JP6196506B2 - 2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物およびそれを用いた金属管の内面のライニング方法および被覆鋼材、被覆管 - Google Patents

2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物およびそれを用いた金属管の内面のライニング方法および被覆鋼材、被覆管 Download PDF

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本発明は2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物およびそれを用いた金属管の内面のライニング方法および被覆鋼材、被覆管に関する。
建設現場等では土砂や鉱石を水と混合し、金属管の内部を通過させて輸送することが広く行われている。ここで金属管をそのまま利用すると、その中を通過する土砂や鉱石によって内面が摩耗してしまうため、ウレタンエラストマー等をコーティングして利用される場合がある。
これに関連した従来法として、例えば特許文献1に記載の方法が挙げられる。
特開2001−271987号公報
近年、輸送する土砂や鉱石の粒径が大きくなり、それに伴い輸送時の管壁の摩耗が増大している。特に特許文献1に記載のようなウレタンエラストマーは、他のポリエチレン等の樹脂や天然ゴム、合成ゴム等に比べ、水の拡散係数、透過係数が極めて大きいので、乾式での耐摩耗性は優れているが、水中での摩耗性に劣る。
従来、一般に耐摩耗性があるとされるポリウレタンエラストマー樹脂を金属管の内面にライニングしていたが、他のポリエチレン等の樹脂や天然ゴム、合成ゴムに比べ水の拡散係数、透過係数が極めて大きく、土砂や鉱石等の粉粒体と水の混合物のスラリーを輸送する際、ポリウレタンエラストマーが水を透過、膨潤し、本来の耐摩耗性を発揮できず、ライニング層が摩耗、剥離してしまうことが多い。
本発明は、乾式での摩耗性に優れ、加えて水中での摩耗性にも優れる金属管が得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物およびそれを用いた金属管の内面のライニング方法および被覆鋼材、被覆管を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討し、上記課題を解決する方法を見出して本発明を完成させた。
本発明は次の(1)〜(10)である。
(1)主剤と硬化剤とを混合し、これらを反応させて得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物であって、
主剤は、
2以上の水酸基を有する分子量が200以上の長鎖ポリオール(a):50〜90質量%と、
水酸基価が150〜250mg KOH/gのヒマシ油系ポリオール(b):0〜30質量%と、
分子量が200未満の短鎖ポリオール(c):0〜20質量%と、
を含み、
硬化剤は、
有機ポリイソシアネート(e):30〜70質量%と、
前記長鎖ポリオール(a)および/または前記短鎖ポリオール(c):20〜70質量%と、を含み、
または、
両末端にイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート(e)の1種類以上を含み、
主剤が含む水酸基およびアミン基の合計モル量に対する、硬化剤が含むイソシアネート基のモル量の比(NCO/(OH+NH2))が0.9〜1.2の範囲となるようにこれらを混合し、反応させて得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(2)前記主剤における平均水酸基価と平均アミン価との和が110〜300mg KOH/gである、上記(1)に記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(3)前記主剤が、さらに、多価アミン(d)を含む、上記(1)または(2)に記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(4)前記多価アミン(d)のアミン価が530mg KOH/g以上である、上記(3)に記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(5)前記主剤が、さらに、難燃剤、無機充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、吸水剤および触媒からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(6)前記主剤の数平均分子量が500〜2000である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(7)前記長鎖ポリオール(a)、前記ヒマシ油系ポリオール(b)および前記短鎖ポリオール(c)の分子量が50〜6,000の範囲内である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(8)前記硬化剤のNCO基含有率が10〜50質量%である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物。
(9)下層にエポキシ系被膜を、そしてその上に上記(1)〜(8)のいずれかに記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜を1mm以上の厚みに形成させた被覆鋼材。
