JP6193947B2 - 磁気記録媒体および磁気記録媒体用塗料組成物 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録媒体用塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体および磁気記録媒体用塗料組成物に関する。
塗布型磁気記録媒体(以下、単に「磁気記録媒体」とも記載する。)は、通常、強磁性粉末とともに結合剤を含む塗料組成物を、非磁性支持体上に直接または非磁性層等の他の層を介して間接的に塗布し、必要に応じて加熱、光照射等の硬化処理を施し磁性層を形成することにより作製される。
従来、塗布型磁気記録媒体では、強磁性粉末の分散性や磁性層の耐久性向上等に、結合剤が重要な役割を果たしてきた。そのため結合剤について様々な検討が行われてきた(例えば一例として、特許文献1参照)。
特開2004−67941号公報
強磁性粉末の分散性向上に関しては、特許文献1に記載されているように、スルホン酸塩基等の極性基を結合剤に導入することが行われている。結合剤への極性基導入は、結合剤を強磁性粉末の表面に効率的に吸着させることにより分散性を高めるために行われている。しかるに特許文献1の段落0026にも記載されているように、極性基の過剰量の導入は、かえって強磁性粉末の分散性を低下させる傾向がある。したがって、結合剤への極性基導入では、強磁性粉末の分散性向上を十分に達成することは困難になってきている。
また、磁性層の耐久性向上に関しては、従来、磁性層の結合剤として力学物性の高い樹脂を用いることが検討されてきた。この点に関し、特許文献1には、磁性層の結合剤として用いられるポリウレタン樹脂の力学物性向上のためにウレタン基濃度を高めるべく、芳香族ポリイソシアネート等の所定の共重合成分を用いることが提案されている。しかるに、特許文献1の段落0025に記載されているように、結合剤として用いられる樹脂のウレタン基濃度を高めるほど、樹脂の力学物性を高めることはできるが溶解性は低下し、その結果、強磁性粉末の分散性は低下する傾向がある。そのため、特許文献1の段落0025には、ウレタン基濃度は、強磁性粉末の分散性を良好に維持できる範囲内にすべきであることが記載されている。
一方、近年、磁性層には、よりいっそう優れた耐久性を有することが求められている。この要因としては、市場の要求性能が高度化していること、強磁性粉末が微粒子化していること等が挙げられる。例えば近年の市場の要求性能としては、従来に比べてより長期間、高い信頼性をもって連続走行可能な高い耐久性を有することが挙げられる。また、強磁性粉末の微粒子化に伴い1ビット当たりの磁力は弱くなるため、そのようなビットから情報を読み出すために、再生ヘッドと磁気記録媒体(磁性層)表面とは、より近接化する傾向にある。そのため近年、再生ヘッドと磁気記録媒体(磁性層)表面との接触頻度は高まっている。したがって、磁気記録媒体は、磁性層表面が従来と比べ傷を受けやすい状態で使用されるようになってきている。
そこで磁性層の耐久性向上のために、従来検討されてきたように磁性層の結合剤として用いる樹脂の力学物性を高めることが考えられる。しかるに上記の通り、磁性層の耐久性向上のために結合剤の力学物性を高めようとするほど強磁性粉末の分散性は低下する傾向にある。即ち、近年求められている磁性層の更なる耐久性向上を強磁性粉末の分散性向上とともに達成することは、従来行われてきたような結合剤による対応では、困難になってきている。
そこで本発明の目的は、磁気記録媒体において強磁性粉末の分散性向上と磁性層の耐久性向上をともに達成するための新たな手段を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表される化合物を、強磁性粉末および結合剤とともに磁性層成分として用いることにより、強磁性粉末の分散性向上と磁性層の耐久性向上をともに達成することが可能になることを、新たに見出した。
(一般式(1)中、Xは−O−、−S−または−NR−を表し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、Lは二価の連結基を表し、Zはカルボキシル基およびカルボキシル塩基からなる群から選ばれる基(以下、「カルボキシル(塩)基」とも記載する。)を少なくとも1つ有するn価の部分構造を表し、mは2以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
以下は、本発明者らによる推測であって、本発明を何ら限定するものではないが、本発明者らは、上記化合物により分散性向上と耐久性向上をともに達成することが可能になる理由を、次のように考えている。
一般式(1)で表される化合物は、−((C=O)−L−O)m−で表される構造(ポリエステル鎖)を有する。この構造が磁性層(塗膜)に適度な伸びやすさを付与することに寄与しているのではないかと、本発明者らは考えている。より詳しくは、磁性層を単に高強度化するのみでは、磁性層が脆くなり破断しやすくなると考えられるが、上記化合物が磁性層に適度な伸びやすさを付与することが、磁性層の耐久性向上に寄与しているのではないかと、本発明者らは推察している。
また分散性向上に関しては、Z部分に含まれるカルボキシル(塩)基が強磁性粉末の粒子表面への吸着部となることにより一般式(1)で表される化合物が強磁性粉末に効率的に吸着したうえで、上記ポリエステル鎖が立体障害効果をもたらし強磁性粉末の粒子同士の凝集を防ぐことができることが、上記化合物により強磁性粉末の分散性向上が可能になる理由ではないかと考えている。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
本発明の一態様は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
磁性層に、上記一般式(1)で表される化合物を更に含む磁気記録媒体、
に関する。
本発明の更なる態様は、
上記一般式(1)で表される化合物と、
強磁性粉末と、
結合剤と、
溶媒と、
を含む磁気記録媒体用塗料組成物、
に関する。
一態様では、一般式(1)中、Lはアルキレン基を表す。
一態様では、一般式(1)中、Xは−O−を表す。
一態様では、一般式(1)中、Zは、カルボン酸無水物の反応残基を表す。なおカルボン酸無水物とは、−(C=O)−O−(C=O)−で表される部分構造を有する化合物である。カルボン酸無水物では、上記部分構造が反応部位となって、一般式(1)中の−((C=O)−L−O)m−の酸素原子とZとが、カルボニル結合(−(C=O)−)を介して結合するとともにカルボキシル(塩)基がもたらされる。こうして生成した部分構造が、カルボン酸無水物の反応残基である。上記カルボン酸無水物は、一態様では、テトラカルボン酸無水物である。詳細は後述する。
一態様では、一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上20,000未満の範囲である。
一態様では、上記強磁性粉末の平均粒子サイズは、10〜50nmの範囲である。
一態様では、一般式(1)で表される化合物は、上記磁性層または磁気記録媒体用塗料組成物に、強磁性粉末100.0質量部あたり0.5〜50.0質量部含まれる。
本発明によれば、強磁性粉末の分散性向上と磁性層の耐久性向上を両立することが可能となる。
本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、磁性層に、一般式(1)で表される化合物を更に含む。
上記磁気記録媒体の磁性層に含まれる化合物は、強磁性粉末の分散性向上に寄与することができる。更に、上記化合物を含む磁性層は、優れた耐久性(より詳しくは、傷が付きにくい優れた耐傷性)を示すことができる。
本発明の一態様にかかる磁気記録媒体用塗料組成物は、一般式(1)で表される化合物と、強磁性粉末と、結合剤と、溶媒と、を含む。
