JP5360902B2 - 粒子の研磨方法及び粒子の研磨システム - Google Patents
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一方、図5(a)に示すように、球状又は球状に近い粒子Roの場合は、粒子間の間隙が少なくなり、単位体積又は単位面積当たりの粒子の密度が高めることができる。
このため、原材料として不定形の粒子Rxを使用する場合で、単位体積又は単位面積当たりの粒子の密度を高める必要があるときは、不定形の粒子Rxを研磨して角部を取り、球状又は球状に近い粒子Roにした上で、使用するようにしていた。
また、攪拌による分散液の流速を高めた場合、粒子同士や粒子と研磨装置の構成部材との衝突による衝撃が大きくなって粒子が粉砕され、歩留まりが悪化するとともに、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができないという問題があった。
この粒子の研磨方法は、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができる。
この粒子の研磨システムは、攪拌機構を備えた分散槽によって、液体と該液体に非溶解性の粒子とを、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することができる。
そして、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができる。
これにより、分散液がステータに形成した透孔を通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
これにより、オリフィスによって分散液の1次減圧をして、分散液がステータに形成した透孔を通過する際の減圧作用を補助することができる。
また、このように、研磨効率を向上することができることから、粒子同士の衝突による衝撃力を大きくする必要がなくなり、粒子が粉砕されることが少なく、歩留まりが向上するとともに、粒子の局部的な温度上昇による酸化等の品質の劣化を防止できることと相俟って、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができる。
そして、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の攪拌のみによる場合と比較して、研磨効率を向上することができる。
また、このように、研磨効率を向上することができることから、粒子同士の衝突による衝撃力を大きくする必要がなくなり、粒子が粉砕されることが少なく、歩留まりが向上するとともに、粒子の局部的な温度上昇による酸化等の品質の劣化を防止できることと相俟って、粒子形状の揃った高品位の粒子を得ることができる。
このように、分散槽3を用意し、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置2の吸入部21に供給することによって、研磨装置2に気体の混入が少ない状態の分散液を供給することができることや上記スラリーポンプ5による押込力によって研磨装置2の吸引力を補助できることと相俟って、研磨装置2の研磨効率を一層向上することができるとともに、分散されていない粒子が大量に供給されることによって研磨装置2が故障することを未然に防止することができる。
この際、液体及び粒子をミキシングノズル6を介して供給することが好ましい。
このミキシングノズル6は、ミキシングノズル6に液体供給手段37から液体を旋回させながら供給することによって、液体及び粒子の初期分散を行った後、研磨装置2の吸入部21から吸入するようにして、研磨装置2への供給を円滑に行うことができるようにしている。
この場合において、ケーシング20は、円筒状のケーシング本体20Aと、ケーシング本体20Aの前側(図2(a)において左側)及び後側(図2(a)において右側)に配設された前面ケーシング20B及び後面ケーシング20Cとを備え、ケーシング本体20Aには分散液を吐出する吐出部22が設けられている。
前面ケーシング20Bには、回転翼23Aと導入室25との間に位置するように円筒状のステータ24Aを配設し、絞り流路Sを、このステータ24Aに形成した透孔Sa、Sbによって構成するようにしている。
なお、絞り流路Sは、透孔のほか、スリットやノズルによって構成することもできる。
また、必要に応じて、回転翼23Aの外周側に、絞り流路Sとして透孔(本実施例においては、スリット状の長孔)を形成したステータ24Bを配設することができる。
これにより、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sa、Sbを通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させることができ、従来の攪拌のみによる場合と比較して、研磨効率を向上することができる。
この仕切板26は、吸入部21の一方の吸入部21Aから、分散液が導入される導入室25Aと、吐出部22から吐出された分散液の一部が、他方の吸入部21Bを介して循環し、導入される導入室25Bとを区画するもので、この仕切板26とケーシング20との摺動部は、階段状のラビリンス構造となっており、導入室25Aへの分散液の吸入を円滑に行うことができるようにしている。
なお、透孔Sa、Sbの形状は、分散液中の粒子の形状や性状等に応じて任意に設定することができる。
このオリフィス27は、本実施例においては、循環流路46から循環される分散液が導入される導入室25Bの導入部に配設しているが、必要に応じて、導入室25Aの導入部にも配設することができる。
