JP6197039B2 - ハイスループット多重検出用システム、装置及び方法 - Google Patents

ハイスループット多重検出用システム、装置及び方法 Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2012年8月24日に出願された米国仮特許出願第61/692,895号、及び2013年3月13日に出願された米国仮特許出願第61/779,299号に対する米国特許法第119条(e)による優先権に対する権利を有し、これらは全て、参照として全体が本明細書に組み込まれる。
連邦支援型研究又は開発に関する記載
本発明は、国立衛生研究所(NIH)により与えられた、NIH UO1 CA164252、NIH 4R00 CA136759、NIH U54CA143868、NIH RO1 GM084201、及びNIH U54 CA143798による政府の支援によりなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
サイトカイン、ケモカイン及び増殖因子を含む分泌タンパク質は、例えば、免疫系(Rothenberg, 2007 Nat.Immunol 8(5):441-4)、腫瘍微小環境(Hanahan and Weinberg, 2011, Cell 144(5):646-74)、又は幹細胞微小環境(Gnecchi et al., 2008, Circ.Res103(1):1204-19)において、様々な細胞挙動及び細胞−細胞パラクリン/オートクリンシグナル伝達を媒介する重要な機能的レギュレータを代表する。これらのタンパク質を検出することは、基礎的細胞生物学だけでなく、疾患の診断及び治療モニタリングにとっても大きな価値がある。しかし、多機能性と呼ばれる単一細胞由来の複数のエフェクタータンパク質の共生産のため、単一細胞レベルで、分泌されたタンパク質の一団、又はセクレトームの特徴を判断することは生物学的に有益である。更に、最近の証拠によれば、遺伝的に同一の細胞集団が多種多様の表現型の相違を生じ得ることが示された(Niepel et al., 2009, Curr Opin Chem Biol 13(5-6):556-561)。更に、細胞性免疫及び効果的な薬物治療の正確なモニタリングに対する潜在的なバリアとして非遺伝的不均一性も浮上してくる(Gascoigne and Taylor, 2008, Cancer Cell 14(2):111-22;Cohen et al., 2008, Science 322(5907):1511-6)。これは、プロテオームの特徴の単一細胞分析のための実用的な手段の必要性を示唆する。
蛍光活性化細胞分取(FACS)は、単一細胞の分析のための最新の技術を代表する(Sachs et al., 2005, Science 308(5721):523-9)。通常、FACSは細胞表面マーカーによって細胞表現型を検出し、選別するために使用される。FACSの使用は、小胞輸送を抑制することにより(Prussin, 1997, Clin Immunol 17(3):195-204)、細胞質内のサイトカインを含む、細胞内タンパク質の検出にまで拡張されている(Sachs et al., 2005, Science 308(5721):523-9;Kotecha et al., 2008, Cancer Cell 14(4):335-43;Irish et al., 2004, Cell 118(2):217-28)。しかし、細胞内サイトカイン染色法(ICS)は真の分泌解析ではなく、細胞の固定をも必要とし、これは、フローサイトメトリー分析のあとには細胞がもはや生存しておらず、更なる試験のために細胞を回収できないことを意味する。ICSの更なる欠点は、現在の能力12重化を超える正確な多重化を妨げるスペクトルの重複、細胞内染色抗体の非特異的結合の可能性である。今までの単一細胞分泌分析の中心は、免疫サンドイッチをベースとする試験法を用いて個々の細胞の分泌フットプリントを検出する標準的ELISA検出法を用いるプレートをベースとする細胞培養試験である、ELISpotと呼ばれる簡便なアプローチである(Sachdeva and Asthana, 2007, Front Biosci 12:4682-95)。免疫細胞を、一次抗体の層でプレコートしたマイクロタイタープレートに添加する。インキュベーション後、分泌したタンパク質を細胞の近位にある抗体で捕捉し、単一細胞分泌フットプリントを示すスポットを生じさせる(Stratov et al., 2004, Curr Drug Targets 5(l):71-88)。近年、タンパク質分泌フットプリントを可視化するための2種の蛍光色素を利用するFLUOROSpotと呼ばれるELISpotの変形は、同時の二重機能分析を可能にしたが、この技術は低い多重化能力に限定される。
細胞集団から分泌されたタンパク質の高度の多重化測定は、Illumina VeraCodeシステム(Henshall and Gorfain, 2007, Genet Eng Biotechnol News 27(17):1)等のコード化ビーズ試験法、又はピンスポット法を用いて製造された抗体マイクロアレイ(Chen et al., 2007, Nat Methods 4(5):437-44;Liotta et al., 2003, Cancer Cell 3(4):317-25)を用いて実施することができる。しかし、これらの高度の多重化技術では、単一細胞の測定を実施することができない。微細加工チップは、単一細胞分析技術の新しい範疇として現れた(Wang and Bodovitz, 2010, Trends Biotechnol 28(6):281-90
;Cheong et al., 2009, Sci Signal 2(75):pl2;Love et al., 2006, Nat Biotechnol 24(6):703-7;
Lee et al., 2012, Integr Biol(Camb)4(4):381-90;
Rowat et al., 2009, Proc Natl Acad Sci USA 106(43):18149-54;Lecault et al., 2011, Nat.Methods 8(7):581-6)。プロトタイプ型マイクロチップにより、多重化タンパク質分泌試験法の可能性が立証され、臨床診断及び治療モニタリングにおける単一細胞分泌プロファイリングの緊急の必要性を指摘する患者からの表現型が類似の免疫細胞におけるかなりの多機能不均一性が明らかになった(Shin et al., 2011, Biophys J 100(10):2378-86;Ma et al., 2011, Nat Med 17(6):738-43)。しかし、これらのマイクロチップは、十分な処理量又は多重性が不足し、又は洗練された操作を必要とし、細胞生物学及び細胞機能の臨床評価における広範な応用を妨げている。この方法では、単一細胞における高度な多重化タンパク質分析を実施することができない。例えば、これまで、単一細胞レベルでの分泌タンパク質のハイコンテント(>1000細胞)及び高多重化(>35タンパク質)測定を実施するのに有用な技術は存在していない。
したがって、単一細胞からの多数の化合物の多重分析のための装置及び方法が当該技術分野において必要である。本発明は、この未だ満たされていない要求を満たす。
本発明は、マイクロウェルアレイ及び捕捉剤アレイを含む、単一細胞由来の複数の化合物の多重検出用装置を含む。マイクロウェルアレイは、均一な配置で複数の個々のマイクロウェルを含み、複数の個々のマイクロウェルの少なくとも一部は50μmを超える長さを有し、単離された単一細胞をサブナノリットルの内容に含むように構成されている。捕捉剤アレイは、複数の固定化捕捉剤を含み、各固定化補足剤は複数の化合物の1種と特異的に結合する能力を有する。固定化捕捉剤は均一な捕捉剤のセット内に配置され、各捕捉剤のセットは空間的に同定可能な位置で複数の分離フィーチャを有し、各分離フィーチャは少なくとも1種の固定化捕捉剤を含む。マイクロウェルアレイ及び捕捉剤アレイは連結して複数の閉鎖インターフェースを形成し、各閉鎖インターフェースは、各マイクロウェルの内容物が少なくとも1つのセットの分離フィーチャの全てにアクセス可能であり、それによって固定化捕捉剤の全てにアクセス可能であるようにマイクロウェル及び捕捉剤のセットを含む。
一態様においては、複数の分離フィーチャのそれぞれは識別可能な空間的位置を有する。一態様においては、複数の分離フィーチャのそれぞれは、線、形及び点からなる群から選択されるフィーチャである。例えば、一態様においては、各分離フィーチャの形状は、他の全ての分離フィーチャの形状から識別可能である。
一態様においては、複数のマイクロウェルの少なくとも一部は、長さ約1〜2mm、及び深さ約5〜50μmの寸法を有する高いアスペクト比の長方形のウェルである。
一態様においては、複数の化合物が、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、細胞表面受容体、核酸、ホルモン、抗原及び増殖因子からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。一態様においては、複数の化合物は、マイクロウェル内に含まれる単一細胞から分泌される少なくとも1種のタンパク質を含む。
一態様においては、複数の捕捉剤は、抗体、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片及び核酸からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
一態様においては、少なくとも1種の分離フィーチャは1種以上の固定化捕捉剤を含み、分離フィーチャ内の各固定化捕捉剤は、異なる検出可能な標識を有する関連二次捕捉剤を有する。
一態様においては、各マイクロウェルが、約10〜2000μmの長さ、約10〜100μmの幅、及び約10〜100μmの深さを有する長方形である。
一態様においては、各捕捉剤のセットは約10〜100個の分離フィーチャを含み、各分離フィーチャは、1種の化合物と特異的に結合する少なくとも1種の固定化捕捉剤を含む。
一態様においては、各分離フィーチャは約25〜30μmの幅を有する。一態様においては、各分離フィーチャは、約50μm以上のピッチサイズに対して、約25μmの距離で同じセットの別の分離フィーチャから分離されている。
一態様においては、捕捉剤アレイは、10種超の異なる捕捉剤を含み、それによって10種超の異なる化合物の検出が可能である。一態様においては、捕捉剤アレイは、40種超の異なる捕捉剤を含み、それによって40種超の異なる化合物の検出が可能である。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、約200マイクロウェル/cm〜約20,000マイクロウェル/cmのマイクロウェル密度を有する。
また、本発明は以下を含む、単一細胞由来の複数の化合物の空間的符号化多重検出方法を含む。均一な配置における複数の個々のマイクロウェルを含むマイクロウェルアレイを供給すること;単一細胞を含むサブナノリットルの体積の流体が少なくとも1個のマイクロウェルに流入するように、マイクロウェルアレイの表面に流体を加えること;複数の固定化捕捉剤を含む捕捉剤アレイを供給することであって、各捕捉剤は複数の化合物の1種と特異的に結合可能であり、固定化捕捉剤は捕捉剤のセット内に配置され、各捕捉剤セットは空間的に同定可能な位置で複数の分離フィーチャを有し、各分離フィーチャは少なくとも1種の固定化捕捉剤を含む;及びマイクロウェルを捕捉剤アレイと接触させ、複数の閉鎖インターフェースを形成することであって、各閉鎖インターフェースは各マイクロウェル内の流体がセットの分離フィーチャの全てにアクセス可能であり、それによって固定化捕捉剤の全てにアクセス可能であるように、マイクロウェル及び捕捉剤のセットを含む。該方法は、更に複数の化合物が固定化捕捉剤に結合し、固定化捕捉剤−化合物複合体を形成することを可能にする適切な条件を供給すること;マイクロウェルアレイから捕捉剤アレイを除去すること;捕捉剤アレイを複数の標識化二次捕捉剤と接触させることであって、各標識化二次捕捉剤が、生成された固定化捕捉剤−化合物複合体と特異的に結合し、固定化捕捉剤−化合物−標識化二次捕捉剤複合体を形成すること;捕捉剤アレイ上の検出可能な標識の存在を検出すること;及び捕捉剤アレイ上の検出可能な標識の存在を、少なくとも1種の化合物の存在と関連づけることを含む。
一態様においては、複数の分離フィーチャのそれぞれは、線、形及び点からなる群から選択されるフィーチャである。例えば、一態様においては、各分離フィーチャの形状は他の全ての分離フィーチャの形状から識別可能である。
一態様においては、マイクロウェル表面に加えられた流体は細胞を含む。一態様においては、流体は、重力のみにより、個々のマイクロウェルに流入する。
一態様においては、複数の化合物は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、細胞表面受容体、核酸、ホルモン、抗原及び増殖因子からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。一態様においては、複数の化合物は、マイクロウェル内に含まれる単一細胞から分泌される少なくとも1種のタンパク質を含む。
一態様においては、複数の捕捉剤は、抗体、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片及び核酸からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
一態様においては、少なくとも1種の分離フィーチャが1種超の固定化捕捉剤を含み、分離フィーチャ内の各固定化捕捉剤が、異なる検出可能な標識を有する関連二次捕捉剤を有する。
一態様においては、各マイクロウェルは、約10〜2000μmの長さ、約10〜100μmの幅、及び約10〜100μmの深さを有する長方形である。
一態様においては、各捕捉剤のセットは約10〜100個の分離フィーチャを含み、各分離フィーチャは、1種の化合物と特異的に結合する少なくとも1種の固定化捕捉剤を含む。
一態様においては、各分離フィーチャは約25〜30μmの幅を有する。一態様においては、各分離フィーチャは、約25μmの距離で同じセットの別の分離フィーチャから分離されている。
一態様においては、捕捉剤アレイは、10種超の異なる捕捉剤を含み、それによって10種超の異なる化合物の検出が可能である。一態様においては、捕捉剤アレイは、40種超の異なる捕捉剤を含み、それによって40種超の異なる化合物の検出が可能である。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、約200マイクロウェル/cm〜約20,000マイクロウェル/cmのマイクロウェル密度を有する。
一態様においては、マイクロウェルアレイの表面に流体を加えることにより、単一細胞を含む、複数の個々のマイクロウェルが生成する。
一態様においては、捕捉剤アレイ上で検出される検出可能な標識の空間的位置は、複数の化合物の少なくとも1種の正体(identity)と、化合物が検出された個々のマイクロウェルと関連づけられる。一態様においては、捕捉剤アレイ上で検出される検出可能な標識の形状が、複数の化合物の少なくとも1種の正体と関連づけられる。一態様においては、捕捉剤アレイ上で検出される検出可能な標識のスペクトル特性が、複数の化合物の少なくとも1種の正体と関連づけられる。一態様においては、捕捉剤アレイ上で検出される検出可能な標識の空間的位置、及び検出される検出可能な標識のスペクトル特性は、複数の化合物の1種の正体と、化合物が検出された個々のマイクロウェルと関連づけられる。一態様においては、捕捉剤アレイ上で検出される検出可能な標識の空間的位置、検出される検出可能な標識の形状、及び検出される検出可能な標識のスペクトル特性は、複数の化合物の1種の正体と、化合物が検出された個々のマイクロウェルと関連づけられる。
一態様においては、方法は、試料内の複数の単一細胞の表現型を、単一細胞により分泌される5種以上の化合物を検出することによって試験する。
一態様においては、懸濁液をマイクロウェルアレイの表面に加えることにより、それぞれが単一細胞を含む複数の個々のマイクロウェルが生成し、それによって複数の単一細胞により分泌される化合物のハイスループット多重検出方法を提供する。
一態様においては、個々のマイクロウェル中に検出される化合物の組み合わせは、マイクロウェル中に含まれる単一細胞の表現型を示す。一態様においては、細胞の表現型が、がん細胞として細胞を定義する。一態様においては、細胞の表現型が、転移性のがん細胞として細胞を定義する。
一態様においては、細胞の表現型が、がん細胞の進行性を定義する。一態様においては、複数の単一細胞は免疫細胞の集団を含み、該方法は免疫細胞の不均一性を試験する。一態様においては、1種以上の単一細胞の表現型は、疾患の進行を示し、又は個々の疾患の段階を明らかにする。
また、本発明は、以下を含む、単一細胞由来の複数の化合物の空間的及びスペクトル的符号化多重検出方法を含む。均一な配置における複数の個々のマイクロウェルを含むマイクロウェルアレイを供給すること;単一細胞を含むサブナノリットルの体積の流体が少なくとも1個のマイクロウェルに流入するように、マイクロウェルアレイの表面に流体を加えること;複数の固定化捕捉剤を含む捕捉剤アレイを供給することであって、各捕捉剤は複数の化合物の1種と特異的に結合可能であり、固定化捕捉剤は捕捉剤のセット内に配置され、各捕捉剤セットは空間的に同定可能な位置で複数の分離フィーチャを有し、各分離フィーチャは1種超の固定化捕捉剤を含む;及びマイクロウェルアレイを捕捉剤アレイと接触させ、複数の閉鎖インターフェースを形成することであって、各閉鎖インターフェースは各マイクロウェル内の流体がセットの分離フィーチャの全てにアクセス可能であり、それによって固定化捕捉剤の全てにアクセス可能であるように、マイクロウェル及び捕捉剤のセットを含む。方法は、更に、複数の化合物が固定化捕捉剤に結合し、固定化捕捉剤−化合物複合体を形成することを可能にする適切な条件を供給すること;マイクロウェルアレイから捕捉剤アレイを除去すること;捕捉剤アレイを複数の標識化二次捕捉剤と接触させることであって、各二次捕捉剤が複数の検出可能な標識の1種で標識され、各二次捕捉剤が、分離フィーチャで固定化捕捉剤−化合物複合体と結合して固定化捕捉剤−化合物−二次捕捉剤複合体を形成し、分離フィーチャの固定化捕捉剤−化合物−二次捕捉剤複合体が、それぞれスペクトル的に異なる標識を有するように構成されていること;捕捉剤アレイ上で複数の検出可能な標識の存在を検出すること;及び捕捉剤アレイ上で検出される各検出可能な標識の空間的位置及びスペクトル特性を、少なくとも1種の化合物の存在と関連づけることを含む。
一態様においては、複数の分離フィーチャのそれぞれは、線、形、及び点からなる群から選択されるフィーチャである。例えば、一態様においては、各分離フィーチャの形状は、他の全ての分離フィーチャの形状から識別可能である。
一態様においては、マイクロウェルの表面に加えられる流体は細胞を含む。
一態様においては、流体は、重力のみにより、個々のマイクロウェルに流入する。
一態様においては、複数の化合物は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、細胞表面受容体、核酸、ホルモン、抗原及び増殖因子からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。一態様においては、複数の化合物は、マイクロウェル内に含まれる単一細胞から分泌される少なくとも1種のタンパク質を含む。
一態様においては、複数の捕捉剤は、抗体、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片及び核酸からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
一態様においては、少なくとも1種の分離フィーチャは1種超の固定化捕捉剤を含み、分離フィーチャ内の各固定化捕捉剤が、異なる検出可能な標識を有する関連二次捕捉剤を有する。
一態様においては、各マイクロウェルは、約10〜2000μmの長さ、約10〜100μmの幅、及び約10〜100μmの深さを有する長方形である。
一態様においては、各捕捉剤のセットは約10〜100個の分離フィーチャを含み、各分離フィーチャが、1種の化合物と特異的に結合する少なくとも1種の固定化捕捉剤を含む。
一態様においては、各分離フィーチャは、約25〜30μmの幅を有する。一態様においては、各分離フィーチャは、約25μmの距離で同じセットの別の分離フィーチャから分離されている。
一態様においては、捕捉剤アレイは、10種超の異なる捕捉剤を含み、それによって10種超の異なる化合物の検出が可能である。一態様においては、捕捉剤アレイは、40種超の異なる捕捉剤を含み、それによって40種超の異なる化合物の検出が可能である。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、約200マイクロウェル/cm〜約20,000マイクロウェル/cmのマイクロウェル密度を有する。
一態様においては、マイクロウェルアレイの表面に流体を加えることにより、単一細胞を含む、複数の個々のマイクロウェルが生成する。
一態様においては、捕捉剤アレイ上で検出される検出可能な標識の空間的位置、及び検出される検出可能な標識のスペクトル特性は、複数の化合物の1種の正体と、化合物が検出された個々のマイクロウェルと関連づけられる。一態様においては、捕捉剤アレイ上で検出される検出可能な標識の空間的位置、検出される検出可能な標識の形状、及び検出される検出可能な標識のスペクトル特性は、複数の化合物の1種の正体と、化合物が検出された個々のマイクロウェルと関連づけられる。
一態様においては、方法は、試料内の複数の単一細胞の表現型を、単一細胞により分泌される5種以上の化合物を検出することによって試験する。
一態様においては、懸濁液をマイクロウェルアレイの表面に加えることにより、それぞれが単一細胞を含む複数の個々のマイクロウェルが生成し、それによって複数の単一細胞により分泌される化合物のハイスループット多重検出方法を提供する。
一態様においては、個々のマイクロウェル中に検出される化合物の組み合わせは、マイクロウェル中に含まれる単一細胞の表現型を示す。一態様においては、細胞の表現型が、がん細胞として細胞を定義する。一態様においては、細胞の表現型が、転移性のがん細胞として細胞を定義する。一態様においては、細胞の表現型が、がん細胞の進行性を定義する。
一態様においては、複数の単一細胞は免疫細胞の集団を含み、該方法は免疫細胞の不均一性を試験する。一態様においては、1種以上の単一細胞の表現型は、疾患の進行を示し、又は個々の疾患の段階を明らかにする。
