JP6189306B2 - 凍結切片の代用としての超迅速診断用組織調製法 - Google Patents

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Description

本発明は、診断用組織の調製用の化学的処理方法及び機械的器具に関する。手術の過程で患者の体から切り取った固形組織の新鮮(すなわち、未固定や未凍結)サンプルを凍結切片の組織学的検査の代用として調製する(すなわち、肉眼的検査(gross)をした後に処理する)ことができ、凍結切片の組織学的検査で受ける人為的影響がない。本方法及び本装置によれば、凍結切片を検査するときに受ける人為的影響を避けて、パラフィン切片の組織学的検査による手術中の診断が可能になる。
本出願は、2011年9月29日に出願した米国特許出願第61/540,947に対して権利を主張するものである。
組織処理方法及び組織処理用装置はこれまでに記載されてきた(国際公開公報第99/09390号、国際公開公報第01/44783号、国際公開公報第01/44784号及び国際公開公報第2005/40763号を参照)。これらは、化学的処理工程において、少なくともケトン及びアルコールを混和させることを必要とする。本明明細書では、アルコールが必要無いことを示す。組織試料は手術により患者から採取できる。その試料は組織ブロックに加工すればよく、このブロックを薄片にして、組織切片を病理診断医により検査する。組織切片の組織学的検査と診断は、患者が手術室を出る前に終える。凍結切片に対しての本発明の利点は、顕微鏡下で観察した組織切片の形態が組織ブロックに保存されることである。従来の処理により調製された組織ブロックと本発明により調製された組織ブロックとは、得られる切片の質は見たところ同じである。診断の不一致や遅延は、主に凍結組織の組織学的検査中の人為的影響に起因するが、本発明を使用することによって回避できると思われる。
手術中の病理診察では、手術中に患者から採取したサンプルの肉眼的検査(gross)及び鏡検を行う。ほとんどの場合、顕微鏡下での組織切片の組織学的検査では色素染色を行い、組織形態を調べる。これは、従来、固形組織で作製した「凍結」切片に対して行い、患者が手術室から出る前(すなわち、手術中)に病理診断医による診断を可能とする。Keeney & Leslie, JAMA 300:1074-1075 (2008)を参照されたい。Wilsonが発展させた凍結切片技術の歴史は、凍結切片法の記載から100周年の記念出版Gal & Cagle, JAMA 294:3135-3137(2005)及びLechago, Arch. Pathol. Lab. Med. 129:1529-1530(2005)
で詳述された。
米国病理学会(CAP:College of American Pathologists)により認定される研究室には、凍結切片を用いた手術中の診断については、凍結切片を得るために先に使用された組織と同じ組織から得た、パラフィンブロックに包埋されたいわゆる「永久」切片の後日検査によって確認することが要求されている。CAPのQ-トラックプログラムの参加者の報告によると、凍結切片と永久切片との間で診断に不一致が生じたもの(すなわち、手術中の診断を伴うパラフィン切片の場合は診断として相違する凍結切片調査)は、少なくとも約1%〜2%あった。Raab et al., Arch. Pathol. Lab. Med. 130:337-342 (2006) を参照されたい。この理由から、更に診断の遅れによって生じる遅延という理由からも、本発明により調製した組織ブロックから得た切片での手術中における診断を提供することは望ましいと思われる。しかし、手術サンプルから組織学的検査用の組織試料を調整するために必要な時間を短縮して、手術中の診断を可能とするには、既存の方法及び装置の大幅な変更を必要とした。
組織調製方法及び組織調製用装置の改良点は、以下に説明する。それらは、(i) 約0.6mmの均一な厚みでの固形組織の肉眼的検査(grossing)、及び/又は (ii) 組織試料を硬化させるための、少なくともケトン及びオイルの化学物質の混和物、及び/又は(iii)組織試料の含まれるブロックを凝固させるための冷却器により特徴づけられる。好ましくは、肉眼的検査(grossing)中に組織試料を化学物質の混和物に最初に接触させて組織を硬化させることにより、組織を1以上の組織試料にスライスすることを容易にする。組織が人為的影響を受けない点において、診断の不一致や診断の遅延が発生しうると業界内で知られている従来型の凍結切片の組織学的検査方法よりも優れている。本発明によれば、後日調査と結果が一致する形態を取得できるため、永久切片の後日調査を行う必要がなくなる。
本発明の他の利点は以下に記載されているか、その記載から当業者に明らかであると思われる。
国際公開公報第99/09390号 国際公開公報第01/44783号 国際公開公報第01/44784号 国際公開公報第2005/40763号
Keeney & Leslie, JAMA 300:1074-1075 (2008) Gal & Cagle, JAMA 294:3135-3137(2005) Lechago, Arch. Pathol. Lab. Med. 129:1529-1530(2005) Raab et al., Arch. Pathol. Lab. Med. 130:337-342 (2006)
本発明は、迅速な診断用組織の調製法を提供することを目的とする。手術中に患者の体から採取された固形組織のサンプルは、組織試料として事前に凍結されることなく処理する。処理した試料のブロックから得た組織切片は、従来の処理方法により調製されたパラフィンブロックと比べて同様又は同一の質の形態的特徴を有する。この点が凍結切片の組織学的検査より改良されており、凍結切片の形態的な人為的影響を受けず、組織を再度処理する必要がなくなり、そして遅延を回避することができる。
この方法及び装置は、組織学的検査、切片上の抗体結合、核酸ハイブリダイゼーション、他のプロテオミクス解析又は遺伝子解析(例えば、断片のフィンガープリンティング又はそれらの配列決定)、形態及び核酸の記録用の保存、及びこれらの組み合わせのために薄片にするブロックを作成するための組織試料の処理に用いることができる。
本発明の第一態様である方法は、(a)試料を化学物質の混和物及びマイクロ波エネルギーに接触させて、ウィスパーリングギャラリー内で組織試料を硬化させる工程と、(b)前記試料を溶融マトリクス及び熱エネルギーに接触させて、減圧下で前記試料を含浸させる工程と、(c)前記試料をブロックに包埋して前記ブロックを凝固させる工程であって、手術中に組織学検査をするために前記固形ブロックを薄片にできる工程と、を有する。手術で採取された組織サンプルを肉眼的検査して、実質的に均一な厚さとすることが好ましく(例えば、最少寸法で約0.6mm)、化学物質の混和物に接触させて硬化させ始める(しかし、完全には硬化させない)。前記組織試料の厚みは、約0.1mm以上でもよく、0.2mm以上でもよく、0.3mm以上でもよく、0.4mm以上でもよく、0.5mm以上でもよい。前記組織の厚みは、約1mm以下でもよく、約0.8 mm以下でもよく、約0.7mm以下でもよい。
本発明の第二態様である装置は、(a)試料を硬化させる硬化モジュールと、(b)硬化させた組織試料を含浸させるための含浸モジュールと、(c)硬化及び含浸させた組織試料を固形ブロックに包埋するための包埋モジュールと、を有する。硬化モジュールは、(i)ウィスパーリングギャラリーである内部形状を有する第1チャンバーと、(ii)閉鎖時には前記第1チャンバーを隔離し、マイクロ波放射に対し非透過性で、及び、開放時には前記第1チャンバーにアクセス可能な第1蓋と、(iii)前記第1チャンバーの内部に化学ヒューム及び蒸気を封じ込めるための第1ガスケットと、(iv)マイクロ波エネルギーを前記第1チャンバーの内部に伝達するための放射源と、を有する。組織試料は、前記第1チャンバー内で化学物質の混和物に接触させる。含浸モジュールは、(i)外部よりも低い圧力にできる内部を有する第2チャンバーと、(ii)閉鎖時には前記第2チャンバーを隔離し、開放時には前記第2チャンバーにアクセス可能な第2蓋と、(iii)前記第2チャンバーの内部と外部との間で圧力差を維持するためのガスケットと、(iv)前記第2チャンバーの内部の圧力を少なくとも1バールよりも低くするためのポンプと、(v)前記第2チャンバーの内部に熱エネルギーを伝達するための加熱器と、を有する。硬化させた組織試料は、第2チャンバー内で溶融マトリクスに接触させる。包埋モジュールは、ブロックから熱エネルギーを伝達する冷却器を有し、その中で処理した組織試料をマトリクスに包埋してマトリクスを凝固させる。
ホルダー(例えば、溶液置換を可能にするために有孔な側面を結合させて組み立てたカセット)に、第1及び第2モジュール内やその間に同じタイプの1以上の組織試料を載せてもよい。前記ホルダーを解体し、処理した組織試料を前記ホルダーから取り出した後、型の中に置いてもよく、溶融マトリクスを注入した型の中に前記組織試料を入れてホルダーの少なくとも一部(例えば、組織試料を識別用ラベルを有する半分)により覆ってもよい。前記型を、冷却器の熱伝導性表面に接触させることが好ましく、型のその接触側は、ホルダー部による覆いの反対側であることが好ましい。包埋後、組織試料は型から外し、組織試料を含んだブロックをホルダー部分に付着させたままにして、ミクロトームを使用することによりブロックを動かして切片を切断するナイフに通してもよい。3つのモジュールは相互に離れていてもよく、少なくとも第1モジュールと第2モジュールとが同じ装置の分離したパーツであることが好ましい(すなわち、第3のモジュールは他の2つのモジュールと統合していない)が、全ての3つのモジュールが同じシステムの分離したパーツでもよい。
化学物質の混和物が、(i)少なくとも1種類のケトンと、(ii)少なくとも1種類のオイルと、を含む非水性溶液を含み、前記ケトンはアセトンでもよく、前記オイルは鉱油又はパイン油でもよい。化学物質の混和物は少なくとも1つの界面活性剤をさらに含んでもよい。前記界面活性剤はジメチルスルホキシドでもよい。前記化学物質の混和物は、アルデヒド(例えば、ホルマリン)、アルコール、キシレン、又はこれらの任意の組み合わせを含まないことが好ましい。肉眼的検査(grossing)及び処理に用いる化学物質の混和物は同じ組成であることが好ましいが、異なる化合物を含んだり異なる割合であったりしてもよい。マトリクスが少なくとも一種類のパラフィンワックスを含んでもよい。マトリクスはオイル、キシレン又はこれらの両方を含まないことが好ましい。