上記磁気記録媒体用塗料組成物は、本発明の一態様にかかる磁気記録媒体の磁性層を形成するための磁性層形成用塗布液として、または磁性層形成用塗布液の調製のために、用いることができる。
以下、上記磁気記録媒体および磁気記録媒体用塗料組成物(以下、「組成物」とも記載する。)について、更に詳細に説明する。
なお本発明において、特記しない限り、記載されている基は置換基を有してもよく無置換であってもよい。ある基が置換基を有する場合、置換基としては、アルキル基(例えば炭素数1〜6のアルキル基)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば炭素数1〜6のアルコキシ基)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アシル基、カルボキシル(塩)基等を挙げることができる。また、置換基を有する基について「炭素数」とは、置換基を含まない部分の炭素数を意味するものとする。
<一般式(1)で表される化合物>
(一般式(1)の詳細)
一般式(1)は、以下の通りである。
(一般式(1)中、Xは−O−、−S−または−NR−を表し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、Lは二価の連結基を表し、Zはカルボキシル基およびカルボキシル塩基からなる群から選ばれる基(カルボキシル(塩)基)を少なくとも1つ有するn価の部分構造を表し、mは2以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
なお一般式(1)中、Lはm×n個含まれる。また、R、Xは、それぞれn個含まれる。Lが一般式(1)中に複数含まれる場合、複数のLは同一であってもよく異なっていてもよい。この点は、R、Xについても同様である。
一般式(1)中、Xは、−O−、−S−または−NR−を表し、Rは水素原子または一価の置換基を表す。一価の置換基としては、上記の置換基を挙げることができ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。いっそう好ましくは、Rは、水素原子である。Xは、−O−を表すことが好ましい。
Rは、水素原子または一価の置換基を表す。Rは、一価の置換基を表すことが好ましい。Rで表される一価の置換基としては、例えば、直鎖または分岐のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、非芳香族ヘテロ環基等の一価の基、および上記一価の基に二価の連結基が連結した構造等を挙げることができる。二価の連結基としては、例えば、−C(=O)−O−、−O−、−C(=O)−NR10−(R10は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)、−O−C(=O)−NH−、フェニレン基、および炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基からなる群から選択される1つまたは2つ以上の組み合わせから構成される2価の連結基を挙げることができる。Rで表される一価の置換基の具体例としては、例えば下記構造が挙げられる。下記構造において、*はXとの結合位置を表す。ただし本発明は、下記具体例に限定されるものではない。
一般式(1)中、Lは二価の連結基を表す。二価の連結基としては、直鎖、分岐または環構造であってもよいアルキレン基、直鎖、分岐または環構造であってもよいアルケニレン基、−C(=O)−、−O−、アリーレン基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上の組み合わせから構成される二価の連結基を挙げることができる。より詳しくは、直鎖、分岐または環構造であってもよい炭素数1〜12のアルキレン基、直鎖、分岐または環構造であってもよい炭素数1〜6のアルケニレン基、−C(=O)−、−O−、フェニレン基およびハロゲン原子から選ばれる1つまたは2つ以上の組み合わせから構成される二価の連結基を挙げることができる。上記の二価の連結基は、好ましくは、1〜10個までの炭素原子、0〜10個までの酸素原子、0〜10個までのハロゲン原子、および1〜30個までの水素原子から成り立つ二価の連結基である。具体例としては、アルキレン基および下記構造である。下記構造中、*は他の構造との結合位置を示す。ただし本発明は、下記具体例に限定されるものではない。
Lは、好ましくはアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキレン基である。
Zはカルボキシル基およびカルボキシル塩基からなる群から選ばれる基(カルボキシル(塩)基)を少なくとも1つ有するn価の部分構造を表す。なおカルボキシル塩基とは、カルボキシル基(−COOH)の塩の形態であり、−COOMにおいてMがアルカリ金属イオン等のカチオンを表す塩を意味する。
Zに含まれるカルボキシル(塩)基の数は、1つのZあたり少なくとも1つであり、2つ以上であることが好ましく、2〜4つであることがより好ましい。
Zは、直鎖構造、分岐構造、環状構造の1つ以上を含むことができる。合成の容易性等の観点から、好ましくは、Zはカルボン酸無水物の反応残基である。例えば具体例としては、下記構造が挙げられる。下記構造中、*は他の構造との結合位置を示す。ただし本発明は、下記具体例に限定されるものではない。
カルボン酸無水物として、先に記載した部分構造−(C=O)−O−(C=O)−を1つ有するものを用いて一般式(1)で表される化合物を合成することにより、一価の上記反応残基を有する一般式(1)で表される化合物を得ることができ、2つ有するものを用いることにより二価の上記反応残基を有する一般式(1)で表される化合物を得ることができる。三価以上の上記反応残基を有する一般式(1)で表される化合物も同様である。先に記載した通り、nは1以上の整数であり、例えば1〜4の範囲の整数であり、好ましくは2〜4の範囲の整数である。
カルボン酸無水物としては、例えばテトラカルボン酸無水物を用いることにより、n=2の一般式(1)で表される化合物を得ることができる。なおテトラカルボン酸無水物とは、一分子中に4つのカルボキシル基を有する化合物において、各2つのカルボキシル基の脱水縮合により、上記部分構造を一分子中に2つ有するカルボン酸無水物である。一般式(1)中、Zがテトラカルボン酸無水物の反応残基を表す化合物は、強磁性粉末の分散性および磁性層の耐久性の一層の向上の観点から好ましい。テトラカルボン酸無水物としては、例えば、脂肪族テトラカルボン酸無水物、芳香族テトラカルボン酸無水物、多環式テトラカルボン酸無水物等の各種テトラカルボン酸無水物を挙げることができる。
脂肪族テトラカルボン酸無水物としては、例えば、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシシクロヘキサン二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシノルボルナン二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物等を挙げることができる。
芳香族テトラカルボン酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、M−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物等を挙げることができる。
多環式テトラカルボン酸無水物としては、例えば、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物等を挙げることができる。
一般式(1)中、mは2以上の整数を表す。先に記載したように、一般式(1)で表される化合物は、−((C=O)−L−O)m−で表される構造(ポリエステル鎖)が、分散性および耐久性向上に寄与すると考えられる。これらの観点から、mは、5〜200の範囲の整数であることが好ましく、5〜100の範囲の整数であることがより好ましく、5〜60の範囲の整数であることが更に好ましい。
