JP6197501B2 - クッション長可変シート - Google Patents
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Description
このような問題に鑑み本発明の課題は、シートクッションのクッション長を可変とするアクチュエータとしての空気袋等の流体袋を上方からの荷重に対して支えるようにすることにより、流体袋によるクッション長の可変量を大きくすることにある。
第1発明によれば、第1流体袋が膨張されることによりクッション長を長くすることができる。このとき、第1流体袋が下方へ下がるのを抑制するように支持体が支持する。そのため、第1流体袋を大きくしてクッション長の可変量を大きくしても、第1流体袋が上方からの荷重を支えることができ、クッション長の可変量を大きくすることができる。
第2発明によれば、支持体を第2流体袋によって構成したため、第1流体袋の支持の必要に応じて第2流体袋を膨張させて支持体として機能させることができる。しかも、第2流体袋は第1流体袋を下方から支持するので、第2流体袋を膨張させることによって第1流体袋を上前方へ押し出すことができる。これにより、クッション長が長くされる際にクッション先端部を前方のみならず、上方へも伸長させることができる。従って、着座乗員の脚部の長さの違いに伴ってクッション先端部の最適位置が下後方と上前方との間で変化するのに合わせて、クッション先端部の位置を変化させることができる。また、第1流体袋と同じ流体によって第2流体袋を膨張させることができるので、装置の構成を簡素化できる。
第3発明によれば、袋室が常時前後長を短くするようにばね付勢されているため、第1流体袋が膨張した状態から収縮されると、ばね力によって袋室は前後長を短くされる。また、袋室及び前側板が表皮材によって被われるため、見栄えを良くすることができる。
シート1は、シートクッション3とシートバック2とから成り、この構成は公知のものと同一である。
前側板23は、上下端部が湾曲形成されて、クッションパッド32の内面形状になじむようにされている。
第1及び第2流体袋21、22に空気が供給されておらず、収縮している状態では、図3に示すように、前側板23は、引張ばね24の付勢力によって後方に位置し、クッション長可変機構20は、その長さを短くされている。そのため、シートカバー31も弾性布34の付勢力によって後方に引張られて、シートカバー31に弛みが出ないようにされている。
第1及び第2流体袋21、22に空気が供給されて、最大の大きさに膨張している状態では、図5に示すように、第1及び第2流体袋21、22が前側板23を引張ばね24の付勢力に抗して前方に押出す。そのため、クッション長可変機構20は、その長さを長くされる。第1及び第2流体袋21、22が膨張している状態では、第2流体袋22が第1流体袋21を下方から支持しており、表皮材30を介して着座乗員の脚部の重さがかかっても第1流体袋21が下方へ下がってしまうことが抑制されている。第1及び第2流体袋21、22が最大の大きさに膨張している状態では、各袋21、22内部の空気圧は50キロパスカル程度とされ、クッション長可変機構20の長さの可変量は100〜150ミリメートル程度とされている。
図5の状態は、第1及び第2流体袋21、22が最大の大きさに膨張しており、クッション長可変機構20の長さは最大とされている。この状態から第1及び第2流体袋21、22の空気を排出して第1及び第2流体袋21、22を収縮させると、前側板23の前側への押出量が小さくなってクッション長可変機構20の長さは短くされる。即ち、第1及び第2流体袋21、22内の空気量に応じてクッション長可変機構20の長さを任意の長さに調整することができる。但し、第2流体袋22は、第1流体袋21を下方から支持するのが本来の機能であるので、その機能を損なわないように内部の空気量を確保する必要がある。
また、第2流体袋22は第1流体袋21を下方から支持するので、第2流体袋22を膨張させることによって第1流体袋21を上前方へ押し出すことができる。これにより、クッション長が長くされる際にクッション先端部を前方のみならず、上方へも伸長させることができる。従って、着座乗員の脚部の長さの違いに伴ってクッション先端部の最適位置が下後方と上前方との間で変化するのに合わせて、クッション先端部の位置を変化させることができる。また、第1流体袋21と同じ流体によって支持体である第2流体袋22を膨張させることができるので、クッション長可変機構20の構成を簡素化できる。
更に、クッション長可変機構20が表皮材30によって被われているため、見栄えを良くすることができる。
左右一対の圧縮ばね25は、前側板23とブラケット12との間で、左右両側に掛け渡された案内ロッド26の端部にそれぞれ装着されている。各案内ロッド26は、一端が前側板23の中央部の左右両側に、それぞれボルト26aによって固定され、他端はそれぞれストッパ27にボルト27aによって固定されている。各案内ロッド26の中間部は、ブラケット12の左右部にそれぞれ摺動自在に支持されており、各圧縮ばね25は、ブラケット12とストッパ27との間にそれぞれ挿入されている。その結果、圧縮ばね25は、ブラケット12と前側板23とを常時互いに接近する方向に付勢している。
1.支持体は、伸縮ロッドによって構成されても良い。また、第1流体袋が下方に下がらないように吊る吊りワイヤでも良い。
2.第1及び第2流体袋の構造、形状は各種のものを採用することができる。
3.前側板は、第1及び第2流体袋の前側のみでなく、上下、左右の各側も被うボックス形状として、第1及び第2流体袋を各方向の外力から保護するようにしても良い。
4.第1及び第2流体袋に供給される流体は、空気の他、各種ガス、水、油等でも良い。
5.上記実施形態では、本発明を自動車用シートに適用したが、飛行機用、船用、電車用等のシートに適用しても良い。
2 シートバック
3 シートクッション
10 クッションフレーム
11 クッションパン
12 ブラケット
12a 屈曲部
13 フロントパイプ
20 クッション長可変機構
20a 袋室
21 第1流体袋
21a パイプ
22 第2流体袋(支持体)
22a パイプ
23 前側板
24 引張ばね
25 圧縮ばね
26 案内ロッド
27 ストッパ
30 表皮材
31 シートカバー
32 クッションパッド
33 フック
34 弾性布
Claims (1)
- シートクッションの長さを可変としたクッション長可変シートにおいて、
内部に注入される流体量に応じて膨張、収縮してクッション長を可変とするように第1流体袋を設け、
該第1流体袋がクッション長を長くするように膨張されたとき、前記第1流体袋が下方へ下がるのを抑制するように支持する支持体を備え、
前記支持体は、前記第1流体袋と同様の第2流体袋から成り、
該第2流体袋は、前記第1流体袋を下方から支えるようにし、且つ上方からの荷重に耐えるように、クッションフレームに対して固定されており、
クッションフレームの前端部に、前記第1流体袋及び第2流体袋を収納する袋室を形成するように前側板を設け、
該前側板の後面上部に前記第1流体袋の前端を固定し、クッションフレームの前端下部に前記第2流体袋の後端を固定し、
前記前側板とクッションフレームとの間には、前記袋室の前後長を短くするように常時付勢するばねを備え、
前記袋室を含めて前記前側板が、シートクッションの前端部を被う表皮材によって被われていることを特徴とするクッション長可変シート。
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