JP2009022890A - プラネタリーミキサーおよび粉体分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラネタリーミキサーを用いて粉体分散液を製造する際、投入した粉体がブレード上部に残留することが多く、作業者が工程途中で掻き落とす必要があるなどの生産性向上面での課題や、品質面として、分散液成分配合比のずれ、残留粉体の工程途中脱落による不均一分散といった問題に対する分散均一化の課題が発生していた。
【解決手段】撹拌槽内における、枠型撹拌ブレード1、枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8の少なくとも一つに対して気体を吹き付けることのできる気体噴射ノズル6を備えたプラネタリーミキサーを用い、液体成分または樹脂成分材料の撹拌を行いながら粉体を投入する粉体湿潤工程において、気体噴射ノズル6から気体を噴出させ、枠型撹拌ブレード1上、枠型撹拌ブレード回転軸7上または歯付円板型羽根回転軸8上に堆積、付着する粉体を吹き飛ばして除去する粉体分散液の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】撹拌槽内における、枠型撹拌ブレード1、枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8の少なくとも一つに対して気体を吹き付けることのできる気体噴射ノズル6を備えたプラネタリーミキサーを用い、液体成分または樹脂成分材料の撹拌を行いながら粉体を投入する粉体湿潤工程において、気体噴射ノズル6から気体を噴出させ、枠型撹拌ブレード1上、枠型撹拌ブレード回転軸7上または歯付円板型羽根回転軸8上に堆積、付着する粉体を吹き飛ばして除去する粉体分散液の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、粉体を水もしくは溶剤中に分散させた粉体分散液の製造方法とそのために用いるプラネタリーミキサーに関するものである。
粉体を水もしくは溶剤中に分散させるプロセスでは、従来より様々な方式の設備が用いられてきたが、特に、大量の粉体を少量の液体に分散させる場合などには、門型の撹拌ブレードが自公転することを特徴とするプラネタリーミキサーや、それに第三、第四の軸として、歯付円板型インペラの軸を付加した装置などが都合よく、一般的に用いられてきた。
このような撹拌機を用いて、分散を行う場合、典型的には、粉体を液体成分もしくは液体成分と樹脂成分の混合体に湿潤させた後、自公転する撹拌ブレードにより混練を行い、その後必要に応じ、希釈を行うという工程を設けることとなる。
湿潤の際は、所定量の粉体と液体、また必要に応じ樹脂成分を撹拌槽中に仕込んだ後、撹拌を行う場合もあるが、特に、粉体のかさ比重が小さい場合などには、撹拌槽中に所定量の液体もしくは液体成分と樹脂成分の混合体を仕込んだ後、撹拌を行って湿潤を進行させながら粉体を投入することも多い。
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
特開平9−267032号公報
特開2000−271464号公報
しかしながら、上記、従来のプラネタリーミキサーを用いて行う粉体分散液の製造方法のうち、粉体の湿潤を、撹拌槽中に所定量の液体、もしくは液体成分と樹脂成分の混合体を仕込んだ後、撹拌を行いながら粉体を投入することにより行う方法については、投入した粉体がブレード上部に残留することが多く、作業者が工程途中で掻き落とす必要があり、生産性向上面での課題となっていた。