本発明の第3の実施態様として、肉眼的検査用(grossing)装置及び肉眼的検査用(grossing)ツールを提供する。
本発明のさらなる側面及び利点は、下記の詳細な記載及び請求項並びにこれらの一般的事項により当業者にとって明らかである。
凍結切片の組織学的検査(例えば、薄片にして染色した固形組織の鏡検)を種々の方法で調製する永久切片の組織学的検査と比較するフローチャートである。固形組織は肉眼的検査(gross)される。従来の処理方法では、ホルムアルデヒド中で固定し、段階的な一連のアルコール中で脱水し、キシレン中で透徹し、ワックスで包埋する。迅速処理では、マイクロ波エネルギーを用いてケトン及びアルコール中で硬化させ、その後、減圧下で含浸させ、熱エネルギーを用いてパラフィンワックスで包埋し、永久切片を作成する。凍結切片の組織学的検査は固定、含浸又は包埋は不要である。そのかわり、新鮮サンプルは凍結により硬化させ、その後、ワックスブロックで包埋せずに薄片にする。限定されない実施例1による超迅速調製法として、組織サンプルの肉眼的検査(gross)(例えば、新鮮サンプルは化学物質の混和物に接触させて硬化させ始めることにより、組織試料をサンプルからスライスし易くする)を示し、その組織試料は処理後にブロックに包埋し、そのブロックは冷却して凝固させる。このブロックは顕微鏡切片作製法により組織試料の組織切片にする。組織切片は脱脂後、染色し(例えば抗体又は色素)、組織形態を検査する。 2つの容器を備えた処理装置の模式図であり、それらの容器にはそれぞれ、組織試料を硬化させるための化学物質の混和物と、硬化した組織試料に含浸させるための溶融マトリクスが入っている。 容器を備えていない他の処理装置の模式図である。 組織を肉眼的検査(grossing)する機器の透視図である。 組織をスライスする前の図4の肉眼的検査機器の透視図である。 組織をスライス中の図4の肉眼的検査機器の透視図である。この図では組織が見えない。 組織をスライス中の図4の肉眼的検査機器の上面図である。この図では組織が見えない。 図7の肉眼的検査(grossing)装置のライン8−8における断面図であり、組織を固定してスライスしているところを示す。 肉眼的検査(grossing)ツールの透視図である。
固形組織の処理及び組織学的分析について、組織切片は顕微鏡下で拡大して検査するために約2μm〜10μmにする必要があるが、肉眼的検査用(grossing)ツールを用いて得られる新鮮組織の最も薄い薄片の厚みはその10倍以上である。このため、鏡検に適した組織切片を得るには、組織を硬化させてより薄い薄片を得ることが必要である(例えば、ミクロトームで薄片にする)。約0.6mmの厚みの試料は組織切片を約75片得るのに十分である。
組織ブロックの顕微鏡切片作製法では、様々な組織の種類について、常に一律の方法で、「破裂」させることなくウォーターバス中で浮遊させることができ、「クラックが入る」ことなく組織学的染色のためにスライドガラス上に置くことができる望ましいリボン状の(すなわち、一連の)組織切片を作製しなければならない。ミクトロームで切断した組織切片のそのような処理は、染色組織切片で観察する形態に基づいて効率的で信頼性のある組織学的診断を行うために必須である。欠けた組織切片部分や染色が不十分な組織切片部分があると、その部分の組織の形態に基づいた診断が遅れ、それにより診断の結論に対する信頼性が低くなる。従って、病理検査室において使用される方法及び装置は、常に効果的に行えるように、また、様々な組織の種類を処理でき、ブロック内に包埋でき、及び薄片にできるように、様々な疾患のための種々の診断の判断基準に適用させることができるように、並びに、貴重なサンプルの組織学的診断(すなわち、抗体又は色素で染色して可視化された組織形態)が、素早く正確に行えるように、確立されたプロトコールによる検証が必要である。本発明は、診断の不一致や診断の遅延がかなりの頻度で生じる凍結切片のかわりに、手術中の診断に使える明確な形態を有する「永久」切片を調製できるという利点を有する。
顕微鏡切片作製法実施中、不十分に処理された組織試料からは、リボン状の連続組織切片を形成することができず、切片は、ウォーターバス中に浮かせると破裂し、また、組織切片中にクラック(すなわち、損失部分)がある。顕微鏡切片作製法ではその後の組織学的分析中に形態(例えば、細胞構造及び組織構造)が保存される組織切片が得られるため、望ましい処理により得られたものにはこのような欠陥はない。一定しない結果(例えば、同じ組織試料から得た切片間で矛盾している形態、又は、一部の組織の種類では矛盾がないものの、その他の組織の種類では不十分)は、組織学的診断上望ましくない。
第一の実施態様では、組織試料の硬化は、ウィスパーリングギャラリー中で化学物質の混和物及びマイクロ波エネルギーと接触させることにより行ってもよい。硬化させた組織試料には、その後、減圧下で溶融マトリクス及び熱エネルギーと接触させることにより含浸させてもよい。組織試料の硬化は、常圧(例えば1バール)でマイクロ波エネルギーを用いて放射加熱して行ってもよい。化学物質の混和物は少なくとも1つのケトンと、少なくとも1つのオイル(すなわち、大気条件下で液体であり、動物、植物又は石油由来のアルカン)とを含んでもよい。化学物質の混和物は、さらに少なくとも1つの界面活性物質を含んでもよい。組織試料を硬化させる溶液は、アルコール、アルデヒド、キシレン、又はそれらの組み合わせを含まないことが好ましい。化学物質の混和物及び/又はマイクロ波エネルギーは、組織試料を固定してもよく、組織試料を脱水してもよく、組織試料を透徹してもよい。この組み合わせは、処理時間を短縮させることができ、及び/又は、組織形態学的検査に用いる組織の質を向上させることができる。組織試料の含浸は、常圧(1バール)よりも低い圧力下で、溶融マトリクスと、熱エネルギー(ジュール加熱)を用いて伝導加熱とに接触させることにより行い、組織試料から化学物質の混和物を除き、マトリクスを組織試料中に含浸させてもよい。減圧下では拡散が促進されることにより、また、組織試料中に存在する任意の溶媒の蒸発温度が低下することにより、含浸が促進される。マトリクスは、少なくとも1つのパラフィンワックス及び/又は他のワックス(すなわち、大気条件下で固体であり、動物、植物、又は石油由来のアルカン)を含んでもよく、脱気及び脱水されていてもよい。硬化した組織試料に含浸させる溶液は、鉱油、キシレン、又はその両方を含まないことが好ましい。組織試料の包埋は組織試料と溶融マトリクスブロックとをブロックを作製するための型に投入することにより行ってもよい。その後、ブロックは、冷却して(例えば、冷媒圧縮機又はペルチェ効果)凝固させてもよい。包埋した組織は、その後、ミクロトームで薄片にする。組織切片は水に浮かべて顕微鏡のスライドガラスに載せる。組織切片をスライドに載せた後、スライドからマトリクスを除去し、ガラスに接着した組織切片を残す。その後、スライドを染色し、カバーガラスを載せる。
第2の態様では、ウィスパーリングギャラリー内で、組織試料を化学物質の混和物及びマイクロ波エネルギーと接触させることにより硬化させて、減圧状態の容器中で、溶融マトリクス及び熱エネルギーと接触させることにより含浸させ、ブロックに包埋してもよい。マイクロ波エネルギー(例えば、マグネトロン、クライストロン、進行波管)又は熱エネルギー(例えば、抵抗加熱器又は熱ポンプ)が化学物質の混和物及び溶融マトリクス並びに組織試料のような他の内容物を加熱する。撹拌(例えば、エアレーション、減圧と加圧とのサイクル、振動など)により、溶液(例えば、化学物質の混和物又は溶融マトリクス)と組織試料との置換を促進させてもよい。次に、組織試料を、冷却ユニット(例えば、熱電冷却器又はガス冷却器)上でブロックに包埋する。組織ブロックは、組織学的検査(例えば、組織切片に特異的に結合した結合抗体や色素の顕微鏡下での検査)用に容易に切断できるように、冷却ユニットと接触させて凝固させてもよい。
組織調製の成功は、顕微鏡切片作製法実施中に、ブロックに包埋された組織から薄片を作ることが容易であることや、組織切片の組織検査中に形態が保存されることにより判明する。方法及び装置において操作を半オートメーション化することでもよいが、マイクロ波ユニットへの手動での移動と、マイクロ波ユニットと減圧ユニットとの間でのオートメーション化された移動とを含む(減圧ユニットの外への移動をオートメーション化してもよく、又は、取り出し場所を設けてもよい)、相互に流体連通した(例えば、溶液が流れるタイミング、速さ、及び方向を決定する制御回路を備えた、管若しくはパイプ、バルブ、及びポンプ)ウィスパーリングギャラリーと任意要素としての第1容器(又はチャンバー及び任意要素としての第2容器)との間で、化学物質の混和物(又は溶融マトリクス)を移動させてもよい。
組織試料は化学物質の混和物で硬化してもよく、この化学物質の混和物は、少なくとも1種類のケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)と、少なくとも1種類のオイル(例えば、鉱油、パイン油)と、を含む非水性溶液であってもよい。ケトン及びオイルの非水溶性溶液については、この2つの作用物質の体積比率を約12:1〜約6:1の間(ただし、この範囲の両極では、処理時間が異なるか、信頼性の低い結果となる可能性がある)としてもよく、約12:1より小さく、約11:1より小さく、若しくは約10:1より小さくしてもよく、また、約6:1より大きく、約7:1より大きく、若しくは約8:1より大きく、約9:1としてもよく、又はこれらの中間範囲(例えば、約10:1〜約8:1)としてもよい。化学物質の混和物は例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えばTWEEN80)、ジメチルスルホコハク酸ナトリウム、家庭用中性洗剤などの、硬化を早めることができる界面活性剤をさらに含んでもよい。化学物質の混和物は適切な酸及び塩基を使用して中和させてもよいが、酢酸は非水溶性溶液中に含める必要がない。
化学物質の混和物中で組織試料をインキュベートする場合、その時間は、約3分〜約6分でもよく、約3分より長く、約4より長く、若しくは約5分より長くてもよく、また、約4分より短く、約5分より短く、若しくは約6分より短くてもよく、又はこれらの中間範囲(例えば、約4分〜約5分)としてもよい。インキュベートする際の温度は、約40℃〜約60℃でもよく、45℃より高く、50℃より高く、55℃より高く、若しくは60℃より高くてもよく、また、約60℃より低く、約65℃より低く、約70℃より低く、約75℃より低くてもよく、又はこれらの中間範囲(例えば、約45℃〜約55℃)でもよい。