(重量平均分子量)
一般式(1)で表される化合物は、上記構造を有するものであればよく、分子量は限定されるものではない。好ましくは、一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上20,000未満である。上記重量平均分子量は、一般に磁性層に用いられる結合剤よりも低分子量である。このような重量平均分子量を有する化合物は、可塑剤的な作用を奏することにより、磁性層の耐久性をより向上することに寄与すると考えられる。この点から、一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、12,000以下であることがより好ましく、10,000以下であることがより好ましい。また、一般式(1)で表される化合物は、例えば1,000以上であり、1,500以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。なお本発明における重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定され、標準ポリスチレン換算で求められる値をいうものとする。後述の実施例に示す重量平均分子量は、GPCを用いて下記測定条件により測定された値を標準ポリスチレン換算して求めた値である。また、2種以上の構造異性体の混合物について重量平均分子量とは、この混合物に含まれる2種以上の構造異性体の重量平均分子量をいうものとする。
GPC装置:HLC−8220(東ソー製)
ガードカラム:TSKguardcolumn Super HZM−H
カラム:TSKgel Super HZ 2000、TSKgel Super HZ 4000、TSKgel Super HZ−M(東ソー製、4.6mm(内径)×15.0cm、3種カラムを直列連結)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、安定剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)含有
溶離液流速:0.35mL/分
カラム温度:40℃
インレット温度:40℃
屈折率(Refractive Index:RI)測定温度:40℃
サンプル濃度:0.3重量%
サンプル注入量:10μL
上記化合物の具体例としては、例えば、後述の実施例に示す各種化合物を例示することができる。
(合成方法)
以上説明した一般式(1)で表される化合物は、公知の方法で合成することができる。合成方法の一例としては、例えば、カルボン酸無水物と、下記一般式(2)で表される化合物とを開環付加反応等の反応に付す方法を挙げることができる。一般式(2)中、R、X、L、mは、それぞれ一般式(1)と同義である。Aは、水素原子、アルカリ金属原子または四級アンモニウム塩基を表し、好ましくは水素原子である。
カルボン酸無水物と一般式(2)で表される化合物との反応は、例えば、ブタンテトラカルボン酸無水物を用いた場合、ヒドロキシル基1当量に対して、0.4〜0.5モルの割合でブタンテトラカルボン酸無水物を混合し、無溶媒、必要に応じて沸点が50℃以上の有機溶剤、更には三級アミンや無機塩基などの反応触媒存在下で、3〜12時間程度加熱攪拌することにより実施される。他のカルボン酸無水物を用いる場合にも、上記の反応条件に準じて、または公知の反応条件に準じて、カルボン酸無水物と一般式(2)で表される化合物との反応を実施することができる。
上記反応の後、必要に応じて精製等の後工程を行ってもよい。
また、一般式(2)で表される化合物は、市販品を用いてもよく、公知のポリエステル合成方法によって得ることもできる。例えばポリエステル合成法としては、ラクトンの開環重合を挙げることができる。ラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、エナントラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、ラクチド等を挙げることができる。なおラクチドは、L体であってもD体であってもよい。ポリエステル合成において、ラクトンは一種のみ用いてもよく、異なる構造の二種以上を用いてもよい。ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、ラクチドまたはδ−バレロラクトンが、反応性・入手性の観点から好ましい。ただし、これらに限定されるものではなく、開環重合によりポリエステルを得ることができるものであれば、いずれのラクトンであってもよい。
ラクトンの開環重合のための求核試薬としては、アルコール、チオール、アミン等を用いることができる。求核試薬は、一種用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
例えばアルコールを用いる場合、アルコールをROHで表すと、RO−部が、一般式(1)で表される構造中、RX−部として存在し得る。ここでXは−O−を表す。
チオールを用いる場合、チオールをRSHで表すと、RS−部が、一般式(1)で表される構造中、RX−部として存在し得る。ここでXは−S−を表す。
アミンを用いる場合、アミンをRRNHで表すと、RRN−部が、一般式(1)で表される構造中、RX−部として存在し得る。ここでXは−NR−を表す。R、Rは、それぞれ一般式(1)と同義である。
ただし、一般式(2)で表される化合物は、ラクトンの開環重合により得られたポリエステル由来の構造に限定されるものではなく、公知のポリエステル合成法、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合、ヒドロキシカルボン酸の重縮合、等により得られたポリエステル由来の構造であることもできる。
以上説明した合成方法は一例であって、本発明を何ら限定するものではない。一般式(1)で表される化合物を合成可能な方法であれば、公知の合成方法を、何ら制限なく用いることができる。合成後の反応生成物は、そのまま、または必要に応じて公知の方法により精製を行い、磁性層の形成のために用いることができる。
以上説明した一般式(1)で表される化合物は、上記磁気記録媒体の磁性層に、強磁性粉末および結合剤とともに含まれる。また、本発明の一態様にかかる組成物には、強磁性粉末、結合剤および溶媒とともに含まれる。上記化合物は、1種のみ用いてもよく、構造の異なる2種以上を併用してもよい。また、一般式(1)で表される化合物は、2種以上の構造異性体の混合物として用いてもよい。例えば、一般式(1)で表される化合物の合成反応により、2種以上の構造異性体が得られる場合、かかる混合物を本発明の一態様にかかる組成物の調製に用いることもできる。2種以上を併用する場合、以下に記載の含有量とは、併用した化合物の合計含有量をいうものとする。この点は、後述する各成分の含有量についても同様である。一般式(1)で表される化合物の含有量は、強磁性粉末100.0質量部あたり0.5質量部以上とすることが、強磁性粉末の分散性および磁性層の耐久性向上の観点から好ましく、1.0質量部以上とすることがより好ましい。一方、記録密度の向上のためには、磁性層における強磁性粉末の充填率を高くすることが好ましい。この点からは、相対的に強磁性粉末以外の成分の含有量は低くすることが好ましい。以上の観点から、上記化合物の含有量は、強磁性粉末100.0質量部に対して50.0質量部以下とすることが好ましく、40.0質量部以下とすることがより好ましく、30.0質量部以下とすることが更に好ましい。
<結合剤>
本発明の一態様にかかる磁気記録媒体および組成物に含まれる結合剤としては、塗布型磁気記録媒体の結合剤として通常用いられている各種の樹脂を、何ら制限なく用いることができる。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、より好ましいものは、ポリウレタン樹脂および塩化ビニル樹脂である。これらの樹脂は、後述する非磁性層においても結合剤として使用することができる。
