次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図3参照)を着脱可能に保持する本体枠(遊技機本体)としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤20には、表示演出を行う演出実行手段としての演出表示装置(図柄表示部、表示手段)17が配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明板(図1では透明板を取り外した状態を示している)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠(前扉)としての前枠13が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14および下球受け皿15が一体的に組付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14および下球受け皿15も一体的に開閉するよう構成される。
前枠13には、図1に示す如く、前記中枠12に配設された球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が下球受け皿15の右側方に設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、操作レバー16aの回動量に応じて前記球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20の前面側に形成された後述する遊技領域21(図3参照)のうち、第1球流下経路21a(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「左打ち」と、第2球流下経路21b(後述)にパチンコ球を流下させる所謂「右打ち」とを打ち分けできるようになっている。また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、該前枠13における上部の左右の隅部に、音声を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカ19から適宜の音声を出力することで、演出表示装置17での表示演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、ランプ装置18およびスピーカ19は、演出表示装置17での表示演出に合わせた演出を実行可能な演出実行手段として機能している。
パチンコ機10における中枠12の後面側(遊技盤20の後面側)には、遊技を統括的に制御する主制御基板60(図2参照)が配設されている。主制御基板60に備えられる主制御CPU(主制御部)60aは、例えば、始動条件の成立(後述する始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出)を契機として抽選(特図当り判定)を行い、この抽選結果に応じて遊技内容(例えば、特図変動表示の変動時間や大当り遊技状態の種類等)を決定するように構成されている。また、中枠12の後面側(遊技盤20の後面側)には、主制御基板60からの制御信号に基づいて演出(表示演出や発光演出、音声演出、動作演出)を統括的に制御する演出制御基板65(図2参照)と、演出制御基板65からの制御信号に基づいて、記憶手段に記憶する各種の画像データ(図柄、背景画像、文字、キャラクタ等の画像データ)をもとに演出表示装置17での表示内容を更新する表示制御基板66(図2参照)とが配設されている。演出制御基板65に備えられる演出制御CPU(演出制御部)65aは、主制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19や、後述する可動演出装置90等の演出実行手段に演出を実行させる。なお、主制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板66は、内部を透視可能な光透過性の基板ケースに個別に収容された状態で、中枠12に配設されている。
また図示しないが、前記中枠12の後面側には、パチンコ機10の電源を制御する電源基板59が配設されている他、球払出装置を駆動制御する払出制御基板や、前記球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が、個別に基板ケースに収容された状態で配設されている。前記払出制御基板は前記主制御基板60に配線接続されており、該主制御基板60の主制御CPU60aからの賞球払出指令コマンド(制御信号)に基づいて前記球払出装置を制御することで、該賞球払出指令コマンドにより特定される賞球数に対応するパチンコ球(賞球)を払い出すよう構成される。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材等からなる透明な平板状の板部材であって、図3に示すように、該遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設され、球発射装置から発射されたパチンコ球が案内レール22により画成された誘導路22aを通過して、該案内レール22により画成された遊技領域21を流下し得るようになっている。遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技部品が前側から取り付けられている。そして、遊技領域21を流下するパチンコ球が、後述する入賞口31,32,41や球通過ゲート28のゲート口に入球(入賞または通過)し得るよう構成されている。また遊技盤20の下部には、遊技領域21をその最下端まで流下したパチンコ球を遊技盤20の後側下方へ排出するアウト口25が開設されている。なお、誘導路22aの下端部と、後述する遊技情報表示器Mとは、図1に示すように、透明な保護板26によって前側から視認可能に覆われている。また、遊技盤20は、木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート等を貼付けて装飾したものであってもよい。
図3に示すように、遊技盤20には、遊技領域21内に多数の遊技釘23が設けられている。すなわち、遊技領域21は、パチンコ球の流下方向を遊技釘23との接触により不規則に変化させるよう構成されている。この遊技領域21の略中央で開口する装着口には枠状装飾体27が取り付けられ、該枠状装飾体27を前後に貫通する表示窓口27aを介して前記演出表示装置17の表示画面17aが遊技盤20の前面側に臨んでいる。なお、枠状装飾体27の表示窓口27aからは、図1および図3に示すように、後述する可動演出装置90が視認し得るようになっている。この枠状装飾体27は、遊技盤20の前面より前方に突出して演出表示装置17における表示画面17aの前方空間と遊技領域21とを区切る庇状部27bを備えている。庇状部27bは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部27b上で滞ることなく枠状装飾体27の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。これにより遊技領域21は、枠状装飾体27の左側を流下するパチンコ球の流路である第1球流下経路21aと、枠状装飾体27の右側を流下するパチンコ球の流路である第2球流下経路21bとに分かれており、前記球発射装置により遊技領域21内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1球流下経路21aか或いは第2球流下経路21bを流下するようになっている。また、遊技盤20の中央下部に開設された装着口には始動入賞装置30(後述)が取り付けられており、該始動入賞装置30が枠状装飾体27の下方に位置している。更に、遊技盤20の右下部に開設された装着口には特別入賞装置40(後述)が取り付けられており、該特別入賞装置40が枠状装飾体27の右下方に位置している。更にまた、遊技盤20の右側端部に開設された装着口には球通過ゲート28が取り付けられており、該球通過ゲート28が枠状装飾体27の右側方に位置している。
(始動入賞装置30について)
前記始動入賞装置30の上部(第1始動入賞部)には、常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口である第1始動入賞口31が設けられている。始動入賞装置30には、第1始動入賞口31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第1始動入賞検出センサSE1(図2参照)を備えている。第1始動入賞検出センサSE1は主制御基板60と電気的に接続されており、該第1始動入賞検出センサSE1によるパチンコ球の検出(第1の始動条件の成立)を契機として所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、主制御基板60(主制御CPU60a)は、第1始動入賞検出センサSE1によるパチンコ球の検出を契機として、大当り遊技状態を生起させるか否かの特図当り判定(大当り判定)を行うよう構成されている。そして、演出表示装置17の表示画面17aでは、第1始動入賞検出センサSE1による検出(始動入賞)を契機として、特図当り判定の結果を示す図柄変動演出(演出用の図柄としての飾図の変動表示を含む表示演出)が行われるようになっている。
また、前記始動入賞装置30の下部(第2始動入賞部)には、該始動入賞装置30に開閉可能に設けられた始動開閉部材(第1の作動手段)33によって開口寸法が拡大・縮小される可変タイプの入賞口である第2始動入賞口32が設けられている。始動入賞装置30には、前記主制御基板60と電気的に接続された駆動手段としての始動入賞ソレノイドSL1(図2参照)が配設されており、この始動入賞ソレノイドSL1の駆動に伴って始動開閉部材33が、第2始動入賞口32を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、第2始動入賞口32が開放位置にある場合は、当該第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が第1始動入賞口31への入賞よりも容易となり、第2始動入賞口32が閉成位置にある場合は、当該第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞が第1始動入賞口31への入賞よりも困難または不可能となる。また、始動入賞装置30は、第2始動入賞口32に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての第2始動入賞検出センサSE2(図2参照)を備えている。第2始動入賞検出センサSE2は、前記主制御基板60と電気的に接続されており、該第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出(第2の始動条件の成立)を契機として所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、主制御基板60(主制御CPU60a)は、第2始動入賞検出センサSE2によるパチンコ球の検出(始動入賞)を契機として、大当り遊技状態を生起させるか否かの特図当り判定(大当り判定)を行うよう構成されている。そして、演出表示装置17の表示画面17aでは、始動入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として、特図当り判定の結果を示す図柄変動演出が行われるようになっている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(特別入賞部)40は、大当り抽選の結果として大当りが発生した場合に特別入賞口41を開閉する特別開閉部材(第2の作動手段)43を備えている。特別開閉部材43は、駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2(図2参照)に連係され、該特別入賞ソレノイドSL2を駆動することで、特別開閉部材43が特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を阻止する閉位置(閉鎖位置)と該特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を許容する開位置(開放位置)との間を移動するよう構成される。具体的に、特別開閉部材43は、特別入賞装置40の上面に開口する特別入賞口41の上側近傍で前後方向にスライド変位するものであり、閉位置で遊技盤20前面より前側に位置して上面がパチンコ球の転動面となり、開位置では遊技盤20前面より後側に前端が位置するよう構成されている。なお、特別入賞装置40は、特別開閉部材43により特別入賞口41を常には閉鎖する(入賞不能状態とする)よう構成され、後述する大当り遊技状態(当り遊技状態)の発生に伴って特別入賞口41を開放する(入賞可能状態とする)よう構成されている。すなわち、特別入賞装置40は、特定の遊技状態(大当り遊技状態)で開放可能な入賞装置として機能する。ここで、特別入賞装置40は、透明な前壁を通じて前方から内部構造(後述する入賞通路41a、特定入球通路41bおよび案内体41c)が確認できるよう構成されている。なお、図3では、特別入賞装置40の前壁を取り除いた状態を示している。
図3に示す如く、前記特別入賞装置40の内部には、該特別入賞口41に連通する入賞通路41aと、該入賞通路41aから分岐する特定入球通路(特定の入球領域)41bとが設けられ、特別入賞口41に入賞したパチンコ球が特定入球通路41bに入球し得るように構成されている。また、特別入賞装置40の内部には、特別入賞口41に入賞したパチンコ球の特定入球通路41bへ向けた移動を阻害する第1姿勢および許容する第2姿勢に変位可能な案内体(第3の作動手段)41cが設けられており、当該特別入賞装置40に配設された駆動手段としての切替えソレノイドSL3(図2参照)によって当該案内体41cを第1姿勢および第2姿勢に変位させるよう構成されている。案内体41cは、第1姿勢にある場合に特定入球通路41bの球入口を閉鎖して、入賞通路41aの上流部分を落下したパチンコ球を上面で受けてそのまま入賞通路41aの下流側へ向かわせる。一方で、案内体41cは、第2姿勢にある場合に特定入球通路41bの球入口を開放して、入賞通路41aの上流部分を落下するパチンコ球を特定入球通路41bの球入口に通過させ、当該特定入球通路41bの下流側へと流下させる。ここで、前記特別入賞装置40は、常には案内体41cが第1姿勢に保持されており、切替えソレノイドSL3が大当り遊技状態中の所定のタイミングで駆動制御(励磁)されることで、案内体41cが大当り遊技状態中に第2姿勢に変位する。
前記特別入賞装置40は、図3に示す如く、前記入賞通路41aにおける特定入球通路41bの分岐位置より上流側に、該入賞通路41aを通過するパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサSE3が配設されている。また特別入賞装置40には、特定入球通路41bを通過するパチンコ球を検出する特定領域通過検出センサSE4が設けられている。特別入賞検出センサSE3および特定領域通過検出センサSE4は、前記主制御基板60と電気的に接続されており(図2参照)、パチンコ球を検出した特別入賞検出センサSE3や特定領域通過検出センサSE4が、検出信号を主制御基板60(主制御CPU60a)に出力するよう構成される。そして、特別入賞検出センサSE3からの検出信号の入力に基づいて主制御基板60(主制御CPU60a)が前記払出制御基板に賞球払出指令コマンドを出力することで、所定数(実施例では9個)の賞球が払い出される。また、主制御基板60(主制御CPU60a)は、特定領域通過検出センサSE4からの検出信号の入力に基づいて、遊技者に有利な所定の利益状態を生起させることを決定するようになっている。なお、実施例では、所定の利益状態として、大当り遊技状態の終了後に後述する確変状態が生起される。
(球通過ゲート28について)
前記球通過ゲート28は、該球通過ゲート28のゲート口を通過(ゲート口に入球)するパチンコ球を検出するゲート通過検出センサSE5が設けられている。このゲート通過検出センサSE5は、前記主制御基板60と電気的に接続されており(図2参照)、該ゲート通過検出センサSE5から主制御基板60(主制御CPU60a)への球検出信号の入力(すなわちゲート通過検出センサSE5のパチンコ球の検出)に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り判定の結果に応じて前記始動入賞ソレノイドSL1が駆動制御されて始動開閉部材33が開閉動作するようになっている。