また、本発明は、マイクロウェルアレイ及び捕捉剤アレイを含む装置と、複数の二次捕捉剤とを含む、単一細胞由来の複数の化合物の多重検出用システムを含む。マイクロウェルアレイは均一な配置で複数の個々のマイクロウェルを含み、複数の個々のマイクロウェルの少なくとも一部が、サブナノリットルの内容に単一細胞を含むように構成されている。捕捉剤アレイは複数の固定化捕捉剤を含み、各固定化補足剤は複数の化合物の1種と特異的に結合する能力を有し、固定化捕捉剤は均一な捕捉剤のセット内に配置され、各捕捉剤のセットは空間的に同定可能な位置で複数の分離フィーチャを有し、各分離フィーチャは少なくとも1種の固定化捕捉剤を含む。マイクロアレイ及び捕捉剤アレイが連結して複数の閉鎖インターフェースを形成し、各閉鎖インターフェースは、各マイクロウェルの内容物が少なくとも1つのセットの分離フィーチャの全てにアクセス可能であり、それによって固定化捕捉剤の全てにアクセス可能なようにマイクロウェル及び捕捉剤のセットを含む。各二次捕捉剤は検出可能な標識を含み、複数の化合物の1つの化合物を複数の固定化捕捉剤の1つの固定化捕捉剤と結合させることにより、分離フィーチャで形成した固定化捕捉剤−化合物複合体と結合するように構成されている。
一態様においては、複数の分離フィーチャのそれぞれは識別可能な空間的位置を有する。一態様においては、複数の分離フィーチャのそれぞれは、線、形及び点からなる群から選択されるフィーチャである。例えば、一態様においては、各分離フィーチャは、他の全ての分離フィーチャの形状から識別可能である。
一態様においては、複数のマイクロウェルの少なくとも一部は、長さ約1〜2mm、及び深さ約5〜50μmの寸法を有する高いアスペクト比の長方形のウェルである。
一態様においては、複数の化合物が、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、細胞表面受容体、核酸、ホルモン、抗原及び増殖因子からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。一態様においては、複数の化合物は、マイクロウェル内に含まれる単一細胞から分泌される少なくとも1種のタンパク質を含む。
一態様においては、複数の捕捉剤は、抗体、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片及び核酸からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
一態様においては、少なくとも1種の分離フィーチャは1種以上の固定化捕捉剤を含み、分離フィーチャ内の各固定化捕捉剤は、異なる検出可能な標識を有する関連二次捕捉剤を有する。
一態様においては、各マイクロウェルが、約10〜2000μmの長さ、約10〜100μmの幅、及び約10〜100μmの深さを有する長方形である。
一態様においては、各捕捉剤のセットは約10〜100個の分離フィーチャを含み、各分離フィーチャは、1種の化合物と特異的に結合する少なくとも1種の固定化捕捉剤を含む。
一態様においては、各分離フィーチャは約25〜30μmの幅を有する。一態様においては、各分離フィーチャは、約50μm以上のピッチサイズに対して、約25μmの距離で同じセットの別の分離フィーチャから分離されている。
一態様においては、捕捉剤アレイは、10種超の異なる捕捉剤を含み、それによって10種超の異なる化合物の検出が可能である。一態様においては、捕捉剤アレイは、40種超の異なる捕捉剤を含み、それによって40種超の異なる化合物の検出が可能である。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、約200マイクロウェル/cm〜約20,000マイクロウェル/cmのマイクロウェル密度を有する。
一態様においては、検出可能な標識が、蛍光標識、放射性標識、強磁性標識、常磁性標識、発光標識、電気化学発光標識、リン光標識及び呈色標識からなる群から選択される。
一態様においては、複数の二次捕捉剤のそれぞれが、同じ検出可能な標識を含む。
一態様においては、各二次捕捉剤が複数の検出可能な標識の1種で標識され、各二次捕捉剤が、分離フィーチャで固定化捕捉剤−化合物複合体と結合して固定化捕捉剤−化合物−二次捕捉剤複合体を形成し、分離フィーチャの固定化捕捉剤−化合物−二次捕捉剤複合体が、それぞれスペクトル的に異なる標識を有するように構成されている。
以下の本発明の好ましい態様の詳細な説明は、添付した図面と組み合わせて読む場合に、より理解できるであろう。本発明の説明の目的のため、現時点で好ましい態様を図面に示す。しかし、本発明は、図面に示した態様の正確な配置及び手段に限定されないことを理解すべきである。
図1A〜図1Cを含む図1は、例示的なハイスループットの多重単一細胞セクレトーム試験の構造を示す一連の画像である。図1Aは、単一細胞のレベルにおける、ハイスループット多重タンパク質分泌試験用の高密度捕捉剤アレイチップ及びサブナノリットルマイクロチャンバーアレイの組み合わせを示す略図を示す。図1Bは、全体の捕捉剤マイクロアレイにわたるタンパク質積載の高い均一性を示す、スキャンした蛍光画像である(1in.×2in.)。この試験では、蛍光標識したウシ血清アルブミン(FITC−BSA)を使用した。図1Cは、自動化された、電動式位相差顕微鏡によって収集された多数の個々の画像から作成した写真である。ともに、この写真は、ヒト免疫細胞(U973)を積載した、全体のサブナノリットルマイクロチャンバーチップを包含する。スケールバーは2mm。最初の拡大した画像は、マイクロチャンバーアレイのカラムを示す(スケールバーは300μm)。2つ目の拡大した画像は、マイクロチャンバーに積載した個々の細胞を示す(スケールバーは50μm)。
図2A及び図2Bを含む図2は、本発明の典型的な装置で試験した典型的なタンパク質パネルを示す。図2Aは、単一細胞マイクロチップ中で試験した全部で22種のタンパク質のリスト及びヒト生理学におけるそれらの機能である。図2Bは、組み換えタンパク質を用いて得られた一連の滴定曲線である。合計18種の抗体対を検証し、使用できる組換え体が存在しないため、他の4種は滴定曲線において除外した。蛍光強度は、各タンパク質について16スポットからの平均されたオリジナルの光子カウントを表す。エラーバーは、3×SDを示す。
図3A〜図3Dを含む図3は、U87細胞株による単一細胞セクレトーム解析の結果を示す一連の画像である。図3Aは、単一細胞セクレトーム測定の生データを示す、スキャンされた画像の代表的領域を示す画像である。右側の3個のサブパネルは、16個のマイクロチャンバーについての、光学顕微鏡写真、蛍光画像、及びオーバーレイである。図3Bは、1278個の単一細胞(U87)から分泌された14種のタンパク質のプロファイルを示すヒートマップを示す。各行は単一細胞であり、各カラムは対象のタンパク質に対応する。図3Cは、マイクロチャンバー内の細胞数に対する6種の選択したタンパク質(FGF、VEGF、MIF、IL−6、IL−8、MCP−1)について測定した蛍光強度を示す一連の散布図である(P<0.05,**P<0.01,***P<0.001)。図3Dは、U87細胞株についての集団動力学を示す。対照(MEM培地)、異なる時点(0時間、1時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、24時間)において、集団からの分泌上清。
図4A〜図4Dを含む図4は、A549細胞についてタンパク質分泌プロファイルと細胞遊走との相関関係を証明する実験の結果を示す一連の画像である。図4Aは、タンパク質分泌試験の前(0時間)及び後(24時間)の3種の単一細胞(n=384)を示す代表的な光学的画像を示す画像である。図4Bは、個々の細胞の遊走距離に対するIL−8の分泌に対応する蛍光強度を示す散布図である(P<0.05)。図4Cは、MCP−1における同様の分析を示す散布図である(P=0.14)。図4Dは、IL−6における同様の分析を示す散布図である(P=0.75)。各ドットは単一細胞を表す。
図5A〜図5Eを含む図5は、患者由来の原発性腫瘍の単一細胞セクレトーム解析を示す一連の画像である。図5Aは、組織試料の処理、単一細胞懸濁液の調製、一次細胞のサブナノリットルマイクロチャンバーアレイチップへの適用のための手順についての模式図を示す。図5Bは、患者1についてスキャンした画像の代表的領域を示す。図5C及び図5Dは、それぞれ2名の患者(患者1及び2)由来の原発性腫瘍細胞の単一細胞セクレトームの特徴を示すヒートマップを示す。データは、教師なしの階層クラスタリング分析の結果として表す。図5Eは、単一細胞におけるタンパク質−タンパク質相関を示す一連の散布図マトリクスである。各サブパネルは、測定した全ての単一細胞における他のタンパク質に対するタンパク質のレベルを示す散布図である。タンパク質は、対角線に示す。相関係数は、線形回帰分析により、Rとして計算する。全体のマトリクスは、赤(正の相関)及び青(負の相関)により色分けする。色の強さは、R値に比例している。
図6は、例示的な完全な単一細胞セクレトーム解析装置の構成を示す一連の画像である。高密度抗体アレイスライドグラス及び5440個のマイクロチャンバーPDMSスラブを、加えられたばね力によって、クランプを含む装置筐体システムを使用して二枚の透明板と一緒に固定した。
図7は、捕捉剤アレイの全体のチップの均一性の評価を示すグラフである。フローパターン型のポリ−L−リジンスライド(3cm×2cm)の蛍光強度の定量化により、固定化タンパク質(FITC−BSA)の優れた均一性が明らかになり、これにより、単一細胞の不均一性を評価するための、この高密度アレイ技術の有効性が保証される。
図8は、全体のマイクロチップにわたる、細胞数の分布を示すグラフである。種々の量の細胞懸濁液(細胞密度:10細胞/mL)を使用して4回の実験を行った。
図9A〜図9Cを含む図9は、U937細胞株による単一細胞セクレトーム解析を示す一連の画像である。図9Aは、単一細胞セクレトーム測定の生データを示す、スキャンを行った画像の代表的領域を示す画像である。右側の3つのサブパネルは、14個のマイクロチャンバーについての光学顕微鏡写真、蛍光画像及びオーバーレイである。図9Bは、551個の単一細胞(U937)から分泌された14種のタンパク質のプロファイルを示すヒートマップである。各行は単一細胞であり、各カラムは関心のあるタンパク質に対応する。図9Cは、マイクロチャンバー内の細胞数に対する4種の選択したタンパク質(IL8、MCP−1、RANTES及びTNFa)について測定した蛍光強度を示す一対の散布図である。細胞は、20μg/mLのPMAを用いてマクロファージに分化するように刺激され、1mg/mLのLPSを投与され、分泌分析のためのマイクロチップに乗せる直前に、活性化された。
図10は、U87細胞株を用いたチャンバーから分泌された14種のタンパク質のプロファイルを示すヒートマップである。各列は単一細胞であり、各カラムは関心のあるタンパク質に対応する。0個の細胞(n=1821)、単一細胞(n=1278)、2個の細胞(n=544)、3個の細胞(n=214)、4個の細胞(n=100)、及び5個の細胞(n=35)。
図11は、U87細胞株についての細胞集団動態を示すグラフである。対照(MEM培地)、異なる時点(0時間、1時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、24時間)における集団からの分泌上清。
図12は、平均を示す画像である。バルクパターンに近づいて行く、単一細胞プラットホーム内のU87細胞の平均シグナル(上)、及びU87細胞の24時間バルク分泌プロファイル(下)。
図13は、U937集団の分泌を測定した対照実験の結果を示す一連の画像である。大量のU937細胞から分泌されたタンパク質を、従来の抗体マイクロアレイにより測定した(上のパネル)。23種全てのタンパク質の定量を、下のパネルに示す。
図14は、刺激なしで、その基底レベルにおける1個のA549細胞のタンパク質分泌プロファイルを示すヒートマップである。
図15は、A549の細胞集団の分泌を測定した対照実験の結果を示す一連の画像である。大量のA549細胞から分泌されたタンパク質を、従来の抗体マイクロアレイにより測定した(上のパネル)。23種全てのタンパク質の定量結果を、下のパネルに示す。
図16は、A549単一細胞の遊走距離と、その対応するタンパク質分泌シグナルとの相関を示すヒートマップである。
図17は、患者1由来の試料で測定した個々のタンパク質の一連のヒストグラムプロットである。
図18は、患者2由来の8種の選択されたタンパク質について測定した蛍光強度を示す一連の散布図である。(FGF、IL−6、IL−8、MCP−1、MIF、PDGF、RANTES、TNF−a)
図19は、転移性髄膜種の患者番号3由来の試料における単一細胞タンパク質分泌プロファイルを示すヒートマップである。
図20は、患者3から得られた単一細胞分泌データについての一連の散布図及びタンパク質相関分析である。
図21は、本発明の典型的な装置を示す一連の画像である。
図22は、本発明の典型的なマイクロウェルアレイ及び捕捉プローブアレイを示す概略図である。
図23A及び図23Bを含む図23は、本発明の典型的な分離フィーチャを示す一連の概略図である。図23Aは、分離フィーチャの典型的なセットを示す。フィーチャは、ラインあたり25ミクロンと見つもられ、非平行ラインセットあたり50ミクロンのピッチサイズを実現するために25ミクロンの間隔を有している。図23Bは、異なる形状を有するフィーチャを有する、本発明の典型的な分離フィーチャを示す概略図である。
図24は、超高密度抗体マイクロアレイを示す一連の画像である。各マイクロウェルの形状は変化する場合があり(例えば、四角形対ひし形の形状)、このアレイは、単一細胞多重タンパク質プロファイリングを実施するために、単一細胞マイクロウェル捕捉チップとインターフェース形成し得る。このアレイは、クロスフローパターニング技術により製造され、マイクロスポッティング及びインジェクトプリンティング等のマイクロスケールの印刷技術により製造することもできる。
図25は、個々のマイクロウェル内の細胞の検出(下の右側)、及び関心のある特定の化合物の存在の検出(下の中央)を示す一連の画像である。
図26は、本発明の装置を用いた、45重のサイトカイン、ケモカイン、及び細胞外タンパク質(例えば、増殖因子)の3色スペクトル検出の相関マップ分析である。
図27は、本発明の単一細胞化合物単一細胞試験の捕捉の、空間的及びスペクトル(すなわち、蛍光比色分析)符号化を提供するための3種の異なる一次抗体及びそれぞれ異なる蛍光標識で標識された、3種の異なる検出抗体の使用を示す図である。
図28は、抗体アレイの同一の視野における3種の異なる検出可能な標識の画像化を示す一連の画像であり、アレイのスペクトル的符号化、及び多くの化合物の多重検出の能力を証明する。
図29は、多数の異なる検出可能な標識を用いる装置の画像化の均一性を示す一連の画像である。スキャンした蛍光画像(混合及び分離)は、ポリ−L−リジンスライドグラスにおける、多重抗体共固定化の結果を示す。挿入図は、捕捉剤スライド全体にわたる、タンパク質コーティングの高い均一性を示す(領域中、1インチ×2においてC.V.<5%)。本試験では、蛍光標識ウシ血清アルブミン(それぞれ、488−BSA、532−BSA、647−BSA)を使用した。
図30は、14の空間的位置(ライン)及び位置あたり3色を用いた、42種の異なるサイトカイン、細胞外タンパク質、増殖因子及び抗原の典型的パネルの表である。
捕捉剤の示された非交差性によって、試験の特異性を示す実験の結果を示す。EGFのみを含む試料は、EGFに相当する位置/波長の組み合わせにおいてのみ、蛍光の存在をもたらす。
図32A〜図32Cを含む図32は、488群(図32A)、532群(図32B)、及び635群(図32C)の化合物群について組換えタンパク質を用いて得られた一連の検量線である。これらの曲線は、検出強度に基づき、試料中の各サイトカイン濃度を定量するために使用することができる。
図33は、本発明のスペクトル試験を用いて、488nmの画像化した波長から得られた生データを示す。
図34は、本発明のスペクトル試験を用いて、532nmの画像化した波長から得られた生データを示す。
図35は、本発明のスペクトル試験を用いて、635nmの画像化した波長から得られた生データを示す。
図36は、本発明のスペクトル試験を用いて、488nm、532nm及び635nmの画像化した波長から得られた、生データの組み合わせを示す。
図37は、細胞集団に基づくマイクロELISAを用いた、サイトカイン検出の生データを示す。
図38は、細胞集団に基づくマイクロELISAと、本発明の単一細胞試験との比較を示すグラフである。
図39は、LPS(100ng/mL)で刺激した細胞に対する非刺激細胞の単一細胞分泌を比較する45重の単一細胞試験を用いた実験の結果を示す。データは、平均化したシグナルのヒストグラム(上)、ヒートマップ(中央)及び2d棒グラフ(下)として示される。
図40は、本発明の単一細胞試験(SCMA)を、非刺激(対照)及びLPS刺激細胞中のサイトカイン検出について細胞内サイトカイン染色(ICS)と比較した表である。
図41は、本発明の単一細胞試験(SCMA)を、非刺激(対照)及びLPS刺激細胞中のサイトカイン検出について細胞内サイトカイン染色(ICS)と比較したグラフである。
図42は、対照及び刺激細胞について、本発明の単一細胞試験により測定された、細胞あたりの分泌されたサイトカインの数を示すことにより、細胞の多機能性を示す一連のグラフである。
図43は、45重の単一細胞タンパク質分泌プロファイリングシステムの作業の流れの説明を示す。
図44A〜図44Dを含む図44は、45重のタンパク質分泌プロファイリングプラットホームにおけるU937マクロファージ単一細胞の結果を実証する実験の結果を示す。図44Aは、U937に由来するマクロファージ単一細胞タンパク質分泌の結果の、集団細胞の分泌の結果との比較を示す。図44Bは、単一細胞分泌プラットホーム及びICS(細胞内サイトカイン染色)から得られるタンパク質分泌頻度の比較を示す。図44Cは、SCMA(左側)及びICS(右側)の両方によって、IL−8及びMCP−1タンパク質分泌の結果により定義される類似の細胞亜集団の定義を示す一連のグラフである。図44Dは、U937マクロファージ単一細胞のタンパク質分泌試験の結果に基づく、マクロファージ単一細胞の多機能性分析を示す。
図45A〜図45Cを含む図45は、TLR4リガンドLPS刺激によるマクロファージ応答を証明する実験の結果を示す。図45Aは、未処理及びLPSで刺激したU937単球由来マクロファージのタンパク質分泌プロファイルの比較を示すヒートマップを示す。図45Bは、VISNEによる単一細胞分泌の結果の可視化を示す。図45Cは、VISNEによる個々のタンパク質(MIF、IL−8、MCP−1、RANTES、MIP−1a、MIP−1b)の分泌の結果の可視化を示す。
図46A〜図46Dを含む図46は、異なるTLRリガンド(LPS、PAM3、ポリIC)刺激によるマクロファージ応答を示す実験の結果を示す。図46Aは、未処理及び刺激(LPS、PAM3、ポリIC)U937単球由来マクロファージのタンパク質分泌プロファイルの比較を示すヒートマップを示す。図46Bは、種々の刺激下に個々の任意のタンパク質を分泌するU937マクロファージ細胞の頻度を示すヒートマップを示す。図46Cは、VISNEによる単一細胞の結果の可視化を示す。図46Dは、VISNEによる個々のタンパク質(MIF、IL−8、MCP−1、MIP−1b)分泌の結果の可視化を示す。
図47A及び図47Bを含む図47は、Alexa fluor488及び532コンジュゲート間の補正を調査した実験からの結果を示す。図47A:BSTと結合したAlexa fluor488を、ポリ−L−リジンスライドグラスにスポットした。488チャンネルシグナル及び532チャンネルシグナルは、相互間の良好かつ安定な相関を示し(Rは約98%)、補正式を抽出することができる。図47B:BSAと結合したAlexa fluor532についての532チャンネルからの現実のシグナル及び488チャンネルからのクロストーク間の相関性。
図48は、PMA(50ng/mL)で48時間分化したU937単球のマクロファージマーカーCD11b(FL4)及びCD14(FL2)による特徴づけを示す一連のグラフである。
図49は、種々の基板からのU937単球由来マクロファージ集団細胞のタンパク質分泌の結果を、それぞれ96ウェルプレート、5:1、10:1、20:1比のPDMSで比較した実験結果を示すグラフである。結果は、IL−8、MCP−1、IL−6等の高レベル分泌タンパク質及びIL−la、IL−3、IL−4等の低レベル分泌タンパク質の両方の種々の基板における変化の類似の倍数を示す。
図50は、0個の細胞、単一細胞、2個の細胞及び複数の細胞(3を超える)を含む種々の細胞数からの分泌結果を示す、代表的な全体のマイクロチップヒートマップ(1つの実験からの)である。各行は単一細胞であり、各カラムは対象のタンパク質に対応する。0個の細胞のマイクロチャンバーからのシグナルは、正の分泌のための閾値(平均シグナル+標準偏差の2倍)として使用することができる。
図51A及び図51Bを含む図51は、U937単球に由来するマクロファージ単一細胞タンパク質の並行する2個のチップからの分泌の比較を示す一連のグラフである。図51A:これら2個のチップからの単一細胞シグナル対0個の細胞シグナルの比は非常に類似している。図51B:これら2個のチップからの単一細胞分泌シグナル比は1にきわめて近い。
図52は、U937マクロファージタンパク質分泌(例として、IL−8、MCP−1、MIP−1b、MIF)と細胞数(0、1、2、3・・・・)との相関関係を示す一連のグラフである。
図53A及び図53Bを含む図53は、U937マクロファージ(対照及びLPS刺激)の多機能分析の結果を示す。図53Aは、様々な数のタンパク質が分泌されることを証明する棒グラフ及び折れ線グラフを示す。図53Bは、様々な範囲のタンパク質を分泌する細胞の割合を示す一連の円グラフを示す。
図54は、VISNE及びクラスターの結果の比較を示す。未処理及びLPSで刺激したU937単一細胞を、そのタンパク質分泌パターンに基づいてそれらの2種の方法により3つの亜集団に分類することができる。
図55A及び図55Bを含む図55は、0〜48時間のU937マクロファージタンパク質分泌動態を示す一連のグラフである。図55A:対照;図55B:LPSで刺激。結果は、異なるタンパク質が、選択した刺激条件下で、種々の分析の時点で、異なる分泌動態を有することを示す。
図56A〜図56Fを含む図56は、100ng/mLのLPSによる刺激の前(未処理)及び後のU937由来マクロファージタンパク質分泌プロファイルを示す実験結果を示す。図56A:刺激前後の全ての同一の細胞。図56B:刺激前後の同一の単一細胞の比較。図56C〜図56E:IL−8(処置前及び後)とIL−6、IL−10、TNF−8の関係を示す散布図。図56F:LPS刺激前後の同一細胞からのIL−8、MCP−1、Rantes、MMP−9の変化。
図57は、CyTOF(登録商標) Mass Cytometerシステムと本発明の単一細胞多重アレイ(Isoplexis)の比較を示す。
本発明は、全体としてハイスループット単一細胞解析システム、装置及び方法に関する。一態様においては、本発明は、単一細胞由来の多種類の化合物の存在を定量的に検出するために使用される。例えば、一態様においては、本発明は、単一細胞から分泌された化合物の多重検出のために使用される。特定の態様においては、本発明は、単一細胞由来のケモカイン、サイトカイン、増殖因子及び抗原等の分泌されたタンパク質の多重検出を可能にする。単一細胞から分泌された化合物を分析する能力は、細胞集団内の細胞の表現型の変動の評価を可能にする。更に、本発明は、集団内の表現型的にまで及び/又は潜在的に有害な細胞型を確認するための有効なメカニズムを提供する。そうでないと、その活性は、従来の集団を基準とする試験では隠れてしまうであろう。一態様においては、本発明の装置は、別個の成分:(1)高密度サブナノリットルマイクロウェルアレイ、及び(2)高密度捕捉剤アレイを含む基板を含むマイクロチップである。一態様においては、本発明は、化合物捕捉の空間的及びスペクトル的符号化を使用する。
