、磁気検出センサ130に対して正常に磁気検出基準値が設定されないまま遊技に供されるのを防止することができる。
また、初期値設定処理において磁気検出基準値が正常に設定された場合には、開放検出センサ112が各枠11,12,13の相対的な閉鎖状態を検出してパチンコ機10が遊技に供される状態となった場合に、当該初期値設定処理において設定された磁気検出基準値が補正(再設定)される。すなわち、中枠12を外枠11に対して開放して電源基板80に設けた電源スイッチ81を作業者が操作して電源を投入する場合には、初期値設定処理が行われるタイミングでは中枠12を外枠11に対して開放されており、実際にパチンコ機10が遊技に供される磁場環境とは異なる環境で磁気検出基準値が設定されることが懸念される。すなわち、パチンコ機10に電源が投入された際には、各枠11,12,13が閉鎖された閉鎖状態となった時点で、磁気検出センサ130が磁気検出信号を出力する磁気検出基準値を再設定することで、パチンコ機10の設置環境に合致した適切な磁気検出精度にすることができる。
更に、電源投入時には、パチンコ機10に備える図柄表示装置17の起動や可動演出装置等の動作確認、その他の初期設定動作が一度に行われるため、磁気検出センサ130が検出する磁気に少なからずの影響を及ぼしているのに対し、各枠11,12,13が閉鎖された閉鎖状態となった時点で、磁気検出センサ130が磁気検出信号を出力する磁気検出基準値を再設定することで、初期設定動作が磁気検出センサ130に及ぼす影響を極力軽減することができる。このため、電源基板80に設けた電源スイッチ81を作業者が操作して電源を投入する場合に限らず、遊技店側に設置されたホールコンピュータからの制御信号により複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入する場合であっても、期値設定処理において磁気検出基準値を設定した後に、当該磁気検出基準値を補正(再設定)することで、パチンコ機10が遊技に供される環境により適した磁気検出精度にすることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、初期値設定処理後に各枠11,12,13が閉鎖された閉鎖状態とされるのに伴って、磁気検出センサ130がメイン制御CPU60aに対して磁気検出信号を出力する基準となる磁気検出基準値が再設定された後であっても、外枠11に対して中枠12または前枠13の何れかを開閉した際に、当該磁気検出基準値が補正(再設定)される。ここで、遊技店において複数台のパチンコ機10が並列して設置された環境では、隣接したパチンコ機10の稼働状況や、遊技店内の音響の状況、遊技店内を往来の遊技者する多寡、あるいは遊技店外の環境等の様々な要因によって、磁気検出センサ130の周囲の磁場環境が遊技店の営業時間内においても電源投入時から逐次変化する。このため、電源投入時点で設定された磁気検出基準値を不変のものとして磁気検出すると、磁場環境の変化に対応できず、不正な磁気を見逃したり、反対に正常な磁気を不正な磁気として検出する等の誤検出が生ずる原因ともなる。これに対して、実施例では、電源が投入されてから各枠11,12,13が開閉される毎に、磁気検出基準値を補正(再設定)し直すことができるから、時間経過と共に変化する磁場環境に適した検出状態とすることができ、不正行為が実行されたことを効果的に検出することが可能となる。
また、実施例の磁気検出センサ130は、周囲の温度に応じてセンサ部131から出力される検出値が変化するよう構成されており、周囲温度が基準温度を超えた場合に磁気検出信号を出力するようにしたから、磁気検出センサ130を適切な温度環境下で使用することが可能となり、磁気検出センサ130の誤検出を効果的に防止できる。更に、前述のように、枠11,12,13を開閉した際に磁気検出センサ130が磁気を検出する磁気検出基準値を補正(再設定)することで、磁気検出センサ130の配設位置の周囲温度に適した磁気検出基準値に補正することができる。
また、各枠11,12,13が閉鎖された閉鎖状態(すなわち磁気検出センサ130による不正な磁気の検出に適した環境)において磁気検出センサ130の磁気検出に伴い磁気検出信号がメイン制御CPU60aに入力された場合には、当該磁気検出信号の出力に基づく信号(磁気異常検出信号)を、外部端子部95を介して外部へ出力するよう構成したから、不正行為が行われたことを遊技店側の情報処理端末(ホールコンピュータHC)等で正確に管理し得る。その一方で、各枠11,12,13の何れかが開放されて磁気検出センサ130による磁気の検出環境が変化した状態では、メイン制御CPU60aが磁気検出センサ130からの磁気検出信号の出力に基づく信号を外部端子部95から外部へ出力しないようにしたから、検出環境の変化に伴う磁気検出センサ130の誤検出を不正行為が行われたものとして遊技店側の情報処理端末等で処理されるのを防止することができる。従って、遊技に供される状態で不正な磁気を利用した不正行為が行われたか否かを的確に把握することが可能となる。
このとき、各枠11,12,13の何れかが開放された状態では、開放検出センサ112の検出信号に基づく信号(枠開放検出信号)を、外部端子部95を介して外部へ出力するよう構成したから、枠の開放を遊技店側の情報処理端末(ホールコンピュータHC)等で正確に管理し、適切に処置することができる。そして、磁気検出センサ130が磁気を検出した場合であっても、各枠11,12,13が閉鎖状態にあるか開放状態にあるかによって、遊技店側の情報処理端末に出力される信号を変えることにより、これらの事象(磁気検出や枠開放)の発生を区別して把握・管理し得ると共に、優先するべき事象を把握することができる。そして、各枠11,12,1の開放に伴って磁気検出センサ130の検出環境が変化した後に、各枠11,12,13が閉鎖されることで、前述のように磁気検出基準値が再設定されるから、磁気検出センサ130による不正な磁気の検出に適した状態を維持することができる。
