JP6198870B2 - 破砕機用の刃板及び破砕機 - Google Patents

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Description

本発明は、被破砕物を破砕(切断等)するための破砕機用の刃板(固定刃板、移動刃板)及び破砕機に関する。
従来より、不要となった鋳物製品、湯口、湯道、堰等の被破砕物を破砕する破砕機が知られている。これらの不要となった被破砕物を破砕する場合、細かく破砕することができれば、破砕後の廃材を保存、運搬、処理等を行う場合においても便利である。そこで、効率的な被破砕物の破砕が実現されるためには、破砕機において使用される刃板が特に重要な存在となる。ここで、不要となった被破砕物を破砕する破砕機に関する文献の一例として、例えば、下記のような文献1が挙げられる。
文献1は、上下面開放のフレームに設けられた千鳥状に突設する多数個の山形状の刃物を有する固定刃物装置と、この固定刃物装置に対峙し、フレームの下方に枢着部を有する山形状の刃物と嵌め合い関係となる多数個の山形状の刃物を有する揺動自在な揺動刃物装置と、この揺動刃物装置を揺動させるシリンダー等の押圧手段と、揺動刃物装置と固定刃物装置の下方に設けられた破砕・折断鋳物片を排出する排出口とで構成されている「油圧による鋳造用の堰、湯道、不良製品の破砕・折断装置」である。
特開平6−106083
しかし、文献1に係る発明は、固定刃物装置の山形状の刃物と、この固定刃物装置に対峙する揺動刃物装置の山形状の刃物との嵌め合いにより鋳造用の堰、湯道、不良製品の破砕・折断するものであり、当接対象物である被破砕物に対して、いわゆる「面」で接触するものである。したがって、本発明のように後述する「刃」での接触ではないため、不要鋳物製品に応力集中が働きにくくなり、破砕済みの堰、湯道、不良製品が細かく破砕(切断等)されない場合がある。
そこで、本発明の目的は、母材部の表面に配置された、各種の刃部を形成する菱形刃部、山形刃部等が、当接対象物である被破砕物に対して、いわゆる「線」で接触することによって、不要鋳物製品である被破砕物(特にアルミニウム鋳造品等)に応力集中を起こし、被破砕物を細かく破砕(切断等)する破砕機用の刃板及びこの刃板を使用した破砕機を提供するものである。
請求項の発明は、母材部と、この母材部の表面に多数配置した刃部とでなる、破砕機用の刃板であって、
この刃部は、菱型刃部と山形刃部とでなり、
前記菱型刃部は、傾斜部と傾斜部の角で菱刃を形成し、
前記山形刃部は、裾野部と先端部からなる山形形状とし、
前記裾野部は、複数の傾斜部を有し、これら傾斜部と傾斜部との角で傾斜刃を形成し、また、これら各傾斜部の先端部側の一部には略三角形状の傾斜面を構成する欠損部を設け、
前記先端部には前記欠損部と前記欠損部の角で正面視略十字状の先端刃を形成し、
前記菱刃部の頂点に前記山形刃部を結合し
前記母材部の左端及び右端の前記山形刃部を半割し、
この半割した山形刃部は、前記裾野部に傾斜帯状部を有し、この傾斜帯状部と前記傾斜部との角でエッジを形成し、また、前記先端部には先端帯状部を有し、この先端帯状部と先端部側の欠損部の角でエッジを形成することを特徴とした、固定側又は移動側に設置する破砕機用の刃板である。
請求項の発明は、並設された一対のサイドフレームと、この両サイドフレームの前方同士を接続するフロントフレームと、前記両サイドフレームの後方同士を接続するリアフレームとで構成し、被破砕物を投入する上方開放部及び破砕処理物が排出される下方開放部を有する上下開放のフレームと、
前記フロントフレームに対して垂直又は傾斜して設けた、上方部と下方部からなり、下方部には、排出下端が後述する移動刃物側へ延出し、上方から下方にかけて傾斜面を有する受け刃を有するホルダーに固定支持される固定刃板と、
前記両サイドフレーム間に架設した支点軸に軸支され、後退限界位置で前記フロントフレームに対して傾斜し、前進限界位置で前記フロントフレームに対して垂直となり、前記リアフレームに設けたシリンダーのピストンロッドの前後動に伴って前記支点軸を支点として前後動する移動刃板と、
前記固定刃板と前記移動刃板との間に形成されるV字形の破砕空間に被破砕物が供給され、前記移動刃板が固定刃板に対して前進することによって前記被破砕物が破砕される破砕機において、
前記固定刃板及び/又は前記移動刃板を請求項1に記載の刃板とすることを特徴とした破砕機である。
請求項の発明によれば、刃板の母材部の表面に山形刃部、菱型刃部等を配置し、山形刃部の裾野部に形成される傾斜刃及び先端部に形成される先端刃、菱形刃部に形成される菱刃によって当接対象物である被破砕物(特にアルミニウム鋳造品等)に対して、いわゆる「線」で接触することによって、破砕する不要鋳物製品である被破砕物に応力集中を起こして被破砕物を細かく破砕(切断、折断、砕く、潰す、割る等)することができるため、運搬が便利となる。また、破砕後の廃材を収納用バケットに収納する際、ほぼ隙間なく破砕後の廃材を入れ込むことができ、収納バスケット内の密度を高くできることにより、保管や運搬等が便利になり、作業効率が向上し、さらには工場のヤードを広く利用することができる。また、破砕後の廃材を電気炉等で溶解する際、廃材が細かくなることによって溶解スピードが速くなり、溶解時の消費電力量(kwh)を抑えることができるため、溶解コスト、作業コストを下げることができる。
