JP6192777B1 - ゼリー食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】喫食時に簡易かつ効率良く反応性二剤を反応させることができるゼリー食品を提供する。【解決手段】第1剤を含む第1ゼリー層と、第2剤を含む第2ゼリー層と、を有し、前記第1ゼリー層及び前記第2ゼリー層は、凍結状態又は解凍状態であり、前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との混合時に、前記第1剤と前記第2剤とが反応する、ゼリー食品。【選択図】図1
Description
本発明は、ゼリー食品に関する。
消費者のニーズの多様性に伴い、喫食時に発泡感が得られるゼリー食品の開発が進められている。このようなゼリー食品として、特開2007−236299号公報(特許文献1)に記載されているように、炭酸ガスを予め含有させたものが知られている。
しかしながら、炭酸ガスを予め含有させたゼリー食品は、ゲル化剤原料液と、炭酸ガス含有液を混合し、加熱殺菌することによってゲル化剤を溶解し、炭酸入りのゼリーを作っているため、高圧殺菌設備や耐圧性密閉容器などを持たないと作ることができないなど製造可能箇所が限定されたり、工程が煩雑である。
特開平9−206001号公報(特許文献2)及び特開平11−187831号公報(特許文献3)には、喫食時に、ゼリー液と発泡剤とを混合して二酸化炭素を発生させて、良好な発泡感を有するゼリー食品が得られることが記載されている。これらのゼリー食品において、発泡剤は、例えば、反応性の二剤である炭酸塩と酸味料を含むものであり、ゼリー液の存在下で反応性の二剤が反応することにより二酸化炭素が発生するように調整されている。
しかしながら、特許文献2,3に記載されているゼリー食品においては、ゼリー液と、ゼリー液とは別に用意された発泡剤(特許文献2の図1の「発泡成分8」、特許文献3の請求項1の「発泡剤」)とが必要であり、発泡剤をゼリー液に混合させることが必要であるために煩雑であった。
さらに、特許文献2は、ゲル化する直前の増粘多糖類溶液に発泡成分を接触させ、発泡させながら、ゼリーをゲル化させていく手法である。この方法は、発泡剤添加時の増粘多糖類溶液の適する温度範囲が狭い(35〜55℃)ため調整が難しく、ゼリーは少しゲル化が始まっている状態で撹拌するため、安定した発泡感、ゼリーの食感・強度など一定の品質で製造することは難しかった。
本発明は、喫食時に簡易かつ効率良く反応性二剤を反応させることができるゼリー食品を提供することを目的とする。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕 第1剤を含む第1ゼリー層と、第2剤を含む第2ゼリー層と、を有し、
前記第1ゼリー層及び前記第2ゼリー層は、凍結状態又は解凍状態であり、
前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との混合時に、前記第1剤と前記第2剤とが反応する、ゼリー食品。
〔1〕 第1剤を含む第1ゼリー層と、第2剤を含む第2ゼリー層と、を有し、
前記第1ゼリー層及び前記第2ゼリー層は、凍結状態又は解凍状態であり、
前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との混合時に、前記第1剤と前記第2剤とが反応する、ゼリー食品。
〔2〕 前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との間に介在する中間層をさらに有する、〔1〕に記載のゼリー食品。
〔3〕 前記第1剤と前記第2剤は、一方が炭酸塩で他方が酸であり、
前記炭酸塩と前記酸は、前記反応により二酸化炭素を発生させる、〔1〕又は〔2〕に記載のゼリー食品。
前記炭酸塩と前記酸は、前記反応により二酸化炭素を発生させる、〔1〕又は〔2〕に記載のゼリー食品。
本発明によると、喫食時に簡易かつ効率良く反応性二剤を反応させることができるゼリー食品を提供することができる。
[ゼリー食品]
本発明のゼリー食品は、第1剤を含む第1ゼリー層と、第2剤を含む第2ゼリー層と、を有する。第1ゼリー層及び前記第2ゼリー層は、凍結状態又は解凍状態である。ゼリー食品において、第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との混合時に、前記第1剤と前記第2剤とが反応する。
本発明のゼリー食品は、第1剤を含む第1ゼリー層と、第2剤を含む第2ゼリー層と、を有する。第1ゼリー層及び前記第2ゼリー層は、凍結状態又は解凍状態である。ゼリー食品において、第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との混合時に、前記第1剤と前記第2剤とが反応する。
凍結状態とは、ゲル化されているゼリー層が冷凍されて、凍結されている状態にあることを意味する。凍結されると、ゲル組織の構造が変化し、ゲル組織の水の保持状態が変化する。解凍状態とは、ゲル化されているゼリー層が冷凍されて凍結された後に解凍され、解凍されている状態にあることを意味する。解凍状態であっても、一度凍結されているので、かかる凍結によりゲル組織の構造が変化し、ゲル組織の水の保持状態が変化する。本発明者らは、ゼリー層のゲル組織がこのように変化していることにより、第1ゼリー層と第2ゼリー層を混合したときに、第1剤と第2剤とを効率良く反応させることができるとの知見に至り、本発明を完成させたものである。第1ゼリー層と第2ゼリー層は、破砕しながら混合することにより、第1剤と第2剤とをより効率良く反応させることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態のゼリー食品を模式的に示す図面である。図1に示すゼリー食品10は、容器4内において、下方から順に、第1ゼリー層1と、第2ゼリー層2とが積層されて形成されており、容器4の開口部は、蓋材5で封止されている。なお、蓋材5は必須ではない。