組織試料に溶融マトリクスを含浸させてもよく、この溶融マトリクスは少なくとも1種類のパラフィンワックスを含むワックス溶液でもよい。マトリクスは、商業用ワックス処方、異なる融点のワックスの混合物(ワックスは室温で固体であり、炭素鎖の長さに応じた融点を有するが、鉱油は室温で液体である)などが好ましい。1以上の添加物をさらに添加して、マトリクスの結晶化特性を変化させてもよい。溶融マトリクス中で組織試料をインキュベートする場合、インキュベートする時間は、約3分〜約6分でもよく、約3分より長く、約4分より長く、若しくは約5分より長くてもよく、また、約4分より短く、約5分より短く、若しくは約6分より短くてもよく、又はこれらの中間範囲(例えば、約4分〜約5分)としてもよい。このワックス溶液は、室温(例えば、約25℃より低温または約30℃より低温)で固体でもよく、約55℃より高い又は約60℃より高い温度で溶融状態でもよい。この温度は、約50℃〜約70℃、約50℃より高く、約55℃より高く、約60℃より高く、若しくは約65℃より高くてもよく、また、約65℃より低く、約70℃より低く、約75℃より低く、若しくは約80℃よりも低くてもよく、又はこれらの中間範囲(例えば、約55℃〜約65℃)でもよい。インキュベーションは減圧下で行うことが好ましい(例えば、約0.5バールより高圧、約0.6バールより高圧、若しくは約0.7バールより高圧でもよく、約0.7バールより低圧、約0.8バールより低圧、約0.9バールより低圧、若しくは約1バールより低圧でもよく、又は、これらの中間範囲でもよい)。
薄片する前に、含浸させた組織試料を同種のマトリクス中に包埋組織ブロックを形成してもよい。例えば、含浸させた組織試料は金属鋳型中に配置してもよく、溶融マトリクスをこの鋳型に注ぎ加え、組織ブロックを形成してもよく、組織ブロックは、切断用のミクロトームに取り付けられた台(例えば、前工程で使用したカセット又は識別情報を有する他の容器)に固定してもよい。ドライアイス上で、有機溶媒及びドライアイスの入った槽中で若しくは有機溶媒と液体窒素との混合物の入った槽中で、又は、圧縮された冷却剤若しくはペルチェ冷却源を備えた冷却ユニットの表面上で、鋳型を冷却することによって包埋を促進させてもよい。薄片にした後、約100℃より高い温度で溶解させることにより、マトリクス(固体となったもの)を取り出してもよい。
ウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバーは、次の部材の組み合わせを備えてもよい。周囲から隔離し及び内容物にアクセスできるように構成された蓋(例えば、マイクロ波放射及び/又は可視光を通さない材質);蓋とウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバーとの間に設けられ、前者(及び任意要素としての加熱した容器)の内部に化学ヒュームを封じ込め、及び/又は、後者の内部に減圧を維持するガスケット(例えば、ゴム製又はシリコン製);ウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバー内に熱を保つための断熱材;中の状態をモニターするための、少なくとも1の温度プローブ及び/又は圧力プローブ;ウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバー内の化学物質及び化学縮合から電子部品を隔離するためのシール;及び、少なくとも1つのプローブ及び/又はタイマーからの情報を受信する制御回路。同様に、加熱容器は、断熱材、少なくとも1つの温度プローブ及び/又は圧力プローブ、シール、及び、少なくとも1つのプローブ及び/又はタイマーからの情報を受信する制御回路の任意の組み合わせを備えてもよい。
好ましい実施形態では、化学物質の混和物は前もって混ぜて、使用前までボトル中に保存する。ボトルを開き、その内容物の少なくとも一部を(第1)容器の中に入れてこれを予備加熱し、組織試料を入れる前に第1モジュールのウィスパーリングギャラリー中に移し、(第1の)加熱した容器に戻して、組織試料を第2モジュールに(手動又は機械的に)移動させる前にウィスパーリングギャラリー内を空にする。固形マトリクスは第2モジュールのチャンバーの中で直接融解してもよい。あるいは、(第2の)加熱した容器中で融解した後に、このチャンバーの中に入れてもよい。化学物質の混和物は組織処理中に、(第1の)加熱した容器と第1モジュールのウィスパーリングギャラリーとの間で移動させてもよい。その一方、組織処理中に、溶融マトリクスを第2モジュールの反応チャンバー中に保持してもよい。一日の作業の最後に、化学物質の混和物はボトル内に戻してもよく、溶融マトリクスは第2容器中に戻してもよく、その後、これらを安全に処分するか又は再利用のために保存してもよい。
また、単一ユニット中にマイクロ波及び減圧機能の両方を備えているモジュールの中で、単一の反応チャンバーを使用してもよい。連続的に、化学物質の混和物と溶融マトリクスを、別々の第1容器と第2容器それぞれから、共通の反応チャンバー内に移動させ、そこから更に再度容器に戻してもよい。
このような装置は手動で操作するものでも、オートメーション化されているものでもよい(すなわち、モジュール間での組織試料の機械的移動機構を用いた移動)。装置は、さらに、投入ステーション及び/又は取り出しステーションをさらに備えてもよい。組織試料を装置の中に投入し、バッチごとに又は個々の試料ごとに処理してもよい。組織試料は投入ステーションから装置に入れてもよく、組織試料を回収できる取り出しステーションで装置から出してもよい。制御回路(例えばコンピューター及びそのプログラム)は、組織試料を装置内で移動させるため、操作中の反応モジュールへのアクセスを防ぐため、1以上の反応パラメーター(例えば、方法における、時間、温度、圧力、又は溶液量)を変更するため、又はこれらの組み合わせに使用することができる。
組織試料は固形ブロックであり、これは約1ミクロン〜約50ミクロン、又は約2ミクロン〜約10ミクロンの組織試料を作製するためにミクロトームに載せることができる。組織試料には、さらに、組織化学的染色、抗体結合、切片上での核酸ハイブリダイゼーション若しくは増幅のための処理又はこれらの組み合わせの処理を施してもよい。例えば、ガラスに接着した組織切片の大半は、約100℃より高い温度に加熱して、固形マトリクスを溶融することができる。その溶融マトリクスを除去し、ガラス上の残りの組織切片を抗体又は色素で染色し、顕微鏡下で拡大して可視化する。しかし、処理した組織試料を検査するために、細胞特性検出用の他の技術を使用することもできる(例えば、フラグメントのフィンガープリント、分画及びブロッティング、配列決定)。組織ブロックは、保存記録目的又は遡及研究のために保存してもよい。
細胞形質(例えば、細胞特異的抗体に対する反応性、化学的染色)は、固形マトリクスを除去(例えば脱ワックス)し、また、組織を分析(例えば、タンパク質消化や機械的脱凝集)することによって解析できる。それぞれの細胞は、スプレー状に分離し、フローサイトメーターで分析できる。あるいは、脱ワックスした組織試料を顕微鏡ステージ上に載せ、レーザー及び/又はマイクロマニピュレーターで実質的に均一な細胞集団に分離して、物理的技術、化学的技術、又は遺伝子的技術により様々な種類の細胞を分析してもよい。
本発明は、処理した組織を、核酸、DNA又はRNAの調製に用いることができる。従って、臨床病理研究室で日常的に採取される組織試料に対する遺伝的研究が可能である。これらの技術を組み合わせた力は大きい。染色(例えば、特異的抗体又は色素)して組織切片を分析し、また、遺伝子分析のために、近接する組織切片から核酸を調製することによって、組織学的知見を遺伝学に関連づけることができる。例えば、同一組織切片の疾患領域と正常領域を比較して遺伝学的相違(例えば、変異、転写レベル)を検出することができ、疾患の進行は複数時点で採取したサンプル間の遺伝学的相違を比較することによって特徴づけることができ、腫瘍の進展は原発性癌から転移癌の遺伝学的相違の蓄積を追跡することによって評価できる。フローサイトメーターや顕微解剖で細胞切片から細胞を選別することにより、実質的に均一な細胞や、単に分離した細胞を得ることができる。
変異が生殖細胞系列にあれば疾患の遺伝的素因を追跡するために使用でき、変異が体細胞にあれば疾患発症の遺伝的変化を測定するために使用できる。疾患は、代謝疾患、神経性疾患、悪性腫瘍、発生異常又は感染病原体が原因のものでもよい。本発明は、遺伝学的分析用材料を単純な手段と室温貯蔵により保存する。in situハイブリダイゼーションにより分析してもよく、又は組織から核酸を抽出してもよい。
ヘマトキシリンエオシン染色は、組織学的研究において一般的に使用され、他の病理診断医が比較する際の標準と考えられる。加えて、Thompson(Selected Histochemical and Histopathological Methods, C.C. Thomas, Springfield, Illinois, 1966)、Sheehan and Hrapchak (Theory and Practice of Histotechnology, C.V. Mosby, St. Louis, Missouri, 1973)、及びBancroft and Stevens (Theory and Practice of Histological Techniques, Churchill Livingstone, New York, New York, 1982)などの一般的な参考文献に記載されているような、三色染色、レチクリン染色、ムチカルミン染色、及びエラスチカ染色を含む他の染色を使用してもよい。このような染色手法は30分〜数時間で完了することができるが、たった5分しかかからない迅速な染色手法がFisher Scientific から利用可能である。
固形組織は外科生検又は外科切除により採取できる。がんの手術中に染色した組織切片から病理学的診断ができるため、患者が手術室から出る前に使用できる情報を外科医に提供できる(すなわち、手術中の診断)。例えば、病理診断医からがんが切除組織のみにとどまっていると指摘があれば、外科医は治療に保守的になることができ、周辺の健康な組織を温存することができる。あるいは、がんが摘出された臓器にとどまらないことを病理診断医により見い出されれば、患者が手術室にまだいる間に、外科医はより積極的な外科的治療を行うことができる。従来の凍結切片の組織学的検査に比べて、新鮮試料の超迅速診断用調製法は、より優れた組織形態を有する組織切片を提供することができ、凍結切片を得た組織と同一組織のパラフィン切片での後日調査の確認の必要性が低減する。