(作動手段33,43,41cについて)
前述のように、実施例のパチンコ機10は、始動開閉部材33に第2始動入賞口32を開放する動作を行わせると共に、特別開閉部材43に特別入賞口41を開放する動作を行わせ、また案内体41cに特定入球通路41bの球入口を開放する動作を行わせるように構成されている。すなわち、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cは、パチンコ球の流れに影響を与え得る動作(遊技に関する動作)を行う作動手段として機能している。なお、詳しくは後述するが、作動手段33,43,41cは、主制御基板60に備えられる主制御CPU(主制御部)60aの制御に基づいて、遊技に関する動作を行う他、遊技店員が目視による動作確認(正常に開放動作し得るかの確認)を行うための確認用動作(特定動作)を行うよう構成される。
ここで、遊技盤20に設けられた図柄表示用の表示手段(遊技情報表示器Mおよび演出表示装置17)について説明する。
(遊技情報表示器Mについて)
図3に示すように、遊技盤20には、各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示器Mが配設されている。遊技情報表示器Mは、複数の表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgを備えると共に、主制御基板60の主制御CPU60aと電気的に接続され、主制御CPU60aによって表示内容(発光態様)が制御されるようになっている。各表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgは、点灯状態および消灯状態に変化可能な1個または複数個の点灯部(LED)を有しており、点灯部の点灯数、点灯色および点灯位置のうち少なくとも何れかの違いに応じて、当該表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mg毎に複数種類の遊技情報を表示可能に構成されている。またこれらの各表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgは、互いに異なる種類の遊技情報を表示するものである。遊技情報表示器Mは、遊技盤20における遊技領域21外の位置に配設されることで、前記演出表示装置17で実行されている演出に注目している遊技者にとって妨げにならないように構成されている。また、遊技情報表示器Mは、1つの表示ユニットとして演出表示装置17よりも表示領域が小さく構成されており、各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgに表示される情報(遊技情報)をまとめて確認することが容易となっている。なお、実施例の遊技情報表示器Mは、各表示部(情報表示部)Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgが個別に点灯制御可能な所定数のLED(点灯部)により構成されているが、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、7セグメント表示器やドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(特図表示部Ma,Mbについて)
遊技情報表示器Mには、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32への入賞を契機として行われる特図当り判定(大当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する特図表示部(情報表示部、表示手段)Ma,Mbが設けられている(図2参照)。特図表示部Ma,Mbは、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の図柄(特別図柄)の内の1つを停止表示する複数個のLED(実施例では4個)から構成された第1特図表示部Maと、第2始動入賞口32への入賞(第2始動入賞検出センサSE2による検出)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の特別図柄(以下、「特図」という)の内の1つを停止表示する複数個のLED(実施例では4個)から構成された第2特図表示部Mbとからなる。なお、第1および第2特図表示部Ma,Mbに停止表示される特図としては、大当り遊技状態が付与されることを認識し得る大当り図柄としての複数種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが、各特図表示部Ma,Mbに対応して夫々設定されている。これらの特図(複数種類の大当り図柄および1種類のはずれ図柄)は、特図表示部Ma,Mbの点灯部のうち少なくとも1個の点灯部が点灯状態となる表示に対応し、互いに点灯数、点灯位置および点灯色の少なくとも何れかが異なるように設定されている。なお、以下の説明では、第1特図表示部Maで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部Maに停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部Mbで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部Mbに停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示の変動時間(特図変動時間)および停止表示する特図の種類は、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出を契機として主制御CPU60aに取得される始動入賞情報(取得した乱数の値)に基づいて決定される。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技を付与するか否かの決定(特図当り判定)に用いる特図当り判定用乱数の値と、特図としての大当り図柄の決定に用いる特図決定用乱数の値と、特図変動表示の変動時間の決定や図柄変動演出の内容の決定に用いる特図変動パターン振分用乱数の値とを、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御基板60に備えられる記憶手段としての主制御RAM60c(後述)に記憶する。そして、主制御RAM60cに記憶した特図当り判定用乱数の値に応じて特図当り判定を行い、この特図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する特図としてはずれを示す1種類の特図を決定する。また、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、特図決定用乱数の値に応じて大当り図柄としての特図を決定する。更に、特図変動パターン振分用乱数の値に応じて特図変動表示の変動時間や図柄変動演出の内容を特定する特図変動パターンを複数種類のうちから決定する。
また、実施例では、特図表示部Ma,Mbでの特図変動表示の結果として停止表示される特図によって、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態が報知されるようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10は、前記特図決定用乱数の値を用いた大当り図柄の決定に基づいて、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態を主制御CPU60aが決定する。そして、主制御CPU60aは、特図当り判定が当りの判定結果となる確率を向上させる確率変動機能と、第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞し易さ(入賞確率)を向上させる入賞率向上機能とを有しており、確率変動機能が作動する確率変動状態(確変状態)とするか、および入賞率向上機能が作動する入賞率向上状態(変短状態)とするかの組み合わせによって、複数種類の遊技状態を生起し得るようになっている。
(特図保留表示部Mc,Mdについて)
特図保留表示部(情報表示部、表示手段)Mc,Mdは、第1始動入賞口31および第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(具体的には、主制御基板60に備えられた主制御RAM60c)に始動保留情報(特図保留情報)として記憶する場合に、当該始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図3に示すように、前記特図保留表示部Mc,Mdは、前記第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第1始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部Mcと、第2始動入賞口32にパチンコ球が入賞した際に取得される始動入賞情報(各種乱数情報)を主制御RAM60cが第2始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部Mdとからなり、各特図保留表示部Mc,Mdの何れも複数個(実施例では各2個)のLED(点灯部)により構成されている。すなわち、第1および第2特図保留表示部Mc,Mdの表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、第1特図保留表示部Mcで表示される第1始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、第2特図保留表示部Mdで表示される第2始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口32へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。
(普図表示部Meについて)
遊技情報表示器Mには、ゲート通過検出センサSE5のパチンコ球の検出(球通過ゲート28のゲート口へのパチンコ球の通過)を契機として変動表示を開始した後に最終的に複数種類の図柄(普通図柄)の内の1つを停止表示する複数個(実施例では2個)のLED(点灯部)から構成された普図表示部(情報表示部、表示手段)Meが設けられている(図3参照)。なお、普図表示部Meに停止表示される普通図柄(以下、「普図」という)としては、始動開放状態(普図当り)が付与されることを認識し得る当り図柄としての複数種類の普図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の普図とが設定されている。これらの普図(複数種類の当り図柄および1種類のはずれ図柄)は、普図表示部Meの点灯部のうち少なくとも1個の点灯部が点灯状態となる表示に対応し、互いに点灯数、点灯位置および点灯色の少なくとも何れかが異なるように設定されている。
なお、主制御CPU60aは、作動入球情報としての複数種類の乱数の値をゲート通過検出センサSE5によるパチンコ球の検出を契機として取得すると共に、普図表示部Meでの普図変動表示の変動時間および停止表示する普図の種類を作動入球情報(取得した乱数の値)に基づいて決定するよう構成されている。具体的に、主制御CPU60aは、始動開放状態(普図当り)を付与するか否かの決定(普図当り判定)に用いる普図当り判定用乱数の値と、普図としての当り図柄の決定に用いる普図決定用乱数の値と、普図変動表示の変動時間(普図変動時間)の決定に用いる普図変動パターン振分用乱数の値とを、ゲート通過検出センサSE5によるパチンコ球の検出タイミングに応じて取得し、主制御基板60に備えられる記憶手段としての主制御RAM60cに記憶する。そして、主制御RAM60cに記憶した普図当り判定用乱数の値に応じて普図当り判定を行い、この普図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、停止表示する普図としてはずれを示す1種類の普図を決定する。また、普図当り判定が当りの判定結果となった場合には、普図決定用乱数の値に応じて当り図柄としての普図を決定する。更に、普図変動パターン振分用乱数の値に応じて普図変動時間を特定する普図変動パターンを複数種類のうちから決定する。
(普図保留表示部Mfについて)
普図保留表示部(情報表示部、表示手段)Mfは、球通過ゲート28をパチンコ球が通過した際に取得される作動入球情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(具体的には主制御RAM60c)に作動保留情報(普図保留情報)として記憶する場合に、当該作動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、普図保留表示部Mfは、図3に示すように、複数個(実施例では2個)のLED(点灯部)により構成された表示部であり、該普図保留表示部Mfの表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。普図保留表示部Mfで表示される作動保留記憶数は、球通過ゲート28をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、作動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで作動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
(状態表示部Mgについて)
状態表示部(情報表示部、表示手段)Mgは、パチンコ機10において遊技が行われる複数種類の遊技状態が設定されている場合に、当該遊技状態を特定可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では2個)のLED(点灯部)により構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10は、遊技が行われる遊技状態として後述のように確変状態および変短状態が設定されていることから、状態表示部MgのLEDが異なった点灯パターン(点灯位置、点灯数、点灯色等)で点灯することで遊技状態としての確変状態および変短状態を報知するようになっている。ここで、状態表示部Mgは、特図表示部Ma,Mbが当り図柄(大当り図柄)を表す点灯パターンで点灯したと同時またはその後に大当り遊技状態が開始される時に、当選した当り図柄に対応した大当り遊技状態の終了後の遊技状態を示すパターンで点灯するよう設定される。また、状態表示部Mgは、確変状態や変短状態が終了して特図表示部Ma,Mbにおいて次の特図変動表示が行われるまで、点灯パターンを維持するよう設定されている。
(演出表示装置17について)
演出表示装置17は、図2に示すように、表示制御基板66と電気的に接続され、演出制御基板65の演出制御CPU65aから出力される特図変動パターン指定コマンド等の制御信号に基づく表示制御基板66の制御によって表示内容が更新されるようになっている。演出表示装置17の表示画面17aには、演出用の図柄である飾図を変動表示可能な図柄列が複数列設定されており、前記第1始動入賞口31または第2始動入賞口32への入賞(始動条件の成立)を契機として、各図柄列の飾図が変動開始されるようになっている。そして、各図柄列に定められた有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに停止表示(確定表示)される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、演出表示装置17では、始動条件の成立を契機として飾図(図柄)を変動表示した後に、所定の飾図(図柄)を有効停止位置に停止表示(確定表示)するよう構成される。演出表示装置17には、主制御CPU60aが決定した特図変動パターンにより特定される変動時間に亘って図柄変動演出(飾図の変動表示)が行われ、該変動時間の終了タイミングで飾図が停止表示(確定表示)されるようになっている。ここで、第1特図表示部Maと演出表示装置17とでは、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図1と飾図とが同時に停止表示される。同様に、第2特図表示部Mbと演出表示装置17とでは、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出とが同時に開始され、特図2と飾図とが同時に停止表示される。