また、各枠11,12,13が閉鎖された閉鎖状態(すなわち磁気検出センサ130による不正な磁気の検出に適した環境)において磁気検出センサ130の磁気検出に伴い磁気検出信号がメイン制御CPU60aに入力された場合には、当該磁気検出信号の出力に基づいた異常報知が行われるようメイン制御CPU60aからサブ制御基板(統括制御基板65)に磁気異常検出信号が出力されるから、不正な磁気を検出したこと(不正行為が行われた可能性があること)を迅速に報知することができる。その一方で、各枠11,12,13の何れかが開放されて磁気検出センサ130による磁気の検出環境が変化した状態では、磁気検出センサ130の磁気検出に伴い磁気検出信号がメイン制御CPU60aに入力された場合に、当該磁気検出信号に基づいた異常報知を行わないことをメイン制御CPU60aが決定するようにしたから、検出環境の変化に伴う磁気検出センサ130の誤検出に起因した異常報知が行われるのを防止することができる。従って、遊技に供される状態で不正な磁気を利用した不正行為が行われたか否かを的確に把握することが可能となる。
このとき、各枠11,12,13の何れかが開放された状態では、開放検出センサ112の検出信号に基づいた報知が行われるようメイン制御CPU60aからサブ制御基板(統括制御基板65)に枠開放検出信号が出力されるから、枠の開放を迅速に報知して枠の開放に合わせた適切な処置を促すことができる。そして、磁気検出センサ130が磁気を検出した場合であっても、各枠11,12,13が閉鎖状態にあるか開放状態にあるかによって、報知される内容(図柄表示装置17における表示内容や、ランプ装置105の発光態様、スピーカ106からの効果音)を変えることにより、これらの事象(磁気検出や枠開放)の発生を区別して把握・管理し得ると共に、優先するべき事象を把握することができる。そして、各枠11,12,13の開放に伴って磁気検出センサ130の検出環境が変化した後に、各枠11,12,13が閉鎖されることで、前述のように磁気検出基準値が再設定されるから、磁気検出センサ130による不正な磁気の検出に適した状態を維持することができる。
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、不正検出手段(磁気検出センサ)を複数設置するよう構成したが、不正検出手段(磁気検出センサ)を1つだけ設置するようにしてもよい。また、不正検出手段(磁気検出センサ)の設置位置としては、遊技盤の裏側に限られるものではなく中枠や前枠等であってもよく、遊技機において不正を検出可能な適宜位置に設置することができる。
(2) 実施例では、遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段としての電源スイッチを電源基板に設けるようにしたが、中枠や前枠等に個別に設置するようにしてもよい。
(3) 実施例では、外枠に対する中枠および前枠の開閉を開閉検出手段としての1つの開放検出センサで検出するよう構成したが、外枠に対する中枠の開閉と外枠に対する前枠の開閉とを検出する開閉検出手段を独立して備えるようにしてもよい。
(4) 実施例では、第1の基体としての外枠に対して、第2の基体としての中枠および前枠を開閉可能に備えるよう構成したが、外枠および中枠から第1の基体を構成してもよい。また、第2の基体としての中枠および前枠を一体化してもよい。
(5) 実施例では、不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値が基準値を超えた場合に検出信号を出力する不正検出手段として磁気を検出する磁気検出センサを採用した例を示したが、当該不正検出手段として電波を検出する電波センサを採用して本発明を適用することができる。
(6) 実施例では、電源切替手段が電源投入状態にある状態で第1の基体および第2の基体が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを開閉検出手段が検出する毎に、不正検出基準値(磁気検出基準値)を再設定するよう構成したが、当該開放状態から閉鎖状態に変化したことを開閉検出手段が所定回数検出する毎に、不正検出基準値(磁気検出基準値)を再設定するようにしてもよい。この場合でも、不正検出基準値を補正(再設定)する機会が得られるから、時間経過と共に変化する環境に適した検出状態とすることができ、不正行為が実行されたことを効果的に検出することが可能となる。
(7) 実施例では、周囲温度が基準温度を超えた場合に不正検出手段(磁気検出センサ)が不正検出信号を出力するよう構成したが、不正検出手段とは別に温度検出センサを設け、当該温度検出センサが検出する周囲温度が基準温度を超えた場合に不正検出手段(磁気検出センサ)が不正検出信号を出力するよう構成してもよい。
(8) 実施例では、第1の基体および第2の基体の相対的な開閉に伴って、制御手段(メイン制御CPU)から不正検出手段(磁気検出センサ)に対して開放信号や閉鎖信号が出力されるよう構成し、第1の基体および第2の基体の相対的な開放状態(開閉検出手段が第1の基体および第2の基体の相対的な開放状態を検出した状態)において、不正検出手段(磁気検出センサ)が不正検出信号の出力を停止するよう構成したが、第1の基体および第2の基体の相対的な開放に伴って不正検出手段(磁気検出センサ)に対する電源供給を遮断するよう構成して、不正検出信号の出力を停止するようにしてもよい。この場合は、第1の基体および第2の基体の相対的な閉鎖に伴って不正検出手段(磁気検出センサ)に対する電源供給が開始されるよう構成することで、不正検出手段(磁気検出センサ)の初期値設定や不正検出基準値の補正処理を行うことができる。