処理できる例示的組織は、虫垂、膀胱、骨、腸、脳、乳房、がん、子宮頚部(扁平上皮)、胆嚢、心臓、腎臓、肝臓、肺、卵巣、耳下腺、胎盤、前立腺、皮膚、脾臓、精巣、甲状腺、扁桃腺、子宮(子宮筋及び子宮内膜)が含まれる。リンパ細網組織及び脂肪組織も処理できる。石灰化した組織は、本方法による処理の前に脱灰することが必要となりうる。後続する分析は、DNA変異及びRNA発現の検出、ゲノム分析、組織化学、免疫化学、及びプロテオミクス解析が含まれる。
組織切片に対して、さらに抗原回収及び/又は保存のための処理をさらに行ってもよい。非特異的結合部位をブロックし、抗原を特異的抗体(すなわち、一次抗体)に結合させ、結合していない特異的抗体は除去する。抗原はタンパク質、炭水化物又はガングリオシドでもよく、抗原決定基は、直鎖又は非直鎖アミノ酸、糖、他の修飾、又はこれらの組み合わせでもよい。抗体をプローブやシグナル発生成分で標識する場合、一次抗体を直接的に検出してもよいが、一次抗体に特異的に結合する増幅物(例えば、二次抗体)にプローブを結合させることが好ましい。二次抗体は、一次抗体の重鎖又は軽鎖定常部に対して作製することができる。各一次抗体は複数の二次抗体に結合するため、抗原抗体結合により生じるシグナルを増幅することができる。ビオチン−ストレプトアビジンなどの他の特異的相互作用を介して増幅してもよい。抗体結合を少量で行い、高額な試薬の使用量を減らすことができ、また、高い結合比率を維持することができる。なお、加湿チャンバー内でインキュベーションすることによりこの少量の蒸発を抑制することができる。シグナル発生成分は組織中に本来存在しない酵素が好ましい。例えば、アルカリホスファターゼ及びセイヨウワサビペルオキシダーゼを、2次抗体に付着させてもよく、又は、ストレプトアビジンに結合させてもよい。視覚的に検知可能な発色生成物、経口生成物又は発光生成物をこのような酵素の基質として使用することができる。
抗体の染色パターンを使用すれば、対比染色により明らかになる細胞構造を背景として、抗体の発現を局在化させることができる。抗原の発現により、細胞や組織の種類、発生段階、がん予後マーカー、変性代謝プロセス、又は病原体による感染を確認することができる。
抗原抗体結合は、落射蛍光顕微鏡、オートジオグラフィー、又は電子顕微鏡により、蛍光プローブ、放射性プローブ、又はコロイド金属プローブで可視化してもよい。遺伝子変異又は転写物を同定するために、同様のプローブを使用して切片上でハイブリダイゼーションをして組織切片中の核酸を検出してもよい。あるいは、核酸(DNA又はRNA)を組織切片から抽出して、ブロッティングによって直接解析してもよく、又は、さらなる遺伝子的分析の前に増幅してもよい。
組織調製法には、他のモジュールを使用してもよく、それは(i)新鮮組織から組織試料を作製するための肉眼的検査(grossing)モジュール、(ii)マトリクス包埋組織試料及びその組織切片のブロックを作成するための、包埋および切断モジュール、(iii)組織切片を載せたスライドを得るための、顕微鏡切片作製法、染色、及びカバーガラスモジュール、(iv)組織切片に関する組織化学的シグナル及び/又は免疫化学的シグナルを可視化するための発色モジュール、(v)組織切片の細胞を実質的に均一な集団に分離する顕微解剖モジュール、(vi)スライド上の組織切片をスキャンし、顕微鏡を通して可視化されたシグナルをデジタル化し、その後、それらの画像を操作し、保存し、及び送信する、イメージングモジュール、及びこれらの任意の組み合わせである。組織は、特に、選別した後及び/又は実質的に均一な集団に分離した後には、そのDNA又はRNA配列、遺伝子の変異、遺伝子の発現レベル又はパターンの変化、タンパク発現のレベル又はパターンの変化、及び、これらの組み合わせにより分析してもよい。装置の統合およびデータの管理は、英数字、バーコード、近接場型識別若しくは無線自動識別、又はその他のラベル付けで各組織試料やその容器を特定することにより容易になる。同一又は異なるラベルを使って、一連の機械的装置を通過するように特定の組織試料を識別することができる。ラベル及びその他の組織試料についての情報(例えば、患者名、日付、施設内の場所、疾患又は他の病態、組織の種類、診断、形質、遺伝子型、ゲノム、又は、プロテオミクスの特徴)は、当該データの保存用、操作用、又は検索用に、データベース管理システムに入力できる。データベース内のこれらの情報を検索して、統計的基準に基づいて、相関関係があること又は相関関係がないことを証明でき、またさらなる調査を提案できる。
本方法の第1工程は、手術室、病理検査室、又はその他の場所で行うことができ、超迅速診断用組織調製法に適した組織サンプルを用意する工程である。これ以降の工程は、患者の体外(ex vivo)で行い、好ましくは、患者がいない場所で行う。通常は、肉眼的検査(grossing)では、標的の組織の薄片を用意する。あるいは、極薄片又は針状片をバイオプシーで得てもよい。固形組織については、最少寸法(すなわち、厚み)で測定して、約0.4mm〜約0.8mm、より好ましくは約0.5mm〜約0.7mm、最も好ましくは約0.6mmの組織試料を肉眼的検査(grossing)で用意して、試料を調製する。化学物質の混和物に接触させて固形組織を肉眼的検査(grossing)することにより、硬化させ始めてもよいが、完全には硬化させないことが好ましい。肉眼的検査(grossing)の工程は、約5秒〜約5分、約1分より長く、約2分より長く、若しくは約3分より長くてもよく、また、約3分より短く、約4分より短く、若しくは約5分よりも短くてもよく、又は、これらの中間範囲(例えば、約10秒〜約3分)でもよい。例えば、患者の臓器の摘出物は、化学物質の混和物の入った肉眼的検査(grossing)台の組織を入れる窪みに置き、組織を窪みの底表で支えてもよい。処理する組織試料は、台の上面の金属の柵に沿った刃により、実質的に均一な厚みに切断してもよく、窪みの上面と実質的に平行でもよく、これと同時に、任意に化学物質の混和物と接触させて硬化させ始めることにより薄く切りやすくしてもよい。肉眼的検査(grossing)の後、組織試料は、ブロックに包埋して切片にできる状態にするまでの後続する処理中に入れておくカセット又は他の容器内に置く。ブロックは冷却して凝固させてマイクロトームで切断し易くする。あるいは、好適な厚みの組織試料は、肉眼的検査(grossing)のかわりに、套管針(例えば、バイオブシー用)で、組織をくりぬいたり、切り取ったりすることにより用意でき、その後、カセットや他の容器内に置く。手作業による処理が好ましいが、カセットは取り扱いを容易にするため、担体やかごの中に置いてもよい。次に、カセットや容器を化学物質の混和物の中に置くが、手作業により置くことが好ましい。
WO01/96830又はWO2010/027430で記載されているように、処理時間を短縮するために、肉眼的検査用(grossing)台の上で組織サンプルの厚みを薄くして組織試料を用意することが望ましい。実質的に均一な厚みに切断するために組織サンプルを載置するこの肉眼的検査用(grossing)台の窪みには組織処理に使用するような化学物質の混和物が入っている(実施例3を参照)。簡便のため、同じ化学物質の混和物を肉眼的検査(grossing)及び硬化に使用することが好ましい。
組織試料、カセット又は容器は、化学物質の混和物に浸し、組織試料を硬化させ、それと同時に、マイクロ波エネルギーで加熱し、また、撹拌してもよい。1種類の化学物質の混和物を使用できるので、単一のマイクロ波ユニットのみが必要になる。処理を複数サイクル行う間、硬化溶液は、ウィスパーリングギャラリー内に残しておいてもよく、又は、ウィスパーリングギャラリーと容器との間で所定の時間間隔で移動させてもよい(例えば、硬化サイクルごとに、全ての組織試料を処理したときに又は1日の最後の手術後に、容器に戻す)。試料の担体又は組織試料の入ったカセットは、各反応チャンバー間を手動で又はアーム若しくは搬路移送により移動させることが好ましい。
処理を速めるための撹拌をするために、化学物質の混和物又は溶融マトリクスにエアレーションをしてもよい。空気によるより均一な撹拌をするために、ウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバーの底部にその大部分にわたって散気板を設けこれを使用して、溶液の全体積を均一にエアレーションすることができる。加圧及び減圧(P/V)のサイクルを生じさせる(例えば、加圧、不完全減圧に減圧、そして再度加圧という操作をそれぞれ数秒間行う)又は、ウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバーに溶液をポンピングにより出し入れする(例えば、溶液を全体に循環させる)こと、又はP/Vサイクルを使用することによっても撹拌できる。
好ましい実施形態では、組織試料を調製するための装置は、任意要素としての肉眼的検査(grossing)ユニット、マイクロ波ユニット、減圧ユニット、及び任意要素としての冷却ユニットという、3又は4の別々のモジュールに限定することができる。固形の新鮮サンプルの肉眼的検査(grossing)は、硬化を開始させる化学物質の混和物と接触させ、そして、実質的に均一な厚みにスライスすることによって、1以上の組織試料を用意できる。組織試料は、マイクロ波ユニット中で同一又は異なる化学物質の混和物及びマイクロ波エネルギーと接触させて完全に硬化させる。硬化した組織試料は、次に、溶融マトリクス及びサーマルヒートに接触させて減圧ユニットでの含浸が開始する。処理は、ウィスパーリングギャラリー(例えば、マイクロ波ユニット)又はシリンダー(例えば、減圧ユニット)として形成された内部を有する反応チャンバー(蒸留器又は容器としても知られている)内で行う。マイクロ波ユニット及び1つの減圧ユニットが必要であり、また、これらは同じユニット中に一本化させてもよい。その中での撹拌は、溶液中に、エアレーション、振動若しくはバイブレーションを発生させるか、超音波エネルギーを伝達できる、機械装置により提供することができる。あるいは、ポンプをP/Vサイクルを用いた撹拌又は溶液の循環に使用してもよい。硬化、含浸後の組織をブロックに包埋するには、型にいれて成形(更に溶融マトリクスを加える)すればよい。組織ブロックは、組織ブロックから熱エネルギーを伝達する表面に接触させて、任意要素としての冷却ユニット上で凝固させることができる。