また、掻き落としを行わない場合、分散液成分配合比が所定条件(設計・製造仕様)と異なるずれを発生したり、残留粉体が工程途中で脱落することにより、分散液の不均一化を招くなど、品質面での問題が発生していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、プラネタリーミキサーを用い、撹拌槽中に所定量の液体、もしくは液体成分と樹脂成分の混合体を仕込んだ後、撹拌を行いながら粉体を投入して粉体の湿潤を行う粉体分散液の製造方法において、生産性や品質面での問題要因となっていたブレード上部での粉体残留を抑制することのできる製造方法およびプラネタリーミキサーを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のプラネタリーミキサーと粉体分散液の製造方法は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、撹拌槽内に有する液体を撹拌ブレード回転軸回りに回転して撹拌する撹拌ブレードと、前記液体を撹拌しながら粉体を投入する材料投入口とを有したプラネタリーミキサーであって、前記撹拌ブレードに気体を吹き付けて前記撹拌ブレード上に残留する粉体を吹き飛ばす気体噴射ノズルを設けたことを特徴とするプラネタリーミキサーである。それにより、撹拌ブレードに対し気体を吹き付けることのできる気体噴出口(気体噴射ノズル)を備えていることから、これを用いて粉体分散液を製造する場合、気体噴出口から気体を噴出させることにより、(撹拌槽上方の液体に浸かっていない部分の)ブレードや回転軸上部に残留する粉体を吹き落とし、残留量を低減することができ撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項2に記載の発明は、撹拌ブレードと撹拌ブレード回転軸の少なくとも一つに対し気体を吹き付けて残留する粉体を吹き飛ばす気体噴射ノズルを設けたことを特徴とする請求項1記載のプラネタリーミキサーである。それにより、撹拌ブレードまたは撹拌ブレード回転軸に対し気体を吹き付けることのできる気体噴出口(気体噴射ノズル)を備えていることから、これを用いて粉体分散液を製造する場合、気体噴出口から気体を噴出させることにより、(撹拌槽上方の液体に浸かっていない部分の)ブレードや回転軸上部に残留する粉体を確実に吹き落とし、残留量を低減することができ撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項3に記載の発明は、歯付円板型羽根回転軸回りに回転して液体を撹拌する歯付円板型羽根を有し、当該歯付円板型羽根回転軸、撹拌ブレード、撹拌ブレード回転軸の少なくとも一つに対し気体を吹き付けて残留する粉体を吹き飛ばす気体噴射ノズルを設けたことを特徴とする請求項2記載のプラネタリーミキサーである。それにより、撹拌ブレードまたは撹拌ブレード回転軸、歯付円板型羽根回転軸に対し気体を吹き付けることのできる気体噴出口(気体噴射ノズル)を備えていることから、これを用いて粉体分散液を製造する場合、気体噴出口から気体を噴出させることにより、(撹拌槽上方の液体に浸かっていない部分の)ブレードや回転軸上部、歯付円板型羽根上部に残留する粉体を確実に吹き落とし、残留量を低減することができ撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項4に記載の発明は、複数個の気体噴射ノズルが、撹拌ブレード回転軸回りに軸対称に設けてあることを特徴とする請求項1記載のプラネタリーミキサーである。それにより、気体噴出口が撹拌ブレードより上部に、撹拌槽にそって撹拌ブレード回転軸回りに軸対称に配置されていることを特徴としていることから、これを用いて粉体分散液を製造する場合、ブレードや回転軸上部に残留する粉体を吹き落とし、残留量を低減することができるとともに、噴出される気体は、乱れの少ない撹拌槽の上方から下方への気流となるため、撹拌が行われない撹拌槽上部への粉体の飛散と付着を低減することができる撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項5に記載の発明は、複数個の気体噴射ノズルが、歯付円板型羽根回転軸回りに軸対称に設けてあることを特徴とする請求項3記載のプラネタリーミキサーである。