ゼリー食品10は、第1ゼリー層1及び第2ゼリー層2が凍結状態であっても解凍状態であってもよいが、保存・運搬時には凍結状態であることが好ましい。凍結状態の方が耐衝撃性及び耐腐敗性に優れるためである。また、ゼリー食品10は、喫食時には解凍状態であることが好ましい。解凍状態の方が、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2の混合時に、第1剤と第2剤の反応性をさらに向上させることができるためである。
ゼリー食品10は、スプーン等でかき混ぜられて喫食される。このとき、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2が混合されることにより、好ましくは破砕されながら混合されることにより、第1剤と第2剤とが反応する。第1剤と第2剤との反応は、第1ゼリー層1又は第2ゼリー層2に保持されていた水分が介在することにより効率よく進行させることができる。また、第1ゼリー層1又は第2ゼリー層2が破砕されると、ゼリー層に保持されていた水分が放出されやすくなるため、第1剤と第2剤の反応をより効率よく反応させることができる。喫食時にはゼリー食品10が解凍状態である方が好ましい。解凍状態の方が、凍結状態と比較して、ゲル組織による水分の保持力が低下しやすいため、第1剤と第2剤の反応をより効率良く進行させることができる。また、解凍状態の方が、凍結状態と比較して、ゼリー食品の温度が高いために、通常、第1剤と第2剤との反応性が高く、第1剤と第2剤の反応をより効率良く進行させることができる。本発明においては、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2を混合するという簡易な方法で、第1剤と第2剤の反応を進行させることができる。
ゼリー食品10において、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2は、図1に示すように上下に積層されているものに限定されることはなく、横方向に積層されているものであってもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態のゼリー食品を模式的に示す図面である。図2に示すゼリー食品20は、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2の間に介在する中間層3を有する点のみ図1に示すゼリー食品10と異なる。ゼリー食品20は、中間層3を有することにより、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2が直接接触しない構成となっているので、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2の破砕前における、第1剤と第2剤との反応を抑制することができる。したがって、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2とを破砕した際に、第1剤と第2剤とをより効率良く反応させることができる。
(第1剤と第2剤)
第1剤と第2剤は、水の存在下で混合したときに反応するものである。かかる反応は、味覚的、視覚的、又は聴覚的に知覚し得るものであることが好ましい。第1剤と第2剤は、第1例として、炭酸塩と酸との組み合わせを挙げることができる。この場合、第1剤と第2剤の反応により二酸化炭素が発生する。したがって、発泡性のゼリー食品を提供することができる。発泡性のゼリー食品によると、喫食時に発泡感を味わうことができ、また、視覚的及び聴覚的に発泡を知覚することができる。本発明によると、喫食時に簡易かつ効率良く二酸化炭素を発生させることができ、また流通しても安定な発泡性のゼリー食品を提供することができる。
第1剤と第2剤は、水の存在下で混合したときに反応するものである。かかる反応は、味覚的、視覚的、又は聴覚的に知覚し得るものであることが好ましい。第1剤と第2剤は、第1例として、炭酸塩と酸との組み合わせを挙げることができる。この場合、第1剤と第2剤の反応により二酸化炭素が発生する。したがって、発泡性のゼリー食品を提供することができる。発泡性のゼリー食品によると、喫食時に発泡感を味わうことができ、また、視覚的及び聴覚的に発泡を知覚することができる。本発明によると、喫食時に簡易かつ効率良く二酸化炭素を発生させることができ、また流通しても安定な発泡性のゼリー食品を提供することができる。
炭酸塩としては特に制限はされないが、食品に添加して使用できるものは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等が例示され、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよい。酸としても特に制限はされないが、食品として使用できるものであり、上記炭酸塩との接触によって発泡が生じるものであれば良く、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマール酸、リン酸や果汁や食酢などの食品等が例示され、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよい。