マイクロ波ユニットは、(i)マイクロ波エネルギー源(例えば、空洞共振器と、マイクロ波エネルギーを発生源からウィスパーリングギャラリーに伝える任意要素としての導波管とを有する、回路であり、その寸法や形状はこの目的に適するように設定される)と、(ii)伝達されたマイクロ波エネルギーを受け、硬化による組織試料の処理に適するように設計されているウィスパーリングギャラリーと、を有してもよい。ウィスパーリングギャラリーには、複数の様々な試料を入れてもよい。ウィスパーリングギャラリーの内部形状は、マイクロ波エネルギーの分散と内容物の加熱とが均一に行われるように構成されていることが好ましい。均一性は、主として、2つの因子を検討することによって得られる。
第一に、ウィスパーリングギャラリーの周囲長は、内部の放射の半波長の整数倍になるように設定する。導波管のウィスパーリングギャラリーへの入口を適切に配置すると、外壁のまわりに伝搬するようなモードが励起する。この種類のモードは、マイクロ波フィールドが主に外壁の近くに存在することにより特徴づけられる。音響効果においても同様の現象が生じ、音波は堅い壁に隣接して非常に効果的に伝わる。これらのタイプのモードは、ウィスパーリングギャラリーモードといわれる。
第二の検討事項は、ウィスパーリングギャラリー内の溶液の境界域とウィスパーリングギャラリーの壁との間の半径方向距離である。最適スペースは、そのスペースを変更することにより実験的に決定する。スペースが狭すぎる場合は、マイクロ波エネルギーは反応チャンバーへの入口の近くで吸収される。スペースが広すぎる場合は、ウィスパーリングギャラリーは共振空洞となり、中の化学物質の混和物及び固形物(例えば、試料、カセット、又は担体)の量に影響を受ける。適切なスペースであれば、広範囲にわたる内容物の高さで、溶液及び固形物の効果的な加熱が可能となる。内容物の高さは、ウィスパーリングギャラリーの外に設けたレベル検出器で測定する(すなわち、その中の容積)。全長(すなわち、全容積)のわずか10%でも、内容物を効果的に加熱できる。
同様に、発生源と導波管は、マイクロ波エネルギーの伝達中のエネルギーの損失を最小限にするように構成する。マイクロ波ユニットは、発生源からウィスパーリングギャラリーまでで、エネルギー損失が約2%以下となるような導波管で構成する。エネルギー損失がこれより高ければ、マイクロ波エネルギーの発生源に対する、高額な遮蔽物や他の保護デバイスの使用が必要となりうる。
加熱は、循環させる電力を約10〜25秒のサイクルでオン−オフすることにより制御してもよい。というのも、最低時間は、マイクロ波源の陰極の加熱特性により必要となるためである。しかし、この方法では組織を焦がしうるため、マイクロ波源から反応チャンバーに対して供給される電力を連続して変動できるように、様々な電流源で加熱を調整してもよい。このような燃焼や老煮があれば、細胞の特性の区別なく、組織構造を均一に染色すると典型的に表れる。後者は、最大出力電力を低下させることが好ましい。マイクロ波ユニットは、反応チャンバー内に嵌合し、少なくとも1つの組織試料を受容するように適合された容器(例えば、かご)と;反応チャンバー内の状態をモニターするための少なくとも1つの温度プローブ及び/又は圧力プローブ;発生源より送られ、、導波管を通じて伝達され、及び/又は反応チャンバーにより受容されるマイクロ波エネルギーをモニターするための1つ以上のエネルギープローブと;反応チャンバーに嵌合し、作業者の周囲の環境から反応チャンバーを隔離するのに適合した蓋と;反応チャンバーの熱を保つための断熱材と;反応チャンバー内で化学物質から電子部品を隔離するための遮蔽物と;そして少なくとも1つのプローブ又はタイマーから入力を受信し、それにより発生源から導波管を通じて伝達され、及び/又は反応チャンバー内で受信する、少なくとも1つのマイクロ波エネルギーを調整するための制御回路;のいずれかの組み合わせをさらに有してもよい。容器は、マイクロ波放射エネルギーに対して透過性であり、そして従って、エネルギーが容器の加熱に消費されないものが好ましい。
減圧シールに使用する素材は、反応チャンバー又は容器を密閉して外部環境から隔離でき、蓋との密着性を確保するための展延性を有し、及び本方法の溶液に対する化学的な耐性を有する能力について選ぶことができる。反応チャンバー又は容器を(i)蒸発を低減させるための蓋及びガスケット/シール、及び(ii)断熱材により改良することにより、マイクロ波ユニット又は減圧ユニットを制御するために必要となる電力を半分又は3分の1に低減できる。
モジュールは同じスペースを使用することができ、及び/又は組織試料を固定しておくことができる。本方法において、マイクロ波エネルギー又は熱エネルギーを制御して、同じスペース中に、又は固定した組織試料上に時間を異にして伝達させることができる。化学溶液及び/又はガスは、同じスペースの内外に移動してもよく、又は、固定した組織試料に接触するか若しくは固定した組織試料と接触しないかのいずれかでもよい。2つの反応チャンバーを使用することにより、装置に必要なスペースを最小限にし、そして、別々の貯蔵場所及び/又は廃棄チャンバーからの配管又はパイプ形成により反応チャンバー内に種々の化学組成物を移すことが好ましい。制御装置は、反応チャンバーからの入力及び/又は処理サイクルのその部分のタイミングの入力を受信でき、それにより種々の化学組成物の移動を制御できる。
反応チャンバー内外に種々の溶液を移動することと、種々の溶液を含有する反応チャンバー間でかごを移動することとは、処理工程の変化をもたらしうる。反応チャンバーの内側上部にかごを数秒間保持すると、かごを移動させる前に、底部及び/又は側部の1以上の開口部を通じて、余分な溶液を流し戻すことができる。このように、組織処理用化学物質の特定の組成物を各々含有する反応チャンバーの間でかごを移動させる流れと、各反応チャンバーの中でかごをインキュベートする時間が、本発明による方法を成し遂げるために必要とされる一連の化学反応に影響する。
蓋は取り外し可能であり、ガスケットはその蓋に取り付けて蓋と共に移動させることができる。蓋及びガスケットを取り外す手順は、組織試料の入っている現在のユニットと、組織試料がその後移動する次のユニットとの両方で行う。その後かごを取り出して、かご及びカセットの内部に含まれる可能性のある残存する化学物質の混和物を反応チャンバーの中に数秒間流し戻し、そして、かごは溶融マトリクスの入った次の反応チャンバーに移動させてもよい。残存する溶液量は最少であるため、配管/パイプ形成のフラッシュ及び反応チャンバーのクリーニングは必要ない。最後に、蓋及びガスケットを戻す。かような輸送にかかる総使用時間は約1分である。
本発明によれば、上記の実施態様に対する変更が予想される。組織処理装置の様々な構成が可能であり、任意のモジュールを接続して本装置の一部を形成してもよい。選択される具体的な構成は、臨床研究室で1日に処理する平均組織試料数及び/又は組織学報告書又は病理報告書を作成すべき速度により決定すればよい。
装置は手動で操作することも、オートメーション化することもできる。手動操作は特に単一の組織試料又は少数の組織試料を迅速に処理する施設に適している。オートメーション化された装置は、組織試料を機械的輸送(例えば、ロボットアーム、ベルトやローラーが形成された搬路)により輸送してもよく、及び/又は、化学組成物を耐腐食性の配管で移動させてもよい。従って、組織試料を特定の流れの中で、固定モジュール間を移動させることにより、モジュールに種々の化学物質を充填し、そして空にし、それにより固定した組織試料を特定の流れの中でインキュベートすることにより、又はこれらを組み合わせて、処理を自動化してもよい。組織処理のパラメーター(例えば、システムの起動及び終了、組織試料数のロード又はアンロード、反応時間などの条件、装置での組織試料の進行状況)を制御するプログラムをスクリーン上でモニターしてもよく;組織処理パラメーター(例えば、1以上の組織試料を反応チャンバー内に約2、3、4、5、6又は7分間、約2〜約7分、又はこれらの間の任意の中間範囲の間の処理)は、あらかじめ設定するか作業者がキー操作部で選択してもよい。
アーム輸送は、例えば、ハサミ状の機構を有する1以上の組織試料を含有する担体を把持したり、また、鈎状デバイスで組織試料を捕捉したりすることができる。アームは、ヒトに似た動作を行うよう調製することもでき;または、線形または二次元の動き、そして場合により装置上のアームの高さを変化させることによって別の次元の動きにより、固定された連動ラックに装着してもよい。搬路移送は、弾性または粘着性の材料から作製し、1又は複数の組織試料を含有する担体を搬路上に摩擦によって固着させてもよく;または規則的な一連の出っ張りまたは壁を設けて、その間に担体を嵌めるようにしてもよい。搬路は、連続したベルト又は一連のベルトとして形成して組織試料を輸送することができ、このベルトは、ローラーまたはスプロケット機構で作動させてもよい。担体は、それぞれが単一の組織試料を含有する複数のカセットを含有するかごであってもよく、アームにより把持されるステム(ノブはあってもなくてもよい)またはアームにより捕捉されるループを設けることによって、又は、搬路の溝または窪みに嵌まるようにすることによって、輸送に適合させる。あるいは、担体が1つ以上の組織試料を担持して(例えば1つのカセット)、アーム又は搬路移送に適合させてもよい。
作業者によるリアルタイムのコマンド又はコンピュータのメモリーに保存されているプログラムの選択によって、電気モーターおよびコントローラーを使用して、組織試料を運搬してもよい。各モジュール中で組織試料により費やされる時間をコントロールする単純な機構としては、組織試料又はその担体を一定の速度で移動させ、各モジュールを通過する経路の長さを調整して、所望のインキュベーション時間を確保することが挙げられる。
可撓性の管又は硬質パイプ、及び他の配管用部品は、化学物質に対して耐性の材料(例えば、ガラス、ステンレス鋼、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル)から製造して腐食を予防する必要がある。コントローラーおよびポンプ/弁を使用して、作業者によるリアルタイムのコマンドまたはコンピュータのメモリーに保存されているプログラムの選択によって、化学組成物(例えば、化学物質の混和物及び/又は溶融マトリクス)を、保存チャンバーから反応チャンバーへ、また組成物が再使用可能な場合には、反応チャンバーから保存チャンバーへ、そして組成物を装置からフラッシュすべき場合には、反応チャンバーから廃液チャンバーへ輸送することができ;また、保存室にチャンバーを充填し;そして廃液チャンバーをフラッシュしたりしてもよい。ガスシール及び/又は冷却は、装置の機械的部品や電子部品を化学物質の混和物の腐食性ガスから隔離するために必要となりうる。加熱容器及び加熱配管用部品は、組成物を反応温度に維持するため、又は、溶融マトリクスを輸送可能な液体状態に保つことを確実にするために必要となりうる。
本明細書で引用する特許、特許出願、および他の刊行物は、いずれも、本明細書に引用することをもって、本明細書にその全体を組み込む。