また、固定刃板及び移動刃板の刃部の被破砕物への接触が、複数箇所での「線」当たりとして起こり被破砕物が細かく破砕(切断等)され、製品原料としてのサイズに破砕可能とすることによって被破砕物を言わば「製品化」することが可能となる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果を有する刃板を使用する破砕機により被破砕物を効率的に破砕することができ、破砕機の稼働率の向上を図ることができる。
図1は、母材の表面に横刃部を配置し、山形刃部を千鳥配置し、最下段に配置した山形刃部の一部に凸状刃部を連設した固定刃板の正面図である。 図2は、母材の表面に横刃部及び縦刃部配置し、菱型刃部の頂点に山形刃部を千鳥配置し、最下段に配置した山形刃部の一部に凸状刃部を連設した固定刃板の正面図である。 図3は、図2の側面図である。 図4は、図2の背面図である。 図5は、図2の斜視図である。 図6は、母材の表面に横刃部及び縦刃部を配置し、山形刃部を千鳥配置し、最下段に配置した山形刃部の一部に凸状刃部を連設した移動刃板の正面図である。 図7は、母材の表面に横刃部及び縦刃部を配置し、菱型刃部の頂点に山形刃部を千鳥配置し、最下段に配置した山形刃部の一部に凸状刃部を連設し、凸状刃部の両脇に小刃部を配置した移動刃板の正面図である。 図8は、図7の凸状刃部に切欠部を有する移動刃板の正面図である。 図9は、図7の凸状刃部の近傍に複数個の突起刃部を設けた移動刃板の正面図である。 図10は、図7の凸状刃部の近傍に複数個の下刃部を設けた移動刃板の正面図である。 図11は、菱形刃部の四辺で囲繞された嵌合領域に突起刃部を設けた移動刃板の正面図である。 図12は、図7の側面図である。 図13は、図7の背面図である。 図14は、図7の斜視図である。 図15は、山形刃部と山形刃部の関係を図示した平面図である。 図16は、山形刃部及び菱型刃部の一部の拡大正面図である。 図17は、図2の固定刃板及び図7の移動刃板を設置した破砕機の側面図である。 図18は、固定刃板と、移動刃板が前進限界位置まで前動した状態の側面図である。 図19は、被破砕物が受け刃に引っ掛かっている状態を図示した固定刃板、移動刃板、破砕機の主要部の側面図である。
本発明を実施するための形態を以下に示す。
本発明は、不要となった鋳物製品、湯口、湯道、堰等の被破砕物(特にアルミニウム鋳造品等)Xを細かく破砕(切断等)することができる破砕機Y用の刃板、及び、この刃板を用いた破砕機Yである。この刃板は、破砕機Yの固定側に設置する固定用の固定刃板40、破砕機Yの移動側に設置する移動用の移動刃板50に分けることができ、固定刃板40の母材部41の破砕面である表面41aに多数配置した刃部42と、移動刃板50の母材部51の破砕面である表面51aに多数配置した刃部52とで被破砕物Xを破砕(切断等)すること等を特徴とする。
また、刃板の母材部41、51及び刃部42、52をハイマンガン鋳鋼製とし、刃板の母材部41、51に刃板取付け用のボルトが螺挿されるボルト穴3(雌ねじ穴)を施したこと等を特徴とする。
固定刃板40及び移動刃板50の母材部41、51の表面41a、51aに配置する刃部42、52については、後述するように、山形刃部45、55、菱形刃部44、54、凸状刃部46,56、小刃部58、横刃部43f、53f及び/又は縦刃部43e、53e、突起刃部42a、52a、下刃部42b、52b等があるが、これらについてはさまざまな組み合わせが考えられる。各刃部42、52の構成や配置等について、以下、刃部42,52ごとに説明する。固定刃板40の刃部42を主に図1〜図5等で、移動刃板50の刃部52を主に図6〜図14等で図示する。
まず、山形刃部45について説明する。この山形刃部45は、固定刃板40、移動刃板50略共通の構成であるため、以下では固定刃板40の山形刃部45についてのみ説明し、移動刃板50の山形刃部55については、特に説明の必要がない場合は説明を割愛する。山形刃部45については、図16の拡大正面図等で図示している。
山形刃部45は、欠缺した三角錐を母材部41の表面41a上に四つ結合配置して文字通り山形形状としたような多面形状で構成され、先端部45aと裾野部45bに大別できる。また、換言すると、前側(先端部45a側)から後側(母材部41の表面41a側)にかけて末広形状となっている。すなわち、前側から後側にかけて徐々に高さが高くなるように形成されている。
裾野部45bは、複数の傾斜部45b2を有し、これら傾斜部45b2と傾斜部45b2との角で傾斜刃45b4を形成する。また、各傾斜部45b2の先端部45a側の一部には欠損部47を有している。そして、先端部45aには、欠損部47と欠損部47の角で正面視略十字状の先端刃45a1を形成している。これら各傾斜刃45b4と先端刃45a1に関しては、各傾斜刃45b4の一端と十字状の先端刃45a1の十字の一端が連結した構成となる。
