JP5360902B2 - 粒子の研磨方法及び粒子の研磨システム - Google Patents

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本発明は、粒子の研磨方法及び粒子の研磨システムに関するもので、特に、金属、金属の酸化物、金属の水酸化物、その他の無機物質や合成樹脂、その他の有機物質の粒子(粒子の凝集体を含み、本明細書において、包括して、単に「粒子」という。)を、効率よく研磨し、歩留まりが向上するとともに、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができる粒子の研磨方法及び粒子の研磨システムに関するものである。
素材、化学、電気化学等の技術分野において、機能性材料、充填材料等の用途で各種粒子が用いられているが、例えば、図5(b)に示すように、不定形の粒子Rxの場合は、粒子間の間隙が多くなり、単位体積又は単位面積当たりの粒子の密度を高めることができず、これにより、粒子の持つ所期の機能を発揮できない場合があった。
一方、図5(a)に示すように、球状又は球状に近い粒子Roの場合は、粒子間の間隙が少なくなり、単位体積又は単位面積当たりの粒子の密度が高めることができる。
このため、原材料として不定形の粒子Rxを使用する場合で、単位体積又は単位面積当たりの粒子の密度を高める必要があるときは、不定形の粒子Rxを研磨して角部を取り、球状又は球状に近い粒子Roにした上で、使用するようにしていた。
ところで、従来、粒子の研磨方法として、液体に粒子を分散させた分散液を攪拌することで、粒子同士を衝突、摩擦させ、これにより、粒子を研磨して角部を取り、球状又は球状に近い形状にする方法が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
特開2002−292564号公報 特開2004−82316号公報
ところで、上記従来の粒子の研磨方法は、液体に粒子を分散させた分散液を攪拌することで、粒子同士を衝突、摩擦させるものであるため、研磨効率が攪拌による分散液の流速に左右されるとともに、この流速を高めるにも限界があることから、研磨効率を高めることに制約があり、例えば、硬度の高い粒子等の場合には、研磨に時間を要するという問題があった。
また、攪拌による分散液の流速を高めた場合、粒子同士や粒子と研磨装置の構成部材との衝突による衝撃が大きくなって粒子が粉砕され、歩留まりが悪化するとともに、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記従来の粒子の研磨方法が有する問題点に鑑み、粒子を効率よく研磨し、歩留まりが向上するとともに、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができる粒子の研磨方法及び粒子の研磨システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の粒子の研磨方法は、研磨装置の回転翼を回転させて、吸入部から導入室に吸入した液体及び該液体に非溶解性の粒子を、導入室から絞り流路を通過させるとともに、回転翼により攪拌して、吐出部から液体に粒子を分散させた分散液を吐出させ、該吐出部から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路を介して前記吸入部に循環させ、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨することを特徴とする。
この粒子の研磨方法は、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができる。
この場合において、前記液体及び粒子を、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することができる。
また、上記本発明の粒子の研磨方法を実施する本発明の粒子の研磨システムは、液体と該液体に非溶解性の粒子とを攪拌して液体に粒子を分散させた分散液を生成する攪拌機構を備えた分散槽と、回転翼を回転させて、吸入部から導入室に吸入した分散液を、導入室から絞り流路を通過させるとともに、回転翼により攪拌して、吐出部から吐出させ、該吐出部から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路を介して前記吸入部に循環させ、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨する研磨装置とからなることを特徴とする。
この粒子の研磨システムは、攪拌機構を備えた分散槽によって、液体と該液体に非溶解性の粒子とを、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することができる。
そして、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができる。
この場合において、分散槽から液体に粒子を分散させた分散液を、液体に粒子を分散させた状態で研磨装置に輸送するスラリーポンプを設けることができる。
また、研磨装置の絞り流路を、導入室と回転翼の間に配設したステータに形成した透孔によって構成することができる。