(確変状態について)
パチンコ機10は、大当り遊技状態の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態(確率変動状態)を生起する機能(確率変動機能)を備えている。ここで、第1特典遊技状態は、特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が生起されていない状態に比べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率(特図当り判定が当りの判定結果となる確率)を当該第1特典遊技状態が生起されていない状態での特図当り確率(低確率)よりも高確率に設定することにより、特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態(確率変動状態)を、便宜的に「確変状態」という場合もある。
確変機能は、大当りの抽選確率(特図当り確率)を高確率に設定する機能(確変状態を生起する機能)である。なお、大当り遊技状態を除く遊技状態のうちで確変状態が生起されていない状態を、非確変状態というものとする。この非確変状態では、大当りの抽選確率が低確率に設定される。主制御CPU60aが確変状態を生起させる場合に、実施例では、大当り遊技状態終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が生起されるようになっている。具体的に、実施例では、確変状態が生起される変動回数(以下、確変回数という)として100回が設定されており、確変状態において100回の図柄変動演出が実行されることで当該確変状態を終了させるようになっている。但し、確変状態が生起される期間としては、上記のものに限られない。例えば、大当り遊技状態終了後、次回の大当りに当選するまでの間継続して確変状態が生起されるようにしてもよい。また、前述した大当りの抽選確率(低確率および高確率)は一例であって、これに限られるものではない。
実施例のパチンコ機10は、特定入球有効期間においてパチンコ球が特定入球通路41bに入球したこと(特定領域通過検出センサSE4によるパチンコ球の検出が発生したこと)を契機として、主制御CPU60aが確変状態を生起させる(確変状態の生起条件が成立する)よう構成されている。なお、大当り遊技状態が生起される期間のうち一部の期間が特定入球有効期間とされ、主制御CPU60aは、この特定入球有効期間での特定領域通過検出センサSE4によるパチンコ球の検出を有効(確変状態の生起条件を成立させる入球検出)と判定し、それ以外のタイミングでの検出を無効(確変状態の生起条件を成立させない入球検出)と判定するように構成されている。そして、特定入球有効期間において特定領域通過検出センサSE4によるパチンコ球の検出が発生しなかった場合や、大当り遊技状態が生起される期間において特定領域通過検出センサSE4による検出(無効な検出)が特定入球有効期間ではないタイミングで発生した場合に、該大当り遊技状態の終了後に確変状態を生起させないようになっている。
(変短状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技状態の終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態を生起する機能(入賞率向上機能)を備えている。ここで、第2特典遊技状態は、当該第2特典遊技状態が生起されていない状態と比べて第2始動入賞口32にパチンコ球を入賞させ易い入賞容易状態である。すなわち、第2特典遊技状態(入賞容易状態)は、当該第2特典遊技状態が生起されていない状態と比べて第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機が増加する入賞率向上状態である。なお、この第2特典遊技状態(入賞容易状態)が生起された場合には、第1始動入賞口31よりも第2始動入賞口32にパチンコ球を入賞させ易い状態となる。
ここで、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口32へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口32を開放する始動開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、始動開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2特典遊技状態について、「変短状態」という場合もある。なお、大当り遊技状態を除く遊技状態のうちで変短状態が生起されていない状態を、非変短状態というものとする。また、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態は、大当り遊技状態の終了後(当り遊技の終了後)に遊技者に付与可能な遊技状態である。
実施例では、非変短状態において普図表示部Meで行われる普図変動表示の変動時間が5000ms(ミリ秒)に設定され、変短状態において普図表示部Meで行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い600msに設定されており、変短状態の生起に伴い普図表示部Meで行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率に設定されており、変短状態の生起に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、変短状態では、非変短状態とは異なる動作パターンで前記始動開閉部材33が開閉動作されるようになっている。具体的には、非変短状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動開閉部材33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動開閉部材33は開放してから所定時間(実施例では2800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行うようになっている。すなわち、変短状態では、非変短状態と比較して、始動開閉部材33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて前記第2始動入賞口32への入賞を許容する入賞上限数(実施例では3個)が設定されており、前記始動開閉部材33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、始動開閉部材33を閉鎖させるようになっている。
パチンコ機10は、変短状態が生起される変動回数(以下、変短回数という)を、大当り図柄の種類に応じて決定するよう構成されている。ここで、実施例では、所定の種類の大当り遊技状態(具体的には、後述する16R大当り)が終了する場合に、変短回数が100回の変短状態を主制御CPU60aが生起させるようになっている。なお、主制御CPU60aは、変短状態を生起させる場合に、直前の大当り遊技状態の種類に関わらず、また直前の大当り遊技状態中に特定入球通路41bにパチンコ球が入球したか否かに関わらず、変短回数が100回の変短状態を生起させるようになっている。但しこれに限られず、大当り遊技状態中において前記特定入球通路41bにパチンコ球が入球しなかった場合に、特定入球通路41bにパチンコ球が入球した場合よりも少ない変短回数(例えば50回)の変短状態を生起させるか、または変短状態を生起させないようにしてもよい。
このように、実施例のパチンコ機10は、確率変動機能および入賞率向上機能の何れも作動させない第1の遊技状態(非確変状態かつ非変短状態)と、確率変動機能および入賞率向上機能を作動させる第2の遊技状態(確変状態かつ変短状態)と、確率変動機能を作動させ、入賞率向上機能を作動させない第3の遊技状態(確変状態かつ非変短状態)と、確率変動機能を作動させず、入賞率向上状態を作動させる第4の遊技状態(非確変状態かつ変短状態)とを生起させることが可能に構成されている。なお、主制御CPU60aは、確率変動機能が作動した状態に対応して、主制御RAM60cに記憶される確変フラグの値を「1」に設定すると共に、確率変動機能が作動しない状態では確変フラグの値を「0」に設定する。また、主制御CPU60aは、入賞率向上機能が作動した状態に対応して、主制御RAM60cに記憶される変短フラグの値を「1」に設定すると共に、入賞率向上機能が作動しない状態では変短フラグの値を「0」に設定する。
(大当り遊技状態について)
次に、実施例のパチンコ機10で生起される大当り遊技状態について説明する。大当り遊技状態は、特図変動表示の結果として第1特図表示部Maまたは第2特図表示部Mbに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技状態(大当り図柄)の種類に応じて、特別入賞装置40の特別開閉部材43が開閉動作される。実施例では、特別開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では16回または10回)実行した後に、大当り遊技状態が終了するようになっている。ここで、実施例では、大当り遊技状態として、規定ラウンド数が16回の大当り遊技状態(16R大当り)と、規定ラウンド数が10回の大当り遊技状態(10R大当り)とが設定されている。
なお、大当り遊技状態(16R大当りおよび10R大当り)では、1回目のラウンド遊技を開始する前にオープニング時間が設定されると共に、最後のラウンド遊技の終了後にエンディング時間が設定される。また、大当り遊技状態における各ラウンド遊技の終了からの特別開閉部材43が閉鎖状態で保持される待機時間(ラウンドインターバル時間)が設定される。なお、実施例では、大当り遊技状態の種類に関わらず全てのラウンドインターバル時間が一定(実施例では、2000ms)に設定されている。これに対し、ラウンドインターバル時間を複数種類の時間から適宜決定するようにしてもよい。
大当り遊技状態(16R大当りおよび10R大当り)を構成する各ラウンド遊技は、特別入賞口41に規定入賞数(実施例では、5個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定のラウンド時間(実施例では、27000msおよび40msの何れか)が経過することで終了する(ラウンド終了条件が成立する)よう設定されている。そして、各ラウンド遊技では、特別開閉部材43が所定の開放態様(開放パターン)による開放動作を行うようになっている。実施例では、特別開閉部材43が各ラウンド遊技において1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)を1回行うようになっている。ここで、16R大当りは、各ラウンド遊技のラウンド時間が27000msに設定されており、10R大当りでは、各ラウンド遊技のラウンド時間が40msに設定されている。そして、ラウンド時間が長時間(27000ms)に設定された16R大当りの各ラウンド遊技では、特別開閉部材43が長時間開放動作(長開放)を1回行い、ラウンド時間が短時間(40ms)に設定された10R大当りの各ラウンド遊技では、特別開閉部材43が短時間開放動作(短開放)を1回行うよう設定されている。
実施例において、長時間開放動作は、パチンコ球を所定間隔(実施例では、600ms)で連続的に発射した条件においてラウンド遊技に定められた規定個数(5個)のパチンコ球が特別入賞口41に到達可能な開放時間(具体的には、3000ms以上の時間)に亘って開放を継続するものであり、実施例では、特別入賞ソレノイドSL2の最大駆動時間(最大励磁時間)が27000ms(ラウンド時間と同じ時間)に設定されている(従って、以下、長時間開放動作に対応する開放時間を27000msとして説明する)。また、短時間開放動作は、発射間隔(600ms)より短い開放時間に亘って開放を継続するものであり、実施例では、特別入賞ソレノイドSL2の最大駆動時間(最大励磁時間)が40ms(ラウンド時間と同じ時間)に設定されている(従って、以下、短時間開放動作に対応する開放時間を40msとして説明する)。
すなわち、16R大当りでは、特別入賞口41に規定個数のパチンコ球が充分に入賞し得る時間に亘って特別開閉部材43を開放(長時間開放動作)するラウンド遊技を、2000msのラウンドインターバル時間を挟んで16回行うようになっており、10R大当りでは、特別入賞口41に規定個数のパチンコ球が入賞し得ない時間だけ特別開閉部材43を開放(短時間開放動作)するラウンド遊技を、2000msのラウンドインターバル時間を挟んで10回行うようになっている。
また、各大当り遊技状態(16R大当りおよび10R大当り)では、切替えソレノイドSL3を駆動(励磁)して案内体41cを第2姿勢に変位させる期間が、共通して5回目のラウンド遊技(特定ラウンド)の実行時間内に設定されている。ここで、各大当り遊技状態における5回目のラウンド遊技では、大当り遊技状態の種類に関係なく共通の変位パターンに応じて主制御基板60(主制御CPU60a)が切替えソレノイドSL3(案内体41c)を駆動制御する。すなわち、共通の変位パターンにより、各大当り遊技状態において案内体41cを第1姿勢から第2姿勢へと変位するタイミング、および第2姿勢から第1姿勢に復帰させるタイミングが定められている。具体的に、実施例では、案内体41cの変位パターンとして、5回目のラウンド遊技(特定ラウンド)の開始と同じタイミングで切替えソレノイドSL3の励磁を開始し、励磁開始から5000ms経過時点で切替えソレノイドSL3を消磁する内容が定められている。但し、ラウンド遊技の終了が作動終了条件として定められており、10R大当りにおける5回目のラウンド遊技(特定ラウンド)では、変位パターンに応じた切替えソレノイドSL3の駆動途中に、ラウンド時間(40ms)の経過によりこの作動終了条件が成立して案内体41cが第1姿勢に復帰する。
(パチンコ機の制御に関する構成について)
次に、パチンコ機10が備える電源基板59、主制御基板60および演出制御基板65の基板構成等について説明する。
(電源基板59について)
図2に示すように、電源基板59には、電源のON−OFFを切り替えるための電源スイッチ(電源操作手段)59aと、主制御基板60に備えられる主制御RAM60cや図示しない払出制御基板に備えられる払出制御RAMを初期化(バックアップした記憶内容を消去)するためのクリアスイッチ(初期化操作手段)59bとが設けられている。なお、電源スイッチ59aおよびクリアスイッチ59bは、電源基板59を収容する基板ケースの外側に露出するよう構成されており、該基板ケースの外側から操作可能となっている。また、電源基板59には、電源回路(図示せず)に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値が閾値電圧に降下したかを監視する電源断監視回路(図示せず)が設けられている。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源スイッチ59aのOFF操作や停電によって機外部からの電力供給が遮断された場合(電源断時)である。更に、電源基板59には、クリアスイッチ59bに接続するクリアスイッチ回路(図示せず)が設けられている。実施例では、クリアスイッチ59bをON操作した状態で電源スイッチ59aをON操作(電源投入)したときに限り、前記クリアスイッチ回路から主制御基板60や払出制御基板(図示せず)にクリア信号(初期化信号)が出力され、該クリア信号を受けた主制御基板60の主制御CPU60aが主制御RAM60cを初期化する処理(後述する図4におけるステップS104の処理)を行うよう設定される。すなわち、電源基板59は、クリアスイッチ59bの操作状態において電源操作手段59aが操作されて電源が投入された場合にクリア信号(初期化信号)を出力する初期化信号出力手段として機能している。