図5等で図示したように、欠損部47は傾斜する構成であり、より具体的には、各傾斜部45b2の先端部45a側の一部に略三角形状の傾斜面を構成する。なお、この欠損部47は、略三角形状の傾斜面を構成する他、略四角形、半球形状等の傾斜面であってもよい。また、欠損部47を傾斜面とせず、垂直な面としてもよい。要は、欠損部47によって先端刃45a1が形成され、被破砕物Xに応力集中が掛かりやすくなり、より効率的に破砕(切断等)されることになればどのような構成であってもよい。
このように欠損部47と欠損部47との角で形成する十字状の先端刃45a1、及び、傾斜部45b2と傾斜部45b2との角で形成する傾斜刃45b4によって被破砕物Xを細かく破砕(切断等)できる。
固定刃板40の母材部41の表面41aに配置する山形刃部45は、例えば、上から順に、最上段、第二段、第三段、最下段に分けることができるが、本発明の効果を奏することができれば、それ以上でも、それ以下でもよい。また、配置に関しては、整列配置が考えられるが、その他、図2のような千鳥配置も考えられる。また、図3では、山形刃部45を菱形刃部44の頂点に結合して配置しているため、こちらも千鳥配置している。
固定刃板40を図示した図1等では、第二段、最下段であって、左端及び右端の山形刃部45を半割して配置している。この半割した山形刃部45は、裾野部45bに傾斜帯状部45b1を有し、傾斜帯状部45b1と傾斜部45b2との角でエッジ45b3を形成する。また、先端部45aには先端帯状部45a2を有し、先端帯状部45a2と先端部45a側の欠損部47の角でエッジ45a3を形成し、さらに、先端部45a側の欠損部47と先端部45a側の欠損部47の角でエッジ47a3を形成する。このように、裾野部45bに傾斜帯状部45b1を有することによって、半割した山形刃部45の強度を保つことができる。
移動刃板50を図示した図6等では、第一段、第三段であって、正面視して左端及び右端の山形刃部55を半割して配置している。半割した山形刃部55は、裾野部55bに傾斜帯状部55b1を有し、傾斜帯状部55b1と傾斜部55b2との角でエッジ55b3を形成する。また、先端部55aには先端帯状部55a2を有し、先端帯状部55a2と先端部55a側の欠損部57の角でエッジ55a3を形成し、さらに、先端部55a側の欠損部57と先端部55a側の欠損部57の角でエッジ57a3を形成する。このように、裾野部55bに傾斜帯状部55b1を有することによって、半割した山形刃部55の強度を保つことができる。
以上の説明では、山形刃部45に関しては、固定刃板40では第二段、最下段を、移動刃板50では第一段、第三段をそれぞれ半割としたが、これらの段に限定されない。
また、図15で図示したように、隣り合う山形刃部45、55の傾斜刃45b4、55b4間の角度θを90°以上とすることによって、山形刃部45と山形刃部45の間に被破砕物X(破砕された廃材)が挟まり難くなり、この山形刃部45と山形刃部45の間から被破砕物X(破砕された廃材)が滑落し易くなる。
次に、菱形刃部44について説明する。この菱形刃部44に関しても、固定刃板40、移動刃板50略共通の構成であるため、以下では固定刃板40の菱型刃部44についてのみ説明し、移動刃板50の菱型刃部54については説明を割愛する。
この菱形刃部44は、母材部41の表面41a上に各辺を合わせて、文字通り菱型に配置したものである。この菱形刃部44の菱型の各辺の構成・形状としては、2つの傾斜部44bを有する横断面視略三角形状で、傾斜部44bと傾斜部44bの角で菱刃44dを形成するものである。そして、この菱刃44dによっても被破砕物Xを細かく破砕(切断等)できる。
菱形刃部44と山形刃部45の配置関係は、図2等で図示するように、菱形刃部44の頂点に山形刃部45を結合した構成とする。また、菱形刃部44と山形刃部45の高さ関係は、菱形刃部44よりも山形刃部45のほうが高く設定されている。具体的には、側面視して菱型刃部44の菱刃44dが山形刃部45の裾野部45bの中腹になるように配置している。本発明の効果を奏すれば、菱形刃部44と山形刃部45の数や大きさ等は特に限定されない。
凸状刃部46について説明する。固定刃板40の凸状刃部46の構成・形状としては、2つの傾斜部46bを有する横断面視略三角形状で、傾斜部46bと傾斜部46bとの角で凸刃46cを形成するものである。そして、この凸刃46cによっても被破砕物Xを細かく破砕(切断等)できるため、破砕機Yの排出口付近の被破砕物Xを破砕(切断等)するのに特に有効である。固定刃板40の凸状刃部46は、側面視すると明らかなように、略垂直状に形成される。
固定刃板40における凸状刃部46の配置関係は、母材部41の最下段の山形刃部45の一部に一体化するように凸状刃部46を連設する構成である。
上述のように、固定刃板40の場合、最下段であって、左端及び右端の山形刃部45を半割して配置しているが、この半割した山形刃部45と凸状刃部46の関係は、山形刃部45の傾斜帯状部45b1、先端帯状部45a2、凸状刃部46の帯状部46aが縦方向に一連となっている。先端帯状部45a2から凸状刃部46の帯状部46aにかけては、側面視略垂直形状である。凸状刃部46の帯状部46aと凸状刃部46の傾斜部46bの角でエッジ46d3を形成する。
