JP5777231B2 - 被覆材、被覆材層、及び、積層構造体 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、水性媒体中に特定の着色粒状物が分散した被覆材に想到し、本発明を完成させるに到った。
1.2種以上の異色の着色粒状物が水性媒体中に分散した被覆材であって、
当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、透明着色材が粒状化されたものであり、当該透明着色材は、水性樹脂、並びに有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体を含み、隠蔽率80%以下の被膜を形成するものであることを特徴とする被覆材。
2.前記透明着色材が、更に、平均粒子径0.4μm以上、屈折率1.4〜2.0の無彩色粉粒体(黒色粉粒体を除く)を含む上記1.に記載の被覆材。
3.前記水性媒体が、水性樹脂を含む上記1.または2.に記載の被覆材。
4.前記透明着色材及び/または前記水性媒体が、更に疎水性溶剤を含む上記1.〜3.のいずれかに記載の被覆材。
5.前記疎水性溶剤として、水への溶解度が5g/100g以下のものを含む上記4.に記載の被覆材。
6.基材に対し、着色下塗材を塗付した後、上記1.〜5.に記載の被覆材を塗付する被覆方法。
7.着色下塗材層を有する基材上に、被覆材層を有する被覆(積層)構造体であって、
当該被覆材層は、2種以上の異色の着色粒状物を含み、
当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、水性樹脂、並びに有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体を含む透明着色粒状物である被覆(積層)構造体。
8.前記透明着色材が、更に、平均粒子径0.4μm以上、屈折率1.4〜2.0の無彩色粉粒体(黒色粉粒体を除く)を含む上記7.に記載の被覆(積層)構造体。
また、上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、着色下塗材層を有する基材上に、特定の被覆材層を設けた被覆(積層)構造体に想到し、本発明を完成させるに到った。
1.着色下塗材層を有する基材上に、被覆材層を有する被覆(積層)構造体であって、当該被覆材層は、2種以上の異色の着色粒状物を含み、当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体を含み、前記着色下塗材層と同色の透明着色粒状物であることを特徴とする被覆(積層)構造体。
2.前記透明着色粒状物は、透明着色材が粒状化されたものであり、当該透明着色材は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体を含み、隠蔽率80%以下の透明着色被膜を形成するものである1.記載の被覆(積層)構造体。
3.着色下塗材層を有する基材上に、被覆材層を有する被覆(積層)構造体であって、当該被覆材層は、2種以上の異色の着色粒状物を含み、当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体、並びに平均粒子径0.4μm以上、屈折率1.4〜2.0の無彩色粉粒体(黒色粉粒体を除く)を含み、前記着色下塗材層と同色の透明着色粒状物であることを特徴とする被覆(積層)構造体。
4.前記透明着色粒状物は、透明着色材が粒状化されたものであり、当該透明着色材は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体、並びに平均粒子径0.4μm以上、屈折率1.4〜2.0の無彩色粉粒体(黒色粉粒体を除く)を含み、隠蔽率80%以下の透明着色被膜を形成するものである3.記載の被覆(積層)構造体。
5.前記被覆材層は、その凸部の乾燥膜厚が50〜2000μmである1.〜4.のいずれかに記載の被覆(積層)構造体。
更に、上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、特定着色下塗材層の上に、特定被覆材層を設けた積層(被覆)構造体に想到し、本発明を完成させるに到った。
1.着色下塗材層の上に被覆材層を有する積層構造体であって、当該着色下塗材層は、赤外線反射性を有し、当該被覆材層は、2種以上の異色の着色粒状物を含み、当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体を含む透明着色粒状物であることを特徴とする積層構造体。
2.前記透明着色粒状物は、透明着色材が粒状化されたものであり、当該透明着色材は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体を含み、隠蔽率80%以下の透明着色被膜を形成するものである1.記載の積層構造体。
