JP5575297B2 - 粉砕処理システム及びメディア回収方法 - Google Patents

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本発明はメディア攪拌型湿式粉砕機を用いた粉砕処理システムに関し、特に、遠心式のセパレータを備えるメディア攪拌型湿式粉砕機において、メディアの初期充填や排出を迅速かつ確実に行うことができる装置を備えた粉砕処理システムに関する。また、この場合のメディア回収方法に関する。
メディア攪拌型湿式粉砕機は、インク、塗料、セラミック、金属、無機物、有機物、磁性体、顔料、医薬品等の分野において、粉砕処理や分散処理に広く用いられている。処理後の粒子径としては1μm以下を要求されることが多く、最近では、100nm以下を要求されることも少なくない。
処理後の粒子径を小さくするためには、メディア攪拌型湿式粉砕機で使用するメディアの直径を小さくする必要がある。処理物の粒子径を1μm以下とするためには、メディア径を0.2mm以下とすることが必要とされ、0.1mm未満のメディアも使用されている。
メディアの直径を小さくすることに伴って、メディア攪拌型湿式粉砕機の中で処理物とメディアとを分離するセパレータも変化することとなった。すなわち、従来用いられていたギャップタイプやスクリーンタイプ等の篩式のセパレータに代わって、遠心式のセパレータが用いられるようになった。例えば、特許文献1には、遠心式のセパレータを用いたメディア攪拌型湿式粉砕機の一例が記載されている。
図7及び図8に示すように、特許文献1に記載されたメディア攪拌型湿式粉砕機20は、処理物の供給口21を備えた円筒状の粉砕容器22内に、攪拌部材24及びセパレータ25を備えている。攪拌部材24は、ロータ型であり中空の駆動軸23と一体に回転する。セパレータ25は、駆動軸23と共に回転する遠心式のセパレータであり、駆動軸23の中空部が排出口26を形成している。
駆動軸23を駆動した運転状態において(駆動装置は図示せず)、供給口21から粉砕容器22内に供給された処理物は、メディア28と共に攪拌部材24によって攪拌され、粉砕処理を受けながら排出口26に向かって流動する。このとき、メディア28はセパレータ25による遠心力を受けるので駆動軸23の中空部に入ることができず、粒子径の小さい処理物のみが排出口26に向かって流れることになる。
このようなメディア攪拌型湿式粉砕機は、通常、図6に示す粉砕処理システムを構成して用いられる。すなわち、粉砕処理システム15は、メディア攪拌型湿式粉砕機20、処理物のホールディングタンク40、循環ポンプ30及びこれらを接続する循環ライン50を備えている。
ホールディングタンク40に投入された処理物は、循環ポンプ30によってメディア攪拌型湿式粉砕機20に供給され、ここで粉砕処理を受けた後、再びホールディングタンク40に戻るようになっている。したがって、処理物はメディア攪拌型湿式粉砕機20により繰り返し粉砕処理を受けることになる。この結果、系内の処理物全体について粉砕処理が進行し、次第に粒子の微細化が進行することになる。
メディア28は、粉砕処理運転の開始前に、例えば供給口21から粉砕容器22の中に乾燥した状態で初期充填される。メディア攪拌型湿式粉砕機のセパレータが篩式である場合には、この方法で何らの問題もなかった。しかしながら、遠心式のセパレータを用いる場合には、溶媒又は処理物スラリーをメディア攪拌型湿式粉砕機20へ供給する初期段階において、充填したメディア28の一部が処理物と共に流出する問題が発生している。
すなわち、メディア攪拌型湿式粉砕機20の粉砕容器22内にメディア28を充填する際に、メディア28が駆動軸23の周囲にまで入ってしまうのである。そして、一旦セパレータ25の内部まで乾燥状態で入り込んだメディア28は、セパレータ25を回転しても、簡単には外側に脱出できない状態となってしまうのである。
このため、粉砕処理運転の初期段階において、メディア28が処理物と共に排出口26から流出することになり、粉砕処理後の製品にメディア28が混入することになる。メディアの流出は、使用するメディアの直径が小さいほど激しく、0.1mm未満の場合に特に顕著である。また、図7及び図8に示されるメディア攪拌型湿式粉砕機20は竪型であるが、これを横型とした場合には一層激しくなる。
