JP6195292B2 - 粉体の吸引溶解分散装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体の吸引溶解分散装置に関するものである。
従来、本件出願人は、粉体の吸引溶解分散装置として、回転翼を回転させて、被処理物質を第1の吸入部から導入室に吸入して、絞り流路を通過させ、回転翼によって撹拌して、排出室を介して吐出部から吐出させるとともに、吐出部から吐出された被処理物質を循環流路を介して第2の吸入部に循環させ、該第2の吸入部から導入室に吸入して、絞り流路を通過させ、回転翼によって撹拌して、排出室を介して吐出部から吐出させるようにしたものを提案し、実用化している(特許文献1及び2参照。)。
ところで、上記従来の粉体の吸引溶解分散装置は、連続処理を基本とし、バッチ式処理の場合も、大量の処理物の処理を対象とするものであったため、試験や試作等の小量の処理物の処理をする場合、材料の無駄が多くなったり、配合に手数を要するという問題があった。
また、従来の粉体の吸引溶解分散装置は、連続処理を基本とするものであるため、バッチ式処理における粉体原料の非供給時に、第1の吸入部に連なる粉体原料の供給機構の粉体原料供給管が湿潤して、閉塞しやすくなるという問題があった。
また、従来の粉体の吸引溶解分散装置は、溶解分散処理による動力熱によって被処理物質の温度が上昇し、変質しやすくなるという問題があった。
特開2006−281017号公報 特開2011−88073号公報
本発明は、上記従来の粉体の吸引溶解分散装置の有する問題点に鑑み、バッチ式処理による小量の粉体の吸引溶解分散処理を、材料の無駄をなくし、かつ、配合に手数を要することなく、可能にする粉体の吸引溶解分散装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、バッチ式処理における粉体原料の非供給時に、第1の吸入部に連なる粉体原料の供給機構の粉体原料供給管が湿潤して、閉塞することを防止することができるようにした粉体の吸引溶解分散装置を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、溶解分散処理による動力熱によって被処理物質の温度が上昇し、変質することを防止することができるようにした粉体の吸引溶解分散装置を提供することを第3の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、本発明の粉体の吸引溶解分散装置は、回転翼を回転させて、被処理物質を第1の吸入部から導入室に吸入して、回転翼を配設した空間で、該回転翼によって撹拌して、排出室を介して吐出部から吐出させるとともに、吐出部から吐出された被処理物質を循環流路を介して第2の吸入部に循環させ、前記回転翼の回転によって、第2の吸入部から導入室に吸入して、絞り流路を通過させ、前記回転翼を配設した空間で、該回転翼によって撹拌して、排出室を介して吐出部から吐出させるようにした粉体の吸引溶解分散装置において、被処理物質のうちの粉体原料の供給機構を第1の吸入部に配設し、被処理物質のうちの液体原料の供給機構としての液体原料を投入する貯留容器を吐出部に連なる吐出管に配設するとともに該貯留容器を循環流路に接続し、粉体原料及び液体原料を前記回転翼を配設した空間で、該回転翼によって撹拌するようにし、吐出部の上部を開放して脱気部を形成し、排出室の下部に被処理物質の排出部を形成したことを特徴とする。
また、上記第2の目的を達成するため、本発明の粉体の吸引溶解分散装置は、粉体原料の供給機構の粉体原料供給管を、第1の吸入部に接続した外管と、外管内に摺動可能に配設した内管との2重構造とし、外管の上流側と下流側とを遮断可能にするシャッタバルブを配設し、粉体原料の供給時には、シャッタバルブを開いて、該シャッタバルブの位置より内管の先端を前進させ、粉体原料を内管から外管を通して供給るとともに、粉体原料の非供給時には、シャッタバルブの位置より内管の先端を後退させて、シャッタバルブを閉じるようにしたことを特徴とする。
また、上記第3の目的を達成するため、本発明の粉体の吸引溶解分散装置は、循環流路をジャケット部を備えた2重構造とし、ジャケット部に冷媒体を供給するようにしたことを特徴とする。
本発明の粉体の吸引溶解分散装置によれば、被処理物質のうちの粉体原料の供給機構を第1の吸入部に配設し、被処理物質のうちの液体原料の供給機構を吐出部に配設し、吐出部の上部を開放して脱気部を形成し、排出室の下部に被処理物質の排出部を形成することにより、バッチ式処理による小量の粉体の吸引溶解分散処理を、材料の無駄をなくし、かつ、配合に手数を要することなく、可能にすることができる。