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法及び材料を記載する。
本明細書で用いられる場合、以下の各用語は、この節でそれと関連する意味を有する。
「a」及び「an」は、本明細書において、冠詞の文法的な対象の1又は1(すなわち、少なくとも1)を意味するために使用される。例として、「要素」は、1個の要素又は1個超の要素を意味する。
量、時間等の測定可能な値を意味する場合に本明細書で用いられる場合、「約」は、記載の値から±20%又は±10%、より好ましくは±5%、更に好ましくは±1%、更により好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味し、このような変動は、開示された方法を実施するために妥当である。
本明細書で用いられる場合、「抗体」という用語は、抗原上で特定のエピトープと特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を意味する。抗体は、天然源又は組換え源由来の完全な免疫グロブリンであってもよく、完全な免疫グロブリンの免疫活性部分であってもよい。抗体は、通常は免疫グロブリン分子の四量体である。本発明の抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fv、Fab及びF(ab)、並びに一本鎖抗体及びヒト化抗体を含む種々の形態(Harlow et al.,1988;Houston et al.,1988;Bird et al.,1988)で存在していてもよい。
本明細書で用いられる場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチド鎖として定義される。更に、核酸はヌクレオチドのポリマーである。従って、本明細書で用いられる場合、核酸及びポリヌクレオチドは交換可能である。当業者は、核酸が、単量体の「ヌクレオチド」に加水分解され得るポリヌクレオチドであるという一般知識を有している。単量体ヌクレオチドはヌクレオシドに加水分解され得る。本明細書で用いられる場合、ポリヌクレオチドとしては、通常のクローニング技術及びPCR(商標)等を用いる組換え手段、すなわち、組換えライブラリー又は細胞ゲノム由来の核酸配列のクローニング、並びに合成手段を含むが、これらに限定されない任意の当分野で利用可能な方法によって得られる全核酸配列が挙げられるが、限定されない。
本明細書で用いられる場合、「ポリペプチド」という用語は、通常、定義された配列を有するアミノ酸残基の鎖として定義される。本明細書で用いられる場合、ポリペプチドという用語は、「ペプチド」及び「タンパク質」という用語について相互に包括的である。
本明細書で用いられる場合、「特異的に結合する」という用語は、捕捉剤が特定の化合物を認識するが、試料中の他の化合物を実質的に認識しないか結合しないことを意味する。例えば、1つの種由来の抗原と特異的に結合する抗体は、1種以上の種由来の抗原とも結合する可能性がある。しかし、このような異種間の反応性は、それ自体が特異的という抗体の分類を変更しない。他の例においては、抗原と特異的に結合する抗体は、異なるアレル型の抗原と結合することもできる。しかし、このような交差反応性は、それ自体が特異的という抗体の分類を変更しない。ある例においては、「特異的な結合」又は「特異的に結合」という用語は、抗体、タンパク質又はペプチドと第2の化学種との相互作用に関して使用することができ、この相互作用が、化学種における特定の構造(例えば、抗原決定基又はエピトープ)の存在に依存することを意味する。例えば、抗体はタンパク質全般でなく特定のタンパク質構造を認識して結合する。抗体がエピトープ「A」に特異的であるなら、エピトープAを含む分子(又は遊離の非標識のA)の存在は、標識された「A」及び抗体を含む反応において、抗体に結合する標識されたAの量を減少させるであろう。
本明細書で用いられる場合、「分離フィーチャ」又は「フィーチャ」は、本明細書に記載される捕捉剤のセット内に見られる識別可能な要素を意味する。特定の態様においては、分離フィーチャは、連続ライン、非連続ライン、ドット、四角形、三角形、若しくは他の識別可能な形状、又は形状の組み合わせである。上記形状は、捕捉剤のセットが分離フィーチャの再現可能な数及び配置を含むいずれであってもよい。
本明細書で用いられる場合、「インターフェース」は、本明細書に記載される1個のマイクロウェル及び捕捉剤のセットを含むユニットを意味する。インターフェースは、本発明のマイクロウェルアレイと捕捉剤アレイとが、一定の繰り返されるパターンで一緒に接触したときに形成される。
範囲:本明細書の開示の全体にわたって、本発明の種々の側面は、範囲形式で示すことができる。範囲形式での記載は単に便宜上及び簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は範囲内の全ての可能な部分的範囲、並びに個々の数値を具体的に開示したものと考えるべきである。例えば、1〜6の範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等の部分的範囲、並びにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3及び6を特に開示していると考えるべきである。これは、範囲の広さにかかわらず適用される。
説明
本発明は、全体としてハイスループット単一細胞分析のためのシステム、装置及び方法に関する。特定の態様においては、本発明は、単一細胞から分泌される多くの種類の化合物の定量的多重検出に使用される。本発明は、そうでないと、従来の集団を基準とする試験では隠れてしまう、細胞集団内の単一細胞の表現型を特定するための有効なメカニズムを提供する。例えば、本発明は、表現型的にまれな、又は診断的に価値がある単一細胞の特定を可能にする。一態様においては、本発明は、刺激又は負荷により、単一細胞の多機能性の特定及び定量を可能にする。特定の態様においては、本発明は、細胞集団中の潜在的に有害な単一細胞の特定を可能にする。単一細胞から分泌される化合物を分析する能力により、細胞集団中の細胞の表現型の可変性の評価が可能になる。
一態様においては、本発明の装置は、2種の別個の成分:(1)高密度サブナノリットルのマイクロウェルアレイ、及び(2)高密度捕捉剤アレイを含む基板を含むマイクロチップである。
捕捉剤アレイは、複数の捕捉剤から構成され、各捕捉剤は、関心のある化合物を特異的に認識する。捕捉剤は、基板に沿って異なる分離フィーチャ内に配置され、本明細書で「空間的符号化」と記載されているように、種々の捕捉剤間に空間的差異をもたらしている。例えば、一態様においては、捕捉剤アレイは、複数のラインから構成され、各ラインは1種以上の特異的捕捉剤から構成される。一態様においては、捕捉剤アレイは、分離フィーチャのセットの繰り返しを含み、各セットは複数の捕捉剤の全てを含むのに必要なフィーチャの全てを含む。本明細書の他の場所で記載されているように、本発明の装置は、5〜100種の異なる化合物の検出及び定量を可能にする。したがって、本発明の捕捉剤アレイは5〜100種の捕捉剤を含み、それぞれは、関心のある1種の化合物に特異的である。特定の態様においては、本発明の捕捉剤は、関心のある分泌タンパク質と特異的に結合する。一態様においては、本発明の捕捉剤は、1個のマイクロウェル内に捕捉される関心のある、45種のタンパク質又は抗原の1種と特異的に結合する。
本発明の多重能力は、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、20以上、40以上、50以上、100以上のような化合物の検出を可能にする。例えば、本明細書の他の場所に記載されているように、本発明によって提供される空間的及びスペクトル符号化は、非常に多くの種々の化合物を検出する能力を可能にする。
本明細書に記載の説明は、1種又は1種超の捕捉剤を含むフィーチャについて説明しているが、これは、フィーチャが捕捉剤の1分子を有することを意味しないことに留意すべきである。どちらかといえば、当業者は、固定化捕捉剤を含むフィーチャは、フィーチャがいくつかの数又は濃度の特定の捕捉剤を含むことを記載していることを理解するであろう。更に、3種の捕捉剤を含むフィーチャは、フィーチャがいくつかの数又は濃度の3種の特異的捕捉剤を含むことを意味する。
マイクロウェルアレイは、複数のサブナノリッターサイズのマイクロウェルから構成され、それぞれは単一細胞を収容するように構成されている。各マイクロウェルは、単一細胞の拘束を可能にし、ある態様においては、単一細胞によって分泌した分泌化合物をマイクロウェルに拘束する。それによって、本発明のマイクロウェルは、分泌された、特に拘束された単一細胞によって分泌されたタンパク質の分析を可能にする。
本発明の装置は、捕捉剤アレイと接続されたマイクロウェルアレイを含み、各マイクロウェルと、捕捉剤アレイ上に配置された一式の捕捉剤との間にインターフェースを形成している。特定の態様においては、マイクロウェル内に収容された単一細胞から分泌された化合物は、捕捉剤アレイ上の捕捉剤と特異的に結合する。その後、結合したタンパク質は、例えば、サンドイッチELISAにおいて、一群の標識された二次捕捉剤を使用することにより可視化される。
特定の態様においては、結合した化合物は、二次捕捉剤を用いて可視化される。一態様においては、結合した化合物は、本明細書の他の場所で記載されているように、本明細書において「スペクトルの符号化」と呼ばれる、特定のライン又はフィーチャに結合するようになっている1種以上の別々に標識された二次捕捉剤により、一群の標識化された二次捕捉剤を使用して可視化される。
一態様においては、本発明の装置は、関心のある各化合物の存在又は非存在を決定するために複数の分離フィーチャの空間的位置又は形状を使用する多重試験を可能にする。例えば、特定の空間的位置で及び/又は識別可能なフィーチャ内で検出可能な標識を観察することにより(標識された二次検出試薬の結合を通して)、特定の化合物の存在に関する情報が提供される。
他の態様においては、本発明の装置は、識別可能な空間的フィーチャ、並びに該フィーチャにおける選択された標識の色が、関心のある各化合物の存在又は非存在を決定する、多重の空間的及びスペクトル試験を可能にする。
例えば、特定の態様においては、各フィーチャは、1個超の捕捉剤から構成され、それぞれは異なる色の標識に対応する。例えば、一態様においては、試験は、m×n種の関心のある化合物の検出を可能にする。ここで、mは識別可能な分離フィーチャの数に等しく、nはフィーチャあたりに使用される検出可能な標識の数に等しい。重要なことに、試験は、m×n種の化合物それぞれについての独特の標識を必要としない。どちらかといえば、空間的フィーチャと着色された標識の組み合わせは、n種の異なる標識の必要のみをもたらす。例えば、一態様においては、各分離フィーチャ内に3種の異なる捕捉剤が配置され、3種の異なる標識された二次捕捉剤が使用され、各異なる標識された二次捕捉剤が3種の配置された捕捉剤の1つに対応する。一態様においては、各セットは、15種の分離フィーチャを含み、それによって単一細胞あたり45種(15×3)の化合物の検出を可能にする。
また、本発明は、単一細胞のセクレトーム解析法を提供する。該方法は、マイクロウェルアレイを提供し、該アレイを、細胞を含む溶液と接触させることを含む。細胞がアレイのウェル内に流入するように、溶液をアレイ上に広げる。該方法は、更に、ウェル内の細胞及び溶液が、捕捉剤アレイ上に固定化された捕捉剤の集団に接触するように、捕捉剤アレイをマイクロウェルアレイに取り付けることを含む。したがって、単一細胞から分泌された化合物(例えば、タンパク質)は、捕捉剤アレイ上に積載した捕捉剤と特異的に結合することができる。一態様においては、方法は、更に分泌された化合物と固定化捕捉剤との結合部位で検出可能な複合体を形成するように、捕捉剤アレイに、検出可能な標識でタグ付けされた第2の捕捉剤の群を投与することを含む。
また、本発明は、対象から得た試料内の特定の表現型を有する細胞の存在を確認する方法を提供する。本明細書の他の場所に記載しているように、本発明の装置は、個々の細胞から分泌される化合物の特異的なプロファイルを検出する能力を可能にする。したがって、本発明の装置及び方法は、そのプロファイルが特定の細胞表現型を示す、1種以上の細胞の特定を可能にする。例えば、一態様においては、方法は、分泌されたタンパク質のプロファイルが、がん細胞、悪性がん細胞等を示す、細胞の特定を含む。一態様においては、方法は、特定の特徴を有する個々の細胞の亜集団を特定する。
装置
一態様においては、本発明の装置は、捕捉剤アレイとインターフェース形成しているマイクロウェルアレイを含む。典型的な装置の図を図21に示し、装置及びその要素の典型的概略図は図1及び図22に示す。図22に示すように、装置100は、捕捉剤アレイ20と連結したマイクロウェルアレイ10を有する。装置100は、捕捉剤の完全なセット21を個々のマイクロウェル11と連結し、複数のインターフェース101を形成する。各インターフェース101は、個々のマイクロウェル11及び捕捉アレイのセット21を有し、これは、マイクロウェル11内に存在する多数の化合物の多重検出を実施するために使用される。したがって、マイクロウェルアレイ10及び捕捉剤アレイ20は、個々のマイクロウェルからのハイスループット検出及び分析を可能にするために正確に連結するように構成されている。一態様においては、装置は、捕捉剤のセットに連結した、約1,000〜100,000個のマイクロウェルを有する。マイクロウェルアレイ10及び捕捉剤アレイ20の更なる記載を以下に提供する。
マイクロウェルアレイ
特定の態様においては、本発明の装置はマイクロウェルアレイを有する。マイクロウェルアレイは、細胞及び細胞が分泌した化合物を、各ウェルの限定的空間内に捕捉及び拘束し、それによって、実施の間の細胞の逸脱を防止する。更に、マイクロウェルアレイは、分泌される化合物の放出に関しては細胞が正常に機能することを可能にする。一態様においては、細胞は生きたままであり(すなわち、固定されず)、マイクロウェル内で正常に機能する。
本発明のマイクロウェルアレイは、複数の個々のマイクロウェルを有する。特定の態様においては、マイクロウェルアレイは、ハイスループット分析を可能にする装置を提供するために、高密度の個々のマイクロウェルのアレイを有する。マイクロウェルアレイは、装置の好ましい実施のために、任意の形状又は大きさであってよい。一態様においては、マイクロウェルアレイは、所定の長さ及び幅を有する長方形である。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、長さが0.5〜10cmである。他の態様においては、マイクロウェルアレイは、長さが1〜5cmである。他の態様においては、マイクロウェルアレイは長さが2〜3.5cmである。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、幅が0.5〜10cmである。他の態様においては、マイクロウェルアレイは、幅が1〜5cmである。他の態様においては、マイクロウェルアレイは、幅が2〜3.5cmである。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、約10〜1,000,000個の個々のマイクロウェルを有する。他の態様においては、マイクロウェルアレイは、約500〜500,000個の個々のマイクロウェルを有する。他の態様においては、マイクロウェルアレイは、約100〜100,000個の個々のマイクロウェルを有する。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、約200マイクロウェル/cm〜約20,000マイクロウェル/cmの密度でマイクロウェルを有する。
本明細書で用いられる場合、マイクロウェルは、細胞が生存し、機能する環境で細胞を捕捉し、拘束するチャンバーである。各マイクロウェルは、細胞のかなりの生存を確実にするように構成されている。例えば、マイクロウェル内の細胞は、インビボの環境で期待されるのと同様の生存率を有する。更に、各マイクロウェルは、本発明の装置の実施の間、捕捉した細胞の正常な機能を可能にするように構成されている。
マイクロウェルアレイの各マイクロウェルの寸法は、拘束された細胞の正常な機能及び生存を促進しながら、細胞及び分泌された化合物を有効に拘束するように設計されている。マイクロウェルは、1種以上のインターフェース形成した捕捉剤のセットの全領域をカバーするように設計されている。したがって、各マイクロウェルの大きさ及び形状は制限されず、使用される細胞及び所望の多重能力にとって適切な任意の大きさ及び形状を採用することができる。一態様においては、各マイクロウェルは、所定の長さ、幅及び深さを有する長方形である。各マイクロウェルは、例えば、細胞懸濁液、生理的液体、流体試料、可能な試薬等を含む、サブナノリットル体積の流体を捕捉する。
一態様においては、各マイクロウェルは、長さが1〜10,000μmである。他の態様においては、各マイクロウェルは、長さが5〜5,000μmである。他の態様においては、各マイクロウェルは、長さが10〜2,000μmである。
一態様においては、各マイクロウェルは、幅が1〜1,000μmである。他の態様においては、各マイクロウェルは、幅が5〜500μmである。他の態様においては、各マイクロウェルは、幅が10〜100μmである。
一態様においては、各マイクロウェルは、深さが1〜1,000μmである。他の態様においては、各マイクロウェルは、深さが5〜500μmである。他の態様においては、各マイクロウェルは、深さが10〜100μmである。
一態様においては、各マイクロウェルは、高いアスペクト比の長方形のウェルである。例えば、一態様においては、各ウェルは、長さが約1.8mmであり、幅が約20μmである。
一態様においては、各マイクロウェルは、幅が約10〜100μmであり、深さが20〜200μmであり、長さが100〜2,000μmである。
特定の態様においては、個々のマイクロウェルは、カラム及び/又は行の配列として横方向及び縦方向に離間されている。一態様においては、個々のマイクロウェルは、約10〜100μmの間隔で規則正しく離間されている。
マイクロウェルアレイの製造は、本明細書に記載されるアレイを構築するために必要な任意の適切な方法を使用して実施することができる。例えば、一態様においては、マイクロウェルアレイは、レイアウトのための標準的な手順を用いて、ネガ型のフォトリソグラフィウエハ形成、それに続くソフトポリマー(PDMS, Sylgard 184)により製造される。一態様においては、ソフトリソグラフィ技術は、アレイのエラストマースタンピング及び成型のために使用される。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、光学的に透明であり、アレイ又はアレイ中の細胞の画像生成を可能にする。本発明の特定の態様においては、アレイの画像生成は、細胞の計数、マイクロウェルの配置、及び/又はマイクロウェル内の細胞の位置の決定のために好ましい。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、1回使用のために製造及び形成される。他の態様においては、マイクロウェルアレイは、再利用可能なように製造及び形成される。例えば、特定の態様においては、マイクロウェルアレイは、水、食塩水、緩衝液又はそれらの組み合わせを使用することによる標準的な洗浄手順後に再利用可能である。特定の態様においては、マイクロウェルアレイは、例えばオートクレーブ又はUV照射の使用により滅菌することが適切である。
一態様においては、マイクロウェルは、細胞の係留又は他の固定化のために機能化又は別様に処置される。
各マイクロウェルは、付随する捕捉剤アレイの全領域にわたって個々の細胞又は細胞集団を捕捉及び拘束するように構成される。例えば、各マイクロウェルは、特にマイクロウェルが所望数の特定の細胞型の細胞を含むように設計することができる。特定の態様においては、各マイクロウェルは、1、2、3、5、10、15、20、50又は100個の細胞を含む。特定の態様においては、各マイクロウェルは、単一細胞を含むように構成されている。本明細書で用いられる場合、単一細胞は、任意の細胞型又は細胞株の1個の細胞として定義される。特定の態様においては、細胞は分泌性細胞である。他の態様においては、細胞は非分泌性細胞である。好ましい態様においては、装置の実行時間の一部、ほとんど又は全てにおいて、単一細胞は生存したままである。更に好ましい態様においては、単一細胞は、装置の実行の全ての期間で生存したままである。例えば、特定の態様においては、装置は、単一細胞から分泌されるタンパク質のプロファイルを24時間試験するために使用される。マイクロウェルは、単一細胞が24時間生存することを可能にすることが好ましい。
一態様においては、マイクロウェルアレイは、マイクロウェルアレイが捕捉剤アレイに固定された時に、それぞれの個々のマイクロウェル、そこに含まれる細胞及びタンパク質が、捕捉剤フィーチャ(例えば、ライン、ドット等)の少なくとも1つの完全なセットと接触し、複数の捕捉剤の全てがマイクロウェルの内容物にアクセス可能にするように、捕捉剤アレイと適合性であるように構成されている。
捕捉剤アレイ
特定の態様においては、本発明の装置は捕捉剤アレイを有する。捕捉剤アレイは、複数の捕捉剤のセットを有し、各捕捉剤のセットは、化合物の多重検出に好ましい複数の捕捉剤の全てを有する。本明細書の他の場所に記載したように、各セットは、1個のマイクロウェルの内容物にアクセス可能なように構成されている。特定の態様においては、捕捉剤アレイは、捕捉剤セットの繰り返しを有する。
一態様においては、各セットは他の全てのセットから空間的に異なっている。一態様においては、各セットは約10〜100μm分離されている。
一態様においては、捕捉剤アレイは、10〜1,000,000個の個々の捕捉剤セットを有する。他の態様においては、捕捉剤アレイは、約500〜500,000個の個々の捕捉剤セットを有する。他の態様においては、捕捉剤アレイは、約100〜100,000個の個々の捕捉剤セットを有する。
各セットは、上述したように、1個以上のマイクロウェルと対応するような大きさであり、形状である。例えば、一態様においては、各セットは1個のマイクロウェルに対応している。マイクロウェルアレイを捕捉剤アレイと接触させることにより装置を構築することで、複数のインターフェースが形成され、各インターフェースはマイクロウェル及びセットを有している。装置は各マイクロウェルの内容が本明細書の他の場所に記載されるように、セットに含む全ての分離フィーチャにアクセス可能でなければならないという点で、制限されるだけである。特定の態様においては、各セットは、望ましい多重化サイズを基準として構成されている。したがって、一態様においては、各セットは所定の長さ及び幅を有する長方形である。
一態様においては、各セットは長さが1〜10,000μmである。他の態様においては、各セットは長さが5〜5,000μmである。他の態様においては、各セットは長さが10〜2,000μmである。
一態様においては、各セットは幅が1〜1,000μmである。他の態様においては、各セットは幅が5〜500μmである。他の態様においては、各セットは幅が10〜100μmである。