移動刃板50の凸状刃部56の構成・形状に関しても、固定刃板40の凸状刃部46と同様に、2つの傾斜部56bを有する横断面視略三角形状で、傾斜部56bと傾斜部56bとの角で凸刃56cを形成するものである。そして、この凸刃56cによって被破砕物Xを細かく破砕(切断等)できるため、破砕機Yの排出口付近の被破砕物Xを破砕(切断等)するのに特に有効である。図6、図7のように、傾斜部56bと傾斜部56bとの角で凸刃56cを形成する構成の他、図9のように帯状部56aを設け、この帯状部56aの両側を傾斜部56bとし、帯状部56aと傾斜部56bとの角でエッジ56b3を形成する構成であってもよい。
移動刃板50における凸状刃部56の配置関係は、母材部51の最下段の山形刃部55の一部と一体化するように凸状刃部56を配置する。
凸状刃部56は、側面視すると明らかなように、上方から下方にいくにつれて湾曲している。また、凸状刃部56の下端で爪部56dを構成も考えられ、この爪部56dで被破砕物Xを引っ掛けて確実かつ効率的に破砕及び掻き出すことができる。
また、図10で図示したように、凸状刃部56に一又は二以上の切欠き部56eを入れる構成であってもよい。この構成によればさらに確実かつ効率的に破砕及び掻き出すことができる。
小刃部58について説明する。図7等では、移動刃板50の凸状刃部56の両脇には、横断面視略三角形を上下に連設した小刃部58を配置する構成を図示している。この小刃部58は、2つの傾斜部58bを有し、これら傾斜部58bと傾斜部58bの角で小刃58cを形成する。この小刃58cによっても被破砕物Xを細かく破砕(切断等)できる。小刃部58は、図7等で図示したように、凸状刃部56の傾斜部56bに当設して配置してもよいし、傾斜部56bに当設せずに配置してもよい。なお、図示しないが、固定刃板40にも小刃部を設けることもできる。
小刃部58は、側面視すると明らかなように湾曲している。なお、図7等ではそれぞれの凸状刃部56の両脇に上下に連設した小刃部58を2列併設しているが、どのような構成・配列であってもよい。例えば、上下に連設せず小刃部58を凸状刃部56の両脇に設けてもよい。また、この小刃部58は、爪部58dを有しており、この爪部58dによってより確実かつ効果的に被破砕物Xを破砕することができ、また、被破砕物Xを掻き出すことができる。
さらには、図9、図10等で図示したように、凸状刃部56の近傍、例えば、小刃部58の下方に複数の突起刃部52aを、また、横方向及び/又は縦方向に下刃部52bを設けることによって被破砕物Xを確実かつ効率的に破砕(切断等)及び掻き出すことができる。
また、図1、図2、図5等で明らかなように、破砕済みの廃材の排出を容易にするため、固定刃板40の母材部41の下方の表面41aには、傾斜面48と、これに続く垂直面49を設けている。この傾斜面48の傾斜角度に関しては特に限定されない。
横刃部43f及び/又は縦刃部43eについて説明する。横刃部43f及び/又は縦刃部43eは、図1、図6のように、固定刃板40又は移動刃板50の母材部41,51の最上段に配置した山形刃部45,55の上方に配置する。
横刃部43fの構成を分類すると、主に、傾斜面43f1、これに続く垂直面43f2、これに続く水平面43f3に分けることができる。また、縦刃部43eの構成を分類すると、垂直面43e1、垂直面43e1の両側に連なる傾斜面43e2に分けることができる。
この横刃部43f、縦刃部43eは、横刃部43fと縦刃部43eを組み合わせた構成、例えば、図2、図7等のように、縦刃部43eと横刃部43fを組み合わせて格子状とした開口形状とするのが望ましい。その他、横刃部43fのみ配置してもよく、また、縦刃部43eのみ配置してもよい。なお、横刃部43fと縦刃部43eで囲繞された部分の母材部41の表面41aに窪みを形成する構成であってもよい。
図2等で図示する固定刃板40では、横刃部43f及び/又は縦刃部43eを組み合せた開口形状を横に3個連設し、図7等図示する移動刃板50では、横刃部43f及び/又は縦刃部43eを組み合せた開口形状を上下左右に9個連設しているが、本発明の効果を奏すれば、数や大きさ等は特に限定されない。
また、斜視図である、図5、図14、側面図である、図3、図12等では、縦刃部43eよりも横刃部43fの方が延出した構成となっているが、その他、横刃部43fよりも縦刃部43eの方が延出した構成、縦刃部43eと横刃部43fが同位の構成であってもよい。
固定刃板40、移動刃板50の菱形刃部44、54の四辺で囲繞された領域を嵌合領域44c、54cとしている。以下、固定刃板40、移動刃板50を後述する破砕機Yに設置した例で説明する。固定刃板40がフレーム9に対して垂直に配置し、また、支持ブロック16の数を調整することによって支点軸19の位置をフロントフレーム12寄りとし、移動刃板50が固定刃板40側へ前進限界位置Z2まで前動した場合は、固定刃板40及び移動刃板50の互いの嵌合領域44c、54cに互いの山形刃部55、45が嵌合するように配置することができる。具体的には、固定刃板40の菱形刃部44の四辺で囲繞された嵌合領域44cには移動刃板50の山形刃部55が嵌合するように配置され、移動刃板50の菱形刃部54の四辺で囲繞された嵌合領域54cには固定刃板40の山形刃部45が嵌合するように配置されることとなる。この状態を図18で図示している。