なお、電源投入後において電源基板59は、クリアスイッチ59bをON操作している間に継続的に特定操作信号を出力するよう構成され、この特定操作信号は、主制御基板60の主制御CPU60aに入力されるようになっている。そして、後述するように、主制御CPU60aは、実行可能期間(後述)に特定操作信号の入力を確認した場合(後述する図5におけるステップS201の処理を参照)に、遊技領域21でのパチンコ球の挙動に影響を与える遊技部材のうち遊技に関する動作を行う作動手段(始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41c)を対象として、遊技店員の目視点検による動作確認用の特定動作を行わせるための制御を実行する(後述する図5におけるステップSS209,S210,S211の各処理において実行する)ようになっている。
電源基板59には、前記電源断監視回路に接続するリセット信号回路(図示せず)が設けられている。ここで、前記電源断監視回路は、監視電源電圧が閾値電圧以下となった場合に、前記リセット信号回路および主制御基板60(主制御CPU60a)に対して電源断信号(監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す信号)を出力するよう構成される。また、前記リセット信号回路は、機外部からの電力供給の開始時(電源投入時)および電源断信号の入力時に、主制御基板60(主制御CPU60a)や前記払出制御基板(払出制御CPU)に対してリセット信号を出力し、主制御CPU60aおよび払出制御CPUの動作を規制するようになっている。なお、リセット信号についての詳細な説明は省略してある。
電源基板59には、コンデンサ等のバックアップ電源(図示せず)が設けられ、パチンコ機10への電力供給が停止した場合(電源断信号が出力された場合)には、前記バックアップ電源から主制御CPU60a(および払出制御CPU)に電力が供給される。ここで、主制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に各種情報を一時的に記憶する常用記憶エリア(作業領域)の他に、バックアップエリアが設けられている(なお、払出制御RAMも同様)。そして、バックアップ電源からの電力供給に応じて、主制御RAM60cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報がバックアップエリアに記憶(書き込み)され、バックアップエリアに記憶された情報(バックアップデータ)は、機外部からパチンコ機10への電力供給が停止された後の一定期間に亘って保持されるようになっている。主制御CPU60aによるバックアップエリアへの各種情報の記憶(書き込み)は、電源断時(電源断信号の入力時)の電源断処理(図4参照)において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の常用記憶エリアへの設定(読み出し)は、パチンコ機10への電力供給開始時におけるデータ復旧処理(図4参照)で実行される。
(主制御基板60について)
図2に示すように、主制御基板60は、遊技に関する制御処理を実行する主制御CPU60aと、この主制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶する主制御ROM60bと、主制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な主制御RAM60cとを備えている。また、主制御基板60は、後述する特図当り判定および普図当り判定に用いるハードウエア乱数を発生させる乱数発生回路60dや、タイマ回路60e等を備えている。主制御CPU60aは、第1始動入賞検出センサSE1、第2始動入賞検出センサSE2、特別入賞検出センサSE3、特定領域通過検出センサSE4、ゲート通過検出センサSE5等の各種の検出センサと電気的に接続され、各検出センサからの検出信号を夫々入力すると共に、該検出信号の入力の有無を夫々判定するよう構成されている。また、主制御CPU60aは、前記第2始動入賞口32を開閉する始動開閉部材33に連繋する始動入賞ソレノイドSL1、特別入賞口41を開閉する特別開閉部材43に連繋する特別入賞ソレノイドSL2、特定入球通路41bを開閉する案内体41cに連繋する切替えソレノイドSL3等の各種の駆動手段と電気的に接続され、各駆動手段を夫々駆動制御するよう構成されている。更に、主制御CPU60aは、遊技情報表示器Mと電気的に接続され、当該遊技情報表示器Mに備えられる各表示部Ma,Mb,Mc,Md,Me,Mf,Mgの表示内容(発光態様)を夫々制御するよう構成されている。主制御RAM60cでは、遊技状態を特定可能な情報や、遊技の進行状況を特定可能な情報といった遊技に関する情報が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶され、電源断時(主制御基板60への電源断信号の入力時)にはバックアップエリアに記憶されるようになっている。
なお、主制御CPU60aは、遊技に関する所定の制御処理(遊技制御処理)や、エラーの判定に関する所定の制御処理(エラー制御処理)を実行する制御処理実行手段として機能している。また、主制御CPU60aは、入球検出センサ(入球検出手段)SE1,SE2,SE3,SE4,SE5による検出が発生したかを判定する検出判定処理(後述)を実行可能な検出判定手段として機能している。また、主制御CPU60aは、始動条件の成立(始動入賞検出センサSE1,SE2による検出)を契機として遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技状態)を生起させるかの特図当り判定(抽選)を行う当り判定手段として機能すると共に、始動条件の成立(始動入賞検出センサSE1,SE2による検出)を契機として遊技者に有利な遊技状態(大当り遊技状態)を生起させる生起手段として機能している。また、主制御CPU60aは、前記作動手段(始動開閉部材33、特別開閉部材43、案内体41c)を動作させる始動入賞ソレノイドSL1や特別入賞ソレノイドSL2や切替えソレノイドSL3の駆動制御処理(後述する第1〜第3駆動処理)を実行する動作制御手段として機能している。
主制御基板60に備えられる前記乱数発生回路60dは、クロック発信器(図示せず)と、特図当り判定用乱数カウンタ(図示せず)と、普図当り判定用乱数カウンタ(図示せず)とを備えたもので、前記特図当り判定用乱数カウンタが、「0」から「65535」までの特図当り判定用乱数の値を前記クロック発信器からのクロック信号の入力に応じたタイミングでカウント(更新)すると共に、前記普図当り判定用乱数カウンタが、「0」から「65535」までの普図当り判定用乱数の値を前記クロック発信器からのクロック信号の入力に応じたタイミングでカウント(更新)するようになっている(ハードウエア乱数更新処理)。そして、始動入賞検出センサSE1,SE2による検出を示す信号が主制御CPU60aから乱数発生回路60dに対して入力された場合に、当該入力時点で特図当り判定用乱数カウンタがカウントする特図当り判定用乱数の値が乱数確認信号として主制御CPU60aに入力されて、主制御RAM60cに始動入賞情報として記憶されるようになっている。また、乱数発生回路60dに対してゲート通過検出センサSE5による検出を示す信号が主制御CPU60aから入力された場合に、当該入力時点で普図当り判定用乱数カウンタがカウントする普図当り判定用乱数の値が乱数確認信号として主制御CPU60aに入力されて、主制御RAM60cに作動入球情報として記憶されるようになっている。なお、主制御基板60は、乱数発生回路60dにおいてハードウエア乱数としての特図当り判定用乱数および普図当り判定用乱数を更新する一方で、主制御CPU60aの制御によってソフトウエア乱数としての特図決定用乱数、特図変動パターン振分用乱数、普図決定用乱数および普図変動パターン振分用乱数の各値を更新するようになっている。
(メイン処理)
ここで、主制御CPU60aが行うメイン処理について、図4を参照しながら詳細に説明する。先ず、主制御CPU60aは、前記電源基板59の前記電源スイッチ59aがOFFからONに切り替えられてパチンコ機10の電源が投入された場合に、主制御CPU60aを正常動作させるために必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。そして、初期設定処理を終了すると、主制御CPU60aは、主制御RAM60cをアクセス許可状態に設定する(ステップS102)。
次に、主制御CPU60aは、前記電源スイッチ59aがONに切り替えられるタイミングで電源基板59に備えられる前記クリアスイッチ59bがONされたかを判定する(ステップS103)。このステップS103の判定処理において、主制御CPU60aは、前記クリアスイッチ回路からのクリア信号の入力があるか否かを判定し、クリア信号を入力していると判定した場合(肯定判定の場合)には、ステップS104の処理に移行する(後述)。また主制御CPU60aは、ステップS103の判定処理においてクリア信号を入力していないと判定した場合(否定判定の場合)には、ステップS105の処理に移行して、主制御RAM60cのバックアップエリアに保存されているバックアップデータが正常か否かのデータチェックを行う。具体的には、RAM判定値(チェックサム値)を算出すると共に、算出したRAM判定値を後述する電源断処理(ステップS112)で保存されたRAM判定値と比較して、正常値か否かを判定する。そして、このステップS105においてバックアップデータが正常ではないと判定した場合(否定判定の場合)は、ステップS104に移行する。一方、バックアップデータを正常と判定した場合(肯定判定の場合)には、ステップS106の処理に移行する。
主制御CPU60aは、ステップS104において、主制御RAM60cの記憶内容(バックアップデータ)をクリア(消去)する初期化処理を実行する。すなわち、前述したステップS103において肯定判定した場合(クリア信号の入力時)、または前述したステップS105において否定判定した場合(バックアップデータの異常時)に、主制御CPU60aは、電源断時(電源スイッチ59aのOFF操作時または停電時)に行われた電源断処理(後述するステップS112)で記憶保持したバックアップデータをクリアし、主制御RAM60cに初期値を設定する。すなわち、主制御CPU60aは、当該ステップS104の処理において、主制御RAM60cを初期化し、パチンコ機10を起動させる。このステップS104の処理において、主制御CPU60aは、主制御RAM60cの記憶内容をクリアしたことを示すRAMクリア指定コマンドを設定し、演出制御CPU65aへ向けて出力する。なお、後述するが、演出制御CPU65aは、RAMクリア指定コマンドの入力を契機として、主制御RAM60cが初期化されたことを報知するようになっている。また、当該ステップS104において主制御CPU60aは、RAMクリア指定コマンドを設定したことに対応するクリアフラグの値を「1」に設定する。このクリアフラグは、後述する図5におけるステップS201の処理において、後述する実行可能期間の終了に伴い「0」に設定される。
前述したステップS105において肯定判定した場合(バックアップデータの正常時)に、主制御CPU60aは、電源断フラグの値を「0」に設定する(ステップS106)。なお、電源断フラグは、主制御RAM60cにおいて常には「0」の値に設定され、機外部からの電力供給が遮断された場合に、主制御CPU60aの処理(ノンマスカブル割込処理)において「1」に変更される。すなわち、電源断フラグの値が「1」に設定されるのは、電源OFF操作や停電の発生に応じて電源基板59からの電源断信号が主制御基板60に入力された場合である。このステップS106の処理が終了すると、主制御CPU60aは、ステップS107の処理に移行する。なお、電源断フラグの値は、前述したステップS104においても「0」に設定されるようになっている。
次に、ステップS107において、主制御CPU60aは、主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶されている情報(バックアップデータ)に基づいてデータ復旧処理を実行する。このデータ復旧処理において、主制御CPU60aは、電源断時にバックアップした内容を主制御RAM60cの常用記憶エリア(作業領域)に設定して、パチンコ機10を電源断前の状態に復帰させると共に、電源断前の状態への復帰を示す復旧コマンドを設定して、演出制御CPU65aへ向けて出力する。なお、後述するが、演出制御CPU65aは、復旧コマンドまたは前述のRAMクリア指定コマンドの入力を契機として、可動演出装置90についての確認用制御を実行するようになっている。
ここで、電源断時には、パチンコ機10を電源断前の状態に復帰させるための特定の情報として例えば、遊技状態を特定可能な情報(確変フラグ、変短フラグ、および後述する大当りフラグの各設定値)や、遊技の進行状況を特定可能な情報(後述する遊技時間の計測値や、大当り遊技中のラウンド遊技の実行済み回数等)や、始動入賞口31,32への入賞に応じて取得された始動入賞情報(各種乱数の値)や、パチンコ球による球通過ゲート28の通過に応じて取得された作動入球情報(各種乱数の値)や、コマンドの未出力情報等が、バックアップデータとして主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶される。これに対し、演出制御CPU65aは、演出実行手段としての演出表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19および可動演出装置90について、主制御CPU60aからの制御コマンドに基づく演出の実行を次回の図柄変動演出から再開させるようにする。
次に、ステップS108において、主制御CPU60aは、後述するタイマ割込処理(図5参照)を定期的に発生させるための設定を行う。このステップS108では、割込の発生間隔を計測するためのインターバルタイマ(例えば4ms)を、主制御基板60に備えられるタイマ回路60e(図2参照)のレジスタに設定すると共に、タイマ割込処理の発生を許可する。なお、主制御CPU60aは、一定間隔(4ms)毎に発生するタイマ割込処理において、遊技に関する制御処理等を実行するように構成されている。このステップS108でのタイマ割込処理の設定が終了すると、主制御CPU60aは、主制御基板60への前記電源断信号の入力がされない限り、ステップS109,S110,S111,S113の各処理を繰り返す制御状態(通常動作状態)に移行する。
ステップS109のコマンド入出力処理において、主制御CPU60aは、前記通常動作状態中に設定されたコマンドを出力する。なお、このステップS109において出力可能なコマンドは、後述するエラー情報設定・遊技停止処理(ステップS110)または後述するタイマ割込処理(図5参照)において設定されたコマンドであり、例えば、賞球払出指令コマンドや、始動入賞コマンド(後述)や、大当り開始コマンド(後述)および大当り終了コマンド(後述)や、開放コマンド(後述)および閉鎖コマンド(後述)や、確変開始コマンド(後述)および確変終了コマンド(後述)や、変短開始コマンド(後述)および変短終了コマンド(後述)や、特図変動パターン指定コマンド(後述)や、普図当り開始コマンド(後述)および普図当り終了コマンド(後述)や、エラー指定コマンド(後述)等がある。すなわち、ステップS101〜S107の処理や、後述するステップS112の処理で設定されるコマンド(具体的には、RAMクリア指定コマンド、復旧コマンドおよび後述する電源断コマンド)は、ステップS109において出力可能なコマンドには含まれていない。
次に、主制御CPU60aは、ステップS110においてエラー情報設定・遊技停止処理を実行する。このエラー情報設定・遊技停止処理において、主制御CPU60aは、各種のエラー(異常)の判定に応じてエラー指定コマンドを設定するエラー情報設定処理と、特定のエラー(所定の異常)の判定に応じて遊技に関する制御処理(具体的には、図5に示すタイマ割込処理)を停止する遊技停止処理とを実行する。このエラー情報設定・遊技停止処理(ステップS110)が終了すると、主制御CPU60aは、主制御RAM60cに設定されている電源断フラグの値が「1」であるかを判定する(ステップS111)。ここで、主制御基板60は、電源基板59からの前記電源断信号を入力する場合(電源断時)に、主制御CPU60aの制御状態に関わらずノンマスカブル割込処理を主制御CPU60aの処理に強制的に割り込ませ、主制御RAM60cに記憶される電源断フラグの設定値を「0」から「1」に変更するよう構成されている。そして、このステップS111の判定処理において電源断フラグの値を「1」と判定した場合(肯定判定の場合)に、主制御CPU60aは、電源断処理(ステップS112)を実行するようになっている。一方、電源断フラグの値を「0」と判定した場合(否定判定の場合)には、主制御CPU60aは、後述するステップS113の処理に移行する。