(10)管の内面に先ず、エポキシ系被膜を形成させた後に、その上に上記(1)〜(8)のいずれかに記載の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜を1mm以上の厚みに形成させた被覆管。
本発明によれば、乾式での摩耗性に優れ、加えて水中での摩耗性にも優れる金属管が得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物およびそれを用いた金属管の内面のライニング方法および被覆鋼材、被覆管を提供することができる。
図1は、本発明の一実施例を示す概略断面図である。 図2は、実験2における耐摩耗性試験を説明するための概略図である。
本発明について説明する。
本発明は、主剤と硬化剤とを混合し、これらを反応させて得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物であって、主剤は、2以上の水酸基を有する分子量が200以上の長鎖ポリオール(a):50〜90質量%と、水酸基価が150〜250mg KOH/gのヒマシ油系ポリオール(b):0〜30質量%と、分子量が200未満の短鎖ポリオール(c):0〜20質量%と、を含み、硬化剤は、有機ポリイソシアネート(e):30〜80質量%と、前記長鎖ポリオール(a)および/または前記短鎖ポリオール(c):20〜70質量%と、を含み、または、両末端にイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート(e)の1種類以上を含み、主剤が含む水酸基およびアミン基の合計モル量に対する、硬化剤が含むイソシアネート基のモル量の比(NCO/(OH+NH2))が0.9〜1.2の範囲となるようにこれらを混合し、反応させて得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物である。
このような2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物を、以下では「本発明の組成物」ともいう。
また、本発明は、鋼材または管材の内面に対し、下層にエポキシ系被膜を、そしてその上に前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜を形成させた被覆鋼材および被覆管である。以下では「本発明の部材」ともいう。
建設現場等では土砂や鉱石を海水等と混合した後、金属管の中へ流し込み、ポンプの作用によっての輸送することが行われている。本発明の部材は、その内面がライニングされており、水中での耐摩耗性が共に優れるため、上記の輸送に好ましく適用することができる。また、長期間利用することができるので輸送コストを低減させることができる。また、内表面が平滑で摩擦が小さいため、輸送エネルギーを低減させることができる。
<本発明の組成物>
本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、主剤と硬化剤とを混合し、これらを反応させて得られるものである。
<主剤>
主剤について説明する。
主剤は、長鎖ポリオール(a)、ヒマシ油系ポリオール(b)および短鎖ポリオール(c)を含む。
<長鎖ポリオール(a)>
長鎖ポリオール(a)は、2以上の水酸基を有するポリオールである。また、分子量が200以上のポリオールである。この分子量は6,000以下であることが好ましい。
長鎖ポリオール(a)は単独であってよいが、2種類以上の混合物であってもよい。また、多価アルコール、多価アミンを併用してもよい。
長鎖ポリオール(a)として、分子量が200以上である、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールが挙げられる。
分子量が200以上であるポリエステルポリオールとしては多価アルコールと多塩基性カルボン酸やヒドロキシルカルボン酸とを重縮合することによって得られるポリエステルポリオールが挙げられ、さらにε−カプロラクトンなどのラクトンをグリコール等の存在下で開環付加重合したポリカプロラクトンジオール類が挙げられる。
ここでポリエステルポリオールに該当するものであっても、ヒマシ油系ポリオール(b)に該当するもの(例えば植物系ポリオール(ヒマシ油、亜麻仁油等)は、ポリエステルポリオールには含まれないものとする。その場合は、ヒマシ油系ポリオール(b)に該当するものとする。
分子量が200以上であるポリエステルポリオールとして、アジピン酸、イソフタル酸、3−メチル1,5−ペンタンジオールの重縮合により得られる液状ポリエステルポリオールが好適例として挙げられる。このような液状ポリエステルポリオールとして、例えばクラポールP−1012(クラレ社製)が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2’−ジメチル1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン1,4−ジオール、シクロヘキサン1,4−ジメタノール等を単独あるいは二種類以上併用して用いることができる。
多塩基性カルボン酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等を単独あるいは二種類以上併用して用いることができる。
ここでヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール、プロピレングリコール等の反応生成物は、ヒマシ油系ポリオール(b)に該当するものとする。