これにより、分散液がステータに形成した透孔を通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
さらに、研磨装置の導入室の導入部にオリフィスを配設することができる。
これにより、オリフィスによって分散液の1次減圧をして、分散液がステータに形成した透孔を通過する際の減圧作用を補助することができる。
本発明の粒子の研磨方法によれば、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の攪拌のみによる場合と比較して、研磨効率を向上することができる。
また、このように、研磨効率を向上することができることから、粒子同士の衝突による衝撃力を大きくする必要がなくなり、粒子が粉砕されることが少なく、歩留まりが向上するとともに、粒子の局部的な温度上昇による酸化等の品質の劣化を防止できることと相俟って、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができる。
また、前記液体及び粒子を、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することにより、液体に分散されにくい粒子であっても、液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することができ、研磨装置に気体の混入が少ない状態の分散液を供給することができることと相俟って、研磨装置の研磨効率を一層向上することができるとともに、分散されていない粒子が大量に供給されることによって研磨装置が故障することを未然に防止することができる。
また、本発明の粒子の研磨システムによれば、攪拌機構を備えた分散槽によって、液体と該液体に非溶解性の粒子とを、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することにより、液体に分散されにくい粒子であっても、液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することができ、研磨装置に気体の混入が少ない状態の分散液を供給することができることと相俟って、研磨装置の研磨効率を向上することができるとともに、分散されていない粒子が大量に供給されることによって研磨装置が故障することを未然に防止することができる。
そして、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の攪拌のみによる場合と比較して、研磨効率を向上することができる。
また、このように、研磨効率を向上することができることから、粒子同士の衝突による衝撃力を大きくする必要がなくなり、粒子が粉砕されることが少なく、歩留まりが向上するとともに、粒子の局部的な温度上昇による酸化等の品質の劣化を防止できることと相俟って、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができる。
また、分散槽から液体に粒子を分散させた分散液を、液体に粒子を分散させた状態で研磨装置に輸送するスラリーポンプを設けることにより、スラリーポンプの押込力によって研磨装置の吸引力を補助することができ、研磨装置の研磨効率を一層向上することができるとともに、分散されていない粒子が大量に供給されることによって研磨装置が故障することを未然に防止することができる。
また、研磨装置の絞り流路を、導入室と回転翼の間に配設したステータに形成した透孔によって構成することにより、分散液がステータに形成した透孔を通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
また、研磨装置の導入室の導入部にオリフィスを配設することにより、オリフィスによって分散液の1次減圧をして、分散液がステータに形成した透孔を通過する際の減圧作用を補助することができ、分散液がステータに形成した透孔を通過する際に一層効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
本発明の粒子の研磨方法を実施するための本発明の粒子の研磨システムの一実施例を示す概略図である。 本発明の粒子の研磨方法及び粒子の研磨システムに使用する研磨装置を示し、(a)は断面図、(b)はステータの説明図である。 研磨装置の吐出部に連なる分離手段の断面図である。 本発明の粒子の研磨方法を実施するための粒子の研磨システムの別の構成例を示す概略図である。 粒子の形状と粒子間の間隙との関係を示す説明図で、(a)は球状又は球状に近い粒子の場合を、(b)は不定形の粒子の場合を示す。
以下、本発明の粒子の研磨方法及び粒子の研磨システムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3に、本発明の粒子の研磨方法を実施するための本発明の粒子の研磨システムの一実施例を示す。