3.着色下塗材層の上に被覆材層を有する積層構造体であって、前記着色下塗材層は、赤外線反射性を有し、前記被覆材層は、2種以上の異色の着色粒状物を含み、当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体、並びに平均粒子径0.4μm以上、屈折率1.4〜2.0の無彩色粉粒体(黒色粉粒体を除く)を含む透明着色粒状物であることを特徴とする積層構造体。
4.前記透明着色粒状物は、透明着色材が粒状化されたものであり、当該透明着色材は、水性樹脂、有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体、並びに平均粒子径0.4μm以上、屈折率1.4〜2.0の無彩色粉粒体(黒色粉粒体を除く)を含み、隠蔽率80%以下の透明着色被膜を形成するものである3.記載の積層構造体。
5.前記被覆材層は、その凸部の乾燥膜厚が50〜2000μmである1.〜4.のいずれかに記載の積層構造体。
本発明の被覆材は、2種以上の異色の着色粒状物が水性媒体中に分散したものである。この着色粒状物には、透明着色材の粒状化物(透明着色粒状物)が、少なくとも1種以上含まれる。
透明着色材は、水性樹脂(a)、並びに有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体(b)を含む。そして、この透明着色材は、隠蔽率80%以下(好ましくは5〜70%、より好ましくは10〜60%、さらに好ましくは15〜50%)の透明着色被膜を形成するものである。このような特性は、透明感、深み感等の付与に寄与するものである。透明着色材の隠蔽率が大きすぎる場合は、十分な透明感、深み感等が得られ難くなる。
<式>隠蔽率(%)=(黒地上の塗膜の視感反射率)/(白地上の塗膜の視感反射率)×100
透明着色材中の(a)成分の比率は、固形分換算で、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
一方、黒色粉粒体は、黒色を呈する粉粒体であり、例えば、鉄黒、鉄‐マンガン複合酸化物、鉄‐銅‐マンガン複合酸化物、鉄‐クロム‐コバルト複合酸化物、銅‐クロム複合酸化物、銅‐マンガン‐クロム複合酸化物等の無機質のもの、その他カーボンブラック等が挙げられる。
(b)成分としては、無機質のものが好適であり、特に無機酸化物が好適である。
透明着色材中の(b)成分の比率は、好ましくは0.001〜5重量%、より好ましくは0.005〜3重量%、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。このような比率であれば、本発明における意匠的効果が得られやすくなる。
上記平均粒子径を有する(b)成分は、(b)成分の全量中、20重量%以上(より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上)含まれることが望ましい。(b)成分が、上記平均粒子径を有する(b)成分のみからなる態様も好適である。なお(b)成分の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される。
(c)成分の屈折率は、通常1.4〜2.0、好ましくは1.45〜1.7である。なお、屈折率はアッベ屈折計を用いて測定できる。
透明着色材中の(c)成分の比率は、好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜25重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。このような比率であれば、意匠的効果、被膜物性向上効果等の点で好適である。
透明着色材中の水溶性高分子化合物の比率は、固形分換算で、好ましくは0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部である。
疎水性溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−エチル−1−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート等が挙げられる。
透明着色材中の疎水性溶剤の比率は、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
透明着色材は、上記各成分を常法により均一に混合することで製造できる。
本発明の被覆材中の水性媒体は、着色粒状物の媒体となるものである。この水性媒体としては、上記透明着色材で述べたものと同様のものが使用できる。水性媒体中に水溶性溶剤を含む場合、水溶性溶剤の比率は、水と水溶性溶剤の総量中に好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下とすればよい。