炭酸塩と酸とは、一方が第1ゼリー層1に含まれる第1剤であり、他方が第2ゼリー層2に含まれる第2剤である限り、第1剤と第2剤はどちらであってもよい。第1ゼリー層1又は第2ゼリー層2における炭酸塩又は酸の含有率は、目的とする発泡感や使用する炭酸塩や酸の種類により異なり、ゼリーの充填比率によっても異なるので特に規定するものではないが、炭酸塩の含有率は、強アルカリだとゼリーの安定性、風味ともに良くないので、例えば、0.2〜5.0質量%であることが好ましく、強い発泡感を求める場合には0.8〜5.0質量%であることが好ましい。(第1ゼリー層中1又は第2ゼリー層2中における)酸の含有率は、強酸だとゼリーの安定性、風味ともに良くないので、例えば、0.2〜5.0質量%であることが好ましく、強い発泡感を求める場合には0.8〜5.0質量%であることが好ましい。
第1剤と第2剤は、第2例として、pHに応じて色が変化する色素とpH調整剤との組み合わせを挙げることができる。この場合、第1剤と第2剤の混合により、色素の周囲のpHが変化し、色素の色が変化する。したがって、色変化性のゼリー食品を提供することができる。色変化性のゼリー食品によると、喫食時に色の変化を楽しむことができる。本発明によると、喫食時に簡易かつ効率良く色が変化する色変化性のゼリー食品を提供することができる。
pHに応じて色が変化する色素としては、アントシアニン系、アントラキノン系、カロチノイド系等の色素を例示することができる。これらの色素は、pHの領域により発色する色が異なるので、目的とする色にあわせて適宜使用することが好ましい。アントシアニン系の色素は、一般的にはpHが5.5〜7付近において紫色〜青色、pHが3〜5付近の酸性域において赤色を呈する。アントラキノン系の色素は、pHが6〜7の中性付近において赤色〜紫色、pHが4〜5付近の酸性域においてオレンジ色を呈する。カロチノイド系の色素は、pHが6〜7の中性付近において赤褐色を呈し、pHが4〜5付近の酸性域において黄色を呈する。pH調整剤としては、目的とするpHにあわせて適宜使用することが好ましく、目的とするpHが酸性域である場合には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマール酸、リン酸等が例示され、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよい。
第1剤と第2剤の組み合わせとして、上記した第1例と第2例以外にも、カルシウムとカルシウムの存在により食感を変化させる成分との組み合わせ等、反応性のある2剤であれば応用ができる。また、第1剤と第2剤としては、水の存在下で混合されたときに、2つ以上の反応を生じさせるものを選択してもよい。例えば、二酸化炭素を発生させる反応と、色素の色を変化させる反応の2つの反応が生じるように第1剤と第2剤を選択してもよい。この場合、第1剤が炭酸塩と色素を含むものであり、第2剤が酸とpH調整剤を含むものとすることができる。第2剤に含まれる酸は、pH調整剤を兼ねるものであってもよい。このようなゼリー食品によると、喫食時に発泡感と色変化を知覚することができる。本発明によると、喫食時に簡易かつ効率良く第1剤と第2剤が反応するゼリー食品を提供することができる。
(第1ゼリー層と第2ゼリー層)
第1ゼリー層1と第2ゼリー層2は、ゲル化剤により水溶液をゲル化させた後に、凍結させて得られる。凍結後は、凍結状態が維持されているものであっても、解凍されて解凍状態にあるものであってもよい。ゲル化剤としては、ゼリー食品の製造に通常用いられているゲル化剤であればいずれを使用してもよく特に限定されないが、例えば、サイリウムシードガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、ジェランガム、グァーガム、タラガム、タマリンドシードガム、寒天、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、プルラン、CMC−Na、κカラギーナン、λカラギーナン、ιカラギーナン、アラビアガム、カードラン、ラムザンガム、マクロホモプシスガム、ガディガム、蒟蒻、グルコマンナン、澱粉、加工・化工澱粉、水溶性ヘミロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース等が挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよい。
第1ゼリー層1と第2ゼリー層2は、ゲル化剤により水溶液をゲル化させた後に、凍結させて得られる。凍結後は、凍結状態が維持されているものであっても、解凍されて解凍状態にあるものであってもよい。ゲル化剤としては、ゼリー食品の製造に通常用いられているゲル化剤であればいずれを使用してもよく特に限定されないが、例えば、サイリウムシードガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、ジェランガム、グァーガム、タラガム、タマリンドシードガム、寒天、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、プルラン、CMC−Na、κカラギーナン、λカラギーナン、ιカラギーナン、アラビアガム、カードラン、ラムザンガム、マクロホモプシスガム、ガディガム、蒟蒻、グルコマンナン、澱粉、加工・化工澱粉、水溶性ヘミロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース等が挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよい。
第1ゼリー層1と第2ゼリー層2は、凍結状態又は解凍状態であり、破砕により保持されていた水分が流動しやすい層であることが好ましく、解凍後に流通させる場合は、破砕しない状態では離水が生じにくい層であることが好ましい。このような性質のゼリー層を得られやすいことから、ゲル化剤としては、特に、ローカストビーンガム、ゼラチン、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、カラギーナンが好適に用いられる。