(9) また、メイン制御基板が備える機能の全部または一部をサブ制御基板が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御基板が備える機能の全部または一部をメイン制御基板が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御基板およびサブ制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御基板やサブ制御基板が備える機能の全部または一部を、別の制御基板に備えさせてもよい。
(10) 実施例では、パチンコ球を遊技媒体として遊技が行われるパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機(回胴式遊技機)等の各種遊技機を採用し得る。
例えば、スロットマシン機(回胴式遊技機)は、前方へ開口する箱状の筐体に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能にヒンジ接続され、図柄が配列された複数のリール(回転体)が前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、遊技者が所定の開始操作手段(スタートレバー)の操作を行うことを契機にリール(回転体)が回転して図柄が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定を行い、所定の停止操作手段(ストップボタン)の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止制御を実行し、停止した図柄の組合せによって遊技利益が付与されるように制御される遊技機である。このようなスロットマシン機では、前記筐体および前扉を第1の基体および第2の基体として採用することができる。
また、本願には、以下のような技術的思想が含まれている。
(A) 第1の基体(11)に対して第2の基体(12,13)を相対的に開閉可能に備えた遊技機において、
遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段(81)と、
前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出手段(112)と、
不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値に基づいて不正検出信号を出力する不正検出手段(130)と、
前記不正検出手段(130)が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定する設定手段(132)とを備え、
前記設定手段(132)は、前記電源切替手段(81)が電源投入状態に切り替えられると共に前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、前記電源切替手段(81)が電源投入状態にある状態で前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを前記開閉検出手段(112)が検出する毎に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、
前記不正検出手段(130)は、当該不正検出手段(130)の配設位置における周囲温度が基準温度を超えた場合に前記不正検出信号を出力するよう構成されたことを要旨とする。
このように、遊技機に電源が投入された際には、第1および第2の基体が閉鎖されて遊技に供される状態となった場合に、不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定手段が設定することで、遊技機の設置環境に合わせた適切な検出状態にすることができる。また、電源が投入されてから第1および第2の基体が開閉される毎に、前記基準値を設定し直すことができるから、時間経過と共に変化する環境に適した検出状態とすることができ、不正行為が実行されたことを効果的に検出することが可能となる。
また、周囲温度が基準温度を超えた場合に検出信号を出力することで、不正検出手段を適切な温度環境下で使用することが可能となり、不正検出手段の誤検出を効果的に防止できる。
(B) 第1の基体(11)に対して第2の基体(12,13)を相対的に開閉可能に備えた遊技機において、
遊技機を電源投入状態および電源断状態に切り替える電源切替手段(81)と、
前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態および閉鎖状態への変化を検出可能な開閉検出手段(112)と、
不正行為が行われた際に検出値が変動するよう構成されて検出値に基づいて不正検出信号を出力する不正検出手段(130)と、
前記不正検出手段(130)が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定する設定手段(132)とを備え、