図23Aに示すように、特定の態様においては、各セット21は、1種以上の異なる固定化捕捉剤を含む複数の空間的分離フィーチャ22を有する。装置10は、各マイクロウェル11の内容物が複数のフィーチャ22のそれぞれにアクセス可能なように、各セット21及び各マイクロウェル11の間にインターフェース101が形成されるように構築されている。例えば、一態様においては、セット21は複数のフィーチャ22を有し、各フィーチャ22はラインであり、各ラインは1種以上の固定化捕捉剤を含んでいる。フィーチャ22はあらゆる特定の大きさ又は形状に限定されない。例えば、一態様においては、フィーチャ22は直線である。他の態様においては、フィーチャ22はジグザグ形の線である(図23に示す)。各フィーチャ22は、関心のある化合物を検出するための、1種以上の固定化捕捉剤を含む。例えば、一態様においては、セット21は、20種の個々のフィーチャ22を有し、各フィーチャは、関心のある20種の化合物のうちの1種を検出するための特異的捕捉剤を含んでいる。一態様においては、1個のフィーチャ22に固定化された捕捉剤は、他のフィーチャ22には含まれていない。したがって、本明細書の他の場所に記載されたように、特定のフィーチャ22と結合する化合物を検出することにより、関心のある特定の化合物の存在に関する情報が提供される。
図23Bは、複数の分離フィーチャ122を有する他の態様を示す。この態様においては、各フィーチャ122は異なる形状又は形態を有する。各フィーチャ122は、特定の形状のフィーチャ122内に固定された、1種以上の固定化捕捉剤を含む。非常に高解像度でフィーチャの大きさ及び形状を製造するために、マイクロパターニング技術を使用することができる。典型的な技術としては、マイクロインジェクトプリンティング、マイクロコンタクトプリンティング、ディップペンリソグラフィ、マイクロチャンネルガイドフローパターニング等が挙げられる。しかし、装置は、捕捉剤を分離フィーチャに固定する任意の特定の方法に限定されない。例えば、図24は、四角形又はひし形に配置された捕捉剤を含む典型的な捕捉剤アレイを示す。このアレイは、クロスフローパターニング技術により製造され、マイクロスポッティング及びインジェクトプリンティング等のマイクロスケールプリンティング技術によっても製造することができる。
分離フィーチャは、各マイクロウェルにどの化合物(又は化合物の組み合わせ)が存在するかの検出を可能にする。例えば、フィーチャの空間的位置、フィーチャの形状、及び/又はそれらの組み合わせは、どの関心のある化合物(又は関心のある化合物の組み合わせ)がフィーチャに固定された特定の捕捉剤と結合したかを特定するために使用される。更に、各セットが個々のマイクロウェルに対応しているので、捕捉剤アレイ上の捕捉剤セットの空間的位置は、化合物(又は化合物の組み合わせ)がどの個々のマイクロウェルに存在したかの検出を可能にする。したがって、これは、各マイクロウェルの内容物に由来する個別化されたプロファイルの検出を可能にする。特定の態様においては、分離フィーチャは繰り返し、マイクロウェルあたりに少なくとも1セットの完全な分離フィーチャが含まれる。一態様においては、例えば対照として、各マイクロウェル内に2個以上のセットを含んでいてもよい。
一態様においては、本明細書の他の場所に記載されているように、関心のある結合化合物の検出は、ELISAをベースとする免疫測定法を用いて行われる。重要なことに、識別可能な分離フィーチャ(空間的に識別可能、及び/又は形状若しくは形態により識別可能)を使用することにより、各化合物に対して独自の二次抗体標識を必要としないので、単一細胞由来の多くの化合物の多重検出が可能になる。このタイプの「空間的符号化」により、従来のELISAにおけるような、化合物に対して特異的な各二次捕捉剤の特異的標識よりもむしろ、特定のマイクロウェルとインターフェース形成する分離フィーチャのセット内の空間的位置との結合の観察からの各マイクロウェルについての関連する分泌された化合物の検出を可能にする。例えば、従来の試験は、標識を関心のある特定の化合物と相関させるために、検出可能な標識に対する1:1の化合物の関係を必要とする。本明細書に記載されるように、分離フィーチャを使用することにより、各化合物を同じ検出可能な標識(又は本明細書の他の場所に記載したスペクトル試験を使用する少なくとも同じグループの標識)と関連させることが可能になる。
本明細書の他の場所に記載されているように、各特定の捕捉剤は、関心のある化合物(タンパク質、抗原、受容体、核酸等)と特異的に結合する。各分離フィーチャは、捕捉剤のセット内に所定の空間的位置及び/又は形状を有しているので、関心のある特定の化合物が対応するマイクロウェル中に存在するかを容易かつ有効に検出することが可能になる。例えば、一態様においては、各分離フィーチャは、お互いに約2〜25μm離れている。一態様においては、各セットは、複数の分離フィーチャの少なくとも1個を有する。すなわち、各分離フィーチャは各セット内に少なくとも1回出現する。
ある態様においては、1種以上の分離フィーチャが各インターフェース内で複数回繰り返される。例えば、一態様においては、インターフェースは、複数のセットとインターフェース形成する1個のウェルを有していてもよい。一態様においては、各セットは、合計で約5〜100個の異なる捕捉剤を含む。他の態様においては、各セットは合計で約10〜75個の異なる捕捉剤を含む。他の態様においては、各セットは合計で約20〜50個の異なる捕捉剤を含む。例えば、一態様においては、本発明は、各セットが45種の異なる捕捉剤を含む、45重の化合物の検出を提供する。
一態様においては、各セットは約5〜100個の分離フィーチャを有する。他の一態様においては、各セットは約10〜50個の分離フィーチャを有する。他の一態様においては、各セットは約20〜30個の分離フィーチャを有する。
特定の態様においては、分離フィーチャは、複数の捕捉剤セットにわたって連続的である。例えば、一部の製造技術において、複数のセットにまたがる連続的ライン又は形状を製造することが容易であり得る。捕捉剤アレイをマイクロウェルアレイと接触させることにより、個々のマイクロウェルに対応する個々のセットにおいて連続フィーチャが分断される。他の態様においては、捕捉アレイは、分離フィーチャが非連続的で、その結果、マイクロウェルと捕捉剤セット間のインターフェースに対応するであろう位置にのみ配置されるように製造される。
特定の態様においては、各分離フィーチャ(例えば、線、形等)は1種の特定の捕捉剤を含む。他の態様においては、各分離フィーチャは、2、3、5、10、又はそれ以上の異なる捕捉剤を含む。これらの態様においては、フィーチャ内の特定の捕捉剤への特異的結合は、本明細書で「スペクトル符号化」と名付けた、各標識が特定の捕捉剤に対応する、ELISAをベースとする試験で使用される第2の捕捉剤のセットにおける異なる検出可能な標識を使用することによって検出される。
例えば、一態様においては、アレイは、15種のフィーチャ(例えば、ライン、ドット等)を有する少なくとも1つのセットを有する。一態様においては、第1のフィーチャは、1分子以上の第1の捕捉剤を含み、第2のフィーチャは、1分子以上の第2の捕捉剤を含み、第3のフィーチャは、1分子以上の第3の捕捉剤を含む、などである。これは、1分子以上の15種の捕捉剤を含む第15のフィーチャまで繰り返される。
一態様においては、各フィーチャは1種超の捕捉剤を含む。例えば、一態様においては、第1のフィーチャは1分子以上の第1の捕捉剤、1分子以上の第2の捕捉剤、及び1分子以上の第3の捕捉剤を含むが、第2のフィーチャは1分子以上の第4の捕捉剤、1分子以上の第5の捕捉剤、及び1分子以上の第6の捕捉剤を含む。これは、1分子以上の第43の捕捉剤、1分子以上の第44の捕捉剤、及び1分子以上の第45の捕捉剤を含む第15のフィーチャまで繰り返される。この態様においては、フィーチャ内の各捕捉剤は、本明細書の他の場所で記載されたようなスペクトル符号化として定義される、捕捉剤を標的とする第2の捕捉剤の色で識別可能である。
例えば、一態様においては、分離フィーチャは、関心のある3種の化合物にそれぞれ特異的な3種の捕捉剤を含む。マイクロウェル中に関心のある3種の化合物(又は関心のある化合物の組み合わせ)のいずれが見いだされるかの検出は、ELISAをベースとする反応において固定化された捕捉剤に、赤い標識で標識されたもの、緑色の標識で標識されたもの、及び青い標識で標識されたものの3種の異なる捕捉剤の第2のセットを適用し、フィーチャにおいて検出可能な複合体を形成することによって行われる。したがって、捕捉剤アレイにおける各分離フィーチャの空間的位置で赤、緑及び青の標識の存在を検出することにより、関心のある3種の化合物(又はその組み合わせ)のいずれが分離フィーチャに存在するかを判定することが可能になる。この原理を、捕捉剤セット内に存在する全ての分離フィーチャにわたって規模を拡大することにより、非常に多くの種類の化合物の多重検出が可能になる。例えば、装置が製造され、60種までの化合物を検出したことが証明された。
特定の態様においては、本発明は、関心のある化合物の空間的及びスペクトル的多重化を提供する。例えば、一態様においては、多重化する能力は、捕捉剤セットあたりの空間的に識別可能な分離フィーチャの数によって部分的に定義される。一態様においては、各分離フィーチャは、幅が約5〜50μmである。一態様においては、各分離フィーチャは、幅が約25〜30μmである。一態様においては、各分離フィーチャは、長さが約500〜2000μmである。一態様においては、各分離フィーチャは、約5〜50μm離れている。一態様においては、各分離フィーチャは、約25〜30μm離れている。一態様においては、各分離フィーチャは幅が約25μmであり、次のフィーチャから約25μm離れており、その結果、約50μmのピッチサイズをもたらす。本発明は、非常に小さい空間的に識別可能な分離フィーチャを生成し、それによって、装置の空間的多重能力を増大する能力を証明した。
一態様においては、多重能力は、各分離フィーチャが1種超の捕捉剤を含み、それによって分離フィーチャあたり1種超のタイプの関心のある化合物の検出を可能にするように使用される、スペクトル的に異なる標識の数によって定義される。例えば、一態様においては、捕捉剤アレイセットは15種の空間的に異なるフィーチャを含み、各フィーチャは3種の捕捉剤を含み、異なる検出可能な標識に連結した3種のELISAをベースとする第2の捕捉剤の使用を通して識別可能である。したがって、この構成は45重の検出を可能にする。
捕捉剤アレイは、単一細胞を分離するマイクロウェルに連結することにより、単一細胞あたりの分泌物の高感度の多重定量分析を実施する。繰り返しのセットは、設計の均一性のために、各マイクロウェル間で正確さが著しく異なることなく、単一細胞あたり5〜100種の範囲の化合物の十分な検出が各マイクロウェルにより可能になるのに役立つ。
分離フィーチャ及びセットにおける捕捉剤のパターニングは、任意の適切な技術により実施される。例えば、捕捉剤パターニングは、インクジェットプリンティング、ファインプリントスポッティング、機能化された基板でのフローパターニング、機能化されたガラス基板での密着プリンティング、又は2〜30μmのフィーチャ解像度で印点針(printing needle)又はストリップを用いたエポキシコーティングガラス基板若しくはポリアミンガラス基板を使用するマイクロプリンティングにより、高精度で実施することができる。特定の態様においては、機能化された基板はポリ−L−リジンで被覆した基板を含む。しかし、本発明のアレイの限定的な交差反応性を有する捕捉剤に、高度の再現性をもって捕捉剤を固定するために物理的及び/又は化学的親和性をもたらす、任意の機能化された基板を使用してもよい。
上述したように、各捕捉剤のセットは複数の捕捉剤を有し、各捕捉剤は、所望の実施において試験される関心のある化合物に特異的に結合する。関心のある典型的な化合物としては、タンパク質、ペプチド、抗体、酵素、表面受容体、核酸、ペプチド断片、サイトカイン、増殖因子、ホルモン等があげられるが、これらに限定されない。特定の態様においては、関心のある化合物又は複数の化合物は、装置のマイクロウェル内に含まれる細胞又は複数の細胞によって分泌されることが知られているか、分泌すると考えられる化合物である。しかし、本発明は、分泌性化合物の検出に限定されず、どちらかといえば捕捉剤アレイにアクセス可能な任意の化合物であってもよい。例えば、関心のある化合物としては、細胞死又は後の使用者の操作のいずれかによる、細胞の溶解によりアクセス可能なものが含まれる。
捕捉剤としては、抗体、抗体断片、タンパク質、ペプチド及び核酸が挙げられるが、これらに限定されない。特定の態様においては、捕捉剤は、その標的化合物に対し、約1pM〜約150pMの捕捉親和性を有する。本明細書の他の場所で記載されたように、アレイ上に固定化された捕捉剤とその標的化合物との結合の検出は、第2群の捕捉剤を使用するELISAをベースとする結合(ここで、各第2群の捕捉剤が捕捉剤−化合物複合体と特異的に結合する)により実施される。特定の態様においては、第2群の捕捉剤の各構成要素は、色素又はフルオロフォアが挙げられるが、これらに限定されない検出可能な標識で標識されている。二次捕捉剤としては、抗体、抗体断片、タンパク質及び核酸を挙げることができる。ある態様においては、二次捕捉剤は、捕捉剤アレイの固定化捕捉剤と特異的に結合する。他の態様においては、検出抗体等の二次捕捉剤は、関心のある化合物と特異的に結合する。
一態様においては、本発明の捕捉剤はペプチドを含む。特定の態様においては、ペプチド捕捉剤は、関心のある化合物、例えば関心のある分泌された化合物と特異的に結合する。
本発明のペプチドは、化学的方法を用いて製造することができる。例えば、ペプチドは、固相法(Roberge J Y et al.(1995)Science 269:202-204)により合成し、樹脂から切断し、調製用高速液体クロマトグラフィーにより精製することができる。自動化合成は、例えば、製造業者により供給されている説明書に従い、ABI 431 A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を用いて実施することができる。
また、ペプチドは組換え手段、又はより長いポリペプチドを切断することにより製造することができる。ペプチドの組成は、アミノ酸分析又は配列決定により確認することができる。
本発明のペプチドの変異体は、(i)1個以上のアミノ酸残基が保存又は非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)と置換されており、このような置換されたアミノ酸残基が遺伝暗号によってコードされているか、若しくはされていないもの、(ii)1個以上の修飾アミノ酸残基があり、例えば置換基の結合により修飾されているもの、(iii)ペプチドが本発明のペプチドの他のスプライスバリアントであるもの、(iv)ペプチド断片、及び/又は(v)ペプチドが、他のペプチド、例えば、精製(例えば、Hisタグ)又は検出(例えば、Sv5エピトープタグ)のために使用される、リーダー配列又は分泌配列と融合しているものであってもよい。断片としては、最初の配列のタンパク質切断(多部位タンパク質分解を含む)により生成するペプチドが挙げられる。変異体は、翻訳後修飾又は化学的修飾であってもよい。このような変異体は、本明細書の教示から、当業者の範囲内であるとみなされる。
当該技術分野において公知であるように、2つのペプチド間の「類似性」は、1つのペプチドのアミノ酸配列及びその保存アミノ酸置換基と第2のペプチドの配列の比較により決定される。変異体は、最初の配列から異なるペプチド配列、好ましくは関心のある断片あたり40%未満の残基において最初の配列から異なり、更に好ましくは関心のある断片あたり25%未満の残基において最初の配列から異なり、更に好ましくは関心のある断片あたり10%未満の残基において最初の配列から異なり、最も好ましくは関心のある断片あたりわずか数個の残基において最初の配列から異なり、同時に最初の配列と十分に相同的であり、最初の配列の機能性を保存している配列を含むと定義される。本発明には、最初のアミノ酸配列と60%、65%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、90%又は95%類似又は同一であるアミノ酸配列が含まれる。2つのペプチド間の同一性の程度は、当業者に広く知られているコンピュータアルゴリズム及び方法を用いて決定される。2つのアミノ酸配列の同一性は、好ましくはBLASTPアルゴリズム[BLAST Manual,Altschul,S.et al.,NCBI NLM NIH Bethesda,Md.20894, Altschul,S.et al.,J.Mol.Biol.215:403-410 (1990)]を用いることにより決定される。
本発明のポリペプチドは翻訳後に修飾されてもよい。例えば、本発明の範囲内である翻訳後修飾としては、シグナルペプチド切断、グリコシル化、アセチル化、イソプレニル化、タンパク質分解、ミリストイル化、タンパク質折りたたみ、及びタンパク質分解プロセシング等が挙げられる。一部の修飾又はプロセシング事象は、追加の生物学的機構の導入を必要とする。例えば、シグナルペプチド切断及びコアグリコシル化等のプロセシング事象は、標準的な翻訳反応に、イヌのミクロソーム膜又はツメガエルの卵の抽出物を加えることによって検査する(米国特許第6,103,489号)。
本発明のペプチドは、翻訳後修飾、又は翻訳の際に非天然のアミノ酸を導入することにより生成される非天然のアミノ酸を含んでいてもよい。
一態様においては、本発明の捕捉剤は、抗体、又は抗体断片を含む。特定の態様においては、抗体捕捉剤は、関心のある化合物、例えば関心のある分泌化合物と特異的に結合する。
このような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、それらのFab及び一本鎖Fv(scFv)断片、二重特異性抗体、ヘテロ複合体(heteroconjugate)、ヒト抗体及びヒト化抗体が挙げられる。このような抗体は、ハイブリドーマ培養、細菌又はほ乳動物細胞培養における組換え体発現、並びに形質転換動物における組換え体発現を含む種々の方法により製造することができる。製造方法の選択は、所望の抗体の構造、抗体上の炭水化物部分の重要性、培養及び精製の容易さ、並びに費用を含むいくつかの因子に依存する。全長抗体、Fab及びFv断片のような抗体断片、並びに異なる種由来の成分を含むキメラ抗体を含む多くの異なる抗体構造は、標準的な発現技術を用いて生成することができる。エフェクター機能を有さず、薬物動態活性が制限されているFab及びFv等の小さいサイズの抗体断片は、細菌発現系において生成することができる。一本鎖Fv断片は免疫原性が低い。
一態様においては、本発明の捕捉剤は、例えば、DNAオリゴヌクレオチド及びRNAオリゴヌクレオチドを含む、分離された核酸を含む。特定の態様においては、核酸捕捉剤は、関心のある化合物、例えば、関心のある分泌された化合物と特異的に結合する。例えば、一態様においては、核酸は、関心のある化合物と特異的に結合するヌクレオチド配列を含む。例えば、一態様においては、核酸は、関心のある分泌核酸と相補的である。
また、核酸捕捉剤のヌクレオチド配列は、得られた核酸は最初のものと同様に機能し、関心のある化合物と特異的に結合する条件で、最初のヌクレオチド配列に関して配列の変異、例えば、1個以上のヌクレオチドの置換、挿入及び/又は欠失を含んでいてもよい。
本明細書で用いられる意味において、ヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列について少なくとも60%、有利には少なくとも70%、好ましくは少なくとも85%、更に好ましくは少なくとも95%の同一性の程度を有する場合、ヌクレオチド配列は、本明細書に開示されるヌクレオチド配列のいずれかと「実質的に相同的」である。可能な修飾の他の例としては、配列中の1個以上のヌクレオチドの挿入、配列のいずれかの末端における1個以上のヌクレオチドの付加、又は配列のいずれかの末端又は内部における1個以上のヌクレオチドの欠失が挙げられる。2つのポリヌクレオチド間の同一性の程度は、当業者に広く知られているコンピュータアルゴリズム及び方法を用いて決定される。2つのアミノ酸配列間の同一性は、好ましくはBLASTNアルゴリズム[BLAST Manual,Altschul,S.et al.,NCBI NLM NIH Bethesda,Md.20894, Altschul,S.et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)]を用いることにより決定される。
多重検出のためのシステム
一態様においては、本発明は、単一細胞により分泌される化合物の多重検出用システムを含む。特定の態様においては、システムは、本明細書の他の場所に詳細に説明した装置を有する。すなわち、一態様においては、システムは、上述したマイクロウェルアレイ及び捕捉剤アレイを有する装置を有している。
一態様においては、システムの装置は複数のセットを有する捕捉剤アレイを有し、各セットは複数の分離フィーチャを有し、各フィーチャは関心のある特定の化合物と結合する1種以上の固定化捕捉剤を有する。
一態様においては、システムは、単一細胞の集団を捕捉剤アレイの固定化捕捉剤とインキュベーションした後に装置に投入される、一群の二次捕捉剤を含む。二次捕捉剤は、固定化捕捉剤、関心のある化合物、又は固定化捕捉剤−化合物複合体と特異的に結合する。すなわち、二次捕捉剤はサンドイッチ型試験において使用され、特定の態様においては、捕捉剤アレイと結合した化合物の検出を補助する。
特定の態様においては、二次捕捉剤には、抗体、抗体断片、タンパク質、ペプチド及び核酸が含まれる。一態様においては、二次捕捉剤は検出可能な標識で標識されている。固定化捕捉剤−化合物複合体との結合に特異的な二次捕捉剤は、蛍光標識、放射標識、強磁性標識、常磁性標識、発光標識、電気化学発光標識、リン光標識、呈色標識等が挙げられるが、これらに限定されない任意の検出可能な標識で標識することができる。蛍光標識の非限定的例としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、オレンジ色蛍光タンパク質(OFP)、eGFP、mCherry、hrGFP、hrGFPII、ストレプトアビジンAPC、Alexa488、Alexa532、Alexa594等が挙げられる。また、蛍光標識は、例えば、キンドリングレッド蛍光タンパク質(KFP−red)、PS−CFP2、Dendra2、CoralHue Kaede及びCoralHue Kikume等の光で変換され得るものであってもよい。
一態様においては、二次捕捉剤は、例えばペプチド又は他のエピトープを含むタグ領域で標識される。例えば、一態様においては、二次捕捉剤は、蛍光標識されたストレプトアビジン、又は他の検出可能な標識ストレプトアビジンの使用が、ビオチン化された二次捕捉剤を可視化するために使用されるように、ビオチンで標識される(すなわち、ビオチン化)。
一態様においては、全ての二次捕捉剤は同一の検出可能な標識で標識されている。他の態様においては、二次捕捉剤は、1種の二次捕捉剤の結合を他から識別するために別々に標識されている。一態様においては、捕捉剤アレイに固定された各捕捉剤は、所定のフィーチャにおける各捕捉剤が異なる対応する標識を有するように、対応する標識されたELISA検出二次捕捉剤に割り当てられている。特定の態様においては、所定のフィーチャ内の複数の固定化捕捉剤に対応する複数の標識は、本明細書に記載のスペクトル符号化態様の間、いかなる交差反応性も示さない。