以上の結合剤については、特開2010−24113号公報段落0028〜0031を参照できる。結合剤含有量は、強磁性粉末100.0質量部に対して、例えば5.0〜50.0質量部の範囲、好ましくは10.0〜30.0質量部の範囲とすることができる。
先に記載したように、一般式(1)で表される化合物は、結合剤として通常用いられる樹脂に比べ分子量が低い化合物であることが好ましい。このような化合物が、結合剤に対して可塑剤的な作用を発揮することが、磁性層の耐久性の更なる向上に寄与することができると、本発明者らは推察している。結合剤の重量平均分子量は、好ましくは20,000〜120,000の範囲であり、より好ましくは30,000〜100,000の範囲であり、更に好ましくは30,000〜60,000の範囲である。
<強磁性粉末>
強磁性粉末は、好ましくは、平均粒子サイズが50nm以下である。平均粒子サイズが50nm以下の強磁性粉末は、近年求められている高密度記録に対応し得る強磁性粉末であるが、高度に分散させることは容易ではない。これに対し、一般式(1)で表される化合物と併用することにより、50nm以下の平均粒子サイズを有する強磁性粉末の分散性を向上することが可能となる。なお磁化の安定性の観点からは、平均粒子サイズは10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。
上記強磁性粉末の平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、以下の方法により測定する値とする。
強磁性粉末を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして強磁性粉末を構成する粒子の写真を得る。得られた粒子の写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースし粒子(一次粒子)のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
以上の測定を、無作為に抽出した500個の粒子について行う。こうして得られた500個の粒子の粒子サイズの算術平均を、強磁性粉末の平均粒子サイズとする。上記透過型電子顕微鏡としては、例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いることができる。また、粒子サイズの測定は、公知の画像解析ソフト、例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行うことができる。
本発明において粉末についての平均粒子サイズとは、上記方法により求められる平均粒子サイズをいうものとする。後述の実施例に示す平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行った。
なお、粒子サイズ測定のために磁性層から強磁性粉末等の試料粉末を採取する方法としては、例えば特開2011−048878号公報の段落0015に記載の方法を採用することができる。
本発明において、強磁性粉末等の粉末を構成する粒子のサイズ(以下、「粒子サイズ」と言う)は、上記の粒子写真において観察される粒子の形状が、
(1)針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、
(2)板状または柱状(ただし、厚さまたは高さが板面または底面の最大長径より小さい)場合は、その板面または底面の最大長径で表され、
(3)球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、粉末の平均針状比は、上記測定において粒子の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粒子の(長軸長/短軸長)の値を求め、上記500個の粒子について得た値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粒子サイズの定義で(1)の場合は、粒子を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚さまたは高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、粒子の形状が特定の場合、例えば、上記粒子サイズの定義(1)の場合、平均粒子サイズは平均長軸長であり、同定義(2)の場合、平均粒子サイズは平均板径であり、平均板状比とは、(最大長径/厚さまたは高さ)の算術平均である。同定義(3)の場合、平均粒子サイズは、平均直径(平均粒径、平均粒子径ともいう)である。
上記強磁性粉末の好ましい具体例としては、六方晶フェライト粉末を挙げることができる。六方晶フェライト粉末のサイズについては、高密度記録化と磁化の安定性の観点から、平均板径が10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。六方晶フェライト粉末の詳細については、例えば特開2011−216149号公報の段落0134〜0136を参照できる。
上記強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性金属粉末を挙げることもできる。強磁性金属粉末のサイズについては、高密度記録化と磁化の安定性の観点から、平均長軸長が10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性金属粉末の詳細については、例えば特開2011−216149号公報の段落0137〜0141を参照できる。
磁性層における強磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。上記充填率が高いことは、記録密度向上の観点から好ましい。
<溶媒>
本発明の一態様にかかる組成物は、以上説明した一般式(1)で表される化合物、強磁性粉末および結合剤を、溶媒中に含む。溶媒としては、一般に塗布型磁気記録媒体製造のために使用される有機溶媒を挙げることができる。具体的には、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。中でも、磁気記録媒体に通常使用される結合剤の溶解性および強磁性粉末の表面への結合剤の吸着の点からは、ケトン類を含有する有機溶媒(ケトン系有機溶媒)を用いることが好ましい。
上記有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶媒組成の内、誘電率が15以上の溶媒が50質量%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。本発明の一態様にかかる磁気記録媒体用塗料組成物における溶媒量は特に限定されるものではなく、通常の塗布型磁気記録媒体の磁性層形成用塗布液と同様にすることができる。
<その他成分>
本発明の一態様にかかる組成物には、以上説明した各種成分に加えて、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラックなど、塗布型磁気記録媒体形成に通常用いられる各種添加剤を挙げることができる。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。なお本発明の一態様にかかる組成物において、一般式(1)で表される化合物は、分散剤として機能し得るものである。