この粒子の研磨システム1は、液体と該液体に非溶解性の粒子とを攪拌する攪拌機構34を備えた分散槽3と、該分散槽3から液体に粒子を分散させた分散液を、液体に粒子を分散させた状態で輸送するスラリーポンプ5と、回転翼23Aを回転させて、吸入部21から導入室25に吸入した分散液を、導入室25から絞り流路Sを通過させるとともに、回転翼23Aにより攪拌して、吐出部22から吐出させ、該吐出部22から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路46を介して前記吸入部21に循環させ、分散液に回転翼23Aの回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路Sを通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨する研磨装置2とから構成するようにしている。
そして、この粒子の研磨システム1を構成する研磨装置2は、研磨装置2の回転翼23Aを回転させて、吸入部21から導入室25に吸入した液体及び該液体に非溶解性の粒子を、導入室25から絞り流路Sを通過させるとともに、回転翼23Aにより攪拌して、吐出部22から液体に粒子を分散させた分散液を吐出させ、該吐出部22から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路46を介して前記吸入部21に循環させ、分散液に回転翼23Aの回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路Sを通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨するようにしている。
ところで、上記研磨装置2は、液体を扱うポンプ等の流体機械において、一般にその発生が問題視されるキャビテーション現象を逆に積極的に利用し、分散液に回転翼23Aの回転による剪断力及び遠心力を作用させながら、分散液が絞り流路Sを通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の攪拌のみによる場合と比較して、研磨効率を向上することができる。
また、分散槽3は、液体と該液体に非溶解性の粒子とを、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置2の吸入部21に供給するためのもので、液体及び粒子を攪拌して分散液とすることができるものである限りにおいて、その構成は特に限定されるものではないが、本実施例においては、上部に液体投入口32及び粒子投入口31、下部に分散液排出口33を備えた容器30と、該容器30内に駆動機構35によって回転する攪拌羽根34Aを備えた攪拌機構34とから構成するようにしている。
このように、分散槽3を用意し、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置2の吸入部21に供給することによって、研磨装置2に気体の混入が少ない状態の分散液を供給することができることや上記スラリーポンプ5による押込力によって研磨装置2の吸引力を補助できることと相俟って、研磨装置2の研磨効率を一層向上することができるとともに、分散されていない粒子が大量に供給されることによって研磨装置2が故障することを未然に防止することができる。
また、スラリーポンプ5は、吸入口から分散槽3の分散液を吸入し、排出口から所定圧力で研磨装置2の吸入部21に向けて分散液を送出、供給するためのもので、その構成は特に限定されるものではなく、本実施例においては、吸入口を、分散槽3の分散液排出口33と配管51を介して連結するとともに、吐出口を、研磨装置2の吸入部21と配管52を介して連結するようにしている。
なお、研磨装置2は、回転翼23Aの回転によって分散液を吸引する機能を備えていることから、粒子の性状等によっては、スラリーポンプ5を省略したり、図4に示す粒子の研磨システムの別の構成例のように、分散槽3及びスラリーポンプ5に代えて、粒子を貯留する貯留タンク36及び液体供給手段37を設け、研磨装置2に、貯留タンク36から粒子を、また、液体供給手段37から液体を、それぞれ供給するように構成することもできる。
この際、液体及び粒子をミキシングノズル6を介して供給することが好ましい。
このミキシングノズル6は、ミキシングノズル6に液体供給手段37から液体を旋回させながら供給することによって、液体及び粒子の初期分散を行った後、研磨装置2の吸入部21から吸入するようにして、研磨装置2への供給を円滑に行うことができるようにしている。
研磨装置2は、回転翼23Aの回転によって、分散液を吸引し、分散液に剪断力及び遠心力を作用させるとともに、キャビテーション現象を発生させることによって生じる衝撃力を作用させ、分散液中の粒子の表面を研磨することができるものである限りにおいて、その構成は特に限定されるものではないが、本実施例においては、円筒状のケーシング20の内部に駆動機構Mの駆動軸に取り付けたロータ23の外周部に複数の回転翼23Aを突設し、ロータ23を回転させることによって、吸入部21から分散液を導入室25に吸入して攪拌し、吐出部22から分散液を吐出させるように構成している。
この場合において、ケーシング20は、円筒状のケーシング本体20Aと、ケーシング本体20Aの前側(図2(a)において左側)及び後側(図2(a)において右側)に配設された前面ケーシング20B及び後面ケーシング20Cとを備え、ケーシング本体20Aには分散液を吐出する吐出部22が設けられている。
前面ケーシング20Bには、回転翼23Aと導入室25との間に位置するように円筒状のステータ24Aを配設し、絞り流路Sを、このステータ24Aに形成した透孔Sa、Sbによって構成するようにしている。