例えば、一態様においては、一群の二次捕捉剤は1以上のサブグループを有し、各サブグループは特定の検出可能な標識を有している。したがって、システムは、各サブグループからの二次捕捉剤が、特定のフィーチャで形成された1個の特異的固定化捕捉剤−化合物複合体と結合するように構成されている。したがって、例えば、所定のマイクロウェル内に全ての化合物が存在する場合、種々の検出可能な標識の全ては各フィーチャで観察される。別々に標識された二次捕捉剤によれば、所定の化合物の存在のスペクトル的符号化が可能になる。すなわち、標識の空間的位置と正確なタイプ(すなわち、色)の組み合わせにより、存在する化合物が特定される。
一態様においては、システムは、各検出可能な標識の正体及び位置を検出するための検出器を有する。検出器は、蛍光顕微鏡、蛍光検出器、又は蛍光スキャナーが挙げられるが、これらに限定されない各標識を検出可能な任意の適切な検出器であってもよい。
一態様においては、システムはコンピュータデバイスを有している。コンピュータデバイスは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又は他のデバイスを有していてもよく、システム要素を制御し、生データを表示し、得られたデータを解析するためのソフトウェアプラットホームを有している。コンピュータデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ、標準的な入出力装置、並びにデータを記憶し、プログラムを実行し、ネットワークによりデータを送受信するためのコンピュータデバイスに通常に見られる全てのハードウェア及びソフトウェアを有していてもよい。
特定の態様においては、本発明のシステムは、アレイからの検出シグナルを検出及び定量するハードウェア及びソフトウェアを有している。シグナルは、任意の適切な解析ソフトウェアパッケージを用い、又はオーダーメイドの解析アルゴリズムを用いて定量することができる。データの典型的な解析及び図による出力を、本明細書の他の場所に示す。
多重検出方法
本発明は、少量の試料中の関心のある多種類の化合物を同時に検出する方法を提供する。例えば、一態様においては、本発明は、本明細書の他の場所で説明したように、マイクロウェル中に収容されている単一細胞由来のタンパク質の多重検出を可能にする。特定の態様においては、この方法は、細胞の集団からのプロファイルよりも好ましい単一細胞由来の個別化プロファイルの決定を可能にする。個々の細胞からのプロファイルを識別する能力は、全集団内に隠れている、特定の細胞の表現型を決定するのに役立つ。例えば、これは、他の方法では検出が困難であるか又はほとんど不可能な組織試料中のがん性細胞、悪性細胞、又は転移性細胞の検出に有用である。特定の態様においては、方法は、集団をベースとする試験よりも多くの情報を提供する、平均的な単一細胞のパラメータを計算する能力を提供する。このような解析は、例えば、亜集団及び/又はグループ化した表現型の特定に使用することができる。単一細胞多重化パラメータによってグループ化された、個々の細胞の亜集団を単離することは、組織試料中の悪性がん細胞及び応答免疫細胞の重要な活性群の分離に役立ち得る。したがって、本発明の多重化能力によれば、表現型サブタイプの単離又は特定が可能になる。例えば、方法は、集団内の所定の表現型の相対量を特定する。更に、このような解析によれば、分泌された化合物又は細胞性生成物の相互相関の定量、集団又はチップ全体の化合物の分布統計の作成、及び試験を行った集団の全体にわたる単一細胞レベルで発現する多機能性の評価(これらに限定されない)が可能になる。
一態様においては、方法は、単一細胞を、本明細書に開示されたマイクロウェルに積載することを含む。本発明の装置によれば、マイクロウェル積載が能動的な流体工学(すなわち、ポンプ、高圧流など)、又は生きた細胞の外力操作を必要としないことが可能になる。どちらかといえば、方法は、重力のみを用い、単一細胞をマイクロウェルに積載することを含む。これにより、時間がかかり、及び/または費用のかかる可能性のある、大規模な操作なしで、単一細胞を生きた状態で分離し、プロファイリングする方法が可能になる。
本発明の方法によってプロファイリングされる細胞は、任意の適切な細胞型であってもよい。検討のための適用可能な細胞としては、接着細胞及び非接着細胞、初代細胞及び不死化細胞株、器官組織由来の細胞、並びにエクスビボで増殖した細胞が挙げられる。特定の態様においては、細胞は、細胞を含む溶液の形態でマイクロウェルに投与される。例えば、溶液は、単一細胞懸濁液、培地細胞懸濁液、細胞を自然に含む生理的流体であってもよい。細胞は、細胞株由来であっても、ヒトを含む対象から分離されたものであってもよい。一態様においては、溶液は、対象から分離された組織に由来する。例えば、溶液は、ホモジナイズされた組織に由来する。
一態様においては、細胞をマイクロウェルに積載する方法は、細胞を含む溶液を、マイクロウェルアレイの湿潤した表面に直接加えることを含む。例えば、マイクロウェルアレイの表面を、水、生理食塩水、緩衝液、又は適切な細胞培養用培地で湿潤させてもよい。一態様においては、添加は、表面の上方少なくとも約0.1mm、マイクロウェルアレイのほぼ中央で1回の動きで実施される。表面への溶液の添加は、標準的な細胞培養調製について当該技術分野で公知の任意の標準的ピペット操作又は液体移動法により実施することができる。マイクロウェルアレイ表面に加える溶液の体積は、利用可能な多重解析手段と比較して最小量である。一態様においては、方法は、表面に約1〜500μLを投与することを含む。溶液中の細胞の数は、細胞の入手可能性及び所望の処理量に依存する。例えば、溶液は10、10又は10個ほど少ない細胞を含んでいてもよい。マイクロアレイ表面に溶液を加えることにより、溶液の細胞は重力のみによってそれぞれ個々のマイクロウェル中に入り、ウェルあたりの細胞のポアゾン分布を示す。特定の態様においては、0個の細胞又は複数の細胞を含むウェルは、後に解析から除外することができ、又は対照及び/又はバックグラウンド信号処理に含まれる。
特定の態様においては、実施の間、溶液は、細胞の生存及び/又は正常な機能を促進する1種以上の成分を含んでいる。例えば、溶液は、細胞培養において通常に使用される増殖因子、ホルモン、タンパク質、酵素、低分子、抗菌剤等を含んでいてもよい。ある態様においては、溶液は適切な細胞培養用培地を含む。ある態様においては、溶液は、その効果が本発明の実施の際に試験が望まれる試薬、又は試験化合物を含む。例えば、試薬は、低分子、タンパク質、核酸、ペプチド等を含んでいてもよく、検出プロファイルにおいて効果を有していても有していなくてもよい。例えば、試薬は、関心のある1種以上の化合物の分泌を増大させてもさせなくてもよく、又は関心のある1種以上の化合物の分泌を減少させてもさせなくてもよい。
方法は、更に捕捉剤アレイをマイクロウェルアレイと接触させることを含む。対応する捕捉剤アレイのセットとの個々のマイクロウェルの整列による、マイクロウェルアレイと捕捉剤アレイとの間の正しいインターフェースの形成は、一態様においては、統合された装置筐体を用い、加圧されたクランプ機構により、実施される。しかし、マイクロウェルアレイと捕捉剤アレイとの正確な整列が必須でないことは本明細書に言及されている。例えば、アレイの均一性は、捕捉アレイ上の特定のセットと特定のマイクロアレイが整列することを必ずしも必要としない、厳密でない整列を可能にする。更に、特定の態様においては、実験後に実施する自動化分析は、正しくない整列を克服し得る、シグナルの照合を実施する。しかし、本発明の方法は、このインターフェースを形成する任意の特定の方法に限定されない。例えば、持続性及び非持続性の接着剤、ネジ、クランプ等を使用することもできる。
この積載法は、両者ともマイクロウェルあたりの単一細胞の平均数を示す、個々の細胞の大きさ及びマイクロウェルの大きさに全く依存する。ある態様においては、本明細書に記載された積載法は、マイクロウェルあたり約0〜20個の細胞の拘束を確実にする。ウェルあたりの細胞の数の全体の分布はポアソン分布に近づく。
一態様においては、細胞は、単一又は複数の時点にわたる所望の期間、装置内に拘束される。一態様においては、方法は、細胞を装置内に約1分、5分、10分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間、16時間、1日、2日、4日、1週間、2週間、1ヶ月、1年、又はそれ以上拘束する。
一態様においては、方法は、各マイクロウェル内の細胞の数及び位置を記録する画像を取得することを含む。特定の態様においては、これにより、決定されたプロファイルが、単一細胞によって産生されたのか、又は単一細胞の集団によって産生されたのかの決定が可能になる。画像の取得は、当該技術分野で公知のあらゆる方法で実施することができる。
一態様においては、所望の時間の経過後、装置は捕捉剤アレイを除去するために分解される。その後、捕捉剤アレイを公知のELISA免疫試験手段に供し、化合物結合部位で検出可能な複合体を生成させる。例えば、一態様においては、本明細書の他の場所で記載されたように、それぞれが異なる固定化捕捉剤−化合物複合体に特異的な複数の二次捕捉剤が、特異的結合を促進するための適切な条件下、捕捉剤アレイの表面に適用される。本明細書の他の場所に説明したように、各二次捕捉剤は、検出可能な標識、例えば蛍光標識で標識される。特定の態様においては、複数の二次捕捉剤のそれぞれは、全て同じ標識で標識されている。他の態様においては、二次捕捉剤は、同じ空間的位置で生成した可能性のある複合体間でスペクトル的に識別するために異なる標識で標識されている。
一態様においては、一群の二次捕捉剤を適用した後、捕捉剤アレイは、異なる空間的位置の1種以上の検出可能な標識の存在について画像化される。図25は、(1)マイクロウェルあたりの細胞の存在及び/又は量を検出するために使用した一群のマイクロウェルの明視野画像、(2)特定の空間的位置(各位置が関心のある特定の化合物に対応している)において検出可能な標識の存在を検出するための蛍光画像、並びに(3)明視野及び蛍光画像のオーバーレイを示す読み取り図である。
捕捉剤アレイの画像化は、当該技術分野で公知の任意な適切な方法で実施することができる。例えば、特定の態様においては、捕捉剤アレイの画像化は、蛍光顕微鏡、蛍光検出器、及び/又は蛍光スキャナーの使用を含む。その後、各捕捉剤セットの空間的フィーチャが検出可能な標識を有するかの決定を含む画像解析は、各セットからの多重化プロファイル、したがって各マイクロウェル由来のプロファイルに対応するプロファイルを構築するために使用される。特定の態様においては、複数の検出可能な標識を使用する場合、画像は解析の前に色と組み合わせてもよい。
単一細胞の表現型の決定法
本発明は、単一細胞プロファイルを明らかにするための方法を提供する。例えば、一態様においては、本発明は、単一細胞からのプロテオミクスプロファイルを決定する方法を提供する。他の態様においては、本発明は、単一細胞からのゲノムプロファイルを決定する方法を提供する。他の態様においては、本発明は、単一細胞からのセクレトーム(すなわち、分泌されるタンパク質及び化合物)を決定する方法を提供する。他の態様においては、本発明は、単一細胞からのプロテオミクス、ゲノム、及び/又はセクレトームを統合したプロファイルを決定する方法を提供する。更に、本発明の方法は、大量の単一細胞のプロファイルを同時に決定するハイスループット法を提供する。
一態様においては、本発明の方法は、免疫細胞の不均一性又は多機能性を評価するために使用される。免疫細胞は、種々の感染症に対する予防及び保護において必須の役割を有している(Seder et al., 2008, Nature Reviews Immunology, 8:247)。強力なフローサイトメトリー技術を使用した免疫細胞の表現型決定が急速に開発されてきたにもかかわらず、一部はT細胞及び単球/マクロファージに含まれる非常に高レベルの細胞性不均一性のために異なる表現型の機能の十分な分析は困難なままである(Gordon et al., 2005, Nature Reviews Immunology, 5:953-964)。更に、このような不均一性は、表現型のレベルにおいてだけでなく、多様なエフェクター機能及び活性化状態によって反映されるような細胞の挙動のレベルにおいても存在する(Seder et al., 2008, Nature Reviews Immunology, 8:247)。免疫細胞は、多機能性と呼ばれる多くの機能を示し、複数の機能の組み合わせにより、単一細胞の免疫生物学、及び所定の感染症に対するこの細胞の「質」が決定される。T1細胞の簡略化された線形分化モデルにおいては、表現型及び機能的不均一性の両方がCD4T細胞のサイトカイン応答について観察されている。これらの細胞は、異なる段階で異なるエフェクター機能(サイトカインプロファイル)を示し、このような機能パターンは時間とともに劇的に変化することが指摘されている。複数の機能を有する細胞が、強力なエフェクターの可能性を有するメモリーCD4T細胞として最高に役立つことも見いだされている。真実は、おそらく、この線形分化モデルよりも複雑であり、40種を超えるエフェクター機能がヘルパーT細胞と関連している。多機能性の重要性は、ノンプログレッサーAIDS患者が、プログレッサー患者と比較し、多くの種類のサイトカインを分泌するHIV特異的T細胞のレパートリーを発生したという観察によって更に実証される。しかし、単一細胞のレベルで、免疫エフェクター機能の完全なスペクトルを評価することが可能な技術はなく、これらの劇的に変化する細胞の細胞免疫学は十分に理解されていないままである。特定の態様においては、本発明の方法は、本明細書に開示されている多重システムを使用することにより、1個以上の単一免疫細胞のセクレトームを検出することにより、免疫細胞の不均一性の評価を可能にする。例えば、単一細胞のセクレトームは、未処置のままにするか、1種以上の試験化合物により刺激された時に評価することができる。したがって、これは、対象の免疫応答の質を評価するために使用することができる。
単数形の「がん」という用語は決して疾患の一種ではないが、一般的アプローチを使用してがんを完全に治療することを不可能にする多くの種類の不均一な疾病状態をまぎらわしく包含する。これは、部分的には腫瘍内の著しい不均一性のためである(Furnari et al., 2007, Genes Dev, 21:2683-2710)。更に、このような不均一性は、腫瘍微少環境内の単一細胞レベルで存在しているほど根本的である。例えば、ヒトの脳の腫瘍多形性膠芽腫においては、グリオーマ細胞だけでなく、腫瘍開始免疫細胞(Bao et al., 2006, Cancer Research, 66:7843-7848;Singh et al., 2004, Nature, 432:396-401)、神経/グリア前駆細胞、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイト及び脳常在免疫細胞、ミクログリアなどの他の重要な細胞型が存在する。神経膠芽腫の微小環境のこのような著しい不均一性及び固形ヒト腫瘍内の異なる細胞の系統関係は、腫瘍細胞の能力の重要な決定因子であり得る。個々のGBMは、さまざまな腫瘍成長パターンを促進する表現型が異なる一連の自己複製細胞型を有する(Chen et al., 2010, Cancer Cell, 17:362-375)。したがって、GMB中の神経膠腫幹細胞/開始細胞の階層的不均一構造を明らかにし、細胞−細胞相互作用ネットワークを示すことが重要である。
このような相互作用は、主として種々の細胞型から分泌される可溶性メディエータに介在される。神経膠腫細胞がサイトカイン及びケモカインを分泌し、次に腫瘍形成を促進する炎症性因子を産生する、形質転換していない隣接するミクログリアを誘引及び破壊し(Leung et al., 1997, Acta Neuropathol, 93:518-527;Prat et al., 2000, Neurosci Lett, 283:177-180;Platten et al., 2003, Annals of Neurology, 54:388-392;Galasso et al., 2000, Experimental Neurology, 161:85-95)、小グリア細胞と神経膠腫細胞との間の相互のパラクリン刺激を反映する。高度に不均一な腫瘍微少環境における、このような複雑な細胞−細胞ダイアログはがん免疫細胞学における主要な支配的機構であるが、単一細胞タンパク質プロファイル、特に細胞−細胞コミュニケーションを調節するために分泌されるタンパク質のプロファイルの有益な解析を実施し得る技術を欠くため、研究をすることが困難である。特定の態様においては、本発明の方法により、微少環境における細胞−細胞シグナル伝達を評価するために、腫瘍内部又は近傍の細胞から分泌されるタンパク質の単一細胞解析が可能になる。これは、観察されるシグナル伝達の表現型に基づき、腫瘍の進行性や段階など、腫瘍の特徴づけを可能にする。
本発明の装置及び方法は、任意の化合物の存在及び/又は量を決定するために使用することができる。適切なタイプの化合物としては、タンパク質、核酸、タンパク質断片、表面受容体、ホルモン、増殖因子等が挙げられる。本発明により試験される、関心のある化合物の組み合わせそのものは、最終的な使用者によって容易に調節可能であり、定義される。例えば、特定の化合物の検出は、化合物と特異的に結合する捕捉剤(例えば、抗体、ペプチド、核酸等)の入手可能性によって制限されるのみである。特定の態様においては、関心のある化合物の組み合わせは、装置のマイクロウェル内に含まれる細胞の表現型に関する情報を使用者に提供する。一態様においては、装置は、分泌可能なタンパク質の多重検出用に構成されている。例えば、一態様においては、装置は、MIF、IL−1RA、IL−15、IL−13、IL−12、IL−10、IL−8、IL−7、IL−6、IL−5、IL−4、IL−3、IL−1b、IL−1a、VEGF、PDGF、NGFβ、HGF、EGF、MCSF、SCF、MIP−1b、IL−22、TNFβ、TNFα、RANTES、MCP−1、IL−17A、TSLP、IL−27、IL−27−1、MMP9、MMP2、IL−23、IL−9、GMCSF、IFN、GCSF、TGFβ、TGFα、ΜΙΡ−1a、及びIL−2の1以上の多重検出用に構成されている。
本明細書に詳細に説明したように、本発明の装置及び方法は、多くの種類の化合物の多重同時検出を可能にする。分離フィーチャの空間的位置/形状及び各フィーチャ内の種々の検出可能な標識を利用することにより、特定の態様において、本発明は、20種以下、30種以下、40種以下、50種以下、75種以下、100種以下、200種以下、又はそれ以上の化合物の同時検出を可能にする。例えば、図26は、本明細書に開示される装置及び方法を用いて検出された45種の化合物の相関マップを示す。
単一細胞の不均一性が、所定の組織内であってもあるので、本発明の方法は、集団内の複数の表現型の存在を迅速かつ有効に決定する強力な手段を提供する。例えば、本発明の方法及び装置は、全ての細胞が同一又は類似のプロテオミクス、ゲノム、及び/若しくはセクレトームプロファイルを共有するか、又はプロファイルが変化した集団内に分離された単一細胞が存在するかの決定を可能にする。
方法は、特定の有害な表現型の存在を検出するために、特に使用することができる特徴的な細胞性表現型の決定を可能にする。単一細胞を基準とするプロファイルの決定は、その個々のプロファイルが集団プロファイルに隠されてしまう特定の表現型の決定を可能にする。更に、多くの種類の化合物の多重検出に基づくプロファイルの決定は、1又は数種の化合物のみを検出する方法において隠されてしまう表現型を特定することができる。
例えば、これは、がん細胞を示すプロファイルを有する細胞の存在を決定するのに使用することができる。一態様においては、方法は、1以上の単一細胞の観察される表現型段階に基づく特定の疾患の進行を評価するために使用される。他の態様においては、方法は、がん細胞の特定の型を検出し、がん細胞の進行性又は侵襲性を特徴づけるために使用することができる。他の態様においては、方法は、転移性細胞を示す表現型を有する細胞を検出するために使用することができる。例えば、本明細書に記載の単一細胞の多重プロファイリングは、腫瘍由来の単一細胞のセクレトームプロファイルを調査するために使用することができ、そのプロファイルが転移を示す個々の細胞のサブセットの存在を特定することができる。したがって、これは、そうでなければ検出することが不可能に近いであろう段階で、非常に早期の診断を可能にするであろう。
本発明を、以下の実施例を参照して更に詳細に説明する。これらの実施例は説明の目的のためにのみ提供され、特に明記しない限り限定を意図するものではない。したがって、本発明は以下の実施例に限定されると解釈すべきでなく、本明細書に提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形を包含すると解釈すべきである。
更なる説明なしで、当業者は、説明及び以下の説明的実施例を使用し、本発明の化合物を製造及び利用し、請求項に記載の方法を実施することができると考えられる。したがって、以下の実施例は、特に本発明の好ましい態様を示し、いかなる方法においても開示の残りを限定すると解釈すべきでない。
例1:機能的細胞不均一性を評価するための単一細胞のハイスループットセクレトーム解析
分泌されたタンパク質は、ヒトの健康及び疾患においてさまざまな細胞機能を表す。高い程度の細胞の不均一性のため、更に重要なことには、個々の細胞の多機能性のため、単一細胞由来の一連のタンパク質を同時に測定し、平行して多く(1000個超)の単一細胞を迅速に試験する、まだ満たされていない要求がある。本明細書の開示は、数千の単一細胞の高度な多重タンパク質検出を平行して行うための高密度の捕捉剤マイクロアレイを組み合わせた多くのサブナノリットルマイクロチャンバーから構成される、簡単な生物学的解析試験プラットホームである。このプラットホームは、細胞株、及び患者由来の初代細胞等の複雑な生物試料の両方について試験された。単一細胞のセクレトーム的特徴間の明らかな不均一性を、遊走性等の細胞の物理的挙動に直接相関させることができることが初めて観察された。ELISpot及び先端ミクロ技術によって可能な試験のような最先端のタンパク質分泌試験と比較し、本明細書に開示されたアプローチは、ハイスループット及び高多重度の両方を提供する。また、患者の細胞機能及び免疫の有益な監視のための潜在的に革新的な手段となる、操作の容易さ、サンプル消費量の少なさ、及び標準化されたデータ分析等の臨床医に優しい多くの特徴を有している。本明細書に示されるデータの更なる説明は、全体として本明細書に組み入れられるLu et al., 2013, Anal Chem,85(4):2518-2556に見いだすことができる。
例で使用される材料及び方法を以下に説明する。
捕捉剤アレイの製造