ゲル化剤としては、上記水溶性高分子化合物をゲル化できる物質が使用できる。具体的に、ゲル化剤としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、ジルコニウム、クロム、錫、銀、銅等の金属の硫酸塩、酢酸塩、有機酸塩、珪酸塩、硼酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物等が挙げられる。この他、塩酸、硫酸、硝酸、硼酸等の無機塩またはそれらの塩、クエン酸、乳酸、タンニン酸等の有機酸またはそれらの塩、等が挙げられる。ゲル化剤としては、これらの1種または2種以上が使用できる。
水性媒体中のゲル化剤の比率は、好ましくは0.01〜1.5重量%、より好ましくは0.03〜1.0重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
本発明における水性媒体は、水分散性樹脂と疎水性溶剤を含むものがより好適である。この疎水性溶剤は、形成被膜の乾燥性向上、耐水性向上等に有利に作用し、特に造膜初期段階におけるこれら物性の向上に有効である。疎水性溶剤としては、上記透明着色材で述べたものが使用できる。疎水性溶剤の水への溶解度(20℃における)は、好ましくは5g/100g以下、好ましくは1g/100g以下、さらに好ましくは0.1g/100g以下、最も好ましくは0.08g/100g以下である。
水性媒体中における水性樹脂の比率は、固形分換算で、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
また、水性媒体中の疎水性溶剤の混合割合は、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましく、1〜25重量%である。
水性媒体は、以上に述べたような成分を常法により均一に混合することで製造できる。
本発明の被覆材は、着色粒状物として、少なくとも1種以上の透明着色粒状物を含むものである。このような透明着色粒状物は、上記透明着色材を上記水性媒体中で粒状に分散させることによって、製造できる。透明着色粒状物の粒子径は、好ましくは0.1〜15mm、より好ましくは0.5〜12mm、さらに好ましくは1〜10mmである。透明着色粒状物の粒子径や形状は、攪拌羽根の種類、攪拌羽根の回転速度、透明着色材の粘性や添加方法、水性媒体の粘性や組成等を適宜選択・調整することによって設定できる。
色調が異なる2種以上の着色粒状物を含む被覆材を得るためには、例えば、
単色の着色粒状物(透明着色粒状物)が分散した分散液をそれぞれ製造した後、これらを混合する方法、あるいは、
色調が異なる2種以上の着色材(透明着色材)を、同時または順に水性媒体に添加し分散させる方法、等の方法を採用すればよい。
水性媒体中の着色粒状物の比率は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
本発明の被覆材は、建築物、土木構造物等の表面被覆に適用することができる。具体的には、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、煉瓦、プラスチック板、金属板、ガラス、磁器タイル等の各種基材の表面被覆材として使用できる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等)が施されたものでもよく、既に被膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。例えば、基材表面の被膜は、本発明の被覆材の塗装前に、着色下塗材を塗装することで形成できる。このような着色下塗材は、基材全面に均一に塗装すればよい。
また基材表面は、平坦であっても、凹凸を有するものであってもよい。
着色下塗材の塗装時には、スプレー、ローラー、刷毛等の各種塗装器具が使用できる。塗付け量は、好ましくは0.05〜0.8kg/m2、より好ましくは0.1〜0.5kg/m2である。
本発明の被覆材の被膜は、多少の凹凸を有するものとなるが、その凸部の乾燥膜厚は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは300μm以上、特に好ましくは500μm以上である。凸部の乾燥膜厚の上限は、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1800μm以下、さらに好ましくは1500μm以下である。本発明の被覆材は、このように比較的厚膜であっても、透明感、深み感等において十分な意匠的効果を得ることができる。なお、凸部の乾燥膜厚とは、被覆材の乾燥被膜(被覆材層)を指し、「凸部を含む被覆材層」の膜厚の平均値を算出したものである。具体的には、被覆材層の凸部を有する10箇所を測定対象とし、マイクロメータを用いて、「凸部を含む被覆材層」、更に「基材等」を含む場合には、「基材等」を含む「合計厚み」を測定した後、前記「合計厚み」から、前記「基材等」の厚みを差し引いた値を算出し、その平均値から求めることができる。