それにより、気体噴出口が歯付円板型羽根より上部に、撹拌槽にそって歯付円板型羽根回転軸回りに軸対称に配置されていることを特徴としていることから、これを用いて粉体分散液を製造する場合、歯付円板型羽根上部に残留する粉体を吹き落とし、残留量を低減することができるとともに、噴出される気体は、乱れの少ない撹拌槽の上方から下方への気流となるため、撹拌が行われない撹拌槽上部への粉体の飛散と付着を低減することができ、撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項6に記載の発明は、複数個の撹拌ブレードが1つの公転軸回りにも回転するプラネタリーミキサーであって、複数個の気体噴射ノズルが、前記公転軸回りに軸対称に設けてあることを特徴とする請求項1記載のプラネタリーミキサーである。それにより、気体噴出口が撹拌ブレードより上部に、撹拌槽にそって撹拌ブレード公転軸回りに軸対称に配置されていることを特徴としていることから、これを用いて粉体分散液を製造する場合、ブレードや回転軸上部に残留する粉体を吹き落とし、残留量を低減することができるとともに、噴出される気体は、乱れの少ない撹拌槽の上方から下方への気流となるため、撹拌が行われない撹拌槽上部への粉体の飛散と付着を低減することができ、撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項7に記載の発明は、回転軸に連結したフィンから圧縮空気を発生して気体噴射ノズルに空気を供給し、残留する粉体を吹き飛ばすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のプラネタリーミキサーである。これにより、プラネタリーミキサー本体とは別に圧縮空気を発生させる圧縮機などの別動力が不要で、回転軸の動力で圧縮空気(気体)を発生させることができ、省エネルギーで効率よく残留粉体を吹き飛ばすことができ、撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項8に記載の発明は、プラネタリーミキサーの撹拌槽下部に液体を入れ、前記液体を撹拌を行いながら粉体を投入して粉体湿潤工程を実施することを特徴とする粉体分散液の製造方法において、前記粉体湿潤工程で、プラネタリーミキサーの撹拌ブレード上に残留する前記粉体に気体を吹き付けて粉体を液体中に吹き落とし、前記粉体と前記液体を撹拌することを特徴とする粉体分散液の製造方法である。それにより、粉体投入時にブレード上部に残留する粉体を吹き落とし、その残留量を低減することができ、撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項9に記載の発明は、プラネタリーミキサーの撹拌ブレード上、撹拌ブレード回転軸上、撹拌羽根回転軸上の少なくとも一つに対し気体を吹き付けて粉体を液体中に吹き落とし、前記粉体と前記液体を撹拌することを特徴とする請求項8記載の粉体分散液の製造方法である。それにより、粉体投入時にブレード上部や撹拌ブレード回転軸上、撹拌羽根回転軸上に残留する粉体を吹き落とし、その残留量を低減することができ、撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
本発明の請求項10に記載の発明は、プラネタリーミキサーの撹拌槽下部に液体を入れ、撹拌ブレード回転軸回り、撹拌羽根回転軸回り、撹拌ブレードの公転軸回りに撹拌ブレードや撹拌羽根が回転して前記液体の撹拌を行いながら粉体を投入して粉体湿潤工程を実施することを特徴とする粉体分散液の製造方法において、前記粉体湿潤工程で、プラネタリーミキサーの撹拌ブレードの公転軸、撹拌ブレード回転軸、撹拌羽根回転軸の少なくとも一つに対して軸対称に複数箇所から対称的に気体を吹き付けて粉体を液体中に吹き落とし、前記粉体と前記液体を撹拌することを特徴とする請求項8記載の粉体分散液の製造方法である。それにより、ブレードや回転軸上部に残留する粉体を吹き落とし、残留量を低減することができるとともに、噴出される気体は、乱れの少ない撹拌槽の上方から下方への気流となるため、撹拌が行われない撹拌槽上部への粉体の飛散と付着を低減することができ、撹拌性能を格段に向上させるとともに、その信頼性も高めることができるという効果を奏する。