電源断処理(ステップS112)において、主制御CPU60aは、先ず、タイマ割込処理を禁止に設定する。そして、主制御CPU60aは、復電時に遊技状態等を復旧するために必要な特定の情報を、主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶する。そして、主制御CPU60aは、この電源断処理において、機外部からの電力供給の開始時に参照されるRAM判定値(チェックサム値)を算出すると共に、算出したRAM判定値を主制御RAM60cのバックアップエリアに記憶する。
また、主制御CPU60aは、前記電源断処理(ステップS112)において、電源断コマンドを設定すると共に、払出制御基板(図示せず)等へ向けて電源断コマンドを出力する。そして、主制御CPU60aは、当該電源断処理において、主制御RAM60cをアクセス禁止状態に設定する。主制御CPU60aは、一連の電源断処理を終了すると、電圧値が完全に低下しきるまで、処理を行わないループ状態(待機状態)となる。
一方、前述したステップS111の判定処理において電源断フラグの値を「0」と判定した場合(否定判定の場合)に、主制御CPU60aは、後述するタイマ割込処理(図7参照)が、ステップS108の処理の終了後からの期間または前回のステップS113の終了後からの期間に発生したか否かを判定する(ステップS113)。そして、主制御CPU60aは、タイマ割込処理が発生したと判定した場合(肯定判定の場合)には、前述したステップS109のコマンド入出力処理に移行する。すなわち、主制御CPU60aは、図5に示すメイン処理においてタイマ割込処理が設定(ステップS108)された後は、前記電源基板59からの前記電源断信号が主制御基板60に入力されない限り、ステップS109,S110,S111,S113の処理を繰り返し実行する前記通常動作状態となり、この通常動作状態において定期的に(4ms毎に)タイマ割込処理が発生することになる。なお、ステップS113の判定処理においてタイマ割込処理が発生していないと判定すると(否定判定となると)、主制御CPU60aは、タイマ割込処理が発生するまで当該ステップS113の判定処理を繰り返し実行する。すなわち、タイマ割込処理が発生しない間に(4ms以内に)コマンド入出力処理(ステップS109)やエラー情報設定・遊技停止処理(ステップS110)が複数回実行されない構成となっている。
(タイマ割込処理)
次に、主制御CPU60aが行うタイマ割込処理について、図5および図6を参照しながら詳細に説明する。タイマ割込処理では、後述する実行可能期間を設定するための制御処理(ステップS201の処理)と、遊技に関する複数種類の制御処理(ステップS202からステップS311までの各処理)と、パチンコ機10のエラー(異常)が発生したか否かの判定を行うエラー判定処理とを実行するようになっている。なお、エラー判定処理については具体的な説明を省略する。
(期間設定処理(ステップS201)について)
図5に示すように、主制御CPU60aは、タイマ割込処理のステップS201において、期間設定処理を実行する。この期間設定処理では、作動手段(始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41c)に動作確認用の確認用動作を行わせることが可能な実行可能期間を設定するための各処理や、作動手段(始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41c)が実際に確認用動作を行う際の基準となる動作基準時間を設定するための各処理を実行する。
なお、実行可能期間は、電源投入後、主制御CPU60aが前述したステップS109,S110,S111,S113の各処理を繰り返す制御状態(通常動作状態)に移行した直後の期間(電入後期間)であって、主制御RAM60cの初期化(前述したステップS104の処理)の実行に伴って開始される期間(特定電入後期間)である。具体的に、実行可能期間は、前記クリアフラグの値を「1」に設定(RAMクリア指定コマンドを設定)したことを契機として第1計時カウンタ(図示せず)により計時される30000msを最大時間とする期間であり、その途中で期間終了条件が成立することで短縮され得る可変期間となっている。なお、実行可能期間は、最大時間継続された場合に、演出制御CPU65aの制御により設定されるRAMクリア報知期間(後述)と概ね同じタイミングで終了するようになっている。また、動作基準時間は、クリアスイッチ59bの操作に応じた電源基板59からの特定操作信号が実行可能期間中に主制御CPU60aに入力されたことに応じて設定され、第2計時カウンタ(図示せず)による計時に応じたタイミングで主制御CPU60aが駆動手段SL1〜SL3を制御して作動手段33,43,41cに確認用動作を行わせるようになっている。
ここで、タイマ割込処理におけるステップS201の期間設定処理について、図6を参照して具体的に説明する。主制御CPU60aは、期間設定処理において先ず、クリアフラグの値が「1」であるか否かを判定し(ステップS301)、当該判定が否定判定(クリアフラグの値が「0」)の場合には、期間設定処理を終了する(図5におけるステップS202に移行する)。一方、ステップS301の判定が肯定判定(クリアフラグの値が「1」)の場合には、実行可能期間計測処理(ステップS302)に移行する。
ステップS302において、主制御CPU60aは、第1計時カウンタによる実行可能期間の計測が開始されていなければ、第1計時カウンタの値に初期値(例えば、「7499」のカウンタ値)を設定する。一方、第1計時カウンタによる計測が開始されていれば、第1計時カウンタの値を更新(例えば、1減算)する。そして、この実行可能期間計測処理(ステップS302)を終了すると、実行可能期間についての終了条件判定処理(ステップS303およびステップS304)に移行する。
この終了条件判定処理(ステップS303およびステップS304)において、主制御CPU60aは、実行可能期間を終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的に、主制御CPU60aは、実行可能期間の最大時間(30000ms)が経過した場合(ステップS303での第1終了条件の成立時)と、遊技者が遊技を行っている場合(ステップS304での第2終了条件の成立時)とに、実行可能期間の終了タイミングであると判定する。そして、主制御CPU60aは、第1終了条件または第2終了条件が成立したことを契機として、実行可能期間から作動条件の成立しない制御状態(確認用動作を行わせる操作の無効状態)へと移行するよう構成されている。ここで、実施例では、始動入賞口31,32への入賞が発生したか否かの判定(所定の判定)の結果、入賞が発生したことが判定された場合(遊技者による遊技実行中にのみ導出され得る判定結果となった場合)に、作動手段33,43,41cの動作が遊技によるものであるか遊技店員の操作によるものであるかが遊技者から見て分かり難くなる可能性があるため、実行可能期間を終了させる(第2終了条件の成立を判定する)ようにしている。
具体的に、主制御CPU60aは、ステップS303(実行可能期間についての第1終了条件が成立したか否かの判定)において、第1計時カウンタの値を確認する。そして、第1計時カウンタの値が最終値(例えば、「0」のカウンタ値)であれば、第1終了条件が成立したと判定する。一方で、主制御CPU60aは、第1計時カウンタの値が最終値より大きい値(例えば、「7499」〜「1」までの何れかのカウント値)であれば、第1終了条件が成立していないと判定する。そして、当該判定の終了後、ステップS304(第2終了条件が成立したか否かの判定)に移行する。なお、ステップS303において第1終了条件が成立したと判定した場合には、続くステップS304の判定を行わずに後述するステップS305に移行するようにしてもよい。
ステップS304(実行可能期間についての第2終了条件が成立したか否かの判定)において、主制御CPU60aは、後述する検出判定処理(ステップS203)の判定結果を参照して、第1始動入賞検出センサSE1および第2始動入賞検出センサSE2の何れかからの検出信号が入力されている場合(すなわち、始動入賞口31,32への入賞が発生した場合)に、第2終了条件が成立したと判定する。一方で、主制御CPU60aは、両始動入賞検出センサSE1,SE2から検出信号が入力されていない場合(すなわち、始動入賞口31,32への入賞が発生していない場合)に、第2終了条件が成立していないと判定する。そして、当該判定の終了後、ステップS305に移行する。
ステップS305において、主制御CPU60aは、実行可能期間についての終了条件判定処理(ステップS303およびステップS304)の各判定結果を参照して、第1終了条件および第2終了条件のうち少なくとも何れかの終了条件が成立したか否かを判定する。そして、何れかの終了条件が成立している場合には、期間終了処理(ステップS306)に移行する。一方、何れの終了条件も成立していない場合には、ステップS307に移行する。
前述したステップS305の処理において肯定判定となった場合、実行可能期間の終了条件が成立しているため、主制御CPU60aはステップS306(期間終了処理)において、前記クリアフラグの値を「1」から「0」に変更すると共に、後述する作動フラグの値を「0」に維持、または「1」から「0」に変更する。また、実行可能期間の計時を実行している第1計時カウンタの値をクリアする。更に、第2計時カウンタが動作基準時間の計時を行っている場合には、該第2計時カウンタの値もクリアする。そして、主制御CPU60aは、ステップS306の処理の終了後、期間設定処理を終了する(図5におけるステップS202に移行する)。これにより、主制御CPU60aは、作動手段33,43,41cに確認用動作を実行させる条件(作動条件)が成立しない制御状態へと移行する。なお、主制御CPU60aは、ステップS306において「1」となっている作動フラグの値を「0」に変更すると共に第2計時カウンタの値をクリアすることにより、実行可能期間を終了する際に作動手段33,43,41cによる確認用動作の実行中(動作基準時間内)であれば、該確認用動作を中止(動作基準時間を終了)するようになっている。
一方、前述したステップS305の処理において否定判定となった場合(すなわち、実行可能期間の両終了条件が不成立の場合)、主制御CPU60aは、ステップS307において、作動フラグ(後述)の値が「1」であるか否かを判定する。そして、作動フラグの値が「0」である場合は、動作契機判定処理(ステップS308)に移行する。一方、作動フラグの値が「1」である場合には、動作基準時間計測処理(ステップS310)に移行する。
ここで、作動フラグは、前述した実行可能期間中(すなわち、クリアフラグの値が「1」とされている状態)に電源基板59からの特定操作信号を入力したこと(すなわち、クリアスイッチ59bが操作されたこと)に対応して、設定値が「1」に変更される(後述するステップS308,S309を参照)と共に、作動手段33,43,41cによる確認用動作が終了するか、または前述した実行可能期間が終了する場合に、設定値が「0」に戻される(前述のステップS306および後述のステップS312,313を参照)。
前述したステップS307の処理において否定判定となった場合(すなわち、作動フラグの値が「0」の場合)、主制御CPU60aは、作動条件判定処理(ステップS308)を実行する。この作動条件判定処理(ステップS308)において、主制御CPU60aは、作動手段33,43,41cに確認用動作を実行させる条件(作動条件)が成立したか否かを判定する。ここで、主制御CPU60aは、このステップS308において、電源基板59からの特定操作信号を入力したか否かを確認し、特定操作信号の入力を確認した場合に作動条件が成立したと判定すると共に、特定操作信号の未入力を確認した場合には作動条件が成立していないと判定する。すなわち、主制御CPU60aは、パチンコ機10の電源投入時において主制御RAM60cが初期化され(すなわち、クリアスイッチ59bの操作状態において電源スイッチ59aが操作されて電源が投入され)、かつその電源投入直後の期間(実行可能期間)においてクリアスイッチ59bが操作された場合に、作動手段33,43,41cに確認用動作を実行させるための条件(作動条件)が成立したと判定するようになっている。そして、主制御CPU60aは、このステップS308(作動条件判定処理)において肯定判定がなされた場合(作動条件が成立した場合)に、ステップS309に移行する。一方、ステップS308において否定判定がなされた場合(作動条件が成立しなかった場合)には、期間設定処理を終了する(図5におけるステップS202に移行する)。
前述したステップS308の処理において肯定判定となった場合(すなわち、作動条件が成立した場合)、主制御CPU60aは、作動フラグの値を「1」に設定する(ステップS309)。そして、主制御CPU60aは、後述する第1〜第3駆動処理(図5におけるステップS209〜ステップS211の処理)において、作動フラグの値が「1」となったこと(作動条件が成立したこと)を契機として、作動手段33,43,41cに確認用動作(特定動作)を実行させるようになっている。
ここで、主制御CPU60aは、前述したステップS308およびステップS309の処理を、作動フラグの値が「0」に設定されている場合(ステップS307で作動手段33,43,41cによる確認用動作が行われていないことを判定した場合)に限って実行する(すなわち、実行中の確認用動作が終了するまで次の確認用動作が行われない)ことにより、予め定めた一定の態様で作動手段33,43,41cに確認用動作を行わせる。このため、遊技店員は、作動手段33,43,41cが予め定められた態様で確認用動作を行うか否かにより、作動手段33,43,41cが正常に開放動作し得るか否かを遊技店員の目視点検により正確に把握し得る。
一方、前述したステップS307の処理において肯定判定となった場合(すなわち、作動フラグの値が「1」の場合)、主制御CPU60aは、動作基準時間計測処理(ステップS310)を実行する。この動作基準時間計測処理において、主制御CPU60aは、第2計時カウンタによる実行可能期間の計測が開始されていなければ、第2計時カウンタの値に初期値(例えば、「874」のカウンタ値)を設定する。一方、第2計時カウンタによる計測が開始されていれば、第2計時カウンタの値を更新(例えば、1減算)する。そして、この動作基準時間計測処理(ステップS310)を終了すると、動作基準時間についての終了条件判定処理(ステップS311)に移行する。
この終了条件判定処理(ステップS311)において、主制御CPU60aは、動作基準時間を終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的に、主制御CPU60aは、実行可能期間の最大時間(3500ms)が経過した場合(第3終了条件の成立時)に、動作基準時間の終了タイミングであると判定するようになっている。このステップS311において、主制御CPU60aは、第2計時カウンタの値を確認する。そして、第2計時カウンタの値が最終値(例えば、「0」のカウンタ値)であれば、第3終了条件が成立したと判定する。一方で、主制御CPU60aは、第2計時カウンタの値が最終値より大きい値(例えば、「874」〜「1」までの何れかのカウント値)であれば、第3終了条件が成立していないと判定する。そして、当該判定の終了後、ステップS312(第3終了条件が成立したか否かの判定)に移行する。
ステップS312において、主制御CPU60aは、動作基準時間についての終了条件判定処理(ステップS311)の各判定結果を参照して、第3終了条件が成立したか否かを判定する。そして、第3終了条件が成立している場合には、動作基準時間終了処理(ステップS313)に移行する。一方、第3終了条件が成立していない場合には、期間設定処理を終了する(図5におけるステップS202に移行する)。
前述したステップS312の処理において肯定判定となった場合、動作基準時間の終了条件が成立しているため、主制御CPU60aはステップS313(動作基準時間終了処理)において、前記作動フラグの値を「1」から「0」に変更する。また、動作基準時間の計時を実行している第2計時カウンタの値をクリアする。そして、主制御CPU60aは、ステップS313の処理の終了後、期間設定処理を終了する(図5におけるステップS202に移行する)。すなわち、作動手段33,43,41cによる確認用動作の実行(動作基準時間の計測)は、第3終了条件が成立した場合(ステップS312)と、第2終了条件が成立した場合(ステップS305)とに終了する。