また、上記組成物は、公知の硬化剤を含むこともできる。硬化剤を含む磁性層形成用塗布液を用いて形成された磁性層は、通常、結合剤と硬化剤とが架橋した反応生成物を含む。硬化剤の使用は、磁性層の強度を高めるために好ましい。架橋反応性等の観点から、硬化剤としてはポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、磁性層形成用塗布液中に、結合剤100.0質量部に対して例えば0〜80.0質量部、磁性層の強度向上の観点からは好ましくは50.0〜80.0質量部の量で添加し使用することができる。
上記組成物は、以上説明した各種成分を同時にまたは任意の順序で順次添加し混合することにより、調製することができる。組成物の調製方法は特に限定されるものではなく、塗布型磁気記録媒体の磁性層形成用塗布液の調製に関する公知技術を、何ら制限なく適用することができる。
<磁気記録媒体の構成、製造工程>
以下、上記磁気記録媒体の構成および製造工程について、更に詳細に説明する。
(磁性層)
磁性層は、磁性層形成用塗布液を非磁性支持体の表面に直接、または非磁性支持体上に設けられた非磁性層等の他の層の表面に塗布し乾燥させ、必要に応じて加熱等の処理を施すことにより、形成することができる。磁性層に含まれる各種成分および磁性層の形成に使用可能な組成物については、先に記載した通りである。
(非磁性層)
次に非磁性層について説明する。
上記磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2011−216149号公報段落0146〜0150を参照できる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。また、非磁性層にはカーボンブラックや有機質粉末を添加することも可能である。それらについては、例えば特開2010−24113号公報段落0040〜0042を参照できる。
(非磁性支持体)
次に、非磁性支持体について説明する。非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。
(層構成)
上記磁気記録媒体における非磁性支持体および各層の厚みについては、非磁性支持体の厚みが、好ましくは3〜80μmである。磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には10nm〜150nmであり、好ましくは20nm〜120nmであり、更に好ましくは30nm〜100nmである。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであり、0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.1〜1.5μmであることが更に好ましい。なお、本発明における磁気記録媒体の非磁性層には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで実質的に非磁性な層とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および抗磁力を持たないことが好ましい。
(バックコート層)
上記磁気記録媒体は、非磁性支持体の磁性層を有する面とは反対の面にバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。バックコート層形成のための結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方を適用することができる。バックコート層の厚みは、0.9μm以下が好ましく、0.1〜0.7μmが更に好ましい。
(製造工程)
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための塗布液を製造する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、一般式(1)で表される化合物、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層形成用塗布液、非磁性形成用塗布液またはバックコート層形成用塗布液を分散させるには、ガラスビーズやその他のビーズを用いることができる。このような分散ビーズとしては、高比重の分散ビーズであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散ビーズの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。磁気記録媒体の製造方法の詳細については、例えば特開2010−24113号公報段落0051〜0057を参照できる。また、必要に応じて、特開2012−74097号公報段落0055に記載されているように、乾燥工程やカレンダー処理とは別に加熱処理を実施することもできる。
以上説明した本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、強磁性粉末の分散性向上と磁性層の耐久性向上をともに達成することができる。また、本発明の一態様にかかる磁気記録媒体用塗料組成物は、そのような磁性層形成のために好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。なお、特記しない限り、以下に記載の「部」および「%」は質量基準である。
また、下記の重量平均分子量は、GPCにより先に記載した測定条件下で測定しポリスチレン換算値として求めた。
下記合成方法により目的の化合物が得られたことは、H−NMR(nuclear magnetic resonance)、GPC、酸価測定により確認した。酸価測定は、JIS K 2501(2003)にしたがい行った。
<前駆体の合成例>
(合成例1)前駆体1の合成
500mL三口フラスコに、ε−カプロラクトン197.2g、2−エチル−1−ヘキサノール15.0gを導入し、窒素を吹き込みながら、攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したことを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体1(下記構造)を200g得た。
(合成例2)前駆体2の合成
500mL三口フラスコに、ε-カプロラクトン197.2g、メチルトリグリコール18.9gを導入し、窒素を吹き込みながら、80℃で攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したことを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体2(下記構造)を200g得た。
(合成例3)前駆体3の合成
500mL三口フラスコに、ε-カプロラクトン197.2g、ベンジルアルコール 12.5gを導入し、窒素を吹き込みながら、80℃で攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したことを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体3(下記構造)を200g得た。
(合成例4)前駆体4の合成
500mL三口フラスコに、ε−カプロラクトン197.2g、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル27.2gを導入し、窒素を吹き込みながら、攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したことを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体4(下記構造)を210g得た。
(合成例5)前駆体5の合成
500mL三口フラスコに、ε−カプロラクトン197.2g、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン18.2gを導入し、窒素を吹き込みながら、攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したことを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体5(下記構造)を200g得た。