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであって、本発明の実施が、これらの実施例のいずれかによって制限されることはない。
実施例1
新鮮(すなわち、凍結されておらず、あらかじめ固定されてもいない)組織は、約0.6mm(例えば、約0.4mm〜約0.8mm)の実質的に均一な厚みで肉眼的検査(gross)し、1以上の処理用組織試料を用意した。固形組織を切断しながら、肉眼的検査(grossing)中、処理に使用する化学物質の混和物(下記参照)と同一であっても又は異なっていてもよい化学物質の混和物に新鮮組織を接触させることにより硬化させ始めることが好ましい。様々な種々の残余組織及び疾患を有する皮膚、肺、脾臓、肝臓、子宮、胎盤、腸、卵巣、癌(例えば、乳癌、腎癌、及び精巣癌)、肉腫、及び平滑筋腫から採取した新鮮サンプルを新規の方法により永久切片として調製した。
組織試料は約90%(V/V)アセトン、約10%(V/V)鉱油、及び約0.1%(V/V)ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する化学物質の混和物中で処理した。2つの主要成分は3.8Lの容量で混和し、これに対して5mlのDMSOを加えた。組織試料は、この化学物質の混和物中で約50℃にて約4〜5分間インキュベートした;化学物質の混和物を撹拌(例えばエアレーション)することによって溶液置換を促進させた。組織試料及び化学物質の混和物はいずれもマイクロ波エネルギーで加熱した。
組織試料は、硬化させた後、減圧下(約640mmHg)で約62℃の温度にて約4〜5分間溶融パラフィン中で含浸させた。溶融パラフィンをP/Vサイクルで撹拌することにより含浸を促進させた。約8〜10分の総処理時間の経過後、組織試料を溶融パラフィンに包埋した。硬化させ初めに含浸させている組織試料および溶融パラフィンは、金属鋳型中に投入し、その後、ドライアイス(約−78℃)に約1〜3分間接触させた。組織試料を含有する凝固したブロックは、ミクロトームで切断し、組織切片を液体上に浮遊させ、スライドガラス上に連続切片として集め、そして、パラフィンワックスをオーブン(約104℃)中で溶かして除去した。脱ワックスした試料は、引き継ぐ組織学的分析(例えば、染色及びカバーガラス)、化学的分析(例えば、抽出や少なくとも部分的精製による、組織切片またはその一部からのタンパク質、DNA、又はRNAの単離)にすぐに利用でき、又は室温で安定的に貯蔵された。
実施例2
組織処理は、本発明の一実施形態を用いて(図2に示す)次のように行うことができる。マイクロ波ユニット内で、化学物質の混和物及びマイクロ波エネルギーを、ウィスパーリングギャラリーとして形成された内部を有するチャンバー内の組織試料に接触させ、組織試料を硬化させた。放射線源Mは、硬化モジュール中にマイクロ波エネルギーを供給する。マイクロ波ユニット中の撹拌はエアレーションにより行うことができる(ポンプBP)。バルブ、レベルセンサー、及びポンプLPにより制御されたラインを使用することにより、化学物質の混和物はその容器とそのチャンバーとの間を移動させることができる。減圧ユニット内では、含浸チャンバー内で、硬化した組織試料が溶融マトリクス及び熱エネルギーに減圧(ポンプAP)下で接触する。ジュール加熱源Hは含浸モジュール内に熱エネルギーを送る。同じポンプAPを使用してP/Vサイクリングにより減圧ユニット中で撹拌することができ、ポンプAPは、バルブ及びレベルセンサーによって制御するラインを通じて溶融マトリクスをそのチャンバーとその容器との間で移動させることもできる。組織試料のユニット内へ又はユニット外への輸送は、手作業により行ってもよく、オートメーション化されていてもよい。マイクロ波ユニットと減圧ユニットとの間の輸送はオートメーション化されていることが好ましい。冷却ユニット内では、硬化させ、含浸させた試料を型中に入れ、固形マトリクスのブロックが形成されるまで伝熱面に接触させて凝固させる。包埋モジュール内で、ペルチェ冷却源Cにより型から放熱させる。
化学物質の混和物は手作業により又は自動的に硬化モジュールに輸送し、パラフィンペレットを含浸モジュールに加える。化学物質の混和物はあらかじめ温め、パラフィンは組織試料の処理前に溶融する。必要であれば、溶液を輸送するために減圧にするか圧力を上げる。ウィスパーリングギャラリー2又は反応チャンバー3内の溶液をそれぞれ気泡(ポンプBP)又はP/Vサイクリング(ポンプAP)により撹拌する。場合により空気圧を使用して溶液を容器からマイクロ波ユニットのウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバーに輸送することができる。液体連絡(例えば、可撓性配管)や装置の種々の構成要素をつなぐポートを使用して、ポンプLP及び電磁弁を使用して第1容器とウィスパーリングギャラリーとの間で溶液を輸送できる。マイクロ波ユニット内での処理(例えば、硬化及び最初の含浸)は大気圧下で行うことができるため、減圧ユニット内での含浸だけはエアポンプで圧力を低減させることが必要である。
溶液及び反応チャンバーは、適切な作業温度にまで温める。例えば、化学物質の混和物は、ウィスパーリングギャラリー2内に輸送する前に、マイクロ波ユニットの第1容器1内の電熱器であらかじめ温めることができ、反応チャンバー3に溶融マトリクスを輸送する前に固形マトリクスを減圧ユニットの第2容器4内において熱エネルギー(例えば、ジュール加熱源)により溶融する。典型的には、(1日の)作業の最初に容器からそのような輸送を行い、そして、(1日の)作業の終わりに容器に戻すという輸送を行う。化学物質の混和物の温度をマイクロ波ユニット中でマイクロ波加熱源Mにより約50℃に保ち;放射加熱源Rによって減圧ユニット中で溶融マトリクスの温度を約62℃に保つ。(i)第1容器1とウィスパーリングギャラリー2との間又は(ii)第2容器4とチャンバー3との間の管及びバルブでは、双方向の液体連通をもたらす。化学物質の混和物用及び溶融マトリクス用それぞれの容器1及び容器4は分かれている。マイクロ波ユニット又は減圧ユニット中の溶液及び/又はかごの存否は、溶液の容量又は変位量を検出するための1つ以上のレベルセンサーを使用して測定することができる。
カセットに納めた組織試料の入った孔を有するかごを投入する。投入ステーションはオプションであり、そのため投入ステーション(有る場合)の空の反応チャンバー内にかごを置き、そして、輸送機構により機械的にウィスパーリングギャラリー2に移動させる。しかし、かごをウィスパーリングギャラリー2に手動で移動させるのが好ましい(すなわち投入ステーションが無い)。化学物質の混和物の入ったウィスパーリングギャラリー2は、マイクロ波エネルギーで加熱する。輸送機構は、かごを取り外し可能なフックを備えたロボットアームが好ましい;取り換え可能な吸収性の裏地を有する受け皿が、ロボットアーム及び回転台にかごの下で取り付けられており、化学物質の混和物又は溶融マトリクスの液滴を受ける(図示せず)。蓋はウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバーにヒンジで取り付けられており;また、各蓋はウィスパーリングギャラリー又は反応チャンバーとゴム製ガスケットにより気密に取り付けられ、電気モーターで駆動する鎖によって開閉する(図示せず)。ウィスパーリングギャラリー2と反応チャンバー3との間では、かごを自動的に移動させることが好ましい。最後に、組織処理が完了したら、投入したかごを反応チャンバー3から移動させる。取り出しステーションはオプションであり、取り出しステーション(ある場合)の空の反応チャンバー内にかごを置くことができる。かごをステーション間で移動させるのに要する時間は、約10秒未満である。組織カセットは、引き続いて行う顕微鏡切片作製法及び染色の処理後、かごから取り出すことができる(図1を参照)。
実施例1中に記載の方法は、本装置により行うことができる。組織試料を入れたかごをマイクロ波ユニットに入れる前に、あらかじめ温めた化学混合物を第1容器1からウィスパーリングギャラリー2に移動させる。同様に、組織試料を入れたかごを減圧ユニットに入れる前に、溶融マトリクスを第2容器4からチャンバー3に移動させる。かごは、ウィスパーリングギャラリー2内に移動させ、組織試料を化学物質の混和物と接触させ、ウィスパーリングギャラリーの蓋を閉じ、1以上の組織試料を、マイクロ波放射の影響下で硬化させ続ける。インキュベーションを終えたら(すなわち、組織試料が適度に硬化したら)、蓋を開き、かごを溶融マトリクスの入った反応チャンバー3に移動させ、その中で組織試料の処理が終わるまでインキュベートする。
溶融マトリクス入りの反応チャンバー3をジュール加熱源で伝導的に加熱する。あるいは、マトリクスに接触させた管内の循環水の温度を電熱器で保ち、マトリクスの溶融状態を保つ。例えば、反応チャンバー3の内部で管をらせん状にすればよい。この加熱用のらせん状の管は熱を管内の内容物に伝える。この加熱用のらせん状の管は、反応チャンバーの内容物の中に壁を介して熱を発生させる電線で反応チャンバーの外壁を巻くことにより、なくすことが好ましい。減圧ユニット内での撹拌は、標準圧力の0.35Kg/cmと500mmHgの減圧とのP/Vサイクルで行えばよい。
硬化させ、含浸させ始めた組織試料を溶融マトリクスの入った型5中に投入する。そして、これらを入れた型を、ペルチェ冷却源で伝導的に冷却している表面6を有する冷却ユニットに接触させる。冷却ユニットは、マイクロ波ユニットや減圧ユニットと同じ装置内に設置してもよく、同じ装置内に設置しなくてもよい。同様に、肉眼的検査(grossing)ユニット(図示せず)は、マイクロ波ユニットや減圧ユニットと同じ装置内に設置してもよく、同じ装置内に設置しなくてもよい。
他の条件(例えば、インキュベーションの時間や温度)を本明細書に示す。装置は、キャビネット内に配置して、発生しうるいかなるヒュームも内部に留め、また、通気することができる(ヒュームのコントロール)。卓上装置には組織試料の移動に機械的輸送を採用してもよく、又は、手作業での移動を採用してもよい。あるいは、胴体の高さにガラス窓を設けたドアにより、かごが動いていないときに作業者が装置を利用することができ、作業者が装置内にかごを投入したり装置外にかごを取り出したりでき、また、かごの動きを見ることができる。安全面から、ウィスパーリングギャラリーや反応チャンバーでアームや蓋が動いているときにはドアをロックすることが好ましい。作業者は、膝の高さの別のドアから(i)マイクロ波ユニットに接続する第1容器1の開口部に化学物質の混和物の入ったボトルを取り付けることができ、(ii)減圧ユニットに接続する第2容器4に入ったパラフィンを溶かすことができる。