PDMSレプリカの鋳型は、深堀り反応イオンエッチング(DRIE)法によりエッチングしたシリコンマスターである。これは、PDMSの離型を容易にするために、クロロトリメチルシラン(Aldrich)の蒸気で一晩前処理した。PDMSプレポリマー及び硬化剤(RTV615, Momentive)を完全に混合し(部分A及びBを10:1の割合で)、シリコンマスター上に注いだ。真空乾燥機1hにより気泡を除去し、80℃のオーブンで2hr、PDMSを硬化させた。硬化後、PDMS層を鋳型から離し、入り口部及び出口部の穴をあけた。装置を、エタノール及び2−プロパノール中で超音波処理することによって洗浄し、ポリ−L−リジンマイクロアレイスライド(Erie Scientific)と結合させた。その後、アセンブリを、オーブン中、80℃で2時間焼き、結合を強化した。抗体フローパターニング用PDMSマイクロチップは、それぞれ20種までの抗体をパターニングすることができる、20個の分離されたマイクロチャンネルを有している。PDMSフローパターニングマイクロチップにおける、一連のラインの典型的な幅及びピッチは、それぞれ25μm、50μmである。
捕捉剤アレイのフローパターニングのために、1.5μLの異なる抗体をマイクロチャンネルに別個に注入し、乾燥するまで微少流体チャンネルを流した。実験に使用する全ての抗体を表1に要約する。抗体をポリ−L−リジンスライドグラスに固定し、捕捉剤アレイを作製する。フローパターニング後、スライドグラスは、4℃の冷蔵庫に保存し、使用前にPDMS層をはずす。
サブナノリットルマイクロチャンバーアレイチップの製造
サブナノリットルマイクロチャンバーアレイの鋳型は、DRIE法によりエッチングしたシリコンマスターである。これは、PDMSの離型を容易にするために、クロロトリメチルシラン(Aldrich)の蒸気で一晩前処理した。単一細胞捕捉のためのサブナノリットル微少流体チャンバーアレイチップは、ソフトリソグラフィ技術を用いて、PDMS(RTV615, Momentive、部分A及びBを10:1の割合で)から製造した。真空乾燥機1時間により気泡を除去し、80℃のオーブンで2時間、PDMSを硬化させた。サブナノリットルマイクロチャンバーアレイチップは、カラムあたり約550個のマイクロウェルを有し、14個のカラムに5044個の細胞捕捉チャンバーを有している。結果として得られるマイクロウェルアレイの異なる空間的位置に、自動的マイクロウェル及び細胞認識のために、リソグラフィーマスクに、画像「マーカー」が含まれている。
細胞培養及び刺激
ヒトA549細胞株を、10%ウシ胎児血清(FBS、ATCC)を補充したF12/K培地中で培養した。ヒトU937細胞株は、ATCC(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC)から購入し、10%ウシ胎児血清(FBS、ATCC)を補充したRPMI1640培地(Gibco, Invitrogen)中で培養した。U937細胞懸濁液、各100μLを、1μLの20μg/mLホルボール12−ミリスタート−13−アセテート(Fisher)を用いて分化させ、1mLの1mg/mLのリポ多糖類(Calbiochem)を負荷して、その懸濁液をPDMSマイクロウェルアレイ上にピペッティングする前にToll様受容体4(TLR4)シグナル伝達を活性化した。
ヒト組織試料
ヒトの試料は、髄膜種の個人から得た。患者の一次組織を、最初にメスで刻み、次いで1倍のTrypLE Select(Invitrogen)に入れた。火造りのガラスピペットで組織を粉砕し、37℃で5分間インキュベートした。細胞懸濁液を、火造りのガラスピペットで再度粉砕し、37℃で更に5minインキュベートした。次いで、細胞懸濁液を40μmの細胞ろ過器(BD Falcon)でろ過し、DMEM−F12(Gibco, Invitrogen)で洗浄した。次いで、懸濁液を300RCFで5min遠心分離した。沈殿を、DMEM−F12に再度懸濁した。次いで、赤血球溶解溶液(Miltenyi Biotec)を使用して赤血球を取り除き、300RCFで5min遠心分離した。次いで、細胞を、DMEM−F12に10細胞/mLに再懸濁した。
PDMSマイクロウェルアレイによる単一細胞捕捉
単一細胞捕捉実験を実施する前に、PDMSマイクロウェルアレイ及び捕捉剤アレイスライドグラスを、3%BSA溶液(Sigma)で、それぞれ2hrブロッキングし、その後新鮮な細胞培地で洗浄した。捕捉直前に、細胞を新鮮な培地に懸濁した。PDMSマイクロウェルアレイを上向きに配置し、薄層がPDMSマイクロウェルアレイの表面に残存するまで細胞培地溶液を除去した。細胞懸濁液(50〜200μL)をマイクロウェルアレイにピペットで移し、細胞がマイクロウェル内に落ちるように、10min沈ませた。抗体スライドグラスを、細胞捕捉チャンバー上に捕捉剤アレイが乗っているようにPDMSマイクロウェルアレイの上部に配置した。次いで、PDMSマイクロウェルアレイ及びスライドグラスをネジで堅く固定し、バネを用いて圧力を配した。単一細胞がマイクロアレイ中に捕捉され、アセンブリを24時間インキュベートし、細胞分泌が起こるようにした。捕捉された細胞を24時間インキュベートした後、ネジをはずして捕捉剤アレイスライドグラスを除去し、ELISAイムノアッセイ法を実施し、結果を測定し、Genepixスキャナー及びソフトウェアにより解析した。
集団マイクロアレイ
細胞集団試験は、Spotbot 3 microarrayer(Arrayit)を用いてポリ−L−リジンスライドグラスにスポットした、カスタム印刷抗体マイクロアレイにより実施した。同じ抗体パターンを有する12個の同一のサブグループを各スライドグラス上に印刷した。印刷後、抗体スライドグラスを湿箱(75%相対湿度で飽和NaClを含む)中に5時間維持した。細胞集団試験の前に、スライドグラスをPDMSマイクロウェルスラブに結合し、3%BSA溶液で2時間ブロッキングした。次いで、細胞培養上清を種々のマイクロウェル中に加え、1時間インキュベートした。インキュベーションに続き、ELISA免疫試験法を実施し、結果を検出し、Genepixスキャナー及びソフトウェアにより解析した。
免疫試験法
ELISA法は、単一細胞により分泌されたサイトカインを検出可能なシグナルに変換するために実施した。ビオチン化検出抗体(表1)の混合物をスライドグラスにピペットを用いて移し、室温で45minインキュベートし、サンドイッチ免疫試験を完了し、次いで3%BSA溶液で洗浄した。APC色素標識ストレプトアビジン(eBioscience、200μL、5μg/mL)をスライドグラスに加え、更に45minインキュベートした。次いで、スライドグラスを3%BSAで再度洗浄し、3%BSAで0.5hrブロッキングした。BSAによるブロッキングに続き、スライドグラスをDPBS、DPBS、DI水、DI水に順に浸漬し、最後に風乾した。
蛍光検出及び解析
FITC及びAPCチャンネルの蛍光スキャン画像を得るために、Genepix 4000B及び4200Aスキャナー(Molecular Devices)を使用した。蛍光シグナルの収集には、2色のチャンネル488(青)及び635(赤)を使用した。画像は、マイクロウェルアレイ鋳型を積載及び整列し、その後蛍光強度値を抽出することにより、GenePix proソフトウェア(Molecular Devices)を使用して解析した。蛍光の結果は、GenePix Proにおける画像解析手段により抽出した。次いで、蛍光の結果を光学的画像化により解析したサブナノリットルのマイクロチャンバーアレイチップの各チャンバーに対応させた。
自動化光学的画像解析及び細胞の計数
アセンブリを、自動化顕微鏡試料台(Prior)で画像化し、各マイクロウェル中の細胞の数及び位置を記録する光学的画像を得た。自動化されたチップ全体の光学的画像を、Nikon Diaphot SA光学顕微鏡(Nikon)と連結したPaxcam(Paxit!)で撮影し、Paxitソフトウェア(Paxit!)を用いてつなぎ合わせた。画像形成後、アセンブリを37℃のインキュベータ中に24hr置き、細胞を分泌させた。24時間インキュベートした後、細胞を再度画像化し、細胞機能を観察する。OpenCV(Intel)を使用して、自分で開発したソフトウェアは細胞を自動計数するために書かれ、細胞数は、それぞれの細胞チャンバーに抽出された蛍光データと一緒に対応づけした。
データ及び統計解析
全ての蛍光スキャンしたアレイを、各セット中の全てのフィーチャについてバックグラウンドを引いた蛍光シグナル平均値を抽出するために、Genepixソフトウェアで処理した。自分で開発したMatlab(Math Works)コードを、蛍光データの自動化抽出及び散布図の生成のために作製した。Excel(Microsoft)及びOriginPro8(OriginLab)を、抽出したデータを編集するために使用した。ヒートマップ及び教師なしのクラスタリングを、ソフトウェアCluster/Treeview(Eisen Laboratory)を使用して、抽出したデータから生成した。統計解析は、Excel、OriginPro8、及びR(R Development Core Team)で実施した。
実験結果を以下に示す。
本明細書で説明するものは、並行して千個超の単一細胞から14種のサイトカインを同時検出するためのサブナノリットルのマイクロチャンバーアレイと、高密度捕捉剤アレイとを統合する、ハイスループット単一細胞セクレトーム解析プラットホームである。チップは、洗練された流体の取り扱い又はかさばる装置を必要としない、簡単な試験「キット」により実施することができる。この装置の有用性は、ヒト細胞株、及び患者の新鮮な腫瘍から分離した一次細胞の分泌の解析について証明されている。結果は、集団の単一細胞のセクレトームの特徴間に明らかな不均一性があり、試験を行った種々のタンパク質間で得られた相関関係がそれらの機能的分類と一致していることを示している。この技術は、研究及び臨床診断の両方で即時使用を見いだし得る真の実用的かつ有益な手段をもたらす、細胞捕捉、定量、自動化データ解析及びかさ高い流体操作システムの排除の単純化されたスキーム(Balaban et al., 2004, Science 305(5690):1622-5)を用いた、抗体バーコードをベースとするタンパク質分泌測定技術(Ma et al., 2011, Nat Med 17(6):738-43)についての以前の研究から発展している。
単一細胞セクレトーム解析チップの設計、製造及び組み立て
単一細胞セクレトーム解析装置は、2つの別々の部分:表面結合免疫試験のための高密度捕捉剤アレイガラス基板、及び単一細胞の捕捉のためのサブナノリットルマイクロチャンバーアレイから構成される(図1A)。捕捉剤アレイスライドは、30個のフィーチャの繰り返しを有し、それぞれは、ポリ−L−リジン被覆表面に固定された、種々の抗体の20個の帯を有する。抗体を含む帯は幅が20μmであり、全体のアレイのピッチサイズが1mmである。マイクロチャンバーアレイは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)(Unger et al., 2000, Science 288(5463):113-6)からソフトリソグラフィ(Unger et al., 2000, Science 288(5463):113-6)により製造された1層のマイクロチップであり、生物学的微少流体工学で広く使用されている光学的に透明なシリコンエラストマーである。マクロチャンバーアレイは、5440個の長方形のマイクロチャンバーを有し、それぞれは、長さ、幅及び深さが、それぞれ1.8mm、20μm及び15μmである。これら2つの部分は別々に製造され、捕捉剤アレイスライドが使い捨て試験片として働き、マイクロチャンバーアレイが再利用可能な装置として働くように、試験の際に組み合わされた。このプラットホームを使用するために、単一細胞懸濁液の1滴(約10細胞/mL)をマイクロチャンバーアレイチップ表面に、直接ピペットで乗せる。細胞は重力によってマイクロチャンバー内に落下し、その後、捕捉剤アレイスライドが、線がマイクロチャンバーの長さに直交するようにマイクロチャンバーの上部に抗体側を下に配置させる。マイクロチャンバーは、フィーチャの少なくとも1つのセットを含み、それによって正確な配置の必要性を排除するのに十分長く設計されている。最終的に、このアセンブリは、4つのバネで調整されたねじを有する2個の透明なプラスチック板で固定され(図6)、単一細胞分泌測定のための従来の組織培養器内に配置される。個々の細胞から分泌されたタンパク質は、捕捉剤アレイによって捕捉され、ビオチン化検出抗体、その後、蛍光プローブ(例えば、Cy5)と連結したストレプトアビジンとインキュベートすることによって読み出される。プロトタイプ単一細胞プロテオミクスチップ(Ma et al., 2011, Nat Med 17(6):738-43)と比較し、この装置は、洗練された微少流体制御システム又はあらゆる操作するためのかさばる装置を必要としないため、最小限の工学のバックグラウンドを有する研究者及び臨床医による広範な使用にも受け入れられる。
高密度の捕捉剤アレイは、十分に確立されたマイクロチャネルが誘導するパターニング技術(Fan et al., 2008, Nat Biotechnol 26(12):1373-8)を使用して製造され、主にインクジェットプリンティング、又はナノスケールチップをベースとするスポッティング等の他のいくつかの高密度マイクロアレイプリンティング技術により製造することができる。フローパターニングチップは、個々の抗体溶液(各1μL)が正確に測定され、添加され、並行して全てのマイクロチャンネルに流れ、表面への抗体の均一な積載を確実にする、20の個々の曲がりくねったマイクロチャンネルにつながる入口を有する別のPDMSスラブである。フルオレセインイソチオシアネートで標識したウシ血清アルブミン(FITC−BSA)溶液を、パターニングの質を評価するために使用した。結果は、大きい領域(1インチ×2インチ)にわたって高密度タンパク質アレイの製造が成功し、蛍光強度ラインプロファイルにより、示されるように優れた均一性(蛍光強度において<5%)を示すことが明らかにされる(図1B及び図7)。これは、元の捕捉剤アレイの不均一性よりも、細胞の不均一性に、以下の単一細胞のセクレトーム試験から観察されるタンパク質シグナルの変動(>10%)が帰せられることを保証する。
電動位相差画像化システムは、細胞捕捉チップにおいて10分以内に全ての細胞を画像化するために開発され(図1C)、画像解析アルゴリズムは、各マイクロチャンバー内の個々の細胞及びそれらのX/Y座標の特定、細胞の計数を可能にする。操作が簡単なため、単純なマイクロチャンバーアレイチップフォーマットが選択されたが、結果として、1個の細胞がチャンバーごとに捕捉されることを保証するのは不可能である。しかし、原液中の細胞密度の最適化は、マクロチップ中に1000個超の単一細胞チャンバーを容易に生じ(図8)、単一細胞のハイスループット解析が可能になる。
タンパク質パネル及び検証
捕捉剤アレイにより試験されるタンパク質を図2Aに記載する。単一細胞から分泌される、これらの特定のタンパク質の評価は、細胞プロセスの一連におけるそれらの機能のために特に重要である(Raman et al., 2007, Cancer Lett 256(2):137-65;Wu et al., 2012, PLoS Comput Biol 8:el002355;Zou, 2005, Nat Rev Cancer 5(4):263-74;Dranoff 2004, Nat Rev Cancer 4(1):11-22)。それらには、広範囲の免疫学的又は病態生理学的プロセスで必要なサイトカイン、ケモカイン及び増殖因子が含まれる。単一細胞から分泌される、これらのタンパク質の評価は、細胞性免疫及び細胞−細胞シグナル伝達ネットワークの研究において重要である。単一細胞由来のこれらのタンパク質を同時に測定するために、捕捉抗体を、高密度捕捉剤アレイとして基板表面に固定する。単一細胞解析を実施する前に組み換えタンパク質を用いて試験を検証した。個々の組換えタンパク質を、4対数範囲の濃度にわたって新鮮な細胞培養培地に注入し、交差反応性、検出限界(LOD)及びダイナミックレンジを評価するために抗体の全パネルにさらした。5%超の交差反応性(5ng/mLのタンパク質濃度で)を有する抗体を除外又は交換する。最終的な抗体対のパネルを、表1に要約したように得た。滴定曲線(図2B)は、3桁の規模の典型的な測定範囲の多重化アレイにおけるこれらのタンパク質の定量的測定の可能性を証明する。LODは400pg/mLから10pg/mL未満の範囲であり、抗体対の親和性に依存した。マイクロチャンバーの容積(約0.54nL)及び代表的な検出感度(約10ng/mL)に基づき、マイクロチャンバー中の捕捉剤アレイにより検出することのできるタンパク質量は5.4agのオーダーであり、これは、約160分子に等しい。したがって、プラットホームは、単一細胞から分泌されるタンパク質を検出する感度(通常、約102〜5のコピー数)を有する。
細胞株における単一細胞タンパク質セクレトーム解析
最初に、単一細胞セクレトーム解析チップを、神経膠芽腫多形細胞株(U87)由来の14種のタンパク質を測定するために使用した。この実験においては、単一細胞が1278個のマイクロチャンバーに捕捉され、10個以下の細胞を、各マイクチャンバー内に捕捉した。捕捉剤アレイのフローパターニングの際、FITC−BSA(0.5mg/mL)を、常にチャンネル1に流入させ、位置参照及び内部の質/均一性対照の両方として役立つ、蛍光シグナルの連続的ラインを形成した。スキャンした蛍光画像の代表的領域に示すように(図3A及び図9A)、青色のFITC−BSA参照ライン及びタンパク質分泌レベルに対応する赤色のパターン化したシグナルが容易に見える。同図に示すのは、積載された細胞の、14個のマイクロチャンバーの明視野像、対応する蛍光アレイ画像、及び2つのオーバーレイである。24時間のインキュベーション後に観察される主要なタンパク質(FGF、VEGF、MIF、IL−6、IL−8、及びMCP−1)は、主として、炎症誘発性タンパク質又は化学誘因性タンパク質である。
マイクロチャンバー中の各タンパク質の蛍光強度の自動定量は、画像解析ソフトウェアGenepix6.0を用いて実施した。単一細胞を含むマイクロチャンバーだけのセクレトームプロファイルを抽出し、得られた分泌プロファイルのヒートマップ(図3B及び図10)は、細胞−細胞の変動の存在を示す。ほとんどの細胞はIL−6及びIL−8を産生するが、タンパク質のレベルは個々の細胞間で変化し、MCP−1及びFGGのような存在量の少ない他のタンパク質の分泌は、明らかに不均一な特徴を示し、細胞のごく一部は、高レベルでタンパク質を発現する。単一細胞測定を検証するため、動力学的に大量の集団の分泌の測定を、並行して、同じ細胞から上清を集め、同じ時間インキュベーションし、従来のピンスポットマイクロアレイを用いて測定して行った。結果(図3D及び図11)は、単一細胞解析と全て一致する上位5種のタンパク質としてFGF、VEGF、IL−6、IL−8、及びMCP−1を示すが、相対レベルは異なっていた。しかし、MIFは集団試験で示されなかった。興味深いことに、蛍光強度により測定したタンパク質濃度は、常には細胞数に比例せず、相加的効果によって解釈することができないことが観察された(図3C及び図12)。セクレトーム解析チップに、より多くの細胞を積載し、捕捉チャンバー内の細胞数の増加とともにMIFシグナルが減少し、これは、細胞数の増加に伴う、パラクリンシグナル伝達及びMIFの制御の可能性を示す(図12)。2つの試験が生物学的に同一でないので、このわずかな矛盾が予想される(例えば、大量の試験はタンパク質プロファイルの終点を検出するが、単一細胞試験は、インキュベーションの期間にわたって蓄積されたシグナルを測定し、集団アレイはパラクリンシグナル伝達を受けるが、単一細胞測定は受けない)。全体として、これらの比較試験はお互いによく一致し、単一細胞セクレトーム解析マイクロチップの有効性を証明した。このプラットホームの他の利点は、複数の細胞から分泌されたタンパク質も同時に測定することである。IL−6及びIL−8の分泌は、マイクロチャンバー中の細胞が増えると増大するが、MCP−1又はMIFの量の増大は、細胞数が2を超えるとあまり変化しない。これは、複数細胞系のパラクリン機構がホメオスタシスを制御するという「クオラムセンシング」に似たあり得る機構の存在を示唆している。
単一細胞セクレトーム解析チップは、このプラットホームの広い適用性を評価するために更に2種の細胞株を測定するためにも使用された。最初のものは免疫細胞系(U937)である。細胞は、ホルボールミリステートアセテート(PMA)で刺激して機能的マクロファージ細胞に分化し、その後サイトカイン産生を促進するために細胞毒リポ多糖類(LPS)を負荷し得るヒト単球である。この処理は、グラム陰性細菌に対するヒトマクロファージの炎症性免疫応答を模倣している(Aderem and Ulevitch, 2000, Nature 406(6797):782-7)。観察される主要なタンパク質は、RANTES、TNF−α、MCP−1、IL−6、及びIL−8である(図9B)。ほとんどの細胞がRANTES、IL−8及びTNF−αを産生するが、これらのタンパク質の量は、個々の細胞間で変化し、MCP−1及びIL−6のような他の低い存在量のタンパク質は不均一性の特徴を示す。同じ細胞から集めた上清について、大量集団の分泌の測定を並行して実施し、単一細胞の実験を検証した(図13)。結果は、同様に、単一細胞解析と一致して、上位5種のタンパク質としてRANTES、IL−8、MCP−1、IL−6及びTNF−αを示す。マイクロチャンバー内の細胞数の増加とともにIL−8及びRANTESの分泌が増加し、MCP−1又はTNF−αの量は、細胞数が4を超えた場合に顕著に変化しない(図9C)。第2は、サイトカイン又は増殖因子を構成的に産生する肺がん細胞株(A549)である。したがって、これらの細胞から分泌される基底レベルは、刺激なしで測定した。観察される主要なタンパク質は、標準的なピンスポット抗体マイクロアレイ試験を用いる大量集団試験(図15)によっても検証された、MCP−1、IL−6、IL−8、VEGF及びFGFである(図14)。A549細胞から分泌されるタンパク質としては、腫瘍の増殖を維持し、炎症性微少環境を促進する肺腫瘍細胞の役割と一致して、炎症誘発性サイトカイン及び増殖因子の両者が挙げられる。全体として、細胞株の試験は、プラットホームが、ELISpotのような現在までの従来法と比較し、単一細胞内のタンパク質分泌プロファイルの迅速、定量的、かつハイスループット解析を可能にすることを証明した。細胞株によるプラットホームの検証は、患者由来の組織試料のような、より複雑な試料を含めるように、試料のレパートリーを拡張することを可能にする。
セクレトームの特徴と遊走特性との相関関係