<一般式(1)で表される化合物の合成例>
(合成例6)反応生成物1の合成
200mL三口フラスコに、前駆体1を40.0g導入し、窒素を吹き込みながら、80℃で攪拌溶解した。meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物2.2gを加え、110℃に加熱した。5時間後、H-NMRにて、原料が消失したことを確認後、室温まで冷却し、固体状の反応生成物1(以下の構造異性体の混合物)を38g得た。
(合成例7)反応生成物2の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを、ピロメリット酸二無水物2.4gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物2(以下の構造異性体の混合物)を38g得た。
(合成例8)反応生成物3の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物3.0gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物3(以下の構造異性体の混合物)を39g得た。
(合成例9)反応生成物4の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを、エチレンジアミン四酢酸二無水物2.8gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物4(以下の構造の化合物)を39g得た。
(合成例10)反応生成物5の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物3.6gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物5(以下の構造異性体の混合物)を40g得た。
(合成例11)反応生成物6の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物2.9gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物6(以下の構造異性体の混合物)を40g得た。
(合成例12)反応生成物7の合成
合成例6において前駆体1(40.0g)を、前駆体2(40.7g)に変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物7(以下の構造異性体の混合物)を38g得た。
(合成例13)反応生成物8の合成
合成例6において前駆体1(40.0g)を、前駆体3(39.5g)に変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物8(以下の構造異性体の混合物)を37g得た。
(合成例14)反応生成物9の合成
合成例6において前駆体1(40.0g)を、前駆体4(42.3g)に変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物9(以下の構造異性体の混合物)を38g得た。
(合成例15)反応生成物10の合成
合成例6において前駆体1(40.0g)を、前駆体5(40.5g)に変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物10(以下の構造異性体の混合物)を37g得た。
(合成例16)反応生成物11の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを、4,4'-オキシジフタル酸無水物3.4gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物11(以下の構造異性体の混合物)を38g得た。
(合成例17)反応生成物12の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを、4,4’−スルホニルジフタル酸無水物4.0gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の化合物12(以下の構造異性体の混合物)を39g得た。
(合成例18)反応生成物13の合成
合成例6においてブタンテトラカルボン酸無水物2.2gを、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物4.9gに変更した点以外は合成例6と同様に合成を行い、固体状の反応生成物13(以下の構造異性体の混合物)を40g得た。
合成例6〜18で得られた反応生成物の酸価の実測値および理論値を、表1に示す。酸価とは、JIS K 2501(2003)に定義されているように、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数である。合成例6〜18では、テトラカルボン酸無水物1分子から、一般式(1)中のZにカルボキシル基を2つ有する上記構造の化合物が生成する。したがって、酸価の理論値は、「KOHの分子量×各合成例で用いたテトラカルボン酸無水物量(単位:mmol)/各合成例で用いた前駆体とテトラカルボン酸無水物との合計質量(単位:g)」として算出した。
表1に示すように、酸価の実測値と理論値との間に大きな違いがなかったことから、反応生成物中のほぼ全量が、上記構造の一般式(1)で表される化合物であることが確認できる。
<磁気記録媒体用塗料組成物(磁性層形成用塗布液)の調製>
(組成物の処方)
強磁性板状六方晶フェライト粉末:100.0部
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:160kA/m(2000Oe)
平均板径:20nm
平均板状比:2.7
BET(Brunauer-Emmett-Teller)比表面積:60m2/g
σs:46A・m2/kg(46emu/g)
合成例6〜18のいずれかで得られた反応生成物(表2参照):10.0部
ポリウレタン樹脂(東洋紡績株式会社製バイロン(登録商標)UR4800、官能基:SO3Na、官能基濃度:70eq/t、重量平均分子量70,000):4.0部
塩化ビニル樹脂(カネカ社製MR104、重量平均分子量5,5000):10.0部
α−Al(平均粒子サイズ0.1μm):8.0部
カーボンブラック(平均粒子サイズ:0.08μm):0.5部
シクロヘキサノン:110.0部
(組成物の調製)
上記の各成分をオープンニ−ダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液に下記の成分を加え撹拌した後、超音波処理し、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁気記録媒体用塗料組成物を得た。
ブチルステアレート:1.5部
ステアリン酸:0.5部
ステアリン酸アミド0.2部
メチルエチルケトン:50.0部
シクロヘキサノン:50.0部
トルエン:3.0部
ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネート3041):2.5部
<分散性の評価>
上記で調製した組成物を0.5mL取り出し、メチルエチルケトン(MEK)/シクロヘキサノン=6/4(体積比)混合溶液で25倍に希釈して評価用分散液を調製した。この分散液の波長450nmにおける透過率を、(株)島津製作所製UV−3600を用いて測定し、下記評価基準により評価した。分散性が低く液中で強磁性粉末が凝集ないし沈降しているほど、液(上澄み液)の透過率は高くなるため、透過率が低いほど分散性が良好であると判断することができる。
A:透過率が0〜5.0%
B:透過率が5.1%以上
<耐久性の評価>
(耐久性評価用フィルムの作製)
・合成例6〜18のいずれかで得られた反応生成物(表2参照):10.0部