また、粉体原料の供給機構の粉体原料供給管を、第1の吸入部に接続した外管と、外管内に摺動可能に配設した内管との2重構造とし、外管の上流側と下流側とを遮断可能にするシャッタバルブを配設し、粉体原料の供給時には、シャッタバルブを開いて、該シャッタバルブの位置より内管の先端を前進させ、粉体原料を内管から外管を通して供給るとともに、粉体原料の非供給時には、シャッタバルブの位置より内管の先端を後退させて、シャッタバルブを閉じるようにすることにより、バッチ式処理における粉体原料の非供給時に、第1の吸入部に連なる粉体原料の供給機構の粉体原料供給管が湿潤して、閉塞することを防止することができ、併せて、第1の吸入部から空気が吸引されることを防止することができる。
また、循環流路をジャケット部を備えた2重構造とし、ジャケット部に冷媒体を供給するようにすることにより、溶解分散処理による動力熱によって被処理物質の温度が上昇し、変質することを防止することができる。
本発明の粉体の吸引溶解分散装置の一実施例を示す説明図である。 同粉体の吸引溶解分散装置の吸引溶解分散機構の内部構造を示す説明図である。
以下、本発明の粉体の吸引溶解分散装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図2に、本発明の粉体の吸引溶解分散装置の一実施例を示す。
この粉体の吸引溶解分散装置は、回転翼23Aを回転させて、被処理物質を第1の吸入部21Aから第1の導入室25Aに吸入して、絞り流路Sとしての透孔Saを通過させ、回転翼23Aによって撹拌して、排出室28を介して吐出部22から吐出させるとともに、吐出部22から吐出された被処理物質を循環流路32を介して第2の吸入部21Bに循
環させ、第2の吸入部21Bから第2の導入室25Bに吸入して、絞り流路Sとしての透孔Sbを通過させ、回転翼23Aによって撹拌して、排出室28を介して吐出部22から吐出させるようにした粉体の吸引溶解分散装置において、被処理物質のうちの粉体原料の供給機構1を第1の吸入部21Aに配設し、被処理物質のうちの液体原料の供給機構としての円筒状の貯留容器33を吐出部22に連なる吐出管31に配設し、吐出部22に連なる吐出部3の吐出管31の上部を開放して脱気部34を形成し、排出室28の下部に被処理物質の排出部4を形成するようにしている。
そして、この粉体の吸引溶解分散装置を構成する吸引溶解分散機構2は、回転翼23Aを回転させて、吸入部21(21A、21B)から導入室25(25A、25B)に吸入した被処理物質を、導入室25から絞り流路Sを通過させるとともに、回転翼23Aにより撹拌して、排出室28を介して吐出部22から吐出させ、該吐出部22から吐出された被処理物質を循環流路32を介して前記吸入部21(21B)に循環させ、被処理物質に回転翼23Aの回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、被処理物質が絞り流路Sを通過する際に負圧を作用させることによって、粉体原料を液体原料中に分散させ、溶解分散処理を行うようにしている。
また、吸引溶解分散機構2は、後述のように、バッチ式処理における粉体原料の非供給時に第1の吸入部21Aから空気が吸引されることを防止することによって、液体を扱うポンプ等の流体機械において、一般にその発生が問題視されるキャビテーション現象を逆に積極的に利用し、被処理物質に回転翼23Aの回転による剪断力及び遠心力を作用させながら、被処理物質が絞り流路Sを通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、被処理物質中での微小気泡の生成・消滅の作用により被処理物質中の粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の撹拌のみによる場合と比較して、溶解分散処理(本明細書において、被処理物質中の粒子の表面の研磨処理を含む。)の効率を向上することができるようにしている。
ところで、この粉体の吸引溶解分散装置は、粉体原料の供給機構1の粉体原料供給管を、第1の吸入部21Aに接続した外管11と、外管11内に摺動可能に配設した内管13との2重構造とし、内管13の上流側に粉体原料を貯留するホッパ12を一体に形成し、外管11に、外管11の上流側と下流側とを遮断可能にするシャッタバルブ14を配設するようにしている。