その他、メディア攪拌型湿式粉砕機に関しては、解決すべき問題が幾つか残されている。例えば、粉砕処理運転が終了した後におけるメディアの回収は、粉砕容器の下部にバルブ付のノズルを設け、このノズルから排出することが多く行われている。しかし、メディアの排出流量をコントロールすることは困難であり、瞬時にメディアが放散して、メディアを床に散乱させてしまうことが多い。
また、竪型のメディア攪拌型湿式粉砕機は、上述のようにメディアの流出が少ない点で横型よりも優れているが、運転前後における清掃、点検又は整備を行うときの作業性については横型に比べて非常に劣るという問題がある。また、メディア攪拌型湿式粉砕機は、粉砕容器及び内部部品の摩耗が著しいために、高価な耐摩耗性の材質を使用したり、頻繁に部品の交換をしたりすることとなり、設備費用又は運転費用が高価になってしまうという問題がある。
特開2006−247557号公報
本発明の目的は、遠心式のセパレータを備えたメディア攪拌型湿式粉砕機、処理物のホールディングタンク、循環ポンプ及びこれらを接続する循環ラインを備えた粉砕処理システムにおいて、粉砕処理後に、粉砕容器内に充填されたメディアを容易に回収することができるメディア回収装置を備える粉砕処理システムを提供することであり、同時に、メディアの回収方法を提供することである。なお、遠心式のセパレータを備えたメディア攪拌型湿式粉砕機を使用する粉砕処理システムにおいては、その他複数の解決すべき問題が存在するために、今回開発したその他の解決手段についても説明する。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究の結果、メディアの充填は、メディア攪拌型湿式粉砕機を運転状態として処理物の供給と同様の方法で、均一スラリー状態のメディアを供給すると、粉砕容器内にメディアが確実に充填され、メディアの流出を起こさないことを発見した。また、メディアの回収は、粉砕処理における処理物の流れとは逆の方向に、粉砕容器内に回収液を流通させる方法が好ましいことを発見した。
本発明の請求項1に係る粉砕処理システムは、遠心式のセパレータを備えたメディア攪拌型湿式粉砕機、処理物のホールディングタンク、循環ポンプ及びこれらを接続する循環ラインを備えた粉砕処理システムであって、前記メディア攪拌型湿式粉砕機は、処理物の供給口及び排出口を備える粉砕容器内に攪拌部材及び前記セパレータを備え、前記粉砕容器に充填されたメディアを回収するために、回収液タンク、メディア回収タンク、前記回収液タンクと前記排出口を接続する回収ライン及び前記供給口と前記メディア回収タンクを接続する回収ラインからなるメディア回収装置を備えている手段を採用している。
本発明の請求項2に係るメディア回収方法は、請求項1に記載の粉砕処理システムにおいて、前記粉砕容器に充填されたメディアを回収するメディア回収方法であって、前記メディア攪拌型湿式粉砕機を運転状態として、前記排出口から前記粉砕容器内に回収液を導入し、前記メディアを前記供給口から前記回収液と共に前記メディア回収タンクに排出する手段を採用している。
本発明の粉砕処理システムは、回収液タンク、メディア回収タンク及びこれらを接続する回収ラインからなるメディア回収装置を備え、これを用いて、容易にメディアの回収を行うことができる。
メディア投入装置を備える粉砕処理システムを示す概略説明図である。 メディア投入装置を備える粉砕処理システムの他の例を示す概略説明図である。 本発明のメディア回収装置を備える粉砕処理システムの具体例を示す概略説明図である。 本発明のメディア回収装置を備える粉砕処理システムの他の例を示す概略説明図である。 メディア投入装置及び本発明のメディア回収装置を備える粉砕処理システムの具体例を示す概略説明図である。 従来の粉砕処理システムを示す概略説明図である。 メディア攪拌型湿式粉砕機の一例を示す概略縦断面図である。 図7に示すメディア攪拌型湿式粉砕機の概略横断面図である。 傾動装置を備えるメディア攪拌型湿式粉砕機を示す概略図である。
メディア28の初期充填に関する具体的な実施の形態について、図1及び図2を用いて2つの例を説明する。図1に示す粉砕処理システム10は、遠心式のセパレータを備えたメディア攪拌型湿式粉砕機20、処理物のホールディングタンク40、循環ポンプ30及びこれらを接続する循環ライン50を備えている。