分子量が200以上であるポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1種または2種類以上を2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合せしめた生成物や、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコールが挙げられる。この場合2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば先に述べた多価アルコール、多塩基性カルボン酸の他、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン等のアミン類、エタノールアミン、プロパノールアミン等のアルカノールアミン類、レゾルシン、ビスフェノールの如き多価フェノール類等が挙げられる。
分子量が200以上であるポリエーテルポリオールとして、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ここでポリエーテルポリオールに該当するものであっても、ヒマシ油系ポリオール(b)に該当するもの(例えばヒマシ油等)は、ポリエーテルポリオールには含まれないものとする。その場合は、ヒマシ油系ポリオール(b)に該当するものとする。
分子量が200以上であるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。また、ポリマーポリオールも使用できる。ポリマーポリオールは、例えばスチレンやアクリルニトリル等のモノマーをポリプロピレングリコールなどの反応溶媒中で重合させて得られるものである。
主剤は、このような長鎖ポリオール(a)を50〜90質量%含有する。この主剤における長鎖ポリオール(a)の含有率は、70〜90質量%であることが好ましい。90質量%を超えると作業性が悪くなる傾向がある。また、50質量%未満であると、吸水率、耐摩耗性、浸漬後の耐摩耗性が低下する傾向がある。
<ヒマシ油系ポリオール(b)>
ヒマシ油系ポリオール(b)は、水酸基価が150〜250mg KOH/gであるポリオールである。
ヒマシ油系ポリオール(b)は、分子量が50〜6,000であることが好ましい。
ヒマシ油系ポリオール(b)として、ヒマシ油、亜麻仁油、ヒマシ油変性ポリオールが挙げられる。また、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール、プロピレングリコール等の反応生成物も有効である。ヒマシ油変性ポリオールとしてヒマシ油を変性した末端に反応性に優れた水酸基を有し、官能基数が2〜5のものが挙げられる。
ヒマシ油系ポリオール(b)は単独であってよいが、2種類以上の混合物であってもよい。
ヒマシ油系ポリオール(b)として、ヒマシ油(伊藤製油株式会社製、ヒマシ油 工1)が好適例として挙げられる。
主剤は、このようなヒマシ油系ポリオール(b)を0〜30質量%含有する。すなわち、主剤はヒマシ油系ポリオール(b)を含まなくてもよい。この主剤におけるヒマシ油系ポリオール(b)の含有率は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、この含有率は15質量%以下であることが好ましい。この含有率が30質量%を超えると長鎖ポリオール(a)の含有率に影響を与える可能性がる。また、10質量%未満であると、吸水率、弾性率、可とう性に寄与しない可能性がある。
<短鎖ポリオール(c)>
短鎖ポリオール(c)は、分子量が200未満のポリオールである。この分子量は50以上であることが好ましい。
短鎖ポリオール(c)は単独であってよいが、2種類以上の混合物であってもよい。また、多価アルコール、多価アミンを併用してもよい。
短鎖ポリオール(c)として、長鎖ポリオール(a)として例示したものであって、分子量が200未満のもの(前記ポリエステルポリオール、前記ポリエーテルポリオール、前記ポリカーボネートポリオール、前記多価アルコール、前記多価アミン)が挙げられる。
短鎖ポリオール(c)として、短鎖ジオールが挙げられ、具体的には1,4BG(三菱化学社製)が好適例として挙げられる。
主剤は、このような短鎖ポリオール(c)を0〜20質量%含有する。すなわち、主剤は短鎖ポリオール(c)を含まなくてもよい。この主剤における短鎖ポリオール(c)の含有率は、5質量%以上であることが好ましい。また、この含有率は10質量%以下であることが好ましい。この含有率が20質量%を超えると長鎖ポリオール(a)との相溶性が悪くなり分離する可能性がある。
<多価アミン(d)>
主剤は、さらに多価アミン(d)を含むことが好ましい。
多価アミン(d)は、2個以上の活性水素基を有するものであれば特に限定されない。
多価アミン(d)はアミン価が530mg KOH/g以上のものであることが好ましい。
多価アミン(d)として、ジエチルトルエンジアミンが好適例として挙げられる。ジエチルトルエンジアミンとして、例えばイハラケミカル工業社製、ハートキュア10が挙げられる。
主剤は、さらに、難燃剤、無機充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、吸水剤および触媒からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
紫外線吸収剤として、サルチル誘導体、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、硫酸アニリド誘導体、レゾルシノール、モノベンゾエート、O−ベンゾイル安息香酸メチル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2シアノ3,3−ジフェニルアクリレート、ヒンダートアミンタイプ、安息香酸誘導体、ニッケルキレート系、ニッケル複合体等が挙げられる。なかでもヒンダードアミン系安定剤(HALS)が好ましい。