図3は、他の実施形態を示し、容器がないこと以外は、上述の装置と同じである。
図2及び3の両方において、全てのユニットを単一装置内に設けてもよく、別々の装置に設けてもよく、また、マイクロ波ユニット及び減圧ユニットを1つの装置に設けて、冷却ユニットを別の装置に設けてもよい。
(実施例3:固形組織の肉眼的検査(grossing))
以下に示すように、組織の肉眼的検査(grossing)は、本発明の別の実施形態を用いて行ってもよい(図4〜9に示す)。肉眼的検査(grossing)装置は、滅菌可能な台20と、組織支持体30と、組織ホルダー40とを有する。組織支持体30及び組織ホルダー40は、弾塑性材料で作製してもよい(例えばアクリル)。それぞれ、実質的に平坦な研磨面を有し(例えば、新鮮組織に近似する面積を有する、複数のとげ、ピン、又は鋸歯)、肉眼的検査(grossing)中に両研磨面が組織に接触する。ホルダーは、上部につまみを有し底部に研磨面を有する。あるいは、ホルダーを指に置き変えて、固形組織を軽く押さえて支持体に押し付けてもよい(図示せず)。
組織支持体30は、指で押して受容ウェル24の中にぴったり嵌め、支持体30の上面と台20の上面を実質的に面一にし、刃ガイド22の底部と台20の上部の間で刃を動かして組織を切断できるようにする。ガイド22の少なくとも2つの刃ガイドが台20の上面の上方に延在する。支持体30には、約0.6mm(例えば、約0.4mm〜約0.8mm、より好ましくは約0.5mm〜約0.7mm)の深さの組織を入れる窪みがあり、その窪みのまわりには縁が形成されている。組織を入れる窪みの中に固形組織を置く前に、その窪みの中に硬化用の化学物質の混和物を入れる。台20とは分離した支持体30のかわりに、支持体30が受容ウェル24のない後者と一体となったものでもよい(図示せず)。
固形組織60は肉眼的検査ツール50を用いて切断できる。組織60を支持体30の組織を入れる窪みの中に置くと、化学物質の混和物が組織60と接触し、組織を入れる窪みから除去してもよく、隣接する窪み26の中に流れてもよい。支持体30は摩擦の力で受容ウェル24の中にとどまっており、隣接窪み26から指をいれ、てこの原理により手で取り出すことができる。台20において、ウェル26の底をウェル24の底よりも浅く/深くしてもよく、また、同じ深さにしてもよい。肉眼的検査ツール50は、刃ガイド22の底部と台20の上部との間に形成する少なくとも2つの狭いスリットで刃を動かして、組織60を約0.6mm(例えば、約0.4mm〜約0.8mm、より好ましくは約0.5mm〜0.7mm)の厚みで切断する。支持体の底面と台の上面は実質的に並行であるため、組織試料を肉眼的検査すると、実質的に均一な厚みの組織試料が得られる。好ましくは、ガイド22の少なくとも2つのブレードガードは、少なくとも組織を入れる窪みの幅だけ離間しており、及び/又は、台の上面の上方に少なくとも組織を入れる窪みの長さだけ伸びている。
外科用メス又は肉眼的検査(grossing)ツール(図9)は、固形組織を1以上の組織試料に切断するのに使用できる。肉眼的検査(grossing)ツールは、柄52と、ホルダー54と、及び取り外し可能な刃58とを有する。ホルダーの両末端のうち、一端には柄が取り外せないように固定され、他端には間隙が設けられている。刃及び柄の面に垂直な方向に動くネジ56で刃をその間隙に固定する。柄のグリップと刃の間のホルダーに重みをつけると、ツールの適度な重さにより水平な切断動作が容易となる。
(実施例4:組織試料の抗原検出)
組織試料は、マイクロ波ユニット及び減圧ユニットそれぞれで4〜5分の間処理する。組織試料を大量のパラフィンの入った個々の型に入れる。組織ブロックは補助冷却により凝固させる。ワックス切片はミクロトーム上で3ミクロンの厚みに切断し、ウォーターバス中に入れ、そして、スライドガラスの上方面に浮かせる。組織切片中のワックスはスライド上で溶かし、その後、キシレン槽中で脱ワックスする。スライド上の切断組織は、エタノール濃度が低くなっていく一連のエタノール溶液の各々(2槽の無水アルコール、2槽の95%アルコール、1槽の90%アルコール)に1分ずつ入れて再水和し、水中に2分間浸してリンスする。
内因性ペロキシダーゼは35mlの6%過酸化水素(H)及び140mlのメタノールからなる溶液でブロックして、15分間インキュベートした。スライドを2分間水に浸してリンスした後、2分間リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に浸し、最後に乾燥させた。
スライドは加湿チャンバーに移動させて、正常ウマ血清(NHS)に10分間接触させて非特異的結合部位をブロックした。余分な正常ウマ血清はスライドからデカントにより除き、加湿チャンバー内で特異的一次抗体を組織切片上で室温にて30分間インキュベートした。スライドは、PBSの入ったスクイーズボトルを用いて前後に動かして洗い、2分間PBS槽中に浸漬させた。余分なPBSを各スライドから乾燥させた。結合溶液(二次抗体又はビオチン標識抗ウサギ又は抗マウスとして知られている)を各組織切片に添加し、加湿チャンバー中にて室温で25分間インキュベートした。ウサギ、ラット、及びマウス二次抗体(例えば抗IgM、抗IgG)は、Dako(Carpinteria, CA)から入手でき、約1:600に希釈して使用できる。スライドは、PBSを入れたスクイーズボトルを用いて洗い、PBS槽中に2分間浸漬させた。余分なPBSを各スライドから乾燥させた。
製造者の使用説明書(Vector Laboratories)に従ってシグナルを発生させた。アビジン-ビオチン複合体(ABC)溶液を組織切片に添加し、加湿チャンバーにて25分間インキュベートした。スライドをPBSの入ったスクイーズボトルを用いて洗い、PBS槽のラックの中に2分間浸漬させた。このラックをジアミノベンジジン(DAB)色素源の槽中に6分間浸漬させた後、流水下で浸漬させて穏やかに4分間洗った。組織切片は、室温で約15秒〜90秒ヘマトキシリンでカウンターステインした(染色時間はヘマトキシリンの新鮮さにより調整する)。スライドは流水下で3分洗い、余分なカウンターステインを除去し、80%アルコール〜無水アルコールのアルコール槽で乾燥させ(各約10秒)、キシレンで洗い、カバースライドを被せた。
一般的な組織化学的染色(例えばH&E及びトリクローム染色)に加えて、サイトケラチン、ER、PR、Her2、E-cadherin、p63、PSA、EMA、HCA、RCA、AFP、HCG、CD10、CD30、CD31、CD45、CD68及びD2-40抗原の免疫組織化学染色を行った。
(実施例5:処理済み組織切片からのDNA抽出)
使い捨ての刃を使用して、処理済み組織の固形ブロックから2片のワックス切片(各約5〜10μm)を切り出した。それらを、1.5ml微量遠心管に入れ、800μlキシレンを加えてボルテックスで混ぜ、400μlの無水エタノールを加えてボルテックスで混ぜた。このチューブを微量遠心管で5分間遠心し、上清をデカントした。ペレットに、800μlの無水エタノールを加え、ボルテックスで混ぜた。
遠心後に上清をデカントした後、100μlの界面活性剤と、プロテイナーゼK溶液(1%NP40又はTritonX-100、2.4μlの2.5mg/mlプロテイナーゼK)をペレットに加え、55℃で1時間インキュベートする。プロテイナーゼKは95℃で10分間インキュベートすることにより不活性化させた。DNAを含んだ上清は、微量遠心管中で5分間遠心した後に回収した。これはPCRできる状態になっている。サザンブロッティングを予定している場合、沈降させ及び/又はさらに抽出すべきである。増幅させない分析をするのに十分なDNAを得るためには、より多くの組織切片が必要となりうる。増幅には少量の切片で済む。
(実施例6:処理済みの組織切片からのRNA抽出)
使い捨ての刃を使用して、処理済み組織の固形ブロックから10片のワックス切片(各約5〜10μm)を切り出した。これらは50mlファルコンチューブに入れ、20mlのキシレンで脱ワックスした。残った組織を無水アルコールで30分間、2回洗った。4Mグアニジンチオシアン酸塩、25mMのクエン酸NapH7.0、0.5%N-ラウリルサルコシン、及び0.1Mの2−メルカプトエタノールを含有する溶液中に組織を0.5gm/mlで投入した。この溶液はボルテックスで混ぜ、DNAを18〜22ゲージ注射針のなかを通過させることによりせん断した。
5ml遠心チューブ(Sorvall)中の、2.8mlの5.7MのCsClの上にRNAを含んだ溶液を注意深く層状に加え、Beckman L8-53超遠心装置を用い、SW55Tiローターで35,000rpm、18℃にて14時間遠心することによって、RNAを沈降させた。最上部の画分を注意深く除去してRNAペレットをチューブ底に残るようにした。ペレットは、エッペンドルフチューブ内で、リボヌクレアーゼを含まない水に再懸濁し、14,000rpmで10分間遠心した。RNAを含む上清を回収し、紫外光(UV)吸光度を測定した。1OD280/cmの吸光係数が、約40μg/mlRNA相当と推定され、OD260/OD280比は約1.8〜約2.0であるべきである。18SrRNAと28SrRNAのバンドを、変性ゲル電気泳動により分離した。良好なRNA精製であれば、18SRNAと28SrRNAのバンドが予測された比で存在し、分解していない。
数値範囲の記載については、範囲内のすべての値を記載したものと理解されたい(たとえば、1〜10は、1と10の間の各整数ならびに、この間のすべての範囲、たとえば2〜10、1〜5、および3〜8も含むものである)。「約」という用語は、数値量の測定に伴う統計学的不確定性、又は、当業者であれば、本発明の操作または本発明の特許性に影響を及ぼさないことが理解できるような数量の可変性について記載したものである。 請求の範囲の意図する範囲内、および法的に均等な範囲内のあらゆる改良や置換は、請求の範囲内であると理解されたい。接続部として「〜を含む(comprising)」を使用した請求項は、請求の範囲内に他の要素を含みうるものであり、発明は、「〜を含む」以外にも、移行部分「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」(すなわち、請求の範囲内に他の要素を、その要素が発明の作用に実質的に影響を及ぼさない場合には含みうる場合)、および接続部「〜からなる(consisting)」(すなわち、発明に通常付随する不純物および非実質的な作用以外については、請求項に記載された要素のみが許容される場合)を使用した請求項によっても記載される。発明を請求するにあたっては、これら3種の接続部の任意のものを使用することができる。