遠心式のセパレータを備えたメディア攪拌型湿式粉砕機20は、図7及び図8に例示したものであるが、これに限定されるものではない。すなわち、セパレータが遠心力を発生させて処理物とメディア28とを分離する方式であれば、如何なる型式形状であっても良い。また、例示したメディア攪拌型湿式粉砕機20は、粉砕容器22が垂直な軸芯を備えた竪型であるが、水平な軸芯を備えた横型であっても良い。
処理物のホールディングタンク40は、処理物を均一なスラリーに保持するために、攪拌機41を備えていることが好ましい。また、必要な温度に保持するために、冷却装置等を備えていることが好ましい。
循環ポンプ30は、処理物の物性や流量等に応じて、適宜型式等を選択することができる。多くの場合正確な流量の設定が必要となるので、ダイヤフラムポンプやチューブポンプ等の定量ポンプが好ましいが、遠心ポンプ等も流量計と共に用いることができる。循環ライン50は、ホールディングタンク40と循環ポンプ30との間にバルブ51を、メディア攪拌型湿式粉砕機20と循環ポンプ30との間に逆止弁52を備えている。
この粉砕処理システム10は、メディア攪拌型湿式粉砕機20にメディア28を均一スラリー状態で初期充填するメディア投入装置を備えている。ここで「均一スラリー状態」とは、メディア28が充分に拡散して沈降を起こさない状態であると共に、ガスを含まない状態をいう。また「初期充填」とは、メディア28が充填されていない粉砕容器22内に、粉砕処理に必要な量のメディア28を充填することをいう。図1に示す粉砕処理システム10では、メディアタンク70、メディアポンプ60及びこれらを接続するメディアライン80がメディア投入装置を構成している。
メディアタンク70は、投入するメディア28を均一スラリー状態として準備するタンクであり、適当なスラリー濃度に調製すると共に、攪拌機71で攪拌して均一スラリー状態とする。メディアタンク70の容量は、メディア28の初期充填が1回のバッチで完了する容量であることが好ましい。メディアポンプ60は、循環ポンプ30と同様に、適宜型式等を選択することができるが、循環ポンプ30と同程度の流量範囲を備えることが好ましい。メディアライン80は、メディアタンク70とメディアポンプ60との間にバルブ81を備えている。
なお、メディアポンプ60は、循環ポンプ30に兼用させることができ、これによってシステムを簡略化することができる。図2は、循環ポンプ30がメディアポンプ60を兼用する粉砕処理システム11を示している。
開発した粉砕処理方法は、上述した粉砕処理システム10を用いるものであって、メディア攪拌型湿式粉砕機20を運転状態としてメディア28の初期充填を行うメディア投入運転を行い、その後に処理物の粉砕処理運転を行うことを特徴としている。ここで「運転状態」とは、粉砕容器22内がスラリー又は液体によりガス抜きされた状態であり、駆動軸23が駆動され、セパレータ25が充分に機能する回転数にある状態にあることをいう。
粉砕処理を行うために、ホールディングタンク40において処理物スラリーを調製すると共に、メディアタンク70でメディア28をスラリー化して、適当な濃度に調製する。メディアとしては、直径が0.2mm以下の微細な粒子を使用することができるが、本発明は特に流出を起こし易い0.1mm未満の場合にも有効である。
メディア28の材質は適宜選定されるが、ジルコニア等のセラミックを使用することもできる。メディアスラリーの濃度は、メディアライン80等での閉塞を防止するために、70体積%以下のスラリー濃度とすることが好ましい。より好ましくは40体積%以下である。なお、メディア28を均一スラリー状態にする理由は、ポンプにより圧入するためであり、処理物の供給と同様の方法で粉砕容器22内に供給するためである。
メディア28をスラリー化する液体は、処理物スラリーを構成する液体(例えば、水、溶媒等)と同じ物を使用することが好ましい。あるいは、ホールディングタンク40で調製した処理物スラリーを用いてメディア28のスラリー化を行うこともできる。そして、メディア攪拌型湿式粉砕機20、循環ポンプ30、メディアポンプ60、循環ライン50及びメディアライン80の内部に、メディアのスラリー化に用いた液体又は処理物スラリーを導入し、ガス抜きを行う。