オリフィス27を配設することによって、分散液の1次減圧をして、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際の減圧作用を補助することができ、分散液がステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際に一層効果的にキャビテーション現象を発生させることができる。
この分離手段4は、本実施例においては、図3に示すように、研磨装置2の吐出部22に連なる導入パイプ41を円筒状容器40の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器40の上部に排出流路45と連なる排出口42を備えるとともに、下部に循環流路46と連なる循環口43を備え、導入パイプ41の吐出端に、導入パイプ41から吐出される分散液の流れを旋回させる捻り板44を配設して構成している。
なお、捻り板44に代えて、又は捻り板44と共に、導入パイプ41の吐出端の上部に、導入パイプ41から吐出される分散液を攪拌する攪拌羽根を配設することもできる。
この分離手段4を設けることによって、吸入部21Aから吸入した分散液の量に相当する量の分散液が、分散液に含まれる気泡と共に、排出流路45に排出されることになるため、研磨効率の向上の阻害要因となる気泡が循環流路46を介して吸入部21Bに再循環することを防止することができる。
まず、分散槽3内に、1バッチ分の液体及び該液体に非溶解性の粒子を投入し、攪拌機構34の攪拌羽根34Aを駆動機構35によって回転させ、分散液を生成する。
ここで、特に限定されるものではないが、本実施例において、粒子は、粒子径20〜30μm程度の図5(b)に示すような不定形で、真比重3以上のもので、当該粒子を液体としての水に分散させて濃度(重量比)20〜40%の分散液とした。
また、分散槽3内に投入する液体及び粒子の量は、攪拌羽根34A全体が分散液中に位置する量とすることによって、攪拌中に攪拌羽根34Aが分散液面から突出して気体を巻き込み、分散液中に気泡が発生することを防止するようにしている。
これにより、研磨効率の向上の阻害要因となる気泡が循環流路46を介して吸入部21に再循環することを防止することができる。
そして、分離手段4で、気泡が分離された分散液は、循環流路46及び吸入部21Bを介して、導入室25Bに導入され、導入室25Bからステータ24Aに形成した透孔Sbを通過する際の減圧作用で効果的にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中での微小気泡の生成・消滅の作用により粒子を高速で自転させながら、粒子同士を衝突、摩擦させ、粒子の研磨が行われる。
分散槽3内の分散液の全量を供給した後に、研磨装置2の分散液を次工程Nに送液する方法としては、分散槽3に液体のみを導入し、スラリーポンプ5から液体のみを研磨装置2に供給するようにしたり、図4に示す粒子の研磨システムの別の構成例においては、液体供給手段37から液体のみを研磨装置2に供給することによって行うことができる。
また、研磨装置2に、排出経路(ドレン抜き等)を配設して研磨装置2を停止した後に研磨装置2及び分離手段4内の分散液を排出するようにすることもできる。
2 研磨装置
20 ケーシング
21 吸入部
22 吐出部
23A 回転翼
24A ステータ
24B ステータ
25 導入室
27 オリフィス
3 分散槽
34 攪拌機構
4 分離手段
45 排出流路
46 循環流路
5 スラリーポンプ
S 絞り流路
Sa 透孔
Sb 透孔
Claims (6)
- 研磨装置の回転翼を回転させて、吸入部から導入室に吸入した液体及び該液体に非溶解性の粒子を、導入室から絞り流路を通過させるとともに、回転翼により攪拌して、吐出部から液体に粒子を分散させた分散液を吐出させ、該吐出部から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路を介して前記吸入部に循環させ、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨することを特徴とする粒子の研磨方法。
- 前記液体及び粒子を、予め液体に粒子を分散させた分散液の状態で研磨装置の吸入部に供給することを特徴とする請求項1記載の粒子の研磨方法。
- 液体と該液体に非溶解性の粒子とを攪拌して液体に粒子を分散させた分散液を生成する攪拌機構を備えた分散槽と、回転翼を回転させて、吸入部から導入室に吸入した分散液を、導入室から絞り流路を通過させるとともに、回転翼により攪拌して、吐出部から吐出させ、該吐出部から吐出された分散液の少なくとも一部を循環流路を介して前記吸入部に循環させ、分散液に回転翼の回転による剪断力及び遠心力を作用させるとともに、分散液が絞り流路を通過する際にキャビテーション現象を発生させることによって、分散液中の粒子の表面を研磨する研磨装置とからなることを特徴とする粒子の研磨システム。
- 分散槽から液体に粒子を分散させた分散液を、液体に粒子を分散させた状態で研磨装置に輸送するスラリーポンプを設けたことを特徴とする請求項3記載の粒子の研磨システム。
- 研磨装置の絞り流路を、導入室と回転翼の間に配設したステータに形成した透孔によって構成したことを特徴とする請求項3又は4記載の粒子の研磨システム。
- 研磨装置の導入室の導入部にオリフィスを配設したことを特徴とする請求項5記載の粒子の研磨システム。
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