本明細書に記載された要素は、請求の範囲に明記されていない限りは、請求の範囲に記載された発明を限定するものではないと理解されたい。したがって、許可となった請求の範囲は、法的保護の範囲について判断する際の基礎となるものであって、明細書を請求の範囲に読み込むことによって範囲を限定するものではない。一方、従来技術は、請求の範囲に記載された発明と同一であったり、発明の新規性に支障を及ぼしたりするような具体的態様である限り、本発明から明示的に排除される。
また、請求の範囲中の限定事項同士の関係については、請求の範囲内にそうした関係が明示的に記載されていない限り、特に意図していない(たとえば、製品に関する請求項の各部分の配置または方法に関する請求項の各工程の順序は、そうした配置や順序を明示的に記載されていない限りは、請求の範囲を限定するものではない)。本明細書に開示する個々の要素のあらゆる可能な組み合わせおよび変更は、本発明の側面であると理解されたい。同様に、発明の記載を一般化した内容についても、本発明の範囲内である。
以上から、当業者には、本発明は、本発明の精神や本質的な特徴から逸脱することなく、別の特定の態様で実現することができることが明らかなはずである。本発明に関しての法的保護範囲は、本発明に付随する請求の範囲によって示されるものであり、本明細書によって示されるものではないので、本明細書に記載した実施態様は、本発明を例示するためのものであって、本発明を限定するものではないと理解されたい。

Claims (35)

  1. 固形組織から試料を処理するための装置であって、
    (a)試料を硬化させることができる硬化モジュールであって、(i)ウィスパーリングギャラリーである内部形状を有する第1チャンバーと、(ii)閉鎖時に前記第1チャンバーを隔離し、マイクロ波放射に対し非透過性で、及び、開放時には前記第1チャンバーにアクセス可能な第1蓋と、(iii)前記第1チャンバーの内部に化学煙霧及び蒸気を封じ込めるための第1ガスケットと、(iv)マイクロ波エネルギーを前記第1チャンバーの内部に伝達することができる放射源と、を有し、前記ウィスパーリングギャラリー内の化学物質の混和物にアルコールの不在下に前記試料を接触させるための、前記硬化モジュールと、
    (b)硬化させた前記試料を含浸させることができる含浸モジュールであって、(i)外部よりも低い圧力にできる内部を有する第2チャンバーと、(ii)閉鎖時には前記第2チャンバーを隔離し、開放時には前記第2チャンバーにアクセス可能な第2蓋と、(iii)前記第2チャンバーの内部と外部との間の圧力差を維持するためのガスケットと、(iv)前記第2チャンバーの内部の圧力を少なくとも1バールよりも低くするためのポンプと、(v)前記第2チャンバーの内部に熱エネルギーを伝達するための加熱器と、を有し、前記硬化させた試料を前記チャンバー内の、少なくとも1つのパラフィンワックスを含む溶融マトリクスに接触させる、前記含浸モジュールと、
    (c)硬化及び含浸させた前記試料を含む、少なくとも1つのパラフィンワックスを含むマトリックス中に包埋したブロックを凝固させることができる包埋モジュールであって、前記ブロックから熱エネルギーを伝達する冷却器を有する包埋モジュールと、
    を備え、
    前記冷却器はブロックからの熱エネルギーを伝達することができ、前記ブロックは+5℃より低い温度による冷却によって凝固され、そして
    前記ブロックは3分より短時間凝固させた後にミクロトームで薄片にできる、
    前記装置。
  2. 前記硬化モジュールは、前記化学物質の混和物と前記試料との間での溶液置換を促進するための第1撹拌器を前記ウィスパーリングギャラリー内にさらに備えた、請求項1に記載の装置。
  3. 前記含浸モジュールは、前記溶融マトリクスと前記試料との間での溶液置換を促進するための第2撹拌器を前記チャンバー内にさらに備えた、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記化学物質の混和物、前記マイクロ波エネルギー又はその両方によって前記試料を実質的に硬化させる、請求項1に記載の装置。
  5. 前記試料は、実質的に含浸させた後に前記マトリクスと同じマトリクスを用いてブロックに包埋する、請求項1に記載の装置。
  6. 前記放射源により、前記第1チャンバー内の前記化学物質の混和物を45℃より高い温度、および75℃より低い温度、又はこれらの間の任意の範囲の温度に維持する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記第2チャンバー内の圧力を0.001バールより高い圧力、および1バールより低い圧力、又はこれらの間の任意の範囲の圧力に維持する、請求項1に記載の装置。
  8. 前記加熱器は、前記第2チャンバー内の溶融マトリクスを、55℃より高い温度、および85℃より低い温度、又はこれらの間の任意の範囲の温度に維持する、請求項1に記載の装置。
  9. 前記冷却器は、+5℃より低い温度、および−200℃より高い温度、又はこれらの間の任意の範囲の温度に維持する、請求項1に記載の装置。
  10. 少なくとも前記硬化モジュールと前記含浸モジュールとを接続する移送機構と、前記含浸モジュールと前記包埋モジュールとを接続する移送機構と、又は、硬化モジュールと含浸モジュールと包埋モジュールとを接続する移送機構をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  11. 前記移送機構は一連のモジュールを接続する搬路又はアームを備える、請求項10に記載の装置。
  12. 試料と混和物又はマトリクスとの間の溶液置換を可能とする複数の穴を有する複数の担体をさらに備え、それぞれの前記試料を前記複数の担体のうちの1つの内部に保持させ、各担体を前記移送機構に取り外し可能に取り付けることにより、担体のバッチ処理を連続して行う、請求項10又は11に記載の装置。
  13. 出発モジュールをさらに備え、組織試料は前記装置の前記出発モジュールに入った後に前記硬化モジュールに運ばれる、請求項10〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 終了モジュールをさらに備え、包埋した試料は前記包埋モジュールから前記終了モジュールに運ばれた後、回収されるまで待機する、請求項10〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 固形組織から試料を処理する方法であって、
    (a)前記試料をアルコールの不在下に化学物質の混和物及びマイクロ波エネルギーに接触させて、ウィスパーリングギャラリー内で前記試料を硬化させる工程と、
    (b)前記試料を、少なくとも1つのパラフィンワックスを含む溶融マトリクス及び熱エネルギーに接触させて、減圧下で前記試料を含浸させる工程と、
    (c)前記試料をブロックに包埋して前記ブロックを凝固させる工程であって、冷却器によってブロックからの熱エネルギーを伝達することを含む、冷却によってブロックを凝固する工程と、そして
    (d)手術中に組織学検査をするために前記固形ブロックをミクロトームで薄片にできる工程と、
    を有する、方法。
  16. 被験者の体外で新鮮試料を肉眼的検査(grossing)して前記試料を用意する工程をさらに有し、肉眼的検査(grossing)中に、処理に使用する前記化学物質の混和物と同じ又は異なる化学物質の混和物中で前記試料を所期に硬化させる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記試料が、1mmより薄い厚みを有する、請求項15に記載の方法。
  18. 前記化学物質の混和物は、(i)少なくとも1種類のケトンと、(ii)少なくとも1種類のオイルと、を含む非水性溶液である、請求項15に記載の方法。
  19. 前記化学物質の混和物には少なくとも1種類の界面活性剤が含まれる、請求項15に記載の方法。
  20. 前記マトリクスには少なくとも1種類のパラフィンワックスが含まれる、請求項15に記載の方法。
  21. 化学物質の混和物、前記マイクロ波エネルギー又はこの両方により前記試料を実質的に硬化させる、請求項15に記載の方法。
  22. 前記試料を実質的に含浸させた後、前記マトリクスと同じマトリクスを用いて前記試料をブロックに包埋する、請求項15に記載の方法。
  23. 前記化学物質の混和物は、45℃より高い温度、および75℃より低い温度、又はこれらの間の任意の範囲の温度である、請求項15に記載の方法。
  24. 前記減圧は、0.001バールより高い圧力、および1バールより低い圧力又はこれらの間の任意の範囲の圧力である、請求項15に記載の方法。
  25. 前記溶融マトリクスは、55℃より高い温度、および85℃より低い温度、又はこれらの間の任意の範囲の温度である、請求項15に記載の方法。
  26. 前記ブロックは、+5℃より低い温度、および−200℃より高い温度、又はこれらの間の任意の範囲の温度である、請求項15に記載の方法。
  27. 少なくとも部分的に又は全面的に手動で前記試料を処理する、請求項15に記載の方法。
  28. 少なくとも部分的に又は全面的に自動で前記試料を処理する、請求項15に記載の方法。
  29. 前記試料は、前記化学物質の混和物又はマイクロ波に10分より短時間、および2分より長時間、又はこれらの間の任意の範囲の時間接触させた後に実質的に硬化させる、請求項15に記載の方法。
  30. 前記試料は、前記溶融マトリクス及び前記熱エネルギーと少なくとも10分より短時間、および2分より長時間、又はこれらの間の任意の時間接触させた後に実質的に含浸させる、請求項15に記載の方法。
  31. 前記ブロックは、5分より短時間、および1分より長時間、又はこれらの間の任意の範囲の時間凝固させた後に薄片にできる、請求項15に記載の方法。
  32. 前記第1撹拌器が通気装置である、請求項2に記載の装置。
  33. 前記第2撹拌器がP/Vサイクリングによって撹拌を提供する、請求項3に記載の装置。
  34. 前記ケトンがアセトンであり、前記オイルが鉱油又はパイン油である、請求項18に記載の方法。
  35. 前記界面活性剤がジメチルスルホキシドである、請求項19に記載の方法。
JP2014533391A 2011-09-29 2012-09-28 凍結切片の代用としての超迅速診断用組織調製法 Active JP6189306B2 (ja)

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