JP6190639B2 - 化粧板 - Google Patents
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Description
このような建材としては、例えば、大理石、御影石を用いた光沢性を有する材料や、光輝性顔料等を用いた輝度感、彩度を有する材料等が挙げられる。
例えば、特許文献1では、金属板とガラス透明層間に、顔料を含む樹脂層を形成して一体化した化粧板が記載されており、透明層と樹脂層との相乗効果により従来に無い色彩、質感がある意匠を醸し出している。
1.透明層と意匠層とが積層された化粧板であって、
該透明層(鱗片状光輝性粒子を含むものを除く)は、湾曲したものであり、
該意匠層は、結合材と着色材とを含み、
該着色材は、大きさ0.3mm以上10mm以下、厚み1μm以上50μm以下の鱗片状の着色材を含むことを特徴とする化粧板。
2.前記透明層は、3mm以上1000mm以下の曲率半径を有する湾曲した透明層であることを特徴とする1.に記載の化粧板。
また、本発明では、非晶質の透明層を用いることが好ましく、非晶質の透明層は、後述する各種用途に用いる基材の動きに対し追従しやすく割れを防止することができる。さらに、火災等により、急激に温度が上昇した場合でも爆裂を防ぐことが可能である。特に非晶質の透明層として、融点が1000℃以下である透明層を用いることが好ましい。
曲率半径が3mmより小さいと、鱗片状の着色材を有していても、みる角度によっては透明層が目立つ部分があり、意匠性に劣る場合がある。また、曲率半径が1000mmより大きい場合は、特に問題ないが、本発明の技術を使用する必要もない。
湾曲している箇所の任意の点A、Bを設定し、点A、Bの中点をM、またMから垂線を引き、湾曲面との交点をCとし、直線ABの長さをL、直線CMの長さをDとすると、
曲率半径Rは、R2=(L/2)2+(R−D)2、で求めることができる。
即ち、曲率半径Rは、R=L2/8D+D/2、で表すことができる。
また、湾曲面が2以上の極大値をもつ形状であれば、それぞれにおいて、上記で示す方法により、それぞれ曲率半径を求めることができる。
なお、光透過率とは、JIS K 7105−1981 5.5「光線透過率及び全光線反射率」に規定する測定法Aに準拠し、積分球式光線透過率測定装置を用いて測定した全光線透過率の値である。なお光透過率は、厚さ3mm、波長550nmで測定した値を用いる。
鱗片状の着色材は、ある一定の角度にて強く光反射するもので、このような鱗片状の着色材を意匠層中に含むことにより、湾曲した部位において、どの角度からみても、鱗片状の着色材から反射された光がキラキラ感を与え、優れた意匠性を有することを特徴とする。
なお、着色材の大きさとは、着色材を水平面に安定に静置させ、上から観察したときの最大直径のことである。また、着色材の厚さとは、着色材を水平面に安定に静置させたときの底面からの最大の高さのことである。着色材の大きさ、厚さは、光学顕微鏡で観察し、測定することができる。
着色材としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、カーボンブラック、酸化第二鉄(弁柄)、黄色酸化鉄、酸化鉄、群青、コバルトグリーン等の無機着色顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機着色顔料、光輝性顔料、蛍光顔料、蓄蛍光顔料、また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、カオリン、陶土、タルク、珪石粉、珪藻土、雲母、マイカ、シリカ粒子、ガラス粒子、樹脂粒子、金属粒子、金属フレーク、ガラスフレーク、樹脂フレーク等の粒子が挙げられ、また、これら粒子表面が顔料、染料によって着色されたものでもよい。
このような鱗片状の着色材の大きさが、0.3mmより小さいと一定方向への光反射が少なく、また10mmより大きいと、湾曲面において優れた意匠性が発揮されない。また、球状等の形状の場合も、湾曲面において優れた意匠性が発揮されない場合がある。
鱗片状の着色材としては、例えば、雲母、マイカ、金属フレーク、ガラスフレーク、樹脂フレーク等、また、これら粒子表面が顔料、染料によって着色されたもの等が挙げられる。
さらに、本発明では、優れた意匠、高級感を醸し出すために、0.3mm未満の着色材として光輝性顔料が含まれることが好ましい。本発明では、鱗片状の着色材と光輝性顔料を混合することにより、湾曲面において優れた意匠性に加えて、奥行き感、高級感が得られるため、好ましい。
本発明では特に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル樹脂から選ばれる1種以上が好適に用いられる。
意匠層の厚さは、好ましくは0.1mm以上2mm以下程度(より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下程度)とすればよいが、これに限定されず、各種適用途に合わせて、厚みを変化させたり、また、適用基材表面の形状に合わせて、意匠層の厚みを変化させることもできる。
他の添加剤としては、例えば、繊維、難燃剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、粘性調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、吸着剤、光触媒等が挙げられ、意匠層形成時に溶剤、水等の添加剤を含んでもよい。