主剤はこのような紫外線吸収剤を0.1〜3.0質量%含有することが好ましく、0.1〜1.0質量%含有することがより好ましい。
酸化防止剤として、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導モノフェノール系、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系等が挙げられる。なかでもテトラエステル型高分子量ヒンダードフェノール系が好ましい。
主剤はこのような酸化防止剤を0.1〜3.0質量%含有することが好ましく、0.1〜1.0質量%含有することがより好ましい。
着色剤は主剤中によく分散すること、熱安定性がよいこと、光安定性に優れていること、移行性が無いこと、色彩が変化しないこと、無毒であることが重要である。
着色剤としてトーナーが挙げられる。トーナーとしてトーナーカラー ZAグレーK−195(御国色素社製)が好適例として挙げられる。
主剤はこのような着色剤を0.5〜3.0質量%含有することが好ましく、0.5〜1.5質量%含有することがより好ましい。
吸水剤として、合成ゼオライト系吸着剤が挙げられる。具体的には、ゼオラムA−4(東ソー社製)を好適例として挙げられる。
主剤はOH基、NH2基を含有したポリオール成分であるため、空気中の水分を吸収し、イソシアネートを配合すると発泡現象を起こす可能性がある。発泡を防止するために水分含有率を0.08質量%以下とすることが好ましいが、保存中に吸水し、水分の含有率が高くなる可能性もある。そこで、主剤は吸水剤を含むことが好ましい。
主剤はこのような吸水剤を1.0〜5.0質量%含有することが好ましく、1.0〜3.0質量%含有することがより好ましい。
触媒として、アミン系触媒、有機金属化合物が挙げられる。アミン系触媒である複数の窒素を含む、あるいは環状の第三級アミンおよび第四級アンモニウム塩を用いることができる。例えば、トリエチレンジアミン、トリエチレンジアミンの複塩、ジメチルトリエチレンアミン、トリエチレンジアミンプロピレングリコール溶液等が挙げられる。
一方、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエース、ジブチルチンジアセテート、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛等の有機金属化合物は加水分解促進効果が生ずるため、用いないことが好ましい。
主剤はこのような触媒を0〜0.1質量%以下含有することが好ましく、0〜0.05質量%以下含有することがより好ましい。触媒の添加量によって硬化速度が変わるため、作業性、硬化時間の要求から添加量を決める。
上記のような組成を備える主剤は、その平均水酸基価と平均アミン価との和が110〜300mg KOH/gであることが好ましい。
乾式での摩耗性により優れ、加えて水中での摩耗性にもより優れる金属管が得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物が得られるからである。
主剤は、その数平均分子量が500〜2000であることが好ましい。
乾式での摩耗性により優れ、加えて水中での摩耗性にもより優れる金属管が得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物が得られるからである。
<硬化剤>
硬化剤について説明する。
硬化剤は、2つの態様を有する。
第1態様は、有機ポリイソシアネート(e):30〜80質量%(好ましくは40〜70質量)と、前記長鎖ポリオール(a)および/または前記短鎖ポリオール(c):20〜70質量%(好ましくは30〜60質量%)と、を含む態様である。
第2態様は、両末端にイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート(e)の1種類以上を含む態様である。
第1態様と、第2態様とのいずれであっても、本発明の組成物における硬化剤に相当する。
<有機ポリイソシアネート(e)>
有機ポリイソシアネート(e)について説明する。
有機ポリイソシアネート(e)として、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートおよびこれらの混合物、変性物が挙げられる。
有機ポリイソシアネート(e)として、TDI系、MDI系、HMDI系、IPDI系、H12MDI系、TODI系、およびアダクト体、トリマー体、カルボジイミド結合体、さらにプレポリマー方式のウレタン樹脂が挙げられるが、高硬度、高弾性、高物性、発現性、高伸度、作業性に優れるため、カルボジイミド変性メチレンジイソシアネートとジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、およびジフェニルメン2,4’ジイソシアネートの混合物を好ましく用いることができる。ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネートは比較的蒸気圧が低く臭気が少ない。ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネートとして、具体的には、ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業社製)が挙げられる。
このような硬化剤は、そのNCO基含有率が10〜50質量%であることが好ましい。