また、支持ブロック16の数を調整することによって支点軸19の位置をリアフレーム13寄りとすると、移動刃板50が固定刃板40側へ前進限界位置Z2まで前動した場合であっても、固定刃板40及び移動刃板50の互いの嵌合領域44c、54cに互いの山形刃部55、45が嵌合せずに配置することができる。すなわち、支点軸19の位置の調整次第では、移動刃板50が前進限界位置Z2まで前動した場合、固定刃板40の先端刃45a1と、移動刃板50の嵌合領域54c内の母材部51の表面51aとの間、移動刃板50の先端刃55a1と、固定刃板40の嵌合領域44c内の母材部41の表面41aの間に空間を形成することもできる。
図11で図示したように、菱形刃部44、54の四辺で囲繞された嵌合領域44c、54cに突起刃部42a、52aを設けることによって、破砕(切断等)を効率的に行うことができ、また、刃部と刃部との間に破砕済みの廃材が挟み込まれることを防止できる。
図9では、移動刃板50の凸状刃部56の近傍に複数個の突起刃部52aを設ける構成を図示している。また、図10では、移動刃板50の凸状刃部56の近傍に複数個の下刃部52bを設ける構成を図示している。これら突起刃部52aや下刃部52bに関しては、効果的な破砕(切断等)を行うことができ、また、破砕済みの廃材が刃部50と刃部50の間に挟まることを防止することができ、さらには、廃材の掻き出しを容易にすることができることができれば、形状、大きさ、数については特に限定されない。したがって、突起刃部52aや下刃部52bが1個であってもよい。また、図9で図示したような菱型形状の他、横断面視略三角形状であってもよく、図10で図示したような長方形状の他、波型形状であってもよい。
また、突起刃部52aや下刃部52bを設ける位置も特に限定されない。移動刃板50の場合は、例えば、凸状刃部56の近傍、凸状刃部56と凸状刃部56の間や、小刃部58の下方等に設けることが考えられる。固定刃板40の場合は、図示しないが、母材部41の下方の表面41aの傾斜面48及び/又は、これに続く垂直面49等に突起刃部42aや下刃部42bを設けることが考えられる。
次に、図17で図示するフレーム9に対して垂直又は傾斜して固定刃板40を固定支持するホルダー15について説明する。
ホルダー15は上方部15aと下方部15bからなり、下方部15bには、排出下端15b2が前側(移動刃板50側)へ延出し、上方から下方にかけて滑り台のような傾斜面を有する受け刃15b1を有することを特徴とする。そして、この傾斜面に沿って移動刃板50の凸状刃部46が移動する。傾斜面と凸状刃部46の間には隙間があり、この隙間は、移動刃板50が後退限界位置Z1から前進限界位置Z2に至るまで同間隔である。同間隔とすることによって、破砕済みの破砕物Yの排出が容易となる。
また、ホルダー15の下方部15bの排出下端15b2の延出する長さは問わない。したがって、図17等で図示したものよりもさらに延出した構成とすることもできる。
上記ホルダー15は、上方部15aと下方部15bの分離できる分離型と、上方部15aと下方部15bに分離できない一体型とすることができる。
被破砕物Xが菱形刃部44や山形刃部45で破砕されて細かく破砕された場合は、破砕済みの廃材が傾斜面に沿って滑り台で滑るようして排出されるが、被破砕物Xが長尺物の場合、長尺物の被破砕物Xが滑り台のような傾斜面に引っ掛かることによって被破砕物Xの落下を防止し、この傾斜面に引っ掛かった被破砕物Xを移動刃板50の凸状刃部56で破砕し、さらにこの破砕した廃材を移動刃板50の凸状刃部56で掻き出し排出することができる。
この、ホルダー15の材質としては、例えば、特殊合金鋼等を採用する。
本発明の刃板を構成する母材部41、51及び刃部42、52の材質としては、ハイマンガン鋳鋼製であることが挙げられる。ハイマンガン鋳鋼は、使用すればするほど使用部分から次々に硬化する、加工硬化が生じる。すなわち、当初の硬度は低いが、表面に加えられる衝撃等によって表面から加工硬化すると共に耐摩耗性が一躍向上し刃板の寿命も大幅に上がることとなる。具体的には、刃板の加工硬化後の硬さは、HRC40〜50以上となる。
なお、刃板を構成する母材部41、51及び刃部42、52のその他の材質としては、例えば、機械構造用炭素鋼(SC)、機械構造用合金鋼(SCM等)等の特殊鋼や、普通鋳鋼FCDを基本とした合金鋳造品等が挙げられる。
なお、刃板の母材部41,51の材質と刃部42、52の材質を同じにすることによって、刃板自体が不要となった場合は、母材部41,51と刃部42、52を一緒に処理できるため、再生処理が容易である。
ボルト穴3は、一般的には、図示しない市販のマシニングセンタ等の工作機械を用いて形成する。例えば、マシニングセンタの主軸にボルト穴3加工用の工具を取付けて、この工具の回転によってボルト穴3を形成する。このボルト穴3は、母材部41の表面41a、裏面41b、平面41c、底面41d、側面41eのいずれか一面以上に施され、ボルト穴の径をM(mm)、ネジ山のピッチをP(mm)としたときに、M20×2.5P、M24×3.0P、M30×3.0Pのうちいずれかとするボルト穴3加工が可能である。
ボルト穴3の形成方法の一例としては、下記のとおりである。ここでは固定刃板40について説明する。まず、固定刃板40の所定の箇所、例えば、取付け面である母材部41の表面41a、裏面41b、平面41c、底面41d、側面41eのいずれか一面以上にドリル等によって下穴を穿孔する。そして、この穿孔した下穴の内壁面に対してタップ等を用いてねじ溝を形成することによってねじ穴加工を施す。