本発明の被覆材の塗装後、必要に応じ透明被覆材等を塗装することもできる。透明被覆材として、親水性被膜が形成できるものを使用すれば、耐汚染性を高めることもできる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1に、本発明の被覆(積層)構造体の一例を示す。図1は被覆(積層)構造体の断面図である。
本発明における基材1としては、例えば、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、パーライト板、合板、煉瓦、プラスチック板、金属板、ガラス、磁器タイル等が挙げられる。これら基材1の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー、パテ等)が施されたものでもよく、既に被膜が形成されたものや、壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。また基材1は、平坦であっても、凹凸を有するものであってもよい。
着色下塗材の塗装時には、スプレー、ローラー、刷毛等の各種塗装器具が使用できる。塗付け量は、好ましくは0.05〜0.8kg/m2、より好ましくは0.1〜0.5kg/m2である。
これに対し「異色」とは、視覚的に異なる色として認識できることを意味し、その色差は、通常5を超える(好ましくは6以上、より好ましくは8以上)ものである。
(1)少なくとも2種以上の異色の着色粒状物(当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、透明着色材が粒状化された透明着色粒状物である)が水性媒体中に分散した被覆材を塗付する。
(2)少なくとも2種以上の異色の着色材(当該着色材として、少なくとも1種以上の透明着色材を含む)を粒状に塗付する。
なお、前記透明着色材としては、上記第1発明群における透明着色材と同様のものが使用できる。
水性媒体中の着色粒状物の比率は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。着色粒状物の粒子径は、好ましくは0.1〜15mm、より好ましくは0.5〜12mm、さらに好ましくは1〜10mmである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
赤外線反射性粉体の比率は、樹脂固形分100重量部に対し、好ましくは5〜800重量部、より好ましくは10〜600重量部である。
赤外線透過性粉体の比率は、樹脂固形分100重量部に対し、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは2〜100重量部である。
着色下塗材の塗装時には、スプレー、コーター、ローラー、刷毛等の各種塗装器具が使用できる。塗付け量は、好ましくは0.05〜1kg/m2、より好ましくは0.1〜0.8kg/m2である。
(1)少なくとも2種以上の異色の着色粒状物(当該着色粒状物の少なくとも1種以上は、透明着色材が粒状化された透明着色粒状物である)が水性媒体中に分散した被覆材を塗付する。
(2)少なくとも2種以上の異色の着色材(当該着色材として、少なくとも1種以上の透明着色材を含む)を粒状に塗付する。
被覆材中の着色粒状物の比率は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。着色粒状物の粒子径は、好ましくは0.1〜15mm、より好ましくは0.5〜12mm、さらに好ましくは1〜10mmである。
着色粒状物と(c)成分とが混在する被覆材層3では、透明感、深み感等の意匠的効果、さらには形成被膜の乾燥性、密着性、耐水性、温度上昇抑制性、非粘着性、防火性、強度等を一層高めることができる。
シリコン成分としては、シリカ、シリコーン等が挙げられ、中でもシリカが好適である。シリカは、例えば、珪酸ソーダ、珪酸リチウム、珪酸カリウム、シリケート化合物を原料として製造することができる。シリカの粒子径は、好ましくは1〜200nm、より好ましくは5〜100nmである。
図2では、支持層5の上に、着色下塗材層2、及び被覆材層3が積層されたシート状積層構造体が用いられている。
本発明では、シート状積層構造体を用いることにより、施工現場での作業が軽減される。また、予め被膜化することで、厚み等の管理が容易となり、安定した被膜性能が発揮できる。
シート状積層構造体の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.5〜8mm程度である。
図2は、接着剤層6を介して、シート状積層構造体を基材1に貼り付けた適用例を示すものである。
○製造例A(着色材A1〜A6の製造)
容器内にアクリル樹脂エマルション1(固形分40重量%、水60重量%)を100重量部仕込み、溶剤1(プロピレングリコールモノブチルエーテル、水への溶解度6.0g/100g)を6重量部、ゲル形成物質1(ガラクトマンナン3重量%水溶液)を80重量部、消泡剤1(鉱物油系)を2重量部混合し、さらに各種粉粒体を混合して、各着色材を製造した。粉粒体の種類と比率(着色材中の重量%)、及び着色材の隠蔽率は表1の通りである。着色材の隠蔽率は、着色材を、隠蔽率試験紙にフィルムアプリケータ(隙間300μm)で塗付し、標準状態で48時間乾燥させて得た試験片について、視感反射率を測定して算出した。