メディア投入運転は次のように行う。上記のガス抜きが完了していることを確認して、循環ライン50のバルブ51を閉とし、循環ポンプ30は停止状態で、メディア攪拌型湿式粉砕機20を駆動して運転状態とする。駆動軸23の回転数は、粉砕処理運転で用いる回転数の条件範囲内とすることが好ましい。
一方、メディアライン80のバルブ81を開とし、メディアポンプ60を駆動する。これにより、メディアタンク70で調製されたメディアスラリーが、メディア攪拌型湿式粉砕機20に導入される。スラリーの流量は、粉砕処理運転における処理物供給流量の条件範囲内とすることが好ましい。
このとき、メディア攪拌型湿式粉砕機20は運転状態であり、セパレータ25の遠心力が働いているので、メディアはメディア攪拌型湿式粉砕機20から流出することができず、粉砕容器22内に充填される。
セパレータの遠心力は、粉砕処理運転において有効に働くように設計されているので、メディア投入運転も、粉砕処理運転と同等の定常な状態で行われ、粉砕容器22の内部に異常な流れや乱れを生じないことが重要となる。特に、ガスの混入はセパレータ25の分離効率を低下させるので好ましくない。
メディア攪拌型湿式粉砕機20でメディア28が除去された分離液は、系外に排出することができる(系外排出ラインは図示せず。)。しかし、図1に示すように、ホールディングタンク40に回収することも可能である。分離液をホールディングタンク40に回収することにより、メディア投入運転から粉砕処理運転への移行が簡単となるので、通常はこの方法が好ましい。ただし、この場合、ホールディングタンク40において、処理物のスラリー濃度が希釈されるので、所定の濃度範囲となるように注意する必要がある。
メディア投入運転によりメディアの初期充填が完了したら、循環ライン50のバルブ51を開にすると共に循環ポンプ30を起動し、同時に、メディアポンプ60を停止すると共にメディアライン80のバルブ81を閉として、粉砕処理運転に移行する。粉砕処理運転では、所定の循環流量で所定時間の運転を継続することになる。
上記の運転方法を採用することにより、投入されたメディア28は、全てメディア攪拌型湿式粉砕機20の粉砕容器22に充填されることになる。この結果、粉砕処理の運転中及び終了後においても、ホールディングタンク40は、メディアの存在しない状態に保たれることになる。したがって、粉砕処理後の製品にメディアが混入することは起こり得ない。
また、逆止弁52を備えることにより、粉砕処理運転の終了時などにおいて、処理物及びメディアがメディア攪拌型湿式粉砕機20から循環ライン50に逆流することを防止している。
なお、図2に示した粉砕処理システム11では、循環ポンプ30がメディアポンプ60を兼用しているので、メディア投入運転から粉砕処理運転への移行は、バルブ51及びバルブ81の切り替えのみであり、簡単に行うことができる。また、図2において、循環ライン50とメディアライン80との接続点のバルブ51側にメディアスラリー逆流防止のための逆止弁を追加しても良い。
本発明で使用するメディア攪拌型湿式粉砕機20は、図7及び図8に示すように、処理物の供給口21を備えた円筒状の粉砕容器22内に、中空の駆動軸23に固定されたロータ型の攪拌部材24及び遠心式のセパレータ25が設けられている。そして、駆動軸23の中空部が排出口26を形成している。
前述のように、粉砕容器22は竪型であっても横型であっても良い。横型の方がメディアの初期流出が著しいが、本発明の粉砕システムを採用することによりどちらも解決することができるからである。また、粉砕処理能力は、どちらであっても大差ないからである。そして、粉砕容器22の形状は、円筒状の形状であり、高い粉砕効率を得るために、その軸方向の長さLと直径Dとの比(L/D)が1以下であることが好ましい。
攪拌部材24はロータ型であり、複数の開口を備えたロータの回転によって、処理物及びメディアが遠心力を受けて開口から外側に流動するので、ロータの周囲に循環流が発生する。すなわち、処理物及びメディアは、攪拌部材24の回転による周方向の流れと、循環流による半径方向の流れとを同時に発生して、好ましい流動状態となる。
