JP6189185B2 - 揮散用容器、及び薬剤揮散装置 - Google Patents
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Description
揮散性物質を外部に揮散させる揮散用容器であって、
前記揮散性物質を含む担体を収納する開口部を有する容器本体と、
前記担体から揮散した前記揮散性物質を外部に放出する揮散孔が設けられ、前記開口部に対して非接触状態で前記開口部を覆うように前記容器本体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記蓋体を前記容器本体に取り付けたとき、前記担体が前記開口部から前記容器本体の周囲にこぼれ出ることを防止する規制部が前記蓋体の内側に設けられていることにある。
しかし、本構成の揮散用容器によれば、上部が開口部である容器本体と、揮散性物質を外部に揮散させるための孔(揮散孔)が設けられている蓋体とから構成されており、この蓋体を容器本体に取り付けると、蓋体と開口部とは非接触状態となるように構成されている。つまり、蓋体と開口部とは直接には接触せず、両者の間には隙間が形成される。そして、この隙間を揮散性物質が通り抜けて蓋体に設けられた揮散孔から放出することができるため、揮散効率が向上し、使用空間に揮散性物質を速やかに充満させることができる。
また、蓋体の内側には、容器本体に収納した担体が周囲にこぼれ出ることを防止するための規制部が設けられている。これにより、容器が倒れた場合に、開口部付近まで担体が移動しても、規制部がストッパとなり、担体を堰き止めて開口部からこぼれ出ることを防止する。そして、規制部にぶつかった担体は容器を正立させると容器本体の内部へと戻っていく。
従って、本構成の揮散用容器であれば、揮散性物質の揮散効率を良好にして効果的に揮散させることができ、且つ、容器が倒れた場合であっても担体が周囲にこぼれ出ることを防止することができる。
前記規制部は、前記蓋体の内側上面に設けられ、前記開口部との間に前記担体のサイズより小さい隙間を形成するように前記内側上面から下方に延在する筒状部材として構成されていることが好ましい。
また、規制部は蓋体の上面から下方に延在する筒状部材であり、開口部の周囲に沿うように設けることができる。これにより、容器がどの方向に倒れたとしても、担体が周囲にこぼれ出ることを防止することができる。
さらに、開口部の周縁全体と規制部との間には隙間が形成されているため、揮散性物質は開口部の周縁全体から揮散することができる。これにより、揮散性物質は揮散の方向に偏りを生じることなく、使用空間全体に効率良く揮散させることが可能となる。
前記筒状部材に、前記揮散性物質が通流するための前記担体のサイズより小さい通流部が設けられていることが好ましい。
また、通流部は担体のサイズより小さいサイズであるように構成されているため、容器が倒れた場合でも規制部によって堰き止められた担体が、この通流部を通過して容器の外へこぼれ出てしまうという虞が生じない。従って、揮散効率及び揮散効果を向上させながら、担体が周囲にこぼれ出ることを防止することができる。
前記蓋体の内側上面を前記開口部の上端に対して近接させることにより、前記規制部を構成してあることが好ましい。
また、蓋体自体が規制部として構成されているため、付属の部材を使用する必要がなく、低コストで揮散用容器を作製することができ、安価な製品として消費者に提供することもできる。
前記蓋体の内側側面を前記開口部の周囲に対して近接させることにより、前記規制部を構成してあることが好ましい。
また、蓋体自体が規制部として構成されているため、付属の部材を使用する必要がなく、低コストで揮散用容器を作製することができ、安価な製品として消費者に提供することもできる。
前記蓋体に設けられる前記揮散孔は、前記担体のサイズより小さく構成されていることが好ましい。
また、揮散用容器を正立させると担体は容器本体内に戻るため、再び使用することができる。
さらに、揮散孔のサイズを担体のサイズより小さく設定しているため、揮散孔を蓋体の複数箇所に設けることができる。そのため、揮散孔の数を増やして揮散性物質の揮散効率を向上させ、揮散効果を良好に発揮させることができる。
上記の何れか一つに記載の揮散用容器を使用した薬剤揮散装置であって、
前記担体として、吸水性ポリマーに、少なくとも前記揮散性物質の水溶液又は水懸濁液を吸収させた水性ゲルビーズタイプの薬剤を収納したことにある。
前記揮散性物質は、飛翔害虫忌避成分、飛翔害虫忌避香料成分、衣料防虫忌避成分、衣料防虫香料成分、及び香料成分からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