前記設定手段(132)は、前記電源切替手段(81)が電源投入状態に切り替えられると共に前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した場合に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、前記電源切替手段(81)が電源投入状態にある状態で前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)が相対的な開放状態から閉鎖状態に変化したことを前記開閉検出手段(112)が検出する毎に、前記基準値を設定するよう構成されると共に、
前記基準値を設定する際に前記不正検出手段(130)の検出値が所定範囲を超えて変動する場合にエラー信号を出力するよう構成されている
ことを要旨とする。
このように、遊技機に電源が投入された際には、第1および第2の基体が閉鎖されて遊技に供される状態となった場合に、不正検出手段が不正検出信号を出力する基準となる基準値を設定手段が設定することで、遊技機の設置環境に合わせた適切な検出状態にすることができる。また、電源が投入されてから第1および第2の基体が開閉される毎に、前記基準値を設定し直すことができるから、時間経過と共に変化する環境に適した検出状態とすることができ、不正行為が実行されたことを効果的に検出することが可能となる。
また、不正行為を正常に検出し得る値に基準値が設定されないおそれがある場合に、エラー信号を出力することで基準値の設定処理が正常に完了していないことを認識できる。
(C) 遊技機外部に信号を出力する信号出力部(95)を備え、
前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した状態では、前記不正検出手段(130)からの不正検出信号の出力に基づく信号を前記信号出力部(95)から外部へ出力すると共に、開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態を検出した状態では、不正検出手段(130)からの不正検出信号の出力に基づく信号の外部への出力を停止するよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1および第2の基体が閉鎖された不正検出手段による不正行為の検出に適した環境下で不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づく信号を外部へ出力することで、不正行為が行われたことを遊技店側の情報処理端末等で正確に管理し得る一方で、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した状態では、不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づく信号が外部へ出力されないようにすることで、検出環境の変化に伴う不正検出手段の誤検出を不正行為が行われたものとして遊技店側の情報処理端末等で処理定されるのを防止することができる。このため、遊技に供される状態で不正行為が行われたか否かを的確に把握することが可能となる。また、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した後に第1および第2の基体が閉鎖された場合には、前述のように基準値が再設定されることで、不正検出手段による不正行為の検出に適した状態を維持することができる。
(D) 前記不正検出手段(130)からの検出信号に基づいて異常を報知するか否かを決定する異常報知決定手段(60a)を備え、
前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な閉鎖状態を検出した状態で前記不正検出手段(130)から不正検出信号が出力された場合には、当該不正検出手段(130)の検出に基づいた異常を報知することを前記異常報知決定手段(60a)が決定すると共に、当該開閉検出手段(112)が第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態を検出した状態で不正検出手段(130)から不正検出信号が出力された場合には、当該不正検出手段(130)の検出に基づいた異常を報知しないことを前記異常報知決定手段(60a)が決定するよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1および第2の基体が閉鎖された不正検出手段による不正行為の検出に適した環境下では、当該不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づいて異常を報知することを決定することで、不正行為が行われたことを迅速に報知することができる。一方で、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した状態では、当該不正検出手段からの不正検出信号の出力に基づいて異常を報知しないことを決定することで、検出環境の変化に伴う不正検出手段の誤検出に起因した異常の報知を防止することができる。このため、遊技に供される状態で不正行為が行われたか否かを的確に把握することが可能となる。また、第1および第2の基体の開放に伴って不正検出手段の検出環境が変化した後に第1および第2の基体が閉鎖された場合には、前述のように基準値が再設定されることで、不正検出手段による不正行為の検出に適した状態を維持することができる。
(E) 前記開閉検出手段(112)が前記第1の基体(11)および第2の基体(12,13)の相対的な開放状態を検出した状態では、前記不正検出手段(130)が不正検出信号の出力を停止するよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1の基体および第2の基体が相対的に開放された状態で、不正検出手段からの不正検出信号の出力を停止することで、当該不正検出信号の入力に伴って行われる制御手段の処理を省略できる。