第1ゼリー層1と第2ゼリー層2におけるゲル化剤の含有率は、ゲル化剤の種類と、ゼリー食品に求められる食感により異なるが、例えば、第1ゼリー層1及び第2ゼリー層2中において0.1〜3質量%とすることができる。
第1ゼリー層1と第2ゼリー層2は、本発明の効果を損なわないことを限度として、他の成分、例えば、果汁、甘味料、乳成分、着色料、着香料及び風味調整剤などを含むことができ、これによって、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2に、所望の色、香り、味を付与することができる。また、必要に応じて、他の成分、例えば、乳化剤、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等のカルシウム類、鉄、マグネシウム、リン、カリウム等のミネラル類などを添加してもよい。
第1ゼリー層1は第1剤を含み、第2ゼリー層2は第2剤を含む点で、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2は異なるが、この点以外は、両者は同じであっても異なっていてもよい。着色剤により調整して、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2を異なる色の層とすることにより、視覚的に変化に富んだゼリー食品を構成することができるので好ましい。また、果汁などにより調整して、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2を異なる味の層とすることにより、味覚的に変化に富んだゼリー食品を構成することができるので好ましい。
(中間層)
中間層3は、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2の間に介在して、破砕前に第1ゼリー層1と第2ゼリー層2が直接接触することを防ぐものである。中間層3があることにより、破砕前に第1ゼリー層1に含まれる第1剤と、第2ゼリー層2に含まれる第2剤とが接触して徐々に反応が進行することを抑制することができる。
中間層3は、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2の間に介在して、破砕前に第1ゼリー層1と第2ゼリー層2が直接接触することを防ぐものである。中間層3があることにより、破砕前に第1ゼリー層1に含まれる第1剤と、第2ゼリー層2に含まれる第2剤とが接触して徐々に反応が進行することを抑制することができる。
中間層3は特に限定されないが、第1剤と第2剤の反応を効果的に抑制できる観点から、水を透しにくい層、または水を透さない層であることが好ましい。中間層3は、例えば、ゼリー、チョコレート、ビスケット、クッキー、油脂等の可食性材料を用いて構成した層とすることができる。中間層3は、破砕が容易なものであれば喫食しやすくなるので好ましい。なお、中間層3は、破砕して喫食されるものに限定されることはなく、喫食時に除去、又は容器内で移動されるものであってもよい。
図1,2には、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2が一層ずつ構成されているゼリー食品を示したが、本発明はこれらに限定されることはなく、第1ゼリー層1と第2ゼリー層2が2回以上繰り返し設けられている積層構成であってもよく、また、第1ゼリー層1、第2ゼリー層2、及び中間層3以外の層を有する構成であってもよい。
[ゼリー食品の製造方法]
図3は、第1の実施形態のゼリー食品10の製造方法の一例を示すフローチャートである。ゼリー食品10は、容器4内に第1ゼリー液を充填し、これをゲル化させて第1ゼリー層を形成する第1ゼリー層形成工程(S10)と、第1ゼリー層の上に第2ゼリー液を充填し、これをゲル化させて第2ゼリー層を形成する第2ゼリー層形成工程(S20)と、第1ゼリー層と第2ゼリー層からなる積層体を冷凍する冷凍工程(S30)と、を経て作製される。冷凍工程(S30)により、第1ゼリー層と第2ゼリー層を凍結させてゲル組織を変化させる。冷凍工程(S30)の前に、容器4の開口部を蓋材5で封止する工程を有してもよい。
図3は、第1の実施形態のゼリー食品10の製造方法の一例を示すフローチャートである。ゼリー食品10は、容器4内に第1ゼリー液を充填し、これをゲル化させて第1ゼリー層を形成する第1ゼリー層形成工程(S10)と、第1ゼリー層の上に第2ゼリー液を充填し、これをゲル化させて第2ゼリー層を形成する第2ゼリー層形成工程(S20)と、第1ゼリー層と第2ゼリー層からなる積層体を冷凍する冷凍工程(S30)と、を経て作製される。冷凍工程(S30)により、第1ゼリー層と第2ゼリー層を凍結させてゲル組織を変化させる。冷凍工程(S30)の前に、容器4の開口部を蓋材5で封止する工程を有してもよい。
(第1ゼリー層形成工程S10)
第1ゼリー液は、水にゲル化剤を加え、加熱し撹拌することによりゲル化剤を溶解させて調製される。加熱温度は、ゲル化剤が溶解する温度であれば特に制限されることはなく、ゲル化剤の種類により適宜選択される。加熱温度としては、例えば、70℃以上とすることができる。第1剤及び他の成分を水に添加するタイミングは、加熱前であっても、加熱後であってもよく、各成分の特性に応じて添加のタイミングを調整する。例えば、加熱をしないと溶解しない又は溶解しにくい成分は加熱前に添加することが好ましく、加熱により変色、変性する成分は加熱後、適宜溶液温度を下げるなどして添加することが好ましい。