(遊技時間計測処理(ステップS202)について)
図5に戻り説明を続ける。主制御CPU60aは、ステップS202において、遊技の進行に関する遊技時間(変動時間等)を計測する遊技時間計測処理を実行する。具体的に、主制御CPU60aは、遊技の進行に関する遊技時間として、特図変動パターンによって特定される特図変動時間と、特図変動表示の終了タイミングから次の特図変動表示の開始タイミングまでの待機時間である特図変動インターバル時間と、普図変動パターンによって特定される普図変動時間と、普図変動表示の終了タイミングから次の普図変動表示の開始タイミングまでの待機時間である普図変動インターバル時間と、大当り遊技状態においてオープニング演出が行われる時間であるオープニング時間と、大当り遊技状態においてエンディング演出が行われる時間であるエンディング時間と、各ラウンド遊技の最大継続時間である特電開放時間と、ラウンド遊技の終了時点から次のラウンド遊技の開始までの待機時間であるラウンドインターバル時間と、始動開放状態(普図当り)における第2始動入賞口32の開放時間である普電開放時間とを、当該遊技時間計測処理(ステップS202)において計測可能に構成されている。なお、実施例では、ラウンド遊技が付与される期間に亘って特別開閉部材43が開放されるようになっているが、ラウンド遊技が付与される期間の一部において特別開閉部材43が開放されるようにしてもよい。この場合には、当該ステップS202において、ラウンド遊技の開始タイミングからの最大継続時間を計測すると共に、この最大継続期間のうち一部を特電開放時間として計測することができる。
また、ステップS202の遊技時間計測処理において、主制御CPU60aは、前述した複数種類の遊技時間の他に、各種のエラーを判定するエラー判定処理において必要となる時間についても計測を行うようになっている。
(検出判定処理(ステップS203)について)
ステップS203において、主制御CPU60aは、当該主制御CPU60aと電気的に接続されている検出センサ(第1始動入賞検出センサSE1、第2始動入賞検出センサSE2、特別入賞検出センサSE3、特定領域通過検出センサSE4、ゲート通過検出センサSE5等)からの検出信号が入力されているか否かを判定するための検出判定処理を実行する。この検出判定処理において、主制御CPU60aは、所定の複数の入球検出センサSE1,SE2,SE3のうち何れかの検出状態(検出信号が入力されていること)を判定した場合に、検出状態に対応する入球検出センサSE1,SE2,SE3の種類に応じた賞球を払い出すことを決定する。但し、第2始動入賞検出センサSE2および特別入賞検出センサSE3については、有効期間(普電開放時間、特電開放時間)以外のタイミングで生じた検出が無効と判定され、前述した確認用動作中の入賞検出に対して賞球が払い出されないようになっている。そして、主制御CPU60aは、払い出すことを決定した賞球に応じた賞球払出指令コマンドを設定する。なお、設定された賞球払出指令コマンドは、前述したコマンド入出力処理(図5参照)の実行に応じて払出制御基板(図示せず)へ向けて出力される。
(ソフトウエア乱数更新処理(ステップS204)について)
ステップS204において、主制御CPU60aは、特図の大当り図柄を決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図決定用乱数の値と、特図変動パターンを決定するために用いられるソフトウエア乱数としての特図変動パターン振分用乱数の値と、普図の当り図柄を決定するために用いられるソフトウエア乱数としての普図決定用乱数の値と、普図変動パターンを決定するために用いられるソフトウエア乱数としての普図変動パターン決定用乱数の値とを更新する(ソフトウエア乱数更新処理を実行する)。このソフトウエア乱数更新処理では、特図決定用乱数としての「0」〜「100」の全101通りの整数値と、特図変動パターン振分用乱数としての「0」〜「250」の全251通りの整数値と、普図決定用乱数としての「0」〜「100」の全101通りの整数値と、普通図変動パターン振分用乱数としての「0」〜「250」の全251通りの整数値とを、1回の更新処理につき夫々「1」更新する。すなわち、実施例では、タイマ割込み処理が1回発生する毎に(4ms毎に)、特図決定用乱数、特図変動パターン振分用乱数、普図決定用乱数および普図変動パターン振分用乱数の各乱数の値が「1」ずつ更新される(なお、更新前の値が最大値の場合は、ランダムな値に決定される初期値へと更新する)ようになっている。
なお、特図当り判定用乱数および普図当り判定用乱数の各値を更新するハードウエア乱数更新処理は、乱数発生回路60dに備えられる前記特図当り判定用乱数カウンタおよび前記普図当り判定用乱数カウンタにより実行されており、「遊技に関する制御処理」の1つではあるが後述するエラー情報設定・遊技停止処理(図6参照)では実行停止されないようになっている。
(遊技状態切替処理(ステップS205)について)
ステップS205において、主制御CPU60aは、遊技状態を切り替える遊技状態切替処理を実行する。具体的に、主制御CPU60aは、大当り遊技を開始するタイミング(特図変動表示の結果として大当り図柄(特図)を停止表示してから所定時間が経過するタイミング)で、主制御RAM60cに記憶される大当りフラグの設定値を「0」から「1」に変更し、大当り遊技を終了するタイミングで、大当りフラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU60aは、大当りフラグの値を「1」に変更するのに応じて大当り開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU60aは、大当りフラグの値を「0」に変更するのに応じて大当り終了コマンドを設定する。
また、このステップS205において、主制御CPU60aは、大当り遊技状態の終了に伴って確変状態を開始する場合(すなわち、特定入球有効期間に特定領域通過検出センサSE4による検出が生じた場合)に、主制御RAM60cに記憶される確変フラグの設定値を「0」から「1」に変更し、確変状態を終了する場合に、確変フラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU60aは、確変フラグの値を「1」に変更するのに応じて確変開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU60aは、確変フラグの値を「0」に変更するのに応じて確変終了コマンドを設定する。更に、主制御CPU60aは、このステップS205において、大当り遊技状態の終了に伴って変短状態を開始する場合に、主制御RAM60cに記憶される変短フラグの設定値を「0」から「1」に変更し、変短状態を終了する場合に、変短フラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU60aは、変短フラグの値を「1」に変更するのに応じて変短開始コマンドを設定する。そして、主制御CPU60aは、変短フラグの値を「0」に変更するのに応じて変短終了コマンドを設定する。
また、主制御CPU60aは、ステップS205において、始動開放状態(普図当り)を開始するタイミング(普図変動表示の結果として普図当り図柄としての普図を停止表示してから所定時間が経過するタイミング)で、主制御RAM60cに記憶される普図当りフラグの設定値を「0」から「1」に変更し、始動開放状態(普図当り)を終了するタイミングで、普図当りフラグの設定値を「1」から「0」に変更する。主制御CPU60aは、普図当りフラグの値を「1」に変更するのに応じて普図当り開始コマンドを設定する。一方、主制御CPU60aは、普図当りフラグの値を「0」に変更するのに応じて普図当り終了コマンドを設定する。なお、設定された大当り開始コマンド、大当り終了コマンド、確変開始コマンド、確変終了コマンド、変短開始コマンド、変短終了コマンド、普図当り開始コマンドおよび普図終了コマンドは、前述したコマンド入出力処理(図5参照)の実行に応じて、演出制御CPU65aへ向けて出力される。
(特図入力処理(ステップS206)について)
ステップS206において、主制御CPU60aは、特図に関する特図入力処理を実行する。この特図入力処理において、主制御CPU60aは、前述した検出判定処理(ステップS203)において始動入賞検出センサSE1,SE2からの検出信号の入力があったと判定された場合(すなわち、始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞が発生した場合)に、始動入賞情報としての各種乱数値を取得すると共に主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶する。ここで、始動入賞情報として主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶される乱数の値としては、特図当り判定用乱数カウンタによりカウントされる特図当り判定用乱数(ハードウエア乱数)の値の他に、特図決定用乱数や特図変動パターン振分用乱数といったソフトウエア乱数の値がある。なお、主制御RAM60cの始動記憶領域は、第1始動入賞検出センサSE1からの検出信号の入力があったと判定された場合に始動入賞情報を記憶する始動記憶領域と、第2始動入賞検出センサSE2からの検出信号の入力があったと判定された場合に始動入賞情報を記憶する始動記憶領域とが個別に設定されており、各始動記憶領域において予め定めた上限数(実施例では、4個)までの始動入賞情報を、時系列に従って、対応する特図変動表示が開始されるまで始動保留情報として記憶(保留)可能となっている。このため、主制御CPU60aは、第1始動入賞検出センサSE1からの検出信号の入力があったと判定された場合には、該第1始動入賞検出センサSE1に対応する始動記憶領域における始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)が上限に達しているかを確認し、上限に達していない場合に限り、新たな始動入賞情報を始動記憶領域に記憶すると共に、当該始動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(加算)する。また、主制御CPU60aは、第2始動入賞検出センサSE2からの検出信号の入力があったと判定された場合には、該第2始動入賞検出センサSE2に対応する始動記憶領域における始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)が上限に達しているかを確認し、上限に達していない場合に限り、新たな始動入賞情報を始動記憶領域に記憶すると共に、当該始動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(加算)する。また、特図入力処理(ステップS206)では、主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶される始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)の加算と共に、始動入賞口31,32への入賞の発生等を特定するための始動入賞コマンドを設定する。なお、始動入賞コマンドとしては、第1始動入賞検出センサSE1による検出に応じて出力される場合と、第2始動入賞検出センサSE2による検出に応じて出力される場合とで異なるコマンドが設定される。また、設定された始動入賞コマンドは、前述したコマンド入出力処理(図5参照)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
なお、図示省略するが、主制御CPU60aは、普図に関する普図入力処理を前述した特図入力処理(ステップS206)と同様に行うよう構成されている。普図入力処理では、前述した検出判定処理(ステップS203)においてゲート通過検出センサSE5からの検出信号の入力があったと判定された場合(すなわち、パチンコ球による球通過ゲート28の通過が発生した場合)に、作動入球情報としての各種乱数値(普図当り判定用乱数、普図決定用乱数および普図変動パターン振分用乱数の各値)を取得すると共に主制御RAM60cの作動記憶領域に記憶する。なお、主制御RAM60cの作動記憶領域は、ゲート通過検出センサSE5からの検出信号の入力があったと判定された場合に作動入球情報を作動保留情報として予め定めた上限数(実施例では、4個)まで時系列に従って記憶(保留)可能となっている。このため、主制御CPU60aは、ゲート通過検出センサSE5からの検出信号の入力があったと判定された場合には、該ゲート通過検出センサSE5に対応する作動記憶領域における作動入球情報(作動保留情報)の記憶数(保留数)が上限に達しているかを確認し、上限に達していない場合に限り、新たな作動入球情報を作動記憶領域に記憶すると共に、当該作動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(加算)する。
(特図開始処理(ステップS207)について)
ステップS207において、主制御CPU60aは、主制御RAM60cに記憶した始動入賞情報に基づいて(各種乱数の値に基づいて)遊技内容を決定して特図変動表示(図柄変動演出)を開始させる特図開始処理を実行する。この特図開始処理では、特図当り遊技を生起させるか否かの特図当り判定や、特図表示部Ma,Mbに停止表示させる特図の決定や、図柄変動演出(特図変動表示)の実行時間に関する特図変動パターンの決定(特図変動時間決定処理)等が主制御CPU60aにより実行される。具体的に、特図開始処理において、主制御CPU60aは、特図変動表示の変動開始条件が成立したかを判定し、この変動開始条件が成立したと判定した場合に、主制御RAM60cの始動記憶領域に記憶されている始動入賞情報(複数ある場合は、最も早く記憶された始動入賞情報)を読み出す。そして、主制御CPU60aは、読み出した始動入賞情報が記憶された始動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(減算)する。次に、主制御CPU60aは、読み出した始動入賞情報のうち特図当り判定用乱数の値が、主制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する(特図当り判定)。ここで、特図当り判定では、非確変状態の時(確変フラグの値が「0」の時)には3275/65536の確率で当りの判定結果となり、確変状態の時(確変フラグの値が「1」の時)には9300/65536の確率で当りの判定結果となるよう設定されている。そして、特図当り判定がはずれの判定結果となった場合には、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに停止表示する特図として、はずれを示す特図を決定する。一方、特図当り判定が当りの判定結果となった場合には、読み出した始動入賞情報のうち特図決定用乱数の値が、主制御ROM60bに記憶されている特図決定用判定値の何れと一致するかによって、特図変動表示の結果として特図表示部Ma,Mbに大当り図柄として停止表示する特図を複数種類のうちから決定する。次に、主制御CPU60aは、特図当り判定が当りの判定結果であったか、はずれの判定結果であったかに応じて、異なる変動パターンテーブルを参照して特図変動パターンを決定する(特図変動時間決定処理)。そして、主制御CPU60aは、決定した特図(当りの種類)および決定した特図変動パターンを示す特図変動パターン指定コマンドを設定して、特図変動表示を開始するタイミングに応じて演出制御CPU65aへ向けて出力する。なお、設定された特図変動パターン指定コマンドは、前述したコマンド入出力処理(図5参照)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