乾式での摩耗性により優れ、加えて水中での摩耗性にもより優れる金属管が得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物が得られるからである。
ここでNCO基含有率は、JIS K−7301に規定される滴定法によって測定して得られる値を意味するものとする。
硬化剤は、そのNCO当量が84〜420であることが好ましい。乾式での摩耗性により優れ、加えて水中での摩耗性にもより優れる金属管が得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物が得られるからである。
有機ポリイソシアネート(e)と、前記長鎖ポリオール(a)および/または前記短鎖ポリオール(c)とを反応させて硬化剤を得る際は、有機ポリイソシアネート(e)と、前記長鎖ポリオール(a)および/または前記短鎖ポリオール(c)とを常温から100℃にて反応させることが好ましい。
本発明の組成物は、上記のような主剤が含む水酸基およびアミン基の合計モル量に対する、上記のような硬化剤が含むイソシアネート基のモル量の比(NCO/(OH+NH2))が0.9〜1.2の範囲となるようにこれらを混合し、反応させて得られる2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物である。
本発明の組成物において、主剤中の長鎖ポリオール(a)は、吸水率、耐摩耗性、機械物性、可とう性、防蝕、防錆、耐衝撃性に影響すると考えられる。また、ヒマシ油系ポリオール(b)は、疎水性、吸水性、低温における耐衝撃性、可とう性に影響すると考えられる。さらに短鎖ポリオール(c)は架橋剤、ハードセグメントとして、弾性、耐摩耗性、機械物性に影響すると考えられる。
また、塗装作業上、適正な粘度が得られ、諸性能向上のため、多価アミン(d)や、難燃剤、無機充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、吸水剤および触媒からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
さらに、硬化剤中の有機ポリイソシアネート(e)は高硬度、高物性発現性能を有する。このような本発明の組成物における硬化剤は、ソフトセグメント及びハードセグメントを有し、高硬度、弾性、伸び、吸水率、耐摩耗性を兼ね備える。
<本発明の部材>
次に、本発明の部材について説明する。
本発明の方法では、初めに、鋼材または管材の内面に2液混合型エポキシ系塗料を塗装する。
<2液混合型エポキシ系塗料>
本発明の方法において用いる2液混合型エポキシ系塗料について説明する。
2液混合型エポキシ系塗料はエポキシポリオールとポリイソシアネートとを混合して得られるものであることが好ましい。
エポキシポリオールは、ビスフェノールA系エポキシ樹脂を、脂環族骨格を有する変性剤によって高分子量化し、エポキシ構造の末端をキレート変性して水酸基を含有させた水酸基価200〜220mgKOH/gであることが好ましい。
ポリイソシアネートは、メチレンビス(4−フェニル)イソシアネートにカルボジイミド基を含有するポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート又はこれらの混合物であることが好ましい。
2液混合型エポキシ系塗料が、上記のようなエポキシポリオールとポリイソシアネートとを混合して得られる物である場合、エポキシポリオールとポリイソシアネートとを、エポキシポリオールに含まれる水酸基とポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基とのモル比NCO/OHが1.0〜1.1となるように混合することが好ましい。
2液混合型エポキシ系塗料が、上記のようなエポキシポリオールとポリイソシアネートとを混合して得られる物である場合、エポキシポリオールへシランカップリング剤と、ウレタン化促進触媒と、増量剤とを混合した後、ポリイソシアネートと混合することが好ましい。
シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメチロキシシランおよび/またはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを用いることができる。
シランカップリング剤の配合比は、エポキシポリオールへシランカップリング剤と、ウレタン化促進触媒と、増量剤とを添加した後の全量に対して、1.0〜1.5質量%とすることが好ましい。
ウレタン化促進触媒として、有機金属系化合物であるジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉛や、有機アミン系化合物であるトリエチレンジアミン、2−メチルトリエチレンジアミン、ジメチルトリエタノールアミン、N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチルモルホリン、第4級アンモニウム塩を用いることができる。
ウレタン化促進触媒の配合比は、エポキシポリオールへシランカップリング剤と、ウレタン化促進触媒と、増量剤とを添加した後の全量に対して、0.01〜0.5質量%とすることが好ましく、0.2〜0.3質量%とすることがより好ましい。
増量剤として、無機化合物である酸化チタン、タルク、クレー、炭酸カルシウムを用いることができる。
増量剤の配合比は、エポキシポリオールへシランカップリング剤と、ウレタン化促進触媒と、増量剤とを添加した後の全量に対して、5〜25質量%とすることが好ましい。