下穴は、タップのねじ部の外径よりも小さい内径に形成されていて、このタップを回転しながら挿通することにより、下穴の内壁面を切削してボルト溝が形成され、ボルト穴3が加工される。すなわち、ボルトよりも径寸法が小さい下ねじ(下穴、内径)をドリル等で切削加工し、その下ねじに沿ってボルト穴3を切削加工する。例えば、タップを使用してボルト穴3を形成する場合には、まずボルトの下径(最小径)の穴をドリル等によって穿け、この下穴にタップをねじ込みながらボルト穴3を形成する。
マシニングセンタには、マシニングセンタの駆動手段および主軸をボルト穴3の形成プログラムにしたがって駆動制御する制御装置を利用する。具体的には、予めボルト穴3の形成プログラムで規定されたボルト穴3の形成手順にしたがって、ボルト穴3の加工用の特殊工具と固定刃板40、移動刃板50との間の位置および速度制御等を行う。また、マシニングセンタは、ボルト穴3の形成プログラムにおいて、たとえば、主軸モータの回転数を解読することにより主軸の回転数の制御等を行う。
具体的な加工方法としては、例えば、X軸・Y軸・Z軸の三軸制御可能なマシニングセンタ等の主軸に装着した特殊工具(超鋼ネジ切りチップ等)で、マシニングセンタ等のヘリカル送り(円弧)機能を利用して雌ねじ穴を形成する方法が挙げられる。
この方法による場合、まず、取付け面である母材部41の表面41a、裏面41b、平面41c、底面41d、側面41eのいずれか一面以上にドリル等によって下穴を穿孔する。
そして、特殊工具(超鋼ネジ切りチップ等)を装着したマシニングセンタの主軸を回転させながら、この主軸をZ軸方向ヘヘリカル送りし、下穴の内周面に雌ねじ溝を切削加工する。例えば、1公転ごとに1ピッチ進む等のようにヘリカル送りされることによって雌ねじ溝を形成する。
また、先端にドリルをもったタップを使用することによって、下穴からねじ切りまでを1本の工具で可能となる。具体的には、マシニングセンタの主軸にドリルタップを取付けてボルト穴3を形成する。
以上のように、マシニングセンタ等のヘリカル送り(円弧)機能を利用することによって、固定刃板40にボルト穴3が加工される。
同様の方法により、移動刃板50の表面51a、裏面51b、平面51c、底面51d、側面51eにもボルト穴3が形成される。加工方法は、固定刃板40と同様であるため、ここでは省略する。図13では、シリンダー6のピストンロッド7に固定するためのボルト穴3等が加工されている。
なお、これらのボルト穴3の位置、大きさ、数等は特に限定されない。
ボルト穴3加工を施した刃板の固定に関しては、例えば、一例として、図17等では、固定刃板40にはホルダー15を使用し、このホルダー15に固定刃板40を取付けている。具体的には、破砕機Yのフレーム9に設けたホルダー15の固定刃板40設置面に凹部又は凸部を形成し、一方で固定刃板40のホルダー15設置面に凸部又は凹部を形成し、ホルダー15の固定刃板40設置面の凹部又は凸部と固定刃板40のホルダー15設置面の凸部又は凹部を嵌合させ、ホルダー15及び固定刃板40に形成したボルト穴3にボルト等をホルダー15側から挿入することによって固定刃板40をホルダー15に取付ける。
また、従来の移動刃板50は、記述した固定刃板40のようにホルダー15を使用し、このホルダー15に移動刃板50を取付けていた。例えば、ホルダー15の移動刃板50設置面に凹部又は凸部を形成し、一方で移動刃板50のホルダー15設置面に凸部又は凹部を形成し、このホルダー15の移動刃板50設置面の凹部又は凸部と移動刃板50のホルダー15設置面の凸部又は凹部を嵌合させ、ホルダー15及び移動刃板50に形成したボルト穴3にボルト等をホルダー50側から挿入することによってホルダー15に移動刃板50を取付けることとしていた。図10、図17では、移動刃板50にはホルダー15を使用せず、移動刃板50の背面上方にシリンダー6のピストンロッド7を固定している。このように移動刃板50の背面上方にピストンロッド7を固定しているので、少ない力で移動刃板50を前後動させることができる。
なお、その他の例としては、本発明の効果を奏するのであれば、固定刃板40と移動刃板50のどちらにもホルダー15を介在させる場合、また、固定刃板40と移動刃物50のどちらにもホルダー15を介在させない場合も考えられる。さらには、ホルダー15機能をも発揮する固定刃板40、すなわち、ホルダー兼固定刃板を使用することもできる。
この刃物(刃板)取付け用のホルダー15を使用しない場合は、製品としてコストダウンを図ることができ、また、軽量化対策が容易となるため、破砕機Yの総重量を抑えることが可能となる。
このように、固定刃板40及び移動刃板50は、ボルトを介して着脱するものであるため、固定刃板40及び移動刃板50が単独で容易に交換可能である。
なお、ボルトは、例えば、高炭素鋼製で、高負荷・高トルクに対応するものが望ましい。
なお、本発明の刃板は、主に、硬くて厚い等の特性を有する難破砕(難切断、難折断)のもの、例えば、ダクタイル鋳鉄(FCD材)等に有用であるが、ねずみ(普通)鋳鉄(FC材)の破砕(切断、折断)にも有用である。