なお、絞り流路Sは、透孔のほか、スリットやノズルによって構成することもできる。
また、必要に応じて、回転翼23Aの外周側に、絞り流路Sとして透孔(本実施例においては、スリット状の長孔)を形成したステータ24Bを配設することができる。
これにより、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sa、Sbを通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の攪拌のみによる場合と比較して、研磨効率を向上することができる。
また、回転翼23Aの内側のさらにステータ24Aの内側には、濾斗状の仕切板26が複数のボス26aを介してロータ23に固定されている。
この仕切板26は、吸入部21の一方の吸入部21Aから、分散液が導入される導入室25Aと、吐出部22から吐出された分散液の一部が、他方の吸入部21Bを介して循環し、導入される導入室25Bとを区画するもので、この仕切板26とケーシング20との摺動部は、階段状のラビリンス構造となっており、導入室25Aへの分散液の吸入を円滑に行うことができるようにしている。
ここで、導入室25を、導入室25Aと導入室25Bとに区画して形成するようにしたため、本実施例においては、図2(b)に示すように、ステータ24Aに形成する透孔Sa、Sbの形状を、導入室25Aに対向する透孔Saを研磨前の分散液中の粒子が詰まりにくい円形に、導入室25Bに対向する透孔Sbを循環する分散液に対して減圧効果が高く(キャビテーション現象が発生しやすく)、回転翼23Aによる剪断力及び遠心力が分散液中の粒子に作用しやすい長円形に設定するようにしている。
なお、透孔Sa、Sbの形状は、分散液中の粒子の形状や性状等に応じて任意に設定することができる。
また、研磨装置2の導入室25の導入部にオリフィス27を配設することができる。
このオリフィス27は、本実施例においては、循環流路46から循環される分散液が導入される導入室25Bの導入部に配設しているが、必要に応じて、導入室25Aの導入部にも配設することができる。
オリフィス27を配設することによって、分散液の1次減圧をして、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際の減圧作用を補助することができ、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際に一層効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
研磨装置2の吐出部22には、分散液を循環流路46と排出流路45とに分離して供給する分離手段4を設けるようにしている。
この分離手段4は、本実施例においては、図3に示すように、研磨装置2の吐出部22に連なる導入パイプ41を円筒状容器40の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器40の上部に排出流路45と連なる排出口42を備えるとともに、下部に循環流路46と連なる循環口43を備え、導入パイプ41の吐出端に、導入パイプ41から吐出される分散液の流れを旋回させる捻り板44を配設して構成している。
なお、捻り板44に代えて、又は捻り板44と共に、導入パイプ41の吐出端の上部に、導入パイプ41から吐出される分散液を攪拌する攪拌羽根を配設することもできる。
この分離手段4を設けることによって、吸入部21Aから吸入した分散液の量に相当する量の分散液が、分散液に含まれる気泡と共に、排出流路45に排出されることになるため、研磨効率の向上の阻害要因となる気泡が循環流路46を介して吸入部21Bに再循環することを防止することができる。
次に、この粒子の研磨システム1の運転方法について説明する。
まず、分散槽3内に、1バッチ分の液体及び該液体に非溶解性の粒子を投入し、攪拌機構34の攪拌羽根34Aを駆動機構35によって回転させ、分散液を生成する。
ここで、特に限定されるものではないが、本実施例において、粒子は、粒子径20〜30μm程度の図5(b)に示すような不定形で、真比重3以上のもので、当該粒子を液体としての水に分散させて濃度(重量比)20〜40%の分散液とした。
また、分散槽3内に投入する液体及び粒子の量は、攪拌羽根34A全体が分散液中に位置する量とすることによって、攪拌中に攪拌羽根34Aが分散液面から突出して気体を巻き込み、分散液中に気泡が発生することを防止するようにしている。
液体及び粒子の攪拌が完了した後、スラリーポンプ5の運転を開始し、分散槽3の分散液排出口33から分散液を、スラリーポンプ5を介して、研磨装置2に供給する。
研磨装置2において、供給された分散液は、回転翼23Aの吸引力によって、吸入部21Aから導入室25Aに導入され、導入室25Aからステータ24Aに形成した透孔Saを通過する際、さらに、ステータ24Bの透孔を通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させ、粒子の研磨が行われる。
そして、吐出部22から吐出された分散液は、分離手段4によって、吸入部21Aから吸入した分散液の量に相当する量の分散液が、分散液に含まれる気泡と共に、排出流路45に排出される。