・ポリウレタン系樹脂:(東洋紡績株式会社製バイロン(登録商標)UR4800):4.0部
・塩化ビニル樹脂(カネカ社製MR104):10.0部
を混合して得た混合液を10℃以下に冷却した。冷却後の混合液に、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製コロネート3041)溶液 5.0質量部(固形分2.5部、トルエン1.25部、メチルエチルケトン(2−ブタノン)1.25部)を添加した後、固形分が22%になるようにシクロヘキサノンを添加し溶解させた。
上記の方法で調製したフィルム作製用組成物をベースフィルム(東レ社製トレリナ(登録商標)フィルム3000)に300μmのギャップを持つドクターブレードを用いて塗布し、140℃、30分の条件で真空乾燥した。得られた乾燥フィルムを室温に冷却した後、100℃2日の条件でアニールした。アニール後のフィルムを室温に冷却した後、ベースフィルムを剥がし、耐久性評価用フィルムを得た。
(耐久性の評価)
−破断エネルギーの測定−
得られた耐久性評価用フィルムを、幅6.35mm、チャック間距離50mmになるように切り出した。東洋精機社製ストログラフ(TOYOSEIKI STROGRAPH V1−C)のチャック間距離を50mmにセットし、切り出したフィルム試料を配置し、試験速度を50mm/minとしてフィルム引張試験を実施し、試験中の伸び率および応力を測定した。
フィルムが破断した際の荷重(kgf)を破断加重とし、得られた破断荷重÷フィルム断面積(μm2)×9.8の計算で得られた値を破断応力(MPa)、破断時の伸び率を破断伸びとして求めた。
破断エネルギーは、測定された伸びを横軸、応力を縦軸にとり得られた伸び−応力曲線の、破断伸びおよび破断応力の交点を終点とする領域の積分値として求められる。
破断エネルギーが高いほど、フィルム強度が高い耐久性に優れることを意味する。
<磁気テープの作製、評価>
(非磁性層形成用塗布液の調製)
非磁性粉末(αFe23 ヘマタイト):80.0部
平均粒子サイズ(平均長軸長) 0.15μm
BET法による比表面積 52m2/g
pH 6
タップ密度 0.8
DBP(dibutyl phthalate)吸油量 27〜38g/100g
表面処理剤 Al23、SiO2
カーボンブラック:20.0部
平均粒径 0.020μm
DBP吸油量 80ml/100g
pH 8.0
BET法による比表面積:250m2/g
揮発分:1.5%
ポリウレタン系樹脂:19.0部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系
−SO3Na=100eq/ton
メチルエチルケトン:150.0部
シクロヘキサノン:150.0部
上記各成分をオープンニ−ダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液に下記の成分を加え撹拌した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用塗布液を調製した。
ブチルステアレート:1.5部
ステアリン酸:1.0部
メチルエチルケトン:50.0部
シクロヘキサノン:50.0部
トルエン:3.0部
ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネート3041):5.0部
(バックコート層形成用塗布液の調製)
カーボンブラック(平均粒子サイズ40nm):85.0部
カーボンブラック(平均粒子サイズ100nm):3.0部
ニトロセルロース:28.0部
ポリウレタン樹脂:58.0部
銅フタロシアニン系分散剤:2.5部
ニッポラン2301(日本ポリウレタン工業社製):0.5部
メチルイソブチルケトン:0.3部
メチルエチルケトン:860.0部
トルエン:240.0部
上記成分をロールミルで予備混練した後サンドミルで分散し、ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製バイロン500)4.0部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネート3041)14.0部、α−Al23(住友化学社製)5.0部を添加、攪拌濾過してバックコート層形成用塗布液を調製した。
(磁気テープの作製)
ポリエチレンナフタレート支持体(厚さ5μm、磁性層形成側表面の中心線表面粗さ1nm)の両表面にコロナ放電処理を施した。
上記ポリエチレンナフタレート支持体の一方の表面に、上記の非磁性層形成用塗布液を乾燥後の厚さが1.0μmになるように塗布し、さらにその直後にその上に磁性層の厚さが100nmになるように磁性層形成用塗布液を同時重層塗布した。両層が湿潤状態にあるうちに0.5T(5000G)の磁力をもつコバルト磁石と0.4T(4000G)の磁力をもつソレノイドにより配向処理を施した後に乾燥処理を施した。
その後、上記ポリエチレンナフタレート支持体のもう一方の表面に上記のバックコート層形成用塗布液を乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗布した。次いで、金属ロールから構成される7段のカレンダーで温度100℃にて速度80m/minで処理を行い、1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットして磁気テープを作製した。
<耐傷性試験>
上記磁気テープの磁性層表面の耐傷性試験を、水平直線往復摺動方式による自動摩擦摩耗解析装置(Triboster TS501:協和界面科学社製)を用い、接触子:直径3mmΦ、球荷重:3g、速度:3mm/秒、測定回数:10往復の条件で実施した。試験後の磁性層表面を光学顕微鏡(倍率:100〜500倍)で観察し、以下の評価基準で耐傷性を評価した。
A:磁性層表面に傷は見られない
B:磁性層表面に微小な傷が見られる
C:磁性層表面に深い傷が見られ、削られた成分が磁性層表面に堆積している
以上の結果を、表2に示す。
表2に示すように、一般式(1)で表される化合物により、強磁性粉末の分散性を向上することができた。更に、一般式(1)で表される化合物を含む磁性層を有する実施例の磁気テープは、磁性層が優れた耐傷性を示した。表2に示す破断エネルギー、破断応力、破断伸びの値から、実施例では、比較例に比べて伸びやすさ(破断伸び)が大きく向上していることが確認できる。このことから、一般式(1)で表される化合物が、磁性層に適度な伸びやすさを付与することにより、磁性層の耐久性(耐傷性)向上に寄与したと考えられる。
以上の結果から、本発明によれば、強磁性粉末の分散性向上と磁性層の耐久性向上をともに達成可能であることが確認された。
<磁気テープの作製、評価>
(実施例14〜16の磁気テープの作製)
以下に記載の強磁性金属粉末含有磁性層形成用塗布液(塗料組成物)を用いた点以外、上記実施例と同様に実施例14〜16の磁気テープを作製した。
−強磁性金属粉末含有磁性層形成用塗布液(塗料組成物)の調製−
強磁性金属粉末:100.0部
組成 Fe/Co=100/25
Hc 195kA/m(2450Oe)
BET法による比表面積 65m/g
表面処理剤 Al、SiO、Y
平均粒子サイズ(平均長軸長) 45nm
平均針状比 5
σs 110A・m/kg(110emu/g)
合成例で得られた反応生成物(表3参照):10.0部
ポリウレタン系樹脂:(東洋紡績社製バイロン(登録商標)UR4800、官能基:SONa、官能基濃度:70eq/t):5.0部
塩化ビニル樹脂(カネカ社製MR104):10.0部
メチルエチルケトン:150.0部
シクロヘキサノン:150.0部
研磨剤:α−Al モース硬度9(平均粒子サイズ0.1μm):15.0部
カーボンブラック(平均粒子サイズ0.08μm):0.5部