第1ゼリー液は、水にゲル化剤を加え、加熱し撹拌することによりゲル化剤を溶解させて調製される。加熱温度は、ゲル化剤が溶解する温度であれば特に制限されることはなく、ゲル化剤の種類により適宜選択される。加熱温度としては、例えば、70℃以上とすることができる。第1剤及び他の成分を水に添加するタイミングは、加熱前であっても、加熱後であってもよく、各成分の特性に応じて添加のタイミングを調整する。例えば、加熱をしないと溶解しない又は溶解しにくい成分は加熱前に添加することが好ましく、加熱により変色、変性する成分は加熱後、適宜溶液温度を下げるなどして添加することが好ましい。
次に、第1ゼリー液を容器4内に充填する。このときの第1ゼリー液の温度は、ゲル化の開始温度より高い温度であれば特に制限されることはなく、ゲル化剤の種類により適宜選択される。その後、容器4内で第1ゼリー液をゲル化させる。ゲル化の条件は、第1ゼリー液がゲル化される条件であれば特に制限されることはなく、例えば、30分〜2時間冷蔵する(冷蔵庫に載置する)ことによりゲル化させる。冷蔵とは、通常、温度2℃〜10℃での保存をいう。
(第2ゼリー層形成工程S20)
第2剤を含む第2ゼリー液を容器内の第1ゼリー層の上に充填する。第2ゼリー液の調製は、第1剤に代えて第2剤を含む点以外、第1ゼリー液と同様の方法により調製することができる。容器内に充填するときの第2ゼリー液の温度は、第2ゼリー液のゲル化の開始温度より高い温度であり、かつ第1ゼリー層を溶解させない温度であれば特に制限されることはなく、ゲル化剤の種類により適宜選択される。その後、容器4内で第2ゼリー液をゲル化させる。ゲル化の条件は、第2ゼリー液がゲル化される条件であれば特に制限されることはなく、例えば、30分〜2時間冷蔵する(冷蔵庫に載置する)ことによりゲル化させる。なお、第2ゼリー液がゲル化する前に、次の冷凍工程S30に進み、冷凍工程S30で第2ゼリー液のゲル化を進行させてもよい。
第2剤を含む第2ゼリー液を容器内の第1ゼリー層の上に充填する。第2ゼリー液の調製は、第1剤に代えて第2剤を含む点以外、第1ゼリー液と同様の方法により調製することができる。容器内に充填するときの第2ゼリー液の温度は、第2ゼリー液のゲル化の開始温度より高い温度であり、かつ第1ゼリー層を溶解させない温度であれば特に制限されることはなく、ゲル化剤の種類により適宜選択される。その後、容器4内で第2ゼリー液をゲル化させる。ゲル化の条件は、第2ゼリー液がゲル化される条件であれば特に制限されることはなく、例えば、30分〜2時間冷蔵する(冷蔵庫に載置する)ことによりゲル化させる。なお、第2ゼリー液がゲル化する前に、次の冷凍工程S30に進み、冷凍工程S30で第2ゼリー液のゲル化を進行させてもよい。
(冷凍工程S30)
第1ゼリー層と第2ゼリー層からなるゼリー食品を容器4ごと冷凍し、第1ゼリー層と第2ゼリー層を凍結させる。冷凍条件は、第1ゼリー層と第2ゼリー層が凍結される条件であれば特に制限されることはなく、例えば、温度−40℃〜−15℃の冷凍庫に、30分〜5時間載置する。このようにして、ゼリー食品10を製造することができる。
第1ゼリー層と第2ゼリー層からなるゼリー食品を容器4ごと冷凍し、第1ゼリー層と第2ゼリー層を凍結させる。冷凍条件は、第1ゼリー層と第2ゼリー層が凍結される条件であれば特に制限されることはなく、例えば、温度−40℃〜−15℃の冷凍庫に、30分〜5時間載置する。このようにして、ゼリー食品10を製造することができる。
(保存工程)
冷凍工程(S30)の後、凍結状態でゼリー食品10を保存又は運搬することができる。この場合、冷凍庫内に載置した状態でゼリー食品を保存又は運搬する。また、冷凍工程(S30)の後、解凍し、解凍状態でゼリー食品10を保存又は運搬してもよい。この場合、冷蔵庫内に載置した状態でゼリー食品を保存又は運搬する。
冷凍工程(S30)の後、凍結状態でゼリー食品10を保存又は運搬することができる。この場合、冷凍庫内に載置した状態でゼリー食品を保存又は運搬する。また、冷凍工程(S30)の後、解凍し、解凍状態でゼリー食品10を保存又は運搬してもよい。この場合、冷蔵庫内に載置した状態でゼリー食品を保存又は運搬する。
図4は、第2の実施形態のゼリー食品20の製造方法の一例を示すフローチャートである。図2に示すゼリー食品20の製造方法は、第1ゼリー層形成工程(S10)の後であって第2ゼリー層形成工程(S20)の前に中間層形成工程(S15)を有する点が、図1に示すゼリー食品10の製造方法とは異なる。
(中間層形成工程S15)
中間層形成工程(S15)は、第1ゼリー層の上に中間層を形成する工程である。中間層がゼリー層である場合には、第1ゼリー層形成工程(S10)及び第2ゼリー層形成工程(S20)と同様に、ゲル化剤を含む中間層用のゼリー液を調製して、これを第1ゼリー層の上に充填し、その後ゲル化させることにより形成する。また、予め調整されている材料を用いて中間層を形成する場合には、第1ゼリー層の上にかかる材料を載置して中間層を形成する。
中間層形成工程(S15)は、第1ゼリー層の上に中間層を形成する工程である。中間層がゼリー層である場合には、第1ゼリー層形成工程(S10)及び第2ゼリー層形成工程(S20)と同様に、ゲル化剤を含む中間層用のゼリー液を調製して、これを第1ゼリー層の上に充填し、その後ゲル化させることにより形成する。また、予め調整されている材料を用いて中間層を形成する場合には、第1ゼリー層の上にかかる材料を載置して中間層を形成する。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
<発泡性のゼリー食品>
実施例1,2、及び比較例1として、以下のように発泡性のゼリー食品を製造し、後述の評価を行った。
<発泡性のゼリー食品>
実施例1,2、及び比較例1として、以下のように発泡性のゼリー食品を製造し、後述の評価を行った。