2液混合型エポキシ系塗料は、主剤に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含み、硬化剤に芳香族アミンまたは脂環族アミンを含有し、共に液状のものであって、常温で配合することによって硬化し、塗膜を形成するものであることが好ましい。
ここで主剤の主たる部分はエポキシ樹脂であり、具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの混合物でもよい。エポキシ樹脂のエポキシ当量は150〜250程度からなる液状樹脂を使用できる。
主剤はこのようなエポキシ樹脂の他に体質顔料や着色顔料に適量の揺変剤や変性剤や密着性付与剤や応力改質材を含んでもよい。
また、硬化剤に含まれる芳香族アミンは、アミノピペラジンまたはメタキシレンジアミンが好ましく、脂環族アミンとしてはイソホロンジアミンをエポキシ樹脂で変性した変性アミンとすることが好ましい。硬化剤中にアミノピペラジンを10〜30質量%、またはイソホロンジアミンをエポキシ樹脂で変性した変性アミンを50〜100質量%添加することがより好ましく、残部としては通常用いられる各種の脂肪族もしくは脂肪環のポリアミン、または、アルコール類やビスフェノールA等の反応に寄与する成分を用いることができる。
本発明の部材では、鋼材または管材の内面に2液混合型エポキシ系塗料を塗装し、この塗料からなる被膜を形成する。この被膜を、以下では「エポキシ系被膜」ともいう。
ここで塗装の方法は特に限定されず、エアレススプレー、ローラー、刷毛を用いて塗装することができる。
エポキシ系被膜の厚さは、20〜600μmとすることが好ましい。
本発明の部材では、エポキシ系被膜の上に、前述の本発明の組成物を塗装して被膜を形成する。この被膜を、以下では「ウレタン被膜」ともいう。
ここで塗装の方法は、本発明の組成物を管材を回転させながらスプレーもしくは刷毛により塗装することが好ましい。また、ここでスタティックミキサー等を用いて本発明の組成物を混合しながら、これを管材の内面に塗装することが好ましい。
より耐摩耗性に優れ、加えて、より耐水性に優れる管材が得られるからである。
ここで管材は、管材の長手方向の中心軸を中心として回転させることが好ましい。この中心軸に平行な別の軸を中心として管材を回転させてもよい。
ウレタン被膜の厚さは、1〜10mmとすることが好ましく、3〜6mmとすることがより好ましい。
本発明の部材では、金属管の内面に2液混合型エポキシ系塗料を塗装した後、その上に、本発明の組成物を塗装するが、さらにその後、50〜150℃にて加熱養生を行って得ることが好ましい。この加熱養生における温度は80〜120℃であることがより好ましく、100℃程度であることがさらに好ましい。
加熱養生を行う時間は0.5〜4時間であることが好ましく、1.0〜2.0時間であることがより好ましい。
加熱養生を行う方法は特に限定されないが、例えばオーブンやジェットヒーターを用いて行うことができる。
本発明の部材における管材の大きさ、材質等は特に限定されない。鋼やステンレスからなる鋼管であることが好ましい。
なお、本発明の部材において管材は金属バルブを含むものとする。
本発明の実施例について説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実験1>
<実施例1>
以下の組成の主剤および硬化剤を用意した。
主剤:
・長鎖ポリオール(a)として、ポリエステルポリオール(クラレ社製、クラポールP−1012):78.9質量%
・ヒマシ油系ポリオール(b)として、ヒマシ油(伊藤製油株式会社製、ヒマシ油 工1):9.9質量%
・短鎖ポリオール(c)として、1,4−ブチレングリコール(三菱化学社製、1,4BG):6.6質量%
・紫外線吸収剤として、ヒンダードアミン系光安定剤(TINUVIN765、チバガイギー社製):0.6質量%
・着色剤として、ZAグレーK−195(御国色素株式会社製):1質量%
・吸水材として、ゼオラムA−4(東ソー社製):3質量%
硬化剤:
・有機ポリイソシアネート(e)として、ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT):57.5質量%
・長鎖ポリオール(a)として、ポリエステルポリオール(クラレ社製、クラポールP−1012):42.5質量%
なお、硬化剤は、上記の有機ポリイソシアネート(e)と長鎖ポリオール(a)とを合成してなる、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである。
次に、上記の主剤および硬化剤を100:100(重量比)で混合した。混合は約1分間行った。
そして、離型紙を敷いた15×30cmの鉄板上に約2mmの厚さで塗布した後、80℃×1時間にて加熱することで硬化させて、硬化した2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物を得た。
次に、得られた硬化した2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物を試験片とし、硬度、引張強度、伸び率、引裂強度、耐摩耗性、浸漬後摩耗性、吸水率、質量変化率を測定した。
その結果を第1表に示す。
<比較例1>
実施例1において用いた長鎖ポリオール(a)およびヒマシ油系ポリオール(b)を用いず、代わりにポリテトラメチレングリコールを用いた。すなわち、比較例1における主剤および硬化剤の組成は、次の通りである。
主剤:
・ポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製、PTMG−1000):76質量%
・短鎖ポリオール(c)として、1,4−ブチレングリコール(三菱化学社製、1,4BG):12質量%