なお、図示省略するが、主制御CPU60aは、普図に関する普図開始処理を前述した特図開始処理(ステップS207)と同様に行うよう構成されている。普図開始処理では、普図入力処理において主制御RAM60cに記憶された普図当り判定用乱数、普図決定用乱数および普図変動パターン振分用乱数の各値等の作動入球情報(作動保留情報)のうち最も早く記憶された作動入球情報を読み出し、読み出した作動入球情報に応じて、普図当り判定(普図当り抽選)を実行すると共に、普図変動表示の結果として普図表示部Meに停止表示する普図や普図変動パターンを決定(普図変動時間決定処理)し、決定した普図および普図変動パターンに応じて普図変動パターン指定コマンドを設定して、設定した普図変動パターン指定コマンドを普図変動表示の開始タイミングに応じて演出制御CPU65aへ向けて出力するよう構成される。また、主制御CPU60aは、読み出した作動入球情報が記憶された作動記憶領域における現在の記憶数(保留数)を示す数値情報を更新(減算)する。
(表示制御処理(ステップS208)について)
ステップS208において、主制御CPU60aは、遊技情報表示器M(第1および第2特図表示部Ma,Mb、普図表示部Me)での特図や普図の表示内容を制御する表示制御処理を実行する。具体的に、前記特図変動時間を計測している期間に対応して、特図変動表示中であることを示す発光態様で特図表示部Ma,Mbを点灯および消灯制御(切替制御)すると共に、前記特図変動時間の計測終了に合わせて、変動表示の結果としての特図を示す発光態様で、特図表示部Ma,Mbを点灯制御する。一方、特図変動時間を計測していない期間(大当り遊技中を含む)には、各表示部Ma,Mbの各々において、最も新しい特図変動表示の結果として停止表示した特図を示す発光態様の点灯制御を維持する。ここで、主制御CPU60aは、主制御RAM60cの対応する始動記憶領域に記憶された始動入賞情報(始動保留情報)の記憶数(保留数)が増減するタイミングで、特図保留表示部Mc,Mdでの保留数を示す発光態様を変更制御すると共に、変更した発光態様を次に記憶数が増減するまで維持させる。また、前記普図変動時間を計測している期間に対応して、普図変動表示中であることを示す発光態様で、普図表示部Meを点灯および消灯制御(切替制御)すると共に、前記普図変動時間の計測終了に合わせて、変動表示の結果としての普図を示す発光態様で、普図表示部Meを点灯制御する。一方、普図変動時間を計測していない期間(始動開放状態(普図当り)中を含む)には、前回の普図変動表示の結果として停止表示した普図を示す発光態様での普図表示部Meの点灯制御を継続する。ここで、主制御CPU60aは、主制御RAM60cの対応する作動記憶領域に記憶された作動入球情報(作動保留情報)の記憶数(保留数)が増減するタイミングで、普図保留表示部Mfでの保留数を示す発光態様を変更制御すると共に、変更した発光態様を次に記憶数が増減するまで維持させる。更に、主制御CPU60aは、前述した遊技状態切替処理(ステップS205)で設定された確変フラグおよび変短フラグの各値に基づいて、状態表示部Mgを現在の遊技状態(非確変状態かつ非変短状態、確変状態かつ変短状態、確変状態かつ非変短状態、非確変状態かつ変短状態の4種類)を示す発光態様とするよう制御を行う。
(第1駆動処理(ステップS209)について)
ステップS209において、主制御CPU60aは、始動入賞ソレノイドSL1を駆動して始動開閉部材33を開放する第1駆動処理を実行する。ここで、第1駆動処理により始動入賞ソレノイドSL1を駆動(始動開閉部材33を開放)する場合としては、普図当り判定が当りの判定結果となったことを契機として始動開放状態(普図当り)を付与する場合の他、作動手段としての始動開閉部材33に確認用動作を行わせるための操作(すなわち、実行可能期間におけるクリアスイッチ59bの操作)がなされた場合がある。
第1駆動処理(ステップS209)において主制御CPU60aは、作動フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、作動フラグの値が「1」であると判定した場合(すなわち、始動開閉部材33による確認用動作の作動条件が成立している場合)に、始動入賞ソレノイドSL1を前述した第2計時カウンタの値に応じた状態(励磁状態または消磁状態)とするように制御する。ここで、主制御ROM60bには、始動入賞ソレノイドSL1の状態(励磁状態・消磁状態)を第2計時カウンタの値に対応付けた確認用動作パターンが記憶されており、主制御CPU60aはこの確認用動作パターンによって始動開閉部材33による確認用動作の態様を特定し得るようになっている。具体的には、確認用動作パターンにより、始動入賞ソレノイドSL1の500msに亘る励磁状態を、1000msの消磁状態を挟んで合計3回発生させることが定められている(図7参照)。従って、始動開閉部材33による確認用動作は、500msに亘る1回目の開放動作の後、1000msの閉鎖状態を挟んで再び500msに亘る2回目の開放動作を行い、更に、1000msの閉鎖状態を挟んで500msに亘る3回目の開放動作を行う態様となる。
また、第1駆動処理(ステップS209)において、主制御CPU60aは、始動開放状態(普図当り)を付与する場合には、前述した遊技時間計測処理(ステップS202)での普電開放時間の計測を開始するタイミングで、始動入賞ソレノイドSL1を消磁状態から励磁状態に切り替える(始動開閉部材33を開放する)と共に、第2始動入賞検出センサSE2による規定個数のパチンコ球の検出または前述した遊技時間計測処理(ステップS202)での計測における普電開放時間の経過を契機として、始動入賞ソレノイドSL1を励磁状態から消磁状態に切り替える(始動開閉部材33を閉鎖する)。
ここで、図7に示すように、確認用動作パターンに応じて始動入賞ソレノイドSL1が励磁・消磁されるタイミングは、変短時および非変短時に付与される始動開放状態(普図当り)において始動入賞ソレノイドSL1が励磁・消磁されるタイミングと異なっている。このため、始動開閉部材33による確認用動作は、普図当り判定を契機とする始動開閉部材33の動作とは異なる態様で実行される。すなわち、主制御CPU60aが始動開閉部材33による確認用動作を遊技に応じた開放動作と異なる態様で行わせることにより、前述した実行可能期間に生じた始動開閉部材33の開放動作が確認用動作であるか否かを区別し得るようになっている。また実施例では、図7〜図9に示すように、複数の作動手段のうちの1つである始動開閉部材33を駆動する始動入賞ソレノイドSL1が確認用動作パターンに応じて励磁・消磁されるタイミングを、他の作動手段(特別開閉部材43および案内体41c)を駆動する駆動手段SL2,SL3が確認用動作パターンに応じて励磁・消磁されるタイミングと共通に設定しており、複数の作動手段33,43,41cが確認用動作において同時に動作するか否かにより、各作動手段33,43,41cが正常に動作し得るか否かを正確に判断できるようになっている。
(第2駆動処理(ステップS210)について)
ステップS210において、主制御CPU60aは、特別入賞ソレノイドSL2を駆動して特別開閉部材43を開放する第2駆動処理を実行する。ここで、第2駆動処理により特別入賞ソレノイドSL2を駆動(特別開閉部材43を開放)する場合としては、特図当り判定が当りの判定結果となったことを契機として大当り遊技状態を付与する場合の他、作動手段としての特別開閉部材43に確認用動作を行わせるための操作(すなわち、実行可能期間におけるクリアスイッチ59bの操作)がなされた場合がある。
第2駆動処理(ステップS210)において主制御CPU60aは、作動フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、作動フラグの値が「1」であると判定した場合(すなわち、特別開閉部材43による確認用動作の作動条件が成立している場合)に、特別入賞ソレノイドSL2を前述した第2計時カウンタの値に応じた状態(励磁状態または消磁状態)とするように制御する。ここで、主制御ROM60bには、特別入賞ソレノイドSL2の状態(励磁状態・消磁状態)を第2計時カウンタの値に対応付けた確認用動作パターンが記憶されており、主制御CPU60aはこの確認用動作パターンによって特別開閉部材43による確認用動作の態様を特定し得るようになっている。具体的には、確認用動作パターンにより、特別入賞ソレノイドSL2の500msに亘る励磁状態を、1000msの消磁状態を挟んで合計3回発生させることが定められている(図8参照)。従って、特別開閉部材43による確認用動作は、500msに亘る1回目の開放動作の後、1000msの閉鎖状態を挟んで再び500msに亘る2回目の開放動作を行い、更に、1000msの閉鎖状態を挟んで500msに亘る3回目の開放動作を行う態様となる。
また、第2駆動処理(ステップS210)において、主制御CPU60aは、大当り遊技状態を付与する期間(主制御RAM60cにおける大当りフラグの設定値が「1」とされる期間)に、前述した遊技時間計測処理(ステップS202)での特電開放時間の計測を開始するタイミング(言い換えれば、オープニング時間やラウンドインターバル時間の計測を終了するタイミング)で、特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替える(特別開閉部材43を開放する)と共に、特別入賞検出センサSE3による規定個数のパチンコ球の検出または前述した遊技時間計測処理(ステップS202)での計測における特電開放時間の経過を契機として、特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替える(特別開閉部材43を閉鎖する)。ここで、主制御CPU60aは、特別入賞ソレノイドSL2を消磁状態から励磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の開始タイミング)で、特別開閉部材43を開放することを示す開放コマンドを設定する。また、主制御CPU60aは、特別入賞ソレノイドSL2を励磁状態から消磁状態に切り替えるタイミング(各ラウンド遊技の終了タイミング)で、特別開閉部材43を閉鎖することを示す閉鎖コマンドを設定する。なお、設定された開放コマンドや閉鎖コマンドは、前述したコマンド入出力処理(図5参照)の実行に応じて演出制御CPU65aへ向けて出力される。
ここで、図8に示すように、確認用動作パターンに応じて特別入賞ソレノイドSL2が励磁・消磁されるタイミングは、大当り遊技状態の各ラウンド遊技(長時間開放動作または短時間開放動作)において特別入賞ソレノイドSL2が励磁・消磁されるタイミングと異なっている。このため、特別開閉部材43による確認用動作は、特図当り判定を契機とする特別開閉部材43の動作とは異なる態様で実行される。すなわち、主制御CPU60aが特別開閉部材43による確認用動作を遊技に応じた開放動作と異なる態様で行わせることにより、前述した実行可能期間に生じた特別開閉部材43の開放動作が確認用動作であるか否かを区別し得るようになっている。また実施例では、図7〜図9に示すように、複数の作動手段のうちの1つである特別開閉部材43を駆動する特別入賞ソレノイドSL2が確認用動作パターンに応じて励磁・消磁されるタイミングを、他の作動手段(始動開閉部材33および案内体41c)を駆動する駆動手段SL1,SL3が確認用動作パターンに応じて励磁・消磁されるタイミングと共通に設定しており、複数の作動手段33,43,41cが確認用動作において同時に動作するか否かにより、各作動手段33,43,41cが正常に動作し得るか否かを正確に判断できるようになっている。
(第3駆動処理(ステップS211)について)
ステップS211において、主制御CPU60aは、切替えソレノイドSL3を駆動して案内体41cを第2姿勢に変位させる(特定入球通路41bの球入口を開放する)第3駆動処理を実行する。ここで、第3駆動処理により切替えソレノイドSL3を駆動する(案内体41cを第2姿勢に変位させる)場合としては、特図当り判定が当りの判定結果となったことを契機として付与する大当り遊技状態における所定のタイミングが到来した場合の他、作動手段としての案内体41cに確認用動作を行わせるための操作(すなわち、実行可能期間におけるクリアスイッチ59bの操作)がなされた場合がある。
第3駆動処理(ステップS211)において主制御CPU60aは、作動フラグの値が「1」であるか否かを判定する。そして、作動フラグの値が「1」であると判定した場合(すなわち、案内体41cによる確認用動作の作動条件が成立している場合)に、切替えソレノイドSL3を前述した第2計時カウンタの値に応じた状態(励磁状態または消磁状態)とするように制御する。ここで、主制御ROM60bには、切替えソレノイドSL3の状態(励磁状態・消磁状態)を第2計時カウンタの値に対応付けた確認用動作パターンが記憶されており、主制御CPU60aはこの確認用動作パターンによって案内体41cによる確認用動作の態様を特定し得るようになっている。具体的には、確認用動作パターンにより、切替えソレノイドSL3の500msに亘る励磁状態を、1000msの消磁状態を挟んで合計3回発生させることが定められている(図9参照)。従って、案内体41cによる確認用動作は、500msに亘る1回目の開放動作の後、1000msの閉鎖状態を挟んで再び500msに亘る2回目の開放動作を行い、更に、1000msの閉鎖状態を挟んで500msに亘る3回目の開放動作を行う態様となる。
また、第3駆動処理(ステップS211)において、主制御CPU60aは、前述した遊技時間計測処理(ステップS202)での特定入球有効期間(大当り遊技状態の一部の期間)の計測を開始するタイミングで、切替えソレノイドSL3を消磁状態から励磁状態に切り替える(案内体41cを第1姿勢から第2姿勢に変位させる)と共に、特定領域通過検出センサSE4によるパチンコ球の検出または前述した遊技時間計測処理(ステップS202)での計測における特定入球有効期間の経過を契機として、切替えソレノイドSL3を励磁状態から消磁状態に切り替える(案内体41cを第2姿勢から第1姿勢に変位させる)。
ここで、図9に示すように、確認用動作パターンに応じて切替えソレノイドSL3が励磁・消磁されるタイミングは、大当り遊技状態における5回目のラウンド遊技(特定ラウンド)において切替えソレノイドSL3が励磁・消磁されるタイミングと異なっている。このため、案内体41cによる確認用動作は、大当り遊技状態における5回目のラウンド遊技の開始を契機とする案内体41cの動作とは異なる態様で実行される。すなわち、主制御CPU60aが案内体41cによる確認用動作を遊技に応じた動作と異なる態様で行わせることにより、前述した実行可能期間に生じた案内体41cの動作が確認用動作であるか否かを区別し得るようになっている。また実施例では、図7〜図9に示すように、複数の作動手段のうちの1つである案内体41cを駆動する切替えソレノイドSL3が確認用動作パターンに応じて励磁・消磁されるタイミングを、他の作動手段(始動開閉部材33および特別開閉部材43)を駆動する駆動手段SL1,SL2が確認用動作パターンに応じて励磁・消磁されるタイミングと共通に設定しており、複数の作動手段33,43,41cが確認用動作において同時に動作するか否かにより、各作動手段33,43,41cが正常に動作し得るか否かを正確に判断できるようになっている。
(演出制御基板65について)
図2に示すように、演出制御基板65は、演出に関する制御処理を実行する演出制御CPU65a、該演出制御CPU65aが実行する制御プログラムを記憶する演出制御ROM65b、当該演出制御CPU65aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能な演出制御RAM65c等を備えている。
ここで、演出制御CPU65aは、パチンコ機10の電源が投入されると、前述した主制御CPU60aと同様に初期設定処理を実行し、演出制御RAM65cをクリアして、当該演出制御RAM65cの初期値を設定する。その後、演出制御CPU65aは、ランプ装置18、スピーカ19、可動演出装置90および表示制御基板66(演出表示装置17)を制御可能な通常動作状態へと移行する。この通常動作状態において、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからの各種コマンドに基づいて演出パターンを特定し、特定した演出パターンに応じて演出実行手段(演出表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19および可動演出装置90)を制御する。