[実施例1]
(第1ゼリー層形成工程)
表1に示す各成分を、表1に示す割合で次のように混合した。砂糖、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液を、温度38℃まで冷却した後に、香料、着色料、炭酸水素ナトリウム(第1剤)を加えて混合溶解して第1ゼリー液を調製した。第1ゼリー液のpHは8.5であった。このように調製した第1ゼリー液60gを容器(直径6.5cm、高さ10.5cmの缶蓋円柱型硝子瓶)に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して第1ゼリー層を形成した。
(第1ゼリー層形成工程)
表1に示す各成分を、表1に示す割合で次のように混合した。砂糖、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液を、温度38℃まで冷却した後に、香料、着色料、炭酸水素ナトリウム(第1剤)を加えて混合溶解して第1ゼリー液を調製した。第1ゼリー液のpHは8.5であった。このように調製した第1ゼリー液60gを容器(直径6.5cm、高さ10.5cmの缶蓋円柱型硝子瓶)に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して第1ゼリー層を形成した。
(中間層形成工程)
表2に示す各成分を、表2に示す割合で次のように混合した。砂糖、ゼラチン、加工澱粉、グァーガム、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料、着色料を加えて混合溶解し、温度45℃まで冷却して中間層用のゼリー液を調製した。中間層用のゼリー液のpHは5.7であった。このように調製したゼリー液20gを、容器内の第1ゼリー層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して中間層を形成した。
表2に示す各成分を、表2に示す割合で次のように混合した。砂糖、ゼラチン、加工澱粉、グァーガム、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料、着色料を加えて混合溶解し、温度45℃まで冷却して中間層用のゼリー液を調製した。中間層用のゼリー液のpHは5.7であった。このように調製したゼリー液20gを、容器内の第1ゼリー層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して中間層を形成した。
(第2ゼリー層形成工程)
表3に示す各成分を、表3に示す割合で次のように混合した。砂糖、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、クエン酸ナトリウム、発酵乳酸カルシウムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料、着色料、果汁、クエン酸(第2剤)を添加し、温度45℃まで冷却して第2ゼリー液を調製した。第2ゼリー液のpHは3.8であった。このように調製した第2ゼリー液120gを、容器内の中間層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して中間層を形成した。
表3に示す各成分を、表3に示す割合で次のように混合した。砂糖、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、クエン酸ナトリウム、発酵乳酸カルシウムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料、着色料、果汁、クエン酸(第2剤)を添加し、温度45℃まで冷却して第2ゼリー液を調製した。第2ゼリー液のpHは3.8であった。このように調製した第2ゼリー液120gを、容器内の中間層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して中間層を形成した。
(冷凍工程)
第2ゼリー層形成後に、容器ごと冷凍庫(庫内温度−20℃)に移して16時間冷凍して、実施例1のゼリー食品を製造した。
第2ゼリー層形成後に、容器ごと冷凍庫(庫内温度−20℃)に移して16時間冷凍して、実施例1のゼリー食品を製造した。
(保存工程)
冷凍工程の後、凍結状態のまま、冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例1のゼリー食品を保存した。
冷凍工程の後、凍結状態のまま、冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例1のゼリー食品を保存した。
[実施例2]
中間層形成工程を行わなかった点以外は、実施例1と同様にして、実施例2のゼリー食品を製造した。そして、実施例1と同様にして、冷凍工程の後、凍結状態のまま冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例2のゼリー食品を保存した。
中間層形成工程を行わなかった点以外は、実施例1と同様にして、実施例2のゼリー食品を製造した。そして、実施例1と同様にして、冷凍工程の後、凍結状態のまま冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例2のゼリー食品を保存した。
[実施例3]
第1ゼリー液において、第1剤として、炭酸水素ナトリウム4質量部に代えて、炭酸ナトリウム4質量部を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例3のゼリー食品を製造した。第1ゼリー液のpHは12であった。そして、実施例1と同様にして、冷凍工程の後、凍結状態のまま冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例3のゼリー食品を保存した。