各粉粒体は以下の通りである。
・黄色粉粒体1:黄色酸化鉄(平均粒子径0.5μm)
・赤色粉粒体1:赤色酸化鉄(平均粒子径0.6μm)
・黒色粉粒体1:鉄‐マンガン複合酸化物(平均粒子径0.6μm)
・黒色粉粒体2:カーボンブラック(平均粒子径0.1μm)
・無彩色粉粒体1:酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)
・無彩色粉粒体2:二酸化珪素(屈折率1.55、平均粒子径4μm)
・無彩色粉粒体3:硫酸バリウム(屈折率1.64、平均粒子径28μm)
・無彩色粉粒体4:二酸化珪素(屈折率1.55、平均粒子径120μm)
○製造例C(着色材C1〜C4の製造)
○製造例D(着色材D1〜D4の製造)
容器内にアクリル樹脂エマルション1を100重量部仕込み、溶剤2(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、水への溶解度0.04g/100g)を6重量部、ゲル形成物質1を80重量部、消泡剤1を2重量部混合し、さらに各種粉粒体を混合して、各着色材を製造した。粉粒体の種類と比率、及び着色材の隠蔽率は表2の通りである。
○製造例F(着色材F1〜F4の製造)
容器内にアクリル樹脂エマルション1を100重量部仕込み、溶剤3(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、水への溶解度0.09g/100g)を6重量部、ゲル形成物質1を80重量部、消泡剤1を2重量部混合し、さらに各種粉粒体を混合して、各着色材を製造した。粉粒体の種類と比率、及び着色材の隠蔽率は表2の通りである。
○製造例H(着色材H1〜H4の製造)
○製造例I(着色材I1〜I4の製造)
容器内にアクリル樹脂エマルション1を100重量部仕込み、溶剤3(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、水への溶解度0.09g/100g)を6重量部、ゲル形成物質1を80重量部、消泡剤1を2重量部混合し、さらに各種粉粒体を混合して、各着色材を製造した。粉粒体の種類と比率、及び着色材の隠蔽率は表3の通りである。
容器内にアクリル樹脂エマルション1を100重量部仕込み、溶剤2(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、水への溶解度0.04g/100g)を13重量部、ゲル形成物質1を80重量部、消泡剤1を2重量部混合し、さらに各種粉粒体を混合して、各着色材を製造した。粉粒体の種類と比率、及び着色材の隠蔽率は表3の通りである。
容器内にアクリル樹脂エマルション1を100重量部仕込み、溶剤2(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、水への溶解度0.04g/100g)を3重量部、ゲル形成物質1を80重量部、消泡剤1を2重量部混合し、さらに各種粉粒体を混合して、各着色材を製造した。粉粒体の種類と比率、及び着色材の隠蔽率は表3の通りである。
容器内にアクリル樹脂エマルション1を100重量部仕込み、溶剤3(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、水への溶解度0.09g/100g)を6重量部、ゲル形成物質1を80重量部、消泡剤1を2重量部混合し、さらに各種粉粒体を混合して、各着色材を製造した。粉粒体の種類と比率、及び着色材の隠蔽率は表4の通りである。
粉粒体の種類と比率を表5の通りとした以外は、製造例Lと同様の方法で各着色材を製造した。
粉粒体の種類と比率を表6の通りとした以外は、製造例Lと同様の方法で各着色材を製造した。
粉粒体の種類と比率を表7の通りとした以外は、製造例Lと同様の方法で各着色材を製造した。
粉粒体の種類と比率を表8の通りとした以外は、製造例Lと同様の方法で各着色材を製造した。
粉粒体の種類と比率を表8の通りとした以外は、製造例Bと同様の方法で各着色材を製造した。
粉粒体の種類と比率を表8の通りとした以外は、製造例Aと同様の方法で各着色材を製造した。
粉粒体の種類と比率を表9の通りとした以外は、製造例Aと同様の方法で各着色材を製造した。
粉粒体の種類と比率を表10の通りとした以外は、製造例Aと同様の方法で各着色材を製造した。
○水性媒体1の製造
容器内にアクリル樹脂エマルション1(固形分40重量%、水60重量%)を75重量部仕込み、溶剤1(プロピレングリコールモノブチルエーテル、水への溶解度6.0g/100g)を4重量部、水を10重量部、ゲル化剤1(ホウ酸アンモニウム5重量%水溶液)を10重量部、消泡剤1を1重量部均一に混合して、水性媒体1を製造した。