図1は、本発明の第一実施形態に係る揮散用容器100の斜視図である。(a)は、揮散用容器100の分解斜視図であり、(b)は、容器本体に蓋体を取り付けたときの斜視図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る揮散用容器100の断面図である。揮散用容器100は、後述する揮散性物質を外部に揮散させるために使用する容器であり、容器本体10と、蓋体20とを備えている。なお、図2を含めて以降に説明する揮散用容器100の断面図は、容器本体10と蓋体20との関係を分かり易く説明するものであって、細部については省略表示してある。そのため、実際の揮散用容器100の断面を精密に反映したものとは限らない。
容器本体10を構成する材料は、容器本体10の内部に収納する揮散性物質を変質させず、且つ収納した揮散性物質によって容器本体10自身が劣化、浸食、腐食等を受けない材料であればよい。そのような材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリエーテル・ケトン・ケトン(PEKK)、及びポリオキシメチレン(POM)等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、エポキシ樹脂(EP)、及びポリウレタン樹脂(PUR)等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂のうち、強度及び透明性において優れているポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。なお、揮散性物質が有機溶媒等を含む場合は、樹脂を溶解させる虞があるため、樹脂の代わりに、例えば、金属、ガラス、セラミックス等の無機材料で容器本体10を構成することも可能である。容器本体10の構成材料として樹脂材料を使用する場合、射出成型、押出成型、ブロー成型、圧縮成型等の成型法により容器本体10を作製することができる。
図3は、本発明の第二実施形態に係る揮散用容器200の断面図である。図3に示すように、揮散用容器200は、規制部22の幅(外径)が開口部11の幅(外径)より大きく構成されている。つまり、規制部22の周縁が開口部11の外側に位置するように構成されている。規制部22の周縁と開口部11との間に形成される水平方向及び垂直方向の隙間23の大きさは、揮散用容器200に収納される担体のサイズより小さくなるように構成されている。その他の構成は、第一実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。第二実施形態のように構成することにより、揮散用容器200が倒れた場合であっても、揮散性物質を含む担体が容器本体10からこぼれ出ることはなく、第一実施形態と同様の優れた揮散効率、及び揮散効果を奏することができる。
図4は、本発明の第三実施形態に係る揮散用容器300の断面図である。図4に示すように、揮散用容器300は、規制部22の幅(外径)が開口部11の幅(外径)より小さく構成されている。つまり、規制部22の周縁が開口部11の内側に位置するように構成されている。規制部22の周縁と開口部11との間に形成される水平方向及び垂直方向の隙間23の大きさは、揮散用容器300に収納される担体のサイズより小さくなるように構成されている。その他の構成は、第一実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。第三実施形態のように構成することにより、揮散用容器300が倒れた場合であっても、揮散性物質を含む担体が容器本体10からこぼれ出ることはなく、第一実施形態と同様の優れた揮散効率、及び揮散効果を奏することができる。
図5は、本発明の第四実施形態に係る揮散用容器400の断面図である。図5に示すように、揮散用容器400は、蓋体20の内側上面20aを開口部11の上端に対して近接させることにより規制部を構成する。つまり、蓋体20自体によって規制部を構成することができる。蓋体20の内側上面20aと開口部11とによって形成される隙間25の大きさは、揮散用容器400に収納される揮散性物質を含む担体のサイズよりも小さくなるように設定されている。揮散用容器400が倒れた場合であっても、担体は隙間25を通り抜けることができないため、容器本体10からこぼれ出る虞は生じない。従って、第一実施形態と同様の優れた揮散効率及び揮散効果を奏することができる。また、蓋体20自体が規制部として構成されているため、付属の部材を使用する必要がなく、低コストで揮散用容器400を作製することができ、安価な製品として消費者に提供することもできる。