第1ゼリー液において、第1剤として、炭酸水素ナトリウム4質量部に代えて、炭酸ナトリウム4質量部を用いた点以外は、実施例1と同様にして、実施例3のゼリー食品を製造した。第1ゼリー液のpHは12であった。そして、実施例1と同様にして、冷凍工程の後、凍結状態のまま冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例3のゼリー食品を保存した。
[比較例1]
中間層形成工程及び冷凍工程を行わなかった点以外は、実施例1と同様に、比較例1のゼリー食品を製造した。第2ゼリー層形成工程の後、そのまま冷蔵庫(庫内温度4℃)で比較例1のゼリー食品を保存した。
中間層形成工程及び冷凍工程を行わなかった点以外は、実施例1と同様に、比較例1のゼリー食品を製造した。第2ゼリー層形成工程の後、そのまま冷蔵庫(庫内温度4℃)で比較例1のゼリー食品を保存した。
[評価]
実施例1,2及び比較例1のゼリー食品を以下の試験に供した。実施例1,2のゼリー食品は、保存されている冷凍庫から冷蔵庫(庫内温度4℃)に移して24時間載置し完全に解凍させた後に、以下の試験に供した。比較例1のゼリー食品は、保存されている冷蔵庫から取り出し、以下の試験に供した。
実施例1,2及び比較例1のゼリー食品を以下の試験に供した。実施例1,2のゼリー食品は、保存されている冷凍庫から冷蔵庫(庫内温度4℃)に移して24時間載置し完全に解凍させた後に、以下の試験に供した。比較例1のゼリー食品は、保存されている冷蔵庫から取り出し、以下の試験に供した。
(体積増加率の評価)
実施例1,2及び比較例1のゼリー食品を、薬さじ(全長210mm)で9秒間撹拌した後にメスシリンダーに移し、この時点(撹拌開始10秒後)の体積を測定し、その後静置して10秒経過毎に体積を測定した。そして、撹拌開始10秒後の体積を基準として、測定した体積の値から体積増加率を算出した。結果を表4に示す。図5は、表4に示す結果をプロットした図である。
実施例1,2及び比較例1のゼリー食品を、薬さじ(全長210mm)で9秒間撹拌した後にメスシリンダーに移し、この時点(撹拌開始10秒後)の体積を測定し、その後静置して10秒経過毎に体積を測定した。そして、撹拌開始10秒後の体積を基準として、測定した体積の値から体積増加率を算出した。結果を表4に示す。図5は、表4に示す結果をプロットした図である。
図6は実施例1のゼリー食品の撹拌開始50秒後の状態を示す写真であり、図7は比較例1のゼリー食品の撹拌開始50秒後の状態を示す写真である。図6、図7から、撹拌後のゼリー食品の体積増加は、発泡によるものであることを確認することができ、また実施例1の方が、比較例1よりも撹拌開始50秒後の発泡量が多いことを確認することができる。
表4及び図5から、実施例1,2のゼリー食品は、撹拌開始20秒後から体積増加率が20%を超える発泡があり、その後撹拌開始50秒後まで発泡量が増加し続けたことがわかる。一方、比較例1のゼリー食品は、撹拌開始30秒後にわずかな発泡が確認されたものの、撹拌開始50秒を経過しても体積増加率は20%に満たない発泡量であったことがわかる。
(発泡感の評価)
実施例1,2,3及び比較例1のゼリー食品について、5名のパネラーによって試食にて発泡感を口当たりで、以下の基準で4段階評価し、5名の評価の内最も多かった評価を評価結果とした。発泡感の評価は、薬さじ(全長210mm)で9秒間撹拌した後に静置して、この時点(撹拌開始10秒後)の発泡感を評価し、その後10秒経過毎に発泡感を評価した。評価の基準は、
A:発泡感をとても強く感じる、
B:発泡感を感じる、
C:発泡感を少し感じる、
D:発泡感をほとんど感じない、
とした。評価結果を表5に示す。
実施例1,2,3及び比較例1のゼリー食品について、5名のパネラーによって試食にて発泡感を口当たりで、以下の基準で4段階評価し、5名の評価の内最も多かった評価を評価結果とした。発泡感の評価は、薬さじ(全長210mm)で9秒間撹拌した後に静置して、この時点(撹拌開始10秒後)の発泡感を評価し、その後10秒経過毎に発泡感を評価した。評価の基準は、
A:発泡感をとても強く感じる、
B:発泡感を感じる、
C:発泡感を少し感じる、
D:発泡感をほとんど感じない、
とした。評価結果を表5に示す。
表5に示す結果から、実施例1,2,3のゼリー食品は、撹拌開始10秒後から発泡感があり、その後撹拌開始50秒後まで発泡感が続いたことがわかる。一方、比較例1のゼリー食品は、撹拌開始40秒後までは発泡感が少なく、50秒後に、ようやく実施例1,2の10秒後と同程度の発泡感が感じられたことがわかる。
<色変化性のゼリー食品>
実施例4として、以下のように色変化性のゼリー食品を製造した。
実施例4として、以下のように色変化性のゼリー食品を製造した。
[実施例4]
(第1ゼリー層形成工程)
表6に示す各成分を、表6に示す割合で次のように混合した。砂糖、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、アントシアニン色素、香料を加えて混合溶解して第1ゼリー液を調製した。第1ゼリー液のpHは5.7であった。このように調製した第1ゼリー液60gを容器に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して第1ゼリー層を形成した。
(第1ゼリー層形成工程)
表6に示す各成分を、表6に示す割合で次のように混合した。砂糖、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、アントシアニン色素、香料を加えて混合溶解して第1ゼリー液を調製した。第1ゼリー液のpHは5.7であった。このように調製した第1ゼリー液60gを容器に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して第1ゼリー層を形成した。