容器内にアクリル樹脂エマルション1を75重量部仕込み、溶剤2(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、水への溶解度0.04g/100g)を4重量部、水を10重量部、ゲル化剤1を10重量部、消泡剤1を1重量部均一に混合して、水性媒体2を製造した。
容器内にアクリル樹脂エマルション1を75重量部仕込み、溶剤2を12重量部、水を2重量部、ゲル化剤1を10重量部、消泡剤1を1重量部均一に混合して、水性媒体3を製造した。
容器内にアクリル樹脂エマルション1を75重量部仕込み、溶剤2を2重量部、水を12重量部、ゲル化剤1を10重量部、消泡剤1を1重量部均一に混合して、水性媒体4を製造した。
容器内にアクリル樹脂エマルション1を75重量部仕込み、溶剤3(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、水への溶解度0.09g/100g)を4重量部、水を10重量部、ゲル化剤1を10重量部、消泡剤1を1重量部均一に混合して、水性媒体5を製造した。
○分散液A1の製造
上記水性媒体1に対し、上記着色材A1を1:2で加えて攪拌・分散することにより、粒子径約3〜8mmの着色粒状物の分散液A1を製造した。
水性媒体と着色材の組合せを表11に示す通りにした以外は、上記分散液A1と同様の方法で各分散液を製造した。これにより、着色材A2〜T6にそれぞれ対応する分散液(分散液A2〜T6)を得た。
○被覆材AAの製造
分散液A1、A2、A3、及びA4を等量で混合し、被覆材AAを得た。
表11に示す組合せにて各分散液を等量で混合し、被覆材BA〜TAを得た。
分散液A1、A5、及びA6を等量で混合し、被覆材ABを得た。
また、分散液T1、T5、及びT6を等量で混合し、被覆材TBを得た。
○試験例1−1
灰色の下塗材が塗装されたスレート板(150×70mm)に、被覆材AA、TAをそれぞれ塗付け量0.6kg/m2でスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥した。被膜凸部の乾燥膜厚は約900μmであった。
以上の方法で得られた試験板の外観を観察し、意匠性(透明感、深み感等)を評価した。その結果、意匠性は被覆材AAのほうが格段に優れていた。
被覆材AB、TBにつき、試験例1−1と同様の方法で試験板を作製し、得られた被膜(被膜凸部の乾燥膜厚約900μm)の意匠性を評価した。その結果、意匠性は被覆材ABのほうが格段に優れていた。
被覆材AA〜SAにつき、試験例1−1と同様の方法で試験板を作製し、意匠性を評価した。その結果、意匠性はいずれも良好であったが、特に被覆材AA〜MAが優れていた。
次に、被覆材AA〜SAについて、以下の試験を実施した。試験結果を表12に示した。なお、被覆材TA、AB、及びTBについては、評価を行っていない。
上記意匠性評価の後、被覆材を容器に密封し50℃環境下で7日間保存し、再度、同様の方法で試験板を作製した。以上の方法により、保存前後での意匠性の変化を観察した。評価は、意匠性に変化が認められなかったものを「A」、著しい変化が認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。
試験例1−1と同様の方法で被覆材を塗装した後、試験板を5℃環境下で24時間乾燥した。次に、試験板を水に90分間浸漬した後、被膜の外観を観察した。評価は、被膜に異常が認められなかったものを「A」、著しい異常が認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。
試験例1−1と同様の方法で被覆材を塗装した後、試験板を5℃環境下で6時間乾燥した。次に、試験板を水に90分間浸漬した後、被膜の外観を観察した。評価は、被膜に異常が認められなかったものを「A」、著しい異常が認められたものを「C」とする3段階(A>B>C)で行った。なお、上記耐水性1の評価において、B、及びC評価の被覆材AA、QA、RA、及びSAについては、評価を行っていない。
試験例1−1と同様の方法で被覆材を塗装した後、試験板を標準状態で14日間養生した。次に、この試験板の被膜面に対し、赤外線ランプ(出力250W)を25cmの距離から照射し、試験板表面の温度を測定した。評価は、温度が60℃未満であったものを「A」、60℃以上65℃未満であったものを「B」、65℃以上であったものを「C」とした。
○試験例2−1
灰色の着色下塗材が塗装されたスレート板(150×70mm)に対し、被覆材AAを塗装したものを試験板A、被覆材BAを塗装したものを試験板B、被覆材RAを塗装したものを試験板R、被覆材SAを塗装したものを試験板S、被覆材TAを塗装したものを試験板T、とした。また、白色の着色下塗材が塗装されたスレート板(150×70mm)に対し、被覆材AAを塗装したものを試験板A’とした。なお試験板作製において、塗装はスプレー(塗付け量0.6kg/m2)で行い、乾燥は標準状態で24時間とした。被膜凸部の乾燥膜厚は約900μmであった。