そして、粉体原料の供給時には、シャッタバルブ14を開いて、シャッタバルブ14の位置より内管13の先端を前進させ、ホッパ12に貯留されている粉体原料を内管13から外管11を通して第1の吸入部21Aに供給する。
一方、粉体原料の非供給時には、シャッタバルブ14の位置より内管13の先端を後退させて(後退させたホッパ及び内管を2点鎖線12’、13’で示す。)、シャッタバルブ14を閉じるようにする。
これにより、バッチ式処理における粉体原料の非供給時に、第1の吸入部21Aに連なる粉体原料の供給機構1の粉体原料供給管が湿潤して、閉塞することを防止することができ、併せて、第1の吸入部21Aから空気が吸引されることを防止することができる。
なお、本実施例においては、内管13の上流側に粉体原料を貯留するホッパ12を一体に形成するようにしたが、内管13を伸縮可能な管構造とすることにより、ホッパ12を固定構造とすることもできる。
吸引溶解分散機構2は、回転翼23Aの回転によって、被処理物質を吸引し、吸引完了後、シャッタバルブ14を閉じて、第1の吸入部21Aから空気が吸引されることを防止して、被処理物質に剪断力及び遠心力を作用させるとともに、キャビテーション現象を発生させることによって生じる衝撃力を作用させ、溶解分散処理(又は被処理物質中の粒子の表面の研磨処理)をすることができるものである限りにおいて、その構成は特に限定さ
れるものではないが、本実施例においては、円筒状のケーシング20の内部に駆動機構Mの駆動軸に取り付けたロータ23の外周部に複数の回転翼23Aを突設し、ロータ23を回転させることによって、吸入部21から被処理物質を導入室25に吸入して撹拌し、吐出部22から被処理物質を吐出させるように構成している。
この場合において、ケーシング20は、円筒状のケーシング本体20Aと、ケーシング本体20Aの前側(図2(a)において左側)及び後側(図2(a)において右側)に配設された前面ケーシング20B及び後面ケーシング20Cとを備え、ケーシング本体20Aには被処理物質を吐出する吐出部22がケーシング本体20Aの接線方向に設けられている。
前面ケーシング20Bには、回転翼23Aと導入室25との間に位置するように円筒状のステータ24Aを配設し、絞り流路Sを、このステータ24Aに形成した透孔Sa、Sbによって構成するようにしている。
なお、絞り流路Sは、透孔のほか、スリットやノズルによって構成することもできる。
また、必要に応じて、回転翼23Aの外周側に、絞り流路Sとして透孔(本実施例においては、スリット状の長孔)を形成したステータ24Bを配設することができる。
これにより、被処理物質がステータ24Aに形成した透孔Sa、Sb(本実施例においては、透孔Sb)を通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることによって、被処理物質中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の撹拌のみによる場合と比較して、溶解分散処理効率(又は研磨効率)を向上することができる。
また、回転翼23Aの内側のさらにステータ24Aの内側には、漏斗状の仕切板26が複数のボス26aを介してロータ23に固定されている。
この仕切板26は、吸入部21の第1の吸入部21Aから、被処理物質が導入される第1の導入室25Aと、吐出部22から吐出された被処理物質が、第2の吸入部21Bを介して循環し、導入される第2の導入室25Bとを区画するもので、この仕切板26とケーシング20との摺動部は、階段状のラビリンス構造となっており、第1の導入室25Aへの被処理物質の吸入を円滑に行うことができるようにしている。
なお、仕切板26を省略して、第1の導入室25Aと第2の導入室25Bとを一体化することもできる。
ここで、導入室25を、第1の導入室25Aと第2の導入室25Bとに区画して形成するようにしたため、本実施例においては、図2(b)に示すように、ステータ24Aに形成する透孔Sa、Sbの形状を、第1の導入室25Aに対向する透孔Saを粉体原料(被処理物質中の粒子)が詰まりにくい円形に、第2の導入室25Bに対向する透孔Sbを循環する被処理物質に対して減圧効果が高く(キャビテーション現象が発生しやすく)、回転翼23Aによる剪断力及び遠心力が被処理物質中の粒子に作用しやすい長円形に設定するようにしている。
なお、透孔Sa、Sbの形状は、粉体原料(被処理物質中の粒子)の形状や性状等に応じて任意に設定することができる。