セパレータ25は、攪拌部材24の内側に位置し、中空の駆動軸23に固定されて回転する遠心式のセパレータである。円筒状に配列された複数の羽根はその両側(図7では上下)が閉塞され、その内側が駆動軸23の中空部に連通している。したがって、供給口21から粉砕容器22内に供給された処理物は、セパレータ25の羽根の間を通過して、駆動軸23の中空部から排出される。
処理物がセパレータ25を通過するとき、処理物及びメディア28はセパレータ25による遠心力を受けるので、セパレータ25の外側に向かう力を受ける。処理物は粒子径が小さいので、受ける力が小さく、セパレータ25を通過することができる。しかし、メディア28は、受ける力が大きく、セパレータ25を通過することができず、粉砕容器22内に留まることになる。
開発した粉砕処理方法は、メディア攪拌型湿式粉砕機20の駆動軸23を回転した運転状態において、メディア投入運転及び粉砕処理運転を行うものである。したがって、セパレータ25が常に働いた状態で行われるので、メディア28がメディア攪拌型湿式粉砕機20から流出して、製品中に混入することはないのである。
粉砕処理運転を中断することがある場合には、粉砕容器22を竪型とすることが好ましい。粉砕容器22が竪型の場合には、セパレータ25を高い位置に位置させることができるので、停止中にメディア28がセパレータ25の内部に入らないようにすることができる。これに対して、粉砕容器22が横型の場合には、セパレータ25の高さが粉砕容器22の中央に限定されるので、停止中にメディア28がセパレータ25の内部に入ることを防ぐのが困難である。
粉砕容器22が竪型である場合には、運転前後における清掃、点検又は整備を行うときの作業性が、横型に比べて劣るという問題がある。このため、粉砕容器22等を傾動するための傾動装置を設けることが好ましい。図9に示すメディア攪拌型湿式粉砕機20は、粉砕容器22及び電動機27等を傾動装置29によって90度傾動することができる。
すなわち、粉砕容器22が竪型となる図9(A)の状態で、メディア投入運転、粉砕処理運転、メディア回収等を行うことができる。また、粉砕容器22が横型となる図9(B)の状態で、粉砕容器22の内部における清掃、点検又は整備等を行うことができる。傾動装置29としては、自動化して釦操作で傾動するようにしても良いが、小型である場合には、手動としてハンドル操作で傾動することが好ましい。
粉砕処理運転において、粉砕容器22の内部は、処理物と共にメディアが激しく攪拌されるので内部部品の著しい摩耗が発生する。このため、粉砕容器22、攪拌部材24及びセパレータ25等については、ジルコニア等の高価な耐摩耗性の材質を使用したり、頻繁に部品の交換を行ったりしている。このため、設備費用又は運転費用が高価になっている。
粉砕処理システムに関する研究を積み重ねる過程で、この問題はメディア径に大きく関係し、メディア径が0.2mm以下である場合には、上記の材質として硬質樹脂が優れていることを発見した。すなわち、硬質樹脂の使用は、メディア径が0.3mm以上である場合には、ジルコニア等と同等又はそれ以上に摩耗が進行する。しかし、メディア径が0.2mm以下である場合には、ジルコニア等に比較して格段に摩耗が減少するのである。
硬質樹脂としては、機械的強度、耐摩耗性、耐薬品性等に優れると共に安価であることが好ましい。例えば、ポリアミド系樹脂であるナイロン樹脂は、必要な性質を備えると共に安価であるので優れている。また、その他のポリアミド系の樹脂やポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックも使用することができる。
次に、メディアの回収に関する本発明の具体的な実施の形態について、図3〜図5を用いて説明する。図3に示す本発明の粉砕処理システム12は、遠心式のセパレータを備えたメディア攪拌型湿式粉砕機20、処理物のホールディングタンク40、循環ポンプ30及びこれらを接続する循環ライン50を備えている。これらに関しては、先に説明した通りである。
本発明で使用するメディア攪拌型湿式粉砕機20は、図7及び図8に示すように、処理物の供給口21を備えた円筒状の粉砕容器22内に、中空の駆動軸23に固定されたロータ型の攪拌部材24及び遠心式のセパレータが設けられ、駆動軸23の中空部が排出口26を形成している。また、先に説明したように、粉砕容器22は、竪型であっても横型であっても良い。