以上のように、本発明のプラネタリーミキサーと粉体分散液の製造方法によれば、プラネタリーミキサーを用い、撹拌槽中に所定量の液体、もしくは液体成分と樹脂成分の混合体を仕込んだ後、撹拌を行いながら粉体を投入して粉体の湿潤を行う粉体分散液の製造において、粉体湿潤時に、プラネタリーミキサーの撹拌ブレードに対して気体を吹き付けることにより、ブレード上部に残留する粉体を吹き落とし、その残留量を抑制することのできる製造方法およびプラネタリーミキサーを提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図にしたがって説明する。
図1に本発明のプラネタリーミキサーの一実施の形態として、2つの枠型撹拌ブレード1(1つの枠型撹拌ブレードのみ図示)と、1つの歯付円板型羽根2を備えたプラネタリーミキサー装置を示す。
これらの枠型撹拌ブレード1および歯付円板型羽根2が、枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8、公転軸10周りに自公転運動を行うことにより、タンク3内に投入された粉体、液体、樹脂等の材料の混合、分散が進行することとなる。
タンク3もしくはプラネタリーミキサー本体4は昇降可能で、タンク3部をプラネタリーミキサー本体4部から分離することができる。
各種材料は、分離した状態のタンク3部に直接投入することも可能であるが、材料投入口5から、タンク3部内の材料撹拌を行いながら、投入することもできる。
撹拌ブレード1の上方に設けた気体噴射ノズル6からは、圧縮空気等の気体を噴射することができ、材料投入口5による粉体の投入を行った場合などに、枠型撹拌ブレード1上部や枠型撹拌ブレード回転軸7上部、歯付円板型羽根回転軸8上部等に堆積、残留する粉体等を、噴射により吹き落とすことが可能となる。図1に示すように、気体噴射ノズル6は、枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8あるいは公転軸10周りに軸対称に複数個設けておく方が残留粉体をより効率的に吹き飛ばすことができる。
なお、気体噴射ノズル6への空気の供給は、装置本体の外部より圧縮機などにより送り込んでもよいが、プラネタリーミキサー本体の枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8あるいは公転軸10などの回転軸に連結し、撹拌槽外側に設けたフィン(図示せず)によって発生した空気を気体噴射ノズル6に供給してもよい。その際、上記回転軸の回転数をギヤなどを介することで所定の回転数に変速してフィンを回転させ、粉体を吹き飛ばすに適した圧縮空気を発生させることで、より効率的に残留粉体を吹き落とすことができる。
なお、本発明における撹拌ブレードとなる枠型撹拌ブレード1は、自公転を行う枠型のブレードを意味しており、上下方向にひねった形状のものや、上下方向にひねっていない形状のものを用いることができるが、これらに限定されるわけではない。
また、本発明の撹拌羽根回転軸となる歯付円板型羽根回転軸8は、撹拌羽根を回転させる軸を意味しており、撹拌羽根としては、歯付円板型羽根を用いることができるが、これに限定されるものではない。
本発明における気体については、分散材料に影響を与えないものを用いることができ、多くの場合、空気もしくは窒素が用いられるが、これに限定されるものではない。
本発明におけるプラネタリーミキサーは、自公転する枠型の撹拌ブレードを備えた撹拌装置を意味しており、枠型撹拌ブレード1を2ヶ備えたもの、そして、撹拌機構として、枠型撹拌ブレードに加えさらに、歯付円板型羽根を備えたものなどを用いることができるが、これらに限定されるわけではない。
本発明における粉体分散液は、液体成分中に粉体成分が分散した液のことであり、以下に限定されるわけではないが、粉体成分、液体成分が単独種、複数種からなるもの、液体成分が溶解成分を含むもの、粉体成分、液体成分以外に樹脂成分等第三成分を含むものなどが含まれる。
本発明における液体は、粉体分散液の液体成分として用いられるものであり、以下に限定されるわけではないが、水、有機溶媒、それらの混合物、水もしくは有機溶媒に溶解成分が溶解したもの、また、水もしくは有機溶媒に分散成分が分散したものなどが含まれる。