また、導入室25(導入室25A及び/又は導入室25B)の圧力を測定するための圧力計6を設けるようにしている。
また、吸引溶解分散機構2の導入室25の導入部にオリフィス27を配設することができる。
このオリフィス27は、本実施例においては、循環流路32から循環される被処理物質が導入される第2の導入室25Bの導入部に配設することができる。
オリフィス27を配設することによって、被処理物質の1次減圧をして、被処理物質がステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際の減圧作用を補助することができ、被処理物質がステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際に一層効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
吸引溶解分散機構2の吐出部22には、吐出管31を連接し、この吐出管31の上端部に被処理物質のうちの液体原料の供給機構としての円筒状の貯留容器33を、吐出管31及び循環流路32に連通するように配設し、この貯留容器33に液体原料を貯留した状態で、吸引溶解分散機構2を稼働させることにより、液体原料を、吐出部22から吐出された被処理物質と共に、循環流路32を介して第2の吸入部21Bに循環させるようにしている。
また、吐出部22に連なる吐出管31の上部を開放して脱気部34を形成するようにしている。
吸引溶解分散機構2の排出室28の下部には、被処理物質の排出部4を形成するようにし、溶解分散処理(又は研磨処理)が終了した被処理物質を吸引溶解分散機構2から排出できるようにしている。
液体原料の供給機構としての円筒状の貯留容器33、循環流路32及び吸引溶解分散機構2のケーシング20は、ジャケット部5(5A、5B、5C)を備えた2重構造とし、ジャケット部5(5A、5B、5C)に冷媒体を供給するようにしている。
これにより、溶解分散処理による動力熱によって被処理物質の温度が上昇し、変質することを防止することができる。
次に、この粉の吸引溶解分散装置の運転方法について説明する。
まず、1バッチ分の粉体原料をホッパ12に、液体原料を供給機構としての円筒状の貯留容器33に投入し、シャッタバルブ14を開いて、内管13を前進させ、ホッパ12に貯留されている粉体原料を内管13から外管11を通して第1の吸入部21Aに供給できるようにした状態にして、吸引溶解分散機構2を稼働する。
吸引溶解分散機構2において、被処理物質のうちの粉体原料は、回転翼23Aの吸引力によって、第1の吸入部21Aから第1の導入室25Aに導入され、第1の導入室25Aからステータ24Aに形成した透孔Saを通過する際に分散された後、回転翼23Aによって液体原料と撹拌して、排出室28を介して吐出部22から吐出させられる。
一方、吸引溶解分散機構2において、被処理物質のうちの液体原料は、回転翼23Aの吸引力によって、貯留容器33及び循環流路を介して第2の吸入部21Bから第2の導入室25Bに導入され、第2の導入室25Bからステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際に分散された後、回転翼23Aによって粉体原料と撹拌して、排出室28を介して吐出部22から吐出させられる。
そして、吐出部22から吐出された粉体原料と液体原料とが撹拌された被処理物質は、吐出管31の上端部に配設された円筒状の貯留容器33に放出され、被処理物質は、循環流路32を介して第2の吸入部21Bに循環させられる。
一方、被処理物質に含まれる空気(気体)は、貯留容器33から脱気部34を介して放出され、循環流路32を介して第2の吸入部21Bに再循環することを防止することができる。
そして、脱気が行われた被処理物質は、循環流路32及び第2の吸入部21Bを介して、第2の導入室25Bに導入され、第2の導入室25Bからステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際に分散された後、回転翼23Aによって粉体原料と撹拌して、排出室
28を介して吐出部22から吐出させられる。
このとき、被処理物質を導入する第2の導入室25Bの導入部にオリフィス27を配設することによって、被処理物質の1次減圧をして、被処理物質がステータ24Aに形成した透孔Sb(及び透孔Sa(仕切板26を省略した場合。))を通過する際の減圧作用を補助することができる。