上記の塗布液について、各成分をオープンニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液に下記の成分を加え撹拌した後、超音波処理し、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層形成用塗布液を調製した。
ブチルステアレート:1.5部
ステアリン酸:0.5部
ステアリン酸アミド0.2部
メチルエチルケトン:50.0部
シクロヘキサノン:50.0部
トルエン:3.0部
ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製コロネート3041):5.0部
実施例14〜16の磁気テープ、および前述の実施例1〜3の磁気テープについて、以下の評価を実施した。結果を表3に示す。
<テープの平均表面粗さ>
原子間力顕微鏡(AFM:DIGITAL INSTRUMENT社製のNANOSCOPE III)を用い、コンタクトモードで磁性層面について40μm×40μmの面積を測定し、中心線平均表面粗さ(Ra)を測定した。
<電磁変換特性:S/N(Signal-to-Noise)比>
IBM社製LTO−Gen4(Linear Tape-Open-Generation 4)ドライブを用いて、記録トラック幅11.5μm、再生トラック幅5.3μm、線記録密度172kfciと86kfciの信号を記録し、再生信号をスペクトラムアナライザーで周波数分析し、172kfci信号記録時のキャリア信号の出力と、86kfci信号記録時のスペクトル全帯域の積分ノイズとの比をS/N比とした。レファレンステープとして富士フイルム製LTO−Gen4テープを用いた。レファレンステープのS/N比を0.0dBとし、各テープのS/N比を相対値として求めた。S/N比が1.0dB以上であれば、上記平均粒子サイズの強磁性粉末の磁性層における分散性が優れている(その結果、優れた電磁変換特性が得られている)と判定することができる。
<走行耐久性(磁性層表面の削れ)>
磁気テープに情報を記録し、記録した情報を再生する際には、通常、磁気テープの磁性層表面と磁気ヘッドが摺動する。この摺動により磁性層表面が削れ磁気ヘッドに付着することは、走行耐久性低下の原因となる。そこで、以下の方法により、磁気テープの走行耐久性を評価した。
Al/TiC製の7mm×7mmの断面を有する角柱バーのエッジに磁性層表面を接触させるように150度の角度で磁気テープを渡し、荷重100g、秒速6mの条件で100mの長さを1パス摺動させた。摺動後の角柱バーのエッジ部を顕微鏡により観察し、上記摺動により角柱バーのエッジ部に付着した付着物(摺動により削れた磁性層表面)の付着状態を評価した。評価は官能評価とし、10段階評価した。10は付着物が少なく、1は付着物が最も多い。評価値8以上であれば、付着物(磁性層表面の削れ)が少なく走行耐久性が良好と判定することができる。
本発明は、高容量バックアップテープ等の高密度記録用磁気記録媒体の製造分野において有用である。

Claims (19)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    前記磁性層に、下記一般式(1)で表される化合物を更に含む磁気記録媒体;
    一般式(1)中、Xは−O−、−S−または−NR−を表し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、Lは二価の連結基を表し、Zはカルボキシル基およびカルボキシル塩基からなる群から選ばれる基を2以上有するn価の部分構造を表し、mは2以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。
  2. 一般式(1)中、Lはアルキレン基を表す請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 一般式(1)中、Xは−O−を表す請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 一般式(1)中、Zは、カルボン酸無水物の反応残基を表す請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 一般式(1)中、Zは、テトラカルボン酸無水物の反応残基を表す請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上20,000未満の範囲である請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 前記強磁性粉末は、平均粒子サイズが10〜50nmの範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記化合物を、強磁性粉末100.0質量部あたり0.5〜50.0質量部含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 前記結合剤は、ポリウレタン樹脂および塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  10. 下記一般式(1)で表される化合物と、
    強磁性粉末と、
    結合剤と、
    溶媒と、
    を含む磁気記録媒体用塗料組成物;
    一般式(1)中、Xは−O−、−S−または−NR−を表し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、Lは二価の連結基を表し、Zはカルボキシル基およびカルボキシル塩基からなる群から選ばれる基を2以上有するn価の部分構造を表し、mは2以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。
  11. 一般式(1)中、Lはアルキレン基を表す請求項10に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  12. 一般式(1)中、Xは−O−を表す請求項10または11に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  13. 一般式(1)中、Zは、カルボン酸無水物の反応残基を表す請求項10〜12のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  14. 一般式(1)中、Zは、テトラカルボン酸無水物の反応残基を表す請求項10〜13のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  15. 一般式(1)で表される化合物の重量平均分子量は、1,000以上20,000未満の範囲である請求項10〜14のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  16. 前記結合剤は、重量平均分子量が20,000〜120,000の範囲である請求項10〜15のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  17. 前記強磁性粉末は、平均粒子サイズが10〜50nmの範囲である請求項10〜16のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  18. 前記化合物を、強磁性粉末100.0質量部あたり0.5〜50.0質量部含む請求項10〜17のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
  19. 前記結合剤は、ポリウレタン樹脂および塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される請求項10〜18のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用塗料組成物。
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