・触媒として、トリエチレンジアミンプロピレングリコール溶液(三共エアープロダクツ株式会社、DABCO 33LV):0.1質量%
・可塑剤として、フタル酸ジイソノニル(大八化学社製、DINP):11質量%
・着色剤として、トーナー(大日精化工業株式会社製、FTR−5570Aブラック):0.9質量%
硬化剤:
・有機ポリイソシアネート(e)として、ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT):57.1質量%
・ポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製、PTMG−1000):42.9質量%
なお、硬化剤は、上記の有機ポリイソシアネート(e)とポリテトラメチレングリコールとを合成してなる、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである。
次に、上記の主剤および硬化剤を80:100(重量比)で混合した。混合は約1分間行った。
そして、離型紙を敷いた15cm×30cmの鉄板上に約2mmの厚さで塗布した後、80℃×1時間にて加熱することで硬化させて、硬化した組成物を得た。
そして、得られた硬化した組成物を試験片とし、実施例1と同様に、硬度、引張強度、伸び率、引裂強度、耐摩耗性、浸漬後摩耗性、吸水率、質量変化率を測定した。
その結果を第1表に示す。
上記の実験1の結果より、比較例1のような一般的に使用される耐摩耗性のポリウレタンエラストマーは、乾式の耐摩耗性においては実施例1の場合よりも優れているが、水道水浸漬後の湿式の耐摩耗性(水中摩耗性)については実施例1の場合よりも劣ることが判明した。
吸水率を見ても、比較例1と実施例1との場合では明らかな差が見られ、従来の難点であった水の透過率を大幅に改善できると考えられる。
<実験2>
<実施例2>
350mm四方のSS400鋼板の主面に、プライマーとして、2液混合型エポキシ系塗料を塗装した。この塗料は、主剤としてのエポキシポリオールに硬化剤としてポリイソシアネートを添加したものである。塗装はエアレススプレーを用いて行った。
次に、プライマーからなる被膜の上に、2液反応型ポリウレタン塗料を塗装した。この塗料は主剤としてのC6エステル系ポリエステルポリオールと、硬化剤としてのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを1:1(体積比)で混合したものである。また、主剤(C6エステル系ポリエステルポリオール)の数平均分子量(Mn)は1000である。
ここで塗装は流し塗とした。そして、約3mmの被膜を形成した。
次に養生を行った。具体的には100℃に設定したオーブン内で1時間保持する加熱養生を行った。そして、得られた試験片について、後述する摩耗試験に供した。
また、離型紙を敷いた15cm×30cmの鉄板上に、約3mmの厚さで同様に2液反応型ポリウレタン塗料を塗装し、養生を行った。この試験片を用いて、後述する吸水率を測定した。
<実施例3>
実施例2とは異なる条件にて養生を行った。具体的には常温内に1時間保持する養生を行った。
そして、得られた試験片について、後述する摩耗試験および吸水率測定に供した。
<実施例4>
実施例2では数平均分子量(Mn)が1000であるC6エステル系ポリエステルポリオールを主剤として用いたが、実施例4では、数平均分子量(Mn)が2000であるC6エステル系ポリエステルポリオールを主剤として用いた。そして、それ以外は全て実施例2と同様とする操作を行い、同様の試験に供した。
<比較例2>
実施例2において用いたC6エステル系ポリエステルポリオールを用いず、代わりにポリエーテルポリオールを用いた。すなわち、主剤としてのポリエーテルポリオールと、硬化剤としてのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを1.1:0.9(重量比)で混合したものである。また、主剤(ポリエーテルポリオール)の数平均分子量(Mn)は2000である。そして、それ以外はすべて実施例2と同様とする操作を行い、同様の試験に供した。
摩耗試験について図2を用いて説明する。
図2に示すように、2.5m上から砕石4(砕石3号(約30mm〜50mmφ))を、アクリル管5(断面直径:20cm)を用いて、上記の実施例2〜4および比較例2によって得られた各試験片6に対して衝突角度30度で投下し、摩耗重量を測定した。具体的には、初めに50kgの砕石を投下して摩耗量を測定し、その後、さらに50kgの砕石を投下し、摩耗量を測定し、ここで得られた摩耗量を、累積での砕石の投下量が100kgである場合の摩耗量とした。このような操作を繰り返し、累積での砕石の投下量が150kgおよび200kgの場合の摩耗量についても測定した。
結果を第2表に示す。
吸水率測定については、JIS K7114に準拠し、イオン交換水にて20℃、24時間浸漬後の重量変化率を測定した。結果を第2表に示す。
実施例2によって得られた試験片の摩耗量が最も少なかった。また、吸水率についても、実施例2は比較例2と比べ明らかに小さく、従来の難点であった水の透過率を大幅に改善できると考えられる。
1 ウレタンエラストマー被膜
2 エポキシ系被膜
3 基材
4 砕石
5 アクリル管
6 試験片

Claims (8)

  1. 下層にエポキシ系被膜を、そしてその上に2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜を有する被覆鋼材であって、
    前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物は、主剤と硬化剤とを混合し、これらを反応させて得られるものであり、