図6は、本発明の第五実施形態に係る揮散用容器500の断面図である。図6に示すように、揮散用容器500は、蓋体20の内側側面20bを開口部11の周囲に対して近接させることにより規制部を構成する。つまり、蓋体20自体によって規制部を構成することができる。蓋体20の内側側面20bと開口部11とによって形成される隙間26の大きさは、揮散用容器500に収納される揮散性物質を含む担体のサイズよりも小さくなるように設定されている。揮散用容器500が倒れた場合であっても、担体は隙間26を通り抜けることができないため、容器本体10からこぼれ出る虞は生じない。なお、図6に示した揮散用容器500の場合、揮散用容器500が倒れると、担体は開口部11と蓋体20の上面との間に一時的に溢れるが、揮散用容器500を正立させると、容器本体10の内部に速やかに戻ることになる。従って、第一実施形態と同様の優れた揮散効率及び揮散効果を奏することができる。また、蓋体20自体が規制部として構成されているため、付属の部材を使用する必要がなく、低コストで揮散用容器500を作製することができ、安価な製品として消費者に提供することもできる。
[飛翔害虫忌避剤]
本発明の揮散用容器100〜500は、例えば、蚊、蚋、ユスリカ、ハエ類、コバエ類等の飛翔害虫を忌避するために使用する薬剤揮散装置として使用することができる。この場合、揮散用容器100〜500の内部に揮散性物質として飛翔害虫忌避成分を含有する飛翔害虫忌避剤を収納する。飛翔害虫忌避剤は、そのままの状態で揮散用容器100〜500に収納することも可能であるが、揮発性が高いものでは容器からの揮散量をコントロールし難い場合がある。そこで、飛翔害虫忌避剤の取り扱いを容易にするため、適量の飛翔害虫忌避剤を水に溶解させて水溶液として調製するか、あるいは、飛翔害虫忌避剤が水に不溶性の場合は、飛翔害虫忌避剤の水懸濁液として調製し、これをゲルビーズに保持させた水性ゲルビーズの形態で収納することが好ましい。水性ゲルビーズタイプの飛翔害虫忌避剤は、吸水性ポリマーに、飛翔害虫忌避成分(必要に応じて、さらに、飛翔害虫忌避香料成分、忌避効果持続成分)、及び水を含む飛翔害虫忌避香料組成物を吸収させることにより調製される。飛翔害虫忌避成分が揮散性を有する物質であり、本明細書では、当該飛翔害虫忌避成分、又は当該飛翔害虫忌避成分を含有する飛翔害虫忌避香料組成物を揮散性物質として取り扱う。揮散性物質は、20℃における蒸気圧が0.01〜50Paとなるように選択される。以下、揮散性物質の一部又は全部を構成する飛翔害虫忌避成分について説明する。
CH3−COO−R1 ・・・ (I)
(R1:炭素数が6〜12のアルコール残基)
で表される酢酸エステル化合物、及び/又は一般式(II):
R2−CH2−COO−CH2−CH=CH2 ・・・ (II)
(R2:炭素数が4〜7のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、又はフェノキシ基)
で表されるアリルエステル化合物から選ばれる一種以上の香料成分と、
(b)モノテルペン系アルコールもしくは炭素数が10の芳香族アルコールから選ばれる一種以上の香料成分と、を含有する。
本発明の揮散用容器100〜500に収納される揮散性物質は、上記のような飛翔害虫忌避剤の他に、例えば、イガ類、カツオブシムシ類、シミ類等の衣料害虫に対する防虫効果や殺虫効果を有する衣料用防虫剤であっても構わない。つまり、上記の飛翔害虫忌避剤と同様に、適量の衣料用防虫剤を水に溶解させて水溶液として調製するか、あるいは、衣料用防虫剤が水に不溶性の場合は、衣料用防虫剤の水懸濁液として調製し、これをゲルビーズに保持させた水性ゲルビーズの形態で収納することが好ましい。水性ゲルビーズタイプの衣料用防虫剤は、吸水性ポリマーに、衣料防虫成分(必要に応じて、さらに、衣料用防虫香料成分、ピレスロイド系殺虫成分、持続性香料成分)を吸収させることにより調製される。
CH3−COO−R3 ・・・ (III)
(R3:炭素数が6〜12のアルコール残基)
で表される一種以上の酢酸エステル化合物と、(d)常温で揮散性を有する一種以上のピレスロイド系殺虫成分とを含むように調製される。さらに、本発明の揮散用容器100〜500に収納される衣料用防虫剤は、衣料防虫成分及びピレスロイド系殺虫成分に加えて、(e)衣料防虫香料成分、及び(f)衣料防虫香料成分より長い持続性を有する持続性香料成分を含むように調製され得る。以下、各成分について説明する。
衣料防虫成分として使用する前記式(III)で表される特定の酢酸エステル化合物は、後述のピレスロイド系殺虫成分と化学構造的に類似のエステル化合物である。酢酸エステル化合物の揮散性は、後述の衣料防虫香料成分として添加し得るテルペン化合物の揮散性と概して同等程度であり、且つピレスロイド系殺虫成分の揮散性より大きいという特性を有する。このため、酢酸エステル化合物は、ピレスロイド系殺虫成分と協同して、使用初期段階から数ヵ月以上の長期に亘って相乗効果による増強された防虫効果を発揮することが可能となる。また、衣料防虫成分の持続期間中は、酢酸エステル化合物によって芳香性が高められる。