そして、ホッパ12に投入された1バッチ分の粉体原料が供給され終わると(粉体原料の非供給時)、内管13を後退させて(後退させたホッパ及び内管を2点鎖線12’、13’で示す。)、シャッタバルブ14を閉じるようにする。
これにより、バッチ式処理における粉体原料の非供給時に、第1の吸入部21Aに連なる粉体原料の供給機構1の粉体原料供給管が湿潤して、閉塞することを防止することができ、併せて、第1の吸入部21Aから空気が吸引されることを防止することができる。
この状態で吸引溶解分散機構2の運転を継続すると、第1の吸入部21Aから空気が吸引されることがないため、真空度が高まり、被処理物質に回転翼23Aの回転による剪断力及び遠心力を作用させながら、被処理物質がステータ24Aに形成した透孔Sb(及び透孔Sa(仕切板26を省略した場合。))を通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることによって、被処理物質中での微小気泡の生成・消滅の作用により被処理物質中の粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、溶解分散処理効率(又は研磨効率)を向上することができる。
そして、さらに所定時間、吸引溶解分散機構2の運転を継続した後、吸引溶解分散機構2の排出室28の下部に形成した被処理物質の排出部4から、溶解分散処理(又は研磨処理)が終了した被処理物質を排出するようにする。
以上、本発明の粉体の吸引溶解分散装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の粉体の吸引溶解分散装置は、バッチ式処理による小量の粉体の吸引溶解分散処理を、材料の無駄をなくし、かつ、配合に手数を要することなく、可能にするものであることから、素材、化学、電気化学等の技術分野において、機能性材料、充填材料等の用途で用いられる金属、金属の酸化物、金属の水酸化物、その他の無機物質や合成樹脂、その他の有機物質からなる粉体を溶解分散処理する用途や溶質が難溶解物質の場合における溶解分散処理する用途に好適に用いることができるほか、食品、医薬品、建設等の技術分野における溶解分散処理の用途、被処理物質中の粒子の表面の研磨処理の用途等に広く用いることができる。
1 粉体原料の供給機構
2 吸引溶解分散機構
20 ケーシング
21 吸入部
21A 第1の吸入部
21B 第2の吸入部
22 吐出部
23A 回転翼
24A ステータ
24B ステータ
25 導入室
25A 第1の導入室
25B 第2の導入室
27 オリフィス
28 排出室
3 吐出部
31 吐出管
32 循環流路
33 液体原料の供給機構(貯留容器)
34 脱気部
4 排出部
5(5A、5B、5C) ジャケット部
6 圧力計
S 絞り流路
Sa 透孔
Sb 透孔

Claims (2)

  1. 回転翼を回転させて、被処理物質を第1の吸入部から導入室に吸入して、回転翼を配設した空間で、該回転翼によって撹拌して、排出室を介して吐出部から吐出させるとともに、吐出部から吐出された被処理物質を循環流路を介して第2の吸入部に循環させ、前記回転翼の回転によって、第2の吸入部から導入室に吸入して、絞り流路を通過させ、前記回転翼を配設した空間で、該回転翼によって撹拌して、排出室を介して吐出部から吐出させるようにした粉体の吸引溶解分散装置において、被処理物質のうちの粉体原料の供給機構を第1の吸入部に配設し、被処理物質のうちの液体原料の供給機構としての液体原料を投入する貯留容器を吐出部に連なる吐出管に配設するとともに該貯留容器を循環流路に接続し、粉体原料及び液体原料を前記回転翼を配設した空間で、該回転翼によって撹拌するようにし、吐出部の上部を開放して脱気部を形成し、排出室の下部に被処理物質の排出部を形成したことを特徴とする粉体の吸引溶解分散装置。
  2. 粉体原料の供給機構の粉体原料供給管を、第1の吸入部に接続した外管と、外管内に摺動可能に配設した内管との2重構造とし、外管の上流側と下流側とを遮断可能にするシャッタバルブを配設し、粉体原料の供給時には、シャッタバルブを開いて、該シャッタバルブの位置より内管の先端を前進させ、粉体原料を内管から外管を通して供給るとともに、粉体原料の非供給時には、シャッタバルブの位置より内管の先端を後退させて、シャッタバルブを閉じるようにしたことを特徴とする請求項1記載の粉体の吸引溶解分散装置。
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