フローサイトメトリーに基づく単一細胞解析はタンパク質の多重測定を可能にするが、測定されたタンパク質プロファイルを、細胞の挙動及び遊走特性等の活性と直接関連させることはできない。本明細書に記載のプラットホームは、捕捉細胞を計数するために細胞のライブ画像化を利用するので、細胞挙動の同時測定と、同じ細胞の対応するタンパク質プロファイルを後で関連づけることが可能になる。本明細書において、単一細胞セクレトーム解析チップに積載した肺がん細胞(A549)の遊走は、インキュベーション前及びインキュベーション24時間後の移動距離を測定することにより測定した(図4A)。これらの細胞はチャンネルの壁に接着し、異なる速度で移動することが見られた。結果を、細胞移動距離の増加によって選別した単一細胞セクレトームプロファイルを示すヒートマップに要約する(図16)。サイトカインレベルのP値解析は、低運動性細胞(同じ範囲の下20%)に対し高運動性細胞(全観察範囲の上20%)で実施した。大部分の細胞は移動しないが、高度に移動する細胞は、統計的にIL−8の高発現と関連している(P<0.01)(図4B)。MCP−1の分泌と細胞の移動との相関関係はそれほど有意でない(図4c、d)。IL−6は、散布図において細胞運動性と負に関連しているように見えるが、試験を用いた統計的相関関係を示さない。これらのタンパク質は、異なるがんにおける運動性及び転移の可能性の増大に関連しており(Singh et al., 1994, Cancer Res 54(12):3242-7;Li et al., 2003, J Immunol 170(6):3369-76;Waugh and Wilson, 2008, Clin Cancer Res 14(21):6735-41)、単一細胞IL−8分泌の試験を通し、転移と関連する個々の細胞のセクレトームの特徴を研究することが可能である。簡単に言えば、プラットホームは、初めて、細胞機能、基礎となる分子メカニズムの理解の向上をもたらすことができ、単一の生きた細胞のタンパク質のセクレトーム特徴及び表現型特性(例えば、遊走性)の同時測定を示している。
臨床患者試料由来の単一腫瘍細胞のセクレトームプロファイリング
複雑な生物試料に由来する細胞の多重化された分泌物を測定するためにプラットホームの有用性を拡張するために、本発明者らの装置を、悪性脳腫瘍、神経膠芽腫多重型(患者1及び2)又は髄膜腫(患者3)の3名の患者由来の新鮮な原発性腫瘍組織の測定にも適用した(表2)。外科的に切除した腫瘍組織の一部(<0.2g)を氷冷したリン酸緩衝食塩水で洗浄し、小さい断片に刻んだ後、コラゲナーゼを使用して単一細胞懸濁液に解離した(図5A)。細胞を遠心沈殿し、約10細胞/mLの密度で培地に再懸濁した。組織を得て1時間以内に、単一細胞懸濁液を、ピペットにより、単一細胞セクレトーム解析装置に積載する。細胞に12時間サイトカインを分泌させた後、アレイ上のパターンを、検出抗体を用いて現像し、スキャンした。生の蛍光画像(図5B、患者1)は、細胞株からスキャンした画像と比較し、優れたタンパク質シグナル、及び類似のバックグラウンドを示す。抗体アレイは、図5bに示すように、14種のタンパク質を含む。この実験においては、単一細胞を1058個のマイクロチャンバーが捕捉し、マイクロチャンバー内に0〜22個の細胞が捕捉された。個々のそれぞれのチャンネルから分泌した各サイトカインの蛍光強度を定量し、その後、単一細胞分泌プロファイルのヒートマップを作製した(図5C)。単一細胞分泌プロファイルの教師なしの階層的クラスタリングは、活性の異なる3種の別々の集団の細胞を示した。細胞の1つのクラスター(図5C、青色のクラスター)は通常は、より活性であり、より広い範囲のタンパク質を分泌し、恐らくより侵襲的な表現型に対応するが、緑色によって示される細胞は、最低レベルのサイトカイン産生を示し、腫瘍幹細胞/前駆細胞のような、より静止状態の表現型を表す可能性がある(Wicha et al., 2006, Cancer Res 66(4):1883-90)。オレンジ色により示される大きい画分は機能的表現型の多様性である。患者2からの結果(図5D)は、腫瘍タンパク質としてMIF及びIL−8であるという、患者1からの結果との類似性を示すが、炎症性サイトカインの産生のかなりの減少及び高レベルのEGFという点で異なるパターンを示す。第2層タンパク質は、全て、明らかな細胞不均一性を示す。図17及び図18は、タンパク質の相対濃度及び細胞集団における分布を示す、個々のタンパク質のヒストグラム及び散布図を示す。
フローサイトメトリープロットの形式で患者の原発性腫瘍のための単一細胞サイトカイン測定の疑似三次元散布図を編集し、14×14のモザイクマトリクスを作成した(図5E)。タンパク質は対角線に示されており、各パネルは対の相関プロットであり、R値を得るために線形回帰分析をそれぞれに対して行った。次いで、全体のマトリクスは、赤色(正の相関)及び青色(負の相関)に色分けされ、色の強度はRに比例している。患者1のマトリクスにおいては、全ての炎症性サイトカインは明らかに1つのクラスター内に関連しており、数種の増殖因子は別のクラスターに分類され、それらの機能的相違を反映している。患者2についての結果においては、炎症誘発性サイトカインが通常は低レベルで発現するが、相関関係を同じく示している。興味深いことに、EGFの分泌は、炎症誘発性かつ化学誘因性タンパク質(MCP−1、GMCSF及びIL−8)に対して負に相関している。より均一性であり、炎症性腫瘍でない移行性髄膜種の患者(患者3)由来の第3の試料も解析した。実際、患者3の結果(図19及び図20)は、炎症誘発性サイトカインのシグナルが減少したことを示す。これらの研究は、これらの細胞の生理機能又は病的状態に対し、結果の妥当性を示唆している。現在でも、外科的治療は、ヒト神経膠芽腫の最も有効な治療法である。その後、化学療法は、正常な脳組織にまで拡散した浸潤性腫瘍細胞を根絶するために、外科的空洞に薬剤を含有するウエハを置くことにより、又は全身的に実施される(Lesniak and Brem, 2004 Nat Rev Drug Discovery 3(6):499-508)。浸潤性細胞は通常、より多くのサイトカイン並びに異なるプロファイルのサイトカインを産生するので、腫瘍の侵襲性を決定し、個々の患者のための化学療法戦略を仕立てる臨床的価値を有する、プラットホームは、浸潤性細胞の表現型を潜在的に識別及び定量することができる。更に、腫瘍微少環境中で細胞−細胞間コミュニケーションを仲介する可溶性シグナルとして作用するこれらのタンパク質は、個別化療法の新規な治療用標的として特定される場合がある(Dvorak 2002, J Clin Oncol 20(21):4368-80;Rich and Bigner, 2004, Nat Rev Drug Discovery 3(5):430-46;Reardon and Wen, 2006, Oncologist 11(2):152-64)。
単一細胞プロテオミクス
単一細胞プロテオミクス解析は、一般に、核酸についてのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のようなタンパク質の同等の増幅法がないため、単一細胞からの遺伝子解析よりもはるかに困難である。フローサイトメトリー解析における最近の進歩は、単一細胞由来のタンパク質マーカーの34重の測定を可能にするが、ほとんどのタンパク質は、表面受容体又は細胞質タンパク質である(Bendall et al., 2011, Science 332(6030):687-96)。細胞内サイトカイン染色(ICS)は、「分泌」タンパク質の間接的な評価を可能にするが、おそらく単一細胞の限定された容積内での多数の抗体からの非特異的結合の増大のため現在では、測定することのできるサイトカインの数は現実には10未満に限定されている。更に、ICSを使用して検出された化合物の数が増加すると、個々の標識間のスペクトルの重なりのために、正確さが低下し、ノイズが増大する。更に、タンパク質の分泌とは異なり、細胞機能の直接的な測定ではない。したがって、多重化タンパク質分泌測定は、単一細胞の機能的分析のミッシングピースである。遺伝的に均一な細胞でさえ、非常に不均一である可能性があることはますます明らかになってきており、それらの生物学の研究において、多くの答えがない問題をもたらす(Bendall et al., 2011, Science 332(6030):687-96)。単一細胞の分泌プロファイルを調べることにより、腫瘍の不均一性について、シグナルが平均化され全ての限定的情報が失われる集団における細胞のシグナルパターンを調べるよりも、更に明らかにすることができ、単一細胞の分泌を調べる必要性が強調される(Bendall and Nolan, 2012, Nat Biotechnol 30(7):639-47;Michor and Polyak, 2010, Cancer Prev Res 3(11):1361-4)。
1000個超の単一細胞から分泌される14種のサイトカインのパネルのハイスループット同時検出を可能にするサブナノリットルの多重化免疫試験チップが本明細書に開示されている。このプラットホームは、分泌されたタンパク質の検出に特異的な重要な利点を提供し、フローサイトメトリーにより得られたものと相補的な結果を与える。この装置が独自の利点を提供するであろうシナリオの例は、特定の表面マーカーを使用して表現型が同一の細胞集団を選別するために細胞分離手段が使用される場合に、これらの細胞が、その後に本発明の装置内に配置され、機能レベルで細胞の不均一性を更に示すことである。例えば、ヒトT細胞系統は、多くの機能を示す場合があり、単一T細胞中の複雑な複数の機能の組み合わせは、特定の抗原に対する、この細胞の「質」を指示する。最近の研究によって、多機能性T細胞がより大きな効力及び耐久性を示すことが多いことがわかった(Seder et al., 2008, Nat Rev Immunol 8(4):247-58)。最新のHIVワクチン試験は、ワクチン接種の有効性を評価する手段として、インターフェロン−γ(IFN−γ)分泌T細胞を計測するためにELISpot技術を使用するが、ほとんどのIFN−γ分泌細胞は最終エフェクターT分化細胞であり、ウイルス感染に対してわずかな保護効果を有することがわかった。このプラットホームは、単一細胞タンパク質試験を機能解析の次のレベルに至らせるための、フローサイトメータ又は他の分離技術、例えば、磁力補助細胞選別(magnetically assisted cell sorting)から分離した細胞における多機能解析を実施するための有望な手段である(Adams et al., 2008, Proc Natl Acad Sci USA 105(47):18165-70)。プラットホームの潜在的な懸念は、細胞が密封されたマイクロチャンバー内で分離されると、初代細胞のエクスビボにおける正常な機能に影響を与える条件を経験する可能性があることである。生物分析手段として、マイクロチップは、細胞の長期培養を行うことを意図しておらず、通常の試験時間は数時間から1日である。密封かつ分離された環境での初代細胞のエクスビボにおける試験が、その固有の生理学的活性から予測されるように長時間にわたってタンパク質を産生することが報告され(Ma et al., 2011, Nat Med 17(6):738-43);Han et al., 2012, Proc Natl Acad Sci USA 109(5):1607-12)、興味深いことに、細胞は初代組織におけるインビボにおける混雑を再現し、より効果的な自己分泌シグナル伝達のためのサイトカインの十分な濃度を保持するので、細胞は密封されたナノリットルのチャンバー内でより高い生存率を得ることができた。したがって、マイクロチップは、単一の初代細胞からタンパク質分泌プロファイルのハイスループット解析を行なうための有望なプラットホームであり、患者の鑑別診断及び細胞機能のモニタリングに役立つ。
例2:空間的及びスペクトル的符号化された45重試験
関心のある45種までの化合物の存在を試験するための検出可能な標識の空間的位置及び色を使用する、本発明の装置の一態様の開発が本明細書に開示される。別々に標識された二次抗体の使用は、同時に検出可能な関心のある化合物の数を非常に増大させる能力を可能にする。
図27は、試験がどのように機能するかを示す概略図である。各空間線(又は他の分離フィーチャ)は、3つの異なる一次抗体を有し、それぞれは、関心のある3種の異なる化合物の検出に特異的である。化合物の結合部位で、検出可能な標識を提供するために使用される検出抗体(二次抗体)は、それぞれ異なる色の蛍光標識で標識される。したがって、試験の解析には、装置全体の各検出可能な標識の空間的位置を観察するための多色レーザー走査法の使用が含まれる。
図28及び29は、装置からの3種の異なる色を検出する能力を証明する。図28は、抗体アレイとマイクロウェルのオーバーレイを示す。右側では、3つの異なる波長について、同じ視野を画像化している。したがって、特定の波長の特定の位置での検出は、関心のある特定の化合物の存在を検出する。図29は、多くの異なる波長を使用することができることを証明し、波長検出の均一性を示している。更に、図29に示すように、装置はスライド全体にわたって均一なタンパク質符号化を提供する。
14種の異なるラインを使用し、それぞれが、関心のある42種の化合物を検出するための3種の異なる色の標識を有していることを示す、典型的なパネルを図30に示す。
また、コントロールとして15番目のラインを使用していることが含まれている。
この試験で使用される抗体を、以下の表3に示す。
実験は、同じ空間的ライン上の抗体は、全て交差反応性の閾値を下回っていることを確実にするために実施された。これらの実験では、抗体アレイをEGFのみを含む溶液にさらす。図31に示すように、記載した空間的及びスペクトル的検出を使用し、EGFは検出された唯一の種である。EGFに相当する位置及び色が、バックグラウンドとして使用される1000の強度の閾値を著しく上回って明るくなることが観察された。これは、任意の観察された応答が、関心のある特定のサイトカインの結合事象のみにより引き起こされることを確実にする。このデータは、スペクトルデータに基づき、スペクトル試験における三重の空間符号化が実行可能であり、セクレトームサイトカインの定量に関し、重要な誤差を生じないことを証明している。
試料中の関心のある化合物の濃度に対して検出されるシグナル強度を適切に定量的に相関させるために、較正のために、関心のある各化合物について滴定曲線(図32A〜C)を確定した。
実験は、50ng/mLのPMAにより48時間分化したU937細胞株由来のヒトマクロファージ細胞を使用して実施した。実験は、FBSを含まない培地で飢餓させた細胞を、10%FBSを添加した細胞と比較した。飢餓状態及び非飢餓状態の細胞は、刺激しないままであるか、グラム陰性細菌における通常の病原性分子である、10μg/mLのLPSで刺激したかのいずれかである。本明細書に記載の空間/スペクトル試験により検出した応答を、ミクロELISAと比較した。化合物結合の検出を、本明細書の他の場所に記載されたように実施したが、使用した3つの波長について繰り返した。図33は488nm波長の生データを示し、図34は532nmの波長の生データを示し、図35は635nmの波長の生データを示す。解析を容易にするために、関心のある全ての種の検出を示す3つの波長の検出を、図36に示すように「拡張」した(すなわち、488nm、532nm及び635nmの生データで検出した種を統合した)。図示するように、後の解析を容易にするために、データを人為的に単一色に疑似着色した(この場合は赤色)。空間/スペクトル試験を使用する単一細胞解析を、集団をベースとするマイクロELISA試験と比較し、そのデータを図37に示す。
空間/スペクトル試験からの平均的な単一細胞のデータを、集団をベースとするマイクロELISAデータと比較すると、これらの分析において重要な相違点が示された(図38)。特定の例においては、予測された「表現型」又は「セクレトーム」における差は10倍より大きかった。例えば、全ての集団データを平均化した単一細胞のデータと比較して見た場合、その分泌物において、IL12及びIL10は、より高い(約10倍)と予測される。これは、マイクロELISAが単一細胞の応答を正確に評価していないことを示す。これらの大きな差は、集団レベルで示すことができない異なる多機能性を有する亜集団、集団に基づく感知の差(すなわち、細胞間コミュニケーション)、又は解析のタイムスタンプに基づく、異なるサイトカイン分泌パターンによる可能性がある。
飢餓及び非飢餓の差は、ほとんどのサイトカインについての高い一致の範囲内でのマイクロELISA技術に対して検証される。特に、IL−8、MIP−1b、MCP−1、IL−1RA、GMCSF、GCSF、MIP−1a、IL−1b、IFN−gはよく相関し(統計的有意)、MIF、MMP−9、TSLP、Rantesは、平均化した単一細胞において、集団で顕著に減少を示し、IL−6、IL−10、TNF−aは、おそらく上記評価における差のため、十分に相関しない。
図39は、LPS(100ng/mL)で刺激した細胞に対する、非刺激細胞の単一細胞分泌を比較した、45重の単一細胞試験を使用した実験の結果を示す。データは、ヒストグラム(上段)、ヒートマップ(中段)、及び平均化したシグナルの2d棒グラフ(下段)として表す。
単一細胞多重アレイ試験(SCMA)は、細胞内サイトカイン染色(ICS)に対しても検証した(図40及び図41)。ICSにより検出した「分泌物」は、本明細書に記載の単一細胞分泌試験と比較して増大していたことがわかった。特定の理論に束縛されることを望まないが、ICSにおけるこれらの増大は、この検出が実際に分泌されるタンパク質よりも予測される分泌されるタンパク質であるという事実に起因する可能性がある。
図42は、細胞(LPS刺激に対する非刺激)の多機能性を示す、データの出力の種類を示す。図示したように、グラフは、単一細胞あたりの検出されたサイトカインの数を示す。
例3:IsoPlexis:機能的細胞の不均一性を調べるための45重の単一細胞分泌プロファイリングプラットホーム
その変形であるFLUOROSpotを含むELISpotが、単一細胞由来の免疫エフェクタータンパク質の真の分泌を測定するために広く使用されている唯一の技術であり、そのため未だ、細胞性免疫を評価するための前臨床及び臨床手段の主軸となっている。しかし、それは1種又は2種のタンパク質しか測定できず、最小限の生物学的情報を提供する。したがって、それは、機能的多様性の完全な像を捕えられず、又は最も強力な多機能性の集団を特定することができないので、免疫細胞の質及び保護能力を示すことができない。単一細胞由来のタンパク質の一連を測定し得る技術は非常に望まれており、免疫多様性から、腫瘍内不均一性、多機能性、細胞間コミュニケーションネットワークにまで及ぶ重要な生物学的及び医学的問題の一連に対処するのに役立つであろう。このような技術は、以下の全ての要求を満たす必要がある。(i)単一細胞の感受性(タンパク質は単一細胞から分離され、感度よく測定することができる)、(ii)高多重度(タンパク質の大きいパネル(35以上)を同時に測定することができる)、(iii)ハイコンテント(何千もの単一細胞を並行して解析することができる)。サブナノリットルのチャンバーをベースとする単一細胞タンパク質分泌試験において、空間的多重化及びスペクトル多重化を組み合わせた新規技術が本明細書に開示されている。これは、従来のELISpot試験を使用するたったの1〜2種類のタンパク質と比較し、45種類の分泌タンパク質の同時定量を可能にし、これは、単一細胞プロテオミクス試験では、多重能力の最高記録である。このプラットホームは、3種のToll様受容体(TLR)をそれぞれ活性化する、病原性リガンドのLPS、ポリIC及びPAM3に対するヒトマクロファージ細胞を調べるために適用された。単一細胞多重タンパク質プロファイルは、予想外に大きな細胞間変動性及び3段階の応答を示し、これは、viSNEを使用する圧縮クラスター解析により更に確認された。viSNEは、t-Distributed Stochastic Neighbor Embedding(t-SNE)アルゴリズムに基づく、最近開発された解析法であり、高次元の単一細胞のデータの可視化、クラスター化を可能にし、細胞間の表現型不均一性を明らかにする強力な手段である(全体が本明細書に参照として組み入れられる、Amir et al., 2013, Nature Biotechnology, 31:545-552)。3種の機能的細胞のサブセットが同定され、応答は、初期状態と強く関連している。最初の集団は減少するか、無活動の状態に戻った。第2の集団は、そのエフェクター機能については大きく変化しないままである。第3の集団は、サイトカインの産生増大と強く相関し、非常に多機能性であると思われる。この3段階の応答は、マクロファージ細胞株及び初代単球由来マクロファージの両方で優勢であり、病原性リガンドに対する細胞性免疫の質(多機能性)及び範囲(画分)を決定する本質的な非遺伝的不均一性であると思われる。本明細書の研究は、深い機能的表現型、及び既存の技術によって調査することのできないパーターベーゲン(perturbagen)に対する不均一な応答を示す、単一細胞多重化タンパク質プロファイリングの能力を実証する。このプラットホームは、例えば、免疫系又は腫瘍微少環境における細胞の不均一性を評価するために、前臨床試験及び臨床試験の両方で大きな可能性を有している。
これらの実験で使用した材料及び方法を以下に説明する。
抗体フィーチャの製造
PDMSレプリカの鋳型は、深堀り反応イオンエッチング(DRIE)法によりエッチングしたシリコンマスターである。これは、PDMSの離型を容易にするために、クロロトリメチルシラン(Aldrich)の蒸気で一晩前処理した。PDMSプレポリマー及び硬化剤(RTV615, Momentive)を完全に混合し(部分A及びBを10:1の割合で)、シリコンマスター上に注いだ。真空乾燥機1時間により気泡を除去し、80℃のオーブンで2時間、PDMSを硬化させた。硬化後、PDMS層を鋳型から離し、入り口部及び出口部の穴をあけた。装置を、エタノール及び2−プロパノール中で超音波処理することによって洗浄し、ポリ−L−リジンマイクロアレイスライド(Erie Scientific)と結合させた。その後、アセンブリを、オーブン中、80℃で2時間焼き、結合を強化した。抗体フローパターニング用PDMSマイクロチップは、それぞれ20種までの溶液をパターニングすることができる、20個の分離されたマイクロチャンネルを有している。PDMSフローパターニングマイクロチップにおける、一連のラインの典型的な幅及びピッチは、それぞれ25μm、50μmである。
抗体フィーチャのフローパターニングのために、2μLの異なる抗体混合物(表3及び図30)をマイクロチャンネルに別個に注入し、乾燥するまで微少流体チャンネルを流した。実験に使用する全ての抗体を表3に要約する。抗体をポリ−L−リジンスライドグラスに固定し、抗体パターニングフィーチャを作製する。フローパターニング後、PDMS層を除去し、スライドグラスを3%BSA(Sigma)でブロッキングし、使用するまで4℃の冷蔵庫に保存する。
マイクロチャンバーアレイチップの製造
マイクロチャンバーアレイの鋳型は、DRIE法によりエッチングしたシリコンマスターである。これは、PDMSの離型を容易にするために、クロロトリメチルシラン(Aldrich)の蒸気で一晩前処理した。単一細胞捕捉のための微少流体チャンバーアレイチップは、ソフトリソグラフィ技術を用いて、PDMS(RTV615, Momentive、部分A及びBを10:1の割合で)から製造した。真空乾燥機1時間により気泡を除去し、80℃のオーブンで2時間、PDMSを硬化させた。
抗体の結合
供給業者に提供された手順書に従い、488nmのグループ及び532nmのグループの検出抗体を、それぞれAlexa Fluor488及びAlexa fluor532色素と共有的に結合した。635nmのグループの検出抗体は、すべてビオチンを用いてタグ化し、これらは、ビオチンとストレプトアビジン/アビジンの結合を通してフルオロフォアAPC又はCy5結合ストレプトアビジン又はアビジンを用いて読み出すことができる。
細胞培養及び刺激