上記衣料防虫成分と組み合わせて使用されるピレスロイド系殺虫成分としては、エムペントリン、プロフルトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びテラレスリンなどが挙げられる。これらのピレスロイド系殺虫成分は、単独で使用可能であるが、二種以上の混合物として使用しても構わない。また、これらのピレスロイド系殺虫成分には、不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、それらを単独又は任意の混合物として使用することも可能である。
本発明の揮散用容器100〜500に収納される衣料用防虫剤は、使用初期段階における防虫効果をさらに増強するために、衣料防虫香料成分として、テルペン化合物を含有し得る。上述の衣料防虫成分にテルペン化合物を併用すると、使用初期段階の防虫効果が長時間持続することが本発明者らによって確認された。また、テルペン化合物は調香剤としての機能も有しており、このため、より長期に亘って芳香性を高めることができる。テルペン化合物としては、テルピネオール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、メントール、ボルネオール、イソボルネオール等のテルペン系アルコール、シトロネラール、シトラール、ジメチルオクタナール等のテルペン系アルデヒド、カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、メントン等のテルペン系ケトンなどが挙げられる。これらのテルペン化合物は、単独で使用可能であるが、二種以上の混合物として使用しても構わない。テルペン化合物は、テルペン化合物を含有する植物精油の形態であっても構わない。植物精油としては、シトロネラ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ユズ油、ラベンダー油、ペパーミント油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、ヒバ油、グレープフルーツ油、シダーウッド油、ゼラニウム油、タイムホワイト油、ハッカ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油などが挙げられる。
本発明の揮散用容器100〜500に収納される衣料用防虫剤は、防虫効果及び芳香の持続性をさらに高めるために、持続性香料成分を含有し得る。上述の衣料防虫成分及び衣料防虫香料成分に加えて、持続性香料成分を使用すると、使用後期段階における防虫効果の減退が少なくなり、6〜およそ12ヵ月の長期の使用にも耐え得る衣料防虫成分を実現することができる。持続性香料成分としては、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、エチレンブラシレート、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、オレンジャークリスタルなどが挙げられる。これらの持続性香料成分は、単独で使用可能であるが、二種以上の混合物として使用しても構わない。
衣料防虫成分とピレスロイド系殺虫成分との配合比率((c):(d))は、重量比で0.02:1〜0.4:1とするのが好ましい。この範囲であれば、使用初期段階における防虫効果を増強しつつ、ピレスロイド系殺虫成分の持続期間全体に亘って衣料防虫成分を作用させることができる。その結果、ピレスロイド系殺虫成分による殺虫効果と衣料防虫成分による防虫効果との相乗効果により、増強された効果及び芳香性を長期に亘って発揮し続けることが可能となる。衣料防虫成分とピレスロイド系殺虫成分との配合比率((c):(d))が上記範囲を上回っても、ピレスロイド系殺虫成分による殺虫効果と衣料防虫成分による防虫効果との相乗効果は頭打ちになり、それ以上の効果の向上はあまり望めない。衣料防虫成分とピレスロイド系殺虫成分との配合比率((c):(d))が上記範囲を下回ると、ピレスロイド系殺虫成分による殺虫効果と衣料防虫成分による防虫効果との相乗効果が十分に得られない場合がある。