そして、本発明の粉砕処理システム12は、排出口26から粉砕容器22内に回収液を導入して充填されたメディア28を回収するメディア回収装置を備えている。すなわち、図3において、回収液タンク75、メディア回収タンク76及びこれらを接続する回収ライン85がメディア回収装置を構成している。
回収液タンク75は、メディア攪拌型湿式粉砕機20よりも若干高い位置に設けられている。回収液としては、適宜水や溶媒等が用いられる。また、メディア回収タンク76は、必要に応じて攪拌機77を設けても良い。回収ライン85にはバルブ86、87を備え、循環ライン50にはバルブ51、53、54を備えている。
粉砕処理運転では、回収ライン85に設けられたバルブ86、87を閉とし、循環ライン50に設けられたバルブ51、53、54を開とすることにより、処理物がホールディングタンク40及びメディア攪拌型湿式粉砕機20を循環して粉砕処理が行われる。
粉砕処理の終了後、粉砕容器22からメディア28を回収するときは、メディア攪拌型湿式粉砕機20を運転状態として、循環ライン50に設けられたバルブ51、53、54を閉とし、回収ライン85に設けられたバルブ86、87を開とする。回収液タンク75の回収液は、液ヘッドによってメディア攪拌型湿式粉砕機20の排出口26から粉砕容器22内に導入され、供給口21からメディア回収タンク76に排出される。
メディア攪拌型湿式粉砕機20は運転状態に保持されているので、粉砕容器22内は攪拌部材24によって激しく攪拌されている。したがって、粉砕容器22に充填されているメディア28は、回収液と共にスラリー状態となって供給口21から排出され、メディア回収タンク76に回収されることになる。
このとき、回収液の流入量をバルブ86により調整すると、メディアスラリーの排出量が適度に調整され、メディアが急激に排出されて床に散乱するようなことを防ぐことができる。したがって、メディアの回収作業を円滑に進めることができる。また、同時に、ある程度粉砕容器22内の洗浄を行うこともできる。メディア回収タンク76に回収されたメディアは、必要に応じて攪拌機77を用いて洗浄することもできる。
図3に示す粉砕処理システム12では、回収液をメディア攪拌型湿式粉砕機20に導入するのに液ヘッドを用いたが、例えば水道水のように、回収液が加圧状態で得られるときは、回収液タンク75を省略することができる。あるいは、回収液タンク75からポンプを用いて導入することもできる。
図4に示す本発明の粉砕処理システム13は、循環ポンプ30を用いてメディア攪拌型湿式粉砕機20に回収液を導入するものである。回収液タンク75からメディア攪拌型湿式粉砕機20の排出口26に至る回収ライン85は、循環ポンプ30を介して連通されている。
粉砕処理運転では、回収ライン85に設けられたバルブ86、87、88を閉とし、循環ライン50に設けられたバルブ51、53、54を開とすることにより、処理物がホールディングタンク40、循環ポンプ30及びメディア攪拌型湿式粉砕機20を循環して粉砕処理が行われる。
粉砕処理の終了後、粉砕容器22からメディア28を回収するときは、メディア攪拌型湿式粉砕機20を運転状態として、循環ライン50に設けられたバルブ51、53、54を閉とし、回収ライン85に設けられたバルブ86、87、88を開とする。回収液タンク75の回収液は、循環ポンプ30によってメディア攪拌型湿式粉砕機20の排出口26から粉砕容器22内に導入され、供給口21からメディア回収タンク76に排出される。
メディア攪拌型湿式粉砕機20は運転状態に保持されているので、粉砕容器22内は攪拌部材24によって激しく攪拌されている。したがって、粉砕容器22に充填されているメディア28は、回収液と共にスラリー状態となって供給口21から排出され、メディア回収タンク76に回収されることになる。
図5に示す本発明の粉砕処理システム14は、図2に示すメディア投入装置と図4に示すメディア回収装置を備え、かつ、メディアタンク70がメディア回収タンク76を兼用するシステムである。メディア投入運転は、循環ライン50のバルブ51を閉、バルブ53、54を開とし、メディアライン80のバルブ81を開とし、回収ライン85のバルブ86、87、88を閉とした状態で行われ、メディアタンク70から循環ポンプ30を用いて運転状態のメディア攪拌型湿式粉砕機20にメディアを充填することができる。