特に好ましい態様としては、透明層の裏側に、結合材と第1着色材を含む第1意匠層が積層され、さらにその裏側に、結合材と第1着色材より大きさの大きい第2着色材を含む第2意匠層が積層された化粧板である。このような化粧板は、より奥行き感、深み感を表出することができ、高級感あふれる意匠を形成することができる。
なお、意匠層が2層以上の場合、意匠層全体として、結合材の固形分100重量部に対し、着色材10重量部以上500重量部以下含まれるものが好ましい。
本発明では特に、透明層の裏面に、意匠層を形成する材料(以下、「意匠層形成材」ともいう。)を塗布積層し、乾燥・硬化させることにより得ることができる。
また、意匠層が2層の場合は、透明層の裏面に、第1意匠層形成材を塗布積層し、第1意匠層形成材が硬化あるいは未硬化の状態で、第2意匠層形成材を塗布積層し、乾燥・硬化させることにより得ることができる。
なお、意匠層が3層以上でも同様の方法で積層することができる。
これら意匠層形成材を塗付積層する方法としては、例えば、ローラー、刷毛、コテ、ヘラ、ガン等の塗付器具、押出し成形、フローコーター、ロールコーター等の装置を用いる方法等が挙げられる。
また、透明層の裏面に、着色材を散布し、結合材を流しこみ、乾燥・硬化させることにより得ることもできる。このような散布する方法では、着色材を透明層に散布する前及び/または散布した後に結合材等を塗付積層すればよい。
また、化粧板には、補強層、難燃層、断熱層等が積層されていてもよい。
本発明では、各種用途に用いる基材が湾曲している場合、また、表面を湾曲させたい場合に有効な化粧板である。
また各種用途に用いる基材としては、例えば、アルミ鋼板、亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅鋼板等の金属鋼板、プラスチック板、押出成形板、陶磁器、ガラス、焼成タイル、磁器タイル、木材、コンクリート、モルタル、石膏ボード、繊維混入セメント板、珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板等が挙げられる。基材の色相としては、その基材自体の色相でもよいが、着色コーティング、着色メッキ等の通常知られる方法で着色したものでもよく、1種の色相からなる単色表面でも、2種以上の色相からなる多色表面でもよい。
透明層1に、表1に示す材料、表2に示す配合にて、それぞれ意匠層形成材1〜14を所要量1.4kg/m2でローラーにて塗布した後、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、化粧板1‐1〜1‐14を得た。なお意匠層の厚みは0.8mmであった。
透明層2に、表1に示す材料、表2に示す配合にて、それぞれ意匠層形成材1〜14を所要量1.4kg/m2でローラーにて塗布した後、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、化粧板2‐1〜2‐14を得た。なお意匠層の厚みは0.8mmであった。
透明層3に、表1に示す材料、表2に示す配合にて、それぞれ意匠層形成材1〜14を所要量1.4kg/m2でローラーにて塗布した後、温度50℃、相対湿度60%で、5時間乾燥させ、化粧板3‐1〜3‐14を得た。なお意匠層の厚みは0.8mmであった。
<透明層>
透明層1:透明ガラス板(300R×120°、高さ600mm、厚さ3mm、屈折率:1.51、光透過度:90.3%)を用いた。(300Rは、曲率半径300mmを示す。)
透明層2:透明アクリル板(5R×90°、高さ600mm、厚さ3mm、屈折率:1.48、光透過度:88.5%)を用いた。(5Rは、曲率半径5mmを示す。)
透明層3:透明ガラス板(平板、高さ600mm×幅600mm×厚さ3mm、屈折率:1.51、光透過度:90.3%)を用いた。
得られた化粧板1‐1〜1‐14をそれぞれ複数枚用意し、丸柱(φ600mm、高さ2400mm)表面に、接着剤を用いて、それぞれ貼り合わせ、試験体1‐1〜1‐14を作製した。
意匠性評価1では、得られた試験体を目視にて観察し評価した。
評価は、「どの方向からも優れた意匠性が確認できた」ものを5、「鱗片状着色材による意匠が確認できなかった」もの1とし、5段階評価にて行った。評価は次のとおりである。評価結果は表3に示す。
得られた化粧板2‐1〜2‐14、化粧板3‐1〜3‐14をそれぞれ複数枚用意し、角柱(600mm×600mm、高さ2400mm)の一つのコーナーには化粧板2‐1〜2‐14、該コーナーをまたぐ2面には化粧板3‐1〜3‐14を、接着剤を用いて、それぞれ貼り合わせ、試験体2‐1〜2‐14を作製した。
意匠性評価2では、得られた試験体のうち、コーナー部を目視にて観察し評価した。評価は意匠性評価1のとおりである。評価結果は表3に示す。
Claims (2)
- 透明層と意匠層とが積層された化粧板であって、
該透明層(鱗片状光輝性粒子を含むものを除く)は、湾曲したものであり、
該意匠層は、結合材と着色材とを含み、
該着色材は、大きさ0.3mm以上10mm以下、厚み1μm以上50μm以下の鱗片状の着色材を含むことを特徴とする化粧板。 - 前記透明層は、3mm以上1000mm以下の曲率半径を有する湾曲した透明層であることを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
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