上記のようにして揮散性物質を含む水性ゲルビーズタイプの飛翔害虫忌避剤、又は衣料用防虫剤を調製し、これを本発明の揮散用容器100〜500に収納したものは、本発明の薬剤揮散装置として使用することができる。図7は、第一実施形態に係る揮散用容器100を使用した薬剤揮散装置100´の斜視図である。この薬剤揮散装置100´の内部には、水性ゲルビーズタイプの飛翔害虫忌避剤50が揮散用容器100´に収納されている。水性ゲルビーズのサイズは、含浸液量がアクリル酸系吸水性ポリマーの重量の20倍以上であるとき、5〜15mmの径となるように調製されている。薬剤揮散装置100´は、玄関、台所、トイレ、リビングルーム、寝室等の室内、倉庫、車中等の空間や、庭先、屋外において、アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、蚋、ユスリカ類、ハエ類、コバエ類(ショウジョウバエ類、ノミバエ類等)、チョウバエ類、イガ類等の飛翔害虫を忌避する用途に使用され、安全性及び利便性に優れたものである。
特に、薬剤揮散装置100´に上記の衣料用防虫剤を収納した場合、薬剤揮散装置100´は効率的に、且つ、効果的に衣料防虫成分を揮散させることができる。この薬剤揮散装置100´は、タンス、引き出し、クローゼット、衣料収納箱等に置いておくだけで、優れた防虫効果や殺虫効果を発揮することができる。
11 開口部
20 蓋体
20a 蓋体上面
20b 蓋体側面
21 揮散孔
22 規制部
23,25,26 隙間
24 通流部
50 水性ゲルビーズタイプの飛翔害虫忌避剤
100 揮散用容器
100´ 薬剤揮散装置
Claims (7)
- 揮散性物質を外部に揮散させる揮散用容器であって、
前記揮散性物質を含む担体を収納する開口部を有する容器本体と、
前記担体から揮散した前記揮散性物質を外部に放出する揮散孔が設けられ、前記開口部に対して非接触状態で前記開口部を覆うように前記容器本体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記蓋体を前記容器本体に取り付けたとき、前記担体が前記開口部から前記容器本体の周囲にこぼれ出ることを防止する規制部が前記蓋体の内側に設けられ、
前記規制部は、前記蓋体の内側上面に設けられ、前記開口部との間に前記担体のサイズより小さい隙間を形成するように前記内側上面から下方に延在する筒状部材として構成されている揮散用容器。 - 前記筒状部材に、前記揮散性物質が通流するための前記担体のサイズより小さい通流部が設けられている請求項1に記載の揮散用容器。
- 前記蓋体に設けられる前記揮散孔は、前記担体のサイズより小さく構成されている請求項1又は2に記載の揮散用容器。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の揮散用容器を使用した薬剤揮散装置であって、
前記担体として、吸水性ポリマーに、少なくとも前記揮散性物質の水溶液又は水懸濁液を吸収させた水性ゲルビーズタイプの薬剤を収納してなる薬剤揮散装置。 - 前記揮散性物質は、飛翔害虫忌避成分、飛翔害虫忌避香料成分、衣料防虫成分、衣料防虫香料成分、及び香料成分からなる群から選択される少なくとも一種である請求項4に記載の薬剤揮散装置。
- 揮散性物質を外部に揮散させる揮散用容器を使用した薬剤揮散装置であって、
前記揮散性物質を含む担体を収納する開口部を有する容器本体と、
前記担体から揮散した前記揮散性物質を外部に放出する揮散孔が設けられ、前記開口部に対して非接触状態で前記開口部を覆うように前記容器本体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記担体は、吸水性ポリマーに、少なくとも前記揮散性物質の水溶液又は水懸濁液を吸収させた水性ゲルビーズタイプの薬剤であり、
前記蓋体を前記容器本体に取り付けたとき、前記担体が前記開口部から前記容器本体の周囲にこぼれ出ることを防止する規制部が前記蓋体の内側に設けられ、
前記蓋体の内側上面を前記開口部の上端に対して近接させることにより、前記規制部を構成してある薬剤揮散装置。 - 揮散性物質を外部に揮散させる揮散用容器を使用した薬剤揮散装置であって、
前記揮散性物質を含む担体を収納する開口部を有する容器本体と、
前記担体から揮散した前記揮散性物質を外部に放出する揮散孔が設けられ、前記開口部に対して非接触状態で前記開口部を覆うように前記容器本体に取り付けられる蓋体と、
を備え、
前記担体は、吸水性ポリマーに、少なくとも前記揮散性物質の水溶液又は水懸濁液を吸収させた水性ゲルビーズタイプの薬剤であり、
前記蓋体を前記容器本体に取り付けたとき、前記担体が前記開口部から前記容器本体の周囲にこぼれ出ることを防止する規制部が前記蓋体の内側に設けられ、
前記蓋体の内側側面を前記開口部の周囲に対して近接させることにより、前記規制部を構成してある薬剤揮散装置。
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