粉砕処理運転は、循環ライン50のバルブ51、53、54を開とし、メディアラインのバルブ81を閉とし、回収ライン85のバルブ86、87、88を閉とした状態で行われ、処理物がホールディングタンク40、循環ポンプ30及びメディア攪拌型湿式粉砕機20を循環して粉砕処理が行われる。
メディア回収運転は、循環ライン50のバルブ51、53、54を閉とし、メディアライン80のバルブ81を閉とし、回収ライン85のバルブ86、87、88を開とした状態で行われる。回収液タンク75の回収液は、循環ポンプ30によってメディア攪拌型湿式粉砕機20の排出口26から粉砕容器22内に導入され、供給口21からメディアタンク70に排出される。
メディア攪拌型湿式粉砕機20は運転状態に保持されているので、粉砕容器22内は攪拌部材24によって激しく攪拌されている。したがって、粉砕容器22に充填されているメディア28は、回収液と共にスラリー状態となって供給口21から排出され、メディアタンク70に回収されることになる。
以上のように、本発明の粉砕処理システムは、メディアの投入運転、粉砕処理運転及びメディア回収運転、並びに清掃、点検、整備等の作業を円滑に行うことができる総合的なシステムである。そして、建設費用及び運転費用が安価であり、生産性の高い設備とすることができる。
(実施例)
図5に示す粉砕処理システムを用いて、本発明の確認試験を行った。
処理物として、酸化チタンの水スラリーを用いた。酸化チタンの平均粒子径は1μm以下であり、スラリー濃度は10wt%とした。メディア攪拌型湿式粉砕機としては、図7〜図9に示す粉砕機であり、攪拌部材の直径は60mmであった。メディアは、ジルコニア製で直径0.03mmのものを134g用いた。
上述の通り、メディア投入運転に続いて粉砕処理運転を行い、メディア攪拌型湿式粉砕機からの分離液をメッシュに通し、メディアの有無をマイクロスコープで観察した。その結果、メディアの流出は無く、問題なく実用化できることが確認された。また、メディア回収運転も的確に行うことができた。
本発明は、粉砕はもとより、混合、攪拌、分散等にも適用される。本発明における処理物として、無機薬品、たとえば石灰石、酸化チタン、酸化マグネシウム、雲母、炭酸カルシウム、磁性酸化鉄、またセラミックス質、インク類、ペイント類、電子写真用トナー、カラーフィルター用着色層、ジェットプリンター用インキ、熱転写インキ等に用いる着色材料や顕色剤等、金属、無機物、有機物、磁性体、顔料、医薬品等の分野において、広く用いることができる。
本発明の実施にあたって、粉砕機の回転数、流量、スラリー濃度、温度管理、メディア径、メディア材質、メディア充填量等の運転条件を処理物の性状や粉砕機の性能により最適化を図ることは当事者の設計事項である。
12 粉砕処理システム
20 メディア攪拌型湿式粉砕機
22 粉砕容器
25 セパレータ
26 排出口
28 メディア
30 循環ポンプ
40 ホールディングタンク
50 循環ライン
75 回収液タンク
76 メディア回収タンク
85 回収ライン

Claims (2)

  1. 遠心式のセパレータを備えたメディア攪拌型湿式粉砕機、処理物のホールディングタンク、循環ポンプ及びこれらを接続する循環ラインを備えた粉砕処理システムであって、
    前記メディア攪拌型湿式粉砕機は、処理物の供給口及び排出口を備える粉砕容器内に攪拌部材及び前記セパレータを備え、
    前記粉砕容器に充填されたメディアを回収するために、
    回収液タンク、メディア回収タンク、前記回収液タンクと前記排出口を接続する回収ライン及び前記供給口と前記メディア回収タンクを接続する回収ラインからなるメディア回収装置を備えていることを特徴とする粉砕処理システム。
  2. 請求項1に記載の粉砕処理システムにおいて、前記粉砕容器に充填されたメディアを回収するメディア回収方法であって、
    前記メディア攪拌型湿式粉砕機を運転状態として、
    記排出口から前記粉砕容器内に回収液を導入し、
    前記メディアを前記供給口から前記回収液と共に前記メディア回収タンクに排出することを特徴とするメディア回収方法。
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