(中間層形成工程)
表7に示す各成分を、表7に示す割合で次のように混合した。砂糖、ゼラチン、加工澱粉、グァーガム、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料を加えて混合溶解し、温度45℃まで冷却して中間層用のゼリー液を調製した。中間層用のゼリー液のpHは5.7であった。このように調製したゼリー液20gを、容器内の第1ゼリー層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して中間層を形成した。
表7に示す各成分を、表7に示す割合で次のように混合した。砂糖、ゼラチン、加工澱粉、グァーガム、寒天、ローカストビーンガムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料を加えて混合溶解し、温度45℃まで冷却して中間層用のゼリー液を調製した。中間層用のゼリー液のpHは5.7であった。このように調製したゼリー液20gを、容器内の第1ゼリー層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して中間層を形成した。
(第2ゼリー層形成工程)
表8に示す各成分を、表8に示す割合で次のように混合した。砂糖、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、クエン酸ナトリウムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料、クエン酸を添加し、温度45℃まで冷却して第2ゼリー液を調製した。第2ゼリー液のpHは3.5であった。このように調製した第2ゼリー液120gを、容器内の中間層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して第2ゼリー層を形成した。
表8に示す各成分を、表8に示す割合で次のように混合した。砂糖、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、クエン酸ナトリウムを粉体混合し、水を加え、温度80℃に加熱して10分間撹拌して水溶液を得た。かかる水溶液に、香料、クエン酸を添加し、温度45℃まで冷却して第2ゼリー液を調製した。第2ゼリー液のpHは3.5であった。このように調製した第2ゼリー液120gを、容器内の中間層の上に充填し、冷蔵庫(庫内温度4℃)で1時間冷却して第2ゼリー層を形成した。
(冷凍工程)
第2ゼリー層形成後に、容器ごと冷凍庫(庫内温度−20℃)に移して16時間冷凍して、実施例4のゼリー食品を製造した。
第2ゼリー層形成後に、容器ごと冷凍庫(庫内温度−20℃)に移して16時間冷凍して、実施例4のゼリー食品を製造した。
(保存工程)
冷凍工程の後、そのまま、冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例4のゼリー食品を保存した。
冷凍工程の後、そのまま、冷凍庫(庫内温度−20℃)で実施例4のゼリー食品を保存した。
[評価]
実施例4のゼリー食品を、保存されている冷凍庫から冷蔵庫(庫内温度4℃)に移して24時間載置し完全に解凍させた後に、薬さじ(全長210mm)で9秒間撹拌したところ、青色だった第1ゼリー層が、第2ゼリー層と混ざり合い、速やかに赤色に変化した。
実施例4のゼリー食品を、保存されている冷凍庫から冷蔵庫(庫内温度4℃)に移して24時間載置し完全に解凍させた後に、薬さじ(全長210mm)で9秒間撹拌したところ、青色だった第1ゼリー層が、第2ゼリー層と混ざり合い、速やかに赤色に変化した。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1ゼリー層、2 第2ゼリー層、3 中間層、4 容器、5 蓋材、10,20 ゼリー食品。
Claims (4)
- 第1剤を含む第1ゼリー層と、第2剤を含む第2ゼリー層と、前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との間に介在する中間層とを有し、
前記第1ゼリー層及び前記第2ゼリー層は、凍結状態又は解凍状態であり、ローカストビーンガム、ゼラチン、寒天、キサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、カラギーナンからなる群から選択される少なくとも1種のゲル化剤を含み、
前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との混合時に、前記第1剤と前記第2剤とが反応する、ゼリー食品。 - 第1剤を含む第1ゼリー層と、第2剤を含む第2ゼリー層と、前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との間に介在する中間層とを有し、
前記第1ゼリー層及び前記第2ゼリー層は、凍結状態又は解凍状態であり、
前記第1ゼリー層と前記第2ゼリー層との混合時に、前記第1剤と前記第2剤とが反応する、ゼリー食品。 - 前記中間層はゼリー層である、請求項1又は請求項2に記載のゼリー食品。
- 前記第1剤と前記第2剤は、一方が炭酸塩で他方が酸であり、
前記炭酸塩と前記酸は、前記反応により二酸化炭素を発生させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼリー食品。
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