    前記主剤は、
    2以上の水酸基を有する分子量が200以上6,000以下の長鎖ポリオール(a):50〜90質量%と、
    分子量が50〜6,000であり、水酸基価が150〜250mg KOH/gのヒマシ油系ポリオール(b):0〜30質量%と、
    分子量が50以上200未満の短鎖ポリオール(c):0〜20質量%と、
    アミン価が530mg KOH/g以上である多価アミン(d)と、
    を含み、
    前記硬化剤は、
    有機ポリイソシアネート(e):30〜70質量%と、
    前記長鎖ポリオール(a)および/または前記短鎖ポリオール(c):20〜70質量%と、を含み、
    または、
    両末端にイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート(e)の1種類以上を含み、
    前記主剤の数平均分子量が500〜2000であり、
    前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物は、前記主剤が含む水酸基およびアミン基の合計モル量に対する、硬化剤が含むイソシアネート基のモル量の比(NCO/(OH+NH2))が0.9〜1.2の範囲となるようにこれらを混合し、反応させて得られるものであり、
    20〜600μmの厚さの前記エポキシ系被膜と、その上の1〜10mmの厚さの前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜とを有し、前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜へ2.5m上から50kgの砕石3号を衝突角度30度で投下させても摩耗し難く、吸水率も低く、さらに乾式での摩耗性に優れ、加えて水中での摩擦性にも優れるため、土砂または鉱石と水との混合物のスラリーを輸送するために適している、被覆鋼材。
  2. 前記主剤における平均水酸基価と平均アミン価との和が110〜300mg KOH/gである、請求項1に記載の被覆鋼材
  3. 前記主剤が、さらに、難燃剤、無機充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、吸水剤および触媒からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の被覆鋼材
  4. 前記硬化剤のNCO基含有率が10〜50質量%である、請求項1〜のいずれかに記載の被覆鋼材
  5. 管の内面に密着したエポキシ系被膜と、その上の2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜とを有する被覆管であって、
    前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物は、主剤と硬化剤とを混合し、これらを反応させて得られるものであり、
    前記主剤は、
    2以上の水酸基を有する分子量が200以上6,000以下の長鎖ポリオール(a):50〜90質量%と、
    分子量が50〜6,000であり、水酸基価が150〜250mg KOH/gのヒマシ油系ポリオール(b):0〜30質量%と、
    分子量が50以上200未満の短鎖ポリオール(c):0〜20質量%と、
    アミン価が530mg KOH/g以上である多価アミン(d)と、
    を含み、
    前記硬化剤は、
    有機ポリイソシアネート(e):30〜70質量%と、
    前記長鎖ポリオール(a)および/または前記短鎖ポリオール(c):20〜70質量%と、を含み、
    または、
    両末端にイソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート(e)の1種類以上を含み、
    前記主剤の数平均分子量が500〜2000であり、
    前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物は、前記主剤が含む水酸基およびアミン基の合計モル量に対する、硬化剤が含むイソシアネート基のモル量の比(NCO/(OH+NH2))が0.9〜1.2の範囲となるようにこれらを混合し、反応させて得られるものであり、
    管の内面に密着した20〜600μmの厚さの前記エポキシ系被膜と、その上の1〜10mmの厚さの前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜とを有し、前記2液反応型ポリウレタンエラストマー組成物の被膜へ2.5m上から50kgの砕石3号を衝突角度30度で投下させても摩耗し難く、吸水率も低く、さらに乾式での摩耗性に優れ、加えて水中での摩擦性にも優れるため、土砂または鉱石と水との混合物のスラリーを輸送するために適している、被覆管。
  6. 前記主剤における平均水酸基価と平均アミン価との和が110〜300mg KOH/gである、請求項に記載の被覆管
  7. 前記主剤が、さらに、難燃剤、無機充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、吸水剤および触媒からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項5または6に記載の被覆管
  8. 前記硬化剤のNCO基含有率が10〜50質量%である、請求項5〜7のいずれかに記載の被覆管
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