次に、固定刃板40及び移動刃板50が設置される破砕機Yの構成の一例を説明する。
破砕機Yは、並設された一対のサイドフレーム10,11と、両サイドフレーム10,11の前方同士を接続するフロントフレーム12と、両サイドフレーム10,11の後方同士を接続するリアフレーム13とで構成し、被破砕物Xを投入する上方開放部9a及び破砕済みの廃材が排出される下方開放部9bを有する上下開放のフレーム9と、このフレーム9に対して垂直又は傾斜して設けたホルダー15に固定支持される固定刃板40と、両サイドフレーム10,11間に架設した支点軸19に軸支され、後退限界位置Z1でフレームに対して傾斜し、前進限界位置Z2でフレーム9に対して垂直となり、リアフレーム13に設けたシリンダー6のピストンロッド7の前後動に伴って支点軸19を支点として前後動する移動刃板50とを主構成要素とし、固定刃板40と移動刃板50との間に形成されるV字形の破砕空間Vに被破砕物Xが供給され、移動刃板50が固定刃板40に対して前動することで被破砕物Xが破砕される。
なお、既述のとおり、移動刃板50は、両サイドフレーム10,11間に架設した支点軸19に軸支されているが、具体的には、移動刃板50の下側に形成した半円形の軸支部59によって支点軸19に軸支されている。そして、支点軸19に図示しない支点軸キャップを被せてボルト等の固定具で移動刃板50に固定する。
また、支点軸19は、主に、軸受けと、両サイドフレーム10,11に大きく開設した枠穴と、この枠穴に嵌合する支持ブロック16を利用して支持されている。従って、枠穴に嵌合する支持ブロック16の抜差しを利用して、枠穴内において左右の支持ブロック16の数を調整することで、支点軸19の位置を変更できる。すなわち、移動刃板50が前進限界位置Z2にきたときの固定刃板40と移動刃板50との間に形成される破砕空間Vを調整することができる。
また、支点軸19の位置を変更するその他の構成としては、図示しないが、軸受けと、軸受けに内設したメタルと、偏心ブッシュと、偏心ブッシュを軸受けに固止するための止め具を使用する構成も挙げられる。この構成によると、ボルト等の止め具を取り外し、偏心ブッシュを回転移動し、支点軸19の位置を変更し、この偏心ブッシュの変更後に偏心ブッシュをボルト等の止め具で固定し、偏心ブッシュを固止する。このようにして支点軸19の位置を変更し固定することができる。
図12等で図示するように、移動刃板50の母材部51に配置した凸状刃部56及び小刃部58は、支点軸19の近傍に位置するため、効果的に破砕(切断等)することができる。
また、図18中、Xは支点軸19の中心からピストンロッド7までの距離である。Yは支点軸19の中心から移動刃板50の表面51aの下方までの距離である。てこの原理でXの距離が、Yの距離の4倍から6倍とする。このため、重くて硬いような被破砕物であっても少ない力で破砕することができる。
固定刃板40を固定するホルダー15がフレーム9に対して傾斜して設けられた場合は、このホルダー15に固定支持される固定刃板40もフレーム9に対して傾斜して配置されることになる。このように、固定刃板40がフレーム9に対して傾斜して配置され、また、移動刃板50も後退限界位置Z1にある場合は、固定刃板40と移動刃板50との間に形成されるV字形の破砕空間Vを広く採ることができるため、比較的大きな被破砕物Xを投入することができる。
また、固定刃板40を固定するホルダー15がフレーム9に対して垂直に設けられた場合は、このホルダー15ーに固定支持される固定刃板40もフレーム9に対して垂直に配置されることになる。このように、固定刃40板がフレーム9に対して垂直に配置されている場合は、固定刃板40と移動刃板50との間に形成されるV字形の破砕空間Vは、固定刃板40が傾斜している場合に比べて狭くなるが、移動刃板50が前進限界位置Z2にきたときは、移動刃板50と固定刃板40が前後に略水平に対峙し、固定刃板40と移動刃板50との間に形成される破砕空間が狭くなるため、被破砕物Xをより細かく破砕することができる。
図17では、シリンダー6の設置方法としてトラニオン型を図示しているが、その他の方法によってもよい。このシリンダー6は、油圧や空圧を作動流体とする流体シリンダーを用いることもできる。例えば、油圧シリンダー装置の場合は、ピストンロッド7を前後動させることによって、固定刃板40と移動刃板50の間に投入された被破砕物を破砕する直線送り駆動機構となる。したがって、油圧シリンダーの直線送り駆動装置で移動刃板50を徐々に変位させ、油圧の強力な圧力を被破砕物Xに作用させ、被破砕物Xを破砕する。
シリンダー6のピストンロッド7側にはトラニオンを備えており、このシリンダー6は、トラニオン軸を介してトラニオン軸受によって、リアフフレーム13に対して回転可能に支持されている。
ピストンロッド7の先端にクレビス軸受を備え、クレビス軸を介してシリンダーブラケットが回動可能に枢着され、このシリンダーブラケットの装着面を移動刃板50の裏面の上方にボルト穴3加工が施されている所定の位置に取付ける。
移動刃板50の裏面51bの上方にピストンロッド7に枢着したシリンダーブラケットが取付けられており、ピストンロッド7が伸縮することによって支点軸19を支点として移動刃板50が前進後退する。この前進後退は、支点軸19を軸支点としたテコの原理を利用するもので、シリンダー6の出力を抑えることができ、比較的小さい動力で移動刃板50を可動することができる。