ヒトU937細胞株は、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション,ATCC)から購入し、10%ウシ胎児血清を補充したRPMI1640培地(Gibco, Invitrogen)中で培養した。50ng/mLホルボール12−ミリステート13−アセタート(Fisher)を用い、48時間でU937細胞を分化させた。その後、培地を変え、正常培地に36時間置換した。単一細胞の実験のために、トリプシンを用いて細胞を集めた。懸濁液をPDMSマイクロウェルアレイにピペットで移す直前に、100ng/mLのリポ多糖類(Calbiochem)を細胞に負荷し、Toll様受容体4(TLR4)(又はPAM3、ポリICのような他の活性化試薬)のシグナル伝達を活性化した。
細胞内サイトカイン染色
細胞を集め、対照及び処置細胞を10の密度で、組織培養ペトリ皿に播種する。2時間後、分泌阻害剤、Brefeldin A(Biolegend)を加えた。次いで、細胞を22時間インキュベートし、細胞内フローサイトメトリーのために細胞を集めた。製造業者の説明書に従い、細胞を固定し、染色した。
PDMSマイクロウェルアレイで捕捉した単一細胞
単一細胞捕捉実験を実施する前に、PDMSマイクロウェルアレイ及び抗体含有スライドグラスを、それぞれ3%BSA溶液(Sigma)で2時間ブロッキングし、その後、新鮮な培地で洗浄した。細胞捕捉の直前に細胞を新鮮な培地に懸濁した。PDMSマイクロアレイを上向きに配置し、薄層がPDMSマイクロウェルアレイ上に残存するまで、細胞培養培地溶液を除去した。細胞懸濁液をマイクロウェルアレイにピペットで移し(50〜200μL)、細胞がマイクロウェル内に落下するように10分間沈降させた。抗体スライドグラスを、細胞捕捉チャンバーに抗体が面するようにPDMSマイクロウェルアレイの上部においた。次いで、PDMSマイクロウェルアレイ及びスライドグラスを、ネジでしっかりと固定した。単一細胞は、このようにマイクロウェルアレイ内に捕捉され、細胞がタンパク質を分泌できるようにアセンブリをインキュベートした。捕捉された細胞を24時間インキュベートした後、ネジをはずして抗体スライドグラスを除去し、ELISA免疫試験手順を実施し、Genepixスキャナー及びソフトウェアを用いて結果を検出及び解析した。
集団のマイクロアレイ
細胞集団試験は、ポリ−L−リジンスライドグラス上にSpotbot 3 microarrayer(Arrayit)をスポットした、カスタム印刷抗体マイクロアレイで実施した。同じ抗体パターンを有した12の同一サブグループを、各スライドグラス上に印刷した。印刷後、抗体スライドグラスを、湿箱(75%相対湿度で、飽和NaCl溶液を含む)中に5時間維持した。細胞集団試験の前に、スライドグラスをPDMSマイクロウェルスラブと結合し、3%BSA溶液で2時間ブロッキングした。次いで、細胞培養上清を種々のマイクロウェルに加え、1時間インキュベートした。インキュベーション後、ELISA免疫試験手順を実施し、Genepixスキャナー及びソフトウェアを用いて結果を検出及び解析した。
免疫試験法
ELISA法を行い、検出可能なシグナルへの単一細胞により分泌されるサイトカインの変換を行った。ビオチン化検出抗体の混合物(表3)をピペットでスライドグラスに移し、室温で1hrインキュベートし、サンドイッチ免疫試験を完了させ、その後、3%BSA溶液で洗浄した。APC色素で標識したストレプトアビジン(eBioscience、200μL、5μg/mL)をスライドグラスに加え、更に30minインキュベートした。次いで、スライドグラスを再度3%BSAで洗浄し、3%BSAで0.5hrブロッキングした。BSAブロッキングに続き、スライドグラスをDPBS、DPBS、DI水、DI水に順次浸漬し、その後、最終的に風乾した。
蛍光検出及び解析
Genepix 4200Aスキャナー(Molecular Devices)を、FITC及びAPCチャンネルの蛍光画像をスキャンするために使用した。3色のチャンネル、488(青色)、532(緑色)及び635(赤色)を、蛍光シグナルを収集するために使用した。画像は、マイクロウェルアレイ鋳型を積載及び整列し、次いで蛍光強度値を抽出することにより、GenePix Proソフトウェア(Molecular Devices)を用いて解析した。蛍光の結果は、GenePix Pro内の画像解析手段を用いて抽出した。次いで、蛍光の結果を、光学的画像化により解析したサブナノリットルマイクロチャンバーアレイの各チャンバーと対応させた。
自動化光学画像解析及び細胞計数
アセンブリを、自動化顕微鏡ステージを用いて、Nikon Eclipse Ti顕微鏡で画像化し、各マイクロウェル内の細胞の数及び位置を記録した光学的画像(暗視野及び斜光像)を得た。暗視野像は、各マイクロチャンバーの位置及び配列を定義するために使用され、斜光像は、細胞数及びその位置を定義するために使用される。画像は、いずれも、自動化細胞計測を実現するために、各画像の閾値を定義することにより、Nikonソフトウェア(NIS-Elements Ar Microscope Imaging Software)で処理することができる。細胞数は、その後、それぞれの細胞チャンバーに抽出された蛍光データと照合される。
データ及び統計解析
蛍光スキャンした全てのスライドを、Genepixソフトウェアで処理し、各セット内の全てのフィーチャの平均的蛍光シグナルを抽出した。自分で開発したMatlab(Math Works)コードを、蛍光データの自動化抽出及び散布図の生成のために作製した。Excel(Microsoft)及びOriginPro8(OriginLab)を、抽出したデータを編集するために使用した。ヒートマップ及び教師なしのクラスタリングを、ソフトウェアCluster/Treeview(Eisen Laboratory)を使用して、抽出したデータから生成した。統計解析は、R(R Development Core Team)で実施した。
実験結果を以下に示す。
実験は、本明細書に記載の45重の単一細胞タンパク質分泌プロファイリングプラットホームを使用して実施した(図43)。細胞懸濁液をPDMSマイクロウェルアレイチップ表面にピペットを用いて移動し、細胞を重力によりマイクロチャンバー内に落下させた。次いで、フローパターン形成した45重の抗体固定化スライドグラスを、マイクロチャンバーの上部に下向きに配置し、抗体フィーチャがマイクロチャンバーに対して垂直になるようにした。この処理の間に、0個から数十個の細胞がマイクロチャンバー内に捕捉される。捕捉された細胞数はポアソン分布に一致する。最終的に、このアセンブリは、6本のネジで2つの透明なプラスチック板に固定される。電動位相差顕微鏡が、アセンブリを画像化し、各マイクロチャンバー内の細胞数及び位置を記録するために使用される。次いで、それを、細胞にタンパク質を分泌させるために、組織培養インキュベータ中に24時間配置する。この間に個々の細胞から分泌するタンパク質を抗体で捕捉し、対応する検出抗体との反応により検出可能なシグナルに変換し、その後、最終的に蛍光スキャナーにより読み出す。各単一細胞に対応させて蛍光シグナルを定量し、ヒートマップ、散布図又はVISNEによって示すように解析する。
488及び532チャンネル間のスペクトルの相互干渉及び重なりが考慮された。Alexa fluor 488及び532色素間のスペクトルが重なるため、このスライドグラスは、488チャンネル(本当のシグナル)及び532チャンネル(相互干渉)の両方からの蛍光シグナルを得る。488チャンネルシグナル及び532チャンネルシグナルは、相互間に良好かつ安定な相関を示し(R2が約98%)、補正式を抽出することができる(図47A)。532チャンネルの実際のシグナル及び488チャンネルの相互干渉を観察すると、類似の結果が観察された(図47B)。
PMAによるU937単球の分化は、マクロファージマーカーCD11b(FL4)及びCd14(FL2)の発現を検出することにより評価した(図48)。
実験は、96ウェルプレート、PDMSを5:1、10:1、20:1の比でそれぞれ含む異なる基板から得られるU937単球由来マクロファージ集団細胞のタンパク質分泌結果を調べるために実施した。結果は、IL−8、MCP−1、IL−6等の高レベル分泌タンパク質、及びIL−1a、IL−3、IL−4等の低レベル分泌タンパク質の両方について異なる基板について同様の倍数の変化を示した(図49)。
チャンバーに含まれる細胞の量により組織されるように、分泌のヒートマップを可視化することができる(図50)。0個の細胞のチャンバーからのシグナルは、正の分泌の閾値(平均シグナル+標準偏差の2倍)として使用することができる。データを解析し、分泌と細胞数との相関を調べた(図52)。実験は、2種のチップ間の単一細胞分泌の結果を比較するためにも実施し(図51)、これにより、チップが非常に類似する結果をもたらすことが実証される。
装置は、U937マクロファージからのタンパク質の分泌を解析するために使用した。48時間のインキュベーションにわたるタンパク質分泌の動態を図55に示し、これは、種々のタンパク質が異なる分泌動態を有することを示している。図44は、種々の方法を用いた、U937マクロファージからの刺激された、又は刺激されていない(対照)タンパク質の分泌を示す。例えば、図44Aは、U937由来マクロファージの単一細胞のタンパク質分泌結果と、その集団細胞の分泌結果との比較を示す。一般的にいえば、これら2つの結果は、お互いに良好な相関を示した。興味深いことに、いくつかの相違点も観察された。例えば、IL−8の強度は、集団の結果における対照と刺激細胞間で非常に類似することが観察された。しかし、開示された単一細胞アレイを使用して観察した単一細胞の結果は、LPSで刺激された細胞が、実際に対照の細胞よりも高い分泌頻度を有することを示した。これも、細胞内サイトカイン染色により検証された(図44B)。単一細胞分泌プラットホーム及びICS(細胞内サイトカイン染色)から得られたタンパク質分泌頻度の比較を図44Bに示す。
IL−8及びMCP−1のタンパク質分泌結果により定義される類似の細胞亜集団の定義は、SCMA及びICSの両方により観察された(図44C)。単一細胞分泌プラットホームは、細胞の多機能性を調べるために使用した。それらのタンパク質分泌結果に基づく、U937マクロファージ単一細胞の多機能性の解析は、広範囲の単一細胞の多機能性が観察され、U937由来マクロファージ細胞が、LPS刺激によるTLR−4の活性化により、更に多機能性を示すことを証明した(図44D)。
細胞の多機能性は、LPS刺激による広範囲の単一細胞多機能性及び多機能性の増大を示す図53で更に証明されている。この結果は、3つの独立した実験で検証された。
TLR4リガンド、LPS刺激後のマクロファージ応答の単一細胞分泌解析の結果を図45に示す。ヒートマップは、未処理及びLPS刺激U937単球由来マクロファージのタンパク質分泌プロファイルの比較を示す(図45A)。VISNEは、単一細胞分泌の結果を可視化するために使用した(図45B)。VISNEは、高次元の単一細胞のデータを二次元に変換するが、元のデータの高次元構造は保持したままである。これは、高次元の全ての対間距離がプロット内の各細胞の位置を位置づけるために利用した散布図に類似の個々の細胞を可視化する。X軸及びY軸は、二次元の位置を示す任意の数である。この解析から、未処理及びLPS刺激したU937単一細胞が、それらのタンパク質分泌に基づいて(従来のクラスター解析に従い(図54))、3つの亜集団に分類できることが観察される。これは、VISNEを用いた、種々のタンパク質(MIF、IL−8、MCP−1、RANTES、MIP−1a、MIP−1b)の分泌結果を示す図45Cにおいて更に示される。これは、異なるタンパク質が細胞の種々のサブグループを特徴づけることを明らかに実証する。例えば、IL−8、MIP−1bのようないくつかのタンパク質はLPS刺激に感受性であるが、MIFのようないくつかのタンパク質は感受性でない。
LPSによる刺激の前後の同一細胞の解析は、それぞれ個々の細胞がどのようにして特異的分泌プロファイルを有するかを示す。例えば、図56は、個々の細胞がLPS刺激にどのように応答するかを示す一連のプロットを含む。このデータは、いくつかのタンパク質の分泌は細胞間で類似しているが、他のタンパク質の分泌は、試験集団の種々の単一細胞間で大きく異なる可能性があることを示している。
実験は、種々のTLRリガンド(LPS、PAM3又はポリIC)刺激に対するマクロファージの応答を調べるために実施した。図46Aは、未処理及び刺激(LPS、PAMP又はポリIC)U937単球由来マクロファージのタンパク質分泌プロファイルを示すヒートマップを示す。更に、所定のタンパク質それぞれの細胞分泌の頻度を、各条件下に解析した(図46B)。単一細胞の結果はVISNEで可視化し、そこから、未処理及び刺激単一細胞は、それらの分泌に基づいて3つの亜集団に分類されることが観察された(図46C)。このことは、個々のタンパク質(MIF、IL−8、MCP−1及びMIP−1b)の分泌をVISNEで観察する場合に更に例証される(図46D)。
本明細書に記載のシステムは、単一細胞のレベルでの細胞分泌の有効検出を提供し、これは、細胞集団内の重要な単一細胞の相違を特定することができる。本発明のシステムの利点を図57に示す。本明細書に示した単一細胞分泌試験とICSとの比較においていくつかの相違点がある。第1に、タンパク質発現がタンパク質分泌と同じでないことに留意することが重要である。本発明の単一細胞試験は、細胞により分泌されたタンパク質量を測定するが、ICSは、細胞内にブロックされたタンパク質を測定する。更に、ICSの際に、細胞機能を変える可能性のあるゴルジ体遮断薬が使用され、これは細胞に対して毒性がある。逆に、本発明の単一細胞試験は、シグナルを遮断するために、無毒な物的障壁を使用する。更に、サンドイッチ技術においては、シグナルを与えるためにタンパク質の2つの異なるエピトープが認識されなければならないので、本発明の単一細胞試験は、ICSよりも特異性の高いサンドイッチ免疫試験の形式を使用する。したがって、陽性細胞についての閾値は、これら2つのシステムにおいて非常に相違している可能性がある。
本明細書に引用した、各特許、特許出願及び出版物は、参照として全体が本明細書に組み込まれる。本発明を特定の態様を参照して開示したが、本発明の他の態様及び変形は、本発明の真の趣旨及び範囲を逸脱することなく、当業者によって案出され得ることは明らかである。添付した請求項は、このような全ての態様及び等価な変形を含むことを意図する。

Claims (35)

  1. 複数の閉鎖インターフェースを含む、細胞から分泌された化合物の多重検出用装置であって、
    各閉鎖インターフェースが、(a)細胞を含むように構成されたマイクロチャンバーと、(b)空間的に同定可能な少なくとも10分離フィーチャを含む基板とを含み、
    少なくとも10分離フィーチャが、1分離フィーチャあたり、少なくとも2種の固定化捕捉抗体を含み、
    各固定化捕捉抗体が、対象とする異なるタンパク質を認識し、
    ここで、マイクロチャンバー及び基板が、連結して複数の閉鎖インターフェースを形成し、各閉鎖インターフェースは、各マイクロチャンバーに積載した細胞および細胞から分泌された化合物が前記少なくとも10分離フィーチャの全てにアクセス可能であり、それによって固定化捕捉抗体の全てにアクセス可能であるようにマイクロチャンバー及び基板を含む、前記装置。
  2. 少なくとも10分離フィーチャが、1分離フィーチャあたり、少なくとも3種の固定化捕捉抗体を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 閉鎖インターフェースが、平行に配置されている、請求項1に記載の装置。
  4. 分離フィーチャが、閉鎖インターフェース内で、平行に配置されている、請求項1に記載の装置。
  5. 装置が、200マイクロチャンバー/cm〜20,000マイクロチャンバー/cmを含む、請求項1に記載の装置。
  6. 装置が、100〜100,000マイクロチャンバーを含む、請求項1に記載の装置。
  7. 基板上の少なくとも1分離フィーチャが、5〜100種の捕捉抗体を含む、請求項1に記載の装置。
  8. 各マイクロチャンバーが、100μm〜2000μmの長さ、10μm〜100μmの幅、および、10μm〜100μmの深さを有する、請求項1に記載の装置。
  9. 各分離フィーチャが、5μm〜50μmの幅を有する、請求項1に記載の装置。
  10. 分離フィーチャが、互いに5μm〜50μm離れている、請求項1に記載の装置。
  11. 分離フィーチャの各々が、少なくとも3種の固定化捕捉抗体を含む、請求項1に記載の装置。
  12. 分離フィーチャが、マイクロチャンネルである、請求項1に記載の装置。
  13. 分離フィーチャが、クロスフローパターニング技術により製造される、請求項1に記載の装置。
  14. 分離フィーチャが、マイクロスケールプリンティング技術により製造される、請求項1に記載の装置。
  15. マイクロスケールプリンティング技術が、マイクロスポッティングまたはインジェクトプリンティングである、請求項14に記載の装置。
  16. 装置が、少なくとも1閉鎖インターフェースのマイクロチャンバー内に、少なくとも1個の細胞を含む、請求項1に記載の装置。
  17. マイクロチャンバーが、少なくとも1個の細胞から分泌されたタンパク質を含む、請求項16に記載の装置。
  18. タンパク質が、基板の分離フィーチャの捕捉抗体に結合する、請求項17に記載の装置。
  19. 単一細胞から分泌されたタンパク質を同定するための方法であって、方法は以下:
    (a)複数の閉鎖インターフェースを含む装置を提供すること、
    ここで、各閉鎖インターフェースが、細胞を含むマイクロチャンバーと、空間的に同定可能な少なくとも10分離フィーチャを含む基板とを含み、
    前記少なくとも10分離フィーチャのうちの少なくとも2分離フィーチャが、1分離フィーチャあたり、少なくとも2種の固定化捕捉抗体を含み、
    各固定化捕捉抗体が、対象とする異なるタンパク質を認識し、
    ここで、マイクロチャンバー及び基板が、連結して複数の閉鎖インターフェースを形成し、各閉鎖インターフェースは、各マイクロチャンバーに積載した細胞および細胞から分泌された化合物が前記少なくとも10分離フィーチャの全てにアクセス可能であり、それによって固定化捕捉抗体の全てにアクセス可能であるようにマイクロチャンバー及び基板を含み;
    (b)細胞からのタンパク質の分泌と、細胞から分泌されたタンパク質の、基板の分離フィーチャ上に固定化された捕捉抗体への結合とをもたらす条件下で、閉鎖インターフェースをインキュベートすること、それによって、細胞から分泌されて抗体上に捕捉されたタンパク質を含み、かつ、閉鎖インターフェースに対応する、基板の領域が形成される;
    (c)検出抗体の捕捉タンパク質への結合をもたらす条件下で、検出抗体の存在下で(b)の基板をインキュベートすること、
    ここで、各検出抗体が、異なる捕捉タンパク質を認識し、
    前記少なくとも10分離フィーチャのうちの少なくとも2分離フィーチャが、1分離フィーチャあたり、少なくとも2種の検出抗体に関連し、
    分離フィーチャ中の検出抗体の各々が、同じ分離フィーチャ中の他のすべての検出抗体とはスペクトル的に異なる標識を含む;ならびに、
    (d)(a)の閉鎖インターフェースに対応する基板の領域から、捕捉タンパク質に結合する検出抗体を検出すること、それによって、対応する閉鎖インターフェース内に含まれる細胞から分泌されたタンパク質が同定される、
    を含む、前記方法。
  20. 閉鎖インターフェースが、平行に配置されている、請求項19に記載の方法。
  21. 分離フィーチャが、閉鎖インターフェース内で、平行に配置されている、請求項19に記載の方法。
  22. 装置が、200マイクロチャンバー/cm〜20,000マイクロチャンバー/cmを含む、請求項19に記載の方法。
  23. 装置が、100〜100,000マイクロチャンバーを含む、請求項19に記載の方法。
  24. 基板が、10〜100分離フィーチャを含む、請求項19に記載の方法。
  25. 基板上の少なくとも1分離フィーチャが、5〜100種の捕捉抗体を含む、請求項19に記載の方法。
  26. 各マイクロチャンバーが、100μm〜2000μmの長さ、10μm〜100μmの幅、および、10μm〜100μmの深さを有する、請求項19に記載の方法。
  27. 各分離フィーチャが、5μm〜50μmの幅を有する、請求項19に記載の方法。
  28. 分離フィーチャが、互いに5μm〜50μm離れている、請求項19に記載の方法。
  29. 分離フィーチャの各々が、少なくとも3種の固定化捕捉抗体を含む、請求項19に記載の方法。
  30. 分離フィーチャが、マイクロチャンネルである、請求項19に記載の方法。
  31. 分離フィーチャが、クロスフローパターニング技術により製造される、請求項19に記載の方法。
  32. 分離フィーチャが、マイクロスケールプリンティング技術により製造される、請求項19に記載の方法。
  33. マイクロスケールプリンティング技術が、マイクロスポッティングまたはインジェクトプリンティングである、請求項32に記載の方法。
  34. 単一細胞から分泌されたタンパク質を同定するための方法であって、方法は以下:
    (a)複数の閉鎖インターフェースを含む装置を提供すること、
    ここで、各閉鎖インターフェースが、細胞を含むマイクロチャンバーと、空間的に同定可能な少なくとも10分離フィーチャを含む基板とを含み、
    少なくとも10分離フィーチャが、1分離フィーチャあたり、少なくとも2種の固定化捕捉抗体を含み、
    各固定化捕捉抗体が、対象とする異なるタンパク質を認識し、
    ここで、マイクロチャンバー及び基板が、連結して複数の閉鎖インターフェースを形成し、各閉鎖インターフェースは、各マイクロチャンバーに積載した細胞および細胞から分泌された化合物が前記少なくとも10分離フィーチャの全てにアクセス可能であり、それによって固定化捕捉抗体の全てにアクセス可能であるようにマイクロチャンバー及び基板を含み;
    (b)細胞からのタンパク質の分泌と、細胞から分泌されたタンパク質の、基板の分離フィーチャ上に固定化された捕捉抗体への結合とをもたらす条件下で、閉鎖インターフェースをインキュベートすること、それによって、細胞から分泌されて抗体上に捕捉されたタンパク質を含み、かつ、閉鎖インターフェースに対応する、基板の領域が形成される;
    (c)検出抗体の捕捉タンパク質への結合をもたらす条件下で、検出抗体の存在下で(b)の基板をインキュベートすること、
    ここで、各検出抗体が、異なる捕捉タンパク質を認識し、
    少なくとも10分離フィーチャが、1分離フィーチャあたり、少なくとも2種の検出抗体と関連づけられ、
    分離フィーチャ中の検出抗体の各々が、同じ分離フィーチャ中の他のすべての検出抗体とはスペクトル的に異なる標識を含む;ならびに、
    (d)(a)の閉鎖インターフェースに対応する基板の領域から、捕捉タンパク質に結合する検出抗体を検出すること、
    それによって、対応する閉鎖インターフェース内に含まれる細胞から分泌されたタンパク質が同定される、
    を含む、前記方法。
  35. 少なくとも10分離フィーチャが、1分離フィーチャあたり、少なくとも3種の固定化捕捉抗体を含む、請求項34に記載の方法。
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