本発明における粉体湿潤工程は、粉体分散液の粉体成分を、粉体分散液の液体成分で濡らす工程のことであり、液体成分中に粉体成分を加えながら撹拌する方法などが用いられるが、これに限定されるものではない。
以下、本発明のより具体的な実施の形態について、説明する。
図1に示すプラネタリーミキサー(タンク容量:10L)を用いて、粉体分散実験を実施した。プラネタリーミキサー4の撹拌機構としては、枠型撹拌ブレード1を2ヶ、歯付円板型羽根2を1ヶ備え、枠型撹拌ブレード1については、上下方向にひねった形状のものを用いた。枠型撹拌ブレード1とタンク3側面、タンク3底面とのクリアランスは3mm、歯付円板型羽根2の直径は50mmとした。
上記構成のプラネタリーミキサーの撹拌槽となるタンク3にカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の水溶液(25℃、200s-1における粘度:50mPa・s)を4000g投入したのち、カーボン粉体(メディアン粒径:3.0μm、かさ比重:0.3g・cm-3)1300gの投入・湿潤を実施した。投入・湿潤については、プラネタリーミキサーの枠型撹拌ブレード1(2ヶ)、歯付円板型羽根2(1ヶ)を回転させながら実施した。その際、枠型撹拌ブレード1、歯付円板型羽根2の自転回転数をそれぞれ、20rpm、700rpmとし、投入は連続的に30分の時間をかけて行った。また、公転軸10の回転数は10rpmとした。
本実施例では、上記、粉体投入・湿潤条件は同一で、投入・湿潤の際に図1の気体噴射ノズル6より圧縮空気の噴射を行う場合Aと、行わない場合Bについて比較を行うとともに、圧縮空気の噴射を行う場合については、全ての気体噴射ノズル6a〜6dを用い、タンク3内の撹拌槽外周にそって対称的に気体噴射を行う場合(A−1)と、正面(図1は正面図)から見て左半分の気体噴射ノズル6a,6bのみを使用し噴射を行う場合(A−2)について比較した。
粉体投入・湿潤後に枠体撹拌ブレード1上、枠型撹拌ブレード回転軸7上、歯付円板型羽根回転軸8上に残留する粉体を採取し、重量を測定したところ、圧縮空気の噴射を行わない場合の残留粉体量が70gであったのに対し、噴射を行う場合の粉体残留量は、全ての気体噴射ノズル6a〜6dを用いて対称的に噴射を行った場合、1g、左半分のみの気体噴射ノズル6a,6bを用いて噴射を行った場合、2gとなった。
また、タンク3の内壁面上部に対する粉体の飛散、付着の程度は、全ての気体噴射ノズル6a〜6dを用いて対称的に噴射を行った場合に比べ、左半分のみの気体噴射ノズル6a,6bを用いて噴射を行った場合の方が大きくなった。また左半分のみの気体噴射ノズル6a,6bを用いて噴射を行った場合、正面からみて右半分のタンク内壁面上部に対する粉体の飛散、付着が大きくなった。
以上の結果より、撹拌を行いながら粉体を投入する粉体湿潤工程において、今回発明のプラネタリーミキサーの枠型撹拌ブレード1、枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8の少なくとも一つに対し、気体を吹き付ける方式とそれに用いるプラネタリーミキサーは、従来の気体の吹き付けを行わない方式のそれと比較して、枠型撹拌ブレード1、枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8上に残留する粉体量を抑制できるという明らかな効果を奏する。
また、今回の方式のなかでも、気体の噴射を撹拌槽の外周に対して対称的に行う方式とそれに用いるプラネタリーミキサーにより、気体の噴射を撹拌槽の外周に対して対称的に行わない場合と比較して、プラネタリーミキサー本体4内壁部への粉体の飛散・付着を抑えることができることも明らかである。
上記粉体湿潤工程の後、さらに、枠型撹拌ブレード1、歯付円板型羽根2の自転回転数をそれぞれ、150rpm、500rpmとし、60分間撹拌を実施し、得られた液について、粒ゲージの評価(4回測定における最大値の評価)を行った。上記粉体湿潤工程後で、前記気体噴射条件A−1、A−2、Bの場合についての結果を表1に示す。