試験板A、B、R、及びSは、着色下塗材層と同色(△E≦3)の透明着色粒状物を有するものであった。試験板Tは、被覆材中の着色粒状物が全て不透明なものであった。試験板A’は、被覆材中の着色粒状物が全て着色下塗材層とは異色(△E>5)であった。
以上の方法で得られた試験板の外観を観察し、意匠性(透明感、深み感、大柄感等)を評価した。その結果、意匠性は試験板A、B、R、及びSが良好であり、特に試験板A及びBが最も優れていた。
○試験例3−1
赤外線反射性黒色下塗材(アクリル樹脂、鉄クロム複合酸化物を含む)が塗装されたスレート板(150×70mm)に対し、被覆材AAを塗装したものを試験板AA、被覆材TAを塗装したものを試験板TAとした。また、赤外線吸収性黒色下塗材(アクリル樹脂、カーボンブラックを含む)が塗装されたスレート板(150×70mm)に対し、被覆材AAを塗装したものを試験板AA’とした。なお試験板作製において、塗装はスプレー(塗付け量0.6kg/m2)で行い、乾燥は標準状態で24時間とした。被膜凸部の乾燥膜厚は約900μmであった。
試験板AA及びAA’は、着色下塗材層と同色(△E≦3)の透明着色粒状物を有するものであった。試験板TAは、被覆材中の着色粒状物が全て不透明なものであった。
以上の方法で得られた試験板の外観を観察し、意匠性(透明感、深み感、大柄感等)を評価した。その結果、試験板AA及びAA’が優れていた。
次に、試験板AA及びAA’を標準状態で14日間養生後、試験板の被膜面に対し、赤外線ランプ(出力250W)を25cmの距離から照射し、試験板表面の温度を測定した。その結果、試験板AAは60℃未満、試験板AA’は65℃以上を示した。
赤外線反射性灰色下塗材(アクリル樹脂、酸化チタン、鉄クロム複合酸化物を含む)が塗装されたスレート板(150×70mm)に対し、被覆材ABを塗装したものを試験板AB、被覆材TBを塗装したものを試験板TBとした。試験板作製時の塗装条件は、上記試験例3−1と同様である。
試験板ABは、着色下塗材層と同色(△E≦3)の透明着色粒状物を有するものであった。試験板TBは、被覆材中の着色粒状物が全て不透明なものであった。
以上の方法で得られた試験板の外観を観察し、意匠性を評価した。その結果、試験板ABが優れていた。
被覆材AAと無彩色粉粒体4とを重量比85:15で混合し、被覆材VAを得た。また、被覆材BAと無彩色粉粒体4とを重量比85:15で混合し、被覆材WAを得た。被覆材QAと無彩色粉粒体4とを重量比85:15で混合し、被覆材XAを得た。
以上の方法で得られた試験板の外観を観察し、意匠性を評価した。その結果、意匠性はいずれも良好であったが、特に被覆材AA〜MA、VA、WA、XAが優れていた。
次に、試験例1−4と同様の方法で、各試験を実施した。試験結果を表13に示した。
2:着色下塗材層
3:被覆材層
31、32、33:透明着色粒状物
5:支持層
6:接着剤層
Claims (8)
- 2種以上の異色の着色粒状物を含む被覆材であって、
前記2種以上の異色の着色粒状物が、水性媒体中に分散したものであり、
前記水性媒体中に、水性樹脂及び疎水性溶剤を含み、
前記着色粒状物の少なくとも1種以上は、水性樹脂、並びに有彩色粉粒体及び/または黒色粉粒体を含む透明着色粒状物であり、
前記透明着色粒状物は、透明着色材が粒状化されたものであり、
前記透明着色材は、疎水性溶剤を含み、
前記透明着色材中の疎水性溶剤の比率が、0.5〜15重量%であり、
前記透明着色材が、隠蔽率80%以下の透明着色被膜を形成するものであることを特徴とする被覆材。 - 前記疎水性溶剤は、水への溶解度(20℃における)が5g/100g以下であることを特徴とする請求項1に記載の被覆材。
- 更に、前記着色粒状物の少なくとも1種以上が、平均粒子径0.4μm以上、屈折率1.4〜2.0の無彩色粉粒体(黒色粉粒体を除く)を含む透明着色粒状物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被覆材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の被覆材により形成されることを特徴とする被覆材層。
- 着色下塗材層の上に、請求項4に記載の被覆材層を有することを特徴とする積層構造体。
- 前記着色下塗材層は、赤外線反射性を有することを特徴とする請求項5に記載の積層構造体。
- 前記着色下塗材層と、前記被覆材層に含有される透明着色粒状物の少なくとも1種以上とが、同色であることを特徴とする請求項5又は6に記載の積層構造体。
- 前記被覆材層は、その凸部の乾燥膜厚が50〜2000μmであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の積層構造体。
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