これにより、研磨効率の向上の阻害要因となる気泡が循環流路46を介して吸入部21に再循環することを防止することができる。
そして、分離手段4で、気泡が分離された分散液は、循環流路46及び吸入部21Bを介して、導入室25Bに導入され、導入室25Bからステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させ、粒子の研磨が行われる。
このとき、分散液を導入する導入室25B(及び/又は導入室25A)の導入部にオリフィス27を配設することによって、分散液の1次減圧をして、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sb(及び/又は透孔Sa)を通過する際の減圧作用を補助することができ、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sb(及び/又は透孔Sa)を通過する際に一層効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
そして、分散槽3内の分散液をスラリーポンプ5によって研磨装置2に供給した後、必要に応じて、所定時間、研磨装置2の運転を継続して、粒子の研磨を行い、その後、次工程Nに分散液を送出するようにする。
分散槽3内の分散液の全量を供給した後に、研磨装置2の分散液を次工程Nに送液する方法としては、分散槽3に液体のみを導入し、スラリーポンプ5から液体のみを研磨装置2に供給するようにしたり、図4に示す粒子の研磨システムの別の構成例においては、液体供給手段37から液体のみを研磨装置2に供給することによって行うことができる。
また、研磨装置2に、排出経路(ドレン抜き等)を配設して研磨装置2を停止した後に研磨装置2及び分離手段4内の分散液を排出するようにすることもできる。
以上、本発明の粒子の研磨方法及び粒子の研磨システムについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、例えば、研磨装置を複数台設置し、1台目の研磨装置から排出される分散液を2台目の研磨装置に供給して、さらに研磨を行うように構成する等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
本発明の粒子の研磨方法及び粒子の研磨システムは、粒子を効率よく研磨し、歩留まりが向上するとともに、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができることから、素材、化学、電気化学等の技術分野において、機能性材料、充填材料等の用途で用いられる金属、金属の酸化物、金属の水酸化物、その他の無機物質や合成樹脂、その他の有機物質の粒子を研磨したり、さらには、球状又は球状に近い状態にする用途に広く適用することができる。
1 研磨システム
2 研磨装置
20 ケーシング
21 吸入部
22 吐出部
23A 回転翼
24A ステータ
24B ステータ
25 導入室
27 オリフィス
3 分散槽
34 攪拌機構
4 分離手段
45 排出流路
46 循環流路
5 スラリーポンプ
S 絞り流路
Sa 透孔
Sb 透孔

Claims (6)

  1. 研磨装置の回転翼を回転させて、吸入部から導入室に吸入した液体及び該液体に非溶解性の粒子を、導入室から絞り流路を通過させるとともに、回転翼により攪拌して、吐出部から液体に粒子を分散させた分散液を吐出させ、該吐出部から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路を介して前記吸入部に循環させ、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨することを特徴とする粒子の研磨方法。
  2. 前記液体及び粒子を、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することを特徴とする請求項1記載の粒子の研磨方法。
  3. 液体と該液体に非溶解性の粒子とを攪拌して液体に粒子を分散させた分散液を生成する攪拌機構を備えた分散槽と、回転翼を回転させて、吸入部から導入室に吸入した分散液を、導入室から絞り流路を通過させるとともに、回転翼により攪拌して、吐出部から吐出させ、該吐出部から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路を介して前記吸入部に循環させ、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨する研磨装置とからなることを特徴とする粒子の研磨システム。
  4. 分散槽から液体に粒子を分散させた分散液を、液体に粒子を分散させた状態で研磨装置に輸送するスラリーポンプを設けたことを特徴とする請求項3記載の粒子の研磨システム。
  5. 研磨装置の絞り流路を、導入室と回転翼の間に配設したステータに形成した透孔によって構成したことを特徴とする請求項3又は4記載の粒子の研磨システム。
  6. 研磨装置の導入室の導入部にオリフィスを配設したことを特徴とする請求項5記載の粒子の研磨システム。
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