表1の結果より、今回方式の場合の方が、従来方式の場合と比較して、得られる液の分散状態も改善されていることが分かる。なお、従来方式については、工程途中で枠型撹拌ブレード1上もしくは枠型撹拌ブレード回転軸7、歯付円板型羽根回転軸8上の残留粉体が液内に脱落することにより、分散が不十分な部分が生じ、粒ゲージによる評価結果が大きくなるものと考えられる。
本発明のプラネタリーミキサー、粉体分散液の製造方法は、大量の粉体を少量の水、溶剤に分散させることを必要とする塗料や、電池、電子部品等で膜を形成するための中間ペースト材料の作製プロセスなどに有用である。
1 枠型撹拌ブレード
2 歯付円板型羽根
3 タンク
4 プラネタリーミキサー本体
5 材料投入口
6a〜6d 気体噴射ノズル
7 枠型撹拌ブレード回転軸
8 歯付円板型羽根回転軸
10 公転軸
2 歯付円板型羽根
3 タンク
4 プラネタリーミキサー本体
5 材料投入口
6a〜6d 気体噴射ノズル
7 枠型撹拌ブレード回転軸
8 歯付円板型羽根回転軸
10 公転軸
Claims (10)
- 撹拌槽内に有する液体を撹拌ブレード回転軸回りに回転して撹拌する撹拌ブレードと、前記液体を撹拌しながら粉体を投入する材料投入口とを有したプラネタリーミキサーであって、
前記撹拌ブレードに気体を吹き付けて前記撹拌ブレード上に残留する粉体を吹き飛ばす気体噴射ノズルを設けたことを特徴とするプラネタリーミキサー。 - 撹拌ブレードと撹拌ブレード回転軸の少なくとも一つに対し気体を吹き付けて残留する粉体を吹き飛ばす気体噴射ノズルを設けたことを特徴とする請求項1記載のプラネタリーミキサー。
- 歯付円板型羽根回転軸回りに回転して液体を撹拌する歯付円板型羽根を有し、
当該歯付円板型羽根回転軸、撹拌ブレード、撹拌ブレード回転軸の少なくとも一つに対し気体を吹き付けて残留する粉体を吹き飛ばす気体噴射ノズルを設けたことを特徴とする請求項2記載のプラネタリーミキサー。 - 複数個の気体噴射ノズルが、撹拌ブレード回転軸回りに軸対称に設けてあることを特徴とする請求項1記載のプラネタリーミキサー。
- 複数個の気体噴射ノズルが、歯付円板型羽根回転軸回りに軸対称に設けてあることを特徴とする請求項3記載のプラネタリーミキサー。
- 複数個の撹拌ブレードが1つの公転軸回りにも回転するプラネタリーミキサーであって、複数個の気体噴射ノズルが、前記公転軸回りに軸対称に設けてあることを特徴とする請求項1記載のプラネタリーミキサー。
- 回転軸に連結したフィンから圧縮空気を発生して気体噴射ノズルに空気を供給し、残留する粉体を吹き飛ばすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のプラネタリーミキサー。
- プラネタリーミキサーの撹拌槽下部に液体を入れ、前記液体を撹拌を行いながら粉体を投入して粉体湿潤工程を実施することを特徴とする粉体分散液の製造方法において、前記粉体湿潤工程で、プラネタリーミキサーの撹拌ブレード上に残留する前記粉体に気体を吹き付けて粉体を液体中に吹き落とし、前記粉体と前記液体を撹拌することを特徴とする粉体分散液の製造方法。
- プラネタリーミキサーの撹拌ブレード上、撹拌ブレード回転軸上、撹拌羽根回転軸上の少なくとも一つに対し気体を吹き付けて粉体を液体中に吹き落とし、前記粉体と前記液体を撹拌することを特徴とする請求項8記載の粉体分散液の製造方法。
- プラネタリーミキサーの撹拌槽下部に液体を入れ、撹拌ブレード回転軸回り、撹拌羽根回転軸回り、撹拌ブレードの公転軸回りに撹拌ブレードや撹拌羽根が回転して前記液体の撹拌を行いながら粉体を投入して粉体湿潤工程を実施することを特徴とする粉体分散液の製造方法において、前記粉体湿潤工程で、プラネタリーミキサーの撹拌ブレードの公転軸、撹拌ブレード回転軸、撹拌羽根回転軸の少なくとも一つに対して軸対称に複数箇所から対称的に気体を吹き付けて粉体を液体中に吹き落とし、前記粉体と前記液体を撹拌することを特徴とする請求項8記載の粉体分散液の製造方法。
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