但し、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aからRAMクリア指定コマンドを入力した場合に、当該コマンドの入力を契機として所定時間(実施例では30000ms)のRAMクリア報知期間を設定し、このRAMクリア報知期間において主制御RAM60cが初期化されたことを演出表示装置17やランプ装置18やスピーカ19を用いて報知するよう構成されている。また、演出制御CPU65aは、主制御CPU60aから復旧コマンドおよびRAMクリア指定コマンドの何れのコマンドを入力した場合も、当該コマンドの入力を契機として、可動演出装置90の位置または動作に関する確認用制御を行うようになっている。すなわち、演出制御CPU65aによる確認用制御は、主制御CPU60aが作動手段33,43,41cに確認用動作を行わせる場合とは異なり、クリアスイッチ59bの操作が行われたか否か(作動条件が成立したか否か)に関わらず電源投入後に必ず実行される。
(可動演出装置90に関する確認用制御について)
次に、演出制御CPU65aが電源投入直後の期間に実行する可動演出装置90に関する確認用制御について説明する。なお、実施例において、可動演出装置90は、上下方向に移動(昇降)可能な上下一対の可動体91,92と、待機位置(非演出状態での位置)にある可動体91,92を検出する原位置センサ93と、両可動体91,92の駆動源としての演出用モータ94とを備えるものであり、演出用モータ94を正回転制御することで、両可動体91,92を待機位置(図1の状態)から近接方向へ移動させて動作位置(図3の状態)に至らせ、また、演出用モータ94を逆回転制御することで、両可動体91,92を動作位置から離間方向へ移動させることで待機位置に復帰させるように構成されている。
演出制御CPU65aは、可動演出装置90の確認用制御において、遊技店員による目視点検の対象となる確認用動作を可動体91,92に行わせるための動作確認用制御を先ず実行し、この動作確認用制御の終了後に、可動体91,92が待機位置(原位置センサ93による検出位置)に位置しているか否かを判定する位置確認用(位置判定用)制御を実行するよう構成されている。
動作確認用制御において、演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶されている1種類の確認用動作パターンに基づいて演出用モータ94を駆動制御する。具体的に、確認用動作パターンには、演出用モータ94を正回転制御する所定の回転量(例えば、300ステップ)を示す正回転データと、演出用モータ94を逆回転制御する所定の回転量(例えば、300ステップ)を示す逆回転データとが定められている。そして、演出制御CPU65aは、確認用動作パターンを正回転データ、逆回転データの順に参照して演出用モータ94を駆動制御することで、対応する確認用動作(両可動体91,92が互いの近接方向へ移動した後に離間方向へ移動する動作)を両可動体91,92に行わせる。なお、正回転データおよび逆回転データとして定められるステップ数は、可動体91,92を待機位置および動作位置の一方から他方へ移動させるのに充分な回転量に相当する。
また、演出制御CPU65aは、位置確認用制御において、原位置センサ93が可動体91,92を検出している状態であるかを判定する。すなわち、可動体91,92が待機位置よりも動作位置側にある状態で(すなわち演出実行中に)パチンコ機10の電源が遮断された後、電源復旧(電源投入)した場合にも、前述した動作確認用制御によって可動体91,92は待機位置に位置しているはずである。このため、演出制御CPU65aは、位置確認用制御において、原位置センサ93が可動体91,92を検出している場合にはそのまま当該制御を終了する一方、原位置センサ93が可動体91,92を検出していない場合には、演出用モータ94を所定ステップ数だけ逆回転するよう駆動制御した後、再び原位置センサ93が可動体91,92を検出している状態であるかを判定する。そして、この2回目の判定において原位置センサ93が可動体91,92を検出していない場合は、可動演出装置90の異常があると判断して、ランプ装置18やスピーカ19を用いてエラー報知を行うよう構成されている。
なお、演出制御CPU65aによる可動演出装置90に関する確認用制御としては、少なくとも前述した位置確認用制御を実行するものであればよく、前述した動作確認用制御については省略することも可能である。
(実施例の作用)
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10では、主制御基板60に備えられる主制御CPU(主制御部)60aが、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(始動入賞口31,32への入賞、始動条件の成立)を契機として、特図当り判定や特図の決定や特図変動パターンの決定等の各種抽選を行い、この抽選の結果に応じて主制御CPU60aから出力される制御コマンド(特図変動パターン指定コマンドや始動入賞コマンド等)に基づいて、演出制御基板65に備えられる演出制御CPU(演出制御部)65aが演出実行手段としての演出表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19および可動演出装置90に演出を実行させる。遊技領域21に設けられた始動開閉部材(第1の作動手段)33は、主制御CPU60aの制御により、普図当り判定を契機として第2始動入賞口32を開閉する(遊技に関する動作を行う)。また、遊技領域21に設けられた特別開閉部材(第2の作動手段)43は、主制御CPU60aの制御により、特図当り判定を契機として特別入賞口41を開閉する(遊技に関する動作を行う)。更に、特別入賞装置40内部に設けられた案内体(第3の作動手段)41cは、主制御CPU60aの制御により、特図当り判定を契機として特定入球通路41bの球入口を開閉する(遊技に関する動作を行う)。ここで、主制御CPU60aは、電源投入時において、主制御RAM60cに記憶されているバックアップデータをクリアする初期化処理(図4におけるステップS104の処理)を実行するものであり、この初期化処理の実行に伴って開始される実行可能期間に作動条件が成立したことを契機として、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cに、遊技店員による動作確認用の確認用動作(特定動作)を実行させる。
すなわち、電源投入後に生じる実行可能期間において始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cに確認用動作を行わせることができるから、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cの不具合を早期に発見し得る。ここで、実行可能期間は、電源投入後、初期化処理の実行に伴って開始される期間であり、前回の電源遮断時の遊技状態が反映されることはないから、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cにおける遊技に基づく動作期間と重ならないタイミングで、当該始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cに特定動作を行わせることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、電源投入後に初期化処理の実行に伴って開始される実行可能期間においてクリアスイッチ(所定の操作手段)59bが操作されることに応じて、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cにおける確認用動作の作動条件が成立する一方で、演出制御CPU65aは、作動条件の成立の有無に関わらず、電源投入後に、可動演出装置(演出実行手段)90の位置に関する位置確認用制御と、動作に関する動作確認用制御とを行う。すなわち、実行可能期間におけるクリアスイッチ(所定の操作手段)59bの操作によって作動条件が成立するから、必要に応じて始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cの動作確認を行うことができる。また、可動演出装置90については電源投入毎に確認用制御を行うことで、前回の電源遮断時に可動演出装置90の可動体91,92が動作中であったとしても、電源投入によって可動演出装置90の可動体91,92を適正な位置(すなわち、待機位置)まで移動させることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、クリアスイッチ(初期化操作手段)59bの操作状態において電源スイッチ(電源操作手段)59aが操作されて電源が投入された場合に、電源基板(初期化信号出力手段)がクリア信号(初期化信号)を出力すると共に、主制御CPU60aは、クリア信号の入力を契機として初期化処理を実行する。ここで、主制御CPU60aは、実行可能期間にクリアスイッチ59bが操作されたことに応じて作動条件の成立を判定して、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cに確認用動作を実行させる。すなわち、遊技店員は、主制御CPU60aに初期化処理を実行させる場合と、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cに確認用動作を実行させるための作動条件を成立させる場合とで、操作手段としてクリアスイッチ59bを兼用することができるから、パチンコ機10の構成の複雑化や部品点数の増加を防ぎつつ、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cの不具合を早期に発見可能な構成を実現することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、実行可能期間において始動入賞検出スイッチSE1,SE2がパチンコ球を検出したことを主制御CPU60aが判定した場合(所定の判定の判定結果が、遊技実行中に導出され得る判定結果となった場合)に、実行可能期間を終了して作動条件が成立しない制御状態に移行する。またこの場合に、始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cによる確認用動作の実行中(動作基準時間の計測中)であれば、該確認用動作を中止(動作基準時間の計測を終了)する。これにより、実行可能期間に行われた遊技に基づく始動開閉部材33、特別開閉部材43および案内体41cの動作タイミングが、該実行可能期間における作動条件の成立を契機とする確認用動作の実行タイミングと重なることを防止できる。
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例では、作動手段(始動開閉部材、特別開閉部材および案内体)に特定動作(確認用動作)を行わせることが可能な実行可能期間を、主制御部(主制御CPU)が通常動作状態に移行した時点(電源投入後における最初の実行可能期間計測処理の実行時点)から所定時間(実施例では30000ms)が経過するまでの期間として設定するようにした。
ここで、実施例では、第1終了条件(時間の経過)および第2終了条件(始動入賞の発生)のうち何れかの条件が成立したことを契機として実行可能期間を終了する構成としたが、第1終了条件が成立したか否かに関係なく、第2終了条件が成立するまで実行可能期間を継続させる(第2終了条件の成立のみを契機として実行可能期間を終了させる)よう構成してもよいし、第2終了条件が成立したか否かに関係なく、第1終了条件が成立するまで実行可能期間を継続させる(第1終了条件の成立のみを契機として実行可能期間を終了させる)よう構成してもよい。
(2) 実施例では、主制御部(主制御CPU)が電源投入の直後に実行可能期間を設定するようにしたが、電源投入直後であるかに関わらず、遊技店員等の操作によって実行可能期間を設定し得るよう構成してもよい。
例えば、前枠または中枠を開放状態とすることに応じた報知期間に対応して主制御部が実行可能期間を設定するよう構成することができる。
(3) 実施例では、遊技球の流れに影響を与え得る動作(遊技に関する動作としての開放動作)を行う作動手段(始動開閉部材、特別開閉部材および案内体)に特定動作(確認用動作)を行わせ得る構成としたが、遊技に関する情報を表示する動作(遊技に関する動作)を行う作動手段(すなわち、実施例において遊技情報表示器を構成する複数の表示部のうち少なくとも何れか)に特定動作(確認用動作)を行わせ得る構成としてもよい。
(4) 実施例では、複数の作動手段(始動開閉部材、特別開閉部材および案内体)に特定動作(確認用動作)を行わせ得る構成としたが、1つの作動手段についてのみ特定動作(確認用動作)を行わせ得る構成としてもよい。
(5) 実施例では、複数の作動手段(始動開閉部材、特別開閉部材および案内体)の各特定動作(確認用動作)についての作動条件を共通とし、所定の操作手段(初期化操作手段としてのクリアスイッチ)の操作によって全ての作動手段の作動条件が一度に成立するよう構成したが、作動手段毎に異なる作動条件を設定してもよい。
この場合には例えば、複数の作動手段のうち何れかの作動条件を、実行可能期間の開始時点から所定時間(例えば1000ms)が経過したことに応じて成立するようにしたり、実行可能期間において所定の操作手段が複数回連続して操作されたことに応じて成立するようにしたり、実行可能期間において所定の操作手段が所定時間(例えば1000ms)継続して操作されていたことに応じて成立するようにしたりすることで、作動手段毎に異なる作動条件を設定することができる。
また、全ての作動手段についての作動条件を、前述した所定時間の経過や所定の操作手段の複数回の操作により成立するものとしてもよい。
(6) 実施例では、複数の作動手段(始動開閉部材、特別開閉部材および案内体)の各特定動作(確認用動作)についての確認用動作パターン(動作タイミング)を共通としたが、各作動手段が相互に異なるタイミングで動作する(対応する各ソレノイドを相互に異なるタイミングで励磁・消磁する)ようにしてもよい。
この場合には例えば、各作動手段(各ソレノイド)に対応する動作基準時間を重ならないようにずらして設定することにより、各作動手段の確認用動作を順番に目視点検することができ、不具合の見落としを防ぐことができる。
また、特別入賞装置の構成として、前方に開口する特別入賞口を開閉する扉状の特別開閉部材と、閉鎖状態の特別開閉部材の後方位置で特定入球通路の球入口を開閉する案内体とを備えた構成を採用する場合には、特別開閉部材の閉鎖状態において案内体に確認用動作を行わせたとしても、特別開閉部材の存在により案内体の目視点検がし難くなることが懸念される。このような場合には、確認用動作による特別開閉部材の開放中に案内体が確認用動作を行う期間(動作基準時間)を設定することにより、案内体による確認用動作の視認性を高めることができる。
(7) 実施例では、実行可能期間に初期化操作手段(クリアスイッチ)が操作されたことに応じて、作動手段(始動開閉部材、特別開閉部材および案内体)の各特定動作(確認用動作)についての作動条件が成立するよう構成したが、初期化操作手段(クリアスイッチ)とは別の操作手段が実行可能期間に操作されたことに応じて作動条件が成立するように構成することも可能である。
(8) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン(回胴式遊技機)等、各種の遊技機であってもよい。例えば、スロットマシンは、前方へ開口する箱状の筐体(遊技機本体)に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能に備えられ、図柄が配列された複数の回転体からなる図柄表示部が機前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、遊技媒体としての規定数の遊技メダルを所定の投入口に投入した遊技開始待機状態で遊技者が所定の開始操作手段の操作を行うこと(変動開始条件が成立したこと)を契機として、回転体が回転して図柄が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当り判定を行い、所定の停止操作手段の操作(変動停止条件の成立)または回転体が所定時間に亘って回転動作したこと(変動停止条件の成立)を契機に、当り判定に基づく図柄停止制御を実行するよう構成された遊技機である。そして、当り判定が当りの判定結果となることで、停止操作手段の操作に基づいて所定の組み合わせで図柄が停止することを条件として(特別遊技生起条件が満たされることを条件として)、多数の遊技メダルを獲得可能な特別遊技(ボーナスゲームや特定の入賞役の成立確率が向上した遊技状態等)が生起されるよう制御された遊技機である。