両サイドフレーム10,11の内側には一枚又は複数枚のライナーをボルト等の止め具で着脱自在に設けることも可能である。また、このボルト等の止め具の頭を研磨手段で略面一に加工する構成を採用することも可能である。
このライナーは、例えば、超硬合金等の耐摩耗性を有する高硬度材を採用しており、このライナーを両サイドフレーム10,11に設けることによって、この両サイドフレーム10,11への被破砕物Xによる衝撃回避を図ることができるため、両サイドフレーム10,11の耐久性の向上及び長寿命化を図ることができる。また、両サイドフレーム10,11と刃板との摩擦を回避することができる。なお、このライナーの硬度は、例えば、HRC50〜HRC60程度である。
3:ボルト穴
6:シリンダー
7:ピストンロッド
9:フレーム
9a:上方開放部
9b:下方開放部
10:サイドフレーム
11:サイドフレーム
12:フロントフレーム
13:リアフレーム
15:ホルダー
15a:上方部
15b:下方部
15b1:受け刃
15b2:排出下端
16:支持ブロック
19:支点軸
40:固定刃板
41:母材部
41a:表面
41b:裏面
41c:平面
41d:底面
41e:側面
42:刃部
42a:突起刃部
42b:下刃部
43e:縦刃部
43e1:垂直面
43e2:傾斜面
43f:横刃部
43f1:傾斜面
43f2:垂直面
43f3:水平面
44:菱形刃部
44b:傾斜部
44c:嵌合領域
44d:菱刃
45:山型刃部
45a:先端部
45a1:先端刃
45a2:先端帯状部
45a3:エッジ
45b:裾野部
45b1:傾斜帯状部
45b2:傾斜部
45b3:エッジ
45b4:傾斜刃
46:凸状刃部
46a:帯状部
46b:傾斜部
46c:凸刃
46d3:エッジ
47:欠損部
47a3:エッジ
48:傾斜面
49:垂直面
50:移動刃板
51:母材部
51a:表面
51b:裏面
51c:平面
51d:底面
51e:側面
52:刃部
52a:突起刃部
52b:下刃部
53e:縦刃部
53e1:垂直面
53e2:傾斜面
53f:横刃部
53f1:傾斜面
53f2:垂直面
53f3:水平面
54:菱形刃部
54b:傾斜部
54c:嵌合領域
54d:菱刃
55:山型刃部
55a:先端部
55a1:先端刃
55a2:先端帯状部
55a3:エッジ
55b:裾野部
55b1:傾斜帯状部
55b2:傾斜部
55b3:エッジ
55b4:傾斜刃
56:凸状刃部
56a:帯状部
56b:傾斜部
56b3:エッジ
56c:凸刃
56d:爪部
56e:切欠き部
57:欠損部
57a3:エッジ
58:小刃部
58b:傾斜部
58c:小刃
58d:爪部
59:軸支部
V:破砕空間
X:被破砕物
Y:破砕機
Z1:後退限界位置
Z2:前進限界位置

Claims (2)

  1. 母材部と、この母材部の表面に多数配置した刃部とでなる、破砕機用の刃板であって、
    この刃部は、菱型刃部と山形刃部とでなり、
    前記菱型刃部は、傾斜部と傾斜部の角で菱刃を形成し、
    前記山形刃部は、裾野部と先端部からなる山形形状とし、
    前記裾野部は、複数の傾斜部を有し、これら傾斜部と傾斜部との角で傾斜刃を形成し、また、これら各傾斜部の先端部側の一部には略三角形状の傾斜面を構成する欠損部を設け、
    前記先端部には前記欠損部と前記欠損部の角で正面視略十字状の先端刃を形成し、
    前記菱刃部の頂点に前記山形刃部を結合し
    前記母材部の左端及び右端の前記山形刃部を半割し、
    この半割した山形刃部は、前記裾野部に傾斜帯状部を有し、この傾斜帯状部と前記傾斜部との角でエッジを形成し、また、前記先端部には先端帯状部を有し、この先端帯状部と先端部側の欠損部の角でエッジを形成することを特徴とした、固定側又は移動側に設置する破砕機用の刃板。
  2. 並設された一対のサイドフレームと、この両サイドフレームの前方同士を接続するフロントフレームと、前記両サイドフレームの後方同士を接続するリアフレームとで構成し、被破砕物を投入する上方開放部及び破砕処理物が排出される下方開放部を有する上下開放のフレームと、
    前記フロントフレームに対して垂直又は傾斜して設けた、上方部と下方部からなり、下方部には、排出下端が後述する移動刃物側へ延出し、上方から下方にかけて傾斜面を有する受け刃を有するホルダーに固定支持される固定刃板と、
    前記両サイドフレーム間に架設した支点軸に軸支され、後退限界位置で前記フロントフレームに対して傾斜し、前進限界位置で前記フロントフレームに対して垂直となり、前記リアフレームに設けたシリンダーのピストンロッドの前後動に伴って前記支点軸を支点として前後動する移動刃板と、
    前記固定刃板と前記移動刃板との間に形成されるV字形の破砕空間に被破砕物が供給され、前記移動刃板が固定刃板に対して前進することによって前記被破砕物が破砕される破砕機において、
    前記固定刃板及び/又は前記移動刃板を請求項1に記載の刃板とすることを特徴とした破砕機。
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